JP7181119B2 - コンクリート打継面用縁切り剤及びコンクリート構造物の構築方法 - Google Patents
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Description
近年、トンネルの経年劣化によるコンクリート片の剥落が問題になっているが、点検により対策が必要とされたひび割れやうき、剥離の多くが覆工コンクリートの打継目にあたる施工目地の近傍に集中していることが報告されている(非特許文献1参照)。中でも、トンネルの天端部にこれらの不具合が多く発生しており、コンクリート片が剥落すると重大事故につながるおそれがある。
[1]水系媒体中に体積基準メディアン径が0.1μm以上5.0μm以下の脂肪酸金属塩が分散してなる、コンクリート打継面用縁切り剤。
[2]前記脂肪酸金属塩を構成する脂肪酸が、炭素原子数8~36の飽和又は不飽和脂肪酸である、[1]に記載のコンクリート打継面用縁切り剤。
[3]前記脂肪酸金属塩を構成する脂肪酸が、パルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸から選ばれる1種又は2種以上を含むものである、[1]に記載のコンクリート打継面用縁切り剤。
[4]前記脂肪酸金属塩を構成する金属が、カルシウム、マグネシウム、バリウム及び亜鉛から選ばれる1種又は2種以上である、請求項[1]~[3]のいずれか1項に記載のコンクリート打継面用縁切り剤。
[5]前記脂肪酸金属塩がステアリン酸カルシウムを含むものである、請求項[1]~[4]のいずれかに記載のコンクリート打継面用縁切り剤。
[6]前記脂肪酸金属塩がさらにオレイン酸カルシウムを含むものである、[5]に記載のコンクリート打継面用縁切り剤。
[7]さらに乳化剤として界面活性剤を含む、[1]~[6]のいずれか1項に記載のコンクリート打継面用縁切り剤に関する。
[8](a)先に打設した第1のコンクリートの打継面に[1]~[7]のいずれかに記載の縁切り剤を塗布し、塗膜を形成する工程、及び
(b)上記塗膜に接するように第2のコンクリートを打設する工程;
を含む、コンクリート構造物の構築方法。
[9]前記コンクリート構造物が、トンネル覆工コンクリートである、[8]記載のコンクリート構造物の構築方法に関する。
脂肪酸金属塩の体積基準メディアン径は、高剪断力が負荷される塗布時に流動性が高くなりやすい点で、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.0μm以上であり、負荷される剪断力が低いとき、流動性が低くなる点で、好ましくは4.5μm以下、より好ましくは4.0μm以下である。
なお、本明細書において、体積基準メディアン径とは、体積基準で粒度分布を求め、全体積を100%とした累積曲線において、累積値が50%となる点の粒子径(D50)を意味し、その測定にはレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(島津製作所製SALD-2100)を使用した。
[粘度]
B型粘度計[VISCOMETER TVB-10(東機産業社製)]によりローターNo.H3を用いて回転数を100rpmとして粘度(25℃)を測定した。
[体積基準メディアン径]
島津製作所社製SALD-2100を使用して、体積基準の平均粒子径を測定した。
[製造例1]
70℃の温水45.0部、水酸化カルシウム6.0部及びノニオン界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキル(C12-14)エーテル、EO付加数14モル)2.0部をステンレス製容器に仕込み、系内の温度を85℃に加温し、撹拌しながらステアリン酸45.0部を4時間かけて滴下して反応を行なった。反応終了後ディスパーミルを用いて分散し、更にアニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)2.0部を添加した後、ビーズミル[アシザワ・ファインテック(株)製スターミル(登録商標)LMZ015]にて2回処理し、体積基準メディアン径が4.3μm、固形分50%のステアリン酸カルシウムの水性分散液(A-1)を得た。
ビーズミルでの処理回数を増やして粒子径を小さくした以外は製造例1と同様の方法にて、表1に示す組成の水性分散液(A-2)~(A-4)を調整した。なお、表中の各成分の含有量は質量%を示す。
ステアリン酸に代えて牛脂脂肪酸を用いた以外は製造例1と同様の方法にて、表1に示す組成の水性分散液(A-5)を調整した。
ビーズミルでの処理回数を増やして粒子径を小さくした以外は製造例5と同様の方法にて、表1に示す組成の水性分散液(A-6)を調整した。
ビーズミルでの処理回数を1回にした以外は製造例1と同様の方法にて、表1に示す組成の水性分散液(B-1)を調整した。
ステアリン酸に代えて牛脂脂肪酸を用いた以外は比較例1と同様の方法にて、表1に示す組成の水性分散液(B-2)を調整した。
製造例1~6で調整した本発明の水性分散液A-1~A-6及び比較製造例1、2で調整した水性分散液B-1、B-2を、トンネル覆工コンクリートの垂直断面に見立てた屋内のコンクリート壁面にローラーで200g/m2となる量塗布し、以下の基準にて塗布性及び垂れ防止性を評価した。結果を表3に示す。
[塗布性の評価基準]
◎:伸びが大変良く、塗布しやすい。
○:伸びが良く、塗布しやすい。
×:伸びが悪く、塗布しにくい。
[垂れ防止性の評価基準]
◎:塗布60分後に垂れの発生なし
○:塗布60分後やや垂れの発生あり
×:塗布直後から垂れの発生あり
10cm×10cm×6cmの透水性インターロッキングブロック(供試体1)を、10cm×6cmの面が底面となるようにして立て、水性分散液A-1~A-6及びB-1、B-2を垂直面となる10cm×10cmの面全体に刷毛で200g/m2となる量塗布して静置し、塗布30分後、60分後の表面状態を確認した。
[乾燥性の評価]
◎:塗布30分後に塗膜を指で擦っても変化なし
○:塗布60分後に塗膜を指で擦っても変化なし
×:塗布60分後に塗膜を指で擦ると伸びる
水性分散液の塗布から5時間後に、各供試体を底面9cm×10cm、高さ10cmの上部が開口した鋼板製のボックスの内部に載置し、塗布面側に底面3cm×10cm、高さ10cmの空間を確保する。その空間にボックス上部から前記配合のモルタルを流し込み、気中常温養生を行った。24時間養生後、供試体をボックスから脱型し、手力またはゴムハンマーによる打撃で打継面の剥離性を評価した。
[剥離性の評価基準]
◎:手力により剥離(モルタルの欠けなし)
○:ハンマーによる打撃で剥離(モルタルの欠けなし)
×:ハンマーで打撃すると打継面近傍のモルタルが欠けてきれいに剥離しない
これに対し、比較例1、2の水性分散液は塗布性は良好であるものの、塗布直後から垂れが発生した。その結果、供試体上端部付近の膜厚が薄くなり打継面の縁切りが十分できず、ハンマーで打撃すると打継面近傍のモルタルが欠けてきれいに剥離しない。
Claims (6)
- 水系媒体中に体積基準メディアン径が0.1μm以上5.0μm以下の脂肪酸金属塩が分散してなる、コンクリート打継面用縁切り剤であって、
前記脂肪酸金属塩を構成する脂肪酸が、パルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸から選ばれる1種又は2種以上を含む炭素原子数8~36の飽和又は不飽和脂肪酸であり、
前記脂肪酸金属塩を構成する金属が、カルシウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛及びアルミニウムから選ばれる1種又は2種以上である、
コンクリート打継面用縁切り剤。 - 前記脂肪酸金属塩がステアリン酸カルシウムを含むものである、請求項1に記載のコンクリート打継面用縁切り剤。
- 前記脂肪酸金属塩がさらにオレイン酸カルシウムを含むものである、請求項2に記載のコンクリート打継面用縁切り剤。
- さらに乳化剤として界面活性剤を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のコンクリート打継面用縁切り剤。
- (a)先に打設した第1のコンクリートの打継面に請求項1~4のいずれかに記載の縁切り剤を塗布し、塗膜を形成する工程、及び
(b)上記塗膜に接するように第2のコンクリートを打設する工程;
を含む、コンクリート構造物の構築方法。 - 前記コンクリート構造物が、トンネル覆工コンクリートである、請求項5記載のコンクリート構造物の構築方法。
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-
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