JP7179997B2 - 圧延設備の運転支援方法及び運転支援装置並びに圧延設備 - Google Patents
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- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
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Description
圧延ロールの回転数frと、前記回転数frにて圧延を行った場合に前記圧延ロールが偏摩耗してN角形になるN角形化の成長傾向を示す特性値σとの相関関係に基づいて、前記圧延ロールのN角形化が鈍化又は減衰することを示す前記特性値σに対応する前記回転数frを取得する目標回転数取得ステップと、
取得した前記回転数frを目標回転数として出力するステップと、
を備える。
幾つかの実施形態では、上述の運転支援装置50を用いて圧延装置の運転を支援する方法について説明するが、幾つかの実施形態では、以下に説明する運転支援装置50による処理の一部又は全部をマニュアルで行うことにより、圧延装置2の運転支援をするようにしてもよい。
図4は、以下に説明する周波数分析ステップ(ステップS206)で得られる、圧延ロール3の振動の周波数スペクトルの一例の模式図である。図5Aは、一実施形態に係る運転支援方法の実行時における、圧延ロール3の回転数frの時間変化を示す図である。図5Bは、一実施形態に係る運転支援方法の実行時における、圧延ロール3のN角形に対応する振動振幅(後で説明する)の時間変化を示す図である。
ここで、i回目の回転数設定値friに圧延ロール3の回転数を変更した直後に取得されるN角形に対応する振動振幅をAiSとし、(i+1)回目の回転数設定値fri+1に変更する直前(この時の回転数はfriである)に取得されるN角形に対応する振動振幅をAiEとする(図5B参照)。
Ai_t2/Ai_t1=exp(σi・fri・Δt) …(A)
ここで、上記式(A)σiは、圧延ロール3の回転数friに対応して定まる特性値(以下、単に「特性値σ」ともいう。)
AiE/AiS=exp(σi・fri・Δti) …(B)
σi=ln(AiE/AiS)/(fri・Δti) …(E)
したがって、圧延ロール3にて様々な回転数frでの圧延中に、N角形に対応する振動振幅AiS及びAiEを取得することにより、特性値σと、回転数frとの相関関係(図6に示す特性図)を取得することができる。上述の回転数frと特性値σとの相関関係を示す特性図は、圧延装置2の過去の運転実績等に基づいて予め作成されたものを用いてもよい。
σ=ln(Ath/A1)/(fr1・Δtb) …(E)
上記式(E)を変形して、下記式(F)が得られる。
Δtb=ln(Ath/A1)/(σ・fr1) …(F)
したがって、上記式(F)から、回転数fr1において圧延中の、N角形に対応する振動振幅A1である時刻t1(例えば現在の時刻)から、振動振幅が閾値Athとなる時刻までの時間の長さΔtbを算出(予測)することができる。
圧延ロールの回転数frと、前記回転数frにて圧延を行った場合に前記圧延ロールが偏摩耗してN角形になるN角形化の成長傾向を示す特性値σとの相関関係に基づいて、前記圧延ロールのN角形化が鈍化又は減衰することを示す前記特性値σに対応する前記回転数frを取得する目標回転数取得ステップと、
取得した前記回転数frを目標回転数として出力するステップと、
を備える。
前記特性値σは、前記圧延ロールの回転数frでの圧延中における、前記N角形に対応する前記圧延ロールの振動の周波数の振幅の経時変化の傾向の指標である。
前記特性値σは、前記圧延ロールの回転数frでの圧延中における、前記N角形に対応する周波数での前記圧延ロールの振動の振幅の変化速度の指標であり、
前記目標回転数取得ステップでは、前記圧延ロールの回転数frと、前記特性値σとの相関関係に基づいて、前記特性値σが、現在値よりも小さくなる回転数frを、前記目標回転数にとして取得する。
前記特性値σは、前記圧延ロールの回転数frでの圧延中における、前記N角形に対応する周波数での前記圧延ロールの振動の振幅の変化速度の指標であり、
前記目標回転数取得ステップでは、前記圧延ロールの回転数frと、前記特性値σとの相関関係に基づいて、前記特性値σがゼロ未満となる回転数frを、前記目標回転数として取得する。
前記目標回転数取得ステップでは、前記圧延ロールのN角形化が鈍化又は減衰することを示す前記特性値σに対応する2以上の回転数範囲が存在する場合、前記2以上の回転数範囲のうち大きい方の回転数範囲内の回転数を、前記目標回転数として取得する。
前記目標回転数取得ステップでは、前記圧延ロールの固有振動数をfnとしたとき、fn/Nよりも大きい回転数範囲内の回転数を、前記目標回転数として取得する。
前記圧延ロールの回転数fr1での圧延中に前記圧延ロールの振動を示す振動データを取得するステップと、
前記振動データについて周波数分析を行い、前記振動データの周波数スペクトルを取得するステップと、
前記周波数スペクトルに基づいて、前記N角形に対応する周波数における前記振動の振幅A1を取得するステップと、
前記特性値σ及び前記振動の振幅A1に基づいて、前記回転数fr1での圧延を継続した場合に、前記振動の振幅が閾値に達するまでの時間を算出するステップと、
前記時間を出力するステップと、
を備える。
前記圧延ロールの回転数fr1での圧延中に、サンプリング周期毎に前記圧延ロールの振動を示す振動データを取得するステップと、
前記振動データの各々について周波数分析を行い、前記振動データの周波数スペクトルを取得するステップと、
前記振動データの各々について、前記周波数スペクトルに基づいて、前記N角形に対応する周波数における前記振動の振幅を取得するステップと、
前記振動の振幅が閾値を超えたとき、前記回転数fr1を前記目標回転数に変更するステップと、
を備える。
加工機による表面加工によりN角形化が生じた圧延ロールを圧延装置に設置するステップを備え、
前記目標回転数取得ステップでは、前記表面加工により生じた前記N角形化の成長が鈍化又は減衰するように、前記相関関係に基づいて前記回転数frを取得する。
金属板を圧延するための圧延ロールを含む圧延設備の運転支援装置であって、
前記圧延ロールの回転数frと、前記回転数frにて圧延を行った場合の前記圧延ロールの偏摩耗によるN角形化の成長傾向を示す特性値σとの相関関係に基づいて、前記圧延ロールのN角形化が鈍化又は減衰することを示す前記特性値σに対応する前記回転数frを取得するように構成された目標回転数取得部と、
取得した前記回転数frを目標回転数として出力するように構成された出力部と、
を備える。
金属板を圧延するための圧延ロールを含む圧延装置と、
上記(10)に記載の運転支援装置と、
を備える。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
2 圧延装置
3 圧延ロール
4A ワークロール
4B ワークロール
5A ロールチョック
5B ロールチョック
6A バックアップロール
6B バックアップロール
7A ロールチョック
7B ロールチョック
8 圧下装置
10 圧延スタンド
10A 圧延スタンド
10B 圧延スタンド
10C 圧延スタンド
50 運転支援装置
52 振動データ取得部
54 周波数分析部
56 振幅抽出部
59 振幅比較部
60 記録部
63 目標回転数取得部
67 評価係数算出部
69 評価係数比較部
72 出力部
90 振動計測部
91 加速度センサ
92 加速度センサ
93 加速度センサ
94 加速度センサ
95 ロール回転数計測部
96 記憶部
98 表示部
99 回転数制御部
S 金属板
Claims (12)
- 圧延ロールの回転数frでの圧延中の異なる2つの時刻に、前記圧延ロールのN角形に対応する周波数での前記圧延ロールの振動の振幅をそれぞれ取得するステップと、
前記圧延ロールの回転数frと、前記2つの時刻にそれぞれ取得された前記圧延ロールの振動の振幅の比から、前記圧延ロールの回転数frと、前記回転数frにて圧延を行った場合に前記圧延ロールが偏摩耗して前記N角形になるN角形化の成長傾向を示す特性値σとの相関関係を取得するステップと、
前記相関関係に基づいて、前記圧延ロールのN角形化が鈍化又は減衰することを示す前記特性値σに対応する前記回転数frを取得する目標回転数取得ステップと、
取得した前記回転数frを目標回転数として出力するステップと、
を備える圧延設備の運転支援方法。 - 前記特性値σは、前記圧延ロールの回転数frでの圧延中における、前記N角形に対応する周波数での前記圧延ロールの振動の振幅の経時変化の傾向の指標である
請求項1に記載の圧延設備の運転支援方法。 - 前記特性値σは、前記圧延ロールの回転数frでの圧延中における、前記N角形に対応する周波数での前記圧延ロールの振動の振幅の変化速度の指標であり、
前記目標回転数取得ステップでは、前記圧延ロールの回転数frと、前記特性値σとの相関関係に基づいて、前記特性値σが、現在値よりも小さくなる回転数frを、前記目標回転数として取得する
請求項2に記載の圧延設備の運転支援方法。 - 前記特性値σは、前記圧延ロールの回転数frでの圧延中における、前記N角形に対応する周波数での前記圧延ロールの振動の振幅の変化速度の指標であり、
前記目標回転数取得ステップでは、前記圧延ロールの回転数frと、前記特性値σとの相関関係に基づいて、前記特性値σがゼロ未満となる回転数frを、前記目標回転数として取得する
請求項2又は3に記載の圧延設備の運転支援方法。 - 前記目標回転数取得ステップでは、前記圧延ロールのN角形化が鈍化又は減衰することを示す前記特性値σに対応する2以上の回転数範囲が存在する場合、前記2以上の回転数範囲のうち大きい方の回転数範囲内の回転数を、前記目標回転数として取得する
請求項1乃至4の何れか一項に記載の圧延設備の運転支援方法。 - 前記目標回転数取得ステップでは、前記圧延ロールの固有振動数をfnとしたとき、fn/Nよりも大きい回転数範囲内の回転数を、前記目標回転数として取得する
請求項1乃至5の何れか一項に記載の圧延設備の運転支援方法。 - 前記圧延ロールの回転数fr1での圧延中に前記圧延ロールの振動を示す振動データを取得するステップと、
前記振動データについて周波数分析を行い、前記振動データの周波数スペクトルを取得するステップと、
前記周波数スペクトルに基づいて、前記N角形に対応する周波数における前記振動の振幅A1を取得するステップと、
前記特性値σ及び前記振動の振幅A1に基づいて、前記回転数fr1での圧延を継続した場合に、前記振動の振幅が閾値に達するまでの時間を算出するステップと、
前記時間を出力するステップと、
を備える請求項1乃至6の何れか一項に記載の圧延設備の運転支援方法。 - 前記圧延ロールの回転数fr1での圧延中に、サンプリング周期毎に前記圧延ロールの振動を示す振動データを取得するステップと、
前記振動データの各々について周波数分析を行い、前記振動データの周波数スペクトルを取得するステップと、
前記振動データの各々について、前記周波数スペクトルに基づいて、前記N角形に対応する周波数における前記振動の振幅を取得するステップと、
前記振動の振幅が閾値を超えたとき、前記回転数fr1を前記目標回転数に変更するステップと、
を備える請求項1乃至7の何れか一項に記載の圧延設備の運転支援方法。 - 加工機による表面加工によりN角形化が生じた圧延ロールを圧延装置に設置するステップを備え、
前記目標回転数取得ステップでは、前記表面加工により生じた前記N角形化の成長が鈍化又は減衰するように、前記相関関係に基づいて前記回転数frを取得する
請求項1乃至8の何れか一項に記載の圧延設備の運転支援方法。 - 前記圧延ロールの回転数をfriに変更した直後の前記N角形に対応する前記圧延ロールの振動振幅A iS と、前記回転数をfriから変更した直前の前記N角形に対応する前記圧延ロールの振動振幅A iE の比である成長比(A iE /A iS )に基づいて評価係数Ψを取得するステップと、
前記評価係数Ψに基づいて前記圧延ロールの回転数を前記目標回転数に変更するか否かを判定するステップと、
を備える請求項1乃至9の何れか一項に記載の圧延設備の運転支援方法。 - 金属板を圧延するための圧延ロールを含む圧延設備の運転支援装置であって、
圧延ロールの回転数frでの圧延中の異なる2つの時刻に、前記圧延ロールのN角形に対応する周波数での前記圧延ロールの振動の振幅をそれぞれ取得するように構成された振動データ取得部と、
前記圧延ロールの回転数frと、前記2つの時刻にそれぞれ取得された前記圧延ロールの振動の振幅の比から、前記圧延ロールの回転数frと、前記回転数frにて圧延を行った場合の前記圧延ロールの偏摩耗によるN角形化の成長傾向を示す特性値σとの相関関係を取得するように構成された相関関係取得部と、
前記相関関係に基づいて、前記圧延ロールのN角形化が鈍化又は減衰することを示す前記特性値σに対応する前記回転数frを取得するように構成された目標回転数取得部と、
取得した前記回転数frを目標回転数として出力するように構成された出力部と、
を備える圧延設備の運転支援装置。 - 金属板を圧延するための圧延ロールを含む圧延装置と、
請求項11に記載の運転支援装置と、
を備える圧延設備。
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末岡淳男ほか,製鉄機械ホットレベラのワークロールに発生する多角形摩耗,日本機械学会論文集(C編),日本,一般社団法人日本機械学会,2000年11月,第66巻, 第651号,p.3583-3590 |
松崎健一郎ほか,製鉄機械ホットレベラのワークロールに発生する多角形摩耗(第3報,動吸振器を用いた多角形摩耗の防止・遅延対策),日本機械学会論文集(C編),日本,一般社団法人日本機械学会,2005年04月,第71巻, 第704号,p.1123-1130 |
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