本発明の一態様に係る非常用点灯装置の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本発明の一例にすぎない。本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
[実施形態1]
実施形態1の非常用点灯装置1Aは、誘導灯器具の近傍に取り付けられ、誘導灯信号装置から信号(点滅信号)を受けて、誘導効果を高めるためにLED光源を点滅させる、いわゆる独立形点滅装置である(日本照明工業会規格JIL5502-2008参照)。非常用点灯装置1Aは、造営材(例えば、建物内の避難口の近くの壁)に直付けされる直付け型の点滅装置である。ただし、非常用点灯装置は独立形点滅装置に限定されず、誘導灯器具又は非常灯などの点滅装置以外の非常時用照明器具であってもよい。
非常用点灯装置1Aは、図1及び図2に示すように、光源ユニット4と、電源ユニット5と、光源ユニット4及び電源ユニット5を収容して造営材に取り付けられる本体2とを備える。非常用点灯装置1Aは、電源ユニット5を支持する一つ以上の支持部材を備える。また、非常用点灯装置1Aは、本体2に結合されるカバー3と、非常用電源に相当する蓄電池ブロック6と、スイッチブロック7とを更に備える。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、図2に矢印で示す向きにおいて、非常用点灯装置1Aの上下、左右及び前後の各方向を規定する。
本体2は、長方形状の底板20と、底板20の四つの辺の各々から立ち上がる四つの側板21とを有する(図2参照)。ただし、以下の説明においては、底板20の下側の辺から立ち上がる側板21を下側板21A、底板20の上側の辺から立ち上がる側板21を上側板21Bと呼ぶ場合がある。同様に、底板20の右側の辺から立ち上がる側板21を右側板21C、底板20の左側の辺から立ち上がる側板21を左側板21Dと呼ぶ場合がある。底板20と四つの側板21は、亜鉛鋼板などの金属板が曲げ加工されることによって一体に形成されている。
また、本体2は、上側板21Bの前端から底板20とほぼ並行するように立ち上がった支持片203を有する(図2~図4参照)。支持片203は、長尺の多角形状(図示例では六角形状)に形成されている。なお、支持片203は、金属板が曲げ加工されることによって上側板21Bと一体に形成されている。
底板20は、常用電源(例えば、商用の電力系統)から給電されるための電線(電源線)が通される孔(第1電線孔201)と、点滅信号が伝送される電線(信号線)が通される孔(第2電線孔202)とを有している(図2及び図3参照)。ただし、第2電線孔202には、点滅信号用の信号線とともに、煙感知器から煙感知信号が伝送される電線(信号線)が通される場合もある。
第2電線孔202は、正方形の四つの角が丸められた角丸四角形状に形成されて底板20を厚み方向(前後方向)に貫通している。第2電線孔202は、底板20のほぼ中央に設けられている。第1電線孔201は、長円形に形成されて底板20を厚み方向(前後方向)に貫通している。第1電線孔201は、底板20のほぼ中央における第2電線孔202の左隣に設けられている(図3参照)。
さらに、底板20における第2電線孔202の右隣に、だるま孔からなる第1取付孔204が設けられ、底板20における第1電線孔201の左隣に、長孔からなる一対の第2取付孔205が設けられている(図3参照)。すなわち、本体2は、底板20の第1取付孔204及び少なくとも一方の第2取付孔205に1本ずつ通される複数本の取付ねじ(不図示)によって造営材にねじ止めされる。
底板20の前面における第1電線孔201の下方に第1端子台11が取り付けられている。第1端子台11は、電源用の端子台である。すなわち、第1端子台11には、第1電線孔201に通される電源線(不図示)が電気的に接続される。底板20の前面における第1取付孔204の下方に第2端子台12が取り付けられている。第2端子台12は、点滅信号用の端子台である。すなわち、第2端子台12には、第2電線孔202に通される点滅信号用の信号線(不図示)が電気的に接続される。さらに、底板20の前面における第2端子台12の下方に第3端子台13が取り付けられている。第3端子台13は、煙感知信号用の端子台である。すなわち、第3端子台13には、第2電線孔202に通される煙感知信号用の信号線(不図示)が電気的に接続される。
光源ユニット4は、発光ダイオード(Light Emitting Diode)40と、LED40を支持するホルダ41と、コネクタ42と、レンズ43と、取付板44と、2本の取付ねじ45とを有している(図2及び図5参照)。LED40は、例えば、COB(Chip on Board)型の照明用白色LEDである。
ホルダ41は、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂材料によって円板状に形成されている。ホルダ41の中央部にLED40が保持されている。コネクタ42はホルダ41と一体に形成されている。コネクタ42は、角筒状に形成されて一対の端子板(不図示)を内部に収容して保持している。一対の端子板のうちの一方の端子板はLED40のアノードと電気的に接続されている。また、一対の端子板のうちの他方の端子板はLED40のカソードと電気的に接続されている。
レンズ43は、アクリル樹脂によってドーム状に形成されている。ただし、レンズ43は、ケイ酸塩ガラスや石英ガラスのような不燃材によって形成されてもかまわない。レンズ43は、一対の固定片430を有している。各固定片430には円筒形の孔431が厚み方向(前後方向)に貫通している(図2参照)。
取付板44は、平板状の固定部440と、固定部440の左端における下端から後向きに突き出すねじ止め部441と、固定部440の左端における上端から後向きに突き出す引掛部442とを有している(図2及び図3参照)。取付板44は、さらに、固定部440の左端における前後方向の中央から下向きに突出する突片443を有している。固定部440とねじ止め部441と引掛部442と突片443とは、例えば、アルミ板によって一体に形成されている。
固定部440の左上隅及び右下隅にねじ孔444がそれぞれ一つずつ設けられている(図2参照)。固定部440にはホルダ41とレンズ43が固定される。レンズ43の各固定片430の孔431及びホルダ41に設けられている貫通孔(不図示)に1本ずつ取付ねじ45が通される。そして、各取付ねじ45が取付板44の固定部440に設けられている2つのねじ孔444のうちの対応するねじ孔444にねじ込まれる。その結果、レンズ43とホルダ41が2本の取付ねじ45によって取付板44の固定部440にねじ止めされる。
ねじ止め部441は、かぎ形に形成されている(図2参照)。ねじ止め部441の先端には円形の孔445が貫通している。引掛部442もかぎ形に形成されている。突片443は、長方形状に形成されている。突片443は、前後方向(コネクタ42の長手方向)に沿って、固定部440に固定されたホルダ41のコネクタ42に沿うように配置されている(図4参照)。
光源ユニット4は、支持板46に取り付けられる。光源ユニット4が取り付けられた支持板46が本体2(の底板20)に取り付けられる。つまり、光源ユニット4は、本体2に直接取り付けられるのではなく、支持板46を介して本体2に間接的に取り付けられる。
支持板46は、取付部460と、一対の脚部461と、一対の対向部463と、保護部464とを有している。取付部460は、おおむね長方形状に形成されている。ただし、取付部460の上側の辺は、取付部460の下側の辺よりも短い。一対の脚部461は、L字形状に形成されている。一方の脚部461は、取付部460の左側の辺から後方へ突き出ている。他方の脚部461は、取付部460の右側の辺から後方へ突き出ている。各脚部461の後端部分に、固定ねじ462が通される孔(不図示)が一つずつ設けられている。支持板46は、一対の脚部461の各々の孔に通された固定ねじ462が底板20に設けられているねじ孔(不図示)にねじ込まれることで底板20に固定される(図2及び図3参照)。
一対の対向部463は、台形状に形成されている(図4参照)。一方の対向部は、左側の脚部461の上側において取付部460の左側の辺から後方へ突き出ている。他方の対向部463は、右側の脚部461の上側において取付部460の右側の辺から後方へ突き出ている。保護部464は、長尺の六角形状に形成されている。保護部464は、取付部460の下側の辺から後方へ突き出ている。ただし、保護部464の前後方向の幅寸法は、一対の脚部461の前後方向の長さ寸法のおおよそ半分程度である(図2参照)。
支持板46は、ねじ孔465と、引掛孔466と、開口部467とを有している。開口部467は、取付部460の中央下部において、取付部460をその厚み方向に貫通する角孔である。ねじ孔465は、取付部460における開口部467の左下に設けられている。引掛孔466は、取付部460の左右方向の中央上部において、取付部460をその厚み方向に貫通する角孔である(図2参照)。
支持板46の取付部460に取付板44が取り付けられる。具体的には、取付板44の引掛部442の先端が、支持板46の引掛孔466に前方から差し込まれ、取付部460の後面における引掛孔466の縁に引っ掛けられる(図3及び図4参照)。さらに、ねじ止め部441の孔445に前方から差し込まれたねじ(不図示)が支持板46のねじ孔465にねじ込まれることにより、取付板44が支持板46の取付部460の前面に取り付けられる(図3及び図4参照)。つまり、光源ユニット4は、取付板44のねじ止め部441及び引掛部442の前後方向の高さ分だけ支持板46の取付部460から離れた状態で支持板46に支持される(図4参照)。なお、光源ユニット4のコネクタ42は、支持板46の取付部460を貫通する開口部467を通して取付部460の後面側に配置される(図2~図4参照)。
蓄電池ブロック6は、複数本の乾電池型の電池セルが熱収縮チューブに包まれて構成された蓄電池60(図5参照)と、蓄電池60を保持する電池ホルダ61と、蓄電池60と電気的に接続されている電線62とを有している(図2参照)。蓄電池ブロック6の電池ホルダ61は、本体2の底板20の前面下部において、複数のリベット(不図示)によって底板20に固定される(図3参照)。
スイッチブロック7は、点検スイッチ(不図示)と充電モニタ(不図示)を有する。また、スイッチブロック7は、点検スイッチ及び充電モニタを収容するケース71と、ケース71の外から点検スイッチを操作するための操作ボタン70とを有する(図2参照)。
ケース71は、合成樹脂材料によって直方体形状の箱形に形成されている。ケース71の前面には、操作ボタン70がはめ込まれる操作孔710と、操作孔710よりも径の小さい表示孔711とが設けられている。操作ボタン70は円柱状に形成されており、前後方向に移動可能な状態で操作孔710にはめ込まれている。ケース71内において操作孔710と前後方向に対向する位置に、押釦スイッチからなる点検スイッチが配置されている。したがって、ケース71の外から押された操作ボタン70がケース71内に移動し、操作ボタン70の後端で点検スイッチが押操作される。ケース71内において表示孔711と前後方向に対向する位置に表示用のLEDからなる充電モニタが配置されている。すなわち、充電モニタの発する光(例えば、緑色の光)が表示孔711を通してケース71の外に放射される。
ケース71は、台座72を介して本体2(底板20)に取り付けられる。台座72は、長方形状の固定板720と、固定板720の右辺から後方へ突き出た第1突壁721と、固定板720の左辺から後方へ突き出た第2突壁722とを有している。ケース71は、固定板720の前面にねじ止めされる。ただし、固定板720には貫通孔(不図示)が設けられている。この貫通孔には、点検スイッチ及び充電モニタを電源ユニット5と電気的に接続する複数(例えば、3本)の電線73が通される(図3参照)。台座72は、第1突壁721が底板20にねじ止めされ、第2突壁722が右側板21Dに固定されることで本体2の前面における左下隅に取り付けられる(図3参照)。
電源ユニット5は、蓄電池60から供給される電力によって光源ユニット4を駆動する駆動回路50と、駆動回路50を収容する筐体51とを有する。電源ユニット5は、外部電源(例えば、商用の電力系統14)から供給される交流電力を直流電力に変換して蓄電池60を充電する充電回路56を更に有する。
電源ユニット5の回路構成の一例を図5に示す。充電回路56は、商用の電力系統14から供給される交流電力を直流電力に電力変換するAC/DCコンバータを有している。充電回路56は、AC/DCコンバータから出力する直流電力を逆流阻止用のダイオードD2を介して蓄電池ブロック6蓄電池60に供給して蓄電池60を充電する。
駆動回路50は、蓄電池ブロック6の蓄電池60から入力する直流入力電圧を昇圧する昇圧回路500を備えている。さらに、駆動回路50は、昇圧回路500から光源ユニット4への給電路を開閉するスイッチング素子Q1と、スイッチング素子Q1をオン・オフさせる制御回路501とを備えている。スイッチング素子Q1と光源ユニット4のLED40が昇圧回路500の出力端間に電気的に直列接続される。
昇圧回路500は、スイッチング素子Q2、チョークコイルL1、ダイオードD1、入力コンデンサC2、出力コンデンサC0、ドライブ回路502などで構成されるブーストコンバータ(昇圧チョッパ回路)である。スイッチング素子Q2は、例えば、エンハンスメント形のNチャネルMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)からなる。ドライブ回路502は、スイッチング素子Q2のゲート・ソース間電圧をしきい値電圧以上とすることでスイッチング素子Q2をオンし、ゲート・ソース間電圧をしきい値電圧未満とすることでスイッチング素子Q2をオフするように構成されている。
スイッチング素子Q1は、例えば、エンハンスメント形のNチャネルMOSFETからなる。スイッチング素子Q1は、制御回路501によってゲート・ソース間電圧が制御されることにより、オン・オフされる。
制御回路501は、例えば、マイクロコントローラで構成されている。制御回路501は、信号線(不図示)を介して誘導灯信号装置から点滅信号を受信したとき、ドライブ回路502に制御信号S1を出力する。なお、制御回路501は、信号線(不図示)を介して煙感知器から煙感知信号を受信したときにも、ドライブ回路502に制御信号S1を出力する。ドライブ回路502は、制御信号S1を受け取ると、スイッチング素子Q2をスイッチングして昇圧回路500に昇圧動作を行わせる。制御回路501は、制御信号S1を出力した後、スイッチング素子Q1をオンして光源ユニット4を点灯させる。ただし、制御回路501は、誘導効果を高めるために光源ユニット4を間欠駆動する。例えば、制御回路501は、約500msごとに約50msの期間だけスイッチング素子Q1をオンして光源ユニット4を点滅させる。
さらに、制御回路501は、スイッチブロック7の点検スイッチの状態を監視し、点検スイッチがオンされている間、充電回路56を強制的に停止させるとともに駆動回路50を制御して蓄電池ブロック6から供給される電力で光源ユニット4を点灯させる。つまり、点検スイッチが操作されることによって、駆動回路50の点検動作が行われる。
スイッチブロック7の充電モニタは、充電回路56によって蓄電池60が充電されている間だけ点灯し、充電回路56によって蓄電池60が充電されていないときに消灯する。つまり、充電モニタは、充電中に点灯することによって蓄電池ブロック6の蓄電池60が充電されていることを表示する。
電源ユニット5の筐体51は、合成樹脂材料によって箱状に形成されている(図2及び図3参照)。筐体51は、上述した駆動回路50及び充電回路56を構成するプリント回路板(不図示)を収容している。筐体51の一つの角部(図3における右下の角部)から2本の電線(電源線52)が筐体51の外に引き出されている。これら2本の電源線52は、第1端子台11の2次側の端子と電気的に接続される(図3参照)。
筐体51の長手方向の一方の端部(図3における右側の端部)には、プリント回路板に実装されている信号用端子台503が露出している。信号用端子台503は、多極(図示例では10極)のねじなし端子台である。信号用端子台503の一方の端(図3では上端)の2極の端子と、第2端子台12の2次側の2極の端子とが2本の信号線53によって電気的に接続される。また、信号用端子台503の他方の端(図3では下端)の2極の端子と、第3端子台13の2次側の2極の端子とが2本の信号線54によって電気的に接続される。なお、電源線52及び信号線53、54は、支持板46の取付部460に取り付けられる電線保持具47に保持される(図3参照)。
筐体51の長手方向の他方の端部(図3における左側の端部)には、プリント回路板に実装されている3つの端子部504~506が露出している(図3参照)。これら3つの端子部504~506は、筐体51の短手方向(図3における上下方向)に沿って一列に並んでいる。一番下の端子部504は2極の端子を有しており、蓄電池ブロック6の2本の電線62とそれぞれ1極ずつ電気的に接続される。中央の端子部505は3極の端子を有しており、スイッチブロック7の3本の電線73とそれぞれ1極ずつ電気的に接続される。一番上の端子部506は2極の端子を有しており、2本の電線(出力線55)とそれぞれ1極ずつ電気的に接続される。なお、これら2本の出力線55は、支持板46の取付部460と底板20に挟まれた空間において、取付部460の開口部467に通された光源ユニット4のコネクタ42と電気的に接続される。
筐体51の上端部が底板20と上側板21Bと支持片203に囲まれた空間にはめ込まれ、筐体51の下端部が底板20と支持板46の一対の対向部463との間にはめ込まれる(図2及び図3参照)。すなわち、実施形態1の非常用点灯装置1Aは、一つ以上の支持部材(支持板46と支持片203)が本体2との間で電源ユニット5の筐体51を挟むように電源ユニット5を支持する。そのため、電源ユニット5の筐体51が本体2にねじ止めされる場合と比較して、組立て作業の作業性の向上を図ることができる。
カバー3は、一面(後面)が開放された箱状に形成されている。カバー3は、長方形状の前壁30と、四つの側壁31とを有する(図1及び図2参照)。四つの側壁31は、前壁30の四つの辺(上辺、下辺、左辺及び右辺)から後方に突き出ている。ただし、左側の側壁31と右側の側壁31の各々の前端部分に傾斜部310が設けられている。これらの傾斜部310は、前壁30から遠ざかるに連れて後方に向かって傾斜している(図2参照)。
前壁30は、第1孔301、第2孔302及び第3孔303を有している(図1及び図2参照)。第1孔301は、前壁30の上下方向の中央から僅かに上方の位置に開口した丸孔である。第1孔301の直径は、光源ユニット4のレンズ43の直径よりも僅かに小さい。第2孔302は、前壁30の左下方の位置に開口した丸孔である。第2孔302の直径は、スイッチブロック7の操作ボタン70の直径よりも僅かに大きい。第3孔303は、前壁30の左下方における第2孔302の上の位置に開口した丸孔である。第3孔303の直径は、第2孔302の直径よりも十分に小さい。
下側の側壁31には円形の孔311が貫通している(図2参照)。この孔311の直径は、固定ねじ312のねじ部の径よりも大きく、かつ固定ねじ312の頭部の径よりも小さい。
カバー3は、四つの側壁31の内側に本体2を収めるようにして本体2の前方にかぶせられる。そして、下側の側壁31の孔311に通される固定ねじ312が本体2の下側板21Aに設けられている雌ねじ部210(図2及び図3参照)にねじ込まれることにより、本体2とカバー3が結合される(図1参照)。本体2と結合されたカバー3の第1孔301から光源ユニット4のレンズ43がカバー3の外に露出する。したがって、光源ユニット4の光は、カバー3の第1孔301を通してカバー3の外に出射される。また、第2孔302からはスイッチブロック7の操作ボタン70が露出する。ゆえに、操作ボタン70は、第2孔302を通してカバー3の外から押操作される。さらに、スイッチブロック7の充電モニタの発する光が第3孔303を通してカバー3の外に出射される。
実施形態1の非常用点灯装置1Aは、上述のように電源ユニット5を支持する一つ以上の支持部材(支持板46と支持片203)を備えている。一つ以上の支持部材(支持板46と支持片203)は、本体2(底板20及び上側板21B)との間で筐体51を挟むように電源ユニット5を支持している。このため、実施形態1の非常用点灯装置1Aは、ねじなどの部品によって筐体51が本体2に直接取り付けられる場合に比べて、組立て作業(電源ユニット5の筐体51を本体2に支持させる作業)の作業性の向上を図ることができる。しかも、実施形態1の非常用点灯装置1Aでは、電源ユニット5の筐体51にねじなどの取付用の部品を通す孔などが不要であるから、孔などが設けられることに伴う筐体51の大型化なども抑制することができる。
また、実施形態1の非常用点灯装置1Aでは、複数の支持部材のうちの一つの支持部材(支持片203)が本体2の一つの側板(上側板21B)と一体に設けられている。したがって、少なくとも一つの支持部材が本体2と別体に設けられている場合に比べて、実施形態1の非常用点灯装置1Aは、部品点数削減による組立て作業の作業性の更なる向上を図ることができる。
さらに、実施形態1の非常用点灯装置1Aでは、筐体51を支持する支持部材の一つである支持板46(の取付部460)に光源ユニット4が固定されている。つまり、支持部材の一つである支持板46は、筐体51を支持する役割だけでなく、光源ユニット4を本体2に固定するための役割も担っている。したがって、実施形態1の非常用点灯装置1Aは、光源ユニット4を本体2に固定するための部材を支持部材(支持板46)とは別に備える必要がないので、部品点数の削減による組立て作業の作業性の更なる向上を図ることができる。
また、実施形態1の非常用点灯装置1Aでは、光源ユニット4、電源ユニット5及び支持部材(支持板46と支持片203)は、底板20と対向する方向(前後方向)から見て、第1電線孔201及び第2電線孔202と重ならないように配置される(図3参照)。つまり、本体2の第1電線孔201から外部の電源線が引き込まれて第1端子台11の1次側の端子に電気的に接続される際に光源ユニット4、電源ユニット5及び支持部材(支持板46と支持片203)が邪魔になりにくい。同様に、本体2の第2電線孔202から点滅信号用の信号線が引き込まれて第2端子台12の2次側の端子に電気的に接続される際に光源ユニット4、電源ユニット5及び支持部材(支持板46と支持片203)が邪魔になりにくい。さらに、本体2の第2電線孔202から煙感知信号用の信号線が引き込まれて第3端子台13の2次側の端子に電気的に接続される際にも光源ユニット4、電源ユニット5及び支持部材(支持板46と支持片203)が邪魔になりにくい。したがって、実施形態1の非常用点灯装置1Aは、本体2の孔(第1電線孔201、第2電線孔202)を通して外部から電線が引き込まれる際の作業性の向上を図ることができる。
さらに、実施形態1の非常用点灯装置1Aでは、電源線52が電線保持具47を介して支持板46に保持されている。そのため、実施形態1の非常用点灯装置1Aは、電源線52を支持板46に保持させることにより、組立て作業の作業性の更なる向上を図ることができる。
ところで、例えば、第1電線孔201から引き込まれた電源線が取付部460と底板20に挟まれた空間に入り込んでコネクタ42に当たった場合、電源線からコネクタ42に対して過大な力が加わるおそれがある。あるいは、作業者が電源線や信号線を第1端子台11、第2端子台12、第3端子台13と電気的に接続する際に、作業者の手指がコネクタ42に当たってコネクタ42に過大な力が加わるおそれもある。そのため、支持板46には、光源ユニット4のコネクタ42を保護する保護部464が設けられている。保護部464は、本体2の前方から見て、光源ユニット4と第1電線孔201及び第2電線孔202との間に配置されている。つまり、保護部464は、第1電線孔201及び第2電線孔202を通して外部から引き込まれる電線が、支持板46の取付部460と底板20に挟まれた空間に入り込まないようにすることでコネクタ42を保護することができる。
[実施形態2]
実施形態2の非常用点灯装置1Bは、天井に設けられる埋込孔に埋め込まれるようにして天井に設置される埋込型の点滅装置である。ただし、実施形態2の非常用点灯装置1Bの基本的な構成は、実施形態1の非常用点灯装置1Aの構成とほぼ共通である。したがって、以下の説明においては、形状や寸法が実施形態1の非常用点灯装置1Aの構成要素と多少異なっていても、実施形態1の非常用点灯装置1Aの構成要素と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付している。
非常用点灯装置1Bは、図6~図9に示すように、光源ユニット4と、電源ユニット5と、光源ユニット4及び電源ユニット5を収容して造営材(天井)に埋め込まれる本体2とを備える。非常用点灯装置1Bは、電源ユニット5を支持する支持部材23を備える。また、非常用点灯装置1Bは、本体2に結合されるカバー3と、蓄電池ブロック6と、スイッチブロック7とを更に備える。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、図7に矢印で示す向きにおいて、非常用点灯装置1Bの上下、左右及び前後の各方向を規定する。
本体2は、長方形状の底板20と、底板20の四つの辺の各々から立ち上がる四つの側板21とを有して下面が開放された箱状に形成されている。ただし、以下の説明においては、底板20の前側の辺から立ち上がる側板21を前側板21E、底板20の後側の辺から立ち上がる側板21を後側板21Fと呼ぶ場合がある。同様に、底板20の左側の辺から立ち上がる側板21を左側板21C、底板20の右側の辺から立ち上がる側板21を右側板21Dと呼ぶ場合がある。底板20と四つの側板21は、亜鉛鋼板などの金属板が曲げ加工されることによって一体に形成されている。
底板20は、底板20の長手方向(左右方向)の両端に、円形の第1電線孔201及び第2電線孔202を各々一つずつ有している(図9参照)。ただし、第1電線孔201に信号線が通されてもよいし、第2電線孔202に電源線が通されてもよい。
底板20の長手方向(左右方向)の両端に取付金具22が一つずつ取り付けられている。取付金具22は、長方形状の主片220と、主片220の長手方向の両端から斜め上方に突き出した一対の脚片221と、一対の脚片221のそれぞれの先端(上端)から外向きに突き出した一対の固定片222とを有している(図9参照)。主片220の中央には円形の孔223が貫通している。取付金具22の一対の固定片222は、例えば、リベットによって底板20に固定される。なお、底板20の長手方向の両端において、一対の取付金具22のそれぞれの主片220の孔223と上下方向に対向する位置に、円形の孔206が一つずつ貫通している(図7及び図9参照)。すなわち、建物の天井躯体に埋め込まれているつりボルトが底板20の孔206及び取付金具22の主片220の孔223に通され、主片220の下に突き出したつりボルトにナットが締め付けられることで本体2がつりボルトに取り付けられる。
非常用点灯装置1Bは、支持部材23を備えている。支持部材23は、取付部230、第1側部231、第2側部232、第1脚部233及び第2脚部234を有している(図8及び図10参照)。ただし、 取付部230、第1側部231、第2側部232、第1脚部233及び第2脚部234は、金属板が加工されることで一体に形成されることが好ましい。
取付部230は、おおむね長方形状に形成されている。ただし、取付部230の前側の辺は、取付部230の後側の辺よりも短い。第1側部231は、略長方形状に形成され、取付部230の後側の辺から上向きに突き出ている(図8及び図10参照)。第1側部231は、取付部230と平行する第1支持片235を有している(図10参照)。第1支持片235は、第1側部231から切り起こされている。
第1脚部233は、L字形状に形成されて取付部230の右辺の後端から上向きに突き出ている(図10参照)。第2脚部234は、L字形状に形成されて取付部230の左辺から上向きに突き出ている(図10参照)。
取付部230には、光源ユニット4、第1端子台11、第2端子台12、第3端子台13、蓄電池ブロック6及びスイッチブロック7が取り付けられる(図7~図10参照)。第1端子台11と第2端子台12は、取付部230の下面における左端に前後方向に並べて取り付けられる(図9参照)。第3端子台13とスイッチブロック7は、固定板236を介して取付部230の下面における右端に取り付けられる(図9参照)。蓄電池ブロック6は、取付部230の下面における左端の前端部分に取り付けられる。
光源ユニット4は、取付板44を介して取付部230の下面における中央に取り付けられる(図9及び図10参照)。取付板44の固定部440にホルダ41及びレンズ43がねじ止めされることによって光源ユニット4が取付板44に取り付けられる。また、取付板44は、一対のねじ止め部441を有している。そして、一対のねじ止め部441が取付部230にねじ止めされることで取付板44が取付部230の下面に取り付けられる。なお、取付部230の中央には、直径が異なる二つの孔237、238が貫通している(図7参照)。取付部230の下方から見て、直径が小さい方の孔238と、光源ユニット4のコネクタ42とが重なっている(図10参照)。
支持部材23は、第1脚部233及び第2脚部234の先端(上端)が底板20にねじ(あるいはリベット)で締結されることによって本体2に取り付けられる。そして、支持部材23は、本体2の底板20との間で電源ユニット5の筐体51を支持する(図7~図9参照)。より詳細には、支持部材23は、支持部材23の第2側部232、及び支持部材23の第1支持片235を筐体51の下面に当てることで筐体51を支持している。すなわち、実施形態2の非常用点灯装置1Bは、一つ以上の支持部材23が本体2との間で電源ユニット5の筐体51を挟むように電源ユニット5を支持する。そのため、電源ユニット5の筐体51が本体2にねじ止めされる場合と比較して、組立て作業の作業性の向上を図ることができる。
カバー3は、長方形の平板状に形成されている。カバー3の中央に第1孔301が設けられ、カバー3の中央における第1孔301の右隣に第2孔302と第3孔303が設けられている。カバー3の上面における長手方向の両端に取付ばね32が一つずつ設けられている(図7及び図8参照)。カバー3は、これらの取付ばね32が左側板21C及び右側板21Dに一つずつ設けられている受け部211に引っ掛けられることによって着脱可能に本体2と結合される(図8参照)。
実施形態2の非常用点灯装置1Bは、上述のように電源ユニット5を支持する支持部材23を備えている。支持部材23は、本体2(底板20)との間で筐体51を挟むように電源ユニット5を支持している。このため、実施形態2の非常用点灯装置1Bは、ねじなどの部品によって筐体51が本体2に直接取り付けられる場合に比べて、組立て作業(電源ユニット5の筐体51を本体2に支持させる作業)の作業性の向上を図ることができる。しかも、実施形態2の非常用点灯装置1Bでは、電源ユニット5の筐体51にねじなどの取付用の部品を通す孔などが不要であるから、孔などが設けられることに伴う筐体51の大型化なども抑制することができる。
また、実施形態2の非常用点灯装置1Bでは、光源ユニット4だけでなく、第1端子台11、第2端子台12、第3端子台13及びスイッチブロック7が支持部材23に固定されている。つまり、実施形態2の非常用点灯装置1Bでは、組立て作業において、電源ユニット5を除く主要な部品(光源ユニット4、第1端子台11、第2端子台12、第3端子台13及びスイッチブロック7)が本体2の外で支持部材23に取り付けられる。その結果、実施形態2の非常用点灯装置1Bは、光源ユニット4、第1端子台11、第2端子台12、第3端子台13及びスイッチブロック7が本体2内の狭い空間で本体2に取り付けられる場合と比べて、組立て作業の作業性の更なる向上を図ることができる。
[実施形態3]
実施形態3の非常用点灯装置1Cは、建物の屋側の壁に直付けされる防水型の点滅装置である。ただし、実施形態3の非常用点灯装置1Cの基本的な構成は、実施形態1の非常用点灯装置1Aの構成とほぼ共通である。したがって、以下の説明においては、形状や寸法が実施形態1の非常用点灯装置1Aの構成要素と多少異なっていても、実施形態1の非常用点灯装置1Aの構成要素と同じ機能を有する構成要素には同一の符号を付している。
非常用点灯装置1Cは、図11~図15に示すように、光源ユニット4と、電源ユニット5と、光源ユニット4及び電源ユニット5を収容して造営材(屋側の壁)に取り付けられる本体2とを備える。非常用点灯装置1Cは、電源ユニット5を支持する一つ以上の支持部材を備える。また、非常用点灯装置1Cは、本体2に結合されるカバー3と、蓄電池ブロック6と、スイッチブロック7と、枠体8とを更に備える。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、図12に矢印で示す向きにおいて、非常用点灯装置1Cの上下、左右及び前後の各方向を規定する。
本体2は、底板20と、底板20の左辺及び右辺の各々から立ち上がる二つの側板21と、二つの側板21の各々の前端から底板20と平行するように外向きに突き出た二つのカバー取付片24とを有する(図12及び図13参照)。底板20は、底板20の中央に第1電線孔201及び第2電線孔202を有している。また、底板20は、第1電線孔201及び第2電線孔202の上方に第1取付孔204を有し、第1電線孔201及び第2電線孔202の下方に二つの第2取付孔205を有している。すなわち、本体2は、底板20の第1取付孔204及び少なくとも一方の第2取付孔205に1本ずつ通される複数本の取付ねじ(不図示)によって造営材(屋側の壁)にねじ止めされる。
底板20の前面に第1シール部材26が取り付けられる(図13参照)。第1シール部材26は、ウレタン樹脂などの合成樹脂によって長方形の枠状に形成されている。第1シール部材26は、底板20の前面における最外周に配置されている。
底板20の前面における第1取付孔204の右隣に第2端子台12が取り付けられている。また、底板20の前面における第2端子台12の下方に第3端子台13が取り付けられている。さらに、底板20の前面における第2取付孔205の下方には、取付板44を介して光源ユニット4が取り付けられた支持板46、スイッチブロック7が固定された台座72及び蓄電池ブロック6がそれぞれねじあるいはリベットによって取り付けられている。
底板20の前面における上部に支持部207が設けられている。支持部207は、底板20の前面から前方へ突き出た縦片2070と、縦片2070の前端から底板20と平行するように下向きに突き出した横片2071とを有している。
さらに、底板20の前面における第1電線孔201の左隣に支持部材25が取り付けられている。支持部材25は、長方形状の取付部250と、取付部250の右辺及び下辺からそれぞれ後方へ突き出た一対の固定脚251と、取付部250の上辺から上向きに突き出た押さえ片252とを有している(図12及び図13参照)。なお、取付部250、一対の固定脚251及び押さえ片252は、金属板が加工されることによって一体に形成されている。
支持部材25は、一対の固定脚251のそれぞれが底板20にねじ止めされることによって本体2に固定される(図13参照)。取付部250の前面に第1端子台11が取り付けられる。押さえ片252の上端部分が逆L字形状に形成されている(図12参照)。また、押さえ片252の長手方向(上下方向)の中央に電線保持具47が取り付けられている。電線保持具47は、電源ユニット5の筐体51から引き出された電源線52を保持する。
支持部材25は、支持部207とともに電源ユニット5の筐体51を支持する。具体的には、筐体51の長手方向に沿った一方の端部(上端部)が、底板20と、支持部207の横片2071との間に差し込まれている。さらに、筐体51の長手方向に沿った他方の端部(下端部)が、底板20と、支持部材25の押さえ片252の上端部分との間に差し込まれている(図12~図14参照)。つまり、筐体51は、支持部207及び押さえ片252と底板20に挟まれるようにして本体2に取り付けられる。
左側のカバー取付片24は、左側の側板21の前端から底板20と平行するように外向き(左向き)に突き出ている。右側のカバー取付片24は、右側の側板21の前端から底板20と平行するように外向き(右向き)に突き出ている。一対のカバー取付片24の各々は、一対のねじ孔240と、四つの突部241とを有している。
一対のねじ孔240は、カバー取付片24の長手方向(上下方向)の中央と、カバー取付片24の長手方向の両端との中間にそれぞれ一つずつ設けられている。四つの突部241のうちの二つの突部241は、上側のねじ孔240を挟んで上下に並ぶように設けられている。四つの突部241のうちの残り二つの突部241は、下側のねじ孔240を挟んで上下に並ぶように設けられている。なお、これらの突部241は、カバー取付片24を構成する金属板が切り起こされてカバー取付片24と一体に形成されている。
カバー3は、金属製のカバー本体33と、合成樹脂製の透光カバー34と、一対の固定金具35とを有している。カバー本体33は、長方形状の前壁330と、前壁330の四辺から後方へ突き出た四つの側壁331とを有している。前壁330と四つの側壁331とは、1枚の金属板から一体に形成されている。ただし、四つの側壁331同士は結合されていない。
前壁330は、第1孔332、第2孔333及び第3孔334の三つの孔を有している(図15参照)。第1孔332は、前壁330の上下方向の中央から僅かに下方の位置に開口した丸孔である。第1孔332の直径は、光源ユニット4のレンズ43の直径よりも僅かに小さい。第2孔333は、前壁330の第1孔332の下方の位置に開口した丸孔である。第2孔333の直径は、スイッチブロック7の操作ボタン70の直径よりも僅かに大きい。第3孔334は、前壁330の第2孔333の左隣の位置に開口した丸孔である。第3孔334の直径は、第2孔333の直径よりも十分に小さい。
四つの側壁331のうちでカバー本体33の短手方向(左右方向)に対向した二つの側壁331に二つの孔(不図示)が貫通している。
透光カバー34は、長方形状の前板340と、前板340の四辺から後方へ突き出した四つの側板341とを有している。前板340と四つの側板341とは、アクリル樹脂のような透光性を有する合成樹脂により、後面が開放された箱状に形成されている。四つの側板341のうちで透光カバー34の短手方向(左右方向)に対向した二つの側板341に二つの孔(不図示)が貫通している。
前板340の左右方向の中央における下部に円形の孔342が貫通している。この孔342は、前後方向においてカバー本体33の孔238と重なっている。この孔342には操作部材343が取り付けられる。操作部材343は、シリコーンゴムのような柔軟な合成樹脂材料で形成されている。操作部材343は、透光カバー34の前板340の孔342をシールしている。さらに、操作部材343が後方へ押されると、カバー本体33の前壁330の孔238から突き出した操作ボタン70が操作部材343に押されて押操作される。
透光カバー34は、内部(前板340と四つの側板341に囲まれた空間)にカバー本体33を収容する。カバー本体33と透光カバー34は、一対の固定金具35を介して結合される。
固定金具35は、第1固定片351と、第2固定片352と、第3固定片353とを有している(図15参照)。第1固定片351は、長尺の長方形状に形成されている。第1固定片351には二つの孔(不図示)が設けられている。これら二つの孔は、第1固定片351を厚み方向に貫通した丸孔である。
第2固定片352は、長尺の長方形状に形成されている。第2固定片352は、第1固定片351の長手方向に沿った一端から第1固定片351の厚み方向(左右方向)に突き出ている。第2固定片352には二つの孔354が設けられている。これら二つの孔354は、第2固定片352を厚み方向に貫通した丸孔である。なお、第1固定片351と第2固定片352とは、長手方向の長さが等しい。
第3固定片353は、第1固定片351及び第2固定片352よりも長手方向の長さが短い長方形状に形成されている。第3固定片353は、第1固定片351の長手方向の中央から第1固定片351の厚み方向(左右方向)に突き出ている。第3固定片353の長手方向の中央にねじ孔355が設けられている。
固定金具35は、透光カバー34の短手方向に対向する二つの側板341に取り付けられる。具体的には、第1固定片351の二つの孔のそれぞれに1本ずつ差し込まれたボルト36が、透光カバー34の側板341の二つの孔、及びカバー本体33の二つの側壁331の二つの孔のそれぞれに1本ずつ差し込まれる。そして、カバー本体33の内側において、二つの側壁331のそれぞれの孔から突き出したボルト36にナットが締め付けられる。これにより、透光カバー34に一対の固定金具35が取り付けられ、かつ、一対の固定金具35を介してカバー本体33と透光カバー34が結合される。ただし、ボルト36の頭部360と透光カバー34の側板341の間に第2シール部材37が挟み込まれている。第2シール部材37は、側板341の孔とボルト36の頭部360の隙間をシールしている。
カバー3は、本体2の底板20に取り付けられている全ての部品(光源ユニット4、電源ユニット5など)をカバー本体33の内部(前壁330と四つの側壁331に囲まれた空間)に収めるようにして本体2にかぶせられる。そして、一対の固定金具35の第2固定片352が、本体2の一対のカバー取付片24に固定される。具体的には、第2固定片352の二つの孔354のそれぞれに1本ずつ差し込まれた雄ねじ(不図示)が、カバー取付片24の二つのねじ孔240のそれぞれに1本ずつねじ込まれ、第2固定片352とカバー取付片24が結合されてカバー3が本体2と固定される。ここで、透光カバー34の四つの側板341が本体2の第1シール部材26に押し付けられることにより、透光カバー34の側板341と本体2との隙間が第1シール部材26でシールされる。
枠体8は、矩形枠状の前壁80と、前壁80の四つの辺から後方へ突き出した四つの側壁81とを有している(図12参照)。前壁80と四つの側壁81とは、金属材料によって一体に形成されている。前壁80の左右両側の辺の長手方向の中央にそれぞれに孔82が一つずつ貫通している。さらに、前壁80の長手方向(上下方向)に沿って対向する二つの側壁81のうちで下側の側壁81の長手方向(左右方向)の中央に水抜き孔83が貫通している。
枠体8は、前壁80の開口部分に透光カバー34を通し、一対の固定金具35に前方から前壁80をかぶせるようにして本体2及びカバー3に装着される。そして、枠体8の前壁80を貫通している二つの孔82のそれぞれに固定ねじ84が1本ずつ通される。これら2本の固定ねじ84は、一対の固定金具35の第3固定片353に設けられているねじ孔355にそれぞれ1本ずつねじ込まれる。その結果、枠体8が一対の固定金具35に固定される(図11参照)。
実施形態3の非常用点灯装置1Cは、上述のように電源ユニット5を支持する支持部材(支持部材25、支持部207)を備えている。支持部材(支持部材25、支持部207)は、本体2(底板20)との間で筐体51を挟むように電源ユニット5を支持している。このため、実施形態3の非常用点灯装置1Cは、ねじなどの部品によって筐体51が本体2に直接取り付けられる場合に比べて、組立て作業(電源ユニット5の筐体51を本体2に支持させる作業)の作業性の向上を図ることができる。しかも、実施形態3の非常用点灯装置1Cでは、電源ユニット5の筐体51にねじなどの取付用の部品を通す孔などが不要であるから、孔などが設けられることに伴う筐体51の大型化なども抑制することができる。
また、実施形態3の非常用点灯装置1Cでは、第1端子台11が支持部材25に固定されているので、組立て作業の作業性の更なる向上を図ることができる。
上述のように本発明の第1の態様に係る非常用点灯装置(1A;1B;1C)は、光源(光源ユニット4)と、電源ユニット(5)と、光源(光源ユニット4)及び電源ユニット(5)を収容して造営材に取り付けられる本体(2)とを備える。第1の態様に係る非常用点灯装置(1A;1B;1C)は、電源ユニット(5)を支持する一つ以上の支持部材(支持板46と支持片203;支持部材23;支持部材25と支持部207)を備える。電源ユニット(5)は、非常用電源(蓄電池60)から供給される電力によって光源(光源ユニット4)を駆動する駆動回路(50)と、駆動回路(50)を収容する筐体(51)とを有する。一つ以上の支持部材は、本体(2)との間で筐体(51)を挟むように電源ユニット(5)を支持する。
第1の態様に係る非常用点灯装置(1)は、ねじなどの部品によって筐体(51)が本体(2)に直接取り付けられる場合に比べて、組立て作業(電源ユニット(5)の筐体(51)を本体(2)に支持させる作業)の作業性の向上を図ることができる。
本発明の第2の態様に係る非常用点灯装置(1A;1B)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係る非常用点灯装置(1)において、光源(光源ユニット4)は、一つ以上の支持部材のうちの少なくとも一つの支持部材(支持板46;支持部材23)に固定されていることが好ましい。
第2の態様に係る非常用点灯装置(1A;1B)は、光源を本体(2)に固定するための部材を支持部材と別に備える必要がないので、部品点数の削減による組立て作業の作業性の更なる向上を図ることができる。
本発明の第3の態様に係る非常用点灯装置(1B;1C)は、第1又は第2の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係る非常用点灯装置(1B;1C)は、非常用電源である蓄電池(60)と、筐体(51)に収容されて常用電源から供給される電力で蓄電池(60)を充電する充電回路(56)とを更に備えることが好ましい。第3の態様に係る非常用点灯装置(1B;1C)は、常用電源から充電回路(56)への給電路となる電源線(52)が電気的に接続される端子台(第1端子台11)を更に備えることが好ましい。一つ以上の支持部材のうちの少なくとも一つの支持部材(23;25)は、電源線(52)及び端子台の少なくとも一方を保持することが好ましい。
第3の態様に係る非常用点灯装置(1B;1C)は、電源線(52)及び端子台(第1端子台11)の少なくとも一方を支持部材(23;25)に保持させることにより、組立て作業の作業性の更なる向上を図ることができる。
本発明の第4の態様に係る非常用点灯装置(1A)は、第1~第3の態様のいずれか一つとの組合せにより実現され得る。第5の態様に係る非常用点灯装置(1A)は、光源(光源ユニット4)と駆動回路(50)を電気的に接続する接続部品(コネクタ42)と、接続部品(コネクタ42)を保護する保護部(464)とを更に備えることが好ましい。保護部(464)は、一つ以上の支持部材のうちの少なくとも一つの支持部材(支持板46)に設けられていることが好ましい。
第4の態様に係る非常用点灯装置(1A)は、電線や作業者の手指が接続部品(コネクタ42)に当たることを保護部(464)によって保護することができる。
本発明の第5の態様に係る非常用点灯装置(1A;1B;1C)は、第1~第4の態様のいずれか一つとの組合せにより実現され得る。第5の態様に係る非常用点灯装置(1A;1B;1C)において、本体(2)は、多角形状の底板(20)と、底板(20)の各辺から立ち上がる複数の側板(21)とを有することが好ましい。底板(20)は、電線が通される孔(第1電線孔201、第2電線孔202)を有することが好ましい。光源(光源ユニット4)と電源ユニット(5)と一つ以上の支持部材は、底板(20)と対向する方向から見て、孔(第1電線孔201、第2電線孔202)と重ならないように配置されていることが好ましい。
第5の態様に係る非常用点灯装置(1A;1B;1C)は、本体(2)の孔(第1電線孔201、第2電線孔202)を通して外部から電線を引き込む際に光源と電源ユニット(5)と支持部材が邪魔になりにくい。そのため、第5の態様に係る非常用点灯装置(1A;1B;1C)は、電線を引き込む際の作業性の向上を図ることができる。
本発明の第6の態様に係る非常用点灯装置(1A;1C)は、第1~第5態様のいずれか一つとの組合せにより実現され得る。第6の態様に係る非常用点灯装置(1A;1C)において、支持部材(支持板46と支持片203;支持部材25と支持部207)を複数備えることが好ましい。本体(2)は、多角形状の底板(20)と、底板(20)の各辺から立ち上がる複数の側板(21)とを有することが好ましい。複数の支持部材のうちの少なくとも一つの支持部材(支持片203;支持部207)は、複数の側板(21)のうちの一つの側板(21)と一体に設けられていることが好ましい。
第6の態様に係る非常用点灯装置(1A;1C)は、少なくとも一つの支持部材が本体(2)と別体に設けられている場合に比べて、部品点数削減による組立て作業の作業性の更なる向上を図ることができる。