JP7183056B2 - 荷電粒子ソース及びバックスパッタリングを利用した荷電粒子ソースのクリーニング方法 - Google Patents

荷電粒子ソース及びバックスパッタリングを利用した荷電粒子ソースのクリーニング方法 Download PDF

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Description

本出願は、2018年1月30日に出願された欧州特許出願第18154140.0号についてパリ条約上の優先権の利益を主張する。該欧州特許出願の全内容は引用を以って本書に繰り込み、ここに記載されているものとする。
本発明は、
とりわけマルチビームタイプの、荷電粒子ナノパターン形成ないし検査ツールの部分内での又はその部分としての使用に好適な荷電粒子ソースに関する。より具体的には、本発明は、荷電粒子を、とりわけ電子を荷電粒子ビームとしてエミッション方向に沿って放出するための荷電粒子ソースであって、該荷電粒子ソースが、
・荷電粒子ソースを高真空で作動可能にする、真空システムに接続可能なハウジング、
・エミッタ電極(即ち荷電粒子が正電荷又は負電荷の何れを有するかに依存してエミッタアノード又はカソード)、但し、該エミッタ電極はエミッション方向に沿って(電子のような(尤も代替的にイオン、とりわけ正電荷を有するイオンでも可能である))特定の粒子種の荷電粒子を放出するよう構成されたエミッタ面を有する、
・荷電粒子の符号と反対の符号のエミッタ電極に対する静電電圧が印加されるよう構成された対向電極、但し、該対向電極はエミッション方向に沿ったエミッタ面の下流側の位置にエミッタアパーチャを有する、及び、
・エミッタ面とエミッタアパーチャとの間に規定される空間、但し、該空間はソース空間と称される、
を含む、荷電粒子ソースに関する。
このタイプの荷電粒子ソースは、例えば、半導体基板のナノパターン形成又は検査のための荷電粒子マルチビームツールにおいて粒子ビームを生成するためのソースとして使用されている。本出願人は、上記のタイプの荷電粒子マルチビームツールを既に実現しており、相応の荷電粒子光学系、パターン規定(pattern definition:PD)装置、及び、マルチビーム描画法、とりわけEUVリソグラフィ用のマスク(複数)及びナノインプリントリソグラフィ用のテンプレート(複数)(1×マスク(masks))からなる193nm液浸リソグラフィのための最新の複合フォトマスクを実現する50keV電子マルチビームライタを開発している。システムは、6”マスクブランク基板の露光について、eMET(electron Mask Exposure Tool)又はMBMW(multi-beam mask writer)と称されている。マルチビームシステムは、シリコンウェハ基板に対する電子ビームダイレクトライタ(EBDW)のためのPML2(Projection Mask-Less Lithography)と称されている。マルチビームカラム及び描画法は、マルチビーム検査の適用のためにも使用可能である。
図2は、典型的なマルチビームライタとその主要コンポーネント2の一例を模式的に示す。このタイプのリソグラフィ装置は、例えば本出願人のUS6,768,125、EP2 187 427 A1(=US8,222,621)及びEP2 363 875 A1(=US8,378,320)のような、従来技術においてよく知られている。以下において、これらについての詳細は、当業者が本発明の種々の実施形態を具現化できるように本発明の特定の実施形態(複数)を開示するために必要とされる限りにおいてのみ与えられる。明確性の目的のために、各コンポーネントは図2には寸法通りには記載されていない。リソグラフィ装置1の主要コンポーネントは―この例では図2の紙面上側から下側に進行するリソグラフィビーム50、50bの方向に応じて―照明システム3、パターン規定(PD)システム4、投射システム5、及び基板16を備えるターゲットステーション6である。装置1全体は真空ハウジング2内に収容されており、通常は、但しそれに限定されないが、当該装置の光軸cxに沿ったビーム50、50bの障害のない伝播を確保するために高真空に保持される。用語「高真空」とは、本書では、0.1×10-3Pa未満の圧力での真空を表すものとして使用される。ここで注意すべきことは、ハウジング2は高真空に保持されてはいるが、残留ガス粒子は依然として存在しており、その結果、ビーム50、50b及び/又は装置1のコンポーネントと弱く相互作用することである。荷電粒子光学システム3、5は静電レンズ及び/又は磁気レンズを用いて実現される。
照明システム3は、例えば、本発明の1つの対象である電子ソース7、抽出システム8及びコンデンサレンズシステム9を含む。尤も、電子の代わりに、一般的には、他の荷電粒子も使用可能であることに注意すべきである。電子以外では、そのような荷電粒子は、例えば、水素イオン又はこれより重いイオン、荷電原子クラスタ、又は荷電分子とすることができる。
抽出システム8は、粒子を典型的には数keV、例えば5keV、の所定のエネルギに加速する。コンデンサレンズシステム9によって、ソース7から放出された粒子は、通常、但しそれに限定されないが、リソグラフィビーム50として役立つワイド粒子ビームに形成される。リソグラフィビーム50は、次いで、複数の孔ないしアパーチャ24(図3)を有する複数のプレートを含むPD(パターン規定)システム4を照射する。PDシステム4は、リソグラフィビーム50の経路中の特定の位置に保持されており、そのため、リソグラフィビーム50は複数のアパーチャを照射し、複数のビームレットに分割される。
図3を参照すると、PDシステム4のアパーチャ(複数)26のあるものは、これらのアパーチャが該システムを貫通通過する入射ビームの部分(ビームレット51)をターゲットに到達可能にするという意味で入射ビームに対し透過性であるように、「スイッチオン」され、ないしは「オープン」である。これに対し、他のアパーチャは「スイッチオフ」ないし「クローズ」されている、即ち対応するビームレット52はターゲットに到達することができず、そのため事実上、これらのアパーチャ及び/又は孔はビームに対して非透過性(不透明)である。従って、リソグラフィビーム50は(ビームレット51及び52から構成される)パターン化ビーム50bに構造化され、PDシステム4から出射する。スイッチオンされたアパーチャのパターン―リソグラフィビーム50に対し透過性であるPDシステム4の唯一の部分(複数)―は、ターゲット16に露光されるべきパターンに応じて選択される。ここで注意すべきことは、ビームレットの「スイッチオン/オフ」は、通常、PDシステム4の複数のプレートの1つに設けられるある種の偏向手段によって実現されることである。即ち、「スイッチオフ」されたビームレットは、(非常に小さな角度だけ)それらの経路から外れるように偏向され、そのため、これらのビームレットはターゲットに到達することができず、リソグラフィ装置のどこかで、例えば吸収プレート(又は同義的に「ストップアパーチャプレート」)11によって、専ら吸収される。PDシステム4(図3)の構造及び機能の更なる詳細については、本出願人のUS9,653,263及びUS9,799,487に見出すことができる。これらの文献については引用を以って本書に繰り込み、ここに記載されているものとする。
パターン化ビーム50bによって表されるパターンは、次いで、電気磁気光学(electro-magneto-optical)投射システム5によって基板16上に投射され、そこで、「スイッチオン」アパーチャ及び/又は孔の像を形成する。投射システム5は、複数の順次配置された電気磁気光学レンズコンポーネント10a、10b、10cを含み、2つのクロスオーバー(交叉部)c1及びc2を伴う、例えば200:1の縮小を実行する。更に、偏向手段12a、12b、12cが、像の横方向シフトのために、コンデンサ3及び/又は投射システム5に設けられてもよい。ターゲットないし「基板」16は、例えば粒子感受性レジスト層17で被覆された6”マスクブランク又はシリコンウェハである。基板は、チャック15によって保持され、ターゲットステーション6の基板ステージ14によって位置決めされる。
装置1のようなリソグラフィ装置のオペレーション及び関連プロセス及び描画法は、例えば本出願人のUS9,053,906及び本出願人の上記の文献US6,768,125、US8,222,621、US8,378,320において検討されている。これらの文献の開示については引用を以って本書に繰り込み、ここに記載されているものとする。
レジスト層17に到達するビームレットのドーズ率は、究極的には、基本的に光軸からの距離の動径関数(radial function)である荷電粒子ソースによって生成されるリソグラフィビームの局所的電流密度に関連付けられる。但し一般的には、電流密度は、ソースエミッション不均一性に起因する位置依存成分も表し得る。後者(不均一性)は、カソード表面の汚染、ハウジング2内に存在する残留ガス及びその他大勢のような要因によって決定される(求められる)。ソースカソード表面からの汚染物の除去は装置の効率及び長期信頼性のために極めて重要であることは当業者には明らかであろう。
US 6,768,125 EP 2 187 427 A1 US 8,222,621 EP 2 363 875 A1 US 8,378,320 US 9,653,263 US 9,799,487 US 9,053,906
スパッタリング又は(とりわけ化学的プラズマエッチングを含む)エッチングによる表面の僅かな浸食を採用するクリーニング処理によってその表面から汚染物を除去することは一般的な方法である。しかしながら、カソードが(eMETのような)粒子ビーム処理装置に導入されるべき場合、カソードは、該装置に組み込まれる前に限り、クリーニング/スパッタリングのために使用可能であろう。従って、従来技術から既知のクリーニング処置は、組込中又は処理(運転)中に蓄積される汚染因子に対しては有効ではないであろう。
上記の観点から、本発明の1つの目的は、ソース環境中で直接的に粒子ソースのクリーニングを可能にする、従って光学システムの分解を要しないカソード(エミッタ電極)の「インサイチュ(in situ)」クリーニングの提供を可能にする、粒子ソース及び粒子ソースのクリーニング方法を提供することである。即ち、ソース本体をeMET装置の他の部分から物理的に(機械的に)取り出すことを不要とすることである。クリーニング機構については主としてスパッタリング又はエッチングの採用が想定される。本発明の更なる1つの目的は、ソース環境中に存在する荷電粒子の軌道の制御を可能にする、粒子ソース及びクリーニング方法を提供することである。
本発明の第1の視点により、荷電粒子、とりわけ電子を荷電粒子ビームとしてエミッション方向に沿って放出するよう構成された荷電粒子ソースが提供される。この荷電粒子ソースは
エミッション方向に沿って特定の粒子種の荷電粒子を放出するよう構成されたエミッタ面を有するエミッタ電極、
・荷電粒子の符号と反対の符号のエミッタ電極に対する静電電圧が印加されるよう構成された対向電極、但し、該対向電極はエミッション方向に沿ったエミッタ面の下流側の位置にエミッタアパーチャを有する、及び、
エミッタ電極と対向電極の間のソース空間を包囲するよう配置された少なくとも2つの調整電極、但し、各調整電極は対向電極及び/又はエミッタ電極に対する制御された静電電圧が印加されるよう構成されている
含み、
粒子ソースはエミッションモードで作動可能であり、エミッションモードでは、エミッタ電極と対向電極の間に電圧が印加されて、エミッション方向に沿って粒子ソースから出射する荷電粒子が生成され、
粒子ソースは、更に、第1クリーニングモードで作動可能であり、第1クリーニングモードでは、
・ガスはソース空間内において予め設定された圧力値に保持され、その間、エミッタ電極と対向電極の間に電圧が印加され、その際、対向電極において荷電粒子によって生成される二次電子はソース空間内の当該ガスの粒子をイオン化して、イオン化ガス粒子を生成し、及び、
・調整電極の少なくともいずれかに静電ポテンシャルが印加されて、前記イオン化ガス粒子をエミッタ面に指向させる電界が生成される(形態1・第1基本構成)。
本発明の第2の視点により、
荷電粒子のビームによる露光によってターゲットの処理又は検査をするための荷電粒子マルチビーム装置が提供される。この荷電粒子マルチビーム装置は、
・照明システム、
・パターン規定装置、及び、
・投射光学システム
を含み、
該照明システムは本発明の荷電粒子ソースを含む(形態11:第2基本形態)。
本発明の第3の視点により、
エミッタ電極と対向電極の間に電圧を印加することによりエミッション方向に沿って荷電粒子、とりわけ電子を放出するよう構成された荷電粒子ソースのエミッタ電極のインサイチュ(in-situ)クリーニング方法が提供される。この方法は、
・エミッタ電極と対向電極との間に位置付けられたソース空間内のガスの圧力を調節し、及び、エミッタ電極と対向電極との間に電圧を印加すること、その際、該対向電極において荷電粒子によって生成された二次電子はソース空間内の当該ガスの粒子をイオン化して、イオン化ガス粒子を生成すること、及び、
・エミッタ電極と対向電極との間に配置された調整電極(複数)に静電ポテンシャルを印加して、当該イオン化ガス粒子をエミッタ面に指向させる電界を生成すること、
を含む(形態12・第3基本構成)。
本発明の第4の視点により、
荷電粒子ソースのエミッタ電極のインサイチュクリーニング方法が提供される。この方法は、
・荷電粒子ソースのソース空間内のガスの圧力を調節すること、
・荷電粒子ソースのエミッション方向に対する横方向に沿ってソース空間内へエネルギ放射線を照射すること、但し、該エネルギ放射線は、プラズマを得るために、ソース空間内の当該ガスの粒子をイオン化可能であること、及び、
・エミッタ電極と当該エミッタ電極のための対向電極との間に配置された調整電極(複数)に静電ポテンシャルを印加して、当該プラズマを当該エミッタ電極のエミッタ面に指向させる電界を生成すること、
を含む(形態13・第4基本構成)。
本発明の好ましい形態を以下に示す。
(形態1)上記第1基本構成参照。
(形態2)形態1の荷電粒子ソースは、更に、ガスイオン化装置を含み、該ガスイオン化装置はエネルギ放射線をソース空間内へ照射するよう構成されており、該エネルギ放射線は、プラズマを得るために、ソース空間に存在する又はソース空間に供給される前記ガスの粒子をイオン化することが可能であり、
荷電粒子ソースは第2クリーニングモードで作動可能であり、第2クリーニングモードでは、ガスイオン化装置はソース空間内のガス中にプラズマを生成するよう作動され、その間、当該プラズマをエミッタ面に指向させるよう、調整電極(複数)の選択された調整電極間に電圧が印加されることが好ましい。
(形態3)形態2の荷電粒子ソースにおいて、前記エネルギ放射線は電子を含み、及び、前記ガスイオン化装置は当該電子をソース空間内へ、好ましくはエミッション方向に対する横方向に、注入するよう構成された電子銃であることが好ましい。
(形態4)形態2又は3の荷電粒子ソースにおいて、前記ガスイオン化装置は、エミッション方向に対する横方向に沿ってソース空間内へエネルギ放射線を照射するよう構成された、中空カソード型電子銃であることが好ましい。
(形態5)形態1~4の何れかの荷電粒子ソースにおいて、エミッタ電極と対向電極の間に電圧が印加されている間に、第1クリーニングモードでの運転中にイオン化されるべき1又は2以上のガス種をソース空間内へ供給するよう構成されている圧力調節装置を更にに含むことが好ましい。
(形態6)形態1~5の何れかの荷電粒子ソースにおいて、エミッタ電極に対する異なる静電ポテンシャル(複数)が印加可能な調整電極の数は少なくとも2つ、好ましくは5つまで、より好ましくは4つであることが好ましい。
(形態7)形態1~6の何れかの荷電粒子ソースにおいて、調整電極の少なくとも2つは分割電極として構成されており、該分割電極の各々は少なくとも2つの、好ましくは4つの部分円環状(扇状:sectorial)電極から構成されており、該少なくとも2つの部分円環状電極は夫々異なる静電ポテンシャルが印加されるよう構成されていることが好ましい。
(形態8)形態7の荷電粒子ソースにおいて、荷電粒子ソースは、エミッタ面の特定の領域(複数)にイオン化粒子を指向させるために、クリーニングモード中に前記分割電極を使用するよう構成されていることが好ましい。
(形態9)形態7又は8の荷電粒子ソースにおいて、荷電粒子ソースは、対向電極と、分割電極を含む調整電極との静電ポテンシャル(複数)によって、エミッタ面に衝突するイオン化粒子の強度(intensity)を調節するよう構成されていることが好ましい。
(形態10)形態1~9の何れかの荷電粒子ソースにおいて、荷電粒子ソースは、更に、エミッタ電極と調整電極との間に、好ましくはエミッタ電極のより近くに配置されるヴェーネルト(Wehnelt)タイプの制御電極を含み、
該制御電極は、エミッタ電極に対する対向電極の電圧と反対のエミッタ電極に対する制御電圧が印加されるよう、かつ、前記エミッション方向に沿ってエミッタ電極の下流側の位置に制御アパーチャを有するよう構成されていることが好ましい。
(形態11)上記第2基本構成参照。
(形態12)上記第3基本構成参照。
(形態13)上記第4基本構成参照。
(形態14)形態12又は13の方法において、少なくとも2つの調整電極がエミッタ電極と対向電極の間の空間に設けられ、該調整電極の各々は分割電極として構成され、該分割電極の各々は少なくとも2つの、好ましくは4つの部分円環状電極から構成され、該部分円環状電極は、エミッタ面の特定の領域(複数)へイオン化粒子を指向させるために、夫々異なる静電ポテンシャルが印加されることが好ましい。
(形態15)形態12~14の何れかの方法において、関連する調整電極の電圧はステップ状に時間変化され、各ステップについて調整電極の電圧は夫々の持続時間にわたって維持されることが好ましい。
上記の目的は荷電粒子ソースによって対処される。該荷電粒子ソースは、冒頭に記載したコンポーネントに加えて、
・エミッタ電極と対向電極の間のソース空間を包囲するよう配置された少なくとも2つの調整電極、但し、各調整電極は(基準点として何れが選択されるかに依存して)対向電極及又はエミッタ電極に対する制御された静電電圧が印加されるよう構成されている、及び、
・圧力調節装置、但し、該圧力調節装置はソース空間内のガスの圧力を制御するよう構成されている、
を含み、
粒子ソースは、エミッタ電極と対向電極の間に電圧が印加されてエミッション方向に沿って粒子ソースから出射する荷電粒子が生成されるエミッションモードで作動可能であるのみならず、第1クリーニングモードでも作動可能である。但し、第1クリーニングモードでは、ガスはソース空間内において予め設定された圧力値に保持され、その間、エミッタ電極と対向電極の間に電圧が印加され、その際、対向電極において荷電粒子によって生成される二次電子はソース空間内の当該ガスの粒子をイオン化して、イオン化ガス粒子を生成し、及び、調整電極の少なくともいずれかに静電ポテンシャルが印加されて、これらのイオン化ガス粒子をエミッタ面に指向させる電界が生成される。ソース空間内に存在するガスは、例えば、場合によっては(例えばMFC又はその他の適切な調量(metering)装置を含む)圧力調節装置の制御下で、1つのガスソース(又は複数のガスソース)から供給されるガスであってもよく、又は、残留ガスを含む、雰囲気(大気)からのガスであってもよい。
換言すれば、第1クリーニングモードに対応するクリーニング方法は、
・荷電粒子ソースのソース空間内のガスの圧力を調節し(既述の通り、ガスは雰囲気ガスであってもよく又は何らかのガスソースから供給されてもよく、場合によっては圧力調節装置を介して供給されてもよい)、及び、エミッタ電極と対向電極との間に電圧を印加すること、その際、該対向電極において荷電粒子によって生成される二次電子はソース空間内の当該ガスの粒子をイオン化して、イオン化ガス粒子を生成すること、及び、
・エミッタ電極と対向電極との間に配置された調整電極(複数)に静電ポテンシャルを印加して、当該イオン化ガス粒子をエミッタ面に指向させる電界を生成すること、
を含む。
この方策は、荷電粒子ソース内におけるクリーニングの効率的な実行を提供する。更に、この方策は、ソース環境内に存在する荷電粒子の軌道の生成、抽出及び/又は制御のための効率的なツールを提供する。イオン化ガス粒子は、例えばスパッタリング(バックスパッタリング)及び/又はエッチング作用によって、エミッタ表面から物質を除去するためにエミッタ表面に指向される。クリーニングモードでは、ソース空間内におけるガス種のイオン化は、エミッタ表面から生成されるような一次ビーム放射から部分的に又は完全に分離されている(decoupled)。上記の第1クリーニングモード(これは「ソフトクリーニングモード」とも称される)では、イオン化は、一次ビーム放射の粒子によって衝突された結果として対向電極及び場合によっては(以下において説明する調整電極のような)ソース空間の周囲にある他のコンポーネントにおいて放出される二次電子によって促進される。
かくして、本発明は、クリーニングプロセス中におけるソースの運転(作動)のパラメータに関するより大きな自由度を提供し、及び、イオン化放射線のエネルギを、所望のクリーニング結果、イオン化が行われるソース空間内の優先的部位及び究極的にはソース空間内に存在するガス種のイオン化速度(イオン化率)を達成するために、エミッタ面の効率的なクリーニングの達成に好適な処理パラメータにより良好に調節することを可能にする。かくして、エミッタ面におけるスパッタリング速度の制御が改善される。イオン化速度は、例えば、Y.-K. Kim & M. E. Rudd の論文“Binary-encounter-dipole model for electron-impact ionization”, Phys. Rev. A 50, 3950 (1994) に提示されているbinary-encounter-dipole modelに基づいて調節可能である。本発明のソース設定は、(周囲)環境からの残留ガスのような不測に存在する粒子種を含む、ソース空間に存在する荷電粒子の軌道の改善された制御を可能にする。
本発明の好ましい一発展形態によれば、荷電粒子ソースは、更に、ガスイオン化装置を含み、該ガスイオン化装置はエネルギ放射線をソース空間内へ照射するよう構成されており、該エネルギ放射線は、プラズマ(弱くイオン化された即ち例えば少なくとも1%のイオン化度を有するプラズマで充分である)を得るために、ソース空間に存在する及び/又はソース空間に供給される前記ガスの粒子をイオン化することが可能であり、荷電粒子ソースは第2クリーニングモードで作動可能であり、第2クリーニングモードでは、調整電極(複数)の選択された調整電極間に電圧が印加され、その間、ガスイオン化装置はソース空間内のガス中にプラズマを生成し、そのようなプラズマをエミッタ面に指向させるよう作動される。
換言すれば、この第2クリーニングモードに対応するクリーニング方法は、
・荷電粒子ソースのソース空間内のガスの圧力を調節すること、これは、場合によっては、ガスを荷電粒子ソースのソース空間内へ供給することを含む、
・エネルギ放射線(energetic radiation)(例えば電子)を、好ましくはエミッション方向に対する横方向に沿って、ソース空間内へ照射すること、但し、該エネルギ放射線は、プラズマを得るために、ソース空間内の当該ガスの粒子をイオン化可能であること、及び、
・エミッタ電極と対向電極との間に配置された調整電極(複数)に静電ポテンシャルを印加して、当該プラズマをエミッタ電極のエミッタ面に指向させる電界を生成すること、
を含む。
第2クリーニングモードによって、荷電粒子ソースにおける他の極めて効率的なクリーニングプロセスが提供される。プラズマは、例えばスパッタリング及び/又はエッチング作用によって、エミッタ面から物質を除去するためにエミッタ面に指向される。このクリーニングモードにおいても、ソース空間におけるガス種のイオン化は、エミッタ面によって生成されるような一次ビーム放射から分離される(decoupled)。
とりわけ、エネルギ放射線は電子を含むことが可能であり、ガスイオン化装置は当該電子をソース空間内へ、例えばエミッション方向に対する横方向に、注入するよう構成された電子銃である。特別に有利な一実施形態では、ガスイオン化装置は、エミッション方向に対する横方向に沿ってソース空間内へ(電子のような)エネルギ放射線を照射するよう構成された、中空カソード型(hollow-cathode)電子銃である。
更に、本発明の多くの有利な実施形態では、圧力調節装置それ自体がガスをソース空間内へ供給することができる。従って、圧力調節装置は、好ましくは及びとりわけクリーニングモード運転(処理)中にエミッタ電極と対向電極の間に電圧が印加されている間に、第1クリーニングモードでの(及び、可能であれば、第2クリーニングモードでの)運転中にイオン化されることが想定される1又は2以上のガス種をソース空間内へ供給することが可能である。代替的に又は組み合わせで、圧力調節装置は、少なくとも1つのガス種をソース空間内へそのように注入されるガス種の予め規定された圧力で供給するよう構成されることができる。
エミッタ電極に対する異なる静電ポテンシャル(複数)が印加可能な調整電極の数は好適に選択されることができる。即ち、典型的にはこの数は2から5であり、好ましくは4である。
クリーニングプロセスを更に改善するために及びクリーニングされるべき部位のより良好な制御を可能にするために、調整電極の少なくとも2つは分割電極として構成され、該分割電極の各々は少なくとも2つの、好ましくは4つの部分円環状(扇状:sectorial)電極から構成され、該少なくとも2つの部分円環状電極は夫々異なる静電ポテンシャルが印加されるよう構成されていると、有利である。更に、これらの分割電極は、イオン化粒子をエミッタ面の特定の領域(複数)に指向させるためにクリーニングモード中に使用可能である。代替的に又は組み合わせで、分割電極(複数)は、対向電極と分割電極を含む調整電極の静電ポテンシャル(複数)によって、エミッタ面に衝突するイオン化粒子の強度(intensity)を調節する(tune)よう構成されることができる。
クリーニングプロセスの更なる改善を、とりわけ均一性の向上を、達成するために、関連する調整電極(複数)の電圧を時間変化させることは有益である。これはステップ状の態様で行うことが可能であり、この場合、各ステップについて調整電極の電圧は夫々の持続時間にわたって維持される。電圧レベル及び関連する持続時間は、クリーニング処置の所望のプロファイルを達成するために適切に選択される。
本発明の荷電粒子ソースは、更に、ヴェーネルト(Wehnelt)タイプの制御電極を含む。このヴェーネルト電極は、エミッタ電極と調整電極との間に、好ましくはエミッタ電極のより近くに、配置される。該制御電極は、エミッタ電極に対する対向電極の電圧と反対のエミッタ電極に対する制御電圧が印加されるよう、かつ、エミッション方向に沿ってエミッタ電極の下流側の位置に制御アパーチャを有するよう構成される。
本発明の荷電粒子ソースは、荷電粒子のビームによる露光によるターゲットの処理又は検査のための荷電粒子マルチビーム装置であって、本発明に応じた荷電粒子ソースを含む照明システムと、パターン規定装置と、投射光学システムとを含む荷電粒子マルチビーム装置における使用に格別に好都合である。
以下に、本発明を更に説明するために、図面に示した例示的かつ非限定的な実施形態について説明する。
本発明の好ましい第1実施形態に応じた荷電粒子ソース。 図1の荷電粒子ソースのガスイオン化装置の一例の詳細図。 図1の荷電粒子ソースが好適に組み込み可能な従来技術(技術水準)のリソグラフィシステムの一例の縦断面図。 従来技術のパターン規定(画定)装置の一例の縦断面図。 図1の荷電粒子ソースに使用される1つの分割電極の一例の斜視図。 図1の荷電粒子ソースに使用される1つの分割電極の一例の平面図。 荷電粒子ビームを放出するエミッションモードに応じた図1の荷電粒子ソースの動作例。 第1クリーニングモードに応じた図1の荷電粒子ソースの動作例。 第2クリーニングモードに応じた図1の荷電粒子ソースの動作例。 荷電粒子ソースのエミッタ面にイオンをフォーカスすることを含む、第2クリーニングモードの一変形例。 荷電粒子ソースのエミッタ面上に(面にわたって)イオンを偏向することを含む、第2クリーニングモードの一変形例。 異なる電圧が調整電極に印加された場合についての、エミッタ面におけるイオンランディング分布例。 異なる電圧の時間依存印加によって生成される、エミッタ面におけるイオンランディング分布例。 -2000Vの調整電極電圧の場合において異なるフォーカス状態の場合についての、エミッタ面におけるイオンランディング分布例。 デフォーカスビームを用いた第2クリーニングモードの作動(実行)中のサブ電極(複数)の四極子(クアドラポール:quadrupole)構成の一例。 ビームの横シフトを達成するための第2クリーニングモードの作動中のサブ電極(複数)の双極子場(dipole field)構成の一例。
以下に与える本発明の例示的実施形態(実施例)の詳細な説明は本発明の基本的コンセプト及び更なる有利な発展形態を開示する。例示的実施形態は電子ソース(電子源)に関するものであるが、このソースを用いて均一な電流密度を有する荷電粒子ビームを生成する及びメンテナンス処理中に物理的スパッタリング及び/又は化学的エッチングによってカソード面のコンディションを調整する方法をも説明する。本発明の特定の適用に好適であると認められるものとして本書において説明される実施形態(複数)の幾つか又はすべてが任意に組み合わせられることは、当業者には明らかであろう。本開示全体を通して、「例えば」、「有利な」、「例示的な」又は「好ましい」のような用語は、本発明又はその一実施形態にとりわけ好適である(但し本質的ではない)要素又は寸法を示しており、明示的に要求されている(不可欠とされている)場合を除き、当業者によって好適であると認められる限りにおいて修正されてもよい。本発明は、以下において説明される、本発明の例示的説明目的かつ単なる現時点における好適な具現化のために与えられている例示的実施形態には限定されないことは明らかであろう。
図1は、本発明の好ましい一実施形態に応じた荷電粒子ソース、より具体的には電子ソース100を、エミッション方向eに一致するソースの中心軸に沿った縦断面を模式図で示す。
電子ソース100は、上記エミッション方向eに沿って電子を放出するよう構成されているエミッタ面111を有するカソード101と、ヴェーネルト(Wehnelt)シリンダ102と、アノード103とを含み、アノード103はエミッション方向eが当該アノードを貫通通過する部位にアパーチャ113を有する対向電極として役立つ。カソード101、ヴェーネルト102及びアパーチャアノード103の好適なレイアウト(複数)は当業者には周知である。ソースはハウジング120内に配置され、ハウジング120は、ソースを装置1のハウジング2に結合することを可能にし、及び、それ自身の真空ポンプシステム121に結合されている及び/又は装置1の真空システムによって真空に保持される。ソース100の電極に適用(印加)される電気ポテンシャル(電位)は電圧供給ユニット157によって提供される;電極の電気ラインは一般的に理解されるものであり、図面のより良い明瞭性(視認性)のために図示されていない。
更に、本発明に応じたインサイチュ(in-situ)クリーニングを可能にするために、電子ソース100には、雰囲気レギュレータ(AR)とも称される圧力調節装置104と、複数の調整電極106、107、108、109が設けられている;付加的に、ガスイオナイザ(GI)と称されるガスをイオン化する装置105を設けることも可能である。
図示の例示的実施形態では、AR104は、1つ又は2つ以上のガス種のためのガス供給器140と、1つ又は2つ以上の質量流量コントローラ(MFC)141、142と、真空ポンプシステム143(これは真空ポンプシステム121から離隔(分離)されているのが好ましい)と、ガス圧センサ144とを含み、及び、ガス(複数)をガス供給ライン145及びGI105を介してソースチャンバ内へ供給する。ソースハウジング120内のガス圧センサ144のアパーチャ148(これは真空ポンプシステム143とハウジング120とのポンプ結合(部位)から十分に離隔されているのが好ましい)は、有利には、ソース空間110の圧力の適切な測定が可能になるように、好ましくはエミッタ面111に近接する領域に、配置されている;例えば、アパーチャ148は、ソース空間110の丁度外側の、カソード101と、第1調整電極106のような、ソース空間に関して隣の電極との間に位置付けられることができる。MFC141、142は、ガス供給器140からソース空間に供給されるガスの量を制御する。AR104は、ソース空間の圧力を調節し、及び、1つ又は2つ以上のガス種をソースチャンバ内へ、制御された態様で、注入するために役立つ。かくして、AR104は、アノードとカソードの間の荷電粒子ソースの空間内へ或る雰囲気を導入及び調節することを可能にする。ガス供給器140は、ガスボトルのような供給源から供給される特定のガス及び/又は大気ガス(空気ないしエア)のような周囲環境から得られるガスを提供することも可能である。他の例示的実施形態(不図示)では、ARは、それ自身のガス供給器を有していなくてもよく、この場合、ARは、大気ガス又はソースの先のオペレーションからの残留ガスによって作動し、これらのガスは、例えば上記真空ポンプシステムによって、所望の圧力に制御される。
図1aを参照すると、GI105は、(1つ又は2つ以上のMFC141及びガス供給ライン145を介して)ARによって注入されたガスをイオン化し、かくして、ソース100の電極によって加速可能なプラズマを生成するよう構成されている。例えば、不可欠なことではないが、GIは、ソース装置に付加的に取り付けられ、その放出する電子の配向が電子ソースの軸eに対し実質的に直角をなす中空カソード電子銃であってもよい。図示の例示的実施形態では、GI105は、中空カソード151と、リング型アノード152とを含み、これらは夫々絶縁管153の何れか一方の端部に配置されている;絶縁管153内における放電の結果として生成するプラズマ154は、リング型アノードの開口部155を介してGI105から離脱し(外に出て)、ソースチャンバのソース空間内に到達することができる。GI105は、更に、軸eに関し開口部155の反対側の位置に位置付けられたコレクタ電極156を含む。コレクタ電極156の電圧は、例えばリング型アノード152に対して凡そ500Vであるが、その正確な値は所望のプロセスパラメータに調整(適合)可能である。GI105は、GI105を介して供給されるガスがカソード101から所定の距離だけ離れた位置において、例えば調整電極(複数)間の領域において、好ましくは(上流側から見て)最後の2つの調整電極108と109の間の領域において、ソース空間110に入るよう位置付けられる。
AR104のMFC142(複数)の幾つか又はすべては(とりわけGI105が省かれる場合)、例えば接続口147を介することにより、GIをバイパスしてソースの内部に接続されることも可能である。この「第2の」タイプの1つ又は2つ以上のMFC142は、ガスの付加的な調節可能なフローをソース空間内へ提供するためにガスを供給するために使用されることができる。接続口147は、調整電極106~109のうちの2つの間のような、ソース空間110内の好適なガス構成(組成:configuration)を確保するために好都合な部位に配置されることが可能である。図示の例示的実施形態では、接続口147は、GI105が位置付けられている電極の前方(上流側)に、より具体的には電極107と108の間に配されている。
既述のように、荷電粒子ソース100は、複数の(とりわけ少なくとも2つの)調整電極106、107、108、109を含む。これらの調整電極は、例えば、誘電性ギャップ(dielectric gaps)によって離隔されている導電性プレート(複数)として構成(実現)される。ソース100の電極(複数)は、個別の電極のために必要な静電ポテンシャルを提供する電圧供給ユニット[112]に電気的に接続されている;しかしながら、図面の見易さの観点から、電圧供給ユニット[112]からソース100内の複数の電極に至る電気接続ラインは図示されていない。
更に、異なるタイプの荷電粒子の軌道を修正及び/又は制御するために、電極106~109の幾つかは、誘電性ギャップによって離隔された2つ又は3つ以上の扇形の(ないし部分円環状の:sectorial)サブ電極によって構成される分割電極(split electrodes)として構成される。
図4aと図4bは、4つのサブ電極61、62、63、64に分割されている分割電極60の1つの例示的レイアウトを示す。1つの各自の分割電極のサブ電極(複数)は、好ましくは、同じ扇状(ないし部分円環状)の形状を有するが、軸eに関し同じ軸方向位置(の面)内の異なるアジマス(方位角)範囲に配されるプレートである。サブ電極61~64は、適切な誘電性材料からなる絶縁ギャップスペーサ(isolating gap spacers)65によって接合された、全体としてリング状の分割電極60に組み合わされる。このため、分割電極は、「モノポール」レジーム(regime)に加えて、「マルチポール」モードの実行を可能にする。モノポールレジームとは、ここでは、1つの電極のすべてのプレートが同じ電気ポテンシャル(電位)を共有する状態として定義されるものであり、これに対し、マルチポールレジームにおいては、複数のプレートは、通常、異なる電気ポテンシャルが印加されるものである。サブ電極(複数)は電圧供給(ユニット)に接続されており、そのため、これらは個別の静電ポテンシャルによって電気的にバイアスされることができる;適切な場合には、これらのサブ電極は、対毎に又は1つの共通の電気ポテンシャルにバイアスされることも可能である。1つの分割電極を構成するプレートの数は、ソース100及び処理装置1に課せられる要求(条件)に関して適切であるように変更可能である;典型的な適切な値は2つ~8つである。強調すべきことは、電圧供給ユニット[112]は、分割電極106~109の異なるサブ電極61~64、カソード/アノード101、103及びヴェーネルトシリンダ102において異なる電気的バイアスを適用(印加)することが可能であるように設計されている高電圧源であることである。従って、分割電極106~109は、四極子(quadrupole)レンズ又は静電偏向器のような、一般的に、軸eに関する回転対称性に従わない電界を生成可能なより複雑な構成要素として作動することが可能である。
図示の例示的実施形態では、電極は実質的にリング状に構成されている;他の具現化例では、電極の形状はより複雑に構成されることが可能である。好適な寸法の例は以下のとおりである:調整電極の内半径は0.5mmから1.0mmまでの範囲内であることが可能である。軸eに沿った各電極の物理的寸法(厚さ)は0.5mmから3mmの範囲内で選択される。電極間の間隔は1mmから2mmまでの値に設定される。これらの寸法は、すべての電極について同じであることも、電極毎に異なることも可能である。電極の数及び電極の寸法に依存して、ソース空間全体の長さは4mmから37mmの範囲とすることができる。サブ電極は、好ましくは、チタン、モリブデン又は316Lステンレススチールのような導電性材料によって構成され、他方、誘電性ギャップは0.1mmから0.5mmの範囲にある;誘電性ギャップは、(「空の(empty)」)空間として構成されることも可能であり又は加工された(machined)マコール(Macor;登録商標)、Al又はその他のセラミックスで充填されることも可能である。
以下に、電子ソース100の種々異なる作動形態(「オペレーションモード」とも称される)を説明する。オペレーションモードは、一般的に、ソース中の平均圧及び雰囲気組成、ソースの個別コンポーネントに印加される電気ポテンシャルを含むパラメータ(複数)によって特定される。特段の明示がない限り、電極の電圧値は、対向電極として動作するアノード103のポテンシャル(電位)に関するポテンシャル差(電位差)として理解されるものである;このポテンシャルはグランドポテンシャル(グランド電位)とも称される。(1つの)コンポーネントの「バイアス(bias)」なる用語は、この意味で、アノードに対し相対的な当該コンポーネントに印加される電気ポテンシャルを指すものとして理解されるものである。
図5は、「エミッションモード」と称される、ソース100の1つの主要オペレーションモードを示す。このモードでは、ソースは、(カソードとアノードの間の電圧によって規定される)所与の運動エネルギを伴ってカソード101のエミッタ面111から出発しエミッション方向eに沿って進行するワイド(広幅)電子放射を生成する。この場合、大きな負のバイアスが電力供給ユニット157によってカソード101に供給される。より具体的には、一般技術水準に応じて、電子放射線158は、熱電子放出、電界放出又はショットキー効果を利用する関連機構によってカソード101に生成され、ヴェーネルトシリンダ102を介してフォーカスされる。カソードをバイアスする加速電圧の典型的な値は0.1~50kVの範囲にある。更に、分割電極106~109は、負に荷電された電子のための抽出ポテンシャルを提供するためにカソードに対してバイアスされ、ビーム運動エネルギを所望の値に調節し、付加的にコリメーション(平行化)を行い、最終的に電子をアパーチャに指向させる。分割電極は、このオペレーションモードではモノポールとして動作する。対向電極103のアパーチャ113は放射線158の不所望の部分を遮断する。エミッションモードは、例えば電子マルチビーム処理装置における処理中に、使用されることができる。エミッションモード中には、負荷電粒子即ち電子のみが、本発明に応じたソースについてのこの実施形態において意図的に生成される。チャンバは、雰囲気レギュレータユニットによって凡そ1.0×10-7Paの一定の圧力に維持される。
図6は、ここでは第1クリーニングモード又は「ソフト(soft)クリーニングモード」と称される他のオペレーションモードを示す。このモードは、カソードによって放出された放射線との制御された相互作用によって生成される正荷電イオン粒子を生成し、カソードに指向させるよう作動される。特定の化学的性質のガスはAR104を介してチャンバ内に導入されるが、その間、チャンバ内の圧力は予め設定された値、例えば凡そ8.0×10-4Paに維持される。ガスの化学的性質は、カソード101のエミッタ面111において必要とされる処置のタイプに依存して、アルゴン(Ar)のような単一ガス種から又はArとフッ素(F)のような2又は3以上のガス種から構成されることが可能である。例えば、フッ素は六フッ化硫黄(SF)のような好適な前駆体の形で供給されることができる;必要とされるクリーニングプロセスに依存して、キセノン(Xe)のような他の好適なガス種も使用可能であり、又は、水素/窒素混合物(フォーミングガス)のようなガス混合物も使用可能である。複数の分割電極のうちの2つ、例えばカソード101及びヴェーネルト102から尤も遠くに位置する電極108及び109は、モノポールモードで動作し、それら自体が、ガス混合物の主要イオン化エリアを規定し、荷電分離のための条件を与える。一例として、電極108及び109は、一般的に、0(即ちグランドポテンシャル)とカソード101のポテンシャルのモジュラス(即ち絶対値)との間の範囲内で動作可能である。更に、電極106、107は、カソードからの放射線の抽出及びカソードに向かって進行する荷電粒子の整形(shaping)の機能を提供する。従って、典型的なシナリオでは、電極106はグランドポテンシャル(即ち電極103のポテンシャル)にあり、電極107はカソード101のポテンシャルの負の(マイナスの)モジュラスから正の(プラスの)モジュラスにわたる範囲において選択されるポテンシャルで動作可能である。更なる例は以下において図10~図12に関連して与えられる。
分割電極プレートに対する主要イオン化エリアの幅及び位置は分割電極自体に印加されるバイアスを変化することによって調節可能であることは、当業者には明らかであろう。ここで、カソードは、エミッションモードについて説明したようにバイアスされると、軸eの周りの領域においてソースチャンバ内に導入されたガス混合物を部分的にイオン化する電子168を放射する。この領域はイオン化エリアと称され、ドットハッチエリア160として図示されている。それにも拘らず、ガス混合物分子のイオン化速度(イオン化率)は―実質的にエミッション方向eに沿って進行している電子168によって引き起こされるが―電子は高エネルギ(例えば5keV)であるが故に寧ろ低い(その説明として、例えば前掲 Kim & Rudd 参照)。従って、イオン化エリア160におけるガス混合物イオン化速度は、ソースコンポーネント(例えば電極その他の金属パーツ)がカソードから到来する一次電子168のビームによって衝突されるならば、該ソースコンポーネントから放出される二次電子169によって向上されることができる。従って、残りの(それ以外の)分割電極はマルチポールモードで動作することができ、例えば、電子放射線が予め規定された位置でソースチャンバの内壁に衝突して二次電子を生成しかつイオン化速度を向上するよう電子放射線を整形しかつ指向させる(方向付ける)ために基本的四重極静電レンズ又は静電双極子を形成することができる。イオン化エリア及び二次電子源位置は、イオン化ガス混合物分子161が加速されて軸eに沿ってカソード101のエミッタ面111に戻るよう、規定される。有利には、分割電極106~109の1つ又は幾つかはモノポールモードにおいて静電的にバイアスされることができ、それによって、ソースに向かって進行するイオンのための付加的なフォーカシングエレメントとして動作すること、及び、それ自体でイオンランディング分布を修正することができる。
ソフトクリーニングモードの一例は以下のとおりである:カソード101は対向電力103に対して-5kVに設定され、電極108及び109は、電極108の位置と電極109の位置の間の空間に主要ガスイオン化エリア160を規定するために、夫々、グランドポテンシャル及び+2.5kVに設定される。そして、電極106はグランドポテンシャルに設定され、電極107は、軸eに沿ってエミッタ面111に向かって移動する荷電粒子161のためのフォーカシング/デフォーカシング電極として使用されることができる。
図10は、図10の(右上隅の)挿入図に示されているような第2分割電極107の電圧の3つの異なる値についてのカソード半径(軸eからの距離)の関数としての軸eに沿ったエミッタ面位置におけるイオンのランディング(入射密度)分布を示す。図示のランディング分布は、数値シミュレーションから得られる結果であり、夫々のランディング分布の最大値に対して正規化されている。エミッタ面111のポテンシャル範囲は両方向矢印Wによって示されている。図10から明らかなとおり、電極107に印加される電圧が-0.5kV[-500V]から-2kV[-2000V]に変化されると、イオンランディング(密度)分布、従ってイオン処置の強度は、エミッタ面の境界部付近で大きい分布から中心にピークを有する分布に向かって移行する。このことは、調整電極の電圧は、イオン処置がエミッタ面の周縁部、半径方向中間部及び中心部に適用可能であるように、イオン処置の位置の調節を可能にすることを示している。生成されたイオンは、これらの正電荷の故に、分割電極間の電気ポテンシャル差によってカソードに指向される。
スパッタリング及び/又は化学エッチングによって、衝突するイオンがカソードの表面をクリーニングする。ソフトクリーニングモードは、ソースが例えば電子マルチビーム処理装置の部分である場合の適用において有利であり、当該装置のコンディショニング処置として又はそのメンテナンス中に使用可能である。チャンバ内における全体的な低イオン密度は、1A/s未満の遅いスパッタリング速度をもたらす。そのような遅いスパッタ速度は、例えばカソードの再生は必要とされるが、当該カソードの大きな浸食(エロージョン)は望まれず、従って、スパッタリング処理の精細な制御を必要とする場合において、有利に採用される。
更なる1つのバリエーションでは、図11を参照すると、クリーニング方法は、調整電極の電圧を時間についてステップ状に変化することによって更に改善されることができるが、この場合、時間ステップは、生成される電界が当該時間ステップ内においてソース空間に存在するすべての荷電粒子に対し静的(static)であるとみなされることができるように適切に選択される。時間に対する電圧のそのようなステップ状変化は、個別に固定された電圧設定(setting)の各々の変化する局所的強度を平均化することによって、エミッタエリアにわたるクリーニングの効果を均一化することを可能にする。
図11は、種々の期間即ち350s、300s、100s、100s、110s、75sについて電極107に印加される6つの異なる電気ポテンシャル構成(即ち夫々0.25kV、0.5kV、0.75kV、1.00kV、1.25kV、1.75kV)を用いて得られた複数の時間加重(重みづけ)イオンランディングプロファイル(点線)と、これらの時間加重プロファイルの和に相当する累積イオンランディングプロファイル(実線)を示す。これらのプロファイルのすべてにおいて、カソード101は対向電極103に対し-5kVに設定されており、電極109は+2.5kVに設定されており、電極106、107、108はグランドポテンシャルに固定されている。プロファイル曲線の縦軸は累積プロファイルの最大値に正規化されている。図11から容易に分かるように、累積プロファイルは(両方向矢印Wによって示されている)エミッタ面の大部分にわたってプラトー状の最大値mを達成している。図11に示されている種類の処置は、1A/sの最大スパッタリング速度を考慮すると、最大100nmの結晶面の浸食をもたらすであろう。従って、この例では、処置の1035s以内に即ち凡そ17分以内に、第1の汚染層が、結晶のバルク(本体)が大きく浸食されることなく、クリーニング/除去される。
図7は、ここでは第2クリーニングモード又は「ハードクリーニングモード」と称される更なるオペレーションモードを示す。アルゴン(Ar)又は他の好適なガス混合物から形成されるガス175の制御されたフローは、第1クリーニングモードに関連して上述したようにAR104によってチャンバ内に導入される。このモードでは、カソード101は放射線を放出せず、ソースの光軸に対し平行にカソードに向かって移動するように正荷電粒子を引き付けるよう、印加静電バイアスが選択される。全体構成は第1クリーニングモードに類似するが、カソードから放出される二次電子エミッションないし放射によってというよりも寧ろ、GI105によってガス175が専らイオン化されるという点において大きく相違する。電子は、イオン化エリアと称されかつドットハッチエリア170として図示されている軸eの周りの領域をソースの軸eに対し実質的に直角をなす経路に沿って横断するよう、GI105によってコレクタ電極156に向けて放出される。従って、電子はAr分子をイオン化してエミッタ面111に向かうイオンフラックス171を形成する。かくして、電子はイオンのイオン化のためにのみ使用されるので、分割電極は後者のタイプの粒子即ち「ハードクリーニング」のために使用されるイオンのみの軌道に影響を及ぼすであろう。GIによって放出されるイオン化電流(Ie)及びイオン化エネルギ(Ei)は、ガス分子のイオン化速度を最大化するために、従来技術において既知の方法(例えば上掲Kim & Rudd参照)に応じて調節可能である。一般的に、ソフトクリーニングモードにおけるスパッタリング速度よりも10~20倍までより大きいスパッタリング速度を得るために、イオン密度が調節される。Ie/Ei及びスパッタリング速度の調節方法の更なる詳細については、当業者一般的知識に属するものであって、この発明の本質的事項ではないため、ここには記載されない。
イオンは既述のようにこのモードではエミッション方向eに沿って移動する唯一の荷電粒子である一方で、分割電極106~109はレンズ装置として動作するために利用可能であり、この場合、個別の静電ポテンシャルは、エミッタ面上の特定の所望位置に向かってイオンを指向させることを可能にする適切な態様で選択される。これについては図8及び図9に示されている。イオン化エリアにおいて生成されたイオン172は加速されて、軸eに沿って進行するところ、これらのイオンは、図7に示されているようなフラットな分布と図8に示されているようなフォーカスされたスポットとの間の所望のスパッタリング均一性を達成するために、カソード面上においてフォーカス又はデフォーカスされることができる。代替的に又は組み合わせで、図9に示されているように、スパッタリング処理をエミッタ面の特定領域に局所化(限定)するために、イオンを軸eに沿ったその経路から逸らすことも可能である;これは、マルチポールモードで分割電極106、107を作動することによって達成される。
図12は、その位置がまたもや両方向矢印Wによって示されているエミッタ面111におけるスパッタリングスポットのフォーカシング及びシフト(偏向)を示す。3つの例示的イオンランディング分布が図示されているが、これらは、イオン化エリア(図8及び図9参照)内で出発し、軸eに沿ってカソード101に向かって加速されたイオン雲を考慮した数値シミュレーションによって得られたものである;各曲線は夫々の最大値に正規化されている。このシナリオでは、カソード101は対向電極103に対し-5kVにバイアスされているが、ソフトクリーニングモードとは異なり、カソード101はコールドカソードないし冷陰極(即ち荷電粒子放出なし)として動作する。分割電極109及び108には、ソフトスパッタリング処理中におけるものと同じポテンシャルが印加される。図12に示されている3つの曲線は、分割電極108及び107に印加される以下のポテンシャル構成に対応する(この場合も、電圧は対向電極103のグランドポテンシャルに対するものである):
・フォーカスビーム(点線)について:ソフトクリーニングモードの場合と同様に、分割電極106はグランドポテンシャル0kVであり、-2kVのポテンシャルが分割電極107に印加される。この構成を得るために、分割電極106及び107のサブ電極(複数)は(モノポールモードの場合と同様に)同じポテンシャルを共有する。
・デフォーカスビーム(実線)について:ソフトクリーニングモードの場合と同様に、分割電極106はグランドポテンシャル0kVであり、-2kVのポテンシャルが分割電極107に印加される。このモードでは、付加的な四極子場が電極106及び107の夫々のサブ電極661~664及び671~674によって生成される。これについては図13aに示されているが、図中、プラスとマイナスの記号は、四極子場を実現するために印加される電圧であって、(必要とされるデフォーカスの量に依存して適切に選択される典型的な値である)10~20Vのオーダーの、各電極106、107の全体ポテンシャル(0kV/-2kV)に重ね合わされる電圧を表している。電極106に印加される四極子場構成は、電極107に対して90°回転されている。換言すれば、F. Hinterberg の“Ion optics with electrostatic lenses”のセクション8.1に記載されているようなイオン光学補正(ion-optical correction)が適用されている。
・シフトビーム(一点鎖線)について:ソフトクリーニングモードの場合と同様に、分割電極106はグランドポテンシャル0kVであり、-2kVのポテンシャルが分割電極107に印加される。このモードでは、付加的な双極子場が電極106及び107の夫々のサブ電極661~664及び671~674によって適用される。ポール(複数)(ここでいう「ポール(複数)」とは図13bにおけるプレートペア661、664及び662、663と、671、674及び672、673を指称することが意図されている)間の静電ポテンシャル差は、(必要とされるシフトの量に依存して好都合に選択される典型的な値である)10~20Vのオーダーであり、各電極106、107の全体ポテンシャル(0kV/-2kV)に重ね合わされる。電極106に適用される双極子場構成は電極107に対して180°回転されている。
電極(複数)及びこれらのサブ電極の電圧構成は、エミッタ面111のクリーニング処理の更なる好適な構成を達成するために変更可能であることは当業者には明らかであろう。
本発明は以下の付記のようにも記載され得る。
[付記1]
荷電粒子、とりわけ電子を荷電粒子ビームとしてエミッション方向沿って放出するよう構成された荷電粒子ソース。該荷電粒子ソースは、
・荷電粒子ソースを高真空で作動可能にする、真空システムに接続可能なハウジング、
・エミッション方向に沿って特定の粒子種の荷電粒子を放出するよう構成されたエミッタ面を有するエミッタ電極、
・荷電粒子の符号と反対の符号のエミッタ電極に対する静電電圧が印加されるよう構成された対向電極、但し、該対向電極はエミッション方向に沿ったエミッタ面の下流側の位置にエミッタアパーチャを有する、
・エミッタ面とエミッタアパーチャとの間に規定されるソース空間、
・エミッタ電極と対向電極の間のソース空間を包囲するよう配置された少なくとも2つの調整電極、但し、各調整電極は対向電極及び/又はエミッタ電極に対する制御された静電電圧が印加されるよう構成されている、及び、
・圧力調節装置、但し、該圧力調節装置はソース空間に存在するガスの圧力を制御するよう構成されている、
を含む。
粒子ソースはエミッションモードで作動可能であり、エミッションモードでは、エミッタ電極と対向電極の間に電圧が印加されて、エミッション方向に沿って粒子ソースから出射する荷電粒子が生成される。
粒子ソースは、更に、第1クリーニングモードで作動可能であり、第1クリーニングモードでは、
・ガスはソース空間内において予め設定された圧力値に保持され、その間、エミッタ電極と対向電極の間に電圧が印加され、その際、対向電極において荷電粒子によって生成される二次電子はソース空間内の当該ガスの粒子をイオン化して、イオン化ガス粒子を生成し、及び、
・調整電極(複数)の少なくともいずれかに静電ポテンシャルが印加されて、前記イオン化ガス粒子をエミッタ面に指向させる電界が生成される。
[付記2]上記の荷電粒子ソースは、更に、ガスイオン化装置を含み、該ガスイオン化装置はエネルギ放射線をソース空間内へ照射するよう構成されており、該エネルギ放射線は、プラズマを得るために、ソース空間に存在する又はソース空間に供給される前記ガスの粒子をイオン化することが可能である。
荷電粒子ソースは第2クリーニングモードで作動可能であり、第2クリーニングモードでは、ガスイオン化装置はソース空間内のガス中にプラズマを生成するよう作動され、その間、当該プラズマをエミッタ面に指向させるよう、調整電極(複数)の選択された調整電極(複数)間に電圧が印加される。
[付記3]上記の荷電粒子ソースにおいて、前記エネルギ放射線は電子を含み、及び、前記ガスイオン化装置は当該電子をソース空間内へ、好ましくはエミッション方向に対する横方向に、注入するよう構成された電子銃である。
[付記4]上記の荷電粒子ソースにおいて、前記ガスイオン化装置は、エミッション方向に対する横方向に沿ってソース空間内へエネルギ放射線を照射するよう構成された、中空カソード型電子銃である。
[付記5]上記の荷電粒子ソースにおいて、前記圧力調節装置は、エミッタ電極と対向電極の間に電圧が印加されている間に、第1クリーニングモードでの運転中にイオン化されることが想定される1又は2以上のガス種をソース空間内へ供給するよう構成されている。
[付記6]上記の荷電粒子ソースにおいて、エミッタ電極に対する異なる静電ポテンシャル(複数)が印加可能な調整電極の数は少なくとも2つ、好ましくは5つまで、より好ましくは4つである。
[付記7]上記の荷電粒子ソースにおいて、調整電極の少なくとも2つは分割電極として構成されている。該分割電極の各々は少なくとも2つの、好ましくは4つの部分円環状(扇状:sectorial)電極から構成されており、該少なくとも2つの部分円環状電極は夫々異なる静電ポテンシャルが印加されるよう構成されている。
[付記8]上記の荷電粒子ソースは、エミッタ面の特定の領域(複数)にイオン化粒子を指向させるために、クリーニングモード中に前記分割電極を使用するよう構成されている。
[付記9]上記の荷電粒子ソースは、対向電極と分割電極を含む調整電極の静電ポテンシャル(複数)によって、エミッタ面に衝突するイオン化粒子の強度(intensity)を調節する(tune)よう構成されている。
[付記10]上記の荷電粒子ソースは、更に、エミッタ電極と調整電極との間に、好ましくはエミッタ電極のより近くに配置されるヴェーネルトタイプの制御電極を含む。
該制御電極は、エミッタ電極に対する対向電極の電圧と反対のエミッタ電極に対する制御電圧が印加されるよう、かつ、前記エミッション方向に沿ってエミッタ電極の下流側の位置に制御アパーチャを有するよう構成されている。
[付記11]荷電粒子のビームによる露光によってターゲットの処理又は検査をするための荷電粒子マルチビーム装置。該荷電粒子マルチビーム装置は、
・照明システム、
・パターン規定装置、及び、
・投射光学システム
を含み、
該照明システムは、上記の付記の何れかに記載の荷電粒子ソースを含む。
[付記12]エミッタ電極と対向電極の間に電圧を印加することによりエミッション方向に沿って荷電粒子、とりわけ電子を放出するよう構成された荷電粒子ソースのエミッタ電極のインサイチュ(in-situ)クリーニング方法。該方法は、
・エミッタ電極と対向電極との間に位置付けられたソース空間内のガスの圧力を調節し、及び、エミッタ電極と対向電極との間に電圧を印加すること、その際、該対向電極において荷電粒子によって生成された二次電子はソース空間内の当該ガスの粒子をイオン化して、イオン化ガス粒子を生成すること、及び、
・エミッタ電極と対向電極との間に配置された調整電極(複数)に静電ポテンシャルを印加して、当該イオン化ガス粒子をエミッタ面に指向させる電界を生成すること、
を含む。
[付記13]荷電粒子ソースのエミッタ電極のインサイチュクリーニング方法。該方法は、
・荷電粒子ソースのソース空間内のガスの圧力を調節すること、
・荷電粒子ソースのエミッション方向に対する横方向に沿ってソース空間内へエネルギ放射線を照射すること、但し、該エネルギ放射線は、プラズマを得るために、ソース空間内の当該ガスの粒子をイオン化可能であること、及び、
・エミッタ電極と当該エミッタ電極のための対向電極との間に配置された調整電極(複数)に静電ポテンシャルを印加して、当該プラズマを当該エミッタ電極のエミッタ面に指向させる電界を生成すること、
を含む。
[付記14]上記の方法において、少なくとも2つの調整電極がエミッタ電極と対向電極の間の空間に設けられ、該調整電極の各々は分割電極として構成され、該分割電極の各々は少なくとも2つの、好ましくは4つの部分円環状電極から構成され、該部分円環状電極は、エミッタ面の特定の領域(複数)へイオン化粒子を指向させるために、夫々異なる静電ポテンシャルが印加される。
[付記15]上記の方法において、関連する調整電極(複数)の電圧はステップ状に時間変化され、各ステップについて調整電極(複数)の電圧は夫々の持続時間にわたって維持される。
本発明の全開示(特許請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態及び実施例の変更・調整が可能である。更に、本発明の全開示の枠内において、種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施例(実施形態)の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択(「選択」は「非選択」を含む。)が可能である。すなわち、本発明は、特許請求の範囲及び図面を含む全開示、本発明の技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
さらに、特許請求の範囲に付した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものに過ぎず、本発明を実施形態及び図示の実施例に限定することは意図していない。
さらに、上記の各文献の全開示は引用をもって本書に繰り込み、本書に記載されているものとする。

Claims (14)

  1. 荷電粒子を荷電粒子ビームとしてエミッション方向(e)に沿って放出するよう構成された荷電粒子ソース(100)であって、該荷電粒子ソースは、
    ・エミッション方向に沿って特定の粒子種の荷電粒子を放出するよう構成されたエミッタ面(111)を有するエミッタ電極(101)、
    ・荷電粒子の符号と反対の符号のエミッタ電極(101)に対する静電電圧が印加されるよう構成された対向電極(103)、但し、該対向電極はエミッション方向に沿ったエミッタ面の下流側の位置にエミッタアパーチャ(113)を有する、及び、
    ・エミッタ電極(101)と対向電極(103)の間のソース空間(110)を包囲するよう配置された少なくとも2つの調整電極(106、107、108、109)、但し、各調整電極は対向電極及び/又はエミッタ電極に対する制御された静電電圧が印加されるよう構成されている、
    を含み、
    粒子ソース(100)はエミッションモードで作動可能であり、エミッションモードでは、エミッタ電極(101)と対向電極(103)の間に電圧が印加されて、エミッション方向(e)に沿って粒子ソースから出射する荷電粒子が生成され、
    粒子ソース(100)は、更に、第1クリーニングモードで作動可能であり、第1クリーニングモードでは、
    ・ガスはソース空間(110)内において予め設定された圧力値に保持され、その間、エミッタ電極(101)と対向電極(103)の間に電圧が印加され、その際、対向電極(103)において荷電粒子によって生成される二次電子(169)はソース空間内の当該ガスの粒子をイオン化して、イオン化ガス粒子(161)を生成し、及び、
    ・調整電極(106、107、108、109)の少なくともいずれかに静電ポテンシャルが印加されて、前記イオン化ガス粒子(161)をエミッタ面(111)に指向させる電界が生成される、
    荷電粒子ソース。
  2. 請求項1に記載の荷電粒子ソースにおいて、
    荷電粒子ソースは、更に、ガスイオン化装置(105)を含み、該ガスイオン化装置はエネルギ放射線(175)をソース空間内へ照射するよう構成されており、該エネルギ放射線(175)は、プラズマ(170)を得るために、ソース空間に存在する又はソース空間に供給される前記ガスの粒子をイオン化することが可能であり、
    荷電粒子ソースは第2クリーニングモードで作動可能であり、第2クリーニングモードでは、ガスイオン化装置(105)はソース空間内のガス中にプラズマ(170)を生成するよう作動され、その間、当該プラズマ(170、171)をエミッタ面に指向させるよう、調整電極(106~109)の選択された調整電極間に電圧が印加される、
    荷電粒子ソース。
  3. 請求項2に記載の荷電粒子ソースにおいて、
    前記エネルギ放射線は電子を含み、及び、前記ガスイオン化装置は当該電子をソース空間内へ注入するよう構成された電子銃である、
    荷電粒子ソース。
  4. 請求項2又は3に記載の荷電粒子ソースにおいて、
    前記ガスイオン化装置は、エミッション方向に対する横方向に沿ってソース空間内へエネルギ放射線を照射するよう構成された、中空カソード型電子銃である、
    荷電粒子ソース。
  5. 請求項1~4の何れかに記載の荷電粒子ソースにおいて、
    エミッタ電極(101)と対向電極(103)の間に電圧が印加されている間に、第1クリーニングモードでの運転中にイオン化されるべき1又は2以上のガス種をソース空間(110)内へ供給するよう構成されている圧力調節装置(104)を更に含む、
    荷電粒子ソース。
  6. 請求項1~5の何れかに記載の荷電粒子ソースにおいて、
    エミッタ電極に対する異なる静電ポテンシャルが印加可能な調整電極の数は少なくとも2つである、
    荷電粒子ソース。
  7. 請求項1~6の何れかに記載の荷電粒子ソースにおいて、
    調整電極の少なくとも2つは分割電極(60)として構成されており、該分割電極の各々は少なくとも2つの部分円環状電極(61、62、63、64)から構成されており、該少なくとも2つの部分円環状電極は夫々異なる静電ポテンシャルが印加されるよう構成されている、
    荷電粒子ソース。
  8. 請求項7に記載の荷電粒子ソースにおいて、
    荷電粒子ソースは、エミッタ面の特定の領域にイオン化粒子を指向させるために、クリーニングモード中に前記分割電極を使用するよう構成されている、
    荷電粒子ソース。
  9. 請求項7又は8に記載の荷電粒子ソースにおいて、
    荷電粒子ソースは、対向電極と、分割電極を含む調整電極との静電ポテンシャルによって、エミッタ面に衝突するイオン化粒子の強度を調節するよう構成されている、
    荷電粒子ソース。
  10. 請求項1~9の何れかに記載の荷電粒子ソースにおいて、
    荷電粒子ソースは、更に、エミッタ電極と調整電極との間に配置されるヴェーネルトタイプの制御電極を含み、
    該制御電極は、エミッタ電極に対する対向電極の電圧と反対のエミッタ電極に対する制御電圧が印加されるよう、かつ、前記エミッション方向に沿ってエミッタ電極の下流側の位置に制御アパーチャを有するよう構成されている、
    荷電粒子ソース。
  11. 荷電粒子のビームによる露光によってターゲット(16)の処理又は検査をするための荷電粒子マルチビーム装置(1)であって、該装置は、
    ・照明システム(3)、
    ・パターン規定装置(4)、及び、
    ・投射光学システム(5)
    を含み、
    該照明システム(3)は、請求項1~10の何れかに記載の荷電粒子ソースを含む、
    装置。
  12. エミッタ電極と対向電極の間に電圧を印加することによりエミッション方向(e)に沿って荷電粒子を放出するよう構成された荷電粒子ソース(100)のエミッタ電極(101)のインサイチュクリーニング方法であって、
    該方法は、
    ・エミッタ電極(101)と対向電極(103)との間に位置付けられたソース空間(110)内のガスの圧力を調節し、及び、エミッタ電極(101)と対向電極(103)との間に電圧を印加すること、その際、該対向電極(103)において荷電粒子によって生成された二次電子(169)はソース空間内の当該ガスの粒子をイオン化して、イオン化ガス粒子(161)を生成すること、及び、
    ・エミッタ電極(101)と対向電極(103)との間に配置された調整電極(106~109)に静電ポテンシャルを印加して、当該イオン化ガス粒子(161)をエミッタ面(111)に指向させる電界を生成すること、
    を含
    少なくとも2つの調整電極がエミッタ電極と対向電極の間の空間に設けられ、該調整電極の各々は分割電極として構成され、該分割電極の各々は少なくとも2つの部分円環状電極(61、62、63、64)から構成され、該部分円環状電極は、エミッタ面の特定の領域へイオン化粒子を指向させるために、夫々異なる静電ポテンシャルが印加される、
    方法。
  13. 荷電粒子ソース(100)のエミッタ電極(101)のインサイチュクリーニング方法であって、
    該方法は、
    ・荷電粒子ソースのソース空間(110)内のガスの圧力を調節すること、
    ・荷電粒子ソースのエミッション方向(e)に対する横方向に沿ってソース空間(110)内へエネルギ放射線(175)を照射すること、但し、該エネルギ放射線(175)は、プラズマ(170)を得るために、ソース空間内の当該ガスの粒子をイオン化可能であること、及び、
    ・エミッタ電極(101)と当該エミッタ電極のための対向電極(103)との間に配置された調整電極(106~109)に静電ポテンシャルを印加して、当該プラズマ(170、171)を当該エミッタ電極のエミッタ面(111)に指向させる電界を生成すること、
    を含
    少なくとも2つの調整電極がエミッタ電極と対向電極の間の空間に設けられ、該調整電極の各々は分割電極として構成され、該分割電極の各々は少なくとも2つの部分円環状電極(61、62、63、64)から構成され、該部分円環状電極は、エミッタ面の特定の領域へイオン化粒子を指向させるために、夫々異なる静電ポテンシャルが印加される、
    方法。
  14. 請求項12又は13に記載の方法において、
    関連する調整電極の電圧はステップ状に時間変化され、各ステップについて調整電極の電圧は夫々の持続時間にわたって維持される、
    方法。
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