JP7184398B2 - 自動診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、パーキンソン病等の脳神経性疾患の病理診断装置に関する。
パーキンソン病(PD)は、脳内のドーパミン不足とアセチルコリンの相対的増加とを病態とし、錐体外路系徴候を示す進行性の疾患である。神経変性疾患の一つであり、日本では難病(特定疾患)に指定されている。PD患者は重症者数だけでも国内に15万人以上存在し、その数は急速に増加しつつある。
症状は運動性と非運動性に大別されるが、顕著な運動障害が現れるところに大きい特徴がある。これは安静時震戦(ふるえ)、姿勢反射障害(姿勢異常)、すくみ足などの歩行障害などに分けられ、医師が病期を診断する上で重要な手掛かりとなっている。
特開2011-177278号公報
PDの診断では上記の運動障害以外にも、CT等による画像所見やL-ドパ投与の効果など複合的な視点からなされる。しかし運動障害の所見だけが医師の目視による評価に依存しており、その定量性や客観性において大きい問題が残されていた。
一例として、PDの病期の診断に用いられる指標として広く使われているものとしてHoehn-Yahr分類が知られている。もし、このようなPD患者の運動障害を簡便に計測し評価することでPDの病期を自動診断するシステムが構築できれば、それは治療に携わる医師や患者にとって福音となるものであろう。このような自動診断システムは、PDに限らず、脳卒中や認知症などその他の運動障害をともなうさまざまな脳神経性疾患に関しても有用である。
本発明は係る状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、病期、進行度などを簡便かつ、定量的あるいは客観的に測定可能な脳神経性疾患の自動診断装置の提供にある。
本発明のある態様によれば、脳神経性疾患を自動診断する装置が提供される。この自動診断装置は、脳神経性疾患のPD患者の病期、進行度などを診断するために、患者の身体運動のうち姿勢、振動、歩行に注目し、それらの少なくともひとつに現れる運動障害を簡便かつ定量的に計測し、それに基づいて病気、進行度を診断する。
具体的には、姿勢計測から姿勢反射障害としての姿勢異常に関わる特徴量を、振動計測から安静時震戦としてのふるえに関わる特徴量を、歩行計測から、歩行障害としてのすくみ足に関わる特徴量を評価してもよい。このようにして得られる特徴量を少なくともひとつ含む特徴ベクトル(すなわち1次元を含む)を構成し、機械学習に基づいて自動診断装置を構築してもよい。
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたもの、あるいは本発明の表現を、方法、装置などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明のある態様によれば病期、進行度などを簡便かつ、定量的あるいは客観的に測定できる。
実施の形態に係る自動診断装置のブロック図である。 Hoehn-Yahr分類を説明する図である。 自動診断装置のブロック図である。 図4(a)~(d)は、姿勢計測を説明する図である。 図5(a)、(b)は、若年健常者、PD患者それぞれについて実際に得られた左右方向の傾きφおよび前後の傾きθを示す図である。 図6(a)は、センサの配置の別の一例を示す図であり、図6(b)は、前腕および上腕を示す図である。 図7(a)~(d)は、勾配φおよびθの特徴ベクトルとして、平均、時間、分散、尖度を次元平面にプロットした図である。 図8(a)~(d)は、4群それぞれについて得られた左右方向の傾きφおよび前後の傾きθの30秒間の軌跡を示す図である。 Kruskal-Wallisテストの結果を示す図である。 図10(a)~(c)は、坐位時、立位時、歩行時それぞれにおける背中の前後の傾きの平均と分散の各群の値を示す図である。 図11(a)は、若年健常者とPD患者の分類器の一例を示す図であり、図11(b)は、PD患者の軽度と重度の分類器の一例を示す図である。 図12(a)~(e)は、振動計測を説明する図である。 図13(a)、(b)は、PD患者および健常者の振動計測の結果を示す図である。 図14(a)、(b)は、健常者とPD患者それぞれについて測定した、安静時震戦のパワースペクトルとその時間波形を示す図である。 姿勢時震戦と安静時震戦の4~6Hzのパワーを2次元平面にプロットした図である。 PD患者について測定した右手人差し指の加速度ノルムの時間波形図である。 図17(a)、(b)は、健常者とPD患者について測定された安静時震戦のパワースペクトルを示す図である。 図18(a)は、若年健常者とPD患者の分類器の一例を示す図であり、図18(b)は、PD患者の軽度と重度の分類器の一例を示す図である。 Z軸の角速度データを示す図である。 軌道推定のフローチャートである。 図21(a)は、X軸角度の補正を説明する図であり、図21(b)は、実施の形態に係る推定手法により、歩行時の加速度および角速度データから得られた足首の三次元軌道(1周期分)を示す図である。 横軸に前後方向を、縦軸に高さ方向をとったときの足首の軌道を示す図である。 歩行軌道に関する特徴量を説明する図である。 図24(a)、(b)は、主成分分析における第一主成分と第二主成分の因子負荷量を示す図である。 複数の参加者の歩行状態をプロットした特徴空間を示す図である。 図26(a)は、軽度PD群と健常高齢群にSVMを適用した結果を示す図であり、図26(b)は、軽度PD群と重度PD群にSVMを行った結果を示す図である。 若年健常者とHoehn-Yahr分類1度と2度のそれぞれの特徴ベクトル上での分布の一例を示す図である。 指先の振動計測データを基に、SVMを用いて構築した若年健常者とPD患者とを分類する識別器の一例を示す図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、実施の形態に係る自動診断装置のブロック図である。この自動診断装置1は、運動障害をともなう脳神経性疾患の患者を診断し、診断結果を示す診断データS4を生成する。診断データS4は、病期、進行度、予兆などを示す指標であってもよい。本実施の形態では、理解の容易化のため、PDを対象とした自動診断装置1について説明するものとし、診断データS4は、PDの病気に関連するHoehn-Yahr分類(1~6)を示すものとする。
図2は、Hoehn-Yahr分類を説明する図である。修正版Hoehn-Yahr分類において、姿勢反射障害を伴う2.5-4度を重度(Severe)、伴わない1~2度を軽度(Mild)と分類する場合もあり、自動診断装置1は、重度か軽度を示す診断データS4を生成してもよい。
図1に戻る。自動診断装置1は、運動計測部10、特徴抽出部20、インタープリタ30を備える。運動計測部10は、患者2の運動S1を測定する。具体的には運動計測部10は、患者2の(i)姿勢、(ii)振動(ふるえ)、(iii)歩行のうち、少なくとも(i)姿勢および(ii)振動(ふるえ)の一方を測定する。運動S1は、たとえば患者2に取り付けられたひとつまたは複数のセンサ12によって測定することができる。運動計測部10は、センサ12の出力をデジタルデータに変換することにより、運動S1を示す計測データS2を生成する。センサは、加速度センサ、速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、などさまざまなものを利用しうる。計測データS2は、運動S1の時間波形を示す。センサ12はワイヤレスでもよいし、ワイヤー接続されてもよい。あるいはセンサ12に代えて、あるいはそれに加えて、患者2のひとつまたは複数の特定部位に、マーカ14を取り付けてビデオカメラを用いて観察し、マーカ14の動きにもとづいて運動S1を測定してもよい。
特徴抽出部20は、計測データS2にもとづき、特徴量(Feature Value)S3を抽出する。特徴量S3としては、ある計測データの時間波形に関して、平均(Average)、分散(Variance)、歪度(Skewness)、尖度(Kurtosis)、スペクトルなどが例示される。あるいは複数の計測データS2が得られる場合、それらの差や和、積、相関などを、特徴量S3としてもよい。運動の種類と、特徴量は、診断対象とする病気に応じて定めればよい。これについては後述する。
複数の特徴量S3が測定される場合、それらの組み合わせはベクトル(以下、特徴ベクトル)と理解することができる。単一の特徴量S3に関しても、1次元の特徴ベクトルと解釈することができ、したがって以下では、特徴量S3の個数にかかわらず、特徴ベクトルS3とも称することとする。
インタープリタ(意味理解部)30は、計算した特徴ベクトルS3を、データベース32と照合することで、診断データS4を生成する。データベース32は事前の機械学習により生成することができる。すなわち、あらかじめ、若年健常者、健常高齢者、Hoehn-Yahr分類の度数の異なる対象疾患罹患者の計測データ(学習用サンプルともいう)S2を集める。そしてインタープリタ30は、学習用サンプルから得られる特徴ベクトルS3とHoehn-Yahr分類の度数の相関を見いだす。具体的には特徴ベクトルの空間において、Hoehn-Yahr分類の度数の境界となる超平面を学習し、識別器を構成する。インタープリタ30は、たとえばサポートベクターマシーン等のパターン分類器や主成分分析を用いてデータベース32を参照し、Hoehn-Yahr分類の度数を判定することができる。
なおデータベース32は、患者2のプロパティ、すなわち属性あるいは特性ごとに生成してもよい。たとえば若年者と高齢者とでは、Hoehn-Yahr分類の度数が同じであったとしても、特徴ベクトルS3が異なる傾向を示す場合もあり得る。この場合、年齢層ごとに個別のデータベース32を生成してもよい。年齢の他、性別、体格ごとにグループ化し、個別のデータベース32を構築してもよい。
また自動診断装置1の運用にあたり、新たに測定された特徴ベクトルS3を、データベース32に反映させるべく、都度データベース32を更新するようにしてもよい。データベース32は、自動診断装置1の一部、あるいはそれに付随するコンピュータのハードディスクに格納されていてもよいい。あるいはデータベース32は、自動診断装置1とネットワークを介して接続されるサーバー上に格納されてもよい。サーバー上にデータベース32を格納することで、多くの医療機関で情報を共有することができ、これにより被験者数を増やすことができるため、データベース32を充実化させ、診断の精度を高めることができる。また、機械学習では、学習サンプル数の増加にともない演算量が爆発的に増加することからも、データベース32を分割することは有意義である。
また、自動診断装置1をクラウドコンピューティングのアーキテクチャを用いて実装してもよい。たとえば、特徴抽出部20やインタープリタ30の処理の一部あるいは全部を、クラウド上のサーバに実行させてもよい。
特徴抽出部20およびインタープリタ30は、コンピュータで構成することができ、すなわちそれらはCPU、メモリなどのハードウェアと、ソフトウェアの組み合わせでありうる。
以上が自動診断装置1の基本構成である。続いて自動診断装置1について具体的に説明する。図3は、自動診断装置1のブロック図である。なお図3のブロック図において、運動計測部10の内部に患者2が示されているが、これは説明の便宜のためであり、患者2が自動診断装置1の構成要素でないことは言うまでもない。
本実施の形態において、運動計測部10は、患者2の運動として、(i)姿勢、(ii)振動、(iii)歩行を計測し、それぞれを示す計測データS2A~S2Cを生成する。計測データS2は、ウェアラブルセンサ12により測定される。ウェアラブルセンサ12としては患者2の身体に装着可能な小型の6軸センサ(加速度3軸と角速度3軸)を用いることができる。時間分解能は100Hz以上、加速度レンジは±2g/16bit以上、角速度レンジは±250dps/16bit以上の性能を持つものが望ましい。加速度情報から身体の並進運動および重力加速度の方向に対する傾きを評価し、角速度情報から回転運動を評価する。運動計測部10において得られた計測データS2は、有線あるいは無線でコンピュータ(すなわち特徴抽出部20およびインタープリタ30)に入力され、オンラインあるいはオフラインでデータ分析がなされる。なおセンサの装着位置および特徴量の抽出方法については、姿勢計測、振動計測、歩行計測で異なるため、後に個別に詳述する。
特徴抽出部20は、計測データS2A~S2Cそれぞれについて、特徴量S3A~S3Cを生成する。具体的には特徴抽出部20は加速度の積分系、角速度の積分系および補正アルゴリズム等によって推定された姿勢や振動、歩行等の運動から、特徴量S3A~S3Cを抽出する。これらの特徴量S3A~S3Cは、特徴ベクトルS3としてインタープリタ30に入力される。
インタープリタ30は、データベース32を参照し、機械学習にもとづいてベクトル空間内の超平面(度数のしきい値)を決定し、超平面と特徴抽出部20からの特徴ベクトルS3にもとづいて病期を分類する。
以下、自動診断装置1において測定される運動の種類ごとに、具体的に説明する。
1. 姿勢評価
姿勢評価では、PD患者の姿勢反射障害に注目する。これは立位時に鉛直方向体軸が前後や左右方向に傾く症状であり、体軸方向に複数装着した加速度センサ群から得られる重力加速度の軸に対する角度情報を主として利用する。前後方向の傾き(勾配)、左右方向の傾き、さらにそれらの空間相関や時間変動等を特徴量として利用することができる。
計測時の姿勢としては、立位姿勢、座位姿勢、歩行時姿勢の3種類が例示される。立位とは手を体側で垂直におろし立ち上がった姿勢であり、座位とは背もたれに背をつけずに座っている際の姿勢である。さらに歩行時とは直線を一往復往路復路合計1分程度歩行する際のものである。
1.1 姿勢計測
姿勢計測に際しては、センサ12の装着部位とその時の患者の姿勢が重要になる。装着部位としては様々な位置が考えられる。図4(a)~(d)は、姿勢計測を説明する図である。図4(a)、(b)にはセンサの配置の一例が示される。この例では、関椎骨のC7から10cm下およびL4それぞれに、センサ12_1、12_2が装着されている。C7は頭を下に下げたときに首の後ろで一番出っ張る箇所であり、主として背中の状態を検出する。L4は腰の骨の上端を結ぶヤコビ線と腰椎の交点であり、主として腰の状態を検出する。これらの組み合わせは、病期診断に有用な姿勢を正確に測定できるという特徴に加えて、センサ12を患者2に取り付ける際に、取り付け位置を判断しやすいという利点もある。
姿勢は、図4(c)、(d)に示すように、前後方向の傾きθと、左右方向の傾きφの組み合わせで評価することができる。重力加速度をaとするとき、前後方向の傾きθは、以下の式で表される。X軸は、患者の右手方向を、Y軸は前方向を、Z軸は鉛直方向を表し、添え字のx,y,zは各方向の成分を示す。
θ=arctan(az/ax) …ax>0
θ=arctan(az/ax)+π …ax<0 and az>0
θ=arctan(az/ax)-π …ax<0 and az<0
θ=π/2 …ax=0 and az>0
θ=-π/2 …ax=0 and az<0
θ:定義無し …ax=0 and az=0
また左右方向の傾きφは、以下の式で表される。
φ=arctan(az/ay) …ay>0
φ=arctan(az/ay)+π …ay<0 and az>0
φ=arctan(az/ay)-π …ay<0 and az<0
φ=π/2 …ay=0 and az>0
φ=-π/2 …ay=0 and az<0
φ:定義無し …ay=0 and az=0
図5(a)、(b)は、若年健常者、PD患者それぞれについて実際に得られた左右方向の傾きφおよび前後の傾きθを示す図である。この結果は、図4(b)に示す立位姿勢においてC7から10cm下の位置に装着した加速度センサ12_1で体軸の勾配を1分間計測したものである。図5(a)に示しているのは健常者7名の結果、図5(b)に示しているのはPD患者7名の結果である。
明らかに健常者は原点近傍、つまり前後方向と左右方向に傾き角が0度に近いことがわかる。その一方でPD患者は原点から大きく離れた領域に位置しており体軸が前後方向および左右方向に大きく傾いていることが確認できる。さらに健常者では勾配φ、θの揺らぎが非常に小さく安定しているが、PD患者では大きく揺らいでいることもわかる。
図4(b)のセンサ配置によれば、簡易的に姿勢評価が可能であるが、センサの個数を増やして、詳細な姿勢評価を行ってもよい。図6(a)は、センサの配置の別の一例を示す図である。この例では、各関節の回転行列を求めることが可能な箇所に、複数のセンサを装着することにより、身体の骨格モデルと併せて姿勢を計測することが可能になる。この場合は、上半身だけであれば少なくとも11個のセンサが必要であり、下半身も含めれば少なくとも17個のセンサが必要となる。
関節の回転角を求めるアルゴリズムの例を説明する。図6(b)には、前腕および上腕が示される。前腕・上腕それぞれに対して図のように、肩から肘、肘から手先に方向に対してX軸をとり、肘頭部側の方向にY軸をとる左手座標系を考える。このとき上腕X、Y、Z各軸反時計回りの回転角のロール、ピッチ、ヨーをそれぞれφ、θ、ψとし、前腕に対してそれぞれをφ、θ、ψとする。
このときθを求めるにあたり、前腕X軸、Y軸に対する加速度の定常成分をそれぞれa、aとし、ピッチ方向の角速度をωθ、それぞれに対する計測誤差をe、e、eθとすると、角速度より求めたピッチ角θfgyrは式(1)で表される。
θfgyr=θf0+∫0~tωθ(t)dt+∫0~tθ(t)dt …(1)
加速度より求めたピッチ角はθfaccは、式(2)で表される。
=gx0cosφ+e
=gy0cosφ+e
θfacc=arctan(a/a) …(2)
θfgyrは計測時間が長くなるにつれ累積誤差がたまり、またθfaccはS/N比の高い加速度センサを用いることで、角速度推定精度が高くなる。
ここで|φ|<εまたは|φ|>π‐εのとき、加速度より求めるピッチ角θfgyrの計測誤差(つまり式(1)の右辺第3項)が十分に小さくなる。そこで時刻t’においてθft’=θfaccを計算し、それ以降、θ=θfgyrとして式(3)にしたがい計算することができる。
θfgyr=θft’+∫t’~tωθ(t)dt …(3)
また、加速度センサの計測値によって得たθfaccの計測誤差成分が大きい場合には、θ=θfgyrとし、前腕と上腕との間の角度をθf-uとすると、θf-u=θ-θとなり、上腕座標系から前腕座標系へ変換する回転行列Rは、以下のように求めることができる。
Figure 0007184398000001
この方法を多自由度の関節についても適用することで、各関節の回転行列を算出し、骨格モデルに基づいて上半身の姿勢を推定することができる。
1.2 姿勢の特徴量
続いて、姿勢に関する特徴量を説明する。特徴量にも様々なものが考えられるが、ここではその一例として、上述したように、前後方向の体軸の勾配θと左右方向の体軸の勾配φに注目した場合、その1次統計量(平均)、2次統計量(分散)、3次統計量(歪度)、4次統計量(尖度)を特徴量として用いることができる。図7(a)~(d)は、勾配φおよびθの特徴ベクトルとして、平均、時間、分散、尖度を2次元平面にプロットした図である。
それぞれの図において健常者が丸、PD患者が三角の点で示されている。この結果からも明らかなように、勾配の平均、分散、尖度に関して、健常者とPD患者間で有意な差が認められ、両群を分離する上で有効な特徴量であることがわかる。これはPD患者の病期に関する自動診断に向けて重要な知見である。
なお使用可能な特徴量は、これらには限定されない。ここでの説明は、立位時の特徴量であったが、坐位時、歩行時における計測を併せて行うことで、異なる姿勢や運動時の更なる特徴量を定義することが可能になる。
また各姿勢時における差や比をみることで、同一個人における姿勢に応じた体軸の傾きの変化を見ることができ、更なる特徴量を定義することが可能になる。骨格にゆがみが生じていることが原因となる体軸の傾きは、異なる姿勢においても同様の傾きが生じると考えることが出来る。そこで姿勢間、例えば坐位時と立位時における体軸傾き角の差をみることで、立位時の傾きが骨格異常によるものなのかそれ以外の原因であるかを類推できる可能性がある。
また、時系列情報に着目してもよい。例えば歩行時の体軸の傾きの変化を見ることで、疲労により影響などを見ることが出来る。
まとめると、姿勢評価に際しては、勾配φの平均値、分散、尖度、勾配θの平均値、分散、尖度の任意の組み合わせを用いて特徴ベクトルを形成し、機械学習を行ってもよい。
また、上記の計測はいずれも1点での勾配計測に基づく統計的な特徴量の例であったが、空間的な相関や時間的な相関に拡張することで更なる特徴量を定義することが可能になる。
たとえば図4(b)に示すように複数の箇所にセンサを取り付けて運動を計測すれば空間的な特徴を考慮に入れることができる。PD患者はHoehn-Yahr分類1度では一側性パーキンソニズムが現れ、2度では両側性パーキンソニズムが現れることが知られている。したがって右半身と左半身での違いを空間的に特徴づけることにより、両者の判別が可能になる。
さらに時間的に連続に計測すれば時間変動に関わる特徴を考慮に入れることができる。たとえば健常者は、体が傾くと、それを修正しようと短時間で体を元に戻すようにフィードバックがかかるため、時間軸上を見ると周期的な動きを見いだすことができる。一方、PD患者はこのような応答が乏しく、重度になると運動の揺らぎにおける時間相関が低いことが知られている。したがって特徴量として、自己相関関数、相互相関関数、あるいは自己相似性の評価も有効になる。
1.3 姿勢に関する実験結果
以下、姿勢に関するいくつかの実験とそこから得られた知見について説明する。
(実験1)
参加者は4群に分類される。
・若年健常者(Healthy Young) 19人(男性19人)
・高齢健常者(Healthy Elderly) 17人(男性8人、女性9人)
・軽度PD患者(Mild PD) (mH&Y:1-2)19人(男性11人、女性8人)
・重度PD患者(Severe PD) (mH&Y:2.5-4)24人(男性9人、女性15人)
姿勢は、以下の3つの条件で測定した。
・坐位(Sitting)
・立位(Standing)
・歩行(Walking)
計測データは、以下の4つである。
・上側センサ12_1から得られる左右方向の背中の傾き(Frontal Angle)φ(t)
・上側センサ12_1から得られる前後方向の背中の傾き(Sagittal Angle)θ(t)
・下側センサ12_2から得られる左右方向の腰の傾き(Frontal Angle)φ(t)
・下側センサ12_2から得られる前後方向の腰の傾き(Sagittal Angle)θ(t)
これらから、左右・前後の比(Ratio)も計算される。
・上側センサ12_1の比 φ(t)/θ(t)
・下側センサ12_2の比 φ(t)/θ(t)
各条件において得られた傾きφ,θ,φ,θそれぞれについて、以下の特徴量を計算した。
・範囲(Range)
・平均(Average)
・分散(Variance)
・歪度(Skewness)
・尖度(Kurtosis)
このようにして得られた各特徴量について、さらに以下の量にも着目した。
・立位と坐位の差分 (Standing-Sitting)
・歩行と坐位の差分 (Walking-Sitting)
したがって、本実験では、計測条件に関する5つの項目(坐位・立位・歩行の計測条件と立位と坐位、歩行と坐位との差)、計測位置に関する2項目(背部と腰部)、傾き方向に関する3項目(前後・左右とその比)、統計量に関する5項目(レンジ・平均・分散・歪度・尖度)をマトリクス的にかけ合わせることで、計150個の特徴量が網羅的に抽出される。
健常若年群・健常高齢群・軽度PD群・重度PD群それぞれに群間において、Kruskal-Wallis検定を行い各特徴量において有意差の有無を確認した。またこのときSteel-Dwass法を用いて多重比較を行った。これにより、群間で有意な差を確認できた特徴量はPDにおける姿勢異常の定量評価の指標となりうる。
図8(a)~(d)は、4群それぞれについて得られた背中の左右方向の傾きφおよび前後の傾きθの30秒間の軌跡を示す図である。図8(a)、(b)に示すように、年齢を問わず健常者は、原点近傍、つまり前後方向と左右方向に傾き角が0度に近いことがわかる。その一方で、図8(c)の軽度のPD患者は原点から離れた領域に位置しており体軸が前後方向および左右方向に大きく傾いていることが確認でき、図8(d)の重度のPD患者はその傾向がさらに強まっている。さらに健常者では勾配φ、θの揺らぎ(範囲)が非常に小さく安定しているが、PD患者では大きく揺らいでいることもわかる。
図9は、Kruskal-Wallisテストの結果を示す図である。p値が、4つのランクでプロットされている。図9から明らかなように、150個の特徴量のうち、坐位時背中の前後及び左右の傾き角度の分散、立位時背中の分散、歩行時背中の前後方向の分散など、41個の特徴量において群間に有意な差が確認できた。
図10(a)~(c)は、坐位時、立位時、歩行時それぞれにおける背中の前後の傾きの平均と分散の各群の値を示す図である。図10(a)は、坐位時の背中の前後方向の傾きθ(t)の平均値および分散を示す。図10(b)は、立位時の背中の前後方向の傾きθ(t)の平均値および分散を示す。図10(c)は、歩行時の背中の前後方向の傾きθ(t)の平均値および分散を示す。
図10(a)に示す坐位時の背中の前後の平均においては、各群間に有意な差が確認できないが、図10(b)に示す坐位時の前後の分散や立位時の前後の平均、分散、図10(c)に示す歩行時の前後の平均や分散においては群間に有意な差が確認できる。
また、立位時の平均、分散および歩行時の平均に関しては、重度になるつれて特徴量の値が大きくなる傾向が確認できたが、歩行時の分散に関しては重度PD群の値が小さくなる傾向が確認された。
図10(b)、(c)からわかるように、立位時や歩行時において、PD患者の前後方向の傾きθ(t)の平均は、健常者のそれに比べて大きくなっている。これはPD患者においてしばしば見られるCamptocormia(腰折れ)を定量的に評価できているためと考えられる。腰折れに関しては、立位時および歩行時には現れているが、坐位時には現れていない。
分散が重度PDになるにつれて大きくなっていることは、筋力低下による姿勢保持力の低下も原因として挙げられるが、健常若年群と健常高齢群との差と比較してPD群の分散が大きくなっていることから、ジスキネジア(不随意運動)などの影響を検出できてきる可能性がある。
また図10(c)から、重度PD患者の歩行時の分散が、その他の群のそれより低い値となっている。これはBradykinesia(動作緩慢)の影響により背中を大きく動かさずに歩いているためことと関連づけることができる。
このように、実施の形態に係る自動診断装置1が、PDにおける姿勢異常の定量評価において有効であることが以上の実験結果から裏付けられる。この実験では、サンプル数の関係から、重度PD群と軽度PD群を区別する識別器の構成にとどまっているが、サンプル数を増やし、特徴ベクトルを適切に選択することにより、Hoehn-Yahr分類の1~5度を診断することは十分に現実的である。
なお現実的には、患者の年齢は既知であるから、自動診断する必要は無い。したがって、年齢の区分ごとにデータベースを構築すれば、同じ年齢区分を対象として構築されたデータベースにもとづいて、より容易に、また正確に、PD患者の重症度を判定することも可能である。
(実験2)
実験2は、実験1と同一条件であるが、実験2では参加者は3群に分類される。
・重度PD患者 (13名)
・軽度PD患者 (15名)
・若年健常者(7名)
図11(a)は、若年健常者とPD患者の分類器の一例を示す図であり、図11(b)は、PD患者の軽度と重度の分類器の一例を示す図である。図11(a)は、立位時の背中の前後方向の傾きの分散と、立位時と坐位時において得られる背中の左右方向の傾きの平均値の差の関係を特徴ベクトルとしてプロットしたものである。SVMによって構築した識別器によれば、若年健常者とPD患者を、72.2%の確からしさで診断することができる。
また、図11(b)は、立位時と坐位時において得られる背中の前後方向の傾きの平均値の差と、立位時の腰の傾きの分散比の関係を特徴ベクトルとしてプロットしたものである。SVMによって構築した識別器によれば、重度PD患者と軽度PD患者とを71.4%の確からしさで診断することができる。診断の確からしさは、特徴ベクトルの次元を高めることにより、さらに高めていくことが可能である。
2. 振動評価
振動評価では、PD患者の安静時震戦に注目する。これは随意運動等を行わない安静時に手や指が自発的に震える症状であり、手や指および振動しやすい部位に複数装着した加速度センサ群から得られる振動情報を主として利用してもよい。従来から注目されていた4~6Hz帯に特徴的なピークの見られる振動に加えて、それよりも低周波帯域や高周波帯域、さらに、それらの空間相関や時間相関等にも注目することができる。
たとえば指先加速度のノルムに注目し、その時間変動を計測してもよい。あるいは、その振動をスペクトル解析し振動数帯ごとに分離して、それぞれの特性を調べてもよい。
2.1 振動計測
震戦の計測方法としては、センサの装着部位とその時の患者の姿勢が重要になる。
図12(a)~(e)は、振動計測を説明する図である。図12(a)、(b)にはセンサ12Bの配置の一例が示される。センサ12Bの装着部位としては様々な位置が考えられるが、図12(a)に示すように、人差し指の末節骨の上面に固定してもよい。あるいは図12(b)に示すように手の甲に固定してもよい。
震戦の計測時の姿勢としても様々なものが考えられる。図12(c)~(e)には、震戦の計測時の姿勢が例示される。図12(c)には、安静時震戦の計測、図12(d)には姿勢時震戦の計測、図12(e)には企図震顫の計測の様子が示される。安静時震戦では肘掛に肘・手の甲を置き、掌を上にして力を抜いた自然な形で計測する。姿勢時震戦では掌を下に腕を前方水平に保持して計測する。企図震顫では指鼻試験時の振戦を計測することになる。
図13(a)、(b)は、PD患者および健常者の振動計測の結果を示す図である。これは図7(a)に示すように人差し指の末節骨にセンサ12Bを取り付け、加速度ノルムの時間変化の様子を4秒間にわたり示したものである。各図において、薄いグレーが右手の人差し指であり、黒い線が左手の人差し指である。明らかにPD患者において顕著な指先の揺れが観察されている。しかも右手のみに生じておりHoehn-Yahr分類1度において生じやすい一側性パーキンソニズムの典型的症状である。一方、健常者の方ではそのような振動は生じていない。つまり振動測定は、PD患者の度数分類に非常に有用であることが確認された。
2.2 振動の特徴量
続いて、振動に関する特徴量を説明する。
ここでは振動数帯ごとに分割して評価する。まず従来から震戦として注目されてきた4~6Hz帯に特徴的なピークを持つ振動に関しては、パワーを特徴として注目することが有効である。図14(a)、(b)は、健常者とPD患者それぞれについて測定した、安静時震戦のパワースペクトルとその時間波形を示す図である。図14(b)に示すようにPD患者の振動のパワーが4~6Hz帯において強いことがわかる。そこで、この例では4~6Hzのパワーを振動の特徴量として利用する。
この特徴量を、姿勢時震戦と安静時震戦で測定すれば、2次元の特徴ベクトルを形成することができる。図15は、姿勢時震戦と安静時震戦の4~6Hzのパワーを2次元平面にプロットした図である。14名のPD患者は安静時震戦および姿勢時震戦のパワーが共に大きくなっているが、7名の健常者は原点近くに分布している。このことは4~6Hz帯における振動のパワーが両群を判別する上で有効であることを意味している。
図16は、PD患者について測定した右手人差し指の加速度ノルムの時間波形図である。先ほどの4~6Hzよりもさらに低振動数側(周期1~5秒程度、つまり0.2~1Hz)ではPD患者の安静時震戦において特異的にバースト現象が観察されることも明らかになった。具体的には、図16に示すように、周期が数秒のバースト現象が観察されている。この現象は振動の振幅の周期的変動として捉えられるものであり、重要な特徴量のひとつである。
図17(a)、(b)は、健常者とPD患者について測定された安静時震戦のパワースペクトルを示す図である。健常者とPD患者とでは、高周波領域における周波数に対するパワーの減衰の程度が異なっており、パワースペクトルが直線的に減少する様子が10~40Hz帯域に観察されており、これもPD患者の震戦を判別する上での重要な特徴になるであろう。つまり健常者はフラクタル性が高いのに対して、PD患者はフラクタル性が低いといえる。また、図17(b)の右に示すように、30~40Hzの間に、ピークを示す場合があり、この帯域のパワーを特徴量として用いることも有用である。
これ以外の特徴量としても、いくつか考えられる。上記の計測はいずれも指先の1点における振動計測から算出される特徴量の例であったが、空間的な相関や時間的な相関に拡張することで更なる特徴量を定義することが可能になる。
たとえば複数地点で指の振動を計測すれば空間的な特徴を考慮に入れることができる。PD患者はHoehn-Yahr分類1度では一側性パーキンソニズムが現れ、2度では両側性パーキンソニズムが現れることが知られている。したがって右半身と左半身での違いを空間的に特徴づけることにより、両者の判別が可能になる。
さらに震戦の振動は時間的に変化する動的な運動であるから時間変動に関わる特徴を考慮に入れることもできる。PD患者は重度になると運動の揺らぎにおける時間相関が低いことが知られている。したがって自己相関関数、相互相関関数、あるいは自己相似性の評価も有効になる。
左右の振動の差や比のみならず、計測条件の差をみることでも新たな特徴量を定義することが可能となる。例えば、PDの特徴的な症状として静止時振戦が知られている。そのため、姿勢時と静止時の振動パワーの比をみることで、静止時のみの揺れであるのか、姿勢に依らずに発生している揺れであるのかを判断することが可能となる。
2.3 震戦に関する実験結果
以下、震戦に関する実験とそこから得られた知見について説明する。
(実験3)
この実験は、1.3で説明した実験2と同じPD患者28名と若年健常者7名を参加者としたものである。
図18(a)は、若年健常者とPD患者の分類器の一例を示す図であり、図18(b)は、PD患者の軽度と重度の分類器の一例を示す図である。
図18(a)は、静止時震戦の4-6Hz帯のパワーと、30-45Hz帯のパワーを特徴ベクトルとしてプロットしたものである。SVMによって構築した識別器によれば、若年健常者と重度PD患者を、75.0%の確からしさで診断することができる。
なお、周波数帯(4~6Hz,30~45Hz)は例示に過ぎず、複数の異なる周波数帯のパワーを特徴ベクトルとすることで、識別器を構成することができることが分かる。
図18(b)は、4-6Hz帯のパワーの静止時震戦と姿勢時震戦の比と、全体域の静止時震戦と姿勢時震戦の比を、特徴ベクトルとしてプロットしたものである。SVMによって構築した識別器によれば、若年健常者と軽度PD患者を、73.3%の確からしさで診断することができる。
周波数帯(4~6Hz)は例示に過ぎず、所定の周波数帯のパワー比と、全帯域のパワー比を特徴ベクトルとすることで、識別器を構成することができることが分かる。
3. 歩行評価
歩行評価では、PD患者のすくみ足や加速歩行に注目する。これは歩行開始時の第一歩が出にくい症状および歩行開始後に歩行が徐々に加速する症状である。
3.1 歩行計測
歩行計測に際しては、足首やひざ、腰等に複数装着した加速度や角速度センサ群から得られる足首の軌道情報を主として利用する。軌道の運動学的な特徴や、歩幅や歩行周期、それらの左右非対称性や時間変動等に注目する。
軌道を推定する方法は、連続歩行データを周期ごとに分割する段階と、各周期において軌道を推定する段階の2段階に分けられる。それぞれの詳細を以下に示す。
図19は、Z軸の角速度データを示す図である。歩行は周期運動であるため、センサ群より取得した加速度や角速度のデータは周期的なパターンを示す。そこで、計測されたデータを1周期ずつに分割する。分割点は足が接地した安定状態であり、かつ角速度が0に近いところとすることが望ましい。これにより積分時の初期値の仮定が容易となるからである。歩行を1周期ごとに分割することで、加速度や角速度を積分する際の累積誤差を低減できる。さらに、各周期の特徴量を効率的に抽出することができる。
こうして分割された周期ごとに軌道の推定を行う。図20は、軌道推定のフローチャートである。はじめに、各軸の角度の初期値θz0を決定する(S100)。たとえば式(4)にもとづき、初期値θz0を決定することができる。
θz0=tan-1(^a/-^a) …(4)
^は移動平均を示す。移動平均の区間は、各周期の始点を含む前後の複数の個のポイントであり、たとえば前後5個、計11個とすることができる。これにより、定常成分、つまり重力成分を取り出し、Y軸、Z軸の初期角度を推定することができる。X軸に関しては、初期角度をゼロと仮定し、後に補正する。
軌道を求めるには各軸において加速度を二重積分するだけでは不十分である。なぜなら、脚は回転運動を伴い、姿勢が常に変化するからである。そこで、まず式(5)のように各軸の角速度ω(i)をそれぞれ積分することでセンサの姿勢を推定する(S102)。このとき積分時の角度の初期値は、式(4)で求めたそれを用いる。
θ=θi-1+ω(i)×Δt …(5)
続いて、各軸の角度にもとづいて、センサの姿勢Tを推定する(S104)。姿勢Tは、x軸、y軸、z軸を列とする3列の行列で表される。次に、各時刻iにおける加速度aを、推定されたセンサの姿勢Tを用いて、行列演算により進行方向α、上下方向α、側面方向αに分解する(S106)。
そして、式(6)、式(7)を用いてそれぞれの方向において時間に関して二重積分して位置を求める(S108)。
=vi-1+αi×Δt …(6)
=pi-1+v×Δt …(7)
積分に先立ち、初期値を設定する必要がある。そこで、各方向の速度の初期値をゼロと仮定し、位置についても各周期の始点を原点とする。ここで接地時の安定状態において、上下・左右方向だけでなく、前後方向においても足の振り出し運動に比べ十分小さいので0に近似する。これを基に各方向に関して式(6)、(7)の二重積分を行い、歩行時の足首の軌道を推定する。
ここで積分によるノイズの累積を考慮しなければならない。そこで、角度、速度、位置を積分して求める際に、各周期の始点と終点の両方向から積分して得られた2つの波形について、始点・終点からの距離に応じた重みを式(8)、(9)のようにとり、式(10)にしたがい加重平均をとる。ただし、iは各周期における時刻(つまり何番目のサンプリング点か)を示し、各周期の総サンプル数(つまり、周期がΔtの何倍か)を示す。
本実施の形態ではパラメータmは0.1程度とすることが好ましい。また逆方向から積分(時間軸を戻る方向)する際にも初期値を設定しなければならない。そこで、速度、位置については同様に0とし、角度の初期値は次の周期の始点の角度と同一とする。
=1-w …(8)
=1/{1+exp{-m(i-T/2)}} …(9)
V=w1×Vfwrd+w2×Vback …(10)
つまり、各周期の境界、つまり始点と終点での誤差が小さいことを利用し、ある周期の始点から時間を進める方向の積分と、その周期の終点から時間を戻る方向の積分を、係数w,wにて重み付けして加算することで、誤差の影響を低減することができる。
最後に、X軸角度の初期値を0に仮定した誤差を補正しなければならない。図21(a)は、X軸角度の補正を説明する図である。もし、初期姿勢でφ傾いていたとすると、図21のように原点と終点を結んだ直線が進行方向からφ傾くことになる。そこで、上記の累積誤差対策を行わずに側面方向の位置を求め、側面-進行方向平面において終点が進行方向と一致するように軌道を回転して補正する(S110)。軌道の回転は行列演算で行うことができる。図21(b)は、実施の形態に係る推定手法により、歩行時の加速度および角速度データから得られた足首の三次元軌道(1周期分)を示す図である。
3.2 歩行の特徴量
続いて、歩行に関する特徴量を説明する。特徴量にも様々なものが考えられるが、ここではその一例として、上記の方法で推定された足首軌道の前後方向、左右方向、および上下方向の特徴量に注目する。具体的には、前後方向は歩幅になり、左右方向は振れ幅、上下方向は足の持ち上げ量になる。これらの平均値(1次統計量)と分散(2次統計量)に注目すると、PD患者は歩幅と持ち上げ量のいずれにおいても平均値は小さく、分散(軌道の揺らぎ)は大きいという特徴が観察された。健常者では逆になり、歩幅と持ち上げ量のいずれにおいても平均値は大きく、分散は小さくなっていた。このことは両群を分離する上で有効な特徴量であることを意味している。これはPD患者の病期に関する自動診断に向けて重要な知見である。
これ以外の特徴量としても、いくつか考えられる。上記の計測は足首軌道に関する統計的な特徴量の例であったが、空間的な相関や時間的な相関に拡張することで更なる特徴量を定義することが可能になる。
たとえばひとつの足首だけでなく複数地点で計測すれば空間的な特徴を考慮に入れることができる。PD患者はHoehn-Yahr分類1度では一側性パーキンソニズムが現れ、2度では両側性パーキンソニズムが現れることが知られている。したがって右半身と左半身での違いを空間的に特徴づけることにより、両者の判別が可能になる。あるいは足首に加えて、あるいはそれに代えて、腰や膝の軌道を測定してもよい。特に足首軌道と腰軌道を組み合わせることは有用である。さらに軌道の時間変動に関わる特徴を考慮に入れることもできる。PD患者は重度になると運動の揺らぎにおける時間相関が低いことが知られている。したがって自己相関関数、相互相関関数、あるいは自己相似性の評価も有効になる。
図22は、横軸に前後方向を、縦軸に高さ方向をとったときの足首の軌道を示す図である。足の持ち上げ量に関して、最高点PMAXのみならず、図中、枠で囲んだ足が接地する直前の高さPLOWについても、特徴量として定義することが可能となる。また、この特徴量について、高さが低くなると、歩行時に足を躓いてしまう可能性が高くなる。そのため、計測対象者に対して提示するのに直観的な特徴量となる。
3.3 歩行に関する実験結果
以下、歩行に関する実験とそこから得られた知見について説明する。
(実験4)
実験4において参加者は4群に分類される。
・重度PD患者 27名(男性12名、女性15名)
・軽度PD患者 30名(男性14名、女性16名)
・高齢健常者 24名(男性12名、女性12名)
・若年健常者 25名(男性24名、女性1名)
軽度は、修正Hoehn-Yahr分類の1.0~2.0度、重度は、修正Hoehn-Yahr分類の2.5~4.0度に相当する。
実験4では、6つの特徴量を抽出した。図23は、歩行軌道に関する特徴量を説明する図である。横軸は前後方向を、縦軸は高さ方向を表し、歩行1周期が示される。分割点(Split Point)1,2,3はそれぞれ、かかと離地、鉛直方向の最大点、足の振り下ろし開始点を示す。
6つの特徴量は以下の通りである。
特徴量1:分割点1における進行方向の変位
特徴量2:分割点2における進行方向の変位
特徴量3:分割点3における進行方向の変位
特徴量4:分割点4における進行方向の変位
特徴量5:分割点5における進行方向の変位
特徴量6:分割点6における進行方向の変位
選定した特徴量に主成分分析を適用することで、2次元の特徴空間に縮約した。全参加者の歩行データに対して主成分分析を行い、得られた第一主成分と第二主成分を特徴ベクトルとして定義する。
この特徴空間において、機械学習を用いて分類器の構築を行った。本実験では、軽度PD患者と健常高齢者、軽度PD患者と重度PD患者の分類を行う2つの分類器をSVMにより構築した。最後に、分類器の評価として10分割交差検定を用いた。
図24(a)、(b)は、主成分分析における第一主成分と第二主成分の因子負荷量を示す図である。それぞれの主成分の寄与率は第一主成分が48.8%、第2主成分が30.2%であった。累積寄与率は79%である。
図24(a)を見ると、第一主成分については特徴量4~6の因子負荷量が大きい傾向にあった。これに対して図24(b)を見ると、第二主成分は特徴量1~3が寄与していることが分かる。第一主成分は歩行軌道の進行方向成分、第二主成分は鉛直方向成分が大きく関与する量といえる。また、累積寄与率は79.0%であるため、歩行軌道から得られる6つの特徴量を2次元の特徴空間に十分に縮約できているといえる。
図25は、各参加者の歩行状態をプロットした特徴空間を示す図である。横軸は第一主成分、縦軸は第二主成分を示している。
図26(a)は、軽度PD群と健常高齢群にSVMを適用した結果を示す図である。黒の実線は分類境界である。10分割交差検定による各分類器の精度は92.6%であった。図26(b)は、軽度PD群と重度PD群にSVMを行った結果を示す図である。10分割交差検定による各分類器の精度は76.8%であった。
Kluckenらは、Hoehn-Yahr重症度の(H&Y)I(1度)と健常者、H&Y II(1度)と健常者の分類を行い、その精度はそれぞれ70%、86%であることを示した(Klucken, et al. "Unbiased and mobile gait analysis detects motor impairment in Parkinson's disease," PloS One, vol.8, no.2, e56956 (2013))。この結果と比べても、本システムの精度は高いと言える。
実施の形態に係る自動診断装置1は足首にセンサを取り付けるだけの簡易なシステムであり、歩行を計測するという簡便な手法である。その手法で高い精度で分類できたということは、歩行軌道がPDの診断支援に有効であることを証左である。また、軽度PD群と重度PD群の分類精度は76.8%であった。これは、定義した特徴空間が、PDの姿勢反射障害を捉えるのに適切ではなかったといえ、改善の余地がある。
さらに、特徴空間を二次元に縮約したことで、歩容の変化を視覚化することが可能となる。実施の形態に係る自動診断装置1は小型センサを用いることで、環境を限定しない計測が実現される.そのため、自宅などの日常的な環境における利用が期待される。このとき、専門家がいない状況下で使用者自身が利用することが想定され、分析結果が分かりやすい形でフィードバックされなければならない。そこで、特徴量や指標といった数値ではなく、図のような視覚的な情報が直観的で分かりやすく自身の歩行状態を把握することができると考えられる。
これまでで、運動計測部10において測定される運動、ならびに特徴抽出部20において生成される特徴量について、いくつかの例をもとに詳細に説明した。続いて、これらの特徴量(特徴ベクトル)にもとづく、インタープリタ30による診断を説明する。
インタープリタ30においては、いくつかの特徴量を基に特徴ベクトルが構成される。
特徴ベクトルを構成するにあたり、一般に特徴量が多いほど分類の精度が高くなるが、計算コストが高くなる。異なる特徴量間において、相関が高いほど、それらを組み合わせた際の情報量はさして多くならないと考えられる。そこで、必要に応じ主成分分析を用いて特徴量の取捨選択・再構成を行う。これにより、分類精度を大きく下げることなく計算コストを下げることが可能となる。また、対象となる疾患や応用課題に応じて、適切な特徴ベクトルを構成することにより、診断精度などのパフォーマンスを上げることが可能となる。
図27は、若年健常者とHoehn-Yahr分類1度と2度のそれぞれの特徴ベクトル上での分布の一例を示す図である。ここでは、特徴ベクトルとして、背中の左右方向の傾きの分散と、背中の前後方向の傾きの分散の組み合わせが選択されている。機械学習により各群を分割する適切な超平面(図27に実線で示す)を生成することにより、特徴ベクトルにもとづいて、Hoehn-Yahr分類を自動診断が可能であることが分かる。
機械学習に関しては、若年健常者、健常高齢者、対象疾患罹患者の計測データを集め、データベース22を構築する。そしてその情報を基に機械学習を行う。その結果、疾患の有無や重症度を分けるための識別器を構築することが可能となる。この識別器を用いることで、疾患の有無や重症度が明らかとなっていない対象の計測データに対して分類が可能となり、自動診断を実現できる。図28は、指先の振動計測データを基に、SVMを用いて構築した若年健常者とPD患者とを分類する識別器の一例を示す図である。
PD症状の早期発見は、治療の観点で特に重要といえる。実施の形態に係る自動診断装置1は、健常者と軽度PD患者を高精度で識別可能であることから、PD病患者の治療に大きく貢献するものである。
実施の形態に係る自動診断装置1によれば、PD病を例にした重症度の自動診断システムが実現できる。本システムでは自動診断のみならず、その他にも応用が考えられる。その一つに、症状の定量的評価を利用した薬効評価が挙げられる。服薬の前後で本システムを用いて計測し解析することで、その薬がどの症状に対してどの程度効果があるかを確認することが可能となる。また、日常的に本システムを使用することで、患者が薬効が持続しているかを把握することが可能となり、服薬のタイミングを本システムによって示唆することが可能となる。
歩行障害や震戦はPD病の初期(軽度)において出やすい症状で、重度になると姿勢異常が発現する。そのため、歩行分析や震戦の分析で、健常者と軽度の患者の分離が可能になり、姿勢分析で重度の患者分析が可能になる。したがって、歩行、震え、姿勢は、補完的な関係にあるとも言え、したがってそれらをうまく組み合わせることで、PD病の重症度をより正確に判定することが可能となる。
また、実施の形態ではPD病の診断について説明したが、神経変性疾患のように徐々に進行する疾患の早期診断にも本発明は有効であり、以下で示すような認知症の診断への応用も期待される。
・アルツハイマー型認知症
・レビー小体型認知症
・脳血管型認知症
・正常圧水頭症型認知症
さらに本発明は、リハビリ過程の改善の程度を評価する用途にも使用することができる。具体的には以下のものが例示される。
脳卒中の片麻痺などに起因する運動障害のリハビリ
変形関節症など整形外科疾患による運動障害のリハビリ
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
1…自動診断装置、2…患者、10…運動計測部、12…センサ、14…マーカ、20…特徴抽出部、30…インタープリタ、32…データベース、S1…運動、S2…計測データ。
本発明は、脳神経性疾患の病理診断などに利用できる。

Claims (9)

  1. 脳神経性疾患の自動診断装置であり、
    患者に取り付けられるセンサを含み、前記センサの出力データにもとづき、前記患者の姿勢を測定する運動計測部と、
    前記運動計測部からの計測データにもとづいて、前記姿勢の特徴量を抽出する特徴抽出部と、
    前記特徴量にもとづき、前記脳神経性疾患の診断結果を示す診断データを生成するインタープリタと、
    を備え、
    前記特徴量は、前記患者の体軸の傾きの平均値、分散、歪度、尖度の少なくともひとつを含み、
    前記運動計測部は、前記姿勢として、異なる2つの方向の傾き角度として第1傾き角度と第2傾き角度を計測し、
    前記インタープリタは、少なくとも前記第1傾き角度と前記第2傾き角度との比に基づいて、前記診断データを生成することを特徴とする自動診断装置。
  2. 前記第1傾き角度と前記第2傾き角度はそれぞれ、左右方向の傾き角度と前後方向の傾き角度とであることを特徴とする請求項に記載の自動診断装置。
  3. 前記運動計測部は、前記姿勢として、前記体軸の少なくとも1つの方向の傾き角度を計測し、
    前記インタープリタは、前記傾き角度の大きさに基づいて診断データを生成することを特徴とする請求項1に記載の自動診断装置。
  4. 脳神経性疾患の自動診断装置であり、
    患者に取り付けられるセンサを含み、前記センサの出力データにもとづき、前記患者の振動を測定する運動計測部と、
    前記運動計測部からの計測データにもとづいて、前記振動の特徴量を抽出する特徴抽出部と、
    前記特徴量にもとづき、前記脳神経性疾患の診断結果を示す診断データを生成するインタープリタと、
    を備え、
    前記特徴量は、前記振動の30Hzより高い高周波帯域の成分にもとづくことを特徴とする自動診断装置。
  5. 前記インタープリタは、前記振動のスペクトルにおいて、前記高周波帯域にピークが示される場合、健常者でないとする診断データを生成することを特徴とする請求項に記載の自動診断装置。
  6. 前記インタープリタは、前記高周波帯域のパワーと、それより相対的に低い低周波帯域のパワーを含む特徴ベクトルにもとづいて、前記診断データを生成することを特徴とする請求項4または5に記載の自動診断装置。
  7. 前記インタープリタは、4~6Hzよりもさらに低周波数側において、バーストを検知する場合には、健常者でないとする診断データを生成することを特徴とする請求項からのいずれかに記載の自動診断装置。
  8. 前記インタープリタは、前記高周波帯域より相対的に低い低周波帯域のパワーの静止時震戦と姿勢時震戦の比と、全帯域のパワーの静止時震戦と姿勢時震戦の比と、を含む特徴ベクトルに基づいて、前記診断データを生成する請求項からのいずれかに記載の自動診断装置。
  9. 前記インタープリタは、条件を変えて測定された2つの同じ特徴量の差分または比にもとづいて、前記診断データを生成することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の自動診断装置。
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