JP2006518261A - 湾曲器具に沿っての駆動力の伝達 - Google Patents

Abstract

本発明の一見地においては、湾曲した医療器具が提供され、この医療器具は、外部材（１５０）と内部材（１０５）とを具備している。内部材は、先端領域のところに湾曲部分を備えている。外部材は、内部材に対して同軸的に配置されかつ内部材に対して移動可能に配置されるとともに、この外部材の先端領域のところに、フレキシブルな伝達機構（３０５）を備えている。このフレキシブルな伝達機構は、医療器具の湾曲部分に沿って、直線状駆動力および／または回転駆動力を伝達する。内部材は、カットすべきターゲットを受領し得るよう構成された開口を備えている。ターゲットは、例えば、フレキシブルな固定部材や、生物学的組織、とされる。

Description

本発明は、医療器具に関するものであり、より詳細には、湾曲した器具に沿った駆動力の伝達に関するものである。

半月板の修復を行なう際に外科医を補助し得るよう、結び目プッシャー、および、直線状先端部を有した縫糸カッターが、存在する。直線状縫糸カッターは、その先端部に２つの構成部材を備えており、一方の構成部材が、他方の構成部材の内部に位置している。内部材は、先端部に、中空チップを備えている。外科医は、先端を通して縫糸を挿通させることができ、内部材の側面上のポートを通して縫糸を引き出すことができる。内部材のチップは、結び目を押し込み得るよう構成されている。あるいは、内部材のチップは、結び目を押し込み得るアタッチメントを受領し得るよう構成されている。外部材は、直線状内部材上にわたってスライドし、内部材のポートから突出しているすべての縫糸をカットする。なお、本出願人の知る限りにおいては、本出願に関連性を有する先行技術文献は存在しない。

本発明は、医療デバイスに関するものであって、この医療デバイスは、湾曲した先端部と、この湾曲した先端部に沿って駆動力を伝達し得るフレキシブルな伝達機構と、を具備している。フレキシブルな伝達機構は、湾曲した軸に沿っての剛直な構成部材どうしの連結を管理することができる。フレキシブルな伝達機構は、剛直な部材と駆動機構との間に介在することによって、これら剛直な部材と駆動機構との間にわたっての円滑な伝達を可能としている。

例えば、フレキシブルな伝達機構により、１つまたは複数の同軸駆動チューブを、剛直なかつ湾曲した軸に沿って追従させることができる。一例においては、駆動力の伝達は、フレキシブルな伝達機構を形成し得るよう、係合部材のボディに沿って特有の幾何形状部材を配置することによって、達成される。この特有幾何形状は、同軸的係合部材が、結合することなく円滑な伝達態様でもって湾曲部分に沿って直線駆動および／または回転駆動を伝達するのに必要な形状およびクリアランスを形成する。デバイスの作用先端部は、従来技術による非侵襲的手段ではアクセスし得ないような所望領域に対してのアクセス可能性をもたらし得るようにして、湾曲されている。湾曲部分は、例えば解剖学的構造に対する適用や操作といったような用途において、動作可能軌跡を拡大することができる。

本発明の一見地においては、湾曲した医療器具が提供され、この医療器具は、外部材と内部材とを具備している。内部材は、先端領域のところに湾曲部分を備えている。外部材は、内部材に対して同軸的に配置されかつ内部材に対して移動可能に配置されるとともに、この外部材の先端領域のところに、フレキシブルな伝達機構を備えている。

本発明による医療器具は、以下の様々な特徴点のうちの１つまたは複数の特徴点を有することができる。

外部材のフレキシブルな伝達機構は、外部材の残部と比較して、より少ない材料から形成された部分を備えることができ、フレキシブルな伝達機構は、外部材の残部と比較して、よりフレキシブルなものとすることができる。外部材は、内部材を挿通させる通路を規定する壁を備えることができる。この例においては、この壁は、外部材のフレキシブルな伝達機構のところにおいては、通路を全周縁にわたって囲んでいない。一例においては、外部材のフレキシブルな伝達機構をなす壁は、内部材の湾曲部分の凹状側面上に配置することができる。他の例においては、外部材のフレキシブルな伝達機構のところにおいては、壁は、通路の全周縁の３０％〜４０％という範囲を囲むことができる。

外部材は、フレキシブルさの少ない第１部分と、フレキシブルさの少ない第２部分と、を備えることができる。フレキシブルさの少ない第１部分は、フレキシブルな伝達機構よりも先端側に配置される。フレキシブルさの少ない第２部分は、フレキシブルな伝達機構よりも基端側に配置される。フレキシブルな伝達機構は、第２部分から第１部分へと駆動力を伝達しつつ、湾曲部分に適合し得るよう構成される。駆動力は、直線状駆動力と回転駆動力との一方または双方とすることができる。外部材は、第１部分と第２部分とを備えることができる。第１部分は、内部材の一部を挿通させる第１管腔を有している。第２部分は、内部材の一部を挿通させる第２管腔を有している。この例においては、フレキシブルな伝達機構は、これら第１部分と第２部分との間に配置される。第１部分は、フレキシブルな伝達機構よりも先端側に配置されたカット表面を有することができる。

本発明による医療器具は、さらに、内部材に属する円筒状第１部分と、外部材に属する円筒状第２部分と、を具備することができる。この例においては、円筒状第１部分は、円筒状第２部分の中に同軸的に配置される。内部材は、さらに、ターゲットを受領し得るよう構成された開口を備えることができる。開口は、湾曲部分よりも先端側に配置することができる。外部材のカット表面は、鋭いエッジを有することができ、開口のエッジは、鋭いエッジを有することができる。ターゲットは、縫糸および／または生物学的組織を備えることができる。内部材の先端部は、結び目を押し込み得るよう構成することができる。内部材の先端部は、丸められたエッジを有することができる。本発明による医療器具は、さらに、内部材および外部材の少なくとも一方に対して連結された駆動部材を具備することができる。

他の見地においては、外部材と内部材とを具備してなる医療器具が提供される。外部材は、この外部材の長さ全体にわたって貫通する通路を備えている。内部材は、通路内においてスライド可能に配置されている。内部材は、先端領域のところに湾曲部分を備えているとともに、この先端領域のところに、ターゲットを受領するための開口を備えている。内部材と外部材とは、内部材および外部材の少なくとも一方が移動した際には開口内に配置されたターゲットが外部材のエッジと開始のエッジとの間においてカットされ得るように、構成されている。

本発明による医療器具は、以下の様々な特徴点のうちの１つまたは複数の特徴点を有することができる。

外部材は、先端領域のところにフレキシブル部分を備えることができる。外部材のエッジは、フレキシブルな伝達機構よりも先端側に配置することができる。

外部材のフレキシブルな伝達機構は、外部材の残部と比較して、より少ない材料から形成された部分を備えることができ、フレキシブルな伝達機構は、外部材の残部と比較して、よりフレキシブルなものとすることができる。通路は、通路を規定する壁を備えることができる。この例においては、この壁は、外部材のフレキシブルな伝達機構のところにおいては、通路を全周縁にわたって囲んでいない。外部材のフレキシブルな伝達機構をなす壁は、内部材の湾曲部分の凹状側面上に配置することができる。壁は、通路の全周縁の３０％〜４０％という範囲を囲むことができる。外部材は、フレキシブルさの少ない第１部分と、フレキシブルさの少ない第２部分と、を備えることができる。フレキシブルさの少ない第１部分は、外部材のエッジを有し、フレキシブル部分よりも先端側に配置される。フレキシブルさの少ない第２部分は、フレキシブル部分よりも基端側に配置される。この例においては、フレキシブル部分は、第２部分から第１部分へと駆動力を伝達しつつ、湾曲部分に適合し得るよう構成される。駆動力は、直線状駆動力と回転駆動力との一方または双方とすることができる。

外部材は、第１部分と第２部分とを備えることができる。第１部分は、内部材の一部を挿通させる第１管腔を有している。第２部分は、内部材の一部を挿通させる第２管腔を有している。この例においては、フレキシブル部分は、これら第１部分と第２部分との間に配置される。第１部分は、外部材のエッジを有することができ、フレキシブル部分よりも先端側に配置することができる。本発明による医療器具は、さらに、内部材に属する円筒状第１部分と、外部材に属する円筒状第２部分と、を具備することができる。この例においては、円筒状第１部分は、円筒状第２部分の中に同軸的に配置される。

開口は、内部材のうちの、外部材に対して当接する側面上に配置することができる。開口は、湾曲部分の先端部に配置することができる。開口は、湾曲部分よりも先端側に配置することができる。外部材のエッジと、開口のエッジと、の一方または双方は、鋭いエッジを有することができる。内部材の先端部は、結び目を押し込み得るよう構成することができる。内部材の先端部は、丸められたエッジを有することができる。本発明による医療器具は、さらに、内部材および外部材の少なくとも一方に対して連結された駆動部材を具備することができる。ターゲットは、縫糸および／または生物学的組織を備えることができる。

他の見地においては、湾曲した医療器具を生成するための方法が提供される。この方法においては、先端領域のところにおいて湾曲を形成するようにして内部材を曲げ、この内部材を挿通させ得るようなサイズとされた通路を備えた外部材を準備し、通路を、内部材を挿通させ得るようなサイズとする。この方法においては、さらに、外部材の先端領域のところにおいて、この外部材をなす壁の一部を除去する。この方法においては、さらに、内部材に、ターゲットを受領し得るようなサイズとされた開口を形成し、曲げステップにおいては、開口よりも基端側において内部材を曲げる。

本発明による方法においては、さらに、開口に隣接した位置にカット表面を形成することができる。この方法においては、さらに、外部材上において、壁を除去した部分に隣接した位置にカット表面を形成することができる。この方法においては、さらに、外部材の先端部のところにカット表面を形成することができる。この方法においては、さらに、内部材を、外部材の内部に同軸的に配置することができる。この方法においては、さらに、内部材および外部材のうちの少なくとも一方に対して駆動部材を連結することができる。この方法においては、さらに、内部材の先端チップのエッジを丸めることができる。

他の見地においては、湾曲した医療器具の使用方法が提供される。この方法においては、外部材と、この外部材の内部に同軸的に配置された内部材と、のうちの少なくとも一方を移動させ、これにより、外部材を、内部材上において湾曲部分よりも先端側に配置された開口上にわたってスライドさせ、これにより、開口の内部へと配置されたターゲットをカットする。ターゲットが、例えば縫糸といったようなフレキシブルな固定部材を備えている例においては、この方法においては、さらに、内部材の開口の中にフレキシブルな固定部材を挿通させることができる。この方法においては、さらに、内部材の先端部によって結び目を押し込むことができる。本発明の１つまたは複数の実施形態に関する詳細が、添付図面に図示されており、それらに関して以下説明を行う。本発明の他の特徴点や目的や利点は、以下の説明と添付図面と特許請求の範囲とにより、明瞭となるであろう。

複数の図面にわたって、同様の部材には同じ参照符号が付されている。図１Ａは、縫糸カッターと結び目プッシャーとの双方として機能するような、湾曲した医療器具１００を示している。器具１００の先端部は、湾曲した内部材１０５を備えている。内部材１０５は、外部材１５０の内部に配置されている。湾曲した内部材１０５は、円筒形状とされているとともに、外科医が縫糸１１０を挿通するためのチャネルを備えている。外科医は、先端チップ１１５のところにおける開口を通してチャネル内へと縫糸１１０を導入し、さらに、内部材１０５の側面上に配置された開口１２０を通して縫糸１１０を引き出す。操作時には、外科医は、先端チップ１１５が結び目１３５に当接するまで矢印１３０の方向に器具１００を移動させながら、縫糸１１０を矢印１２５の方向に引っ張る。外科医は、矢印１２５の方向に縫糸１１０を引っ張りながら、矢印１３０の方向に器具１００を移動させ続ける。これにより、外科手術サイト１４０に向けて、矢印１３０の方向に結び目１３５が押し込まれる。これにより、外科医は、予め形成された結び目１３５に張力を付与することができる、あるいは、体外で結び目を形成することができる。そして、体内の外科手術サイト１４０に向けてへの結び目１３５を押し込むことができ、これにより、修復箇所を固定することができる。

修復箇所を固定し得るよう結び目１３５を所定位置に配置した後に、外科医は、器具１００を使用することによって、縫糸１１０の余剰部分をカットする。外科医は、器具１００の先端部に向けてトリガー１４５をスライドさせる。トリガー１４５は、円筒状外部材１５０に対して連結されており、器具１００の先端部に向けて外部材１５０を移動させる。外部材１５０は、後述するように、内部材１２０の外面上にスライドしつつ内部材１２０の湾曲度合いに適合し得るように構成されている。外部材１５０は、湾曲した内部材１０５の外面上をスライドし、最終的には、開口１２０へと到達する。外部材１５０が開口１２０上をスライドする際には、詳細に後述するように、外部材１５０の先端チップが、開口１２０の先端壁に対して縫糸１１０を挟み付け、これにより、開口１２０のところにおいて縫糸１１０をカットする。図１Ｂは、器具１００の先端部を拡大して示している。

上述したように、外部材１５０は、湾曲した内部材１０５の外面上に沿ってスライドする。内部材１０５は、結び目１３５を押し込むための先端チップ１１５と、縫糸１１０を挿通させるための開口１２０と、を備えている。図２Ａ〜図２Ｆは、内部材１０５の構成を、より詳細に示している。図２Ａは、医療器具１００から取り外した状態で、内部材１０５を示している。図示のように、内部材１０５は、先端領域に、湾曲部分２０５を備えている。図２Ｂに示すように、内部材１０５の先端チップ１１５は、外科医が縫糸１１０を挿通させ得るよう、開口２１０を備えている。開口２１０の直径は、縫糸１１０の直径と比較してあまり大き過ぎないようなサイズとされている。これにより、縫糸１１０は、開口２１０を自由に通り抜けることができるものの、結び目（例えば、図１における結び目１３５）が開口２１０を通り抜けてしまうことを防止することができる。この場合、外科医が開口２１０を通して単一の縫糸１１０を引っ張った際には、壁材料２１５が、結び目を押し込む。代替可能な様々な例として後述するように、先端チップ１１５としては、他の様々な可能な構成が存在する。

図２Ｃに示すように、開口１２０の先端壁は、カット操作時には縫糸１１０が押し付けられることとなるカット表面２２０を備えている。カット表面２２０は、さらに、カット操作を補助し得るよう、鋭いエッジを有することができる。図２Ｄおよび図２Ｅは、上述したように外科医が結び目を押し込む際に縫糸１１０を挿通させるチャネル２２５を示している。先端チップ１１５のところにおいては、壁材料２１５は、丸められている。

上述したように、外部材１５０は、カット操作時には、内部材１０５の外面上に沿ってスライドする。図３Ａ〜図３Ｄは、外部材１５０を、より詳細に示している。図３Ａは、医療器具１００から取り外した状態で、外部材１５０を示している。図示のように、外部材１５０の先端領域は、外部材１５０が内部材１０５の外面上に沿ってスライドする際に湾曲領域２０５（図２Ａ）を受領しつつ適合し得るようなフレキシブル部分３０５を備えている。外部材１５０は、さらに、フレキシブル部分３０５よりも先端側に位置したフレキシブルさの少ない部分３１０と、フレキシブル部分３０５よりも基端側に位置したフレキシブルさの少ない部分３１５と、を備えている。理解の容易なものとし得るよう、部分３１０，３１５は、フレキシブル部分３０５に対しての位置に基づき、それぞれ、先端部３１０および基端部３１５と称される。図３Ｂは、部分３１０，３１５の横断面形状３２０を示している。壁材料３２５が、内部材１０５を挿通させるための円形通路３３０を囲んでいる。通路３３０の直径は、内部材１０５の直径と比較して、少しだけ大きいようなサイズとされている。これにより、部分３１０，３１５は、円筒状内部材１０５の外面上に沿って自由にスライドすることができる。

フレキシブル領域（あるいは、フレキシブル部分）３０５は、湾曲部分２０５に適合し得るよう十分にフレキシブルであるとともに、なおかつ、外部材１５０の基端部３１５に対して連結されたトリガー１４５（図１）を外科医が移動させた際に先端部３１０を押し込み得る程度に十分に硬いものである。図３Ａおよび図３Ｃに示すように、これは、フレキシブル部分３０５に沿って通路３３０を囲んでいる壁材料３２５のうちのいくらかを除去することにより、達成される。図３Ｄに示す例においては、壁材料３２５は、フレキシブル部分３０５に沿って、通路３３０の周囲（破線３３３によって示されている）のおよそ６０％〜７０％という部分が除去されている。

再度、図３Ａおよび図３Ｃに参照すれば、基端部３１５は、内部材１０５の湾曲部分２０５（図２）の湾曲度合いに一致して延在していない。よって、基端部３１５は、湾曲部分２０５を受領して適合し得るよう十分にフレキシブルである必要がない。しかしながら、先端部３１０は、内部材１０５の湾曲部分２０５の外面上に沿って延在している。後述するように、外部材１５０の先端チップ３３５は、縫糸１１０をカットする。湾曲部分２０５の外面上に沿って移動し得るよう、なおかつ、縫糸１１０をカットし得る程度に十分に剛直なものであり得るよう、先端部３１０の長さは、湾曲部分２０５の半径と比較して、より小さい。フレキシブル部分３０５の長さは、基端部３１５が湾曲部分２０６の湾曲度合いに達するのを防止しつつ先端部３１０がカットを実行し得るよう十分に長いものとされている。先端部３１０の先端チップ３３５は、カット操作時に縫糸１１０に対した押し付けられるカット表面３４０を備えている。カット表面３４０は、さらに、カット操作を補助し得るよう、鋭いエッジを有することができる。

図４Ａは、カット操作時における内部材１０５および外部材１５０を示している。チャネル２２５（図２Ｄ）内に配置された縫糸１１０をより明瞭に図示するために、図４Ａは、側断面図（つまり、図２Ｄが拡張された図）を使用して、内部材１０５を示している。カット操作時には、外科医は、外部材１５０の先端部に向けてトリガー１４５（図１）を移動させる。トリガー１４５は、基端部３１５に対して連結されており、矢印４０５によって示すように、先端部に向けて外部材１５０を移動させる。外部材１５０の先端部３１０は、比較的短いものであるので、形態を適合させる必要なく、湾曲部分２０５の外面上に沿って移動する。しかしながら、フレキシブル部分３０５は、湾曲部分２０５に適合し得るように曲がる。外部材１５０が矢印４０５によって示された方向に沿って移動する際には、外部材１５０の先端チップ３３５が、結局は、内部材１０５の開口１２０を超えて延在している縫糸１１０に遭遇する。先端チップ３３５が縫糸１１０に遭遇すると、縫糸１１０は、内部材１０５のカット表面２２０と外部材１５０のカット表面３４０との間に挟み付けられるようになる。外部材１５０が先端側へと移動し続けると、カット表面２２０，３４０が、縫糸１１０を圧縮して最終的にはカットする。上述したように、このカット操作を補助し得るよう、カット表面２２０，３４０の一方または双方に設けることができる。

図４Ａに示すように、フレキシブル部分３０５の壁３２５は、湾曲部分２０５の凹状側面上に配置される。図４Ｂは、フレキシブル部分３０５が、湾曲部分２０５の凸状側面上に配置された例を示している。上述したいくつかの例においては、明瞭さのために、外部材１５０の移動を、同心軸に沿った直線的なものとして説明した。言い換えれば、同心軸回りの回転に関しては、外部材１５０の位置は、固定されていた。しかしながら、外部材１５０の移動は、直線移動だけに限定されるものではない。図４Ａおよび図４Ｂに示すように、外部材１５０は、さらに、矢印４１０によって示されているように、どちら回りであるにせよ、同心軸回りに回転することができる。上述したように、フレキシブル部分３０５は、駆動機構からの直線的駆動力と回転駆動力との双方を伝達し得るようなフレキシブルな伝達機構である。

直線的な駆動力の伝達に代えてのあるいは加えての回転駆動力の伝達を使用することにより、フレキシブル部分３０５により、外科医は、医療器具１００を使用して、上述したような直線状カットを超えた追加的な操作を行うことができる。例えば、表面４１５，４２０および／またはフレキシブル部分３０５の壁の一部は、矢印４１０の方向へと回転運動しつつカットを行うことができる。表面４１５，４２０および／またはその一部は、さらに、鋭いエッジを有することができる。縫糸１１０は、先端部３１０よりも基端側に配置することができる。外部材１５０が回転すると、表面４１０あるいは４１５は、縫糸１１０のうちの、開口１２０を超えて突出しているすべての部分を、挟み付けてカットする。縫糸のカットに加えて、外科医は、医療器具１００を使用することによって、組織をカットすることができる。例えば、外科医は、ポリープ上に開口１２０を配置し、その後、回転駆動および／または直線状駆動を行うことにより、上述したようなカット操作と同様にしてポリープをカットすることができ、外科手術サイトからポリープを取り除くことができる。複雑な操作を行い得るよう、医療器具１００は、２つまたはそれ以上の外部材を備えることができる。外部材１５０と同様に、付加的な外部材（図示せず）は、内部材１０５と外部材１５０とを挿通させ得る通路と、この付加的な外部材（図示せず）が内部材１０５および外部材１５０の外面上に沿ってスライドする際に湾曲領域２０５（図２Ａ）を受領して適合し得るようなフレキシブル部分と、を備える。外部材１５０と付加的な外部材（図示せず）とは、互いに独立的に駆動することができる。

例示として、一例をなす医療器具１００’（図示せず）に関する寸法および材質について、以下説明する。湾曲部分２０５は、先端チップ１１５から２．５４ｃｍ（１．００インチ）以内に配置される。湾曲部分２０５の湾曲度合いの内側半径は、５．７２ｃｍ（２．２５インチ）とされ、許容誤差は、０．６４ｃｍ（０．２５インチ）とされる。開口１２０は、先端チップ１１５から１．０４ｃｍ（０．４１インチ）以内に配置される。チャネル２２５の直径は、０．６１ｍｍ（０．０２４インチ）とされる。外部材１５０の通路３３０の直径は、１．６５ｍｍ（０．０６５インチ）とされる。外部材１５０の直径は、２．１１ｍｍ（０．０８３インチ）とされる。先端領域３１０の長さは、１．２７ｍｍ（０．０５インチ）とされる。フレキシブル部分３０５の長さは、２．５１ｃｍ（０．９５インチ）とされる。内部材１０５は、１７−４ＰＨというステンレススチールから形成される。外部材１５０は、３０４というステンレススチールから形成される。

本発明の様々な実施形態について説明した。それでもなお、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、様々な修正を行い得ることは理解されるであろう。例えば、限定するものではないけれども、内部材の先端チップおよびチャネルは、様々な構成とすることができる。先端チップおよびチャネルの直径は、２本の縫糸を受領し得るようなサイズとすることができる。これにより、外科医は、例えば小間結びまたは本結びといったような結び目の両端によって縫糸を引っ張ることができる。さらに、明瞭化のために縫糸という用語が使用されているけれども、本発明は、縫糸と一緒に使用することだけに限定されるものではない。修復をもたらし得るような任意のフレキシブルな固定材料を、使用することができる。また、医療器具の中の可動部材を、変更することができる。例えば、外部材を静止させつつ、トリガーによって、内部材を駆動することができる。また、トリガーは、内部材と外部材との双方を、同時に、互いに逆向きに駆動することができる。同様に、２つ以上の外部材が使用される場合には、内部材および／または外部材どうしの任意の組合せは、１つまたは複数の駆動機構によって駆動され得るように構成することができる。さらに、内部材および外部材は、円形形状や円筒形状のものとして説明されているけれども、本発明においては、他の幾何形状を使用することができ、例えば、正方形や、多角形、等を使用することができる。したがって、他のすべての実施形態は、特許請求の範囲の中に包含される。

湾曲した医療器具を示す側面図である。 図１Ａの湾曲医療器具の先端部を拡大して示す斜視図である。 湾曲医療器具の内部材を示す側面図である。 図２Ａの内部材を示す正面図である。 図２Ａの内部材を示す平面図である。 図２Ａの内部材を示す側断面図である。 湾曲医療器具の内部材を示す斜視図である。 湾曲医療器具の外部材を示す側面図である。 図３Ａの外部材の一部を示す側断面図である。 図３Ａの外部材を示す平面図である。 外内部材のフレキシブル部分を示す正面から見た断面図である。 カット操作時における内部材および外部材を示す側面図である。 カット操作時における内部材および外部材の他の例を示す側面図である。

符号の説明

１００ 湾曲した医療器具
１０５ 内部材
１１０ 縫糸（ターゲット）
１１５ 先端チップ
１２０ 開口
１３５ 結び目
１４５ トリガー（駆動部材）
１５０ 外部材
２０５ 湾曲部分
２２０ カット表面
２２５ チャネル
３０５ フレキシブル部分（フレキシブルな伝達機構）
３１０ フレキシブルさの少ない部分
３１５ フレキシブルさの少ない部分
３３０ 円形通路（通路）
３３５ 先端チップ
３４０ カット表面

Claims (34)

1. 医療器具であって、
   先端領域のところに湾曲部分を備えている内部材と；
   この内部材に対して同軸的に配置されかつこの内部材に対して移動可能に配置された外部材と；
   を具備し、
   前記外部材が、この外部材の先端領域のところに、フレキシブルな伝達機構を備えていることを特徴とする医療器具。
2. 請求項１記載の医療器具において、
   前記外部材の前記フレキシブルな伝達機構が、前記外部材の残部と比較して、より少ない材料から形成された部分を備え、
   前記フレキシブルな伝達機構が、前記外部材の残部と比較して、よりフレキシブルとされていることを特徴とする医療器具。
3. 請求項１または２記載の医療器具において、
   前記外部材が、さらに、前記内部材を挿通させる通路を規定している壁を備え、
   この壁が、前記外部材の前記フレキシブルな伝達機構のところにおいては、前記通路を全周縁にわたって囲んでいないことを特徴とする医療器具。
4. 請求項３記載の医療器具において、
   前記外部材の前記フレキシブルな伝達機構をなす前記壁が、前記内部材の前記湾曲部分の凹状側面上に配置されていることを特徴とする医療器具。
5. 請求項３記載の医療器具において、
   前記外部材の前記フレキシブルな伝達機構のところにおいては、前記壁が、前記通路の全周縁の３０％〜４０％という範囲を囲んでいることを特徴とする医療器具。
6. 請求項１〜５のいずれか１項に記載の医療器具において、
   前記外部材が、さらに、
   前記フレキシブルな伝達機構よりも先端側に配置されたフレキシブルさの少ない第１部分と、
   前記フレキシブルな伝達機構よりも基端側に配置されたフレキシブルさの少ない第２部分と、
   を備え、
   前記フレキシブルな伝達機構が、前記第２部分から前記第１部分へと駆動力を伝達しつつ、前記湾曲部分に適合し得るよう構成されていることを特徴とする医療器具。
7. 請求項６記載の医療器具において、
   前記駆動力が、直線状駆動力と回転駆動力とのうちの少なくとも一方を備えていることを特徴とする医療器具。
8. 請求項１〜７のいずれか１項に記載の医療器具において、
   前記外部材が、さらに、
   前記内部材の一部を挿通させる第１管腔を有した第１部分と、
   前記内部材の一部を挿通させる第２管腔を有した第２部分と、
   を備え、
   前記フレキシブルな伝達機構が、これら第１部分と第２部分との間に配置されていることを特徴とする医療器具。
9. 請求項８記載の医療器具において、
   前記第１部分が、前記フレキシブルな伝達機構よりも先端側に配置されたカット表面を有していることを特徴とする医療器具。
10. 請求項１〜９のいずれか１項に記載の医療器具において、
    さらに、
    前記内部材に属する円筒状第１部分と；
    前記外部材に属する円筒状第２部分と；
    を具備し、
    前記円筒状第１部分が、前記円筒状第２部分の中に同軸的に配置されていることを特徴とする医療器具。
11. 請求項１〜１０のいずれか１項に記載の医療器具において、
    前記内部材が、さらに、ターゲットを受領し得るよう構成された開口を備えていることを特徴とする医療器具。
12. 請求項１１記載の医療器具において、
    前記外部材のカット表面が、鋭いエッジを有し、
    前記開口のエッジが、鋭いエッジを有していることを特徴とする医療器具。
13. 請求項１〜１０のいずれか１項に記載の医療器具において、
    前記外部材が、この外部材の長さ全体にわたって貫通する通路を備え、
    前記内部材が、前記通路内においてスライド可能に配置され、
    前記内部材が、前記先端領域のところに、ターゲットを受領するための開口を備え、
    前記内部材と前記外部材とが、前記内部材および前記外部材の少なくとも一方が移動した際には前記開口内に配置された前記ターゲットが前記外部材のエッジと前記開始のエッジとの間においてカットされ得るように、構成されていることを特徴とする医療器具。
14. 請求項１３記載の医療器具において、
    前記外部材の前記エッジが、前記フレキシブルな伝達機構よりも先端側に配置されていることを特徴とする医療器具。
15. 請求項１３または１４記載の医療器具において、
    前記外部材の前記エッジと前記開口の前記エッジとの少なくとも一方が、鋭いエッジを有していることを特徴とする医療器具。
16. 請求項１１〜１５のいずれか１項に記載の医療器具において、
    前記開口が、前記内部材のうちの、前記外部材に対して当接する側面上に配置されていることを特徴とする医療器具。
17. 請求項１１〜１６のいずれか１項に記載の医療器具において、
    前記開口が、前記湾曲部分の先端部に配置されていることを特徴とする医療器具。
18. 請求項１１〜１７のいずれか１項に記載の医療器具において、
    前記開口が、前記湾曲部分よりも先端側に配置されていることを特徴とする医療器具。
19. 請求項１１〜１８のいずれか１項に記載の医療器具において、
    前記ターゲットが、縫糸を備えていることを特徴とする医療器具。
20. 請求項１１〜１９のいずれか１項に記載の医療器具において、
    前記ターゲットが、生物学的組織を備えていることを特徴とする医療器具。
21. 請求項１〜２０のいずれか１項に記載の医療器具において、
    前記内部材の先端部が、結び目を押し込み得るよう構成されていることを特徴とする医療器具。
22. 請求項１〜２１のいずれか１項に記載の医療器具において、
    前記内部材の先端部が、丸められたエッジを有していることを特徴とする医療器具。
23. 請求項１〜２２のいずれか１項に記載の医療器具において、
    さらに、前記内部材および前記外部材の少なくとも一方に対して連結された駆動部材を具備していることを特徴とする医療器具。
24. 湾曲した医療器具を生成するための方法であって、
    先端領域のところにおいて湾曲を形成するようにして内部材を曲げ；
    この内部材を挿通させ得るようなサイズとされた通路を備えた外部材を準備し；
    この外部材の先端領域のところにおいて、この外部材をなす壁の一部を除去する；
    ことを特徴とする方法。
25. 請求項２４記載の方法において、
    さらに、前記内部材に、ターゲットを受領し得るようなサイズとされた開口を形成し、
    前記曲げステップにおいては、前記開口よりも基端側において前記内部材を曲げることを特徴とする方法。
26. 請求項２５記載の方法において、
    さらに、前記開口に隣接した位置にカット表面を形成することを特徴とする方法。
27. 請求項２４〜２６のいずれか１項に記載の方法において、
    さらに、前記外部材上において、壁を除去した前記部分に隣接した位置にカット表面を形成することを特徴とする方法。
28. 請求項２４〜２６のいずれか１項に記載の方法において、
    さらに、前記外部材の先端部のところにカット表面を形成することを特徴とする方法。
29. 請求項２４〜２６のいずれか１項に記載の方法において、
    前記内部材を、前記外部材の内部に同軸的に配置することを特徴とする方法。
30. 請求項２４〜２６のいずれか１項に記載の方法において、
    さらに、前記内部材および前記外部材のうちの少なくとも一方に対して駆動部材を連結することを特徴とする方法。
31. 請求項２４〜２６のいずれか１項に記載の方法において、
    さらに、前記内部材の先端チップのエッジを丸めることを特徴とする方法。
32. 湾曲した医療器具の使用方法であって、
    外部材と、この外部材の内部に同軸的に配置された内部材と、のうちの少なくとも一方を移動させ、これにより、前記外部材を、前記内部材上において湾曲部分よりも先端側に配置された開口上にわたってスライドさせ、これにより、前記開口の内部へと配置されたターゲットをカットすることを特徴とする方法。
33. 請求項３２記載の方法において、
    前記ターゲットが、フレキシブルな固定部材を備えている場合に、
    この方法においては、
    さらに、前記内部材の前記開口の中に前記フレキシブルな固定部材を挿通させることを特徴とする方法。
34. 請求項３２記載の方法において、
    さらに、前記内部材の先端部によって結び目を押すことを特徴とする方法。

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