本発明を容易に理解するために、以下に本発明の実施形態が、添付の図面に例示されている。
図1Aは、本発明の実施形態による縫合糸カッターの斜視図である。
図1Bは、本発明の実施形態に従った縫合糸カッターの分解図である。
図1Cは、本発明の実施形態による縫合糸カッターの外側部材の断面図である。
図1Dは、本発明の実施形態による縫合糸カッターの部分切断図である。
図2Aは、本発明の実施形態による縫合糸カッターの遠位部分の上面、正面、左側面斜視図である。
図2Bは、本発明の実施形態による縫合糸カッターの遠位部分の上面、背面、右側面斜視図である。
図2Cは、本発明の実施形態による縫合糸カッターの遠位部分の底面、前面、左側の斜視図である。
図2Dは、本発明の実施形態による縫合糸カッターの遠位部分の平面図である。
図2Eは、本発明の実施形態による縫合糸カッターの遠位部分の底面図である。
図2Fは、図2Dの線2F-2Fに沿って切り取った縫合糸カッターの遠位部分の断面図である。
図2Gは、本発明の代替実施形態によるガイドフランジを含む縫合糸カッターの遠位部分の側面図である。
図3Aは、本発明の実施形態による縫合糸カッターの遠位部分の左側面図である。
図3Bは、本発明の実施形態による縫合糸カッターの遠位部分の右側面図である。
図3Cは、本発明の実施形態による縫合糸カッターの遠位部分の正面図である。
図3Dは、本発明の実施形態による縫合糸カッターの遠位部分の背面図である。
図4Aは、本発明の実施形態による縫合糸カッターを使用する方法を示す図である。
図4Bは、本発明の実施形態による縫合糸カッターを使用する方法を示す図である。
図4Cは、本発明の実施形態による縫合糸カッターを使用する方法を示す図である。
図5Aは、本発明の代替実施形態による逆屈曲を有する縫合糸カッターの斜視図である。
図5Bは、本発明の代替実施形態による逆屈曲を有する縫合糸カッターの斜視図である。
図5Cは、本発明の代替実施形態によるガイドフランジを示す反転構成における、本発明の縫合糸カッターの遠位端の側面図である。
図5Dは、本発明の一実施形態による、線5D-5Dに沿って切り取られた図5Cの縫合糸カッターの断面図を示す。
図5Eは、本発明の代替の実施形態による、図5Dの直立構成で示された断面図を示す。
図5Fは、本発明の別の実施形態による、左利き用の使用を容易にする、縫合糸カッターを示す図である。
図5Gは、本発明のさらに別の実施形態による、縫合糸カッターを示す図である。
図5Hは、本発明の別の実施形態による、内側及び外側部材のうち一つ以上の調節可能な回転設定を可能にする機能を有する縫合糸カッターを示す図である。
図6Aは、本発明の代替的な実施形態による、尾部長さを変化させるための複数の径路を含む縫合糸カッターを示す図である。
図6Bは、本発明の実施形態による、図6Aの線6B-6Bに沿った縫合糸カッターの断面図を示す。
図6Cは、本発明の代替の実施形態による、尾部長さを変化させるために単一の切断エッジで終端する複数の径路を含む縫合糸カッターの側面図を示す。
図7Aは、本発明の代替的な実施形態による、尾部長さを変化させる機能を備えた縫合糸カッターの内側部材の上面図および斜視図を示す。
図7Bは、本発明の代替的な実施形態による、尾部長さを変化させる機能を備えた縫合糸カッターの内側部材の上面図および斜視図を示す。
図8Aは、縫合糸の結び目の大きさに基づいて、自動的に尾部長さを調整する機能を含む縫合糸カッターの内側部材の正面図を示す。
図8Bは、縫合糸の結び目の大きさに基づいて、自動的に尾部長さを調整する機能を含む縫合糸カッターの内側部材の正面図を示す。
図8Cは、縫合糸の結び目の大きさに基づいて、自動的に尾部長さを調整する機能を含む縫合糸カッターの内側部材の正面図を示す。
図8Dは、縫合糸の結び目の大きさに基づいて、自動的に尾部長さを調整する機能を含む縫合糸カッターの内側部材の正面図を示す。
図8Eは、図8Cの線8E-8Eに沿って切り取られた、図8Cの内側部材の断面図である。
図8Fは、図8Dの線8F-8Fに沿って切り取られた、図8Dの内側部材の断面図である。
図9Aは、本発明の別の実施形態による、縫合糸の尾部長さの自動調整を可能にする図9Cの内側部材の断面図であり、本断面図は、図9Cの線9A-9Aに沿っている。
図9Bは、本発明の代替実施形態による、図9Cの線9A-9Aに沿って切り取られた、図9Cの内側部材の断面図である。
図9Cは、本発明の代替実施形態による、縫合糸の尾部長さを自動調整可能にする縫合糸カッターの内部部材の側面図である。
図10Aは、本発明の代替の実施形態による、縫合糸の大きさに基づいて縫合糸の尾部長さの自動調整を可能にする、図10Bの内側部材の断面図であり、本断面図は図10Bの線10A-10Aに沿って切り取られている。
図11は、本発明の代替実施形態による、傾斜端部を含む外側部材と縫合糸カッターの遠位部分の側面図である。
図12Aは、本発明の実施形態による、内側部材の取り外し可能な遠位先端部の側面図である。
図12Bは、本発明の実施形態による、取り外し可能な遠位エッジ部を備える外側部材の側面図である。
図12Cは、本発明の実施形態による、図12Bの線12C-12Cに沿って切り取られた図12Bの断面図である。
図13Aは、本発明の実施形態による、封入スロットを備える内側部材の遠位部分の斜視図である。
図13Bは、本発明の別の実施形態による、ロック機構を備えた縫合糸カッターの側面図である。
図13Cは、本発明の実施形態による、図13Bの線13C-13Cに沿って切り取られた図13Bの断面図である。
図13Dは、本発明の一実施形態による、縫合糸カッター図13Bの断面図である。そして、ロック構造が部分的に作動した位置における図13Cを示す。
図13Eは、本発明の代替的な実施形態による、ロック機能付き縫合糸カッターを示す。
図13Fは、本発明の代替的な実施形態による、ロック機能付き縫合糸カッターを示す。
図14は、本発明のさらに別の代替として、ロック用傾斜を備えたロック機構付き縫合糸カッターを示す。
患者の身体内で実行できる手術を含む、縫合糸の使用を含むいくつかの外科手術では、縫合糸または余分な縫合糸の自由端を切断するために、縫合糸カッターが必要になることがある。例えば、患者の身体内の到達することが不可能または困難な領域で、結び目から出た余分な縫合糸を切断するために、縫合糸カッターが必要になることがある。
様々な縫合糸カッターが、内側及び外側部材を含む分野で利用可能である。 いくつかのそのような縫合糸カッターは、縫合糸を切断するために、必ずしも実質的に互いに相互作用しない部材を提供する。いくつかのそのような例で、内側及び外側部材との間の相互作用が限られた場所では、2つの部材は高強度の縫合糸またはマルチフィラメント縫合糸のようなマルチ縫合糸を切断するだけの、十分に高い力を発生することができないことがある。
内側及び外側部材を利用する他の縫合糸カッターでは、2つの部材は、縫合糸を切断するために互いに相互作用する。 通常、このようなケースでは、内側及び外側部材の一方は、縫合糸を切断するためにもう一方に対して移動可能である。 しかしながら、このような縫合糸カッターは、外側部材内に開口部、スロット、または切り欠きを設けることによって、または追加的に柔軟な材料で作られた内側部材を提供することによって、概していくらか柔軟である。 このような縫合糸カッターは、したがって、通常は、実質的に硬くない外側部材に依存している。 外側(および場合により内部)部材のこの柔軟性のため、これらの縫合糸カッターは、縫合糸にかけられる力の量を制限し、高強度の縫合糸またはマルチフィラメント縫合糸のようなマルチ縫合糸を切断するだけの、十分に高い力を発生できない。
したがって、当技術分野で公知のデバイスとは異なり、本発明者らは、高強度の縫合糸 、および/または、マルチフィラメント縫合糸を含むマルチ縫合糸を切断する十分に高い力を連続して発生させるために、内側部材と外側部材との間の相互作用を利用する二部材のアセンブリを含む新規な縫合糸カッターを考案し、実用化した。本発明者らは、これらの必要な力を発生させるために、縫合糸カッターアセンブリのバネ定数またはk値が最大化されるべきである、ということを発見した。このような二部材システムでは、k値は、弱いまたは柔らかい部材によって支配される。 このように、本発明者らは以下の様な縫合糸カッターセンブリを発見し、実用化した。硬い外側部材を提供する、すなわち、アセンブリのk値を最大化するために、側壁中に開口部、スロット、ウィンドウまたは切り欠きが実質的にない外側部材、例えば、弱い部材のk値を最大化することを支援し、それによってシステムに一貫性のあるk値、したがって、一貫性のあるせん断力を提供する。また、本発明の実施形態は、患者の体内の標的領域にアクセスするときに操作する余地が制限され得るように、制限または制約された外径を有する縫合糸カッターを含む。
より具体的には、本発明者らは、アセンブリのk値を最大化し、縫合糸(複数)に一貫性のあるせん断力を適用することを保証するための、硬い外側部材と湾曲した内側部材を提供する縫合糸カッターセンブリを開発した。湾曲した内側部材は、さらに、内側部材が、高強度の縫合糸および/またはマルチフィラメント縫合糸を含むマルチ縫合糸を収容できるようにサイドスロットを提供する。 湾曲した内側部材と硬い外側部材は、縫合糸カッターアセンブリの制限又は制約されたODを維持しながら、高強度の縫合糸および/またマルチフィラメント縫合糸を含むマルチ縫合糸を切断するのに十分な力を発生するために、互いに相互作用する。
いくつかの態様において、本発明の縫合糸カッターアッセンブリは、さらに、切断の有効性を増加させるためにせん断力が発生するように、内側及び外側部材との間の制限された屈曲を提供する。したがって、本発明の縫合糸カッターは、モノフィラメント/一本より糸縫合糸、または縫合糸のフィラメントの数の増加に伴う累積OD(外径)が増加すると、縫合糸を切断するためにより高いせん断力を必要とするUHPE(例えば、超高分子量ポリエチレン)のような、高強度可撓性より糸/マルチフィラメント縫合糸、を切断するために使用され得る。
いくつかの実施形態では、内側部材は、さらに、マルチフィラメント および/または 複合縫合糸を収容するために、最大OD(外径)を備えることができる。 さらに、いくつかの実施形態では、例えば、縫合糸カッターが結び目を形成する縫合糸の自由端を切断またはトリミングするために使用される手術において、さらに、内側部材の最大OD(外径)が、切断された縫合糸の尾部の長さを最大化することを支援できる。
特に詳細に図面を参照すると、それが示す細目は、本発明の特定の実施形態の例示的な議論の目的のためにのみ、例として示されていることが強調されている。本発明の実施形態の詳細を説明する前に、本発明は構造の詳細および図面において、以下の説明に記載または示された構成要素の配置への適用に限定されるものではないことを理解すべきである。本発明は、他の実施形態または様々な方法で実施または実行されることが可能である。また、本明細書中で用いられる表現および用語は説明のためであり、限定とみなされるべきではないことを理解されたい。
[縫合糸カッターデバイス]
図に示すように、本発明の実施形態によれば。 図1A及び1B、デバイス100は、縫合糸を切断するために設けられている。本デバイスまたは縫合糸カッター100は、外側部材またはカニューレ10及び内側部材または細長いシャフト20を備える。外側部材10は、デバイス長手方向軸A-Aに沿って長手方向に延びており[図1D]、内側部材20を受容するためのルーメン12を規定する。内側部材20は、内側部材20の遠位部分または先端部24が外側部材10と同軸であり、デバイス長手方向軸に沿って延びているように外側部材10内に受容され、そこで内部部材20の遠位部分または先端部24が湾曲部または屈曲部23を規定する。 内側部材20は、湾曲部23に沿って、外側部材10から同軸にオフセットしている。 外側部材10と湾曲した内側部材20は、内側部材20の湾曲部23に沿って保持される縫合糸を切断するために互いに対して往復移動可能である。一実施形態では、外側部材10は、内側部材20に対して長手方向に遠位に向かって移動可能である。あるいは、内側部材20が外側部材10に対して近位に向かって移動可能であってもよい。 いくつかのそのような例では、内側部材20の位置は、外側部材10に対して独立して回転してもよい。 言い換えると、内側部材20の回転の向きに関係なく、内側部材20は、例えば外側部材10が遠位に前進されたときに、縫合糸を切断するために機能する。 図示された特定の例では、内側部材20は、遠位先端部24内に縫合糸を受容し保持するための開口部30を規定し、外側部材10は、縫合糸を切断するために、トリガー52の作動時に内側部材20の上に移動可能である。
いくつかの実施形態では、外側部材10は、、貫通するルーメン12を規定する硬い円柱状または管状部材を備え規定、その長さに沿った開口部またはスロットの導入によって外側部材10の剛性が損なわれることはない。特定の例では、外側部材10は、304ステンレス鋼を備える。ここで図1Cを参照すると、いくつかのこのような実施形態において、外側部材10は、約0.160インチから約0.170インチの間の範囲の外径(OD)を有し、約0.132インチから約0.138インチの範囲の内径(ID)を有する。 いくつかの実施形態では、図1Cに示すように、外側部材10の管壁厚Tは、約0.013インチから約0.017インチの間である。具体的な例では、外側部材10は、管壁厚が約0.015インチで、約0.165インチの外径(OD)と約0.135インチの内径(ID)を有する。
いくつかの実施形態では、内側部材20は、硬い内部を規定する近位部に沿った硬いシャフトを備える。外側部材10と同様に、いくつかの実施形態では、内側部材20は、ステンレス鋼から作られ、440ステンレス鋼を備えることができる。 具体的な例では、内側部材20は、440Cステンレス鋼を含み、約0.120から約0.130の範囲の外径(OD)を有する。 一具体例では、内側部材は、約0.125に等しい外径(OD)を有する。 あるいはいくつかの例では、内側部材20は、中空内部を規定できる。
図1Bおよび1Dに示すように、デバイス100は、ハンドルハウジング50を備える。 カニューレハブ19がハンドルハウジング50内に保持され、それらが一体ユニットを形成するために、外側部材またはカニューレ10に結合されている。ハンドルハウジング50はまた、内側部材20の軸に連結されたシャフトハブ29を含む。 いくつかの実施形態では、組み立てのために、内側部材20の一部は、初めは、外側部材10、カニューレハブ19を通って、それに結合されるシャフトハブ29に受容されてもよい。 ハンドルハウジングは、ユーザにデバイス100を操作できるようにするグリップ56で終了している。デバイス100はさらに、トリガー52の一部分がハンドルハウジング50内に保持されているトリガー52を備える。 ハンドルハウジング50は、さらに、ハブ19、29、内側部材20と外側部材10とトリガー52をハンドルハウジング50内に固定するための、カバー50’を備える。いくつかの実施形態では、トリガー52は、内側部材20の上に外側部材10を前進させるための作動機構を形成する。トリガー52は、トリガーが引かれると、カニューレハブ19に協同的に係合して、外側部材10を遠位に前進させるように機能する。特定の実施形態に示されるように、トリガー52は、一端にグリップ58、他端にカニューレハブ19の歯17と係合する歯54を有し、トリガー52に、内側部材20上を外側部材10が前進するために、カニューレハブ19を移動させることを可能にする。あるいは、トリガー52は、シャフトハブと協同的に係合して、外側部材10に対して内側部材20を近位に移動するように機能してもよい。さらにまた、トリガー機構は、縫合糸を切断するために、外側部材10と内側部材20を、互いに対して移動を引き起こすよう機能してもよい。
ここで図2A-2Cを参照すると、内側部材20の遠位端または先端部24は、湾曲または屈曲部23を有するように示されている。前述の図2Aに示すように、湾曲した遠位先端部24は、縫合糸を受容、保持するための開口部30を規定する。開口部30は、縫合糸が挿通される通路31を規定し、開口部30内で縫合糸を保持するための保持機構として機能する、スリット/ウィンドウ/サイドスロットまたはスロット32を備える。いくつかの実施形態で示されるように、スロット32は側方装填スロットである。いくつかの実施形態では、右利きユーザまたは左利きユーザのどちらでも、縫合糸を装填するために通路またはスロット32を使用できる。 いくつかのこのような実施形態では、硬い外側部材10は、図1Cに示すように長手方向軸A-Aを中心として対称であり、それによって、内側部材20の回転方向の調整が可能である。例えば、内側部材20の回転方向は、製造時または使用前に、右利き用または左利き用の設定に調整してもよい。
図2Cに示すように、スロット32は、湾曲遠位先端部24に沿って第2の長手方向軸A’-A’に垂直に延びており、遠位先端部24の上端から遠位先端部24の下端まで延びている。ここで図2Bを参照すると、スロット32は、遠位切断エッジ26で終端し、切断エッジ26は、縫合糸を保持する保持機構として機能する。切断エッジ26の遠位にある遠位先端部24の領域は、遠位エッジ部28を形成する。一具体例では、遠位エッジ部28は、約0.082インチから約0.084インチの長手方向の長さを有する。
図2Dおよび2Eに示すように、遠位エッジ部28は、スロット32と連通し遠位エッジ部28に沿って延びる溝34を形成する、アンダーカット又は内側エッジ27を有する。換言すると、スロット32の底部は、遠位先端部24の先端面の先端溝34で終端する。外側部材10の作動中に縫合糸を切断するために、縫合糸に対して十分な圧力を加えることができる遠位切断エッジ26を形成するために、遠位エッジ部28の下から材料が切断または除去されている、。溝34は、スロット32の底部と共に、縫合糸のより糸を切断エッジ26でカットするために、結び目から出る縫合糸のより糸が、アンダーカットまたは内側エッジ27の内側に沿って配置されるように結び目を保持するように機能する。このようにして、アンダーカットまたは内側エッジ27は、内側エッジ長さを規定し、内側エッジ長さは実質的に切断された縫合糸の長さであり、または換言すれば縫合糸の尾部長さと等しい。あるいは、いくつかの実施形態では、図2Cに示されるように、縫合糸カッター100’は、外側部材10の遠位端に沿ったガイドフランジ18を備え、例えばその底部に沿って、図に示すように結び目70を押して、結び目を確実に遠位面の反対側にある溝34中に配置し、尾部長さが切り欠きまたは内側エッジ27によって確実に規定されるようにする。あるいは、いくつかの実施形態では、尾部長さは、内側部材20の外径によって規定されてもよい。例えばいくつかの実施形態では、結び目が遠位先端部24の遠位面から離れたところでスロット32の底部で支えられていて、遠位先端部24は、内側部材20の外径と同等の尾部長さを提供してもよく、より具体的には、結び目(それが遠位面から離れてスロット32の底部に当接しているような)とカッティングエッジ26との間の距離に等しい尾の長さを提供してもよい。
いくつかの実施形態では、遠位切断エッジ26は、丸くてもよい。 いくつかの実施形態では、切断エッジ26は、さらに、せん断力を加えて縫合糸の切断を可能にする鋭いエッジを含んでもよい。より具体的には、遠位先端部24の側面断面の図2Fを参照すると、アンダーカット27は、デバイスの長手方向軸A-Aに対してある角度で規定される。一例では、アンダーカット27の角度sは、デバイスの長手方向軸A-Aに対して約50度から約56度の範囲である。縫合糸の結び目の尾部を切断するために、本発明の縫合糸カッターが使用されるいくつかの実施形態では、アンダーカット27に沿ったスロット32の底部とスロット32の頂部の間の距離が、縫合糸の尾部の切断長さまたはは尾部長さを規定する。
図2Fを再び参照すると、切断エッジ26は、軸/平面B-Bから測定して垂直からのオフセットがY’である。軸/平面B-Bは、デバイスの長手方向軸A-Aに平行であるが、図に示されるように、その近位部に沿って内側部材20の基部または底部に沿って延びる。 言い換えれば、垂直オフセットY’は、内側部材20の対向端部から測定されたオフセットである。つまり、内側部材の該エッジは、切断エッジ26から内側部材20の反対側に沿っている。いくつかの実施形態では、垂直オフセットY’は約0.146インチ未満の値である。例えば、約0.142インチから約0.146インチの間(約361mmから約371mm)である。一具体例では、切断エッジ26の垂直オフセットY’は、約0.144インチに等しい。この具体例では、垂直オフセットY’の直径に対する比率である直径に対するオフセット比は、約0.144/0.125に等しく、約1.2未満であり、約1.15に等しい。他の実施形態では、外径と垂直オフセットY’に応じて、オフセット比は、約1.1と約1.3の間であってもよい。異なる寸法を有する他の実施形態では、垂直オフセットY’の値が上記範囲を超えることもあり、例えば0.146インチ以上のこともある。切断エッジ26のオフセットは、トリガー52が縫合糸を切断するために内側部材20上で外側部材10を前進させるとき、デバイス100の固着を防止できる。さらに、いくつかの実施形態では、内側部材20は、テーパー状の遠位端面25を備える。テーパー状の遠位端面25は、遠位先端部24の下側または底部エッジから約68度~約74度の間の角度zで傾斜できる。図2Fに示す具体例では、遠位端面25は、約71度に等しい角度zで傾斜している。傾斜した遠位面25の角度zは、縫合糸カッター100を用いて結び目から出る縫合糸の自由端を切断可能にするために、内側部材20が結び目を押し付けることを助けることができる。
図3Aおよび3Bを参照して、遠位先端部24がさらに説明される。本明細書で前述したように、遠位先端部24は屈曲部23を有する。いくつかの実施形態では、屈曲部23の角度wは、約6度から約8度の範囲であってもよい(言い換えれば、曲率を有する)。換言すれば、遠位先端部24の軸先端角wは約6度から約8度である。角度wは、デバイスの長手方向軸A-A(または図中に示されるように、軸B-B)を参照して定義される。具体的な例では、湾曲または屈曲部23は、約7度に等しい角度wを有する。 いくつかの実施形態では、図3C及び図3Dにさらに示されるように、屈曲部23に沿った遠位先端部24の一部は、デバイスの長手方向軸から同軸にオフセットされている。図中には、遠位先端部24が示されていて、残りのデバイスは、それぞれページの外またはページ内に延長するように図示されている。 屈曲部23は、垂直方向にオフセットした位置にあると、切断エッジ26を作成する/配置することに役立つことがある。さらにいくつかの実施形態では、屈曲部23の角度wは、縫合糸を切断するために外側部材10が内側部材20上を前進するときに、外側部材10と内側部材20との干渉を形成するのに役立つ。さらに、縫合糸を切断するために、外側部材10が内側部材20上を前進するときに、内側部材20が屈曲していることで、デバイス100が固着することを防ぐのに役立つ。また、本発明のいくつかの実施形態では、外側部材10は、内側部材20の切断エッジ26の摩耗を低減するために滑らかな内表面を備えてもよい。この例では、外側部材10または先端エッジが硬化されている。あるいは、内側部材20が硬化されてもよい。本発明のいくつかのこのような実施形態では、内側部材20が外側部材10の先端エッジ14の摩耗を低減するために滑らかな外側表面を備えてもよい。
いくつかの実施形態では、前に概説したように、デバイス100は、縫合糸を切断するために提供されている。該デバイスは、湾曲した内側部材20と硬い外側部材10を備え、このシステムを使用して内側部材20と外側部材10との間の干渉を介してせん断力を作り出すことが可能である。せん断力は、主にF=kxで定義される。ここでkはシステムのk値またはばね定数であり、xは内側部材20の切断エッジ26の位置である。(より具体的には、xは図2Fに示したように、そして本明細書で前述したように、内側部材20のC-C軸に対する切断エッジの垂直オフセットYとして定義される)。いくつかの実施形態では、垂直オフセットY=垂直オフ設置Y’-内側部材20の外径である。垂直オフセットYは、内側 および/または 外側部材20,10が作動時の、垂直方向の変位を規定する。いくつかの実施形態では、内側部材10と外側部材20の組み合わせの垂直変位は、実質的に垂直オフセットY に等しい。このように、せん断力を調整するために、システムのk値を調整してもよいし、切断エッジの垂直オフセットYを調整してもよい。
このように、いくつかの実施形態では、切断エッジ26のx位置(または、言い換えると、本明細書で前述のように切断エッジ26のオフセットY)を変えることによって、せん断力を調整してもよい。いくつかの実施形態では、オフセットYは、せん断力を減少させるために減少され得るか、またはせん断力を増大させるために増加され得る。より具体的には、内側部材20内のスロット32の長さが、切断エッジ26の位置を変更するために調整され得る。特定の例では、内側部材20の遠位端面25に隣接して切断エッジ26を配置して、オフセットYを増加させる。その結果、外側部材10が内側部材20上を前進するとき、大きな力が外側部材10によって発揮され得る。このようにして、内側部材10と外側部材20との間に発生するせん断力を増加させる。あるいは、切断エッジ26は、屈曲部23に隣接して配置することも可能で、その結果垂直オフセットYを減少させ、より小さいxの値となる。例えば、外側部材が内側部材20上を前進するとき、このことは、外側部材10と内側部材20のたわみを低減できる。より小さいたわみは、加えられたばね力が小さい(ひいては、アセンブリ100のk値がより小さい)ことに相当し、これは、内側及び外側部材20と10との間により低いせん断力をもたらすことができる。
上述したように、いくつかの実施形態では、発生するせん断力の量は、システムのk値又はばね定数によって支配される。システムのk値又はばね定数は、縫合糸を切断する力の量を調整するために変更してもよい。いくつかのこのような実施形態では、システムのk値は、k値またはばね定数の最小値によって支配される。言い換えれば、より弱いまたはより軟らかい材料のk値が、システムのk値を支配する。この特定の例では、システムのk値は、(内側部材20よりも相対的に弱い)外側部材10のk値によって支配されている。k値は、与えられた材料に関して外側部材10の直径または壁厚によって定義される。本発明のいくつかのこのような実施形態は、硬い(すなわち、切り欠きまたは開口部が外側部材内に提供されていない)外側部材10を備える縫合糸カッターを提供する。該外側部材10は、そのk値を最大化、ひいてはせん断力を最大にして確実なせん断力を提供することを可能にする。
より具体的には、縫合糸カッターアセンブリ100のk値は、外側部材10と内側部材20の組み合せたk値によって決定される。いくつかの実施形態では、内側部材20と外側部材10それぞれのk値は、長さ、材質および形状に依存している。 一具体例では、k値は、端部荷重片持ち梁の梁たわみ式を用いて決定することができ、ここで変位Y =FL3/3EIである。本発明のいくつかの実施形態では、Fshearは、3EI/L3 Yに等しいものとして定義でき、ここで変位Yは、本明細書中で前述したように、垂直方向の変位またはオフセットを意味し、k値は3EI/L3に等しい。k値は、ばね定数であり、剛性の尺度である。特定の例では、縫合糸カッターアセンブリのK値は、K1とK2が内側及び外側部材20,10のk値を参照する、直列の2つのスプリングの組み合わせたk値と見なすことができる[F~(K1)(K2)/(K1+k2)x、ここで xは垂直方向の変位またはオフセットYに等しい]。ばね定数が互いに直列に配置されているようなシステムでは、二つのばねの個別のk値のうち弱い側が、アセンブリまたはシステム100の組み合わせたk値を支配し、決定する。システム100によって発生されるせん断力は、システム100の組み合わせk値に比例する。したがって、本発明の実施形態に従うと、他の部材よりもはるかに低いk値を有する弱い部材が提供され、システム100のk値が弱い部材によって支配されることが可能になる。このような一実施形態では、外側部材は、内側部材20よりも低剛性であってもよく、例えばK1である外側部材10k値が、例えばK2である内側部材のk値より低くてもよい。 このように、外側部材10のk値が、システムのk値を支配し、かつ実質的に決定する。このように、内側部材20の任意の変化は、剛性の観点からシステムの挙動を支配せず、システムのk値にごくわずかな影響を及ぼすであろう。外側部材10のk値がシステムを支配するので、それはシステムのk値の剛性の尺度となる。システムのk値は、単一の制御変数、または言い換えると外側部材10のk値に大きく依存するので、このことは、実質的に堅牢なシステムを提供することができる。これは、本発明の実施形態によるデバイスが、内側部材20の変更が、システムによって提供される力に影響を与えることなく、縫合糸を切断するために十分な力を予想通り提供することを可能にする。特定の実施形態では、内側部材20よりも弱い外側部材10が提供され、外側部材のk値がシステム100のk値を支配、決定する。外側部材10のk値は、実質的に変化してもよく、または、すなわち、内側部材20のk値から数桁離れた値を有していてもよい。外側部材10のk値が、システム100のk値を決定するので、外側部材10のk値は、システム100の所望のk値を制御するために修正してもよい。このような一例では、硬い外側部材10は、外側部材10とシステムまたはアセンブリ100にとって一貫性のあるk値を提供する。そして、そのことによって、システムが予測可能な挙動をする。また、硬い外側部材10は、システムのk値を最大化するために、(より弱い部材であり、k値を支配する部材である)外側部材のk値を最大化することができる。その結果、縫合糸カッターセンブリ100が縫合糸を切断するために、十分な量の力が確実に提供される。
上記の特定の例では、外側部材10は、硬い外側チューブ(すなわち、切り欠きやウィンドウがないチューブ)として提供されている。この硬い外側チューブは、低い製造公差をもたらし、したがって、実質的に一貫したk値とせん断力を有し、再現性のある外側部材10を提供する。つまり、システムに一貫性のあるk値を提供するために、システム100のk値を支配する支配部材(すなわち、外側部材10)の公差は、最小化される。また、決定力のあるk値は、外側部材10の値であるから、内側部材20の製造公差または寸法の変化は、システムの結果として得られる組み合わせたk値に大きな影響を与えることはない。その結果、システム100によって生成され、ユーザが経験する出力の力は、実質的に一貫性のあるものである。さらに、硬い外側チューブは、外側部材10内のスロットまたは切り欠きを排除することにより、および/または、上述のように製造公差を低減することにより、外側部材10、ひいてはシステム100のk値を最大化することができる。このことは、発生するせん断力を最大化することを補助する。したがって、本発明の実施形態によれば、硬い外側部材10を設けることにより、縫合糸を切断するために十分な一貫した出力せん断力を提供するために、外側部材10のk値(およびシステム100のk値を合わせた結果として)が再現性を有しかつ最大化された、システム100をもたらす。
他の実施形態では、内側および外側部材20、10のkの値は、実質的に同一または一致させることができる。換言すれば、内側および外側部材20、10両方のk値は、実質的に同じ桁であってもよい。 その結果、内側および外側部材20、10は、実質的に同じ量だけ変位することができ、内側および外側部材20、10の各々の最大変位を最小化できる。いくつかのこのような実施形態では、内側および外側部材20、10がステンレス鋼を備え、内側および外側部材20、10の変位を最小限にすることで、内側および外側部材20、10の両方が弾性領域内にとどまることを可能にする。さらに、硬い外側部材10を設けることは、外側部材10に実質的に一貫したk値を提供する。このことにより、内側および外側部材20、10内の変更から生じたk値の変化に対するシステムの感受性を低下させることができる。したがって、硬い外側部材10は、システム100の実質的に一貫した組み合わせたk値に貢献できる。このことによって、縫合糸に適用され、システム100によって生成される一貫性のあるせん断力がもたらされる。また、与えられた実施形態において、硬い外側部材10が外側部材10の最大のk値を提供できるとき、せん断力が、最大化できる。 本発明の実施形態によると、外側部材10のk値、例えばK1、が、内側部材20のk値(例えばk2)の約3.3倍に等しくてもよい。いくつかの実施形態では、このようなシステムは、内側または外側部材20、10のいずれかを変更しても、縫合糸を切断するために発生させる力には実質的に力に影響を与えないので、内側または外側部材20、10を変更するという観点から、柔軟性を提供することができる。
さらに他の実施形態では、内側部材20は、硬い外側部材10より弱くまたは柔軟であってもよく、外側部材10よりも低いk値を有することができる。その結果、内側部材20のkの値が、システムの組わ合せたk値を支配、決定できる。このように、内側部材20は、システムのk値、せん断力を制御するために変更することができる。より具体的には、このような一例では、内側部材20のk値やバネ定数は、k値を変更するように変えてもよいスロット32の寸法によって定義される。いくつかのこのような実施形態では、硬い外側部材10は、内側部材20よりも実質的に硬く、より高剛性であるように提供されてもよい。いくつかのそのような例では、弱い内側部材20と外側部材10のk値が桁違いに離れていることもある、システムまたはアセンブリ100が提供される。このような実施形態では、より硬い外側部材10が、内側部材20と外側部材10のk値の大きさの間に一貫性のある差を提供することを確保する。従って、システム100の組み合わせたkの値を、内側部材20のk値が支配しひいては決定することを確保する。
硬い外側部材10におけるこのような任意の変化は、実質的にシステム100の組み合わせたk値に影響しない。その結果、システム100の組み合わせたk値は、外側部材10から独立して、内側部材20のパラメータを変更することによって変更できる。さらに、弱い内側部材20よりも実質的に硬い、硬い外側部材10を提供することによって、外側部材10から独立して、内側部材20のk値を変化させることによって、システム100の組み合わせたk値を最大化できる。したがって、硬い外側部材10は、縫合糸を切断するために十分に最大化された、一貫した出力せん断力を提供するために、(システム100の組み合わせたk値を定義する)内側部材20に一貫性のあるk値を提供するシステムの一部であってもよい。
別の例では、システムのk値は、(図3Aに示すように、デバイスの長手方向軸A-Aに関して)屈曲部23の角度wを変えることによって調整できる。屈曲部23の角度wが減少すると、垂直オフセットYが減少する。その結果、より低い変位Yが、内側部材20と相互作用する外側部材10のために必要であり、次に、二つの部材間に発生するせん断力を低減する。あるいは、角度wが大きくなると、垂直オフセットYが増加する。その結果、ために、より大きな変位Yが、内側部材20と相互作用する外側部材10のために必要となり、従って内側及び外側部材20、10との間に、より大きなせん断力が発生する。このような一例では、角度wを増加させる代わりに、同一のより大きな変位Yを提供するために、角度wを維持しながら内側部材20の先端部24の長さを増加させてもよい。同一のより大きな変位Yを提供するために、ユーザは外側部材10を内側部材20上に、より長い距離前進させる必要があるだろう。このように、これは、変化しないまたはより浅い角度により同一の変位Yを提供してもよい。このように、内側部材20上を外側部材10が前進させるために縫合糸カッター100を作動させるユーザによって、力が適用される時に、ユーザは、少ない抵抗を経験することができる。つまり、より長い先端部24を持つより浅い角度wが、加える力の垂直成分を減少させる。次に、加える力の垂直成分に依存する摩擦成分を低減する。その結果、同一のせん断力を提供するために、ユーザにより必要とされる加える力が減少し、経験する摩擦損失が少なくなる。
別の例では、内側部材20内のスロット32の横幅は、ばね定数やシステムのk値を制御するように調整できる。スロット32の横幅が増加すると、内側部材20の柔軟性やたわみが増加する。このことは、より低いk値をもたらし、内側及び外側部材20、10との間に生成するせん断力を減少する。
いくつかのそのような実施形態では、本明細書に記載するように、サイドスロット32は、実質的にシステムのk値に影響なく、様々な数の縫合糸 および/または マルチフィラメント縫合糸が内側部材20内に収容されることを可能にする横幅を有する。言い換えると、使用中にデバイス100内に縫合糸が追加、保持されるとき、システムのk値及びせん断力は、実質的に変化しない。さらに別の例では、内側部材20の外径(OD)は、システムのk値に影響を与えることなく、マルチフィラメント、および/または、複数の縫合糸を収容することを助けるために最大化されてもよい。
さらに、図2Fを再び参照すると、いくつかの実施形態では、内側部材20のk値は、内側部材20の上端または面tが内側部材20の底端部または底面Bと非平行となるように、遠位先端部24の角度を変えることによって変更することができる。これにより、内側部材20内の材料を減らすことによって、内側部材20のk値、ひいてはシステム100の組み合わされたk値をを変更する手段を提供することができる。さらにまた、いくつかの実施形態では、本明細書で前述したように、内側部材20は、硬い曲がった棒を備える硬い部材を備える。硬い内側部材20は、硬化プロセスで硬化されると、より大きな許容誤差を提供する。そのことによって、より硬い内側部材20は、許容誤差の影響を受けにくくすることができ、より弱い外側部材10によって支配されるシステム100の全体的なk値に影響を与えないだろう。
さらに、追加の機能として、せん断力が、切断された縫合糸の尾部長さに対して行われる調整によって、実質的に影響されないことがある。換言すれば、切断された縫合糸の尾部長さは、せん断力とは独立して制御できる。より具体的には、いくつかの実施形態では、図2Fに示すように、アンダーカットや内側エッジ27の角度Sが、縫合糸の尾部の切断長さや尾部長さを定義する。したがって、尾部長さは、アンダーカット27の長さや角度Sを調整することによって制御できる。アンダーカット27の長さや角度Sは、尾部長さに対応するアンダーカット27の長さcに影響を与える。このことは、スロット32の寸法を変更することなく、したがって、せん断力に影響を与えることなく、行える。いくつかのそのような例では、角度Sは、尾部長さを増加させるために減少させることが可能であり、または代替的に、角度Sは、尾部長ささを減少させるために増加させることができる。さらに、いくつかのこのような実施形態では、最大尾部長さを可能にするために、デバイスの制約されたODを維持しながら、内側部材20の外径(OD)を、加えて最大化できる。さらに、調整は、切断エッジ26より遠位の内側部材20を変更または変形することによっても可能である。内側部材20の切断エッジ26より遠位にされたこれらの変更は、内側部材20、ひいてはシステム100のk値に影響を与えないかもしれない。いくつかのこのような実施形態では、内側部材20の下端又は表面は、より短い尾部長さを提供するためにアンダーカット27の長さcが短くなるように、b’によって示されるように変更してもよい。いくつかのこのような実施形態では、下端または表面b’は、内側部材20の直径よりも短い尾部長さを可能にすることができる。 図示された特定の例では、下端b’は、アンダーカットまたは内側エッジ27に実質的に垂直な面取り面/カットとして提供される。
従って、本発明のいくつかの実施形態による、縫合糸カッター100には、硬い外側部材10と、屈曲部23、およびマルチフィラメントおよび/または複数の縫合糸を収容すると横または側面のスロット32を備える湾曲した内側部材20とが設けられている。それによって、2つの部材の間に干渉がもたらされ、マルチフィラメントおよび/または複数の縫合糸が切断される。システムがマルチフィラメントおよび/または複数の縫合糸を切断するように、作動時に十分なせん断力を発生させるために、(二つの部材のうち、弱い側に支配される)システムのk値は最大化される。
[縫合糸の切断方法]
本発明のさらなる実施形態は、以下で構成される縫合糸を切断する方法を含む:縫合糸通しとなっている内側部材の側面通路を通して縫合糸を装填し、縫合糸通しとなっている内側及び外側部材のうちの少なくとも一方を移動させ、側面通路の出口が外側部材によって閉塞されるようにする。それによって、側面通路から縫合糸が出るのを防ぐ。これらの実施形態は、更に、縫合糸通しを縫合糸に沿って所望の切断位置に進めることができ、所望の切断位置で縫合糸を切断するために、内側及び外側部材の他方に対して、内側及び外側部材の少なくとも一方を移動させる。
例えば、図4A-4Cを参照すると、縫合糸を切断する方法が、デバイス100を使用して示されている。図4Aに示すように、縫合糸40が、通路31を通って、開口部30のスロット32に収容され、最初はスロット32が開いたままになっている。縫合糸40が、切断エッジ26に対して保持される。トリガー52が作動されて、その後、外側部材10が、内側部材20の遠位先端部24上を、遠位方向に直線的に変換または前進する。図4Bに示すように、更にトリガー52が作動されると、外側部材10の最初の前進が可能となる。通路31及びスロット32は、そのとき、外側部材10に部分的に囲まれるか、または覆われるが、縫合糸40は切断されていない。切断の時点で剛性を提供するため、縫合糸を装填および保持するスロット32は、少なくとも部分的に外側部材10のルーメン内に配置されている。スロット32内の通路31は、外側部材10によりシールされているので、これはさらに、縫合糸40をスロット32内に保持するのに役立つ。これは、縫合糸カッター100が、縫合糸40を切断することなくスロット32内に捕捉することを可能にし、医師が縫合糸40を失うことなく、縫合糸40が装着された縫合糸カッター100を前進させることを可能にする。
ここで、図4Cを参照すると、トリガー52が作動またはさらに引っ張られると、縫合糸40を切断するために、外側部材10の遠位端にある内側エッジ14と、切断エッジ26にある内側部材20の間に(縫合糸40を保持している点で)干渉が生じるように、外側部材10が内側部材20上を前進する。先に概説したように、スロット32の切断エッジ26は、当初デバイスの長手方向軸または軸B-Bに対して垂直方向にオフセットした位置にあり、遠位先端部24が、角度、屈曲、または湾曲部23を規定する。これは、内側部材20が、屈曲部または湾曲部23に沿って、外側部材から同軸オフセットまたは単純オフセットすることを可能にする。外側部材10が、内側部材20上をまっすぐに前進すると、外側部材10は矯正しようとし、スロット32に沿った遠位先端部24の外周面が、外側部材10の内側に押し付けられ、縫合糸40を切断するための切断機構を形成するせん断力を形成する。更に、外側と内側部材20と10の間に形成される干渉によって、内側部材は、デバイスの長手方向軸A-Aに対して内側に撓む。より具体的には、それらの間に保持された縫合糸を切断するために、干渉が外側部材10の内側表面(具体的には、先端エッジ14)と内側部材20の切断エッジ26の間に生成される。図4Cを参照して、縫合糸40の切断機構が、さらに本明細書の以下に記載されている。
本発明のデバイス100は、内側及び外側部材20、10の剛性のために、内側及び外側部材20、10の湾曲または屈曲が最小となることを可能にする。それによって、縫合糸40を切断するための、相当量のせん断力が生じる。また、硬い外側部材10の剛性は、縫合糸40を切断することなく、外側部材10が内側部材20上をスライドおよび通過することを防ぐ。従って、内側及び外側部材20、10両方の剛性が、システム全体に最小の屈曲をもたらし、せん断力が切断に十分であることを確実にする。
図2Fを再び参照すると、いくつかの実施形態では、切断エッジ26での外側部材10の屈曲またはたわみは、約0.0013インチから約0.0017インチ (または約0.33mm~約0.43mm)の範囲でもよい。一例では、外側部材10のたわみは約0.0015インチ(0.36mm)である。つまり、内側部材20の湾曲によって、切断エッジ26における外側部材10の垂直方向の変位が約0.0015インチになるように、外側部材10が上向きに(例えば、長手方向軸C-Cから離れるように)たわむ。いくつかの実施形態では、内側部材20の内側へのたわみ(または、切断エッジ26における、長手方向軸C-Cへの内側部材20の垂直方向の変位)が、約0.004インチ(0.10mm)であることが観察される。内側部材20のたわみは、外側部材10の剛性を示すパラメータとして機能することができる。と、外側部材10の剛性の増大は、外側部材10が内側部材20上を進んだ時に、内側部材20により大きな変位をもたらす。したがって、内側部材20のたわみは、外側部材10の剛性の結果として見ることができる。
いくつかの実施形態では、内側部材20のたわみは、「ベースラインに対するたわみ値」またはDBLを決定するために使用される。「ベースラインに対するたわみ値」またはDBLは、外側部材10および更にはシステム全体(該システムが、内側及び外側部材20、10の組み合わせで形成される)の剛性を示す。ベースラインに対するたわみ値(DBL)は、全体で得られるたわみに対する切断エッジ26で観察されたたわみの比率として計算される。全体で得られるたわみは、切断エッジ26の垂直オフセットにより定義され、図2Fに示される長手方向軸C-Cを基準に、またはベースラインC-Cを基準に、測定される。
ベースラインC-Cは、内側部材20に100%のたわみがあった場合、切断エッジ26が到達する点として定義される。換言すれば、この点とは、外側部材が内側部材上を前進することで、内側部材20の湾曲が真っ直ぐになう、内側部材20の完全な理論上のたわみの点である。いくつかの実施形態では、ベースラインC-Cは、内側部材20の下端によって規定される軸から、約0.120インチから約0.130インチの間に配置される。いくつかのこのような実施形態では、全体で得られるたわみ、又はこのベースラインC-Cからの切断エッジ26のオフセットYは、約0.012インチから約0.026インチの間に等しい。言い換えれば、切断エッジ26は、内側部材20の上部エッジまたは頂部エッジから延長された長手方向の軸から、約0.012インチから約0.026インチの距離に、垂直方向にオフセットしている。一具体例では、切断エッジ26は、最初にベースラインC-Cから約0.019インチのオフセットYに位置している。
一実施形態では、外側部材10が内側部材20上を前進する際の、ベースラインC-Cに対する内側部材20の観測されたまたは実際のたわみ(切断エッジ26で測定)は、約0.004インチ (0.10mm)に等しい。いくつかの実施形態では、内側部材のベースラインへの変位は、約15%から約33%の間である。特定の例において、DBL値が、約0.004/0.019と計算され、これは約21%に等しい。記載された実施形態では、少なくとも約15%の内側部材20のたわみは、十分な剛性を有する外部要素を示し、従って縫合糸を切断するための十分なせん断力が切断エッジ26で発生する。このようないくつかの実施形態では、内側部材20の増大したたわみが、外側部材10の増大した剛性を示し、縫合糸40を切断するために効果的な、増加したせん断力を示す。したがって、図4Cで説明し、示した特定の実施例では、トリガー52が作動されると、外側部材10の内側先端エッジ14は、切断点における縫合糸40と切断エッジ26との同一平面に沿わせる。この干渉が、内側部材20を下向き(例えば、図2Fの軸B-Bに向かって)にたわませ、縫合糸40が発生するせん断力で切断されることを可能にする。いくつかのこのような実施形態では、上述のように、内側部材20は、切断エッジ26のベースラインに対するたわみ(DBL)が、少なくとも約15%であるように、たわませることができる。いくつかの実施形態では、外側部材10は、約85%未満であるDBL値を有するだろう。具体的な例では、外側部材10の垂直変位は、約0.015インチに等しい。結果として、一例では、外側部材10のDBL値は、約0.015から0.019であってもよく、この値は約79%に等しい。いくつかの実施形態では、外側部材は、実質的にDBL値がほぼゼロであるように、たわまないよう十分に固い。
図4Cを再び参照すると、作動時のデバイス100の切断機構は、さらにデバイスの追加機能を参照して説明される。いくつかの実施形態では、切断エッジ26におけるスロット32の利用可能な表面積(SA)は、縫合糸1本の直径まで徐々に減少する(図2D、2E)。いくつかの例において、切断エッジ26は縫合糸1本の直径以下まで徐々に減少する。これにより、挟み込みを防止し、いくつかの例では、縫合糸が扁平形状となってその中に保持されることを可能にする。図4Cを参照して説明したように、トリガー52が作動され、外側部材10の先端エッジ14が切断エッジ26に前進すると、マルチフィラメント縫合糸40が切断される実施形態では、(例えばUHPE縫合糸)、切断エッジ26で減少したSAは、縫合糸の繊維の曲がりを防止し、効果的な切断を可能にする縫合糸40の表面積を減少させるために、マルチフィラメント縫合糸40の個々のより糸が平坦化するのを防止する。縫合糸の繊維は、切断エッジ26の制限された空間内に残り、干渉力、ひいてはせん断力が、縫合糸40を切断するために増加した圧力を提供する小さな表面積上に作用する。
いくつかの実施形態では、追加の特徴が、切断エッジ26の切断面に角度を設けるように、さらに切断を強化するために、スロット32の切断エッジに設けられてもよい。外側部材10の内側先端エッジ14が、縫合糸40と切断エッジ26に向かって前進すると、内側及び外側部材20、10の間の干渉が切断エッジ26の制限された空間に圧力を発生させる。この圧力は、縫合糸40の切断を可能にするのに十分である。縫合糸40を切断するために、(そこに対して、力が加えられる)減少した表面領域を提供する間に、適用又は作用する力が大きくなる。また、内側部材20のエッジ部28下のアンダーカット27は、切断のために十分な圧力を、縫合糸40に対して伝えるまたはかけることができる、切断エッジ26を提供する。一例では、アンダーカット27は、切断エッジ26に対して垂直である。また、図示された特定の例では、縫合糸40は、切断エッジ26の周りで曲りにくく、それに留まることがあり、このことは、さらに縫合糸40を切断するのを助けることができる。いくつかの実施形態では、切断エッジ26は、それがまだ切断エッジ26に沿った効果的な切断を提供し、デバイスまたは縫合糸カッター100が複数回使用されることを可能にするように形成することができる。いくつかのそのような例では、切断エッジ26は、複数回の使用前に、刃研ぎを必要としない場合がある。
いくつかの実施形態では、デバイス100が縫合糸40を切断するように作動するとき、デバイス100の固着を防止するための機能が設けられることがある。一実施形態では、内側部材20は、切断エッジ26の遠位領域を縮小してもよい。 換言すれば、固着を防ぐために、エッジ部28の長さ(図2Fおよび2E)を短縮してもよい。一例では、湾曲部または屈曲部23の長さ、または湾曲または屈曲部23に遠位の内側部材の長さは、固着を防ぐために減少させてもよい。 他の実施形態では、外側部材またはカニューレ10の作動距離は、固着を防ぐために変更することができる。この具体例では、外側部材10は、縫合糸が切断されることを可能にしながら、固着を防ぐために湾曲または屈曲23に対して、既知の距離を移動することが許される。切断エッジ26とスロット32の位置は、トリガー52の作動時にデバイス100が縫合糸40を切断できるように調整されてもよい。外側部材10は縫合糸40を切断するまでのみ、前進させてもよい。さらに先に概説したような他の実施形態では、固着を防ぐために、遠位先端部24には、約6度から約8度の間の曲げ角度(または湾曲)が設けられていて、切断エッジのオフセットが(デバイスの遠位部の下側エッジより)0.00142インチから約0.00146インチである。縫合糸カッターまたはデバイス100は、様々なサイズおよび/または材料で提供されてもよく、固着を防ぎながら、かつ縫合糸40を切断するために必要とされる十分な引張強度を提供することができる。
いくつかの実施形態では、器具または縫合糸カッター100は、縫合糸のより糸または縫合糸の結び目の縫合糸尾部を切断するために使用することができる。このような一例では、デバイス100は、外科手術中に結び目の縫合糸尾部を切断するために使用され、内側部材20の遠位端25(図2F)は、結び目に押圧することができ、縫合糸の自由端は、開口部30を介して挿入されてスロット32内に保持され、切断エッジ26に対して配置される。縫合糸尾部は、それらが結び目を抜け出て、スロット32の底部からスロット32に進入するように経路付けられている。縫合糸尾部は、アンダーカット27に対して配置されていて(図2F)、そしてスロット32の上部から抜け出る。アンダーカット27に沿ったスロット32の底部からスロット32上部との間の距離は、縫合糸尾部のカット長または尾部長さを規定する。縫合糸カッター100は、縫合糸尾部を切断するように作動させることができる。
図1Aに示して、いくつかの実施形態で前述したように、遠位先端部24は、デバイス100の底端部から上向きに、屈曲または湾曲している。図5Aおよび5Bに示すように、本発明の代替の実施形態において、デバイス100aは、内側部材20の遠位先端部または部分24が下向きに屈曲または湾曲して、図1Aのデバイス100の屈曲部23と比較して、180度の角度で配向されている逆屈曲部23’を形成する代替の構成を備えている。本明細書で上述の実施形態と同様に、遠位先端部24は、遠位先端部の曲率を規定するように、約6から8度の角度で長手方向軸から離れるように屈曲してもよい。逆屈曲部23’は、デバイス100aの使用中に別の形態で使用することを可能にする。より具体的には、逆屈曲部23’は、デバイス100aが上下逆の構成または向きで使用することを可能にする。デバイス100aを使用するために、医師は、例えば、デバイスの長手方向軸に沿って、180度回転させることによって、ハンドルハウジング50を反転構成の向きにできる。図5Bに示すように、一旦この構成が反転されると、内側部材20の遠位先端部24に沿った湾曲部または屈曲部23’は、上向きになる。したがって、屈曲部23’は今、図1Aに示されているデバイス100の屈曲部23と同じ方向を向いている。同様に、切断エッジ26は、デバイス100aの左利き用側面に維持された開口部30によって規定される通路31とともに、上向きが維持される。デバイスは、これで以前と同様の方法で使用することができる。いくつかのこのような実施形態では、デバイス100aは、結び目を出た縫合糸のより糸40を切断するために使用されてもよい。結び目を出た縫合糸のより糸40が開口部30を介して挿入されるように、結び目は、内側部材20の遠位先端部または部分24内の溝34内に配置されてもよい(図3Cに示す)。縫合糸のより糸40は、次いで、切断エッジ26に位置するように、切断エッジ36を備えた切断領域を規定するスロット32に案内される。
本明細書で上述の実施形態と同様に、デバイス100aのトリガーは、その後、縫合糸のより糸40を切断するために、外側部材10と内側部材20との間の相対的な動きを可能にするように作動させてもよい。トリガーが作動されると、外側部材10は、湾曲した内側部材20上を前進し、内側及び外側部材20、10の間に干渉が生じるように、外側部材10の先端内側エッジ14が、縫合糸40と切断エッジ26に押圧される。この干渉は、縫合糸40の切断を可能にするのに十分な圧力を、切断エッジ26の制限された空間内に発生させる。このように、デバイス100aが逆さまに保持されているにもかかわらず、結び目は切断面または切断エッジ26には配置されておらず、むしろ切断面または切断エッジ26から離れている。このことによって、結び目構造が安全に保たれ損傷を受けず、医師が縫合糸尾部を形成するために縫合糸のより糸40を切断することを可能にする。このように、本発明のいくつかの実施形態では、医師の好みに基づいて、使用中に逆さまに保持されてもよいデバイス100Aaを提供する。
図5Cに示すように、本発明の追加の実施形態では、結び目のほぐれを防止するのに十分な尾部長さを提供しつつ結び目が損傷することない、、例えば、上下逆さまの構成または直立または基準上の構成のどちらにも対応する、いくらかの回転構造を提供することにより、デバイスが多種立体配置の使用を可能にする機能を備えた、デバイス100cの先端部が示されている。図5Cに図示された実施形態では、外側部材10は、ガイドフランジ18を備える。図5Cの断面と図5Dの断面図に示されるように(図5Bに示した形態と同様に)、デバイスが反転または逆さま構成または姿勢に保持されている場合、尾部長さtYを提供するために、ガイドフランジ18は結び目70を切断エッジ26から離れて案内するよう機能する。換言すれば、この反転または逆さまの構成では、結び目70が切断することを防ぎおよび/または結び目70がほつれて非常に短い尾部長さが形成されるのを防ぐために、ガイドフランジ18は結び目70を切断エッジ26から離れるように押す。さらに、結び目70を押すことにより、ガイドフランジ18は、また外側部材の先端エッジ14を越えて延びる、ガイドフランジ18の長手方向に延びる部分または腕18’の長さに等しい尾部長さを提供する。つまり尾部長さは、ガイドフランジ18の先端部と切断エッジ26との間の距離に等しい。このようにして、いくつかの実施形態において、フランジ18は、結び目70のほつれを防止するために、切断されるのに十分な長さの尾部長さを可能にする。したがって、尾部長さは、ガイドフランジ18の関数として定義することができ、ガイドフランジは、様々な尾部長さを提供するために、いくつかの実施形態で調整されてもよい。また、図5Eに示すように、デバイス100cは、さらに、図1Aに示す例と同様の、直立構成で使用することができる。図に示すように、デバイス100cは、尾部長さtzがアンダーカット27で規定されるように、縫合糸がスロット32を介して配置されることを可能にできる。あるいは、いくつかの実施形態では、ガイドフランジ18は、内側部材の切断エッジ26に隣接して、例えば切断エッジ26の遠位に配置されてもよい。
さらに追加の実施形態では、内側部材20は、開口部30とスロット32の向きが、右利きの構成、または左利きの構成のいずれにも、デバイスが使用可能なように、様々な構成で提供される。図1Aを参照して前述したように、デバイス100は、デバイスの右利きの使用を容易にする、開口部の入口チャネルまたは通路31を備えた開口部30を有する。開口部30は、左からの入口通路31を備えた左側面開口部30を形成する内側部材20の左側面に沿って配置されている、。あるいは、本発明の図5Fに示すように、デバイス100dは、デバイス100dの左利きの使用を容易にする、スロット32の開口部の入口チャンネルまたは通路31’を備えた開口部を有する。開口部は、内側部材20の右側面に沿って配置され、右からの入口径路31’を備えた右側面開口部30’を提供する。このように、内側部材20は、縫合糸を切断するための様々なデバイスを提供するために、様々な構成で提供されてもよく、ユーザの好みに基づいて、左利き設定または右利きの構成のどちらでも使用できる。したがって、いくつかの実施形態において、スロット32は、いくつかの実施形態において、スロット32は、左手系の使用を容易にするために、右入口径路を含み、一方で、いくつかの実施形態において、スロット32は、右利きの使用を容易にするために左入口径路を含む。
本発明の追加の実施形態では、図5Gに示すように、デバイスが直立または基準上の構成、または逆さまの構成のどちらでも使用されることを可能にする、内側部材20の両側で縫合糸の切断を可能にする、デバイス100eが開示されている。デバイス100eは、遠位先端部24の二つの対向する半分体24aおよび24b内に、内側部材20の対向する側面のそれぞれに沿ったスロット32及び開口部30を備える。遠位先端部24の二つの対向する半分体24aおよび24bの各々は、図3Bに示す実施形態と同様に、内部に沿う、例えばギャップ21を規定する遠位先端部24の長さに少なくとも部分的に沿う、屈曲部23を備える。屈曲部23とギャップ21は、対向する半体のそれぞれが、縫合糸を切断するために外側部材10を前進時に曲がるようにし、固着を防止できる。ギャップ21は、デバイス100eの非作動状態ではより広くなっている。縫合糸は、遠位先端部24のどちら側でも切断することができる。図示されたように、結び目70は、アーム18’の長さによって規定される尾部と共に、ガイドフランジ18のそれぞれのアーム18’によってゆがめられる。切断エッジ26が遠位先端部24の両側に規定されているので、縫合糸40は、デバイス100e内に保持されている縫合糸の追加部分と同様に生成された尾部長さtを有する結び目70がある、デバイスの両方の側で切断することができる。いくつかのこのような実施形態では、デバイス100eは、内側部材20の外径によって決定される幅によって、組織の切片を除去するために利用できる。
図5Hに示された本発明のいくつかの実施形態では、所望の切断角を提供するために、内側及び外側部材20、10の回転の設定を調整することが可能なデバイス100fが示されている。加えて、縫合糸カッターを複数の回転構成で使用することが可能である。示された特定の例では、デバイス100fはダイヤル13を備え、これにより内側及び外側部材20、10の両方の回転を可能にし、内側及び外側部材20、10が所望の構成を達成することを可能にする。また、カニューレまたは外側部材ハブ19は、内側及び外側部材20、10の両方の回転調整を可能にするために、回転可能な歯車ラック17’を含む。いくつかのこのような実施形態では、内側及び外側部材20、10の両方が、一緒に回転してもよい。さらにまた、いくつかの実施形態では、内側部材20は、外側部材10から独立して回転することができ、それには回転可能な歯車ラック17’を必要としない。 デバイス100fは、本明細書で上述したデバイスと同様に機能する。トリガー52が作動されるとき、トリガーはハンドルグリップ56に向かって引っ張られ、縫合糸を切断するために、切断エッジ26で内側及び外側部材20、10の間に干渉が生じるよう、内側部材20上を外側部材10が前進することを可能にする。いくつかのこのような実施形態では、デバイス100fは、位置クリック係合部15のための機構を備える。位置クリック係合部15は、さらに特定の例で、回転歯車ラック17’の隆起したリブ15bと共に、摩擦係合時に音を生成する正方形のブロック部15aを備える。いくつかのこのような実施形態では、位置クリック係合機構15は、様々な回転位置で内側部材20(および、実施形態で一緒に回転するように動作可能である外側部材10)の回転をロックする機能を備える。
図6Aと断面図である図6Bに示すように、本発明のさらなる別の実施形態では、デバイス200が提供される。デバイス200は、管状通路60a、60b、60cを形成するために、内側部材20を横方向に通って延びる複数の隙間または孔を含む内側部材20を提供する。管状通路60a、60b、60cは、それぞれ、複数の異なった尾部長さを提供するために、縫合糸を収容する貫通するチャンネルを規定する。示された特定の実施形態では、内側部材20は、それぞれ、そこを通過する一本以上の縫合糸のより糸40に異なる尾部長さを提供するよう機能する3つの径路60a、60b、60cを備える。あるいは、いくつかの実施形態において、デバイス200は、二つ以上の管状通路を含むことができる。さらに他の実施形態では、デバイス200は3つ以上の管状通路を含むことができる。図示された特定の例では、3つの管状通路60a、60b、および60cの各々は、内側部材20の底面に沿って縫合糸の入口を定義する。一本以上の縫合糸のより糸40の切断を容易にするために、管状通路60a、60b、および60cの各々は、それぞれの通路の長さを規定し、内側部材20の上面に沿ってそれぞれ切断エッジ26a、26b、26cで終端する。 あるいは、いくつかの実施形態では、複数の管状通路は、図6Cに示すように、内側部材20の頂部に沿って同じ開口部に開口する複数の管状通路であって、単一の切断エッジ26で終端してもよい。従って、複数の開口部は、切断エッジ26上の同一ポイントで交わってもよく、そこでは、内側部材20の底部に沿う、管状径路60a、60b、60cの開口部で規定される縫合糸の入口が、異なっていてもよい。あるいは、管状通路はすべて、内側部材20の底部に沿った単一の縫合糸の入口を規定する単一の開口部に開くが、複数の切断エッジを規定する内側部材20の頂部に沿った異なる点で終了してもよい。本明細書で前述した実施形態と同様に、図示されたデバイス200は、切断された縫合糸のより糸40に特定の尾部長さを提供するために、結び目、例えば結び目70から出た縫合糸40のより糸または突出部の切断を容易にする。縫合糸のより糸40は、結び目70が内側部材20の底面に支えられるように、管状通路60a、60b、および60cのいずれかを介して、糸通ししてもよい。外側部材10は、トリガーを作動させて前進させ、縫合糸のより糸40が通される管状通路60a、60b、および60cの長さに基づいて、t1’、t2’、t3’で示されたさまざまな尾部長さを提供できる。このように、例に示した管状通路60aが最長の尾部長さを提供し、管状通路60cがt1’>t2’>t3’なので最短尾部長さを提供する。このように、縫合糸の大きさに基づいて、管状通路60a、60b、および60cが、自動的に尾部長さのサイジングを可能にする。例えば、小さな結び目のほつれを防止するのに十分な尾部長さt3’を提供するために、比較的小さい直径の縫合糸(例えば、管状通路60cの直径よりも小さな幅の縫合糸)を収容する図示された管状通路60cは、残りの管状通路60a、60bと比較して、小さな直径を備えている。しかしながら、管状通路60cは、比較的大きな直径の縫合糸(例えば、管状通路60cの直径よりも大きな幅を有する縫合糸)を収容しない。このように、いくつかの実施形態では、管状通路60cは、管状通路60aのような残りの管状通路のいずれかを使用することをユーザに強制する比較的大きな直径の縫合糸の使用を防止するように寸法決めされている。図示されたいくつかのこのような実施形態では、より大きな幅の縫合糸を収容するために、例えば管状通路60aのように、より大きな外径を備えて、より長いチャンネルを備えていてもよい。そして、管状通路60aは、使用中に比較的長い尾部長さt1’(他の通路と比較して)を生成するのを容易にしてもよい。尾部長さt1’は、大きな結び目がほつれるのを防止するのに十分なサイズである。いくつかの例では、ユーザが所望の尾部長さの縫合糸のより糸40を切断するために、適切な管状通路を選択できるようにすることで、デバイスの使用を容易にするために、色分けするしてもよい。
このように、複数の管状通路60a、60b、60cは、複数の縫合糸を収容するようにサイズ設定できる。そして、それによって、結び目がほどけることを防止するために、ユーザが十分な最小の尾部長さを得られるように、選択的に使用することが可能である。したがって、デバイス200は、縫合糸のサイズおよび/または結び目の大きさに基づいて、尾部長さが選択されることを可能にする。
図7Aおよび7Bに示すように、本発明のさらに別の実施形態では、デバイスは、複数の側面溝またはサイドスロット32x、32y、および32zを提供できる。該サイドスロット32x、32y、および32zは、スロット32の長手方向の長さに沿って間隔を持って離間して配置されている切断エッジ26x、26y、26zを提供するために、遠位先端部24の内側部材20の先端部分に沿ったスロット32から横方向に延びている。本明細書で前述した実施形態と同様に、複数の切断エッジ26x、26y、26zは、縫合糸のより糸40が様々な尾部長さで切断することができるようにすることで、柔軟性を提供する。言い換えると、サイドスロット32x、32y、32zは、例えば各々のサイドスロット32x、32y、32zの遠位エッジに沿った、切断エッジ26x、26y、26zで終端する。図9Bに示すように、縫合糸40は、縫合糸40の切断エッジ26xでの切断を容易にするために、スロット32x内の開口部30を通って、サイドスロット32xのようなサイドスロットの一つに配置されてもよい。図示された実施形態では、サイドスロット32xは、縫合糸のより糸40にとって得られる最大の尾部長さが得られるように、結び目70が配置される遠位先端溝34から最も遠くに配置される。あるいは、図示されたデバイス構成において、サイドスロット32zが最短尾部長さを提供するように機能することによって、より短い尾部長さを提供するために、縫合糸40は、サイドスロット32yおよび32zを通るように配置されてもよい。このように、本明細書で前述した実施形態と同様に、サイドスロット32x、32y、および32zは、ユーザが所望の尾部長さに縫合糸のより糸40をカットすることを可能にするという観点で、柔軟性を提供する。図示された実施形態では、サイドスロット32x、32y、32zは、結び目70の遠位の動きが制限されないことを保証するために、スロット32内の内側部材20の横方向の長さに沿ってスロット32が隆起することなく開いたままであることを保証するために、内側部材20の頂部に沿って延びる。これにより、所望の尾部長さが得られることを保証するために、内側部材20の遠位表面に対して、結び目70を溝34内に配置することを容易にする。この構成は、結び目70が、遠位表面の近位側に配置され、その結果、所望の尾部長さよりも小さくなるリスクを減少させることができる。さらに、本明細書の図2G中で概説したように、外側部材10は、外側部材10の遠位端に沿ってガイドフランジ18を有していてもよい。例えば、外側部材10は、所望の尾部長さが得られることを保証するために、結び目が遠位表面における溝34内に配置されるように、結び目が内側部材に対して前進される時に、結び目をガイドしかつ押し込む、外側部材10の遠位端に沿う、例えば、ガイドフランジ18の底部に沿うガイドフランジ18を有する。
本発明のさらなる実施形態において、デバイス100が縫合糸のより糸の尾部長さを結び目のサイズの関数として調整され、結び目から出る縫合糸のより糸または尾部長さの切断を可能にするものとして提供される。いくつかのそのような例では、結び目を受容する機能を持つ溝34は、縫合糸の大きさに基づいて、尾部長さの自動調整を容易にするためのテーパー形状を提供するために、変更することができる。図8Aに示すようなこのような一例では、(スロット32内に開口している)溝34は、切断エッジ26で終端するテーパー溝36を含む。テーパー溝36は、V字型の構成を備え、縫合糸の結び目を確保するように機能する。より具体的には、テーパー溝36は、横方向に楔形の断面を有し、または言い換えると、横楔形の断面を有する。いくつかのそのような例では、テーパー溝36は、図8Bに示すように、実質的に細長い構成を含み、細長いテーパー溝37を形成することができる。
図8Cを参照すると、本発明のデバイスは、使用中に結び目70を出た縫合糸を切断するために使用されてもよい。特定の一例では、結び目の構造は、比較的大きくてもよく、テーパー溝36は、例えば結び目71のような比較的大きめの結び目が、テーパー溝36のより幅広いベース部分で支えられて、押し込まれることを可能にする。このことは、結び目71が、1本以上の縫合糸のより糸40のより長い部分が、結び目71から切断エッジ26まで伸びるよう、配置されることを可能にする。図8Eに示すように、このことは、より大きな結び目71に対して、比較的長い尾部長さt1が切断されることを可能にする。デバイス100は、本明細書で前述したのと同様に、縫合糸を切断するために、トリガーの作動時に内側及び外側部材20、10の間の相対動作を発生させることができる。逆に、図8Dに示すように、テーパー溝36は、結び目72のような比較的小さな結び目が支えられて、テーパー溝36のより狭い部分に押し込まれることを可能にする。図8Fに示すように、このことは、比較的小さな結び目72に対して、比較的短い尾部長さt2が切断されることを可能にする。このようにして、尾部長さは、内側部材20の先端面、またはより具体的には、内側部材20の切断エッジ26から、結び目70が配置された距離によって(テーパー溝36内で、縫合糸に張力がかかるので)規定される。つまり、尾部長さtは、テーパー溝36内で結び目70が止まっている位置と切断エッジ26との間の距離によって規定される。したがって、縫合糸を切断するためのデバイス100は、尾部長さtが結び目のサイズに応じて自動的に調整されることを可能にする。いくつかのこのような実施形態では、結び目構造の尾部長さは、縫合糸のODの関数であってもよい。いくつかのこのような実施形態では、より大きなODを有する縫合糸は、結果として、より長い尾部長さtをもたらすことができる、より大きな結び目のサイズをもたらすことができる。同様に、より小さなODを有する縫合糸は、より短い尾部長さtをもたらすことができる、小さな結び目のサイズをもたらすことができる。他の実施形態では、図8Bに示した細長いテーパー溝37は、テーパー溝36について本明細書に前述したように、同様の機能を提供することができるが、さらに、縫合糸のサイズに基づいて、より広い範囲の尾部長さを提供することができる。換言すれば、細長いテーパー溝37は、縫合糸のサイズの変化により敏感で、尾部長さの様々なサイズを提供できる。
図9C、および図9Bと図9Cの断面図に示すように、別の実施形態では、テーパー溝36’は、長手方向に楔型の断面形状を含む、または言い換えると、長手方向の楔型断面を含むように提供できる。本明細書に前述の実施形態と同様に、テーパー溝36’はまた、縫合糸の結び目を固定するように機能する。テーパー溝36’は、テーパー溝36に関し以下に記載されるのと同様の方法で、結び目のサイズ、またはそれに加えて縫合糸のサイズに基づいて、尾部長さを自動的に調整するように機能する。尾部長さtのサイズは、それが細長いテーパー溝36’内に配置されている間に、結び目70と切断エッジ26との間の距離によって決定される。換言すると、尾部長さtは、結び目70が細長いテーパー溝36’内で(結び目が細長いテーパー溝36’に対して上向きの力を発揮するよう維持されて)固定された位置と、切断エッジ26との間の距離に等しい。
本発明の別の実施形態では、変形されたスロット32’が設けられていてもよい。図9Cに示すような、このような一実施形態においては、内側部材20は、円錐形状を備えるテーパー状の溝を含む。より具体的には、切断エッジ26に隣接する内側部材20の遠位部に、円錐開口部または円錐状の溝38が設けられている。換言すれば、円錐状開口部38は、切断エッジ26で終端する。変形されたスロット32’は、縦方向および横方向の両方の断面くさび形を提供する。言い換えれば、円錐開口部が、垂直軸に沿う任意の平面に沿った断面に沿ったくさび形の断面を規定し、円錐開口部38と交差する。図9Aに示すように、円錐開口部は、結び目71のように、より大きな結び目が、円錐開口部のベース38aまたはその近傍に支えられることを可能にする。図に示されるように、このことは、結び目71のような比較的大きな結び目に対して、自動的に長い尾部長さt1を提供する。一方、図9Bに示すように、結び目72のような比較的小さいサイズの結び目は、それらの動きが円錐状の開口部38の内壁によって妨げられずに、円錐開口部38内にさらに移動することができる。このようにして、結び目72は、円錐開口部38の頂部に隣接して支えられ、遠位切断エッジ26と結び目72の距離が短くなり、より短い尾部長さt2を提供する。したがって、本明細書に前述したテーパー溝36、36’、37と同様に、縫合糸が張力下にあるとき、円錐形開口部38は、円錐形開口部38内の結び目70の止まった位置と切断エッジ26間の距離に等しい尾部長さtを規定する。
図10Bに示すように、本発明のさらに別の実施形態では、内側部材20は、遠位端部24を含んで提供される。遠位端部24では、溝32が内側部材20の底部に沿って、長手方向に伸び、V字型のテーパー状の底部開口部またはスロット34’を規定する。いくつかの実施形態では、V字型のテーパースロットまたは開口部34’は、底部に沿って延びていて、スロット32の残りの部分は、溝34’の広い部分に等しい幅を有する。使用中、結び目は、縫合糸が長手方向に延びるテーパー状の開口部34’への進入路又は通路31を経由するように、内側部材20の下方に配置されてもよい。開口部の広い部分は通路31に隣接して規定されると共に、テーパー状の開口部34’は、遠位面25に向かって狭くなる。このように、テーパー状の開口部34は、幅または外径を変化させる縫合糸が、開口部34の長さに沿ってテーパー状の開口部34’の異なる部分に沿って保持されることを可能にする。より具体的には、長手方向に延びるテーパー状の開口部34’の形状は、縫合糸40が比較的大きな縫合糸サイズを有することを可能にする。例えば、(縫合糸40aの外径より大きな外径を有する)縫合糸40bが、開口部34’のより広い部分に保持されることは、図10Aに示されるより長い尾部長さt1を有することを可能にする。長い尾部長さを持つ太い縫合糸を提供することが、縫合糸で構成された結び目のほつれを防止するのに役立つことがある。さらに、長手方向に延びる開口部34’は、図10Aに示すように、比較的小さなサイズの縫合糸40Aが、開口部の狭い部分内に保持されることを可能にし、比較的短い尾部長さt2を提供する。このように、長手方向に延びる開口部34’が、より細い縫合糸がさらに押し込まれることを可能にし、より短い尾部長さt2を可能にする。そのようにして、縫合糸の尾部長さが、縫合糸のサイズに基づいて自動的に決まる。したがって、図10A-10Bに示される実施形態は、ユーザが所望の尾部長さの縫合糸のより糸40を切断することを可能にするという点で、柔軟性を提供する。
図11に示すように、本発明のさらなる実施形態において、外側部材10は、内側部材20上を外側部材10が前進する際に、縫合糸の切断を容易にするために、切断エッジを規定する傾斜エッジ16を含む内側または先端エッジ14を備えてもよい。傾斜エッジ16は、より太いまたはより頑丈な縫合糸材料を切断するのを支援できる。いくつかのこのような実施形態では、傾斜エッジ16は、縫合糸の切断を容易にするために、エッジに沿って鋸歯を有していてもよい。
本発明のさらに別の実施形態では、内側部材20は、図12Aに示すように、着脱可能または交換可能な遠位先端部24’を備える。この実施形態は、所望に応じて遠位先端部24’を交換することを可能にする。いくつかのこのような実施形態では、複数の取り外し可能な遠位先端部24’の各々は、所望の尾部長さを提供するためにカスタマイズされて設けられていてもよく、それぞれ独立に、内側部材20の近位シャフト部に取り付けまたは結合されてもよい。別の実施形態では、複数の着脱可能な遠位先端部24’は、各遠位先端部24’は、特定の選択されたサイズの縫合糸を最適に切断するためにカスタマイズされて設けられてもよい。さらに他の実施形態では、着脱可能な遠位先端部24’は、縫合糸に対する所望の尾部長さを得るために、縫合糸のサイズに基いて、選択されてもよい。このように、着脱可能な遠位先端部24’は、着脱が出来るように、内側部材20の近位シャフト部(この部分は、遠位先端部24’から分離された内側部材20の一部である)に連結されている。図示された特定の例では、遠位先端部24’は、内側部材20の近位シャフト部分に、ねじ止めで結合することができる。本実施例の具体的な例では、着脱可能な遠位先端部24’は、遠位先端部24’が内側部材20と結合できるように、内側部材20の近位シャフト部分の内側のねじ山と係合するよう動作可能な雄ねじ部材74を有する。
本発明のさらに別の実施形態では、図12Bおよび12Cに示すように、外側部材10は、外部部材10の近位シャフト部に着脱可能に結合される、着脱可能または交換可能な遠位端部または遠位部10aを備えることができる。図示された例では、交換可能な遠位端部10aが、外側部材10のシャフト部10bにねじ止め係合されている。より具体的には、交換可能な遠位端部10aが、外側部材10のシャフト部10bの雌ねじ部77に係合するように動作可能な雄ねじ部76を備える。交換可能な遠位部10aは、複数回の使用後に交換することができる。いくつかのこのような実施形態では、内側部材20はもまた、着脱ができるように内側部材20の近位シャフト部に連結されている、取り外し可能な遠位先端部24’を含む。内側部材20の取外し可能な遠位先端部24’は、デバイスの組立を容易にするために、外側部材10の交換可能な遠位端部10aが外側部材の近位シャフト部10bに連結された後、内側部材20のシャフト部に連結されてもよい。これによって、内側部材20の取外し可能な遠位先端部24’の屈曲部23が、外側部材10の組み立てを妨げない。さらに、いくつかのこのような実施形態では、交換可能な遠位端部10aは、再使用を可能にするために、使用後に滅菌することができる。いくつかのこのような実施形態では、交換可能な遠位端部は、滅菌することを可能にする生体適合性材料を含んでもよい。このような一例では、交換可能な遠位端部10aは、金属成分を備える。この具体的な例では、内側部材20は医療用グレードのステンレス鋼などを含む。
本明細書に記載の実施形態では、外側部材10は、構成要素すなわち交換可能な遠位部10aと外側部材の軸部10bが、一旦互いに接続されるかまたは結合されると、「一体」と定義される。
図13Aに示す本発明の追加の実施形態では、内側部材20、内部部材が、貫通する開口部35を規定する囲まれたスロット33を形成するスロット32が囲まれている、遠位先端部24を備え、スロット33は遠位切断エッジ26で終端する。囲まれたスロット33は、縫合糸40を開口部35内に保持されるように開口部35を通すことによって、縫合糸の早期切断を防止するロック機構85を規定する。したがって、縫合糸を切断するために、内側部材と外側部材20との間の相対移動を可能にするために、デバイス100でトリガーが作動されると、縫合糸40が開口部35内に保持されたまま、外側部材10が内側部材20上を前進し、縫合糸を切断するために、切断エッジ26で両者の間に干渉が発生する。
図13Bと、図13Cおよび13Dの断面図に示す、本発明の追加の実施形態では、前進中に縫合糸が偶発的に切断されることを防止しつつ、デバイスが結び目まで前進する間、縫合糸が保持されるように、制御されたトリガーの作動を提供するために機能または制御機能が設けられている。いくつかのこのような実施形態では、スロット32内に縫合糸を入れるために外側部材10を前進させるトリガーの部分的な作動をさせつつ、縫合糸の早期の切断を防止するためにトリガーのさらなる作動を防止することにより、デバイスまたは器具の前進の間、縫合糸をスロット32内にロックさせるロック機構を、デバイスは備える。。いくつかのこのような実施形態では、トリガーが部分的に作動したあと、二つの部材が作動すると、二つの部材の動きを妨げるために、内側及び外側部材20、10の間に抵抗力が設けられている。例えば、図13B、13Cおよび13Dに示すように、ロック機構85が設けられている。いくつかの実施形態では、外側部材10の開口部82内に受容される内側部材20の突起80を備える、干渉嵌め構造86を備える。
使用中に、トリガーが作動されると、外側部材10が内側部材20上を前進し、図13Dに示すように、突起80が、外側部材10の開口部82に係合し、内側部材20と外側部材10を共に効果的にロックするロック機能を提供する。ロック機構85は、外側部材10の動きを妨げ、外側部材10が内側部材20の開口部30を越えて前進することを防止し(図4Bに示された位置と同様に)、スロット32内に縫合糸を固定する。このように、ロック機構85は、外側部材10、20が最終切断位置(縫合糸が切断される位置)に向かう途中まで前進されるように、デバイスがロックされた構成に部分的に作動されることを可能にする。従って、ロック機構85は、トリガーのさらなる作動を防止するために、トリガーの部分作動による係合を可能にし、デバイスが結び目のところ、例えば、患者内の所望の部位に、完全に前進するまで、縫合糸が切断されるのを防止する。。縫合糸を切断するために、内側及び外側部材20,10の間の必要な相対運動を完了するために、トリガーを完全に作動させるために、ロック機構85によって生成された抵抗力を克服するためには、その後、追加の力が必要とされる。したがって、ロック機構85は、デバイス内の縫合糸を保持し、縫合糸が早期に切断されるのを防止して、デバイスを結び目まで前進させるために、トリガーの制御された作動を提供する。
別の実施形態では、デバイスは、ばねを備えることができる。該ばねは、縫合糸40を切断するための作動を完了するために、トリガーが部分的に作動された後に、ユーザに余分な力を強制することを提供できる。このように、本発明のいくつかの実施形態では、早期の切断を防止するために、デバイスの前進中にスロット32内に縫合糸を保持するための機構を提供する。ロック機構85は、デバイスが切断エッジ26の結び目に配置されると、縫合糸が切断されることを保証し、所望の尾部の長さを得ることを可能にする。別の実施形態では、干渉嵌め構造85は、内側部材20内の開口部と係合するように構成された外側部材10の突起を備えてもよい。
図13Eおよび13Fに示すように、本発明の追加の実施形態では、ロック機構85は、外側部材10のカニューレハブ19の突起または戻り止め83とハンドルハウジング50内に形成された凹部84との間に形成される、干渉嵌め構造86の形で提供されてもよい。作動前のハンドルハウジング50内の初期位置では、ハブ19は、図13Eに示すように、トリガーの作動時に自由に移動するようにハウジング50内に配置されている。トリガーが作動されると、戻り止め83が凹部84に到達し、凹部84と係合するまでハブが前進し、図13Fに示すように、戻り止め83が凹部84に保持されてトリガーのさらなる作動が防止される。図に示すように、ロック機構85は、縫合糸40をスロット32内に確保するために、外側部材10が内側部材20上を前進するまで、トリガーが部分的に作動されることを可能にする。カニューレハブ19を前進させるよう、トリガーのさらなる作動を容易にするために、凹部84は、傾斜インタフェース84’を備える。
トリガーがさらに前進すると、戻り止め83が傾斜インタフェース84’を乗り越えて凹部84を抜け出て、外側部材10を前進させて縫合糸を切断するよう、トリガーが完全に作動することを可能にする。
図14に示すように、本発明の追加の実施形態では、ロック機構は、トリガーが部分的にのみ引っ張られるように、トリガーの作動を制限するよう機能するトリガー52に連結されているロック傾斜部86を備える。ロック傾斜部は、トリガー52に連結されているバー86’に沿って延びている。バー86’は、ロック傾斜部86がハンドルハウジング50内へのさらなる移動を防止するまで、トリガー52の作動時にハンドルハウジング50内で移動可能である。例えば、ロック傾斜部86は、外側部材10が前進して開口部30を覆い、スロット32内で縫合糸をロックするためにリガー52が途中まで前進することを可能にしつつ、トリガーのさらなる作動を妨げる。 そして、機構は、縫合糸を切断するために、内側及び外側部材20、10の間の相互作用を可能にするために、外側部材10がさらに前進することを可能にするために提供される。図に示されるように、1つの特定の例では、バー86’がさらにハンドルハウジング50を移動することにより、トリガー52の継続的な前進を可能にするために、ロック斜面部86は、押下されてもよい。
本発明のいくつかの実施形態において、本発明のデバイスは、マルチフィラメントおよび単一のより糸縫合糸等の複数の異なる縫合糸を切断するために使用されてもよい。マルチフィラメント縫合糸のいくつかの例では、マルチフィラメント縫合糸は、単一の組みひもを含むことができる。あるいは、マルチフィラメント縫合糸は、非組みひもコアを囲む組みひもを含むことができる。いくつかのそのような例では、非吸収性コアをサポートするために、外側組みひもとしてポリジアキサノン(polydiaxanone)を使用してもよい。いくつかの実施形態において、縫合糸は、非吸収性縫合糸を備えてもよい。このいくつかの例では、ポリエステルまたはポリエチレン(しばしば超高分子量ポリエチレン、またはUHMWPE)、またはナイロンを含むことができる。他の実施形態において、縫合糸は、ポリジアキサノン(polydiaxanone)のような吸収性化合物を含むことができる。他の実施形態では、本発明のデバイスは、前述したように単一より糸またはモノフィラメント縫合糸を切断するために使用されてもよい。いくつかの例では、モノフィラメント縫合糸はUHMPWEを含む。
本発明のいくつかの例において、本デバイスは、整形外科手術で使用されている縫合糸を切断するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、本発明のデバイスは、例えば、以下を含む縫合糸を切断するために使用できる:ポリエステルコアを有するポリエステル組みひもであるEtibond、ポリエステル及びUHMWPE組みひもジャケットを有する超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)コアであるFiber Wire、内部コアのないUHMPWEの組みひもワイヤであるForce Fiber、Herculine、HiFi、MagnumWire、MaxBraidのようなUHMWPE組みひも、部分的吸収性のポリジオキサノン(polydiaxanone)を有するポリブレンドであるOrthocord、吸収性のポリジオキサノン(polydiaxanone)モノフィラメントであるPDS II、6ナイロンと6.6ナイロンマルチフィラメント組みひもであるSurgilon、ポリエチレン組みひもであるUltrabraid。さらに他の実施形態では、本発明のデバイスは、共に縫合糸アセンブリを締め付けるために使用される、サイズ2-0のgreen PET縫合糸のループに接続されたサイズ3-0の2本組非吸収性組みひも縫合糸を使用することができる。
いくつかの実施形態では、本発明のデバイスは、患者の体内の組織を切断するために使用してもよい。いくつかのこのような実施形態では、本発明のデバイスは、靭帯、腱、および血管などの種々の組織を切断するために使用されてもよい。他の実施形態では、本発明のデバイスは、患者の体内の他のどのような組織を切断するためにも使用可能である。
一つの広い態様において、本発明の実施形態は、貫通するルーメンを規定する硬い外側部材と、少なくとも部分的に前記ルーメン内に受容され、一部が湾曲部を規定し、さらに縫合糸のより糸を保持するための機能を規定する内側部材と、を備え、前記内側及び外側部材の少なくとも一方は、前記縫合糸のより糸を切断するために、前記内側及び外側部材の他方に対して移動可能である縫合糸カッターを備える。
更なる広い態様において、本発明の実施形態は、貫通するルーメンを規定する硬い外側部材と、少なくとも部分的に前記ルーメン内に受容され、湾曲部を規定し、縫合糸のより糸を保持するための機能を規定する内側部材と、を備え、前記内側部材は、約1.1から約1.3の直径に対するオフセット比を有するように構成され、前記内側及び外側部材の少なくとも一方は、縫合糸のより糸を切断するために、前記内側及び外側部材の他方に対して移動可能である、縫合糸カッターを備える。
さらに別の広い態様において、本発明の実施形態は、貫通するルーメンを規定する硬い外側部材と、そしてルーメン内に少なくとも部分的に受容され、一部が湾曲部を規定し、さらに、縫合糸のより糸を保持するための機能を規定する内側部材と、を備え、前記内側および外側部材の少なくとも一方は、縫合糸のより糸を切断するために、前記内側及び外側部材の他方に対して移動可能でり、前記内側部材は、約15%から約33%の間のベースラインに対するたわみ値を有して、前記内側及び外側部材の少なくとも一方の移動の際にたわむことが可能でる、縫合糸カッターを備える。
別の広い態様において、本発明の実施形態は、貫通するルーメンを規定する外側部材と、少なくとも部分的に前記ルーメン内に受容され、湾曲部を規定し、さらに縫合糸のより糸を保持するための機能を規定する内側部材と、を備え、前記内側および外側部材の少なくとも一方は、縫合糸のより糸を切断するために、前記内側及び外側部材の他方に対して移動可能であり、前記外側部材は、約85%以下のベースラインに対するたわみ値を有して、前記内側及び外側部材の少なくとも一方の移動の際にたわむことが可能である、、縫合糸カッターを備える。
さらに別の広い態様において、本発明の実施形態は、貫通するルーメンを規定する外側部材と、少なくとも部分的に前記ルーメン内に受容され、湾曲部を規定し、さらに、縫合糸のより糸を保持するための機能を規定する内側部材と、を備え、前記機能は、前記内側部材の上端に沿って延びる長手方向から垂直方向に、約0.0012インチから約0.0026インチの間の距離だけオフセットする切断エッジを規定し、前記内側および外側部材の少なくとも一方は、縫合糸のより糸を切断するために、が、前記内側及び外側部材の他方に対して移動可能であり、前記内側及び外側部材の各々は、前記内側及び外側部材の少なくとも一方の移動の際にたわむことが可能で、前記内側及び外側部材両方の累積的なたわみは、前記オフセット距離とほぼ同等である、縫合糸カッターを備える。
上述した本発明の実施形態は、例示のみを意図している。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
本発明の特定の特徴は、明確にするため、別々の実施形態の文脈で説明し、単一の実施形態に組み合わせて提供することもできると理解される。逆に、本発明の様々な特徴は、簡略化のため単一の実施形態の文脈で説明できるが、別々にまたは任意の適切な小結合で提供することもできる。
本発明をその特定の実施形態に関連して説明してきたが、多くの代替、変更および変形が当業者に明らかであることは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の広い範囲内に入るすべてのそのような代替、修正、および変形を包含することを意図している。各個々の刊行物、特許または特許出願が具体的かつ個別に参照により本明細書に組み込まれることが示されたように、本明細書で言及される全ての刊行物、特許および特許出願は、本明細書に同程度に、本明細書に参照によりその全体が組み込まれている。また、本出願における任意の参考文献の引用または同定は、そのような参考文献が本発明に対する先行技術として利用できるという承認とみなすべきではない。