JP7182272B2 - マイクロホン固定台 - Google Patents
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Description
前記した大屋根を開けた状態で録音をする場合は、ピアノからある程度の距離を隔てた位置にマイクロホンが設置されるために、ピアノから放音される楽音以外の音が収録され易いという問題が生ずることになる。
すなわち、支柱組み立て体を構成する水平方向に配置された支柱に対して、L字型の支持体を取り付け、この支持体を介してピアノ本体内にマイクロホンが設置される。
図10はその一つの例を示しており、図はクランドピアノの前半部について、手前の側板を取り除いてピアノ本体部12の内部状態を示している。
図に示すピアノ本体部12内には多数の弦16が平行状態に配置され、その上部には蓋板15が、閉じた状態で配置されている。なお、符号14はピアノ本体の先端部側の側板を示している。
また、図11はピアノ本体内にマイクロホンを設置する他の例を示しており、この図11においても図10に示したピアノ本体部12と同一の部分を示している。
この図11に示す例は、マグネットキャッチ25付きの取り付け金具21が用いられ、ピアノ本体部12内に具備されたピアノフレーム12aの一部に、マグネットキャッチ25を吸着させると共に、取り付け金具21を介してマイクロホン2をピアノ本体部12内に設置した構成が採用される。
この図12に示す例は、クリップ26付きの取り付け金具21が用いられ、ピアノ本体部12内に配置されたピアノフレーム12aの一部に、クリップ26を挟み込んで係止させると共に、取り付け金具21を介してマイクロホン2をピアノ本体部12内に設置した構成が採用される。
したがって、この問題を解消するために特許文献1の開示によると、高音域側と低音域側に近い支柱にそれぞれマイクロホンを取り付けて、音のバランスをとる工夫が必要となる。このために、マイクロホンの設置作業が繁雑であるだけでなく、複数のマイクロホンによる音のバランスの調整などの付帯的な調整作業も必要となる。
また例えば、図10に示したマイクロホンの設置例によると、ピアノ本体の左右の側板間に突っ張り棒としての支持体24を掛け渡すものとなるため、ピアノ本体に損傷を与えるという問題も発生し得る。
そして、前記マイクロホン取り付けプレートの上側面には軟質性素材による保護材が配置され、前記マイクロホン取り付けプレートの上側面を、前記保護材を介してピアノ蓋板の下側面に接して配置するように構成することが望ましい。
加えて、前記付勢部材は、前記第1脚体と第2脚体の外周面に沿って配置されるか、もしくは一方の脚体に形成された中空部内に配置された構成を好適に採用することができる。
したがって、音源(弦)と前記マイクロホンとの距離を最大限にとることができるので、マイクロホンに近い特定な弦の音が大きく集音されるという音域のアンバランスの問題を大幅に解消させることができる。
そして、マイクロホンと複数本の脚部を取り付けたマイクロホン取り付けプレートを、そのままピアノ本体内に収容するので、ピアノ本体内に対するマイクロホンの設置および撤去を、容易に行うことができる。
グランドピアノ11は周知のとおり、ピアノ本体部12を床から所定の高さ位置に配置するために、3本の脚部13によりピアノ本体部12を支えている。そして、ピアノ本体部12は外周壁面を構成する側板14を備え、その上面には蓋板(大屋根とも言う。)15が、図示せぬヒンジにより、開閉可能に取り付けられている。
そして、ピアノ本体部12内には多数の弦16が配列されており、これらの弦16が鍵盤に連動するハンマーの打撃によって、発音されることの周知のとおりである。
そして、マイクロホン固定台1は、ピアノ本体部12内の例えばフレーム上に載置された状態で大屋根15が閉じられ、この状態でプレート3の上側面は、大屋根15の下側面に接した状態でピアノ本体部12内に収容される。
図2はマイクロホン取り付けプレート(以下、単にプレートと称する場合もある。)3を下側面から見た状態で示しており、この例においてはプレート3は長方形状に形成されているが、プレート3の形状はこれに限定されるものではない。また、このプレート3は木製、樹脂、金属やその他の素材により形成することができる。
プレート3の中央部および長手方向の一端部に寄った位置には、マイクロホン取り付け孔3a,3bが、それぞれ穿設されている。
また、一対のマイクロホン取り付け孔3bは、図3に示すようにマイクロホンの一例としてバウンダリーマイクロホン2をプレート3の下側面に取り付ける場合に用いられる。この場合には、プレート3の上側面から前記取り付け孔3bに挿通された図示せぬ締結用のビスが、バウンダリーマイクロホン2の筐体底面にねじ込まれることにより、マイクロホン2が取り付けられる。
すなわち、この実施の形態においては、前記脚部4の上端部をプレート3にねじ込んで取り付けることができるようにプレート3には、ナット(脚取り付け部と同一の符号3cで示す)が埋め込まれている。
これらの脚取り付け部5を選択的に利用することで、ピアノ本体部12内の例えばフレーム形状等に対応させて、脚部4をプレート3に取り付けることができる。これにより、マイクロホン固定台1をピアノ本体部12内の好ましい任意の位置に配置することが可能となる。
図5に示した脚部4の基本構成は、図6~図8にもその主要部が断面図で示されている。この脚部4は上側の第1脚体4Aと、下側の第2脚体4Bを備えており、これらの脚体4Aおよび4Bは、好ましくはアルミパイプを利用して構成される。
そして、第1脚体4Aの中空部内に第2脚体4Bが摺動可能に挿入されることで、脚部4は伸縮可能に構成されている。
また、第2脚体4Bの下端部には、図5に示したように例えばシリコンゴムにより成形された円柱状のゴム足4bが取り付けられており、これによりマイクロホン固定台1を、ピアノ本体部12内に収容した場合において、ピアノ本体部12内に傷を付ける問題が避けられるように配慮されている。
これにより、マイクロホン固定台1をピアノ本体部12内に収容した場合には、プレート3は、ピアノの蓋板(大屋根)15によって押し下げられることでコイルばね5aは収縮し、プレート3がピアノの蓋板15によって押し付けられた状態になされる。
しかし、この保護材6は図に示すような部分的ではなく、例えばプレート3の全面を覆うように取り付けられていても良い。
さらに、図8に示す例は図6に示すコイルばね5bに代えて、複数のブロック状に成形された例えばウレタンフォームなどによるクッション材5dを積み重ねて付勢部材としている。
マイクロホン固定台1は、好ましくはピアノフレーム12aのいずれかの部分に配置することで、音源となる各弦16からの距離が比較的等しい位置を選定することができる。
したがって、この発明に係るマイクロホン固定台によると、マイクロホンに近い特定な弦の音が大きく集音されるという音域のアンバランスの問題を解消させることができるなど、前記した発明の効果の欄に記載した作用効果を得ることができる。
2 マイクロホン
3 マイクロホン取り付けプレート
3a マイクロホン取り付け孔
3b マイクロホン取り付け孔
3c 脚取り付け部(ナット)
4 脚部
4A 第1脚体
4a ボルト
4B 第2脚体
4b ゴム足
5a 付勢部材(コイルばね)
5b 付勢部材(コイルばね)
5c 付勢部材(板ばね)
5d 付勢部材(クッション材)
6 保護材
11 グランドピアノ
12 ピアノ本体部
12a ピアノフレーム
13 ピアノ脚部
14 側板
15 蓋板(大屋根)
16 弦(ピアノ線)
Claims (5)
- 高さ方向に伸縮可能に構成されると共に、高さ方向に伸張させる付勢力を与える付勢部材を備えた複数本の脚部と、
前記脚部の一端部がそれぞれ下側面に取り付けられると共に、前記下側面にマイクロホンを取り付けたマイクロホン取り付けプレートと、が備えられ、
前記脚部に備えた付勢部材によって、前記マイクロホン取り付けプレートの上側面を、ピアノ本体上部に配置された蓋板の下側面に接して配置することを特徴とするマイクロホン固定台。 - 前記マイクロホン取り付けプレートには、前記脚部を着脱可能に取り付けるための複数の脚取り付け部が形成され、前記脚部を脚取り付け部に対して選択的に取り付けたことを特徴とする請求項1に記載のマイクロホン固定台。
- 前記マイクロホン取り付けプレートの上側面には軟質性素材による保護材が配置され、前記マイクロホン取り付けプレートの上側面を、前記保護材を介してピアノ蓋板の下側面に接して配置することを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロホン固定台。
- 前記脚部は、高さ方向に配置された第1脚体と第2脚体とにより構成され、少なくとも一方の脚体に中空部が形成されて、他方の脚体が前記中空部内に挿入されることで、前記脚部が伸縮可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のマイクロホン固定台。
- 前記付勢部材は、前記第1脚体と第2脚体の外周面に沿って配置されるか、もしくは一方の脚体に形成された中空部内に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のマイクロホン固定台。
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JP2019020543A JP7182272B2 (ja) | 2019-02-07 | 2019-02-07 | マイクロホン固定台 |
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2019
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