JP7186914B1 - 開先加工方法、継手管製造方法、開先加工装置、及びそれを備える自動溶接システム - Google Patents
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Abstract
Description
図1に一部分を示す自動溶接システム1は、液体等を流す継手管3を製造する際に用いられる。継手管3は、図2に示すように2つの配管4,5の一端部4a,5a同士を突き合わせて溶接する(図1の網掛部分参照)ことによって製造される。より詳細に説明すると、自動溶接システム1は、配管4,5を溶接するにあたって、配管4,5の各々の一端部4a,5aに開先4b,5bを形成する。そして、2つの配管4,5において、一端部4a,5aが突き合わされる。自動溶接システム1は、突合せ部3aにおいて2つの配管4,5を溶接することによって、継手管3を製造する。本実施形態において、開先形状はU形である。但し、開先形状は、V形、X形、K形等であってもよく、その形状は問わない。更に詳細に説明すると、自動溶接システム1は、溶接ロボット6と開先加工装置2とを備えている。
溶接装置の一例である溶接ロボット6は、図1に示すように、例えば多関節ロボットである。溶接ロボット6は、先端部にアタッチメントを有している。アタッチメントには、例えば溶接棒6aが取り付けられている。溶接ロボット6は、各関節を動かすことによって溶接棒6aの先端を突合せ部3aに当てる。その後、溶接ロボット6は、突合せ部3aにてアークを発生させることによって2つの配管4,5を溶接する。なお、本実施形態では、溶接ロボット6がアーク溶接によって配管4,5を溶接する場合について説明したが、溶接方法はアーク溶接に限定されず、その他の溶接方法であってもよい。
図3に示す開先加工装置2は、配管4,5の一端部4a,5aの各々に開先4b,5bを形成する。本実施形態において、開先加工装置2は、後で詳述する切削工具24,25を用いて配管4,5の一端部4a,5aの各々に開先4b,5bを形成する。より詳細に説明すると、開先加工装置2は、配管4,5の一端部4a,5aの形状を計測する。そして、開先加工装置2は、計測結果に基づいて切削工具24,25のツールパスを設定する。ここで、ツールパスは、後で詳述する切削工具24,25の刃部24a,25aがたどる経路を示す情報である。更に、開先加工装置2は、設定されたツールパスに基づいて切削工具24,25の動きを制御する。これにより、開先加工装置2は、配管4,5の一端部4a,5aに開先4b,5bを形成する。更に詳細に説明すると、開先加工装置2は、切削加工機械11と、計測器12と、制御器13とを備えている。
切削加工機械11は、切削工具24,25を有している。切削加工機械11は、切削工具24,25によって配管4,5の一端部4a,5aを切削する。そうすることによって、切削加工機械11は、配管4,5の一端部4a,5aに開先4b,5bを形成する。また、切削加工機械11は、配管4,5を真円に成形する。より詳細に説明すると、切削加工機械11は、取付治具21と、回転面盤22と、ホルダー23と、切削工具24,25とを有している。
計測器12は、配管4,5の一端部4a,5aの形状を計測する。より詳細に説明すると、計測器12は、配管4,5の一端部4a,5aの形状である周長又は径を計測する。本実施形態において、計測器12は、配管4,5の外周面4c,5cの径、即ち外径Rを計測する。より詳細に説明すると、計測器12は、例えば開先加工装置2に取り付けられる。本実施形態において、計測器12は、ホルダー23に取り付けられている。そして、計測器12は、ホルダー23において2つの切削工具25より径方向外側に配置されている。また、計測器12は、第1方向に延在している。そして、計測器12は、先端部に計測部12aを有している。計測器12は、例えば接触式の計測器であってプローブである。即ち、計測器12は、計測部12aを配管4,5の外周面4c,5cに当接させることによって配管4,5の外径Rを計測する。本実施形態において、計測器12は、ホルダー23の径方向の移動量に応じて配管4,5の外径Rを計測する。具体的に説明すると、計測器12は、計測部12aが外周面4c,5cに接触した際、ホルダー23の軸線L2からの距離に基づいて外周面4c,5cにおける接触位置の座標を出力する。
制御器13は、切削工具24,25の動きを制御する。より詳細に説明すると、制御器13は、切削加工機械11の動作を制御する。即ち、制御器13は、移動基台、電動機、スライド機構、及び取付治具21の動作を制御する。例えば、制御器13は、移動基台を作動させることによって回転面盤22を第2方向及び上下方向に動かすことができる。これにより、回転面盤22の軸線L1の位置を変えることができる。また、制御器13は、移動基台を第1方向に移動させることによって回転面盤22を配管4,5の一端部4a,5aに近づけたり離したりする。即ち、制御器13は、移動基台を第1方向に移動させることによって切削工具24,25を配管4,5の一端部4a,5aに近づけたり離したりする。
以下では、自動溶接システム1を用いた継手管3を製造する継手管製造方法が図8のフローチャートを参照しながら説明される。継手管製造方法では、2つの配管4,5を溶接することによって継手管3が製造される。配管4,5を溶接するにあたって、配管4,5の一端部4a,5aに開先4b,5bが形成される。継手管製造方法では、継手管3の製造が開始されると、ステップS1にて移行する。ステップs1では、開先加工処理が行われる。以下では、開先加工処理について、図9のフローチャートを参照しながら説明される。
本実施形態の開先加工方法において、計測工程では、配管4,5の一端部4a,5aの形状として配管4,5の外径Rが計測されているが、配管4,5の周長が計測されてもよい。この場合、自動溶接システム1Aの開先加工装置2Aは、図11に示すように例えば切削加工機械11と、計測器12Aと、制御器13とを備えている。計測器12Aは、計測部12aを有している。計測器12Aは、配管4,5の一端部4a,5aを軸線L1まわりに計測部12Aaを操作させることよって一端部4a,5aの形状を計測する。計測器12Aは、例えばレーザ照射式の計測器であるが、接触式の計測器又はカメラ式の計測器であってもよい。計測器12Aについて更に具体的に説明すると、計測器12Aは、操作されることによって配管4,5の外周面4c,5cの周長を計測する。制御器13は、周長に基づいて切削工具24,25のツールパスを設定する。例えば、制御器13は、周長に基づいて配管4,5の外径Rを算出する。そして、制御器13は、外径Rに基づいて切削工具24,25のツールパスを設定する。なお、制御器13は、外径Rを算出せずに周長に基づいて切削工具24,25のツールパスを設定してもよい。また、計測器12Aは、外径Rに拘らず、内径を計測してもよく、また制御器13は、径として外周面4c,5cの半径又は内周面4d,5dの半径を計測してもよい。更に、計測器12Aは、3D計測器であってもよく、配管4,5の一端部4a,5aの形状そのもの(具体的には、一端部4a,5a上に配置される各点群の座標)を計測してもよい。
第1の局面における開先加工方法は、切削工具を用いて管の一端部に開先を形成する方法であって、前記管の一端部の形状を計測する計測工程と、前記計測工程の計測結果に基づいて前記切削工具のツールパスを設定するツールパス設定工程と、前記ツールパス設定工程で設定されたツールパスに基づいて前記切削工具の動きを制御することによって、前記管の一端部に前記開先を形成する加工工程とを、備える方法である。
2,2A 開先加工装置
3 継手管
4 配管(管)
4a 一端部
4b 開先
4c 外周面
4d 内周面
5 配管(管)
5a 一端部
5b 開先
5c 外周面
5d 内周面
6 溶接ロボット(溶接装置)
11 切削加工機械
12,12A 計測器
13 制御器
24 外面用切削工具(切削工具)
25 内面用切削工具(切削工具)
r ルート面
t 厚み
Claims (9)
- 切削工具を用いて管の一端部に開先を形成する開先加工方法であって、
前記管の一端部の形状を計測する計測工程と、
前記計測工程の計測結果に基づいて前記切削工具のツールパスを設定するツールパス設定工程と、
前記ツールパス設定工程で設定されたツールパスに基づいて前記切削工具の動きを制御することによって、前記管の一端部に前記開先を形成する加工工程とを、備え、
前記加工工程では、前記管の一端部における外周面に沿って前記切削工具が回転することによって前記管の一端部の外周面が切削される外面加工によって、前記管に前記開先が形成され、前記管の一端部における内周面に沿って前記切削工具が回転することによって前記管の一端部の内周面が切削される内面加工によって、前記管のルート面が調整され、
前記ツールパス設定工程では、外面加工及び内面加工の各々におけるツールパスとして前記切削工具の径方向位置が計測結果に基づいて設定される、開先加工方法。 - 前記ツールパス設定工程では、前記ルート面が所定値となるように外面加工及び内面加工の各々におけるツールパスが設定される、請求項1に記載の開先加工方法。
- 前記加工工程では、外面加工に比べて内面加工が軸方向に長く施され、
前記ツールパス設定工程では、前記管の一端部において前記開先より他端側の厚みが所定厚さになるように外面加工及び内面加工の各々におけるツールパスが設定される、請求項1に記載の開先加工方法。 - 前記計測工程では、前記管の一端部の形状である周長又は径が計測され、
前記ツールパス設定工程では、前記計測工程で計測される周長又は径に基づいてツールパスが設定される、請求項1に記載の開先加工方法。 - 前記計測工程では、治具によって前記管を真円に成形した後に前記管の形状が計算される、請求項1に記載の開先加工方法。
- 管の一端部同士を突き合わせて溶接することによって継手管を製造する継手管製造方法であって、
請求項1に記載の開先加工方法によって前記管の一端部に前記開先を形成する開先加工工程と、
前記開先加工工程によって前記開先が形成された前記管の一端部同士を突き合わせて溶接する溶接工程と、を備える継手管製造方法。 - 管の一端部に開先を形成する開先加工装置であって、
前記管の一端部の形状を計測する計測器と、
切削工具によって前記管の一端部を切削する切削加工機械と、
前記切削工具の動きを制御する制御器とを備え、
前記切削加工機械は、前記管の一端部における外周面に沿って前記切削工具を回転させることによって前記管の一端部の外周面を切削する外面加工によって、前記管に前記開先を形成し、前記管の一端部における内周面に沿って前記切削工具を回転させることによって前記管の一端部の内周面を切削する内面加工によって、前記管のルート面を調整し、
前記制御器は、外面加工及び内面加工におけるツールパスとして前記切削工具の径方向位置を前記計測器の計測結果に基づいて設定し、前記ツールパスに基づいて前記切削工具の動きを制御する、開先加工装置。 - 前記計測器は、前記管の一端部の周面における複数箇所の位置を計測し、
前記制御器は、前記計測器が計測する複数箇所の位置に基づいて前記管の形状である周長又は径を算出し、周長又は径に基づいてツールパスを設定する、請求項7に記載の開先加工装置。 - 管の一端部同士を突き合わせて溶接する自動溶接システムであって、
請求項7に記載の開先加工装置と、
前記開先加工装置によって前記開先が形成された前記管の一端部同士を突き合わせて溶接する溶接装置とを備える、自動溶接システム。
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