JP7179997B2 - 圧延設備の運転支援方法及び運転支援装置並びに圧延設備 - Google Patents

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Description

本開示は、圧延設備の運転支援方法及び運転支援装置並びに圧延設備に関する。
圧延ロールを含む圧延装置による金属板等の圧延において、圧延装置の振動の計測結果に基づいて、圧延された製品の不具合の発生を検出したり抑制したりすることがある。
例えば、特許文献1には、圧延機のハウジングやロールチョックに設置した振動センサにより振動を検出し、得られた振動データの周波数解析の結果に基づいて、圧延される金属板に生じ得る縞状の疵(チャタマーク)の原因となり得る圧延機の共振現象(チャタリング)を検出することが記載されている。
特開2018-118312号公報
ところで、圧延ロールを含む圧延装置において金属板等の材料の圧延を続けると、圧延ロールの断面形状が特定のN角形に近づくN角形化が生じることがある。圧延ロールのN角形化が生じて成長すると、圧延ロールにより圧延された材料の表面に、圧延ロールのN角形に対応した凹凸が形成され、製品の品質上問題となることがある。そこで、圧延ロールのN角形化の成長を抑制して、製品の品質低下を抑制することが望まれる。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、圧延ロールのN角形化の成長を抑制可能な圧延設備の運転支援方法及び運転支援装置並びに圧延設備を提供することを目的とする。
本発明の少なくとも一実施形態に係る圧延設備の運転支援方法は、
圧延ロールの回転数frと、前記回転数frにて圧延を行った場合に前記圧延ロールが偏摩耗してN角形になるN角形化の成長傾向を示す特性値σとの相関関係に基づいて、前記圧延ロールのN角形化が鈍化又は減衰することを示す前記特性値σに対応する前記回転数frを取得する目標回転数取得ステップと、
取得した前記回転数frを目標回転数として出力するステップと、
を備える。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、圧延ロールのN角形化の成長を抑制可能な圧延設備の運転支援方法及び運転支援装置並びに圧延設備が提供される。
一実施形態に係る圧延設備の模式図である。 一実施形態に係る運転支援装置の概略構成図である。 一実施形態に係る圧延装置の運転支援方法の概略的なフローチャートである。 圧延ロールの振動の周波数スペクトルの一例の模式図である。 圧延ロールの回転数frの時間変化の一例を示す図である。 圧延ロールのN角形に対応する振動振幅の時間変化の一例を示す図である。 圧延ロールの回転数frと特性値σの相関関係(特性図)の一例を示す図である。 一実施形態に係る運転支援方法実行時の評価係数Ψの履歴の一例を示すチャートである。 圧延ロールの回転数frと特性値σとの相関関係を示す特性図の一例である。 圧延ロールのN角形に対応する振動振幅の状況を示す図である。 圧延ロールのN角形に対応する特性値σの状況を示す図である。 圧延ロールのN角形に対応する評価係数Ψの状況を示す図である。 圧延ロールのN角形化が生じている圧延装置の模式図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、幾つかの実施形態に係る運転支援方法及び運転支援装置が適用される圧延設備の模式図である。図1に示すように、一実施形態に係る圧延設備1は、金属板Sを圧延するように構成された圧延スタンド10を含む圧延装置2と、圧延装置2の運転支援をするための運転支援装置50と、を備えている。また、圧延設備1は、圧延スタンド10を構成する圧延ロール3の振動を計測するための振動計測部90を備えている。
圧延スタンド10は、金属板Sを圧延するための複数の圧延ロール3と、圧延ロール3に荷重を加えて金属板Sを圧下するための圧下装置8と、ハウジング(不図示)等を含む。圧下装置8は、油圧シリンダを含んでいてもよい。
図1に示す圧延装置2では、圧延ロール3は、金属板Sを挟むように設けられる一対のワークロール4A,4Bと、一対のワークロール4A,4Bを挟んで金属板Sとは反対側に設けられ、一対のワークロール4A,4Bをそれぞれ支持するための一対のバックアップロール6A,6Bと、を含む。ワークロール4A,4Bは、それぞれ、ロールチョック5A,5Bによって回転可能に支持されている。バックアップロール6A,6Bは、それぞれ、ロールチョック7A,7Bによって回転可能に支持されている。ロールチョック5A,5B及びロールチョック7A,7Bは、ハウジング(不図示)によって支持されている。
図1に示す圧延設備1において、振動計測部90は、ロールチョック5A,5B,7A,7Bにそれぞれ取り付けられた加速度センサ91~94を含む。加速度センサ91~94は、それぞれ、ロールチョック5A,5B,7A,7Bの任意の方向(例えば、垂直方向、水平方向、及び/又は、圧延ロール3の回転軸方向)における振動、すなわち、ワークロール4A,4B及びバックアップロール6A,6Bの任意の方向における振動を検出するように構成されている。加速度センサ91~94で検出された、上述の振動を示す信号は、運転支援装置50に送られるようになっている。
他の実施形態では、振動計測部90は、圧延ロール3の任意の方向における変位を計測するように構成された変位検出部を含んでいてもよい。この場合、変位検出部による計測結果に基づいて、圧延ロール3の振動を算出するようにしてもよい。変位検出部として、例えば、レーザ式又は渦電流式等の変位計を用いることができる。あるいは、変位検出部として撮像装置(カメラ等)を用いることができる。この場合、圧延ロール3の一部位を撮像装置で撮像し、得られた撮像データを画像処理することにより、圧延ロール3の振動を算出するようにしてもよい。
図2は、一実施形態に係る運転支援装置50の概略構成図である。運転支援装置50は、詳しくは後述するように、圧延ロール3の偏摩耗によるN角形化が成長しないように、圧延装置2を運転することを支援するように構成されている。運転支援装置50は、振動計測部90から圧延ロール3の振動を示す信号を受け取るとともに、ロール回転数計測部95にて計測された圧延ロール3の回転数を示す信号を受け取るように構成されている。
また、運転支援装置50は、記憶部96から情報を取得するように構成されている。記憶部96には、圧延ロール3の回転数frと、該回転数frにて圧延を行った場合の圧延ロール3の偏摩耗によるN角形化の成長傾向を示す特性値σとの相関関係を示す特性図が記憶されている。
運転支援装置50は、上述の振動計測部90、ロール回転数計測部95、又は、記憶部96から受け取った情報を処理するための振動データ取得部52、周波数分析部54、振幅抽出部56、目標回転数取得部63、及び、出力部72等を含む。
運転支援装置50は、CPU、メモリ(RAM)、補助記憶部及びインターフェース等を含んでいてもよい。運転支援装置50は、インターフェースを介して、各種計測器(上述の振動計測部90又はロール回転数計測部95等)からの信号を受け取るようになっている。CPUは、このようにして受け取った信号を処理するように構成される。また、CPUは、メモリに展開されるプログラムを処理するように構成される。
運転支援装置50での処理内容は、CPUにより実行されるプログラムとして実装され、補助記憶部に記憶されていてもよい。プログラム実行時には、これらのプログラムはメモリに展開される。CPUは、メモリからプログラムを読み出し、プログラムに含まれる命令を実行するようになっている。
上述した圧延装置2において、特定の回転数で金属板Sの圧延を続けると、圧延ロール3の断面形状が特定のN角形に近づくN角形化が生じることがある。ここで、図11は、圧延ロール3のN角形化が生じている圧延装置の模式図である。図11に示す圧延装置2は、複数の圧延スタンド10A~10Cを含む。圧延ロール3の軸方向に直交する断面形状は、通常、圧延スタンド10A又は10Cの圧延ロール3のように円形形状を有するが、図11に示す圧延スタンド10Bの圧延ロール3(ワークロール4A,4B及びバックアップロール6A,6B)の断面形状はN角形(具体的には12角形)となっており、これらの圧延ロール3にはN角形化が生じている。圧延ロール3のN角形化が生じて成長すると、圧延ロール3により圧延された金属板Sの表面に、圧延ロール3のN角形に対応した凹凸が形成され、製品の品質上問題となることがある。
上述の問題を解決するため、幾つかの実施形態に係る運転支援装置50は、圧延ロール3のN角形化の成長を抑制可能な構成を有している。すなわち、運転支援装置50の目標回転数取得部63は、圧延ロール3の回転数frと特性値σとの相関関係に基づいて(すなわち、記憶部96から取得した特性図に基づいて)、圧延ロール3のN角形化が鈍化又は減衰することを示す特性値σに対応する回転数frを取得するように構成される。また、出力部72は、目標回転数取得部63によって取得された回転数frを目標回転数として出力するように構成される。
幾つかの実施形態では、目標回転数は、出力部72を介して、圧延ロール3の回転数を制御するための回転数制御部99に出力されるようになっている。回転数制御部99は、圧延ロール3の回転数が目標回転数となるように、圧延ロール3の駆動モータを制御するように構成されていてもよい。また、幾つかの実施形態では、目標回転数は、出力部72を介して表示部98(ディスプレイ等)に出力されるようになっている。この場合、表示部98に表示された目標回転数に基づいて、オペレータが、圧延ロール3の回転数を適宜変更するようにしてもよい。
なお、図11においては、圧延スタンド10Bの各圧延ロール3において、12角形化(N=12)が生じた様子が模式的に示されているが、実際の圧延装置では、圧延ロール3の回転数等の運転条件にもよるが、Nが50程度あるいは100程度のN角形が圧延ロール3に生じることもある。
また、圧延装置2の運転条件や仕様(固有振動数等)に応じて、特定の圧延スタンド10において圧延ロール3のN角形化が生じたり、1つの圧延スタンドを構成する複数の圧延ロール3のうち、特定の圧延ロール3(ワークロール4A,4B又はバックアップロール6A,6B)にてN角形化が生じたりすることがある。例えば、比較的高温で行う熱間圧延の場合、ワークロール4A,4BにおいてN角形化が比較的起きやすい。また、比較的低温で行う冷間圧延の場合、バックアップロール6A,6BにおいてN角形化が比較的起きやすい。
次に、幾つかの実施形態に係る圧延装置2の運転支援方法について説明する。
幾つかの実施形態では、上述の運転支援装置50を用いて圧延装置の運転を支援する方法について説明するが、幾つかの実施形態では、以下に説明する運転支援装置50による処理の一部又は全部をマニュアルで行うことにより、圧延装置2の運転支援をするようにしてもよい。
以下、幾つかの実施形態に係る圧延装置の運転支援方法について、より具体的に説明する。なお、以下においては、上述の運転支援装置50を用いて圧延装置2の運転支援をする方法について説明するが、幾つかの実施形態では、以下に説明する運転支援装置50による処理の一部又は全部をマニュアルで行うことにより、圧延装置2の運転支援をするようにしてもよい。
図3は、一実施形態に係る圧延装置の運転支援方法の概略的なフローチャートである。図3のフローチャートにおいて、「i」は、圧延ロール3の回転数の設定(変更)回数(すなわち、i回目の圧延ロール3の回転数の設定)を意味し、「fr」「A」等の添え字iが付された記号は、それぞれ、i回目の回転数設定での圧延時におけるものであることを示す。
図4は、以下に説明する周波数分析ステップ(ステップS206)で得られる、圧延ロール3の振動の周波数スペクトルの一例の模式図である。図5Aは、一実施形態に係る運転支援方法の実行時における、圧延ロール3の回転数frの時間変化を示す図である。図5Bは、一実施形態に係る運転支援方法の実行時における、圧延ロール3のN角形に対応する振動振幅(後で説明する)の時間変化を示す図である。
一実施形態に係る方法では、まず、圧延ロール3の回転数をfr(初回はi=1)に設定し、該回転数frにて圧延装置2を運転し、金属板Sの圧延を行う(ステップS202)。なお、圧延ロール3の回転数frは、後で説明するステップS222で回転数fri+1に変更するまでは不変である。
次に、振動データ取得部52により、圧延ロール3の回転数frでの圧延中に、サンプリング周期dt(図5A及び図5B参照)毎に圧延ロール3の振動を示す振動データを取得する(振動データ取得ステップ;ステップS204)。該振動データとして、上述の振動計測部90により計測したものを振動データ取得部52で取得するようにしてもよい。
次に、周波数分析部54により、サンプリング周期dt毎に取得された振動データの各々について周波数分析を行い、該振動データの周波数スペクトルを取得する(周波数分析ステップ;ステップS206)。あるサンプリング周期dtに取得された振動データについて周波数分析をすることにより、例えば図4に示す周波数スペクトルが得られる。
そして、振幅抽出部56により、周波数分析の結果得られる周波数スペクトルに基づいて、特定のN角形に対応する周波数(fr×N)における振動の振幅A(以下、N角形に対応する振動振幅A等ともいう。)を取得する(振幅取得ステップ;ステップS2086)(図4参照)。ステップS204にてサンプリング周期dt毎に取得される振動データの各々について周波数分析(ステップS206)及びN角形に対応する振動振幅の抽出(ステップS208)を行うことにより、サンプリング周期dt毎に振動振幅Aが得られる(図5B参照)。
ステップS208にて各振動データについて取得された振動振幅Aは、圧延ロール3の回転数frとともに、記録部60(図2参照)に記録される。記録部60に記録された回転数fr及び振動振幅Aの情報は、後述の評価係数Ψの算出に用いられる。
ここで、例えば図5A及び図5Bに示すように、圧延ロール3の回転数frに応じて、特定のN角形に対応する振動振幅Aの経時変化の傾向(増加又は減少、及びその速度等)は異なる。図5A及び図5Bに示す例では、圧延ロール3の回転数fr(i=1)では、N角形に対応する振動振幅Aは、時間の経過に伴い増加している。これは、圧延ロール3においてN角形化が成長していること、すなわち、圧延ロール3の軸方向に直交する断面の形状が、円形からN角形に近づくように変形していることを示す。また、図5A及び図5Bに示す例では、圧延ロール3の回転数fr(i=2)では、N角形に対応する振動振幅Aは、時間の経過に伴い減少している。これは、圧延ロール3においてN角形化が減衰していること、すなわち、圧延ロール3の軸方向に直交する断面の形状が、N角形から円形に近づくように変形していることを示す。
なお、複数種のN角形(N=N,N,N…)について、同一の回転数frにおける振動振幅Aの経時変更の傾向はそれぞれ独立している。例えば、回転数frでは、N角形に対応する振動振幅Aは時間の傾向に伴い増加するのに対し、N角形とは異なるN角形に対応する振動振幅Aは時間の傾向に伴い減少する場合がある。また、回転数fr2では、N角形に対応する振動振幅Aは時間の傾向に伴い減少するのに対し、N角形に対応する振動振幅Aは時間の傾向に伴い増加する場合がある。すなわち、圧延ロール3において、ある回転数frでは、N角形化の成長とN角形化の減衰が同時に起きることがあるし、また、他の回転数frでは、N角形化の減衰とN角形化の成長が同時に起きることがある。さらに、圧延ロール3において、ある回転数frでは、N角形化の成長とN角形化の成長が同時に起き得るし、あるいは、ある回転数frでは、N角形化の減衰とN角形化の減衰が同時に起き得る。
次に、ステップS208にて、振幅比較部59(図2参照)により、サンプリング周期dt毎に取得される振動振幅Aを、該振動振幅の管理値AiMと比較する(ステップS212)。管理値AiMは、圧延される金属板Sの品質を低下させないように決定される値であり、例えば、金属板Sの表面にチャタマークが形成されないように決定される。管理値AiMは、圧延装置2の過去の運転実績から決定するようにしてもよい。また、角形数Nに応じて異なる管理値AiMを設定してもよい。
ステップS208で取得された振動振幅Aが管理値AiMよりも小さい場合(ステップS212のNo)、圧延される金属板Sの品質に影響が出る程度に振動振幅Aが増加しておらず、圧延ロール3において着目しているN角形化は過度に成長していないと判断することができる。したがって、圧延ロール3にて該N角形化を減衰又は遅延(鈍化)させる必要はまだないため、圧延ロール3の回転数frを変更せずにfrのまま維持し、ステップS202に戻り、ステップS202以降の手順を再度行う。
一方、ステップS208で取得された振動振幅Aが管理値AiMよりも大きい場合(ステップS212のYes)、圧延される金属板Sの品質に影響が出る程度に振動振幅Aが増加している(即ち、N角形化が成長している)可能性がある。そこで、以下に説明するステップS214~S218にて、圧延される金属板Sの品質に影響が出る程度にN角形化が成長しているか否かを判定する。
ステップS214では、評価係数算出部67(図2参照)により、ある時点を基準とする振動振幅Aの成長度合いを示す評価係数Ψを算出する。
ここで、i回目の回転数設定値frに圧延ロール3の回転数を変更した直後に取得されるN角形に対応する振動振幅をAiSとし、(i+1)回目の回転数設定値fri+1に変更する直前(この時の回転数はfrである)に取得されるN角形に対応する振動振幅をAiEとする(図5B参照)。
本発明者らの知見によれば、圧延ロール3の回転数が一定の条件での圧延中、N角形に対応する振動振幅Aは、指数関数的に増減する。そして、圧延ロール3の回転数friで圧延中、ある時刻t1におけるN角形に対応する振動振幅Ai_t1と、時刻t1よりΔt後の時刻t2におけるN角形に対応する振動振幅Ai_t2は、下記式(A)で示す関係を満たす。
i_t2/Ai_t1=exp(σ・fr・Δt) …(A)
ここで、上記式(A)σは、圧延ロール3の回転数frに対応して定まる特性値(以下、単に「特性値σ」ともいう。)
したがって、上述の振動振幅AiSの取得時刻から、上述の振動振幅AiEの取得時刻までの時間の長さをΔtとすれば、振動振幅AiEと振動振幅AiSとの比(回転数frでの振動振幅Aの成長比)は、下記式(B)で表すことができる。
iE/AiS=exp(σ・fr・Δt) …(B)
そして、i=1,2,3,・・・,iについて、上記式(B)の成長比(AiE/AiS)を全て掛け算すると、下記式(C)が得られる。
Figure 0007179997000001
上記式(C)の左辺は、圧延ロール3の回転数をfr(i=1)に設定した直後の振動振幅A1Sを基準とした、振動振幅Aiの成長度合いを示すものである。そして、上記式(C)について自然対数をとれば下記式(D)に示す形で表現できる。これを評価係数Ψと定義する。
Figure 0007179997000002
評価係数Ψがゼロより大きい場合、基準時点の振動振幅Aに対して、i回目に設定した回転数frでΔtの期間圧延を行った時点での振動振幅Aが増加したこと、すなわち、圧延ロール3のN角形化が成長したことを示す。また、評価係数Ψがゼロより小さい場合、基準時点の振動振幅Aに対して、i回目に設定した回転数frでΔtの期間圧延を行った時点での振動振幅Aが減少したこと、すなわち、圧延ロール3のN角形化が減衰したことを示す。
したがって、圧延装置2の運転中にステップS202~S224(ステップS216~S224については後述)を繰り返し行うことで、記録部60に記録された回転数fr及び振動振幅A(振動振幅AiS及びAiEを含む)の過去の履歴を用いて、上記式(D)から、現時点での評価係数Ψを算出することができる。
ステップS216では、評価係数比較部69(図2参照)により、ステップS214で算出した評価係数Ψがゼロよりも小さいか否かを判定する。評価係数Ψがゼロよりも小さい場合(ステップS216のYes)、過去の基準時点に比べて振動振幅Aが小さくなっている(即ちN角形化が減衰している)と判断することができる。したがって、圧延ロール3にてN角形化を減衰又は鈍化(遅延)させる必要はまだないため、圧延ロール3の回転数frを変更せずにfrのまま維持し、ステップS202に戻り、ステップS202以降の手順を再度行う。
一方、ステップS216にて評価係数Ψがゼロよりも大きい場合(ステップS216のNo)、過去の基準時点に比べて振動振幅Aが大きくなっていると判断することができる。すなわち、圧延される金属板Sの品質に影響が出る程度に振動振幅Aが増加している(即ち、N角形化が成長している)可能性があるため、次のステップS218に進んで、圧延ロール3の回転数friの変更の要否を判定する。
ステップS218では、圧延ロール3の回転数を現在の回転数frに変更した直後に取得されるN角形に対応する振動振幅AiSに対する、現在の回転数frでの圧延中における最新の(直近に取得された)N角形に対応する振動振幅Ai_Nの比Ai_N/AiSが1よりも小さいか否かを判定する。
上述の比Ai_N/AiSが1よりも小さい場合(ステップS218のYes)、圧延ロール3の回転数を現在の回転数frに設定(変更)後、N角形に対応する振動振幅Aiが減少しているから、N角形化は減衰傾向であることを示す。したがって、圧延ロール3にてN角形化を減衰又は遅延(鈍化)させる必要はないため、圧延ロール3の回転数frを変更せずにfrのまま維持し、ステップS202に戻り、ステップS202以降の手順を再度行う。
一方、上述の比Ai_N/AiSが1よりも大きい場合(ステップS218のNo)、圧延ロール3の回転数を現在の回転数frに設定(変更)後、N角形に対応する振動振幅Aiが増加しているから、N角形化は成長傾向であることを示す。これにより、圧延される金属板Sの品質に影響が出る程度に振動振幅Aが増加している(N角形化が成長している)と判断し、ステップS220に進む。
ステップS220では、目標回転数取得部63により、圧延ロールの回転数frと、圧延ロール3のN角形化の成長傾向を示す特性値σとの相関関係(特性図)に基づいて、圧延ロール3のN角形化が鈍化又は減衰することを示す特性値σに対応する回転数frを目標回転数として取得する。取得した目標回転数は、出力部72を介して、表示部98や回転数制御部99に出力される。
ステップS220の後、ステップS222では、出力部72を介して出力された目標回転数となるように、圧延ロール3の駆動モータの出力を調節して、圧延ロール3の回転数を変更する。そして、圧延ロール3の回転数の設定回数(変更回数)のカウンタを加算して(ステップS224)、ステップS202に戻り、ステップS202以降の手順を再度行う。
上述した実施形態に係る方法によれば、圧延ロール3の回転数frと上述の特性値σとの相関関係に基づいて、圧延ロール3のN角形化が鈍化又は減衰することを示す特性値σに対応する回転数frを取得し、該回転数frを目標回転数として出力する。したがって、圧延ロール3の回転数が、出力された目標回転数となるように圧延装置2を運転して金属板Sの圧延を行うことで、圧延ロール3のN角形化を鈍化(遅延)又は減衰させることができる。これにより、圧延ロール3のN角形化の成長を抑制して、圧延後の製品(金属板S)の品質低下を抑制することができる。
ここで、図6は、圧延ロール3の回転数frと、圧延ロール3のN角形化の成長傾向を示す特性値σの相関関係(特性図)の典型的な一例を示す図である。図6のグラフの横軸のパラメータΦは、Φ=fr×N/fn(ただし、fnは圧延ロール3の固有振動数)で表されるパラメータである。なお、Nは特定の自然数(角形数)であり、fnも圧延対象の金属板の材質や厚さ等によらず概ね一定であると見做すことができるので、Φは圧延ロール3の回転数frと概ね比例関係にある。
回転数frに対応する特性値σは、例えば上記式(B)を変形することにより、下記式(E)に示すように定義できる。
σ=ln(AiE/AiS)/(fr・Δt) …(E)
したがって、圧延ロール3にて様々な回転数frでの圧延中に、N角形に対応する振動振幅AiS及びAiEを取得することにより、特性値σと、回転数frとの相関関係(図6に示す特性図)を取得することができる。上述の回転数frと特性値σとの相関関係を示す特性図は、圧延装置2の過去の運転実績等に基づいて予め作成されたものを用いてもよい。
上述の特性値σ(例えば上記式(E)に基づき算出したもの)は、圧延ロール3の回転数frでの圧延中における、N角形に対応する圧延ロール3の振動の周波数の振幅(即ち、N角形に対応する振動振幅)の経時変化の傾向の指標である。
即ち、上述の特性値σがゼロより大きい場合、上記式(E)の右辺中の(AiE/AiS)が1よりも大きくなる。したがって、特性値σがゼロより大きいことは、当該σに対応する回転数frにおいて、N角形に対応する振動振幅が増加すること、すなわち、圧延ロール3のN角形化が成長することを示す。一方、上述の特性値σがゼロより小さい場合、上記式(E)の右辺中の(AiE/AiS)が1よりも小さくなる。したがって、特性値σがゼロより小さいことは、当該σに対応する回転数frにおいてN角形に対応する振動振幅が減少すること、すなわち、圧延ロール3のN角形化が減衰することを示す。
また、上記式(E)で算出される特性値σは、上記式(E)の右辺の分子に、上述の振動振幅が、AiSからAiEまで変化するまでの時間(Δt)が含まれることから、単位時間当たりの振動振幅の変化を示すものである。したがって、特性値σが正の領域では、特性値σが大きいほど、N角形に対応する振動振幅Aの増加速度が大きく、圧延ロール3のN角形化の成長速度が速い傾向であると評価することができる。また、特性値σが負の領域では、特性値σが小さいほど、N角形に対応する振動振幅Aの減少速度が大きく、圧延ロール3のN角形化の減衰速度が速い傾向であると評価することができる。
なお、複数種類のN角形(N=N1,N2,N3,…)について、回転数frと特性値σの相関関係を示す曲線(特性図)は個別に得られるが、図6に示すグラフのように、角形数N及び圧延ロール3の固有振動数fnで回転数frを正規化したパラメータΦを用いてグラフ化すると、複数種のN角形についての相関関係の曲線(特性図)がほぼ重なる。
図6に示すように、典型的な特性図においては、角形数Nに関わらず、Φ=1(即ち、N角形に対応する周波数fr×Nが圧延ロール3の固有振動数と等しくなる回転数fr)の近傍と、Φ<1の領域に、σがゼロとなるΦ(図6中のΦ=α2及びΦ=α1)(即ち回転数)が存在する。
そして、α1<Φ<α2の回転数領域においてσがゼロより大きく、特に、Φ≒α2にてσが極大となっている。すなわち、この回転数領域では、圧延ロール3のN角形化が成長(進行)し、σが大きいほど、圧延ロール3のN角形化の成長速度が速い。一方、Φ<α1及びΦ>α2の回転数領域ではσがゼロよりも小さい。すなわち、この回転数領域では、圧延ロール3のN角形化が減衰し、σが小さいほど、圧延ロール3のN角形化の減衰速度が速い。なお、σ=0では、圧延ロール3のN角形化は成長も減衰もしない。
幾つかの実施形態では、特性値σは、例えば上記式(E)で定義されるように、圧延ロール3の回転数frでの圧延中における、N角形に対応する周波数での圧延ロール3の振動の振幅の変化速度の指標である。そして、上述のステップS220(目標回転数取得ステップでは圧延ロール3の回転数frと、該特性値σとの相関関係に基づいて、特性値σが現在値よりも小さくなる回転数frを、目標回転数として取得する。
例えば、図6に示す特性図(特定のN角形についての特性図)において、回転数fr(又はパラメータΦ)と特性値σとの相関系を示す曲線上の点P1~P5が存在したとする。各点Pjの座標をPi(Φj,σj)とすると、各点P1~P5におけるΦjは、Φ1(<α1)<Φ2<Φ3<Φ4(<α2)<Φ5の関係を満たす(すなわち各点における回転数frjは、fr1<fr2<fr3<fr4<fr5の関係を満たす)。また、点P3におけるσ3は、特性図全体におけるσの極大値である。また、点P2,P4におけるσ2、σ4はゼロより大きく、点P1,P5におけるσ1、σ5はゼロより小さい。
上述の実施形態では、例えば、ステップS220にて目標回転数を算出している時点(圧延ロール3の回転数変更前)において点P2の運転条件(圧延ロール回転数fr2)であったとすると、ステップS220では、特性値σが、点P2におけるσ2(現在値)よりも小さくなる回転数fr、すなわち、例えば、点P1,P4又はP5における回転数fr1、fr4、またはfr5を、目標回転数として取得する。
このように、ステップS220にて、特性図に基づいて、特性値σが現在値よりも小さくなる回転数frを目標回転数として取得すれば、ステップS224にて該目標回転数となるように圧延装置2を運転することで、圧延ロール3のN角形化の成長速度を現在値よりも小さくすることができ(即ち、N角形化の成長を鈍化させることができ)、これにより圧延ロール3のN角形化の成長を抑制することができる。
幾つかの実施形態では、特性値σは、例えば上記式(E)で定義されるように、圧延ロール3の回転数frでの圧延中における、N角形に対応する周波数での圧延ロール3の振動の振幅の変化速度の指標である。そして、上述のステップS220(目標回転数取得ステップ)では、圧延ロール3の回転数frと、特性値σとの相関関係に基づいて、特性値σがゼロ未満となる回転数frを、目標回転数として取得する。
例えば、ステップS220にて目標回転数を算出している時点(圧延ロール3の回転数変更前)において点P2の運転条件(圧延ロール回転数fr2)であったとすると、ステップS220では、特性値σがゼロ未満となる回転数fr、すなわち、例えば、点P1又はP5における回転数fr1またはfr5を、目標回転数として取得する。
このように、ステップS220にて、特性図に基づいて、特性値σがゼロ未満となる回転数frを目標回転数として取得すれば、ステップS224にて該目標回転数となるように圧延装置2を運転することで、圧延ロール3のN角形化を減衰させることができ、これにより圧延ロール3のN角形化の成長を抑制することができる。
幾つかの実施形態では、ステップS220(目標回転数取得ステップ)では、圧延ロール3のN角形化が鈍化又は減衰することを示す特性値σに対応する2以上の回転数範囲が存在する場合、前記2以上の回転数範囲のうち大きい方の回転数範囲内の回転数を、目標回転数として取得する。
図6の特性図においては、特性値σが0未満となるΦの範囲は、Φ<α1又はΦ>α2である。言い換えると、特性値σが0未満となる回転数frの範囲は、fr<α1×fn/N、又は、fr>α2×fn/Nである。したがって、この特性図において、圧延ロール3のN角形化が減衰することを示す特性値σに対応する回転数範囲が2つ(すなわち、fr<α1×fn/N、及び、fr>α2×fn/N)存在する。そこで、上述の実施形態では、ステップS220(目標回転数取得ステップ)にて、圧延ロール3のN角形化を減衰させるための目標回転数として、上記2つの回転数範囲のうち、大きい方の回転数範囲(即ち、fr>α2×fn/N)内の目標回転数を設定する。
上述の実施形態では、圧延ロール3のN角形化が鈍化又は減衰することを示す特性値σに対応する2以上の回転数範囲が存在する場合、これらのうち大きい方の回転数範囲内の回転数を目標回転数として取得する。したがって、このように取得した目標回転数となるように圧延装置2を運転することで、圧延ロール3の回転数の低下を抑制してライン速度をなるべく高く維持しながら、圧延ロールのN角形化の成長を抑制することができる。すなわち、ライン速度をなるべく高速にできるので、製品(金属板)の品質低下を抑制しながら、製品の生産効率を向上することができる。
幾つかの実施形態では、ステップS220(目標回転数取得ステップ)では、圧延ロール3の固有振動数をfnとしたとき、fn/Nよりも大きい回転数範囲内の回転数を、目標回転数として取得する。なお、図6に示す特性図においては、Φ=α2(≒1)における回転数frが、fn/Nにほぼ等しいことから、点P5における回転数fr5は、fn/Nよりも大きい回転数範囲内の回転数である。
本発明者らの知見によれば、例えば図6に示すように、圧延ロール3の回転数frでの圧延ロール3のN角形に対応する振動の周波数(fr×N)が、圧延ロール3の固有振動数fnよりも大きいような高回転数領域においても、特性値σが比較的小さくなる(即ち、圧延ロールのN角形化が鈍化又は減衰する)回転数範囲が存在する。この点、上述の実施形態では、fn/Nよりも大きい回転数範囲内の比較的大きい回転数を目標回転数として取得する。したがって、このように取得した目標回転数となるように圧延装置2を運転することで、圧延ロール3の回転数の低下を抑制してライン速度をなるべく高く維持しながら、圧延ロール3のN角形化の成長を抑制することができる。
図7は、図3のフローチャートによる運転支援方法に基づき圧延装置2を運転したときの評価係数Ψの履歴を示すチャートである。図7に示す例では、圧延ロール3における様々なN角形化のうち、39角形化、40角形化及び41角形化についての、評価係数Ψの履歴を線グラフで示している。図7のグラフにおける時刻tcは、最新の振動データを取得した時刻である。なお、図7のグラフによれば、時刻t10、t11及びt12にて、各多角形化についての評価係数Ψの増加と減少が切り替わっていることから、これらのタイミングで圧延ロール3の回転数を変更していることがわかる。
図3のフローチャートに示す運転支援方法によれば、図7に示すように、着目しているN角形(ここでは39角形、40角形及び41角形)についての評価係数Ψがなるべく0を超えないように、圧延ロール3の回転数を調節するようにしている(特に、ステップS216~S222参照)。そして、図7に示す現状の評価係数Ψのトレンドから、将来の時点における評価係数Ψを予測して表示部98に表示したり、圧延ロール3の回転数(即ちライン速度)の変更タイミングの目安にしたり、圧延ロール3の回転数(即ちライン速度)の制御に活用したりすることができる。
図8は、圧延ロール3の回転数frと特性値σとの相関関係を示す特性図の一例であり、図7のチャートに示す時刻tcにおける回転数frでの、39,40,41角形についてのσの値を示す図である。図9は、図7のチャートに示す時刻tcにおける、圧延ロール3の39,40,41角形に対応する振動振幅の状況を示す図である。図10Aは、図7のチャートに示す時刻tcにおける、圧延ロール3の39,40,41角形に対応する特性値σの状況を示す図である。図10Bは、図7のチャートに示す時刻tcにおける、圧延ロール3の39,40,41角形に対応する評価係数Ψの状況を示す図である。
図8及び図10Aより、時刻tcにおいては、40角形についての特性値σがゼロより大きい。このことから、圧延ロール3にて40角形化が成長していることがわかる。また、時刻tcにおいては、39角形及び41角形についての特性値σがゼロより小さい。このことから、圧延ロール3にて39角形化及び41角形化は減衰していることがわかる。また、図9から、時刻tcにおいては、39,40,41角形に対応する振動振幅は、いずれも管理値Aよりも小さく、圧延される金属板Sの品質に影響が出る程度まで39,40,41角形化が成長していないことがわかる。また、図10Bから、時刻tcにおいて、39,40,41角形に対応する評価係数Φは0未満に維持されており、過去の基準時点に比べて、39,40,41角形に対応する振動振幅が過度に成長していないことがわかる。
幾つかの実施形態では、圧延ロール3の回転数fr1での圧延中に、圧延ロール3の振動を示す振動データを取得し、該振動データについて周波数分析を行い、該振動データの周波数スペクトルを取得する。そして、該周波数スペクトルに基づいて、N角形に対応する周波数における振動振幅A1を取得する。また、特性値σ及び振動振幅A1に基づいて、回転数fr1での圧延を継続した場合に、振動振幅が閾値Athに達するまでの時間Δtbを算出する。そして、このように算出した時間を、出力部72を介して、例えば表示部98に出力する。なお、この閾値Athは、上述の管理値A(すなわち、圧延ロール3のN角形化を抑制するためのロール回転数制御に用いる管理値A)と同じ値であってもよい。
上記時間Δtbの算出方法の一例について説明する。式(A)より、特性値σは、圧延ロール3の回転数frでの圧延中、時間Δtの間の振幅の変化を比(Ai_t2/Ai_t1)で示すものである。したがって、式(A)より、回転数fr1での圧延中の特性値σを、回転数fr1での圧延中のある時点でのN角形に対応する振動振幅A、振動振幅の閾値Ath(ただしA<Ath)、及び、振動振幅がAからAthになるまでの時間Δtbを用いて、下記式(E)のように表現できる。
σ=ln(Ath/A1)/(fr1・Δtb) …(E)
上記式(E)を変形して、下記式(F)が得られる。
Δtb=ln(Ath/A1)/(σ・fr1) …(F)
したがって、上記式(F)から、回転数fr1において圧延中の、N角形に対応する振動振幅A1である時刻t1(例えば現在の時刻)から、振動振幅が閾値Athとなる時刻までの時間の長さΔtbを算出(予測)することができる。
上述の実施形態では、圧延ロール3の回転数frと特性値σとの上述の相関関係(圧延ロールのN角形化の成長傾向を示す相関関係)に基づいて、圧延ロール3の回転数fr1で圧延を時刻t1から継続した場合に、圧延ロール3のN角形に対応する振動振幅が既定の閾値Athに達するまでの時間Δtbを算出(予測)する。すなわち、圧延ロール3のN角形化が既定の程度(閾値Ath)に達するまでの時間を算出して、表示するようにしたので、算出された時間が経過する前に、例えば運転条件(圧延ロール回転数等)を変更したり、圧延ロール3を交換したりすることにより、圧延ロール3のN角形化の程度が大きくなりすぎるのを抑制することができる。これにより、圧延後の製品金属板の品質低下を抑制することができる。
幾つかの実施形態では、加工機による表面加工によりN角形化が生じた圧延ロール3を圧延装置2に設置する。そして、上述のステップS220(目標回転数取得ステップ)では、表面加工により圧延ロール3に生じたN角形化の成長が鈍化又は減衰するように、圧延ロール3の回転数と特性値σとの相関関係に基づいて目標回転数(回転数fr)を取得する。
通常、圧延ロール3は、使用前に加工機(例えば研削機等)によって断面形状が円形になるように表面加工を行うが、実際には、この表面加工によって、目視ではわからない程度のN角形化が生じる場合がある。この点、上述の実施形態によれば、加工機による表面加工により圧延ロール3に生じたN角形化の成長が鈍化又は減衰するような圧延ロール3の目標回転数を取得する。したがって、表面加工によりN角形化が生じた圧延ロール3を圧延装置2に設置して圧延を行うときに、上述の目標回転数にて圧延装置2を運転することで、圧延ロール3のN角形化を鈍化(遅延)又は減衰させることができる。これにより、圧延ロール3のN角形化の成長を抑制して、圧延後の製品(金属板S)の品質低下を抑制することができる。
なお、圧延ロール3の表面加工の例として、例えば、砥石を用いた研削加工、又は、バイト又はエンドミル等を用いた切削加工が挙げられる。また、切削加工の後に研削加工を行うこともある。
以下、幾つかの実施形態に係る圧延設備の運転支援方法及び運転支援装置並びに圧延設備について概要を記載する。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る圧延設備の運転支援方法は、
圧延ロールの回転数frと、前記回転数frにて圧延を行った場合に前記圧延ロールが偏摩耗してN角形になるN角形化の成長傾向を示す特性値σとの相関関係に基づいて、前記圧延ロールのN角形化が鈍化又は減衰することを示す前記特性値σに対応する前記回転数frを取得する目標回転数取得ステップと、
取得した前記回転数frを目標回転数として出力するステップと、
を備える。
上記(1)の方法によれば、圧延ロールの回転数frと上述の特性値σとの相関関係に基づいて、圧延ロールのN角形化が鈍化又は減衰することを示す特性値σに対応する回転数frを取得し、該回転数frを目標回転数として出力する。したがって、圧延ロールの回転数が、出力された目標回転数となるように圧延装置を運転して材料(金属板等)の圧延を行うことで、圧延ロールのN角形化を鈍化(遅延)又は減衰させることができる。これにより、圧延ロールのN角形化の成長を抑制して、圧延後の製品(金属板等)の品質低下を抑制することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の方法において、
前記特性値σは、前記圧延ロールの回転数frでの圧延中における、前記N角形に対応する前記圧延ロールの振動の周波数の振幅の経時変化の傾向の指標である。
上記(2)の方法によれば、上述の特性値σは、圧延ロールの回転数frでの圧延中における、N角形に対応する圧延ロールの振動の周波数の振幅の経時変化の傾向の指標である。したがって、この特性値σと圧延ロールの回転数frとの相関関係に基づいて、圧延ロールのN角形化が鈍化又は減衰することを示す特性値σに対応する回転数frを適切に取得することができる。よって、このように取得された目標回転数に基づいて圧延装置を運転して材料(金属板等)の圧延を行うことで、圧延ロールのN角形化を効果的に鈍化(遅延)又は減衰させることができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の方法において、
前記特性値σは、前記圧延ロールの回転数frでの圧延中における、前記N角形に対応する周波数での前記圧延ロールの振動の振幅の変化速度の指標であり、
前記目標回転数取得ステップでは、前記圧延ロールの回転数frと、前記特性値σとの相関関係に基づいて、前記特性値σが、現在値よりも小さくなる回転数frを、前記目標回転数にとして取得する。
上記(3)の方法によれば、上述の相関関係に基づいて、圧延ロールの振動のうち、N角形に対応する周波数成分(振動)の振幅の変化速度を示す特性値σが現在値よりも小さくなる回転数frを目標回転数として取得する。したがって、このように取得した目標回転数となるように圧延装置を運転することで、圧延ロールのN角形化の成長速度を現在値よりも小さくすることができ、これにより圧延ロールのN角形化の成長を抑制することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)又は(3)の方法において、
前記特性値σは、前記圧延ロールの回転数frでの圧延中における、前記N角形に対応する周波数での前記圧延ロールの振動の振幅の変化速度の指標であり、
前記目標回転数取得ステップでは、前記圧延ロールの回転数frと、前記特性値σとの相関関係に基づいて、前記特性値σがゼロ未満となる回転数frを、前記目標回転数として取得する。
上記(4)の方法によれば、上述の相関関係に基づいて、圧延ロールの振動のうち、N角形に対応する周波数成分(振動)の振幅の変化速度を示す特性値σがゼロ未満となる回転数frを目標回転数として取得する。したがって、このように取得した目標回転数となるように圧延装置を運転することで、圧延ロールのN角形化を減衰させることができ、これにより圧延ロールのN角形化の成長を抑制することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの方法において、
前記目標回転数取得ステップでは、前記圧延ロールのN角形化が鈍化又は減衰することを示す前記特性値σに対応する2以上の回転数範囲が存在する場合、前記2以上の回転数範囲のうち大きい方の回転数範囲内の回転数を、前記目標回転数として取得する。
上記(5)の方法によれば、圧延ロールのN角形化が鈍化又は減衰することを示す特性値σに対応する2以上の回転数範囲が存在する場合、これらのうち大きい方の回転数範囲内の回転数を目標回転数として取得する。したがって、このように取得した目標回転数となるように圧延装置を運転することで、圧延ロールの回転数の低下を抑制してライン速度をなるべく高く維持しながら、圧延ロールのN角形化の成長を抑制することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの方法において、
前記目標回転数取得ステップでは、前記圧延ロールの固有振動数をfnとしたとき、fn/Nよりも大きい回転数範囲内の回転数を、前記目標回転数として取得する。
本発明者らの知見によれば、圧延ロールの回転数frでの圧延ロールのN角形に対応する振動の周波数(fr×N)が、圧延ロールの固有振動数fnよりも大きいような高回転数領域においても、特性値σが比較的小さくなる(即ち、圧延ロールのN角形化が鈍化又は減衰する)回転数範囲が存在する。この点、上記(6)の方法によれば、fn/Nよりも大きい回転数範囲内の比較的大きい回転数を目標回転数として取得する。したがって、このように取得した目標回転数となるように圧延装置を運転することで、圧延ロールの回転数の低下を抑制してライン速度をなるべく高く維持しながら、圧延ロールのN角形化の成長を抑制することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの方法において、
前記圧延ロールの回転数fr1での圧延中に前記圧延ロールの振動を示す振動データを取得するステップと、
前記振動データについて周波数分析を行い、前記振動データの周波数スペクトルを取得するステップと、
前記周波数スペクトルに基づいて、前記N角形に対応する周波数における前記振動の振幅A1を取得するステップと、
前記特性値σ及び前記振動の振幅A1に基づいて、前記回転数fr1での圧延を継続した場合に、前記振動の振幅が閾値に達するまでの時間を算出するステップと、
前記時間を出力するステップと、
を備える。
上記(7)の方法によれば、回転数fr1での圧延を継続した場合に、N角形に対応する振動の振幅が閾値に達するまでの時間を算出する。したがって、この時間が経過する前に、圧延ロールの回転数を上述の目標回転数に変更することにより、圧延ロールのN角形化の成長が進行し過ぎないうちに、圧延ロールのN角形化を鈍化(遅延)又は減衰させることができる。これにより、圧延ロールのN角形化の成長を適切に抑制して、圧延後の製品(金属板等)の品質低下を抑制することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れかの方法において、
前記圧延ロールの回転数fr1での圧延中に、サンプリング周期毎に前記圧延ロールの振動を示す振動データを取得するステップと、
前記振動データの各々について周波数分析を行い、前記振動データの周波数スペクトルを取得するステップと、
前記振動データの各々について、前記周波数スペクトルに基づいて、前記N角形に対応する周波数における前記振動の振幅を取得するステップと、
前記振動の振幅が閾値を超えたとき、前記回転数fr1を前記目標回転数に変更するステップと、
を備える。
上記(8)の方法によれば、回転数fr1での圧延中に取得した圧延ロールの振動データに基づいて、圧延ロールのN角形に対応する周波数における振動の振幅を取得し、該振幅が閾値を超えたら、圧延ロールの回転数を上述の目標回転数に変更する。したがって、圧延ロールのN角形化の成長が進行し過ぎないうちに、圧延ロールのN角形化を鈍化(遅延)又は減衰させることができる。これにより、圧延ロールのN角形化の成長を適切に抑制して、圧延後の製品(金属板等)の品質低下を抑制することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(8)の何れかの方法において、
加工機による表面加工によりN角形化が生じた圧延ロールを圧延装置に設置するステップを備え、
前記目標回転数取得ステップでは、前記表面加工により生じた前記N角形化の成長が鈍化又は減衰するように、前記相関関係に基づいて前記回転数frを取得する。
通常、圧延ロールは、使用前に加工機(例えば研削機等)によって断面形状が円形になるように表面加工を行うが、実際には、この表面加工によって、目視ではわからない程度のN角形化が生じる場合がある。この点、上記(9)の方法によれば、加工機による表面加工により生じたN角形化の成長が鈍化又は減衰するような圧延ロールの目標回転数を取得する。したがって、表面加工によりN角形化が生じた圧延ロールを圧延装置に設置して圧延を行うときに、上述の目標回転数にて圧延装置を運転することで、圧延ロールのN角形化を鈍化(遅延)又は減衰させることができる。これにより、圧延ロールのN角形化の成長を抑制して、圧延後の製品(金属板等)の品質低下を抑制することができる。
(10)本発明の少なくとも一実施形態に係る圧延設備の運転支援装置は、
金属板を圧延するための圧延ロールを含む圧延設備の運転支援装置であって、
前記圧延ロールの回転数frと、前記回転数frにて圧延を行った場合の前記圧延ロールの偏摩耗によるN角形化の成長傾向を示す特性値σとの相関関係に基づいて、前記圧延ロールのN角形化が鈍化又は減衰することを示す前記特性値σに対応する前記回転数frを取得するように構成された目標回転数取得部と、
取得した前記回転数frを目標回転数として出力するように構成された出力部と、
を備える。
上記(10)の構成によれば、圧延ロールの回転数frと上述の特性値σとの相関関係に基づいて、圧延ロールのN角形化が鈍化又は減衰することを示す特性値σに対応する回転数frを取得し、該回転数frを目標回転数として出力する。したがって、圧延ロールの回転数が、出力された目標回転数となるように圧延装置を運転して材料(金属板等)の圧延を行うことで、圧延ロールのN角形化を鈍化(遅延)又は減衰させることができる。これにより、圧延ロールのN角形化の成長を抑制して、圧延後の製品(金属板等)の品質低下を抑制することができる。
(11)本発明の少なくとも一実施形態に係る圧延設備は、
金属板を圧延するための圧延ロールを含む圧延装置と、
上記(10)に記載の運転支援装置と、
を備える。
上記(11)の構成によれば、圧延ロールの回転数frと上述の特性値σとの相関関係に基づいて、圧延ロールのN角形化が鈍化又は減衰することを示す特性値σに対応する回転数frを取得し、該回転数frを目標回転数として出力する。したがって、圧延ロールの回転数が、出力された目標回転数となるように圧延装置を運転して材料(金属板等)の圧延を行うことで、圧延ロールのN角形化を鈍化(遅延)又は減衰させることができる。これにより、圧延ロールのN角形化の成長を抑制して、圧延後の製品(金属板等)の品質低下を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 圧延設備
2 圧延装置
3 圧延ロール
4A ワークロール
4B ワークロール
5A ロールチョック
5B ロールチョック
6A バックアップロール
6B バックアップロール
7A ロールチョック
7B ロールチョック
8 圧下装置
10 圧延スタンド
10A 圧延スタンド
10B 圧延スタンド
10C 圧延スタンド
50 運転支援装置
52 振動データ取得部
54 周波数分析部
56 振幅抽出部
59 振幅比較部
60 記録部
63 目標回転数取得部
67 評価係数算出部
69 評価係数比較部
72 出力部
90 振動計測部
91 加速度センサ
92 加速度センサ
93 加速度センサ
94 加速度センサ
95 ロール回転数計測部
96 記憶部
98 表示部
99 回転数制御部
S 金属板

Claims (12)

  1. 圧延ロールの回転数frでの圧延中の異なる2つの時刻に、前記圧延ロールのN角形に対応する周波数での前記圧延ロールの振動の振幅をそれぞれ取得するステップと、
    前記圧延ロールの回転数frと、前記2つの時刻にそれぞれ取得された前記圧延ロールの振動の振幅の比から、前記圧延ロールの回転数frと、前記回転数frにて圧延を行った場合に前記圧延ロールが偏摩耗して前記N角形になるN角形化の成長傾向を示す特性値σとの相関関係を取得するステップと、
    前記相関関係に基づいて、前記圧延ロールのN角形化が鈍化又は減衰することを示す前記特性値σに対応する前記回転数frを取得する目標回転数取得ステップと、
    取得した前記回転数frを目標回転数として出力するステップと、
    を備える圧延設備の運転支援方法。
  2. 前記特性値σは、前記圧延ロールの回転数frでの圧延中における、前記N角形に対応する周波数での前記圧延ロールの振動の振幅の経時変化の傾向の指標である
    請求項1に記載の圧延設備の運転支援方法。
  3. 前記特性値σは、前記圧延ロールの回転数frでの圧延中における、前記N角形に対応する周波数での前記圧延ロールの振動の振幅の変化速度の指標であり、
    前記目標回転数取得ステップでは、前記圧延ロールの回転数frと、前記特性値σとの相関関係に基づいて、前記特性値σが、現在値よりも小さくなる回転数frを、前記目標回転数として取得する
    請求項2に記載の圧延設備の運転支援方法。
  4. 前記特性値σは、前記圧延ロールの回転数frでの圧延中における、前記N角形に対応する周波数での前記圧延ロールの振動の振幅の変化速度の指標であり、
    前記目標回転数取得ステップでは、前記圧延ロールの回転数frと、前記特性値σとの相関関係に基づいて、前記特性値σがゼロ未満となる回転数frを、前記目標回転数として取得する
    請求項2又は3に記載の圧延設備の運転支援方法。
  5. 前記目標回転数取得ステップでは、前記圧延ロールのN角形化が鈍化又は減衰することを示す前記特性値σに対応する2以上の回転数範囲が存在する場合、前記2以上の回転数範囲のうち大きい方の回転数範囲内の回転数を、前記目標回転数として取得する
    請求項1乃至4の何れか一項に記載の圧延設備の運転支援方法。
  6. 前記目標回転数取得ステップでは、前記圧延ロールの固有振動数をfnとしたとき、fn/Nよりも大きい回転数範囲内の回転数を、前記目標回転数として取得する
    請求項1乃至5の何れか一項に記載の圧延設備の運転支援方法。
  7. 前記圧延ロールの回転数fr1での圧延中に前記圧延ロールの振動を示す振動データを取得するステップと、
    前記振動データについて周波数分析を行い、前記振動データの周波数スペクトルを取得するステップと、
    前記周波数スペクトルに基づいて、前記N角形に対応する周波数における前記振動の振幅A1を取得するステップと、
    前記特性値σ及び前記振動の振幅A1に基づいて、前記回転数fr1での圧延を継続した場合に、前記振動の振幅が閾値に達するまでの時間を算出するステップと、
    前記時間を出力するステップと、
    を備える請求項1乃至6の何れか一項に記載の圧延設備の運転支援方法。
  8. 前記圧延ロールの回転数fr1での圧延中に、サンプリング周期毎に前記圧延ロールの振動を示す振動データを取得するステップと、
    前記振動データの各々について周波数分析を行い、前記振動データの周波数スペクトルを取得するステップと、
    前記振動データの各々について、前記周波数スペクトルに基づいて、前記N角形に対応する周波数における前記振動の振幅を取得するステップと、
    前記振動の振幅が閾値を超えたとき、前記回転数fr1を前記目標回転数に変更するステップと、
    を備える請求項1乃至7の何れか一項に記載の圧延設備の運転支援方法。
  9. 加工機による表面加工によりN角形化が生じた圧延ロールを圧延装置に設置するステップを備え、
    前記目標回転数取得ステップでは、前記表面加工により生じた前記N角形化の成長が鈍化又は減衰するように、前記相関関係に基づいて前記回転数frを取得する
    請求項1乃至8の何れか一項に記載の圧延設備の運転支援方法。
  10. 前記圧延ロールの回転数をfriに変更した直後の前記N角形に対応する前記圧延ロールの振動振幅A iS と、前記回転数をfriから変更した直前の前記N角形に対応する前記圧延ロールの振動振幅A iE の比である成長比(A iE /A iS )に基づいて評価係数Ψを取得するステップと、
    前記評価係数Ψに基づいて前記圧延ロールの回転数を前記目標回転数に変更するか否かを判定するステップと、
    を備える請求項1乃至9の何れか一項に記載の圧延設備の運転支援方法。
  11. 金属板を圧延するための圧延ロールを含む圧延設備の運転支援装置であって、
    圧延ロールの回転数frでの圧延中の異なる2つの時刻に、前記圧延ロールのN角形に対応する周波数での前記圧延ロールの振動の振幅をそれぞれ取得するように構成された振動データ取得部と、
    前記圧延ロールの回転数frと、前記2つの時刻にそれぞれ取得された前記圧延ロールの振動の振幅の比から、前記圧延ロールの回転数frと、前記回転数frにて圧延を行った場合の前記圧延ロールの偏摩耗によるN角形化の成長傾向を示す特性値σとの相関関係を取得するように構成された相関関係取得部と、
    前記相関関係に基づいて、前記圧延ロールのN角形化が鈍化又は減衰することを示す前記特性値σに対応する前記回転数frを取得するように構成された目標回転数取得部と、
    取得した前記回転数frを目標回転数として出力するように構成された出力部と、
    を備える圧延設備の運転支援装置。
  12. 金属板を圧延するための圧延ロールを含む圧延装置と、
    請求項11に記載の運転支援装置と、
    を備える圧延設備。
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