(第一の実施形態)
以下に図面を参照して、第一の実施形態について説明する。図1は、第一の実施形態の情報提供システムのシステム構成の一例を示す図である。本実施形態の情報提供システム100は、情報処理装置200と、端末装置300とを含む。情報提供システム100において、情報処理装置200と端末装置300とは、ネットワーク等を介して接続される。
本実施形態の情報処理装置200は、情報提供処理部210、記憶部290を有する。記憶部290は、エリア記憶部220、移動履歴記憶部225、閲覧履歴記憶部230、自宅エリア記憶部235、観光情報記憶部240、情報提供エリア記憶部245、エリア-ブロック記憶部250、ブロック情報記憶部255、端末情報記憶部260を有する。
情報提供処理部210は、各記憶部に格納された情報と、端末装置300から受信した情報とに基づき、端末装置300のユーザの行動に応じたタイミングで、ユーザの行動に関連した情報を端末装置300に提供する。たとえば、情報提供処理部210は、ユーザが旅行先への移動を開始したことが推測できるタイミングで、旅行の目的地と推測される土地に関連する情報を、端末装置300に提供する。
以下の本実施形態の説明では、端末装置300のユーザの行動の一例として、ユーザが旅行をする場合を説明する。
エリア記憶部220は、各地のエリアに関するエリア情報が格納されている。移動履歴記憶部225は、端末装置300の移動履歴を示す移動履歴情報が格納されている。閲覧履歴記憶部230は、端末装置300の閲覧履歴を示す閲覧履歴情報が格納されている。
自宅エリア記憶部235は、端末装置300のユーザの自宅が存在する自宅エリアに関する自宅エリア情報が格納されている。観光情報記憶部240は、各地の観光情報が格納されている。情報提供エリア記憶部245は、端末装置300の進入が検知されたときに、観光情報を送信するエリアを示す配信エリア情報が格納されている。
エリア-ブロック記憶部250は、各地に設定されたエリアと、エリアが存在する地域とを対応付けたエリアブロック情報が格納されている。ブロック情報記憶部255は、ブロック毎に、他のブロックに移動するための交通手段を示すブロック情報が格納されている。端末情報記憶部260は、端末装置300とユーザとを対応付ける端末情報が格納されている。
尚、情報処理装置200の有する各記憶部の全て又は一部は、情報処理装置200と通信が可能な情報処理装置200以外の装置に設けられていても良い。
本実施形態の端末装置300は、情報取得処理部310を有する。情報取得処理部310は、端末装置300の各種の情報を取得して情報処理装置200へ送信する処理や、情報処理装置200から受信した情報を取得する処理を行う。
尚、図1の例では、情報提供システム100に含まれる端末装置300は1台としているが、情報提供システム100に含まれる端末装置300の数は、任意の台数であって良い。
以下に、図2を参照して、本実施形態の情報提供システム100の動作の概要を説明する。図2は、情報提供システムの動作の概要を説明する図である。図2の例では、端末装置300のユーザが札幌エリアを旅行で訪れる場合を示している。
本実施形態では、端末装置300のユーザが、札幌への移動開始前に、札幌に関連する情報を端末装置300で閲覧すると(ステップS1)、この履歴が閲覧履歴情報として情報処理装置200に格納される。
情報処理装置200は、端末装置300の閲覧履歴情報と自宅エリア情報とに基づき、情報提供エリアと、端末装置300のユーザの行き先を含む行き先エリアと、を特定しておく。
情報提供エリアとは、端末装置300のユーザが旅行対象エリアへ移動する際のハブが含まれるエリアであり、行き先エリアとは、端末装置300による情報の閲覧履歴から推定されるユーザ行き先を含むエリアであり、本実施形態では、端末装置300のユーザが旅行で訪れようとしている旅行対象エリアである。
図2の例では、札幌が旅行対象エリアであり、△△空港が含まれるエリアが情報提供エリアとされる。尚、ハブとは、交通結節点であり、各種の交通機関において路線や航路が集中する場所であって、後述するエリア記憶部にカテゴリ「HUB」として、管理者により、設定されたエリアである。
また、端末装置300のユーザの自宅エリアも、端末装置300の移動履歴情報に含まれる滞在時間や滞在回数に応じて特定しておく。自宅エリアとは、端末装置300のユーザの目的地への移動の拠点となる拠点エリアである。尚、ユーザが自宅の住所を登録する形態であってもよい。
本実施形態では、端末装置300は、ユーザが自宅エリアから情報提供エリアへ移動すると、自機が情報提供エリアに入ったことを検知し、情報処理装置200へ、情報提供エリアに進入したことを示す通知を送信する(ステップS2)。尚、ユーザが、交通のハブである情報提供エリアに進入したタイミングは、ユーザがこれから目的地への移動を開始するタイミングであると推測できる。
情報処理装置200は、この通知を受けると、端末装置300のユーザの旅行対象エリアである札幌エリアと関連する観光情報A、Bを取得し、端末装置300に送信する。端末装置300は、取得した観光情報A~Eのうち、観光情報A、Bを表示させる(ステップS3)。
次に、ユーザの移動により、端末装置300が旅行対象エリアに入ると、端末装置300は、旅行対象エリアに入ったことを検知し、情報処理装置200へ、旅行対象エリアに入ったことを示す通知を送信する。情報処理装置200は、この通知を受信すると、旅行対象エリアの観光情報のうち、情報提供エリアでは送信していない観光情報C~Eを、端末装置300に送信する。端末装置300は、観光情報C~Eを示させる(ステップS4)。
このように、本実施形態では、端末装置300を所持するユーザが、ハブである情報提供エリアに進入したことをもって、観光情報を提供する。より具体的には、本実施形態では、ハブである情報提供エリアに進入したことをもって、端末装置300のユーザが、旅行先である旅行対象エリアに向かうための移動を開始したことを検知する。そして、ハブから旅行の行先である旅行対象エリア向かう際に、旅行対象エリアに関連する情報を端末装置300に提供する。
このため、本実施形態によれば、ユーザの目的地への移動に対応したタイミングで、目的地と推定される土地と関連する情報を提供できる。つまり、本実施形態によれば、推定した目的地に関する情報を、ユーザの状況に応じたタイミングで提供できる。
以下に、図3と図4を参照して、本実施形態の情報提供システム100の有する各装置のハードウェア構成について説明する。
図3は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。本実施形態の情報処理装置200は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置21、出力装置22、ドライブ装置23、補助記憶装置24、メモリ装置25、演算処理装置26及びインターフェース装置27を含むコンピュータである。
入力装置21は、各種の情報の入力を行うための装置であり、例えばキーボードやポインティングデバイス等により実現される。出力装置22は、各種の情報の出力を行うためものであり、例えばディスプレイ等により実現される。インターフェース装置27は、LANカード等を含み、ネットワークに接続する為に用いられる。
情報提供処理部210を実現させる情報提供プログラムは、情報処理装置200を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。情報提供プログラムは、例えば記憶媒体28の配布やネットワークからのダウンロード等によって提供される。情報提供プログラムを記録した記憶媒体28は、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記憶媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記憶媒体を用いることができる。
また、情報提供プログラムは、情報提供プログラムを記録した記憶媒体28がドライブ装置23にセットされると、記憶媒体28からドライブ装置23を介して補助記憶装置24にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた情報提供プログラムは、インターフェース装置27を介して補助記憶装置24にインストールされる。
補助記憶装置24は、情報処理装置200の有する各記憶部等を実現するものであり、情報処理装置200にインストールされた情報提供プログラムを格納すると共に、情報処理装置200による各種の必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置25は、情報処理装置200の起動時に補助記憶装置24から情報提供プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置26はメモリ装置25に格納された情報提供プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
図4は、端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。本実施形態の端末装置300は、CPU(Central Processing Unit)31、メモリ32、カメラ33、タイマ34、2次記憶装置35、無線通信I/F(Interface)36及び外部I/F37を有する。
CPU31は、端末装置300が備える各部を統括して制御する。メモリ32には、端末装置300が備える機能を実現するための情報取得プログラムが記憶されている。また、2次記憶装置35にCPU31が実行する情報取得プログラム、OSプログラム、及びCPU31が、端末装置300が有する各種機能を実行するためのアプリケーションプログラムが記憶されてもよい。CPU31は、メモリ32や2次記憶装置35に記憶されたプログラムを読み出して実行することで端末装置300の各種機能を実現する。
例えば、CPU31は、アプリケーションプログラムの命令(コマンド)を逐次取り込んで解読し、その内容、演算、データ転送、制御などを実行する。その際、CPU31は、アプリケーションプログラムからの要求に応じて周辺機器APと通信を行い、周辺機器APと連携してアプリケーションを実行する。
カメラ33は、レンズ及び撮像素子を有し、被写体を印刷した印刷物や文書を撮影してその画像データを端末装置300に取り込む。タイマ34は、所定時間を計時する。メモリ32は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等で構成され得る。2次記憶装置35は、EEPROM、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置で構成され得る。
無線通信I/F36は、外部の装置と無線通信するためのインターフェースである。例えば、無線通信I/F36は、IrDA、IrSSなどの赤外線通信、Bluetooth(登録商標)による通信、Wi-Fiによる通信、非接触型ICカードのいずれかの無線通信手段を実現するためのインターフェースである。
外部I/F37は、外部の装置を端末装置300に接続するためのインターフェースである。例えば、外部I/F37は、外付けの記録媒体(メモリカード等)38を挿し込むためのソケット、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)端子、USB(Universal Serial Bus)端子等で実現される。この場合、CPU31は、外部I/F37を介して、外部の装置からデータを取得する。
尚、本実施形態の端末装置300は、スマートフォンやタブレット端末であっても良いし、携帯型のゲーム機器、音楽プレーヤー、ウェアラブルデバイス、自動車に搭載される車載機等であっても良い。すなわち、端末装置300には、ユーザと共に移動することが可能であれば良い。
次に、図5乃至図13を参照して、本実施形態の情報処理装置200の有する各記憶部について説明する。
図5は、エリア記憶部の一例を示す図である。本実施形態のエリア記憶部220は、情報の項目として、エリアID、エリア名、緯度、経度、半径、カテゴリを有し、項目「エリアID」とその他の値とが対応付けられている。
本実施形態では、エリア記憶部220において、項目「エリアID」の値と、その他の項目の値とを含む情報を、エリア情報と呼ぶ。本実施形態のエリア記憶部220は、予め情報処理装置200に与えられていても良い。
本実施形態のエリア情報によって示されるエリアは、エリア内にユーザが進入したことと、エリアからユーザが離脱したことを判定するために、監視対象として設定された領域である。このエリアをジオフェンスと呼ぶ場合がある。
本実施形態では、端末装置300において、端末装置300のユーザが各エリアに対しする進入と、エリアからの離脱が判定される。
項目「エリアID」の値は、予め各地に設定されたエリア(地域)を特定するための識別情報である。項目「エリア名」の値は、エリアの名称を示す。項目「緯度」、「経度」の値は、エリアIDで特定されるエリアの中心の緯度と経度を示す。
項目「半径」の値は、エリアIDで特定されるエリアの半径を示す。本実施形態のエリアは、例えば、項目「緯度」、「経度」の値が示す地点を中心とした半径によって特定される領域である。
項目「カテゴリ」の値は、エリアIDで特定されるエリアの種類を示す。具体的には、項目「カテゴリ」の値は、エリアIDで特定されるエリアが、ハブであるか否かと、ハブである場合、ハブに集中する交通機関の種類を示す。図5の例では、エリアID「3」
の羽田空港が、飛行機が集中するハブであることがわかる。
図6は、移動履歴記憶部の一例を示す図である。移動履歴記憶部225は、情報の項目として、ユーザID、エリアID、エリア名、状態、時刻を有し、項目「ユーザID」とその他の項目とが対応付けられている。本実施形態では、移動履歴記憶部225において、項目「ユーザID」の値と、その他の項目の値とを含む情報を、移動履歴情報と呼ぶ。移動履歴情報は、端末装置300の移動に応じて移動履歴記憶部225に蓄積される。
項目「ユーザID」の値は、端末装置300を利用するユーザを特定する識別情報を示し、端末情報記憶部260において端末装置300と対応付けられている。
項目「状態」の値は、ユーザIDと対応付けられた端末装置300が、項目「エリアID」の値によって特定されるエリア内に入った状態であるか、又は、このエリアの外に出た状態であるかを示す。具体的には、例えば、項目「状態」の値が「in」であった場合、対応するエリアIDが特定するエリア内に、ユーザIDと対応する端末装置300が進入した状態を示す。また、項目「状態」の値が「out」であった場合、対応するエリアIDが特定するエリア内から、ユーザIDと対応する端末装置300が離脱した状態を示す。
項目「時刻」の値は、移動履歴情報が取得された時刻を示す。本実施形態の移動履歴情報は、例えば、あるエリアに対して項目「状態」の値が変化したときに取得されても良い。
図6では、ユーザID「1」のユーザが利用している端末装置300が、エリアID「123」で特定されるエリアに進入したとき移動履歴情報と、エリアID「123」で特定されるエリアから離脱したときの移動履歴情報とが取得されていることがわかる。
図7は、閲覧履歴記憶部の一例を示す図である。閲覧履歴記憶部230は、情報の項目として、ユーザID、観光情報ID、状態、削除フラグ、時刻を有し、項目「ユーザID」とその他の項目が対応付けられている。本実施形態では、閲覧履歴記憶部230において、項目「ユーザID」の値と、その他の項目の値とを含む情報を、閲覧履歴情報と呼ぶ。閲覧履歴情報は、ユーザによる観光情報の閲覧に応じて蓄積される。
項目「観光情報ID」の値は、端末装置300で閲覧された観光情報を特定する識別情報である。
項目「状態」の値は、端末装置300のユーザによる観光情報の閲覧の仕方を示す。具体的には、項目「状態」の値が、「view」である場合には、対応する観光情報IDで特定される観光情報が端末装置300において閲覧されたことを示す。また、項目「状態」の値が、「favorite」である場合には、対応する観光情報IDで特定される観光情報を表示させるURL(Uniform Resource Locator)が、端末装置300においてお気に入り一覧に登録されたことを示す。
項目「削除フラグ」の値は、対応する観光情報IDで特定される観光情報を表示させるURLが、お気に入り一覧から削除されたか否かを示す。具体的には、項目「削除フラグ」の値が「1」である場合、項目「状態」の値が「favorite」である観光情報のURLがお気に入り一覧から削除されたことを示す。
項目「時刻」の値は、対応する観光情報IDで特定される観光情報が端末装置300で閲覧された時刻を示す。具体的には、観光情報が端末装置300で閲覧された時刻や、観光情報のURLがお気に入り一覧に登録された時刻であっても良い。
図8、自宅エリア記憶部の一例を示す図である。自宅エリア記憶部235は、情報の項目として、ユーザID、エリアID、滞在時間、滞在回数、自宅フラグを含み、項目「ユーザID」とその他の項目とが対応付けられている。自宅エリア記憶部235において、項目「ユーザID」の値と、その他の項目の値とを含む情報を、自宅エリア情報とする。自宅エリア情報は、移動履歴情報に応じて蓄積される。
項目「滞在時間」の値は、ユーザIDと対応付けられた端末装置300が、エリアIDで特定されるエリアに滞在した時間を示す。
項目「滞在回数」の値は、ユーザIDと対応付けられた端末装置300が、エリアIDで特定されるエリアに滞在した回数を示す。
項目「自宅フラグ」の値は、エリアIDで特定されるエリアが、ユーザIDが特定するユーザの自宅があるエリア(自宅エリア)であるか否かを示す。具体的には、例えば、項目「自宅フラグ」の値に、「1」が設定されていた場合、対応するエリアIDで特定されるエリアが、ユーザIDが特定するユーザの自宅がある自宅エリアであることを示す。また、項目「自宅フラグ」の値が設定されていない場合、対応するエリアIDで特定されるエリアが、ユーザIDが特定するユーザの自宅エリアではないことを示す。
図9は、観光情報記憶部の一例を示す図である。本実施形態の観光情報記憶部240は、情報の項目として、観光情報ID、観光スポット名、観光スポット説明、ジャンル、エリアID、緯度、経度等を含み、項目「観光情報ID」とその他の項目とが対応付けられている。観光情報記憶部240において、項目「観光情報ID」の値と、その他の項目の値とを含む情報を観光情報と呼ぶ。観光情報は、予め情報処理装置200に与えられた情報であっても良い。
項目「観光情報ID」の値は、観光情報を特定するための識別情報を示す。項目「観光スポット名」の値は、観光情報が示す観光スポットの名称を示す。項目「観光スポット説明」の値は、観光スポットに関する説明を示すテキストデータである。項目「ジャンル」の値は、観光スポットのジャンル(種類)を示す。
図10は、情報提供エリア記憶部の一例を示す図である。本実施形態の情報提供エリア記憶部245は、情報の項目として、ユーザID、情報提供エリアID、旅行対象エリアID、緯度、経度、半径等を含み、項目「ユーザID」とその他の項目とが対応付けられている。
情報提供エリア記憶部245において、項目「ユーザID」の値と、その他の項目の値とを含む情報を配信エリア情報と呼ぶ。配信エリア情報は、端末装置300による観光情報の閲覧に応じて蓄積される。
項目「情報提供エリアID」の値は、ユーザIDで特定されるユーザの自宅エリアと、項目「旅行対象エリアID」の値によって特定されるエリアとに応じて決められるエリアIDを示す。情報提供エリアIDで特定されるエリアは、対応するユーザIDで特定されるユーザが、対応する旅行対象エリアIDで特定される旅行対象エリアに移動する際のハブが存在するエリアである。
項目「旅行対象エリアID」の値は、ユーザIDで特定されるユーザの旅行対象エリアを特定するエリアIDである。旅行対象エリアは、ユーザIDと対応する閲覧履歴情報に応じて決められる。
項目「緯度」、「経度」、「半径」等は、情報提供エリアの中心を示す緯度、経度、半径であってもよい。尚、情報提供エリア記憶部245は、情報の項目として、ユーザID、情報提供エリアID、旅行対象エリアIDを有していれば良く、その他の項目は有していなくても良い。
図11は、エリア-ブロック記憶部の一例を示す図である。本実施形態のエリア-ブロック記憶部250は、情報の項目として、エリアIDとブロックIDとを有し、両者は対応付けられている。本実施形態では、エリア-ブロック記憶部250において、項目「エリアID」の値と、項目「ブロックID」の値とを含む情報を、エリアブロック情報と呼ぶ。エリアブロック情報は、予め与えられた情報である。
項目「ブロックID」の値は、エリアIDで特定されるエリアが含まれるブロックを特定する識別情報である。本実施形態のブロックとは、例えば、関東地方、北海道地方といった単位であってよく、1つのブロックには複数のエリアが含まれる。
図12は、ブロック情報記憶部の一例を示す図である。本実施形態のブロック情報記憶部255は、情報の項目として、ブロックID、ブロック名、飛行機利用エリア、鉄道利用エリア、長距離バス移動エリアを有し、項目「ブロックID」とその他の項目とが対応付けられている。本実施形態では、ブロック情報記憶部255において、項目「ブロックID」の値と、その他の項目の値とを含む情報をブロック情報と呼ぶ。
項目「ブロック名」の値は、ブロックIDで特定されるブロックの名称を示す。項目「飛行機利用エリア」の値は、ブロックIDで特定されるブロックに含まれるエリアのうち、移動に飛行機を利用できるエリアのエリアIDを示す。項目「鉄道利用エリア」の値は、ブロックIDで特定されるブロックに含まれるエリアのうち、移動に鉄道を利用できるエリアのエリアIDを示す。項目「長距離バス利用エリア」の値は、ブロックIDで特定されるブロックに含まれるエリアのうち、移動に長距離バスを利用できるエリアのエリアIDを示す。
図13は、端末情報記憶部の一例を示す図である。本実施形態の端末情報記憶部260は、情報の項目として、ユーザIDと端末IDとを有し、両者が対応付けられている。本実施形態では、端末情報記憶部260において、項目「ユーザID」の値と、項目「端末ID」の値とを含む情報を端末情報と呼ぶ。尚、端末情報には、項目「ユーザID」、「端末ID」以外の項目が含まれていても良い。
次に、図14を参照して、本実施形態の情報提供システム100の有する各装置の機能について説明する。図14は、第一の実施形態の情報提供システムの有する各装置の機能を説明する図である。
はじめに、情報処理装置200の機能について説明する。本実施形態の情報処理装置200は、情報提供処理部210と記憶部290を有する。情報提供処理部210の機能は、情報処理装置200の演算処理装置26が、メモリ装置25等に格納された情報提供プログラムを読み出して実行することで、実現される。記憶部290は、図1に示す各記憶部が含まれる。
本実施形態の情報提供処理部210は、送受信部211、情報格納部212、情報評価部213、自宅エリア決定部214、旅行先推定部215、情報提供エリア決定部216、情報提供部217を有する。
送受信部211は、端末装置300との間で情報の送受信を行う。情報格納部212は、端末装置300から受信した情報を、対応する記憶部に格納する。情報評価部213は、移動履歴情報や閲覧履歴情報の評価を行う。
自宅エリア決定部214は、情報評価部213による移動履歴情報を集計と評価の結果に応じて自宅エリア情報を生成し、端末装置300と対応付けられたユーザの自宅エリアを決定する。
旅行先推定部215は、情報評価部213による閲覧履歴情報の評価結果に応じて、端末装置300と対応付けられたユーザの旅行対象エリアを推定する。自宅エリア決定部214、旅行先推定部215の処理の詳細は後述する。
情報提供エリア決定部216は、自宅エリア決定部214により決定された自宅エリアと、旅行先推定部215により決定された旅行対象エリアとに応じて、情報提供エリアを決定する。
情報提供部217は、端末装置300が情報提供エリアに入ったことが検知されると、この端末装置300と対応付けられた旅行対象エリアの観光情報を端末装置300に提供する。
次に、端末装置300の機能について説明する。端末装置300は、情報取得処理部310を有する。情報取得処理部310は、端末装置300の有するCPU31がメモリ32等に格納された情報取得プログラムを読み出して実行することで実現される。
情報取得処理部310は、入力受付部311、行動検知部312、閲覧履歴取得部313、移動履歴取得部314、送受信部315、出力部316、記憶部317を有する。
入力受付部311は、端末装置300に対する操作に応じた入力を受け付ける。行動検知部312は、端末装置300が情報提供エリア又は旅行対象エリアに入ったか否かを検知する。言い換えれば、行動検知部312は、端末装置300のユーザが「旅行」のために目的地への移動を行っているか否かを検知する。
閲覧履歴取得部313は、端末装置300によって閲覧された情報の履歴を取得する。より具体的には、閲覧履歴取得部313は、端末装置300による観光情報の検索履歴に基づき、閲覧履歴情報を取得する。
移動履歴取得部314は、端末装置300の位置情報に基づき移動履歴情報を取得する。本実施形態の移動履歴取得部314は、例えば、端末装置300の有するOS(Operating System)が備えるジオフェンス機能によって実現されても良い。
具体的には、端末装置300には、ジオフェンス機能によって監視されるエリア(すなわち、監視対象のエリア)が端末装置300のOSに設定されている。移動履歴取得部314は、GPS受信機等によって測定された端末装置300の現在位置に基づいて、設定されたエリアに端末装置300が進入したか又は離脱したかを判定する。そして、移動履歴取得部314は、判定結果を移動履歴情報として取得する。
送受信部315は、端末装置300と情報処理装置200との間での情報の送受信を行う。出力部316は、端末装置300が取得した情報を出力する。例えば、出力部316は、端末装置300が取得した情報を表示させる。
記憶部317は、配信エリア情報318を保持する。配信エリア情報318には、端末装置300と対応する情報提供エリアを示すエリアIDと、旅行対象エリアを示すエリアIDとが含まれる。
尚、図14の例では、記憶部317は、配信エリア情報318を格納するものとしたが、これに限定されない。記憶部317は、閲覧履歴取得部313が取得した閲覧履歴情報と、移動履歴取得部314が取得した移動履歴情報とを保持しても良い。
また、本実施形態では、端末装置300は、ジオフェンス機能を有し、移動履歴取得部314は、ジオフェンス機能を用いて端末装置300の移動履歴情報を取得するものとしたが、これに限定されない。移動履歴取得部314は、例えば、端末装置300からビーコン信号等を発信し、応答信号を受信するか否か等によって、移動履歴情報を取得しても良い。
次に、図15と図16を参照して、本実施形態の移動履歴情報と閲覧履歴情報の取得について説明する。
図15は、移動履歴情報を取得する動作について説明するシーケンス図である。本実施形態の情報提供システム100において、端末装置300は、移動履歴取得部314により、自機の移動を検知する(ステップS1501)。より具体的には、移動履歴取得部314は、端末装置300が、現在位置を含むエリアからの離脱や、他のエリアへの進入を検知する。
続いて、端末装置300は、移動履歴取得部314により、移動履歴情報を取得する(ステップS1502)。
具体的には、移動履歴取得部314は、端末装置300があるエリアから離脱した場合には、離脱したエリアのエリアIDと、端末装置300のユーザIDと、離脱を検知した時刻と、離脱を示す状態「out」とを対応付けた移動履歴情報とする。また、移動履歴取得部314は、端末装置300があるエリアに進入した場合には、進入したエリアのエリアIDと、端末装置300のユーザIDと、進入を検知した時刻と、進入を示す状態「in」とを対応付けた移動履歴情報とする。
続いて、端末装置300は、送受信部315により、取得した移動履歴情報を情報処理装置200へ送信する(ステップS1503)。
情報処理装置200は、送受信部211により、移動履歴情報を受信すると、受信した移動履歴情報を移動履歴記憶部225へ格納する(ステップS1504)。
尚、端末装置300は、ステップS1502で取得された移動履歴情報を記憶部317に保持していても良い。
図16は、閲覧履歴情報を取得する動作を説明するシーケンス図である。情報提供システム100において、端末装置300は、ユーザの操作に応じて、要求された観光情報を表示させる(ステップS1601)。
続いて、閲覧履歴取得部313は、閲覧された観光情報に関する閲覧履歴情報を取得する(ステップS1602)。具体的には、閲覧履歴取得部313は、端末装置300のユーザIDと、端末装置300によって閲覧された観光情報の観光情報IDと、閲覧の状態と、閲覧した時刻等を閲覧履歴情報として取得する。続いて、端末装置300は、送受信部315により、閲覧履歴情報を情報処理装置200へ送信する(ステップS1603)。
情報処理装置200は、閲覧履歴情報を受信すると、受信した閲覧履歴情報を閲覧履歴記憶部230に格納する(ステップS1604)。
尚、端末装置300は、ステップS1602で取得された閲覧履歴情報を記憶部317に保持していても良い。
このようにして、情報処理装置200には、端末装置300の移動履歴情報と閲覧履歴情報とが蓄積される。
次に、図17を参照して、情報処理装置200の自宅エリア決定部214の処理について説明する。
図17は、自宅エリア決定部の処理を説明するフローチャートである。図17の処理は、例えば1週間毎や1ヶ月毎といった間隔で、定期的に実行される処理である。
本実施形態の情報処理装置200は、情報提供処理部210の自宅エリア決定部214により、移動履歴記憶部225において、端末装置300の移動履歴情報が所定数以上蓄積されたか否かを判定する(ステップS1701)。
ステップS1701において、移動履歴記憶部225に蓄積された移動履歴情報が所定数未満である場合、自宅エリア決定部214は、移動履歴情報が所定数以上蓄積されるまで待機する。
ステップS1701において、移動履歴情報が所定数以上蓄積されていた場合、自宅エリア決定部214は、情報評価部213に、移動履歴情報を評価させる(ステップS1702)。
具体的には、情報評価部213は、端末装置300の移動履歴情報に基づき、端末装置300が進入したことのあるエリアのエリアID毎に、滞在回数と滞在時間とを集計して自宅エリア情報を生成し、自宅エリア記憶部235に格納する。
続いて、自宅エリア決定部214は、集計された自宅エリア情報を参照し、滞在回数が最も多いエリアを自宅エリアに決定する(ステップS1703)。
続いて、自宅エリア決定部214は、自宅エリアに決定されたエリアIDを含む自宅エリア情報の項目「自宅フラグ」の値を「1」とし(ステップS1704)、処理を終了する。
本実施形態の自宅エリア決定部214は、情報提供システム100に含まれる全ての端末装置300について、図17の処理を行う。
次に、図18を参照して、情報処理装置200の旅行先推定部215と情報提供エリア決定部216の処理について説明する。
図18は、旅行先推定部と情報提供エリア決定部の処理を説明するフローチャートである。図18の処理は、例えば1日毎といった間隔で、定期的に実行される処理である。
本実施形態の情報処理装置200の情報提供処理部210は、旅行先推定部215により、閲覧履歴記憶部230に所定数以上の端末装置300の閲覧履歴情報が蓄積されたか否かを判定する(ステップS1801)。
ステップS1801において、閲覧履歴記憶部230に蓄積された閲覧履歴情報が所定数未満である場合、旅行先推定部215は、閲覧履歴情報が所定数以上蓄積されるまで待機する。
ステップS1801において、閲覧履歴情報が所定数以上蓄積された場合、旅行先推定部215は、情報評価部213により、エリア毎の閲覧履歴情報を評価する(ステップS1802)。具体的には、情報評価部213は、所定数以上の閲覧履歴情報を、エリアID毎に集計する。言い換えれば、情報評価部213は、エリアID毎に、観光情報が閲覧された回数を集計する。
続いて、旅行先推定部215は、観光情報が閲覧された回数が最も多いエリアIDを、旅行対象エリアとする(ステップS1803)。
続いて、情報処理装置200は、情報提供エリア決定部216により、端末装置300のユーザの自宅エリアと、旅行対象エリアとに基づき、情報提供エリアを決定する(ステップS1804)。以下に、端末装置300のユーザの自宅エリアが、エリアID「11」のお台場エリアであり、推定された旅行対象エリアが、エリアID「21」の札幌エリアであった場合について説明する。
この場合、情報提供エリア決定部216は、エリア-ブロック記憶部250を参照し、自宅エリアであるエリアID「11」と、旅行対象エリアであるエリアID「21」とのそれぞれが含まれるブロックを特定する。
ここでは、エリアID「11」で特定されるエリアは、ブロックID「3」でブロック名「関東」に含まれる(図11、図12参照)。また、エリアID「21」で特定されるエリアは、ブロックID「1」でブロック名「北海道」に含まれる。
また、情報提供エリア決定部216は、ブロック情報記憶部255を参照する。エリアID「11」は、ブロックID「3」でブロック名「関東」において、飛行機利用エリアに含まれ、エリアID「21」はブロックID「1」でブロック名「北海道」において、飛行機利用エリアに含まれる。
したがって、情報提供エリア決定部216は、関東から北海道へ移動する際の交通手段を飛行機に決定する。
次に、情報提供エリア決定部216は、エリア記憶部220において、ブロック名「関東」の飛行機利用エリアに含まれ、且つ、項目「カテゴリ」の値が、ハブ(飛行機)となっているエリア情報を特定する。つまり、情報提供エリア決定部216は、関東ブロックにおいて、飛行機が発着しているエリアを特定する。
そして、情報提供エリア決定部216は、特定したエリア情報に含まれるエリアIDを、情報提供エリアIDとして取得し、この情報提供エリアIDによって特定されるエリアを情報提供エリアに決定する。
続いて、情報提供処理部210は、旅行先推定部215によって推定された旅行対象エリアのエリアIDと、情報提供エリア決定部216によって決定された情報提供エリアのエリアIDとを対応付けて配信エリア情報とし、情報提供エリア記憶部245に格納する(ステップS1805)。
続いて、情報提供処理部210は、送受信部211によって、配信エリア情報を端末装置300に送信し(ステップS1806)、処理を終了する。端末装置300は、配信エリア情報を受信すると、記憶部317に格納する。
尚、本実施形態の情報提供エリア決定部216は、上述した方法で情報提供エリアを決定するものとしたが、情報提供エリアの決定の仕方は、これに限定されない。
情報提供エリア決定部216は、例えば、端末装置300のユーザの自宅エリアと最も近いエリアを情報提供エリアとしても良い。また、情報提供エリア決定部216は、ブロック毎に情報提供エリアとなり得るエリアを予め決めていても良い。この場合、情報提供エリア決定部216は、情報提供エリアに決められエリアのうち、自宅エリアと最も近いエリアを、端末装置300のユーザの情報提供エリアとしても良い。
次に、図19を参照して、本実施形態の情報提供システム100における情報を提供する動作について説明する。図19は、情報提供システムにおける情報提供の動作を説明するシーケンス図である。
情報提供システム100において、端末装置300は、行動検知部312により、情報提供エリアに進入したことを検知する(ステップS1901)。
具体的には、行動検知部312は、移動履歴取得部314が進入を検出したエリアのエリアIDが、記憶部317に格納された配信エリア情報318に含まれる情報提供エリアのエリアIDと一致するか否かを判定する。そして、行動検知部312は、両者が一致した場合に、情報提供エリアへの進入を検知する。
続いて、端末装置300は、情報提供エリアに進入したことを示す通知を情報処理装置200へ送信する(ステップS1902)。このとき、この通知には、端末装置300の端末ID又はユーザIDが含まれていても良い。
情報処理装置200は、送受信部211によりこの通知を受けて、端末装置300が情報提供エリアに進入したことを検知する。つまり、送受信部211は、端末装置300が情報提供エリアに進入したことを検知する検知部の一例である。
情報処理装置200は、端末装置300の情報提供エリアへの進入を検知すると、情報提供部217により、情報提供エリア記憶部245を参照して端末装置300と対応する旅行対象エリアを特定し、観光情報記憶部240から旅行対象エリアと対応する観光情報を取得する(ステップS1903)。
ここで、例えば、旅行対象エリアと対応する観光情報が、観光情報A、B、C、D、Eが取得されたとする。
この場合、情報提供部217は、取得した観光情報A、B、C、D、Eの一部を端末装置300に送信する(ステップS1904)。具体的には、例えば、観光情報A、Bを端末装置300に送信する。
端末装置300は、観光情報を受信すると、出力部316によって受信した観光情報を表示させる(ステップS1905)。
尚、このとき、端末装置300は、観光情報の表示を促す通知を表示させ、観光情報の表示を指示する操作が成された場合に、受信した観光情報を表示させても良い。
次に、端末装置300は、行動検知部312により、旅行対象エリアに進入したことを検知する(ステップS1906)。具体的には、行動検知部312は、移動履歴取得部314が進入を検知したエリアのエリアIDが、記憶部317に格納された配信エリア情報に含まれる旅行対象エリアのエリアIDと一致するか否かを判定する。そして、行動検知部312は、両者が一致する場合に、旅行対象エリアへの進入を検知する。
続いて、端末装置300は、旅行対象エリアに進入したことを示す通知を情報処理装置200へ送信する(ステップS1907)。
情報処理装置200は、この通知を受けて、ステップS1903で取得した観光情報のうち、端末装置300へ送信していない観光情報C、D、Eを端末装置300へ送信する(ステップS1908)。
端末装置300は、出力部316により、受信した観光情報を表示させる(ステップS1909)。
このように、本実施形態では、端末装置300のユーザの「旅行」という目的地への移動において、ユーザが旅行対象エリアへの移動を開始したことを検知して、旅行対象エリアの観光情報を端末装置300に表示させることができる。例えば、ステップS1901において、例えば、ユーザは「羽田空港」に対応するエリアに進入したことになり、その後、飛行機で移動をし、ステップS1906のタイミングで、目的地である「札幌」に対応するエリアに進入したことになる。よって、本実施形態は、「羽田空港」に進入しタイミングで、目的地への移動を開始したことを推測する。さらに、「羽田空港」に進入しタイミングで、目的地と推測される「札幌」の観光情報を、ユーザに提供することができる。ユーザは、飛行機での移動中に、目的地の観光情報を閲覧するなどが可能となる。
情報提供エリアにおいて提供される観光情報は、例えば、旅行対象エリアで利用することができるサービスの情報等であっても良い。つまり、情報提供エリアにおいて提供される情報は、移動先である旅行対象エリアにおけるユーザの行動の選択肢となり得る情報であっても良い。
また、本実施形態では、端末装置300のユーザが旅行対象エリアに到着したことを検知して、旅行対象エリアの観光情報のうち、ユーザに提供していない観光情報をさらに提供することができる。
本実施形態では、旅行対象エリアにおいて提供される観光情報は、例えば、現地の店舗の空席情報等であっても良い。つまり、旅行対象エリアにおいて提供される情報は、ユーザがすぐに利用できるサービスに関する情報であっても良い。
このように、情報提供エリアと旅行対象エリアとのそれぞれで提供する情報を分けることで、ユーザの目的地と推定された土地に関する情報を、ユーザの状況に応じたタイミングで提供できる。に対応した情報を提供することができる。
次に、図20を参照して、本実施形態の端末装置300の表示例について説明する。図20は、端末装置の表示例を説明する図である。
図20の画面201Aと画面201Bは、情報提供エリアに進入したことを検知した場合に、端末装置300に表示される画面の一例である。
画面201Aは、表示欄202を有する。表示欄202は、旅行対象エリア名202aと、旅行対象エリアの観光情報の閲覧を促すメッセージ202bとが表示されている。
また、表示欄202には、観光情報を表示させるための操作ボタン203が表示されている。
端末装置300は、画面201Aにおいて、操作ボタン203が操作されると、画面201Aを画面201Bに遷移させる。
画面201Bは、表示欄205、206を有する。表示欄205は、例えば、旅行対象エリアの観光地の画像等が表示され、表示欄206には、観光スポットの一覧が表示される。
尚、画面201Bは、観光情報の表示のさせ方の一例であり、観光情報の表示態様は、これに限定されない。
このように、本実施形態では、端末装置300のユーザの目的地への移動に応じたタイミングで、目的地と推測される土地と関連する情報を提供することができる。
(第二の実施形態)
以下に、図面を参照して第二の実施形態について説明する。第二の実施形態では、目的地への移動の検知の仕方や、ユーザの目的地への移動のモードに合わせた情報を提供する点が、第一の実施形態と相違する。よって、以下の第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点についてのみ説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
図21は、第二の実施形態の情報提供システムの有する各装置の機能を説明する図である。
本実施形態の情報提供システム100Aは、情報処理装置200Aと端末装置300とを有する。
情報処理装置200Aは、情報提供処理部210Aを有する。情報提供処理部210は、送受信部211、情報格納部212、情報評価部213、自宅エリア決定部214、旅行先推定部215A、情報提供エリア決定部216、情報提供部217A、行動検知部218、モード切替部219を有する。
旅行先推定部215Aは、例えば、旅行対象エリアの候補が複数存在した場合に、閲覧履歴情報に基づき、1つの旅行対象エリアを推定する。
情報提供部217Aは、モード切替部219によって切替られたモードに応じた観光情報を端末装置300に提供する。
行動検知部218は、端末装置300の移動履歴情報に基づき、端末装置300の目的地への移動を検知する。
モード切替部219は、端末装置300が情報提供エリアに進入する前に滞在していたエリアに応じて、ユーザの目的地への移動のモードを、日常モード又は旅行モードに切り替える。日常モードとは、端末装置300のユーザが日常的な目的地への移動を行っている状態を示し、旅行モードとは、端末装置300のユーザが旅行中の状態を示す。
以下に、図22を参照して、本実施形態の旅行先推定部215Aによる旅行対象エリアの推定について説明する。図22は、第二の実施形態の旅行対象エリアの推定について世説明する図である。
図22の例では、端末装置300のユーザは、旅行に出かける1ヶ月前から旅行対象エリアの選定を開始し、旅行に出かける1~2週間前に、旅行対象エリアを決定して宿泊先と移動手段を確定させた場合の例を示している。
以下の説明では、ユーザが旅行対象エリアを選定している期間を旅行先選定期間と呼び、旅行先が決定してから旅行に出発するまでの期間を旅行準備期間と呼ぶ。
したがって、図22では、期間K1は旅行先選定期間であり、期間K2は旅行準備期間である。また、図22では、エリアAとエリアBとを、旅行対象エリアの候補とし、エリアCを、旅行とは無関係に訪れる予定があるエリアとした。
ここで、期間K1で閲覧された観光情報は、エリアAの観光情報とエリアBの観光情報である。また、期間K2のうち、期間K2の最終日の前日までに閲覧された観光情報は、エリアA、B、Cのそれぞれの観光情報あり、期間K2の最終日(旅行に出発する日の前日)に閲覧された観光情報は、エリアAの観光情報である。
この場合、本実施形態の旅行先推定部215Aは、閲覧された時期が新しい閲覧履歴情報を優先して旅行対象エリアを推定する。
図22の例では、期間K1では、エリアAとエリアBの観光情報が閲覧されたため、エリアAとエリアBが旅行対象エリアの候補とされる。期間K1から期間K2となると、また、期間K2のうち、期間K2の最終日の前日までの期間は、エリアAの観光情報とエリアCの観光情報が閲覧されたため、旅行対象エリアの候補は、エリアAとエリアBから、エリアAとエリアCに更新される。
また、期間K2の最終日は、エリアAの観光情報のみが閲覧されたため、旅行対象エリアの候補は、エリアAとエリアCから、エリアAに更新する。したがって、旅行初日の旅行対象エリアは、エリアAとなる。
本実施形態では、このように、最後に取得された閲覧履歴情報によって推定される旅行対象エリアを優先させても良い。このように旅行対象エリアを推定することで、過去に旅行先を選定する際に閲覧された観光情報に影響されずに、旅行対象エリアを推定することができる。
次に、図23を参照して、本実施形態の行動検知部218について説明する。図23は、第二の実施形態の行動検知部の処理を説明する図である。
本実施形態の情報処理装置200Aは、端末装置300が情報提供エリアに進入した場合に加え、例えば、新幹線等のように高速で移動する移動手段で端末装置300が移動している場合に、端末装置300のユーザの目的地への移動を旅行と検知しても良い。
本実施形態の行動検知部218は、例えば、図23(A)に示すように、同心円状に複数のエリアを配置し、2つのエリアから出た時刻の差分から移動速度を算出し、移動速度が所定の閾値以上である場合には、ユーザの行動を旅行中として検知しても良い。
つまり、行動検知部218は、2つのエリアから出たそれぞれの時刻の差分が所定の時間未満であった場合に、ユーザは新幹線で移動しているものとして、ユーザの目的地への移動を旅行中としても良い。
図23(A)では、例えば、東京駅を中心に同心円状のエリア231Aとエリア232Aとを設定する。尚、これらのエリアは、エリア記憶部220に予めエリア情報が格納されるものとした。
行動検知部218は、図23(A)に示す移動履歴記憶部225Aの移動履歴情報226に含まれる時刻と、移動履歴情報227に含まれる時刻との差が、例えば20分未満である場合に、端末装置300のユーザの目的地への移動を旅行中として検知しても良い。
この場合、情報処理装置200Aは、行動検知部218によって、端末装置300のユーザが旅行中であることが検知されたとき、旅行対象エリアと対応する観光情報を端末装置300に送信しても良い。
また、行動検知部218は、例えば、複数のエリアに対する進入と離脱に基づき、端末装置300のユーザが旅行中であることを検知しても良い。
複数のエリアとは、例えば、鉄道の駅や、高速道路のインターチェンジ等である。図23(B)では、一例として、東京駅を中心としたエリア231Bから端末装置300が離脱した時刻と、大宮駅を中心としたエリア232Bに端末装置300が進入した時刻と差分が所定の時間未満であった場合に、ユーザは新幹線で移動しているものとして、ユーザの目的地への移動を旅行中としても良い。
例えば、行動検知部218は、図23(B)の移動履歴記憶部225Bの移動履歴情報228に含まれる時刻と、移動履歴情報229に含まれる時刻との差分が、20分未満である場合に、端末装置300のユーザの目的地への移動を旅行として検知しても良い。
このようにすれば、本実施形態では、端末装置300が情報提供エリアに進入すること以外にも、ユーザの目的地への移動が旅行中であることを検知できる。
次に、図24を参照して、本実施形態のモード切替部219の処理について説明する。図24は、第二の実施形態のモード切替部の処理を説明するフローチャートである。
本実施形態の情報提供処理部210Aにおいて、モード切替部219は、端末装置300が情報提供エリアに進入したか否かを判定する(ステップS2401)。具体的には、モード切替部219は、送受信部211が端末装置300から情報提供エリアへの進入を検知したことを示す通知を受信したか否かを判定している。
ステップS2401において、情報提供エリアに進入していない場合、モード切替部219は、情報提供エリアへの進入が検知されるまで待機する。
ステップS2401において、端末装置300が情報提供エリアへの進入した場合、モード切替部219は、移動履歴記憶部225を参照し、端末装置300が情報提供エリアへ進入する前に、旅行対象エリアに滞在していたか否かを判定する(ステップS2402)。
端末装置300が、情報提供エリアに進入する前に、旅行対象エリアに滞在していた場合とは、端末装置300のユーザが、旅行対象エリアから自宅エリアへ向かって移動していることを示す。つまり、端末装置300のユーザは、旅行先からの帰路にあることを示す。
本実施形態では、旅行対象エリアに滞在している場合には、端末装置300のユーザの目的地への移動は、旅行モードとされている。したがって、モード切替部219は、ステップS2402において、旅行対象エリアに滞在していた場合、端末装置300のユーザの目的地への移動のモードを旅行モードから日常モードに切り替える(ステップS2403)。
そして、情報提供処理部210Aは、情報提供部217Aによって、情報提供エリアにおいて端末装置300に提供する観光情報のうち、日常モードと対応した観光情報を選択し、端末装置300へ提供(送信)し(ステップS2404)、処理を終了する。
日常モードに対応した観光情報とは、例えば、旅行対象エリアのお土産に関する情報や、旅行対象エリアで理由したサービスに対するアンケートに関する情報、今後の旅行のプランを紹介する情報等である。
尚、本実施形態では、例えば、観光情報記憶部240において、観光情報が、各モードと対応付けられていても良い。具体的には、例えば、観光情報記憶部240に格納された観光情報には、日常モード用の観光情報と、旅行モード用の観光情報とがそれぞれ格納されていても良い。
本実施形態の情報提供部217Aは、この観光情報記憶部240を参照し、端末装置300のモードと対応する観光情報を端末装置300に提供しても良い。
また、本実施形態において、端末装置300が情報提供エリアに進入する前に、旅行対象エリアに滞在していない場合とは、端末装置300は、情報提供エリアに進入する前に自宅エリアに滞在している場合である。
この場合、端末装置300のユーザは、自宅エリアを出発し、旅行対象エリアに向かって移動を開始する状態であることがわかる。つまり、ステップS2402において、端末装置300が情報提供エリアに進入する前に、旅行対象エリアに滞在していない場合とは、端末装置300のユーザが、旅行を開始した場合である。
したがって、モード切替部219は、端末装置300のユーザの目的地への移動のモードを日常モードから、旅行モードへ切り替える(ステップS2405)。
続いて、情報提供処理部210Aは、情報提供部217Aにより、旅行モードと対応した観光情報を端末装置300へ提供(送信)し(ステップS2406)、処理を終了する。
旅行モードと対応した観光情報とは、例えば、旅行対象エリアで提供されるサービスの予約に関する情報や、旅行対象エリアにおいて、予約なしで利用可能な施設に関する情報等である。
本実施形態では、このように、端末装置300の移動履歴に応じて、端末装置300のユーザが、旅行に出かけるのか、又は、旅行から帰ってきたのかを判定し、判定結果に応じて、端末装置300が情報提供エリアに進入したときに提供する情報を選択する。
したがって、本実施形態によれば、端末装置300のユーザの目的地への移動に応じたタイミングで、目的地と推測される土地と関連する情報を提供することができる。
尚、本実施形態では、端末装置300のユーザの目的地への移動を旅行とし、端末装置300の移動先として推定されるエリアを旅行対象エリアとして説明したが、これに限定されない。端末装置300のユーザの目的地への移動は、旅行に限定されない。例えば、端末装置300のユーザの目的地への移動が、買い物であった場合には、端末装置300の移動先として推定されるエリアを、端末装置300によって閲覧されていた店舗を含むエリアとしても良い。そして、情報提供エリアを、自宅エリアから移動先として推定されたエリアまでの移動経路を含むエリアとすれば良い。
この場合には、端末装置300が情報提供エリアに進入した場合には、移動先に推定されたエリア内の店舗の情報等が端末装置300に提供されても良い。
また、端末装置300の移動先は、端末装置300によって閲覧されていた情報に応じて推定されて良い。例えば、端末装置300において、複数の医療機関の情報が一定時間以上に亘って閲覧されていた場合には、移動先として、情報が閲覧された医療機関を含むエリアが推定されても良い。
開示の技術では、以下に記載する付記のような形態が考えられる。
(付記1)
コンピュータによる情報提供方法であって、前記コンピュータが、
ユーザが所持する端末装置が交通結節点を含むエリアに進入したことを検知し、
前記進入を検知した場合に、前記端末装置が前記交通結節点を含むエリアに進入するよりも前に前記端末装置により閲覧された情報に基づき決定された前記ユーザの行き先に関連する情報の少なくとも一部を、前記端末装置に送信する、情報提供方法。
(付記2)
前記コンピュータが、
前記端末装置が前記行き先を含む行き先エリアに進入したことを検知し、
前記端末装置に、前記行き先に関連する情報のうち、前記端末装置が前記交通結節点を含むエリアに進入したときに送信した情報とは別の情報を送信する、付記1記載の情報提供方法。
(付記3)
前記コンピュータが、
前記端末装置の移動履歴情報における、前記端末装置の滞在回数と滞在時間に基づき、前記端末装置のユーザの行動の拠点となる拠点エリアを特定し、
前記行き先エリアと前記拠点エリアに基づき、前記交通結節点を含むエリアを特定する、付記2記載の情報提供方法。
(付記4)
前記コンピュータが、
前記交通結節点を含むエリアへの前記端末装置の進入を検知したとき、
前記端末装置が前記交通結節点を含むエリアに進入する前に前記行き先エリアに滞在していたか、又は、前記端末装置が前記交通結節点を含むエリアに進入する前に前記拠点エリアに滞在していたか、に応じて、前記端末装置に送信する情報の内容を異ならせる、付記3記載の情報提供方法。
(付記5)
前記コンピュータが、
前記行き先エリアの候補として、複数のエリアが推定された場合に、前記閲覧された情報のうち、最後に閲覧された情報に基づき推定されたエリアを前記行き先エリアとする、付記2乃至4の何れか一項に記載の情報提供方法。
(付記6)
前記ユーザの行き先に関連する情報は、前記行き先の観光情報であって、
前記行き先エリアは、旅行対象とされるエリアである、付記2乃至5の何れか一項に記載の情報提供方法。
(付記7)
ユーザが所持する端末装置が交通結節点を含むエリアに進入したことを検知し、
前記進入を検知した場合に、前記端末装置が前記交通結節点を含むエリアに進入するよりも前に前記端末装置により閲覧された情報に基づき決定された前記ユーザの行き先に関連する情報の少なくとも一部を、前記端末装置に送信する、処理をコンピュータに実行させる情報提供プログラム。
(付記8)
ユーザが所持する端末装置が交通結節点を含むエリアに進入したことを検知する検知部と、
前記進入を検知した場合に、前記端末装置が前記交通結節点を含むエリアに進入するよりも前に前記端末装置により閲覧された情報に基づき決定された前記ユーザの行き先に関連する情報の少なくとも一部を、前記端末装置に送信する情報提供部と、を有する情報処理装置。
本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。