特許文献1の水素システムは、上記のとおり、筐体内の内壁で仕切られた二つの部屋のそれぞれに水素漏れ対策機器が設けられている。このため、水素システムの構成が複雑になる傾向があり、必ずしも、水素システムのコンパクト化および低コスト化が十分に図られていない。一方、特許文献2-3の水素システムは、筐体内の水素漏れへの対応が考慮されていない。
そこで、発明者らは、筐体内の水素漏れへの適切な対応と装置のコンパクト化および低コスト化とを図り得るトータル的な水素システムについて鋭意検討を行い、以下の本開示の一態様に到達した。
すなわち、本開示の第1態様の水素システムは、水素を製造する水素製造器と、水素製造器で製造された水素を貯蔵する水素貯蔵器と、水素製造器から排出され、水素貯蔵器に流入する水素が流れる第1流路と、水素貯蔵器から排出され、水素利用機器に流入する水素が流れる第2流路と、水素製造器、水素貯蔵器、第2流路の少なくとも一部および第1流路を収納する筐体と、水素製造器、水素貯蔵器、第2流路の少なくとも一部および第1流路の少なくとも一つから筐体外に排出される水素が流れる第3流路と、第3流路に設けられた第1弁と、第1弁を開放する制御器と、を備える。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、従来に比べて装置内から筐体外に水素を適切に排出させ得る。例えば、本態様の水素システムは、従来に比べて、筐体内の水素漏れに適切に対応可能である。また、例えば、本態様の水素システムは、従来に比べて、装置のコンパクト化および低コスト化を図り得る。
具体的には、本態様の水素システムは、一例として、水素製造器および水素貯蔵器のそれぞれが存在する空間を仕切るための内壁(仕切り壁)を筐体に設けてなく、水素製造器、水素貯蔵器、第1流路、第2流路の少なくとも一部が、一つの筐体内に設けられている。よって、本態様の水素システムは、水素製造器および水素貯蔵器のそれぞれが存在する空間を仕切るように筐体を構成する場合に比べて、装置のコンパクト化および低コスト化を図ることができる。
また、本態様の水素システムは、一例として、水素製造器、水素貯蔵器、第2流路の少なくとも一部および第1流路の少なくとも一つから何等かの要因により水素漏れが筐体内で発生した場合、第1弁を開放するだけで、水素製造器、水素貯蔵器、第2流路の少なくとも一部および第1流路の少なくとも一つに存在する水素を、第3流路を通じて筐体外に排出できる。
本開示の第2態様の水素システムは、第1態様の水素システムにおいて、筐体内での水素漏れを検知する検知器を備え、制御器は検知器で水素漏れが検知されると、第1弁を開放してもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、検知器で水素漏れを検知する適時のタイミングにおいて、水素製造器、水素貯蔵器、第2流路の少なくとも一部および第1流路の少なくとも一つに存在する水素を、第3流路を通じて筐体外に排出できる。
また、筐体内で水素漏れが発生したとき、筐体内の一つの検知器に基づいて第3流路に設けられた第1弁を開放できる。よって、本態様の水素システムは、例えば、水素製造器および水素貯蔵器をそれぞれ収納した筐体内の二つの部屋のそれぞれに検知器を設ける構成に比べて、装置のコンパクト化および低コスト化を図ることができる。
本開示の第3態様の水素システムは、第1態様の水素システムにおいて、筐体内での水素漏れを検知する検知器と、筐体内を換気する換気器と、を備え、制御器は検知器で水素漏れが検知されると、水素製造器の運転を停止し、かつ換気器を作動させ、その後、検知器で水素漏れが検知されると、第1弁を開放してもよい。
つまり、本態様の水素システムは、水素製造器の運転を停止させ、換気器を作動させた後において、検知器で水素漏れが検知されたとき、第1弁を開放し、換気器も作動させる。一方、水素製造器の運転を停止させ、換気器を作動させた後において、検知器で水素漏れが検知されなくなると、換気器の動作を停止させる。よって、本態様の水素システムは、検知器で水素漏れが検知されたときに、換気器の作動により検知器で水素漏れが検知されなくなるか否かを確認せずに、第1弁を開放する場合に比べて、筐体外に排出される水素量を低減できる可能性がある。
本開示の第4態様の水素システムは、第1態様から第3態様のいずれかの一つの態様の水素システムにおいて、第3流路は第1流路より分岐して設けられていてもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、第3流路が水素製造器と水素貯蔵器とを連通する第1流路から分岐しているので、水素製造器および水素貯蔵器のいずれか一方、または、両方から筐体外に水素を選択的に排出させるように設計し得る。
本開示の第5態様の水素システムは、第4態様の水素システムにおいて、第3流路への分岐箇所よりも下流の第1流路に設けられた第2弁を備えてもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、第1弁を開放しているときの第2弁の開閉制御により、水素製造器および水素貯蔵器のいずれか一方から筐体外に水素を選択的に排出させることができる。
本開示の第6態様の水素システムは、第4態様の水素システムにおいて、第1流路に第1継手と第2継手が設けられ、第3流路は、第1継手と第2継手の間の第1流路より分岐して設けられていてもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、第1継手と第2継手の間、すなわち継手間であれば、構成上、第3流路を簡易に設けることができる。
本開示の第7態様の水素システムは、第5態様の水素システムにおいて、筐体内での水素漏れを検知する検知器を備え、制御器は、検知器で水素漏れが検知されると、水素製造器の運転を停止し、第1弁を開放した後、検知器で水素漏れが検知されると、第2弁を開放してもよい。
つまり、本態様の水素システムは、水素製造器の運転を停止し、水素製造器から筐体外に水素を排出した後も、検知器で水素漏れが検知されると、第2弁を開放し、水素貯蔵器から筐体外に水素を排出している。よって、本態様の水素システムは、第2弁を設けない水素システムに比べて、検知器で水素漏れが検知されたときに、筐体外に排出される水素量を低減できる可能性がある。
本開示の第8態様の水素システムは、第1態様から第7態様のいずれかの一つの態様の水素システムにおいて、第3流路は、筐体上部と接続していてもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、筐体上部で第3流路を接続することにより、筐体下部で第3流路を接続する場合に比べて、第3流路から筐体外に水素が排出される際の問題を軽減することができる。例えば、筐体外に排出された水素が、筐体外に存在する着火源と接触する可能性を低減することができる。これは、筐体外に排出された水素は上方に拡散するので、筐体上部で第3流路を接続すると、筐体下部の周囲の着火源と接触する可能性が低減するからである。
本開示の第9態様の水素システムは、第8態様の水素システムにおいて、第3流路は筐体の上面に接続していてもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、第3流路を筐体の側面に接続する場合と比べ、第3流路から筐体外に水素が排出される際の問題を軽減することができる。例えば、筐体の側面の周囲に着火源が存在する場合でも、第3流路から筐体外に排出される水素が着火源に接触する可能性を低減することができる。また、第3流路を上下方向に延伸する直管で形成できるので、空気より軽い水素をスムーズに筐体外に排出することができる。
本開示の第10態様の水素システムは、第2態様、第3態様および第7態様のいずれかの一つの態様の水素システムにおいて、検知器は、筐体の上面に設けられていてもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、検知器を筐体の上面に設けることで、このような箇所に検知器を設けない場合に比べて、空気より軽い水素を効果的に検知することができる。
水素製造器および水素貯蔵器などの装置内から筐体外に水素を適切に排出することについて鋭意検討が行われ、以下の知見が得られた。
例えば、特許文献1では、各部屋内で水素漏れの状態になった場合、ファンを動作させることで筐体内の水素を筐体外に排出させている。一般的に、筐体内で水素漏れが生じたときに、ファンを動作させて筐体内の水素濃度を可燃範囲未満になるまで低下させるのには時間を要する。従って、筐体内で水素漏れが生じたときに作業者が復旧作業に着手するのに時間を要する。また、例えば、特許文献1-4には、メンテナンスなどに伴う装置内から筐体外への水素排出の際における水素昇圧のための昇圧器の役割について記載されていない。
そこで、本開示の第11態様の水素システムは、第1態様から第10態様のいずれかの一つの態様の水素システムにおいて、水素製造器で製造された水素を昇圧して、水素貯蔵器に供給する昇圧器を備え、第3流路は、昇圧器よりも下流の第1流路より分岐していてもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、従来に比べて装置内から筐体外に水素を適切に排出させ得る。例えば、第1弁の開放状態および昇圧器の動作状態を適宜設定することで、水素製造器内および水素貯蔵器内の水素を、第3流路を通じて、適時に、筐体外に排出可能になる。
本開示の第12態様の水素システムは、第1態様から第11態様のいずれかの一つの態様の水素システムにおいて、第3流路への分岐箇所よりも上流の第1流路に設けられた第3弁を備えてもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、従来に比べて装置内から筐体外に水素を適切に排出させ得る。例えば、第1弁および第3弁の開閉状態を適宜設定することで、水素製造器内および水素貯蔵器内の水素を、第3流路を通じて、適時に、筐体外に排出可能になる。
本開示の第13態様の水素システムは、第5態様または第7態様の水素システムにおいて、制御器は、第1弁および第2弁を開放してもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、第1弁および第2弁を開放することにより、従来に比べて、水素製造器内および水素貯蔵器内から筐体外に水素を適切に排出させ得る。
本開示の第14態様の水素システムは、第13態様の水素システムにおいて、筐体内での水素漏れを検知する検知器を備え、制御器は、筐体内で水素漏れが検知されると、第1弁および第2弁を開放してもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、筐体内で水素漏れが生じたときに、第3流路から筐体外に直接、水素を排出させるので、水素漏れの状態を速やかに解消することができる。これにより、水素が着火する可能性を軽減することができる。
本開示の第15態様の水素システムは、第5態様の水素システムにおいて、制御器は、第1弁を開放するとともに第2弁を閉止してもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、第1弁を開放することにより、従来に比べて、水素製造器内から筐体外に水素を適切に排出させ得る。なお、このとき、水素貯蔵器内と筐体外との間の連通を第2弁で遮断するので、水素貯蔵器内の水素が第3流路を通じて筐体外に排出されない。
本開示の第16態様の水素システムは、第15態様の水素システムにおいて、筐体内での水素漏れを検知する検知器を備え、制御器は、筐体内で水素漏れが検知されると、第1弁を開放するとともに第2弁を閉止してもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、筐体内で水素漏れが発生する場合、水素貯蔵器内と筐体外との間の連通を第2弁で遮断するので、水素貯蔵器内の水素が第3流路を通じて筐体外に排出されない。つまり、本態様の水素システムは、水素貯蔵器以外の領域から筐体内に水素漏れが生じたときに作業者が行う復旧作業において、水素貯蔵器内の水素を温存することができる。
本開示の第17態様の水素システムは、第12態様の水素システムにおいて、制御器は、第1弁、第3流路への分岐箇所よりも下流の第1流路に設けられた第2弁および第3弁を開放してもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、第1弁、第2弁および第3弁を開放することにより、従来に比べて、水素製造器内および水素貯蔵器内から筐体外に水素を適切に排出させ得る。
本開示の第18態様の水素システムは、第17態様の水素システムにおいて、筐体内での水素漏れを検知する検知器を備え、制御器は、筐体内で水素漏れが検知されると、第1弁、第2弁および第3弁を開放してもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、筐体内で水素漏れが生じたときに、第3流路から筐体外に直接、水素を排出させるので、水素漏れの状態を速やかに解消することができる。これにより、水素が着火する可能性を軽減することができる。
本開示の第19態様の水素システムは、第12態様の水素システムにおいて、制御器は、第1弁および第3流路への分岐箇所よりも下流の第1流路に設けられた第2弁を開放するとともに第3弁を閉止してもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、第1弁および第2弁を開放することにより、従来に比べて、水素貯蔵器内から筐体外に水素を適切に排出させ得る。なお、このとき、水素製造器内と筐体外との間の連通を第3弁で遮断するので、水素製造器内の水素が第3流路を通じて筐体外に排出されない。
本開示の第20態様の水素システムは、第19態様の水素システムにおいて、筐体内での水素漏れを検知する検知器を備え、制御器は、筐体内で水素漏れが検知されると、第2弁を開放するとともに第3弁を閉止してもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、筐体内で水素漏れが発生する場合、水素製造器内と筐体外との間の連通を第3弁で遮断するので、水素製造器内の水素が第3流路を通じて筐体外に排出されない。つまり、本態様の水素システムは、水素製造器以外の領域から筐体内に水素漏れが生じたときに作業者が行う復旧作業において、水素製造器内の水素を温存することができる。
本開示の第21態様の水素システムは、第12態様の水素システムにおいて、制御器は、第1弁および第3弁を開放するとともに、第3流路への分岐箇所よりも下流の第1流路に設けられた第2弁を閉止してもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、第1弁および第3弁を開放することにより、従来に比べて、水素製造器内から筐体外に水素を適切に排出させ得る。なお、このとき、水素貯蔵器内と筐体外との間の連通を第2弁で遮断するので、水素貯蔵器内の水素が第3流路を通じて筐体外に排出されない。
本開示の第22態様の水素システムは、第21態様の水素システムにおいて、筐体内での水素漏れを検知する検知器を備え、制御器は、筐体内で水素漏れが検知されると、第1弁および第3弁を開放するとともに第2弁を閉止してもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、筐体内で水素漏れが発生する場合、水素貯蔵器内と筐体外との間の連通を第2弁で遮断するので、水素貯蔵器内の水素が第3流路を通じて筐体外に排出されない。つまり、本態様の水素システムは、水素貯蔵器以外の領域から筐体内に水素漏れが生じたときに作業者が行う復旧作業において、水素貯蔵器内の水素を温存することができる。
ここで、本開示の第23態様の水素システムは、第11態様の水素システムにおいて、制御器は、第1弁が開放しているときに、昇圧器を動作させてもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、例えば、第1弁を開放する際に、昇圧器の昇圧動作により水素製造器内の水素を、第3流路を通じて筐体外に適切に排出させることができる。よって、作業者が、例えば、水素製造器のメンテナンス作業などを迅速かつ容易に行うことができる。
本開示の第24態様の水素システムは、第11態様の水素システムにおいて、制御器は、第1弁および第3流路への分岐箇所よりも下流の第1流路に設けられた第2弁が開放しているときに、昇圧器を動作させてもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、例えば、第1弁および第2弁を開放する際に、昇圧器の昇圧動作により水素貯蔵器内の水素を、第3流路を通じて筐体外に適切に排出させることができる。よって、作業者が、例えば、水素貯蔵器のメンテナンス作業などを迅速かつ容易に行うことができる。
本開示の第25態様の水素システムは、第11態様の水素システムにおいて、制御器は、第1弁が開放し、かつ第3流路への分岐箇所よりも下流の第1流路に設けられた第2弁が閉止しているときに、昇圧器を動作させもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、例えば、水素製造器のメンテナンスなどに伴い第1弁を開放する際に、昇圧器の昇圧動作により水素製造器内の水素を、第3流路を通じて筐体外に適切に排出させることができる。また、第1弁を開放する際に、水素貯蔵器のメンテナンスが不要な場合、水素貯蔵器内と筐体外との間の連通を第2弁で遮断することで、水素貯蔵器内の水素を温存することができる。
本開示の第26態様の水素システムは、第11態様の水素システムにおいて、制御器は、第1弁、第3流路への分岐箇所よりも下流の第1流路に設けられた第2弁および第3流路への分岐箇所よりも上流の第1流路に設けられた第3弁が開放しているときに、昇圧器を動作させもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、例えば、第1弁、第2弁および第3弁を開放する際に、昇圧器の昇圧動作により水素製造器内の水素を、第3流路を通じて筐体外に適切に排出させることができる。よって、作業者が、例えば、水素製造器のメンテナンス作業などを迅速かつ容易に行うことができる。
本開示の第27態様の水素システムは、第11態様の水素システムにおいて、制御器は、第1弁および第3流路への分岐箇所よりも下流の第1流路に設けられた第2弁が開放するとともに第3流路への分岐箇所よりも上流の第1流路に設けられた第3弁が閉止しているときに、昇圧器を動作させなくてもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、例えば、水素貯蔵器のメンテナンスなどに伴い第3弁を閉止する際に、水素製造器と第3弁との間に設けられた昇圧器を動作させないことにより、昇圧器が破損する可能性を低減することができる。また、昇圧器の動作に必要な電力を削減することができる。
本開示の第28態様の水素システムは、第11態様の水素システムにおいて、第1弁および第3流路への分岐箇所よりも上流の第1流路に設けられた第3弁が開放するとともに第3流路への分岐箇所よりも下流の第1流路に設けられた第2弁が閉止しているときに、昇圧器を動作させてもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、例えば、水素製造器のメンテナンスなどに伴い第1弁および第3弁を開放する際に、昇圧器の昇圧動作により水素製造器内の水素を、第3流路を通じて筐体外に適切に排出させることができる。また、第1弁および第3弁を開放する際に、水素貯蔵器のメンテナンスが不要な場合、水素貯蔵器内と筐体外との間の連通を第2弁で遮断することで、水素貯蔵器内の水素を温存することができる。
水素システムのメンテナンスに伴う水素排出について鋭意検討が行われ、以下の知見が得られた。例えば、水素システムの水素製造器のメンテナンスを行うとき、水素貯蔵器のメンテナンスが不要な場合があるので、水素システムの水素貯蔵器内の水素を外部に排出すると、水素貯蔵器内の水素排出によるロスが発生する可能性がある。
そこで、本開示の第29態様の水素システムは、第5態様の水素システムにおいて、外部からの入力を受信する受信器を備え、制御器は、受信器で受信した入力に基づいて、第1弁および第2弁を開放する第1のモード、および、第2弁を閉止し、第1弁を開放する第2のモードのいずれかを実行する。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、メンテナンスに伴う水素排出を従来よりも適切に行い得る。
例えば、本態様の水素システムは、水素システムの水素製造器のメンテナンスを行うとき、制御器が、受信器で受信した入力に基づいて、第2弁を閉止し、第1弁を開放する第2のモードを実行する。すると、水素貯蔵器内と筐体外との間の連通を第2弁で遮断するので、水素貯蔵器内の水素が第3流路を通じて筐体外に排出されない。
よって、本態様の水素システムは、水素システムの水素製造器のメンテナンスを行うとき、水素貯蔵器のメンテナンスが不要な場合、水素貯蔵器内の水素を温存することができる。
本開示の第30態様の水素システムは、第29態様の水素システムにおいて、水素製造器で製造された水素を昇圧して、水素貯蔵器に供給する昇圧器を備え、第3流路は、昇圧器よりも下流の第1流路より分岐しており、制御器は、第1のモードおよび第2のモードにおいて、昇圧器を動作させてもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、第1のモードおよび第2のモードにおいて、昇圧器の昇圧動作により水素製造器内の水素を、第3流路を通じて筐体外に適切に排出させることができる。
本開示の第31態様の水素システムは、第29態様の水素システムにおいて、第3流路への分岐部よりも上流の第1流路に設けられた第3弁を備え、第1のモードでは、第1弁、第2弁に加え、更に第3弁が開放され、第2のモードでは、第1弁に加え、更に第3弁が開放され、制御器は、受信器で受信した入力に基づいて、第1のモード、第2のモード、および、第3弁を閉止し、第1弁および第2弁を開放する第3のモードとのいずれかを実行してもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、作業者が、水素製造器および水素貯蔵器のいずれか一方、または、両方のメンテナンスを行うとき、制御器が、受信器で受信した入力に基づいて、第1のモード、第2のモードおよび第3のモードのいずれかを実行することで水素製造器および/または水素貯蔵器を筐体外へ水素排出可能な状態にすることができる。よって、作業者が、水素製造器および/または水素貯蔵器のメンテナンスを支障なく行うことができる。
具体的には、水素製造器および水素貯蔵器の両方のメンテナンスを行うときは、第1のモードの実行により、水素製造器内および水素貯蔵器内が筐体外に連通する。これにより、水素製造器内および水素貯蔵器内の水素が第3流路を通じて筐体外に排出可能になる。
また、水素製造器のメンテナンスを行うときは、第2のモードの実行により、水素貯蔵器内と筐体外との間の連通が第2弁で遮断するとともに、水素製造器内が筐体外に連通する。これにより、水素製造器内の水素が第3流路を通じて筐体外に排出可能になる。
また、水素貯蔵器のメンテナンスを行うときは、第3のモードの実行により、水素製造器内と筐体外との間の連通が第3弁で遮断するとともに、水素貯蔵器内が筐体外に連通する。これにより、水素貯蔵器内の水素が第3流路を通じて筐体外に排出可能になる。
本開示の第32態様の水素システムは、第31態様の水素システムにおいて、水素製造器で製造された水素を昇圧して、水素貯蔵器に供給する昇圧器を備え、第3流路は、昇圧器よりも下流の第1流路より分岐しており、第3弁は、昇圧器と第3流路への分岐箇所との間の第1流路に設けられ、制御器は、第1のモードおよび第2のモードにおいて、昇圧器を動作させ、第3のモードにおいて、昇圧器を動作させなくてもよい。
かかる構成によると、本態様の水素システムは、第1のモードおよび第2のモードにおいて、昇圧器の昇圧動作により水素製造器内の水素を、第3流路を通じて筐体外に適切に排出させることができる。
また、水素貯蔵器には、水素ガスが高圧状態で貯蔵される場合が多い。この場合、第3のモードにおいて、第3弁を閉止した状態で、第1弁および第2弁を開放すると、水素貯蔵器の水素ガス圧により水素貯蔵器内の水素を、第3流路を通じて筐体外に適切に排出させることができる。よって、本態様の水素システムは、第3のモードにおいて、昇圧器を動作させないことにより、昇圧器の動作に必要な電力を低減することができる。また、第3のモードにおいて、第3弁を閉止する際に、水素製造器と第3弁との間に設けられた昇圧器を動作させないことにより、昇圧器が破損する可能性を低減することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも上記の各態様の一例を示すものである。よって、以下で示される形状、材料、構成要素、および、構成要素の配置位置および接続形態などは、あくまで一例であり、請求項に記載されていない限り、上記の各態様を限定するものではない。また、以下の構成要素のうち、上記の各態様の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面において、同じ符号が付いたものは、説明を省略する場合がある。図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状および寸法比などについては正確な表示ではない場合がある。動作においては、必要に応じて、各工程の順序などを変更できる。また、必要に応じて、他の公知の工程を追加できる。
(第1実施形態)
[装置構成]
図1は、第1実施形態の水素システムの一例を示す図である。
なお、図1において、[上]および[下]が同図の如く取られており、重力は、上から下に作用するものとする(他の図面においても同じ)。
図1に示す例では、水素システム100は、水素製造器1と、水素貯蔵器2と、第1流路3と、第2流路4と、筐体5と、第3流路6と、第1弁7と、制御器50と、を備える。なお、二点鎖線で示された水素利用機器8が設けられる場合がある。
水素製造器1は、水素を製造する装置である。水素製造器1は、水素を製造することができれば、どのような構成であってもよい。水素製造器1で製造される水素は、水素濃度が約100%程度の水素ガスに限定されず、水素含有ガスであってもよい。水素含有ガスとして、例えば、メタンガスなどの改質反応により発生する改質ガス、水の電気分解により発生する水蒸気を含む水素ガスなどを挙げることができる。
よって、水素製造器1として、例えば、水の電気分解により水素を発生する水電解装置を挙げることができるが、これに限定されない。水電解装置は、例えば、太陽光などの再生可能エネルギーにより発電された電力を用いて、水素を生成してもよい。また、水電解装置の水電解の方式は、いずれの種類であってもよい。水電解の方式として、例えば、アルカリ水電解、固体高分子形水電解、固体酸化物形水電解などを挙げることができる。
なお、図示を省略するが、水電解装置で水素を発生するのに必要な機器が適宜、設けられる。例えば、水電解装置に水を供給するための水ポンプ、水の電気分解により発生したプロトンを伝導するための電解質膜などが設けられていてもよい。また、電解質膜の主面のそれぞれに触媒層が設けられてもよい。そして、これらの触媒層の間に電圧を印加する電圧印加器が設けられていてもよい。
水素貯蔵器2は、水素製造器1で製造された水素を貯蔵する装置である。水素貯蔵器2は、水素製造器1で製造された水素を貯蔵することができれば、どのような構成であってもよい。水素貯蔵器2として、例えば、タンクを挙げることができるが、これに限定されない。
第1流路3は、水素製造器1から排出され、水素貯蔵器2に流入する水素が流れる流路である。つまり、水素製造器1で製造された水素が、第1流路3を通じて水素貯蔵器2に供給され、水素貯蔵器2において一時的に貯蔵される。
第2流路4は、水素貯蔵器2から排出され、水素利用機器8に流入する水素が流れる流路である。つまり、水素貯蔵器2に貯蔵された水素は、第2流路4を通じて水素利用機器8に供給される。よって、第2流路4は、筐体5内から筐体5の壁部を通過して水素利用機器8まで延伸していてもよい。なお、水素利用機器8として、例えば、水素を燃料として発電する燃料電池を挙げることができる。
筐体5は、水素製造器1、水素貯蔵器2、第2流路4の少なくとも一部および第1流路3を収納する容器である。本例では、図1に示すように、水素製造器1および水素貯蔵器2のそれぞれが存在する空間を仕切るための内壁(仕切り壁)が筐体5に設けられていない。
なお、図示を省略するが、筐体5内に、第2流路4の全部が収納されていてもよい。この場合、水素利用機器8が、筐体5内に収納されていてもよい。つまり、水素利用機器8は、図1の如く、筐体5外において水素システム100に併設して設けられてもよいし、水素システム100が、筐体5内において水素利用機器8を備えてもよい。
第3流路6は、水素製造器1、水素貯蔵器2、第2流路4の少なくとも一部および第1流路3の少なくとも一つから筐体5外に排出される水素が流れる流路である。
なお、図示を省略するが、第3流路6の上流端は、筐体5内において、水素製造器1で製造された水素が存在する流路であれば、いずれの箇所に接続していても構わない。例えば、第3流路6の上流端は、水素製造器1に接続していてもよいし、第1流路3に接続していてもよいし、水素貯蔵器2に接続していてもよいし、筐体5内の第2流路4の少なくとも一部に接続していてもよい。また、第3流路6の下流端は、筐体5のいずれの箇所に接続していても構わないが、筐体5の上下方向の中央部よりも上方の筐体5の部分に接続する方が望ましい。詳細は後で説明する。
第1弁7は、第3流路6に設けられている弁である。第1弁7として、例えば、電磁弁を挙げることができるが、これに限定されない。
制御器50は、第1弁7を開放する。つまり、制御器50により第1弁7の開閉が制御される。制御器50は、制御機能を有するものであれば、どのような構成であってもよい。制御器50は、例えば、演算回路(図示せず)と、制御プログラムを記憶する記憶回路(図示せず)と、を備える。演算回路として、例えば、MPU、CPUなどを挙げることができる。記憶回路として、例えば、メモリなどを挙げることができる。制御器50は、集中制御を行う単独の制御器で構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器で構成されていてもよい。
[動作]
以下、図1を参照しながら、本実施形態の水素システム100の動作の一例を説明する。
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
まず、水素システム100の運転中、第1弁7は閉止されている。そして、水素システム100の運転中、水素製造器1で製造された水素(H2)は、第1流路3を通じて水素貯蔵器2に供給され、水素貯蔵器2において一時的に貯蔵される。
水素貯蔵器2で貯蔵された水素は、適時に、第2流路4を通じて水素利用機器8に供給される。すると、水素利用機器8で水素が利用される。例えば、水素利用機器8が燃料電池であれば、水素貯蔵器2から供給された水素が燃料電池の燃料として利用され、燃料電池で発電が行われる。
ここで、水素製造器1、水素貯蔵器2、第2流路4の少なくとも一部および第1流路3の少なくとも一つから何等かの原因で筐体5内に水素漏れが発生した場合、制御器50は、第1弁7を開放する。
以上により、本実施形態の水素システム100は、従来に比べて、筐体5内の水素漏れに適切に対応可能であるとともに、装置のコンパクト化および低コスト化を図り得る。
具体的には、水素製造器1および水素貯蔵器2のそれぞれが存在する空間を仕切るための内壁(仕切り壁)を筐体5に設けてなく、水素製造器1、水素貯蔵器2、第1流路3、第2流路4の一部、第3流路6、第1弁7を、一つの筐体5内に設けている。よって、本実施形態の水素システム100は、水素製造器および水素貯蔵器のそれぞれが存在する空間を仕切るように筐体5を構成する場合に比べて、装置のコンパクト化および低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態の水素システム100は、水素製造器1、水素貯蔵器2、第2流路4の少なくとも一部および第1流路3の一部の少なくとも一つから何等かの要因により筐体5内に水素漏れが発生した場合、第1弁7を開放するだけで、水素製造器1、水素貯蔵器2、第2流路4の少なくとも一部および第1流路3の少なくとも一つに存在する水素を、第3流路6を通じて筐体5外に排出できる。なお、第1弁を開放しているとき、水素製造器1の動作を停止してもよい。
(第2実施形態)
図2は、第2実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図2に示す例では、水素システム100は、水素製造器1と、水素貯蔵器2と、第1流路3と、第2流路4と、筐体5と、第3流路6と、第1弁7と、検知器9と、制御器50と、を備える。
ここで、水素製造器1、水素貯蔵器2、第1流路3、第2流路4、筐体5、第3流路6、第1弁7および水素利用機器8は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
検知器9は、筐体5内での水素漏れを検知するセンサである。検知器9は、筐体5内での水素漏れを検知することができれば、どのような構成であってもよい。検知器9として、例えば、金属の多孔質焼結体に酸化触媒を含有させた接触燃焼式の水素センサを挙げることができる。なお、検知器9は、上記水素センサに限らず、筐体5内で水素漏れが発生したことを検知可能であれば、どのようなセンサであってもよい。例えば、筐体5内で水素漏れが発生すると、筐体5内の水素が存在する流路のガス圧が変化するので、検知器9として、かかる流路に設けられた圧力計(図示せず)を用いることもできる。検知器9は、この圧力計のように間接的に筐体5内で水素漏れが発生したことを検知するセンサであってもよい。
ここで、水素製造器1、水素貯蔵器2、第2流路の少なくとも一部および第1流路3の少なくとも一つから何等かの原因で水素漏れが発生した場合、筐体5内に漏れた水素が滞留する。すると、筐体5内の検知器9で水素漏れが検知される。そこで、制御器50は、検知器9で水素漏れが検知されると第1弁7を開放する。なお、このとき、水素製造器1の動作を停止してもよい。
以上により、本実施形態の水素システム100は、検知器9で水素漏れを検知する適時のタイミングにおいて、水素製造器1、水素貯蔵器2、第2流路の少なくとも一部および第1流路3の少なくとも一つに存在する水素を、第3流路6を通じて筐体5外に排出できる。
また、筐体5内で水素漏れが発生したとき、筐体5内の一つの検知器9に基づいて第3流路6に設けられた第1弁7を開放できる。よって、本実施形態の水素システム100は、例えば、水素製造器1および水素貯蔵器2をそれぞれ収納した筐体内の二つの部屋のそれぞれに検知器を設ける構成に比べて、装置のコンパクト化および低コスト化を図ることができる。
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態の水素システム100と同様であってもよい。
(第3実施形態)
図3Aは、第3実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図3Aに示す例では、水素システム100は、水素製造器1と、水素貯蔵器2と、第1流路3と、第2流路4と、筐体5と、第3流路6と、第1弁7と、検知器9と、換気器10Aと、制御器50と、を備える。
ここで、水素製造器1、水素貯蔵器2、第1流路3、第2流路4、筐体5、第3流路6、第1弁7および水素利用機器8は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。また、検知器9は、第2実施形態と同様であるので説明を省略する。
換気器10Aは、筐体5内を換気する装置である。換気器10Aは、筐体5内を換気することができれば、どのような構成であってもよい。例えば、換気器10Aは、筐体5に設けられており、筐体5内の空気を排出して、筐体5の壁部に設けられた給気口10Bから流入する外気で入れ替えることができる一般的な換気装置であってもよい。換気器10Aとして、例えば、軸流タイプのファンモータを挙げることができるが、これに限定されない。
制御器50は、検知器9で水素漏れが検知されると、水素製造器1の運転を停止し、かつ換気器10Aを作動させ、その後、検知器9で水素漏れが検知されると、第1弁7を開放する。一方、このとき、制御器50は、検知器9で水素漏れが検知されないと、換気器10Aの動作を停止する。
以下、本実施形態の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
図3Bは、第3実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
まず、水素システム100の運転中、第1弁7は閉止されている。そして、水素システム100の運転中、水素製造器1で製造された水素は、第1流路3を通じて水素貯蔵器2に供給され、水素貯蔵器2において一時的に貯蔵される。水素貯蔵器2で貯蔵された水素は、適時に、第2流路4を通じて水素利用機器8に供給される。
この状態で、ステップS301において、検知器9で水素漏れが検知されるか否かが判定される。
検知器9で水素漏れが検知されない場合(ステップS301で「No」の場合)、そのままの状態が維持される。
検知器9で水素漏れが検知された場合(ステップS301で「Yes」の場合)、ステップS302で、水素製造器1の運転を停止し、換気器10Aを作動(ON)させる。これにより、筐体5内の水素を含有する空気が筐体5外に排出され、給気口10Bからの外気が筐体5内に流入する。なお、検知器9で水素漏れが検知された後だけでなく、検知器9で水素漏れが検知される前の水素製造器1の運転時においても換気器10Aを作動させてもよい。
ここで、水素製造器1の運転時に換気器10Aを作動させているとき、水素システム100の運転を通常停止すると、水素製造器1の運転を停止するとともに換気器10Aの動作も停止する。これに対して、本例の如く、検知器9で水素漏れが検知された場合には、水素製造器1の運転を停止しても、換気器10Aを作動させる。つまり、水素システム100の運転の通常停止時は、水素漏れ検知による水素システム100の運転の異常停止時に比べ、水素製造器1の運転停止後の換気器10Aの換気量が少ない。なお、水素システム100の運転の通常停止時における換気器10Aの動作の停止タイミングは、水素製造器1の運転停止と同時であってもよいし、水素製造器1の運転停止に対して前後してもよい。
次に、ステップS303において、検知器9で水素漏れが検知されるか否かが判定される。
検知器9で水素漏れが検知されない場合(ステップS303で「No」の場合)、ステップS304で、換気器10Aの動作を停止する。
検知器9で水素漏れが検知された場合(ステップS303で「Yes」の場合)、ステップS305で、第1弁7が開放される。これにより、水素製造器1、水素貯蔵器2、第2流路4の少なくとも一部および第1流路3の少なくとも一つに存在する水素を、第3流路6を通じて筐体5外に排出できる。
次に、ステップS306において、検知器9で水素漏れが検知されるか否かが判定される。
検知器9で水素漏れが検知された場合(ステップS306で「Yes」の場合)、そのままの状態が維持される。
検知器9で水素漏れが検知されない場合(ステップS306で「No」の場合)、ステップS307で、換気器10Aの動作を停止し、第1弁7を閉止する。
以上により、本実施形態の水素システム100は、水素製造器1の運転を停止させ、換気器10Aを作動させた後において、検知器9で水素漏れが検知されたとき、第1弁7を開放し、換気器10Aも作動させる。一方、水素製造器1の運転を停止させ、換気器10Aを作動させた後において、検知器9で水素漏れが検知されなくなると、換気器10Aの動作を停止させる。よって、本実施形態の水素システム100は、検知器9で水素漏れが検知されたときに、換気器10Aの作動により検知器9で水素漏れが検知されなくなるか否かを確認せずに、第1弁7を開放する場合に比べて、筐体5外に排出される水素量を低減できる可能性がある。
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態または第2実施形態の水素システム100と同様であってもよい。
(第4実施形態)
図4は、第4実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図4に示す例では、水素システム100は、水素製造器1と、水素貯蔵器2と、第1流路3と、第2流路4と、筐体5と、第3流路6Aと、第1弁7と、制御器50と、を備える。
ここで、水素製造器1、水素貯蔵器2、第1流路3、第2流路4、筐体5、第1弁7、水素利用機器8および制御器50は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
第3流路6Aは、第1流路3より分岐して設けられている流路である。つまり、第3流路6Aの上流端は第1流路3に接続している。
以上により、本実施形態の水素システム100は、第3流路6Aが水素製造器1と水素貯蔵器2とを連通する第1流路3から分岐しているので、水素製造器1および水素貯蔵器2のいずれか一方、または、両方から筐体5外に水素を選択的に排出させるように設定し得る。
例えば、第3流路6Aへの分岐箇所14よりも水素製造器1側に、図示しない弁を設けることで、筐体5内に水素漏れが生じて、第1弁7を開放したときの、この弁の開閉制御により、水素貯蔵器2のみからの水素排出、および、水素製造器1および水素貯蔵器2からの水素排出のいずれか一方を選択できる。
他の例としては、後述する実施例1と同様であるので詳細な説明は省略する。なお、第1弁7を開放しているとき、水素製造器1の動作を停止してもよい。
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態-第3実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。例えば、図4では、筐体5内での水素漏れを検知する検知器9(図2参照)を示していないが、このような検知器9を、図4の水素システム100に設けてもよい。また、例えば、図4では、筐体5内を換気する換気器10A(図3A参照)を示していないが、このような換気器10Aを図4の水素システム100に設けてもよい。
(第1実施例)
図5Aは、第4実施形態の第1実施例の水素システムの一例を示す図である。
図5Aに示す例では、水素システム100は、水素製造器1と、水素貯蔵器2と、第1流路3と、第2流路4と、筐体5と、第3流路6Aと、第1弁7と、第2弁11と、制御器50と、を備える。
ここで、水素製造器1、水素貯蔵器2、第1流路3、第2流路4、筐体5、第1弁7、水素利用機器8および制御器50は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。また、第3流路6Aは、第4実施形態と同様であるので説明を省略する。
第2弁11は、第3流路6への分岐箇所14よりも下流の第1流路3に設けられた弁である。つまり、第2弁11は、水素貯蔵器2と上記の分岐箇所14との間の第1流路3に設けられている。第2弁11として、例えば、電磁弁を挙げることができるが、これに限定されない。
以上により、本実施例の水素システム100は、筐体5内に水素漏れが発生すると、第1弁7を開放し、第1弁7を開放しているときの第2弁11の開閉制御により、水素製造器1から筐体5外への水素排出と、水素製造器1および水素貯蔵器2から筐体5外への水素排出を選択することができる。
具体的には、例えば、第1弁7を開放して、第2弁11を閉止することで、水素製造器1のみから水素が排出される。逆に、第1弁7を開放し、第2弁11を開放することで、水素製造器1だけでなく、水素貯蔵器2からも水素が排出される。なお、第1弁7を開放しているとき、水素製造器1の動作を停止してもよい。
本実施例の水素システム100は、上記特徴以外は、第4実施形態の水素システム100と同様であってもよい。例えば、図5Aでは、筐体5内での水素漏れを検知する検知器9(図2参照)を示していないが、このような検知器9を、図5Aの水素システム100に設けてもよい。また、例えば、図5Aでは、筐体5内を換気する換気器10A(図3A参照)を示していないが、このような換気器10Aを図5Aの水素システム100に設けてもよい。
(第2実施例)
本実施例の水素システム100は、筐体5内に検知器9(図2参照)を設けること、および、以下の制御器50の制御内容以外は、第4実施形態の第1実施例の水素システム100と同様である。
制御器50は、検知器9で水素漏れが検知されると、水素製造器1の運転を停止し、第1弁7を開放する。その後、制御器50は、検知器9で水素漏れが検知されると、第2弁11を開放する。一方、このとき、制御器50は、検知器9で水素漏れが検知されないと、第1弁7を閉止する。つまり、本実施例の水素システム100は、水素製造器1の運転を停止し、水素製造器1から筐体5外に水素を排出した後も、検知器9で水素漏れが検知されると、第2弁11を開放し、水素貯蔵器2から筐体5外に水素を排出している。
以下、本実施例の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
図5Bは、第4実施形態の第2実施例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
まず、水素システム100の運転中、第1弁7は閉止され、第2弁11は開放されている。そして、水素システム100の運転中、水素製造器1で製造された水素は、第1流路3を通じて水素貯蔵器2に供給され、水素貯蔵器2において一時的に貯蔵される。水素貯蔵器2で貯蔵された水素は、適時に、第2流路4を通じて水素利用機器8に供給される。
この状態で、ステップS501において、検知器9で水素漏れが検知されるか否かが判定される。
検知器9で水素漏れが検知されない場合(ステップS501で「No」の場合)、そのままの状態が維持される。
検知器9で水素漏れが検知された場合(ステップS501で「Yes」の場合)、ステップS502で、水素製造器1の運転が停止され、第2弁11が閉止され、第1弁7が開放される。これにより、水素製造器1に存在する水素を、第3流路6Aを通じて筐体5外に排出できる。
次に、ステップS503において、検知器9で水素漏れが検知されるか否かが判定される。
検知器9で水素漏れが検知されない場合(ステップS503で「No」の場合)、ステップS504で、第1弁7が閉止される。
検知器9で水素漏れが検知された場合(ステップS503で「Yes」の場合)、ステップS505で、第2弁11が開放される。これにより、水素貯蔵器2に存在する水素を、第3流路6Aを通じて筐体5外に排出できる。
次に、ステップS506において、検知器9で水素漏れが検知されるか否かが判定される。
検知器9で水素漏れが検知された場合(ステップS506で「Yes」の場合)、そのままの状態が維持される。
検知器9で水素漏れが検知されない場合(ステップS506で「No」の場合)、ステップS507で、第1弁7および第2弁11が閉止される。
以上により、本実施例の水素システム100は、筐体5内に水素漏れが発生すると、第1弁7を開放し、第1弁7を開放しているときの第2弁11の開閉制御により、水素製造器1から筐体5外への水素排出と、水素製造器1および水素貯蔵器2から筐体5外への水素排出を選択することができる。
よって、本実施例の水素システム100は、第2弁11を設けない水素システム100に比べて、検知器9で水素漏れが検知されたときに、筐体5外に排出される水素量を低減できる可能性がある。
なお、本実施例では、水素貯蔵器2内に貯蔵可能な水素量の方が、水素製造器1内に貯蔵可能な水素量よりも多くなるように構造的に設計されていてもよい。具体的には、水素貯蔵器2内の容積の方が、水素製造器1内の水素流路の容積よりも大きい。
このとき、本実施例の水素システム100は、水素漏れが生じたときに水素貯蔵器2から優先的に筐体5外に水素を排出する場合に比べて、筐体5外に排出される水素量を低減できる可能性がある。
本実施例の水素システム100は、上記特徴以外は、第4実施形態の第1実施例の水素システム100と同様であってもよい。
(変形例)
図6は、第4実施形態の変形例の水素システムの一例を示す図である。
図6に示す例では、水素システム100は、水素製造器1と、水素貯蔵器2と、第1流路3と、第2流路4と、筐体5と、第3流路6Bと、第1弁7と、第1継手12と、第2継手13と、制御器50と、を備える。
ここで、水素製造器1、水素貯蔵器2、第1流路3、第2流路4、筐体5、第1弁7、水素利用機器8および制御器50は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
本変形例の水素システム100では、第1流路3に第1継手12と第2継手13が設けられている。そして、第3流路6Bは、第1継手12と第2継手13の間の第1流路3より分岐して設けられている。
第1継手12および第2継手13は、第1流路3を流れる水素が漏れないように第1流路3を締結し得るとともに、第1継手12および第2継手13で第1流路3を切り離すことが可能なように構成されている。なお、第1継手12および第2継手13として、例えば、管継手を挙げることができるが、これに限定されない。
本変形例の水素システム100では、第1流路3から第3流路6Bへ分岐する分岐箇所14で比較的長くなる流路の取り回しを考慮して、上記の分岐箇所14から両側に所定長だけ延伸した第1流路3のそれぞれに第1継手12および第2継手13が設けられている。
そして、このような第1流路3から第3流路6Bへの分岐を形成するには、まず、第1継手12を用いて、水素製造器1に接続する第1流路3に、上記の分岐箇所14から延伸する第1流路3の一方を締結する。次に、第2継手13を用いて、水素貯蔵器2に接続する第1流路3に、上記の分岐箇所14から延伸する第1流路3の他方を締結する。
以上により、本実施形態の水素システム100は、第1継手12と第2継手13の間、すなわち継手間であれば、構成上、第3流路6Bを簡易に設けることができる。つまり、第1流路3に第1継手12および第2継手13を設けない場合に比べて、分岐箇所14を構成する配管の組み立て性、メンテ性を向上することができる。
本変形例の水素システム100は、上記特徴以外は、第4実施形態の水素システム100と同様であってもよい。例えば、図6では、筐体5内での水素漏れを検知する検知器9(図2参照)を示していないが、このような検知器9を、図6の水素システム100に設けてもよい。また、例えば、図6では、筐体5内を換気する換気器10A(図3A参照)を示していないが、このような換気器10Aを図6の水素システム100に設けてもよい。
(第5実施形態)
図7は、第5実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図7に示す例では、水素システム100は、水素製造器1と、水素貯蔵器2と、第1流路3と、第2流路4と、筐体5と、第3流路6Dと、第1弁7と、制御器50と、を備える。
ここで、水素製造器1、水素貯蔵器2、第1流路3、第2流路4、筐体5、第1弁7、水素利用機器8および制御器50は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態の水素システム100では、第3流路6Dは筐体上部と接続している。具体的には、第3流路6の下流端は、筐体5の上下方向の中央部よりも上方の筐体5の側面に接続している。なお、第3流路6Dの上流端は、第1実施形態の水素システム100と同様、水素製造器1で製造された水素が存在する流路であれば、いずれの箇所に接続していても構わない。
以上により、本実施形態の水素システム100は、筐体上部で第3流路6を接続することにより、筐体下部で第3流路6を接続する場合に比べて、第3流路6から筐体5外に水素が排出される際の問題を軽減することができる。
例えば、筐体5外に排出された水素が、筐体5外に存在する着火源と接触する可能性を低減することができる。これは、筐体5外に排出された水素は上方に拡散するので、筐体上部で第3流路6を接続すると、筐体下部の周囲の着火源と接触する可能性が低減するからである。一例として、水素システム100の筐体5の全高が、例えば、2m以上である場合、地上から2m程度までの間に着火源が存在する場合でも、第3流路6から筐体5外に排出される水素が着火源に接触する可能性を低減することができる。なお、本全高は例示であって、本例に限定されない。
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態-第4実施形態、第4実施形態の第1実施例-第2実施例および第4実施形態の変形例のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。例えば、図7では、筐体5内での水素漏れを検知する検知器9(図2参照)を示していないが、このような検知器9を図7の水素システム100に設けてもよい。また、例えば、図7では、筐体5内を換気する換気器10A(図3A参照)を示していないが、このような換気器10Aを図7の水素システム100に設けてもよい。また、例えば、図7では、第1流路3の第2弁11(図5A参照)および第1流路3の第1継手12と第2継手13(図6参照)を示していないが、このような第2弁11および第1継手12と第2継手13を、図7の水素システム100に設けてもよい。
(第6実施形態)
図8は、第6実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図8に示す例では、水素システム100は、水素製造器1と、水素貯蔵器2と、第1流路3と、第2流路4と、筐体5と、第3流路6Cと、第1弁7と、制御器50と、を備える。
ここで、水素製造器1、水素貯蔵器2、第1流路3、第2流路4、筐体5、第1弁7、水素利用機器8および制御器50は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態の水素システム100では、第3流路6Cは筐体5の上面に接続している。なお、第3流路6Cの上流端は、第1実施形態の水素システム100と同様、水素製造器1で製造された水素が存在する流路であれば、いずれの箇所に接続していても構わない。また、図8に示す如く、第3流路6Cの下流端の接続箇所は、筐体5の上面の略中央部であってもよいが、これは例示であって、本例に限定されない。
以上により、本実施形態の水素システム100は、第3流路6Cを筐体5の側面に接続する場合と比べ、第3流路6Cから筐体5外に水素が排出される際の問題を軽減することができる。例えば、筐体5の側面の周囲に着火源が存在する場合でも、第3流路6Cから筐体5外に排出される水素が着火源に接触する可能性を低減することができる。また、第3流路6Cを上下方向に延伸する直管で形成できるので、空気より軽い水素をスムーズに筐体5外に排出することができる。
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態-第4実施形態、第4実施形態の第1実施例-第2実施例、第4実施形態の変形例および第5実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。例えば、図8では、筐体5内での水素漏れを検知する検知器9(図2参照)を示していないが、このような検知器9を図8の水素システム100に設けてもよい。また、例えば、図8では、筐体5内を換気する換気器10A(図3A参照)を示していないが、このような換気器10Aを図8の水素システム100に設けてもよい。また、例えば、図8では、第1流路3の第2弁11(図5A参照)および第1流路3の第1継手12と第2継手13(図6参照)を示していないが、このような第2弁11および第1継手12と第2継手13を、図8の水素システム100に設けてもよい。
(第7実施形態)
図9は、第7実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図9に示す例では、水素システム100は、水素製造器1と、水素貯蔵器2と、第1流路3と、第2流路4と、筐体5と、第3流路6と、第1弁7と、検知器9Aと、制御器50と、を備える。
ここで、水素製造器1、水素貯蔵器2、第1流路3、第2流路4、筐体5、第3流路6、第1弁7、水素利用機器8および制御器50は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態の水素システム100では、検知器9Aは筐体5の上面に設けられている。つまり、筐体5内での水素漏れを検知する検知器9Aは、筐体5の上面を構成する天板の内面に取り付けられている。なお、検知器9Aとして、第2実施形態の水素システム100と同様、例えば、金属の多孔質焼結体に酸化触媒を含有させた接触燃焼式の水素センサを挙げることができるが、これに限定されない。
以上により、本実施形態の水素システム100は、検知器9Aを筐体5の上面に設けることで、このような箇所に検知器を設けない場合に比べて、空気より軽い水素を効果的に検知することができる。つまり、筐体5内で、水素漏れが発生したときは、空気より軽い水素は、筐体5の下方よりも上方に滞留するので、検知器9Aを筐体5の上面に設けることで水素漏れが検知器9Aで検知されやすくなる。
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態-第4実施形態、第4実施形態の第1実施例-第2実施例、第4実施形態の変形例、第5実施形態および第6実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。例えば、図9では、筐体5内を換気する換気器10A(図3A参照)を示していないが、このような換気器10Aを図9の水素システム100に設けてもよい。また、例えば、図9では、第1流路3の第2弁11(図5A参照)および第1流路3の第1継手12と第2継手13(図6参照)を示していないが、このような第2弁11および第1継手12と第2継手13を、図9の水素システム100に設けてもよい。また、図9では、第3流路6が、筐体5の側面に接続しているが、これに限定されない。第3流路6は、筐体5の上面に接続していてもよい。
(第8実施形態)
図10は、第8実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図10に示す例では、水素システム100は、水素製造器1と、水素貯蔵器2と、第1流路3と、第2流路4と、筐体5と、第3流路6Eと、第1弁7と、昇圧器30と、制御器50と、を備える。
ここで、水素製造器1、水素貯蔵器2、第1流路3、第2流路4、筐体5および第1弁7は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
昇圧器30は、水素製造器1で製造された水素を昇圧して、水素貯蔵器2に供給する装置である。なお、制御器50が、昇圧器30の動作を制御してもよい。
昇圧器30は、水素製造器1で製造された水素を昇圧して、水素貯蔵器2に供給することができれば、どのような構成であってもよい。昇圧器30は、例えば、固体高分子膜による電気化学式の昇圧装置であってもよいし、機械式の昇圧装置であってもよい。いすれの昇圧装置も公知であるので詳細な説明を省略する。
また、本実施形態の水素システム100では、第3流路6Eは、昇圧器30よりも下流の第1流路3より分岐している流路である。つまり、第3流路6Eの上流端は、昇圧器30と水素貯蔵器2の間の第1流路3に接続している。なお、ここでは、第3流路6Eの下流端は、筐体5の上面に接続しているが、これに限定されない。第3流路6Eの下流端は、筐体5のいずれの箇所に接続していても構わない。
以上により、本実施形態の水素システム100は、従来に比べて装置内から筐体5外に水素を適切に排出させ得る。例えば、第1弁7の開放状態および昇圧器30の動作状態を適宜設定することで、水素製造器1内および水素貯蔵器2内の水素を、第3流路6Eを通じて、適時に、筐体5外に排出可能になる。
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態-第4実施形態、第4実施形態の第1実施例-第2実施例、第4実施形態の変形例および第5実施形態-第7実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
(第9実施形態)
図11は、第9実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図11に示す例では、水素システム100は、水素製造器1と、水素貯蔵器2と、第1流路3と、第2流路4と、筐体5と、第3流路6Fと、第1弁7と、第3弁18と、制御器50と、を備える。
ここで、水素製造器1、水素貯蔵器2、第1流路3、第2流路4、筐体5および第1弁7は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
第3弁18は、第3流路6Fへの分岐箇所14よりも上流の第1流路3に設けられている弁である。第3弁18として、例えば、電磁弁を挙げることができるが、これに限定されない。制御器50が、第3弁18の開閉動作を制御してもよい。
また、本実施形態の水素システム100では、第3流路6Fは、第3弁18と水素貯蔵器2との間の第1流路3より分岐している流路である。なお、ここでは、第3流路6Fの下流端は、筐体5の上面に接続しているが、これに限定されない。第3流路6Fの下流端は、筐体5のいずれの箇所に接続していても構わない。
以上により、本実施形態の水素システム100は、従来に比べて装置内から筐体5外に水素を適切に排出させ得る。例えば、第1弁7および第3弁18の開閉状態を適宜設定することで、水素製造器1内および水素貯蔵器2内の水素を、第3流路6Eを通じて、適時に、筐体外に排出可能になる。
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態-第4実施形態、第4実施形態の第1実施例-第2実施例、第4実施形態の変形例および第5実施形態-第8実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
(第10実施形態)
図12Aは、第10実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図12Aに示す例では、水素システム100は、水素製造器1と、水素貯蔵器2と、第1流路3と、第2流路4と、筐体5と、第3流路6Gと、第1弁7と、第2弁11と、制御器50と、を備える。
ここで、水素製造器1、水素貯蔵器2、第1流路3、第2流路4、筐体5、第1弁7は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。第2弁11は、第4実施形態の第1実施例と同様であるので説明を省略する。
本実施形態の水素システム100では、第3流路6Gは、第2弁11と水素製造器1との間の第1流路3より分岐している流路である。なお、ここでは、第3流路6Gの下流端は、筐体5の上面に接続しているが、これに限定されない。第3流路6Gの下流端は、筐体5のいずれの箇所に接続していても構わない。
制御器50は、例えば、第1弁7および第2弁11を開放する。つまり、水素製造器1内および水素貯蔵器2内から筐体5外に水素を排出するには、第1弁7および第2弁11を開放するとよい。このとき、水素製造器1の動作を停止してもよい。その後、第1弁7を閉止することで、適時に、水素システム100の運転を再開してもよい。
なお、第1弁7および第2弁11を開放する必要性は、例えば、筐体5内での水素漏れが検知された場合、水素システム100のメンテナンスが行われる場合などに高まるが、これらに限定されない。前者の場合については、実施例で説明する。
以上のとおり、本実施形態の水素システム100は、第1弁7および第2弁11を開放することにより、従来に比べて、水素製造器1内および水素貯蔵器2内から筐体5外に水素を適切に排出させ得る。
制御器50は、例えば、第1弁7を開放するとともに第2弁11を閉止する。つまり、水素製造器1内から筐体5外に水素を排出するには、第1弁7を開放するとともに第2弁11を閉止するとよい。このとき、水素製造器1の動作を停止してもよい。その後、第1弁7を閉止するとともに第2弁11を開放することで、適時に、水素システム100の運転を再開してもよい。
なお、第1弁7を開放するとともに第2弁11を閉止する必要性は、例えば、筐体5内での水素漏れが検知された場合、水素システム100のメンテナンスが行われる場合などに高まるが、これらに限定されない。前者の場合については、変形例で説明する。
以上のとおり、本実施形態の水素システム100は、第1弁7を開放することにより、従来に比べて、水素製造器1内から筐体5外に水素を適切に排出させ得る。なお、このとき、水素貯蔵器2内と筐体5外との間の連通を第2弁11で遮断するので、水素貯蔵器2内の水素が第3流路6Gを通じて筐体外に排出されない。
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態-第4実施形態、第4実施形態の第1実施例-第2実施例、第4実施形態の変形例および第5実施形態-第9実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
(実施例)
本実施例の水素システム100は、筐体5内での水素漏れを検知する検知器9を備えること、および、以下の制御器50の制御内容以外は、第10実施形態の水素システム100と同様である。なお、検知器9は、第2実施形態と同様であるので説明を省略する。
制御器50は、検知器9で水素漏れが検知されると、第1弁7および第2弁11を開放する。
以下、本実施形態の実施例の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
図12Bは、第10実施形態の実施例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
水素システム100の運転中、第1弁7は閉止され、第2弁11は開放されている。そして、水素システム100の運転中、水素製造器1で製造された水素は第1流路3を通じて水素貯蔵器2に供給され、水素貯蔵器2において一時的に貯蔵される。
ここで、ステップS1201において、検知器9で水素漏れを検知したか否かが判定される。
検知器9で水素漏れが検知されない場合(ステップS1201で「No」の場合)、そのままの状態が維持される。
検知器9で水素漏れが検知された場合(ステップS1201で「Yes」の場合)、ステップS1202において、第1弁7および第2弁11が開放される。水素システム100の運転中、第1弁7を閉止、第2弁11を開放しているので、ステップS1202では、第1弁7の開閉状態を閉止から開放へ切り替え、第2弁11の開閉状態をそのまま維持する。これにより、第3流路6Gを通じて、第1流路3から筐体5外に水素が排出させ得る。なお、第1弁7および第2弁11が開放しているときに、昇圧器30(図10参照)を動作させてもよい。また、このとき、水素製造器1の動作を停止させる。
ステップS1201で使用される検知器9は、筐体5内に設けられた水素センサであってもよいし、筐体5内の水素が存在する流路に設けられた圧力計であってもよい。この検知器9が、前者の水素センサである場合、筐体5内の空気中の水素濃度が、この水素センサで検知可能な水素濃度範囲内に入ることで筐体5内への水素漏れの発生を知ることができる。検知器9が、後者の圧力計である場合、圧力計で検知された圧力が所定値以上、低下することで間接的に筐体5内への水素漏れの発生を知ることができる。
次に、ステップS1203において、検知器9で水素漏れを検知したか否かが、再び判定される。
検知器9で水素漏れが検知された場合(ステップS1203で「Yes」の場合)、そのままの状態が維持される。
検知器9で水素漏れが検知されなくなった場合(ステップS1203で「No」の場合)、ステップS1204で、第1弁7が閉止され、第2弁11が開放される。ステップS1202で、第1弁7および第2弁11を開放しているので、ステップS1204では、第1弁7の開閉状態を開放から閉止へ切り替え、第2弁11の開閉状態をそのまま維持する。
ステップS1203で使用される検知器9は、筐体5内に設けられた水素センサであってもよいし、筐体5内の水素が存在する流路に設けられた圧力計であってもよい。この検知器9が、前者の水素センサである場合、筐体5内の空気中の水素濃度が、上記の水素濃度範囲内から、この範囲外に出ることで筐体5内への水素漏れが解消したことを知ることができる。従って、この場合は、筐体5内への水素漏れが停止した後に、図示しない換気器により筐体5内が換気された後、上記水素濃度範囲外になるので、水素センサは、圧力計に比べて、ステップS1203の判定において水素漏れが検知されなくなるまでのタイムラグが発生する可能性がある。検知器9が、後者の圧力計である場合、圧力計で検知される圧力Pが所定圧力Pmに至ることで間接的に筐体5内への水素漏れが解消したことを知ることができる。例えば、所定圧力Pmとして、大気圧(例えば、0.1MPa)に設定するとよい。つまり、圧力Pが大気圧になると、筐体5内の空間圧力(大気圧)と筐体5の水素が存在する領域内の圧力との間の圧力差(以下、圧力差)による水素漏れは、起きないと判断してよい。ここでの所定圧力Pmは、例示であって、本例に限定されない。なお、水素システム100の運転中、水素貯蔵器2には水素が高圧状態で充填されている場合が多い。よって、この場合、水素貯蔵器2の容器表面の水素ガス圧によるひずみ量が、圧力計で検知される圧力Pに相関する。このため、この圧力Pが所定圧力Pmに至ったかどうかの判定は、水素貯蔵器2の容器表面に設けられたひずみゲージのひずみ量で推定することもできる。なお、ステップS1202で、昇圧器30を動作させた場合、ステップS1204で、昇圧器30の動作を停止させてもよい。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
以上のとおり、本実施例の水素システム100は、従来に比べて装置内から筐体5外に水素を適切に排出させ得る。例えば、第1弁7および第2弁11の開放状態を適宜設定することで、水素製造器1内および水素貯蔵器2内の水素を、第3流路6Gを通じて、適時に、筐体5外に排出可能になる。具体的には、本実施例の水素システム100は、筐体5内で水素漏れが生じたときに、第3流路6Gから筐体5外に直接、水素を排出させるので、水素漏れの状態を速やかに解消することができる。これにより、水素が着火する可能性を軽減することができる。
本実施例の水素システム100は、上記特徴以外は、第10実施形態の水素システム100と同様であってもよい。
(変形例)
本変形例の水素システム100は、筐体5内での水素漏れを検知する検知器9を備えること、および、以下の制御器50の制御内容以外は、第10実施形態の水素システム100と同様である。なお、検知器9は、第2実施形態と同様であるので説明を省略する。
制御器50は、検知器9で水素漏れが検知されると、第1弁7を開放するとともに第2弁11を閉止する。
以下、本変形例の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
図12Cは、第10実施形態の変形例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
図12CのステップS1201およびステップS1203は、図12BのステップS1201およびステップS1203と同様であるので詳細な説明を省略する。
水素システム100の運転中、第1弁7は閉止され、第2弁11は開放されている。そして、水素システム100の運転中、水素製造器1で製造された水素は、第1流路3を通じて水素貯蔵器2に供給され、水素貯蔵器2において一時的に貯蔵される。
ここで、検知器9で水素漏れが検知された場合(ステップS1201で「Yes」の場合)、ステップS1202Aにおいて、第1弁7が開放され、第2弁11が閉止される。水素システム100の運転中、第1弁7を閉止、第2弁11を開放しているので、ステップS1202Aでは、第1弁7の開閉状態を閉止から開放へ切り替え、第2弁11の開閉状態を開放から閉止に切り替える。これにより、第3流路6Gを通じて、第1流路3から筐体5外に、水素製造器1の水素を排出させ得る。なお、第1弁7を開放、第2弁11を閉止しているときに、昇圧器30(図10参照)を動作させてもよい。また、このとき、水素製造器1の動作を停止させる。
次に、検知器9で水素漏れが検知されなくなった場合(ステップS1203で「No」の場合)、ステップS1204Aにおいて、第1弁7が閉止され、第2弁11が開放される。ステップS1202Aで、第1弁7を開放、第2弁11を閉止しているので、ステップS1204Aでは、第1弁7の開閉状態を開放から閉止へ切り替え、第2弁11の開閉状態を閉止から開放に切り替える。なお、ステップS1202Aで、昇圧器30を動作させた場合、ステップS1204Aで、昇圧器30の動作を停止させてもよい。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
以上のとおり、本変形例の水素システム100は、筐体5内で水素漏れが発生する場合、水素貯蔵器2内と筐体5外との間の連通を第2弁11で遮断するので、水素貯蔵器2内の水素が第3流路6Gを通じて筐体5外に排出されない。つまり、本変形例の水素システム100は、水素貯蔵器2以外の領域から筐体5内に水素漏れが生じたときに作業者が行う復旧作業において、水素貯蔵器2内の水素を温存することができる。
本変形例の水素システム100は、上記特徴以外は、第10実施形態の水素システム100と同様であってもよい。
(第11実施形態)
図13Aは、第11実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図13Aに示す例では、水素システム100は、水素製造器1と、水素貯蔵器2と、第1流路3と、第2流路4と、筐体5と、第3流路6Hと、第1弁7と、第2弁11と、第3弁18と、制御器50と、を備える。
ここで、水素製造器1、水素貯蔵器2、第1流路3、第2流路4、筐体5、第1弁7は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。第2弁11は、第4実施形態の第1実施例と同様であるので説明を省略する。第3弁18は、第9実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態の水素システム100では、第3流路6Hは、第2弁11と第3弁18との間の第1流路3より分岐している流路である。なお、ここでは、第3流路6Hの下流端は、筐体5の上面に接続しているが、これに限定されない。第3流路6Hの下流端は、筐体5のいずれの箇所に接続していても構わない。
制御器50は、例えば、第1弁7、第2弁11および第3弁18を開放する。つまり、水素製造器1内および水素貯蔵器2内から筐体5外に水素を排出するには、第1弁7、第2弁11および第3弁18を開放するとよい。このとき、水素製造器1の動作を停止してもよい。その後、第1弁7を閉止することで、適時に、水素システム100の運転を再開してもよい。
なお、第1弁7、第2弁11および第3弁18を開放する必要性は、例えば、筐体5内での水素漏れが検知された場合、水素システム100のメンテナンスが行われる場合などに高まるが、これらに限定されない。前者の場合については、実施例で説明する。
以上のとおり、本実施形態の水素システム100は、第1弁7、第2弁11および第3弁18を開放することにより、従来に比べて、水素製造器1内および水素貯蔵器2内から筐体5外に水素を適切に排出させ得る。
制御器50は、例えば、第1弁7および第2弁11を開放するとともに第3弁18を閉止する。つまり、水素貯蔵器2内から筐体5外に水素を排出するには、第1弁7および第2弁11を開放するとともに第3弁18を閉止するとよい。このとき、水素製造器1の動作を停止してもよい。その後、第1弁7を閉止するとともに第3弁18を開放することで、適時に、水素システム100の運転を再開してもよい。
なお、第1弁7および第2弁11を開放するとともに第3弁18を閉止する必要性は、例えば、筐体5内での水素漏れが検知された場合、水素システム100のメンテナンスが行われる場合などに高まるが、これらに限定されない。前者の場合については、第1変形例で説明する。
以上のとおり、本実施形態の水素システム100は、第1弁7および第2弁11を開放することにより、従来に比べて、水素貯蔵器2内から筐体外に水素を適切に排出させ得る。なお、このとき、水素製造器1内と筐体5外との間の連通を第3弁18で遮断するので、水素製造器1内の水素が第3流路6Hを通じて筐体5外に排出されない。
制御器50は、例えば、第1弁7および第3弁18を開放するとともに第2弁11を閉止する。つまり、水素製造器1内から筐体5外に水素を排出するには、第1弁7および第3弁18を開放するとともに第2弁11を閉止するとよい。その後、第1弁7を閉止するとともに第2弁11を開放することで、適時に、水素システム100の運転を再開してもよい。
なお、第1弁7および第3弁18を開放するとともに第2弁11を閉止する必要性は、例えば、筐体5内での水素漏れが検知された場合、水素システム100のメンテナンスが行われる場合などに高まるが、これらに限定されない。前者の場合については、第2変形例で説明する。
以上のとおり、本実施形態の水素システム100は、第1弁7および第3弁18を開放することにより、従来に比べて、水素製造器1内から筐体5外に水素を適切に排出させ得る。なお、このとき、水素貯蔵器2内と筐体5外との間の連通を第2弁11で遮断するので、水素貯蔵器2内の水素が第3流路6Hを通じて筐体5外に排出されない。
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態-第4実施形態、第4実施形態の第1実施例-第2実施例、第4実施形態の変形例、第5実施形態-第10実施形態、第10実施形態の実施例および第10実施形態の変形例のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
(実施例)
本実施例の水素システム100は、筐体5内での水素漏れを検知する検知器9を備えること、および、以下の制御器50の制御内容以外は、第11実施形態の水素システム100と同様である。なお、検知器9は、第2実施形態と同様であるので説明を省略する。
制御器50は、検知器9で水素漏れが検知されると、第1弁7、第2弁11および第3弁18を開放する。
以下、本実施例の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
図13Bは、第11実施形態の実施例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
図13BのステップS1301およびステップS1303は、図12BのステップS1201およびステップS1203と同様であるので詳細な説明を省略する。
水素システム100の運転中、第1弁7は閉止され、第2弁11および第3弁18は開放されている。そして、水素システム100の運転中、水素製造器1で製造された水素は、第1流路3を通じて水素貯蔵器2に供給され、水素貯蔵器2において一時的に貯蔵される。
ここで、検知器9で水素漏れが検知された場合(ステップS1301で「Yes」の場合)、ステップS1302において、第1弁7、第2弁11および第3弁18が開放される。水素システム100の運転中、第1弁7を閉止、第2弁11および第3弁18を開放しているので、ステップS1302では、第1弁7の開閉状態を閉止から開放へ切り替え、第2弁11および第3弁18の開閉状態をそのまま維持する。これにより、第3流路6Hを通じて、第1流路3から筐体5外に、水素製造器1内および水素貯蔵器2内の水素を排出させ得る。なお、第1弁7、第2弁11および第3弁18が開放しているときに、昇圧器30(図10参照)を動作させてもよい。また、このとき、水素製造器1の動作を停止させる。
次に、検知器9で水素漏れが検知されなくなった場合(ステップS1303で「No」の場合)、ステップS1304において、第1弁7が閉止され、第2弁11および第3弁18が開放される。
ステップS1302で、第1弁7、第2弁11および第3弁18を開放しているので、ステップS1304では、第1弁7の開閉状態を開放から閉止へ切り替え、第2弁11および第3弁18の開閉状態をそのまま維持する。なお、ステップS1302で、昇圧器30を動作させた場合、ステップS1304で、昇圧器30の動作を停止させてもよい。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
以上のとおり、本実施例の水素システム100は、従来に比べて装置内から筐体5外に水素を適切に排出させ得る。例えば、第1弁7、第2弁11および第3弁18の開閉状態を適宜設定することで、水素製造器1内および水素貯蔵器2内の水素を、第3流路6Hを通じて、適時に、筐体5外に排出可能になる。具体的には、本実施例の水素システム100は、筐体5内で水素漏れが生じたときに、第3流路6Hから筐体5外に直接、水素を排出させるので、水素漏れの状態を速やかに解消することができる。これにより、水素が着火する可能性を軽減することができる。
本実施例の水素システム100は、上記特徴以外は、第11実施形態の水素システム100と同様であってもよい。
(第1変形例)
本変形例の水素システム100は、筐体5内での水素漏れを検知する検知器9を備えること、および、以下の制御器50の制御内容以外は、第11実施形態の水素システム100と同様である。なお、検知器9は、第2実施形態と同様であるので説明を省略する。
制御器50は、検知器9で水素漏れが検知されると、第1弁7および第2弁11を開放するとともに第3弁18を閉止する。
以下、本変形例の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
図13Cは、第11実施形態の第1変形例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
図13CのステップS1301およびステップS1303は、図12BのステップS1201およびステップS1203と同様であるので詳細な説明を省略する。
水素システム100の運転中、第1弁7は閉止され、第2弁11および第3弁18は開放されている。そして、水素システム100の運転中、水素製造器1で製造された水素は、第1流路3を通じて水素貯蔵器2に供給され、水素貯蔵器2において一時的に貯蔵される。
ここで、検知器9で水素漏れが検知された場合(ステップS1301で「Yes」の場合)、ステップS1302Aにおいて、第1弁7および第2弁11が開放され、第3弁18が閉止される。
水素システム100の運転中、第1弁7を閉止、第2弁11および第3弁18を開放しているので、ステップS1302Aでは、第1弁7の開閉状態を閉止から開放へ切り替え、第3弁18の開閉状態を開放から閉止に切り替え、第2弁11の開閉状態をそのまま維持する。これにより、第3流路6Hを通じて、第1流路3から筐体5外に、水素貯蔵器2内の水素を排出させ得る。なお、このとき、昇圧器30(図10参照)および水素製造器1の動作を停止させてもよい。
次に、検知器9で水素漏れが検知されなくなった場合(ステップS1303で「No」の場合)、ステップS1304Aにおいて、第1弁7が閉止され、第2弁11および第3弁18が開放される。
ステップS1302Aで、第1弁7および第2弁11を開放、第3弁18を閉止しているので、ステップS1304Aでは、第1弁7の開閉状態を開放から閉止へ切り替え、第3弁18の開閉状態を閉止から開放に切り替え、第2弁11の開閉状態をそのまま維持する。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
以上のとおり、本変形例の水素システム100は、筐体5内で水素漏れが発生する場合、水素製造器1内と筐体5外との間の連通を第3弁18で遮断するので、水素製造器1内の水素が第3流路6Hを通じて筐体5外に排出されない。つまり、本変形例の水素システム100は、水素製造器1以外の領域から筐体5内に水素漏れが生じたときに作業者が行う復旧作業において、水素製造器1内の水素を温存することができる。
本変形例の水素システム100は、上記特徴以外は、第11実施形態の水素システム100と同様であってもよい。
(第2変形例)
本変形例の水素システム100は、筐体5内での水素漏れを検知する検知器9を備えること、および、以下の制御器50の制御内容以外は、第11実施形態の水素システム100と同様である。なお、検知器9は、第2実施形態と同様であるので説明を省略する。
制御器50は、検知器9で水素漏れが検知されると、第1弁7および第3弁18を開放するとともに第2弁11を閉止する。
以下、本変形例の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
図13Dは、第11実施形態の第2変形例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
図13DのステップS1301およびステップS1303は、図12BのステップS1201およびステップS1203と同様であるので詳細な説明を省略する。
水素システム100の運転中、第1弁7は閉止され、第2弁11および第3弁18は開放されている。そして、水素システム100の運転中、水素製造器1で製造された水素は、第1流路3を通じて水素貯蔵器2に供給され、水素貯蔵器2において一時的に貯蔵される。
ここで、検知器9で水素漏れが検知された場合(ステップS1301で「Yes」の場合)、ステップS1302Bにおいて、第1弁7および第3弁18が開放され、第2弁11が閉止される。
水素システム100の運転中、第1弁7を閉止、第2弁11および第3弁18を開放しているので、ステップS1302Bでは、第1弁7の開閉状態を閉止から開放へ切り替え、第2弁11の開閉状態を開放から閉止に切り替え、第3弁18の開閉状態をそのまま維持する。これにより、第3流路6Hを通じて、第1流路3から筐体5外に、水素製造器1内の水素を排出させ得る。なお、第1弁7および第3弁18が開放するとともに、第2弁11を閉止しているときに、昇圧器30(図10参照)を動作させてもよい。また、このとき、水素製造器1の動作を停止させる。
次に、検知器9で水素漏れが検知されなくなった場合(ステップS1303で「No」の場合)、ステップS1304Bにおいて、第1弁7が閉止され、第2弁11および第3弁18が開放される。
ステップS1302Bで、第1弁7および第3弁18を開放、第2弁11を閉止しているので、ステップS1304Bでは、第1弁7の開閉状態を開放から閉止へ切り替え、第2弁11の開閉状態を閉止から開放に切り替え、第3弁18の開閉状態をそのまま維持する。なお、ステップS1302Bで、昇圧器30を動作させた場合、ステップS1304Bで、昇圧器30の動作を停止させてもよい。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
以上のとおり、本変形例の水素システム100は、筐体5内で水素漏れが発生する場合、水素貯蔵器2内と筐体5外との間の連通を第2弁11で遮断するので、水素貯蔵器2内の水素が第3流路6Hを通じて筐体5外に排出されない。つまり、本変形例の水素システム100は、水素貯蔵器2以外の領域から筐体5内に水素漏れが生じたときに作業者が行う復旧作業において、水素貯蔵器2内の水素を温存することができる。
本変形例の水素システム100は、上記特徴以外は、第11実施形態の水素システム100と同様であってもよい。
(第12実施形態)
本実施形態の水素システム100は、以下の制御器50の制御内容以外は、第8実施形態の水素システム100(図10)と同様である。
制御器50は、第1弁7が開放しているときに、昇圧器30を動作させる。
以下、本実施形態の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
図14は、第12実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
水素システム100の運転中、第1弁7は閉止されている。そして、水素システム100の運転中、水素製造器1で製造された水素は、昇圧器30で昇圧されて、水素貯蔵器2に供給される。第1流路3を通じて水素貯蔵器2に供給された高圧状態の水素は、水素貯蔵器2において一時的に貯蔵される。
ここで、ステップS1401において、第1弁7が開放される。また、ステップS1401において、第1弁7が開放しているときに、昇圧器30を動作させる(ON)。このとき、水素製造器1の動作を停止させる。
水素システム100の運転中、第1弁7を閉止するとともに、昇圧器30を動作させているので、ステップS1401では、第1弁7の開閉状態を閉止から開放へ切り替えるとともに、昇圧器30の動作状態をそのまま維持する。これにより、第3流路6Eを通じて、第1流路3から筐体5外に水素を排出させ得る。また、昇圧器30の昇圧動作により水素製造器1内の水素を第3流路6Eに送ることができる。
次に、ステップS1402において、第1弁7が閉止される。また、ステップS1402において、昇圧器30の動作が停止される(OFF)。ステップS1401で、第1弁7を開放するとともに、昇圧器30を動作させているので、ステップS1402では、第1弁7の開閉状態を開放から閉止へ切り替えるとともに、昇圧器30の動作状態をオンからオフにする。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
以上のとおり、本実施形態の水素システム100は、第1弁7を開放する際に、昇圧器30の昇圧動作により水素製造器1内の水素を、第3流路6Eを通じて筐体5外に適切に排出させることができる。よって、作業者が、例えば、水素製造器1のメンテナンス作業などを迅速かつ容易に行うことができる。
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第8実施形態の水素システム100と同様であってもよい。
(第13実施形態)
図15Aは、第13実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図15Aに示す例では、水素システム100は、水素製造器1と、水素貯蔵器2と、第1流路3と、第2流路4と、筐体5と、第3流路6Kと、第1弁7と、第2弁11と、昇圧器30と、制御器50と、を備える。
ここで、水素製造器1、水素貯蔵器2、第1流路3、第2流路4、筐体5、第1弁7は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。昇圧器30は、第8実施形態と同様であるので説明を省略する。第2弁11は、第4実施形態の第1実施例と同様であるので説明を省略する。
本実施形態の水素システム100では、第3流路6Kは昇圧器30よりも下流の第1流路3より分岐している流路であり、昇圧器30は、水素製造器1と分岐箇所14との間の第1流路3に設けられている。つまり、第3流路6Kの上流端は、第2弁11と昇圧器30との間の第1流路3に接続されている。なお、ここでは、第3流路6Kの下流端は、筐体5の上面に接続しているが、これに限定されない。第3流路6Kの下流端は、筐体5のいずれの箇所に接続していても構わない。
また、制御器50は、第1弁7および第2弁11が開放しているときに、昇圧器30を動作させる。
以下、本実施形態の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
図15Bは、第13実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
水素システム100の運転中、第1弁7は閉止され、第2弁11は開放されている。そして、水素システム100の運転中、水素製造器1で製造された水素は、昇圧器30で昇圧されて、水素貯蔵器2に供給される。第1流路3を通じて水素貯蔵器2に供給された高圧状態の水素は、水素貯蔵器2において一時的に貯蔵される。
ここで、ステップS1501において、第1弁7および第2弁11が開放される。また、ステップS1501において、第1弁7および第2弁11を開放しているときに、昇圧器30を動作させる(ON)。このとき、水素製造器1の動作を停止させる。
水素システム100の運転中、第1弁7を閉止、第2弁11を開放するとともに、昇圧器30を動作させているので、ステップS1501では、第1弁7の開閉状態を閉止から開放へ切り替え、第2弁11の開閉状態をそのまま維持するとともに、昇圧器30の動作状態をそのまま維持する。これにより、第3流路6Kを通じて、第1流路3から筐体5外に、水素製造器1内および水素貯蔵器2内の水素を排出させ得る。また、昇圧器30の昇圧動作により水素製造器1内の水素を第3流路6Kに送ることができる。
次に、ステップS1502において、第1弁7が閉止され、第2弁11が開放される。また、ステップS1502において、昇圧器30の動作が停止される(OFF)。ステップS1501で、第1弁7および第2弁11を開放するとともに、昇圧器30を動作させているので、ステップS1502では、第1弁7の開閉状態を開放から閉止へ切り替え、第2弁11の開閉状態をそのまま維持するとともに、昇圧器30の動作状態をオンからOFFにする。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
以上のとおり、本実施形態の水素システム100は、第1弁7および第2弁11を開放する際に、昇圧器30の昇圧動作により水素製造器1内の水素を、第3流路6Kを通じて筐体5外に適切に排出させることができる。よって、作業者が、例えば、水素製造器1のメンテナンス作業などを迅速かつ容易に行うことができる。
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態-第4実施形態、第4実施形態の第1実施例-第2実施例、第4実施形態の変形例、第5実施形態-第10実施形態、第10実施形態の変形例、第11実施形態、第11実施形態の第1変形例-第2変形例および第12実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
(変形例)
本変形例の水素システム100は、以下の制御器50の制御内容以外は、第13実施形態の水素システム100と同様である。
制御器50は、第1弁7が開放し、第2弁11が閉止しているときに、昇圧器30を動作させる。
以下、本実施形態の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
図15Cは、第13実施形態の変形例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
水素システム100の運転中、第1弁7は閉止され、第2弁11は開放されている。そして、水素システム100の運転中、水素製造器1で製造された水素は、昇圧器30で昇圧されて、水素貯蔵器2に供給される。第1流路3を通じて水素貯蔵器2に供給された高圧状態の水素は、水素貯蔵器2において一時的に貯蔵される。
ここで、ステップS1501Aにおいて、第1弁7が開放され、第2弁11が閉止される。また、ステップS1501Aにおいて、第1弁7を開放、第2弁11を閉止しているときに、昇圧器30を動作させる(ON)。このとき、水素製造器1の動作を停止させる。
水素システム100の運転中、第1弁7を閉止、第2弁11を開放するとともに、昇圧器30を動作させているので、ステップS1501Aでは、第1弁7の開閉状態を閉止から開放へ切り替え、第2弁11の開閉状態を開放から閉止に切り替えるとともに、昇圧器30の動作状態をそのまま維持する。これにより、第3流路6Kを通じて、第1流路3から筐体5外に、水素製造器1内の水素を排出させ得る。また、昇圧器30の昇圧動作により水素製造器1内の水素を第3流路6Kに送ることができる。
次に、ステップS1502Aにおいて、第1弁7が閉止され、第2弁11が開放される。また、ステップS1502Aにおいて、昇圧器30の動作が停止される(OFF)。
ステップS1501Aで、第1弁7を開放、第2弁11を閉止するとともに、昇圧器30を動作させているので、ステップS1502Aでは、第1弁7の開閉状態を開放から閉止へ切り替え、第2弁11の開閉状態を閉止から開放に切り替えるとともに、昇圧器30の動作状態をオンからオフにする。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
以上のとおり、本変形例の水素システム100は、水素製造器1のメンテナンスなどに伴い第1弁7を開放する際に、昇圧器30の昇圧動作により水素製造器1内の水素を、第3流路6Kを通じて筐体5外に適切に排出させることができる。また、第1弁7を開放する際に、水素貯蔵器2のメンテナンスが不要な場合、水素貯蔵器2内と筐体5外との間の連通を第2弁11で遮断することで、水素貯蔵器2内の水素を温存することができる。
本変形例の水素システム100は、上記特徴以外は、第13実施形態の水素システム100と同様であってもよい。
(第14実施形態)
図16Aは、第14実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図16Aに示す例では、水素システム100は、水素製造器1と、水素貯蔵器2と、第1流路3と、第2流路4と、筐体5と、第3流路6Lと、第1弁7と、第2弁11と、第3弁18と、昇圧器30と、制御器50と、を備える。
ここで、水素製造器1、水素貯蔵器2、第1流路3、第2流路4、筐体5、第1弁7は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。昇圧器30は、第8実施形態と同様であるので説明を省略する。第2弁11は、第4実施形態の第1実施例と同様であるので説明を省略する。第3弁18は、第9実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態の水素システム100では、第3流路6Lは、昇圧器30よりも下流の第1流路3より分岐している流路であり、第3弁18は、昇圧器30と第3流路6Lへの分岐箇所14との間の第1流路3に設けられている。つまり、昇圧器30は、水素製造器1と第3弁18との間の第1流路3に設けられている。
また、制御器50は、第1弁7、第2弁11および第3弁18が開放しているときに、昇圧器30を動作させる。
なお、ここでは、第3流路6Lの下流端は、筐体5の上面に接続しているが、これに限定されない。第3流路6Lの下流端は、筐体5のいずれの箇所に接続していても構わない。
以下、本実施形態の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
図16Bは、第14実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
水素システム100の運転中、第1弁7は閉止され、第2弁11および第3弁18は開放されている。そして、水素システム100の運転中、水素製造器1で製造された水素は、昇圧器30で昇圧されて、水素貯蔵器2に供給される。第1流路3を通じて水素貯蔵器2に供給された高圧状態の水素は、水素貯蔵器2において一時的に貯蔵される。
ここで、ステップS1601において、第1弁7、第2弁11および第3弁18が開放される。また、ステップS1601において、第1弁7、第2弁11および第3弁18を開放しているときに、昇圧器30を動作させる(ON)。このとき、水素製造器1の動作を停止させる。
水素システム100の運転中、第1弁7を閉止、第2弁11および第3弁18を開放するとともに、昇圧器30を動作させているので、ステップS1601では、第1弁7の開閉状態を閉止から開放へ切り替え、第2弁11および第3弁18の開閉状態をそのまま維持するとともに、昇圧器30の動作状態をそのまま維持する。これにより、第3流路6Lを通じて、第1流路3から筐体5外に、水素製造器1内および水素貯蔵器2内の水素を排出させ得る。また、昇圧器30の昇圧動作により水素製造器1内の水素を第3流路6Lに送ることができる。
次に、ステップS1602において、第1弁7が閉止され、第2弁11および第3弁18が開放される。また、ステップS1602において、昇圧器30の動作が停止される(OFF)。ステップS1601で、第1弁7、第2弁11および第3弁18を開放するとともに、昇圧器30を動作させているので、ステップS1602では、第1弁7の開閉状態を開放から閉止へ切り替え、第2弁11および第3弁18の開閉状態をそのまま維持するとともに、昇圧器30の動作状態をオンからオフにする。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
以上のとおり、本実施形態の水素システム100は、第1弁7、第2弁11および第3弁18を開放する際に、昇圧器30の昇圧動作により水素製造器1内の水素を、第3流路6Lを通じて筐体5外に適切に排出させることができる。よって、作業者が、例えば、水素製造器1のメンテナンス作業などを迅速かつ容易に行うことができる。
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態-第4実施形態、第4実施形態の第1実施例-第2実施例、第4実施形態の変形例、第5実施形態-第10実施形態、第10実施形態の変形例、第11実施形態、第11実施形態の第1変形例-第2変形例、第12実施形態、第13実施形態および第13実施形態の変形例のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
(第1変形例)
本変形例の水素システム100は、以下の制御器50の制御内容以外は、第14実施形態の水素システム100と同様である。
制御器50は、第1弁7および第2弁11が開放するとともに第3弁18が閉止しているときに、昇圧器30を動作させない。
以下、本実施形態の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
図16Cは、第14実施形態の第1変形例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
水素システム100の運転中、第1弁7は閉止され、第2弁11および第3弁18は開放されている。そして、水素システム100の運転中、水素製造器1で製造された水素は、昇圧器30で昇圧されて、水素貯蔵器2に供給される。第1流路3を通じて水素貯蔵器2に供給された高圧状態の水素は、水素貯蔵器2において一時的に貯蔵される。
ここで、ステップS1601Aにおいて、第1弁7および第2弁11が開放され、第3弁18が閉止される。また、ステップS1601Aにおいて、第1弁7および第2弁11を開放、第3弁18を閉止しているときに、昇圧器30の動作させない(OFF)。つまり、昇圧器30の動作を停止させる。このとき、水素製造器1の動作も停止させる。
水素システム100の運転中、第1弁7を閉止、第2弁11および第3弁18を開放するとともに、昇圧器30を動作させているので、ステップS1601Aでは、第1弁7の開閉状態を閉止から開放へ切り替え、第3弁18の開閉状態を開放から閉止に切り替え、第2弁11の開閉状態をそのまま維持するとともに、昇圧器30の動作状態をオンからオフにする。これにより、第3流路6Lを通じて、第1流路3から筐体5外に、水素貯蔵器2内の水素を排出させ得る。
次に、ステップS1602Aにおいて、第1弁7が閉止され、第2弁11および第3弁18が開放される。また、ステップS1602Aにおいて、昇圧器30を動作させない(OFF)。ステップS1601Aで、第1弁7および第2弁11を開放、第3弁18を閉止するとともに、昇圧器30の動作を停止しているので、ステップS1602Aでは、第1弁7の開閉状態を開放から閉止へ切り替え、第3弁18の開閉状態を閉止から開放に切り替え、第2弁11の開閉状態をそのまま維持するとともに、昇圧器30の動作状態をそのまま維持する。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
以上にとおり、本変形例の水素システム100は、例えば、水素貯蔵器2のメンテナンスなどに伴い第3弁18を閉止する際に、水素製造器1と第3弁18との間に設けられた昇圧器30を動作させないことにより、昇圧器30が破損する可能性を低減することができる。また、昇圧器30の動作に必要な電力を削減することができる。
本変形例の水素システム100は、上記特徴以外は、第14実施形態の水素システム100と同様であってもよい。
(第2変形例)
本変形例の水素システム100は、以下の制御器50の制御内容以外は、第14実施形態の水素システム100と同様である。
制御器50は、第1弁7および第3弁18が開放するとともに第2弁11が閉止しているときに、昇圧器30を動作させる。
以下、本実施形態の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
図16Dは、第14実施形態の第2変形例の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
水素システム100の運転中、第1弁7は閉止され、第2弁11および第3弁18は開放されている。そして、水素システム100の運転中、水素製造器1で製造された水素は、昇圧器30で昇圧されて、水素貯蔵器2に供給される。第1流路3を通じて水素貯蔵器2に供給された高圧状態の水素は、水素貯蔵器2において一時的に貯蔵される。
ここで、ステップS1601Bにおいて、第1弁7および第3弁18が開放され、第2弁11が閉止される。また、ステップS1601Bにおいて、第1弁7および第3弁18を開放、第2弁11を閉止しているときに、昇圧器30を動作させる(ON)。このとき、水素製造器1の動作を停止させる。
水素システム100の運転中、第1弁7を閉止、第2弁11および第3弁18を開放するとともに、昇圧器30を動作させているので、ステップS1601Bでは、第1弁7の開閉状態を閉止から開放へ切り替え、第2弁11の開閉状態を開放から閉止に切り替え、第3弁18の開閉状態をそのまま維持するとともに、昇圧器30の動作状態をそのまま維持する。これにより、第3流路6Lを通じて、第1流路3から筐体5外に、水素製造器1内の水素を排出させ得る。
次に、ステップS1602Bにおいて、第1弁7が閉止され、第2弁11および第3弁18が開放される。また、ステップS1602Bにおいて、昇圧器30の動作が停止される(OFF)。
ステップS1601Bで、第1弁7および第3弁18を開放、第2弁11を閉止するとともに、昇圧器30を動作させているので、ステップS1602Bでは、第1弁7の開閉状態を開放から閉止へ切り替え、第2弁11の開閉状態を閉止から開放に切り替え、第3弁18の開閉状態をそのまま維持するとともに、昇圧器30の動作状態をオンからオフにする。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
以上のとおり、本変形例の水素システム100は、例えば、水素製造器1のメンテナンスなどに伴い第1弁7および第3弁18を開放する際に、昇圧器30の昇圧動作により水素製造器1内の水素を、第3流路6Lを通じて筐体5外に適切に排出させることができる。また、第1弁7および第3弁18を開放する際に、水素貯蔵器2のメンテナンスなどが不要な場合、水素貯蔵器2内と筐体5外との間の連通を第2弁11で遮断することで、水素貯蔵器2内の水素を温存することができる。
本変形例の水素システム100は、上記特徴以外は、第14実施形態及びその第1変形例のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
(第15実施形態)
図17Aは、第15実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図17Aに示す例では、水素システム100は、水素製造器1と、水素貯蔵器2と、第1流路3と、第2流路4と、筐体5と、第3流路6Gと、第1弁7と、第2弁11と、受信器20と、制御器50と、を備える。
ここで、水素製造器1、水素貯蔵器2、第1流路3、第2流路4、筐体5および第1弁7は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。第2弁11は、第4実施形態の第1実施例と同様であるので説明を省略する。第3流路6Gは、第10実施形態と同様であるので説明を省略する。
受信器20は、外部からの入力を受信する装置である。
そして、制御器50は、受信器20で受信した入力に基づいて、第1弁7および第2弁11を開放する第1のモード、および、第2弁11を閉止し、第1弁7を開放する第2のモードのいずれかを実行する。
ここで、受信器20は、外部入力を受信することができれば、どのような構成であってもよい。
例えば、受信器20として、タッチパネルなどの操作器を挙げることができる。この場合、操作器の画面上には、第1のモードおよび第2のモードのそれぞれを実行するための入力部がそれぞれ設けられ、作業者が画面上の入力部のうちのいずれかをタッチすることで、操作器において、第1のモードおよび第2のモードのいずれかを実行するための外部入力が受信される。
また、例えば、受信器20として、無線の通信機器を挙げることもできる。この場合、作業者が、情報携帯端末(例えば、スマートフォン)を操作することで、通信機器において、第1のモードおよび第2のモードのいずれかを実行するための外部入力が、無線通信により受信される。
以下、本実施形態の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
図17Bは、第15実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
水素システム100の運転中、第1弁7は閉止され、第2弁11は開放されている。そして、水素システム100の運転中、水素製造器1で製造された水素は、第1流路3を通じて水素貯蔵器2に供給され、水素貯蔵器2において一時的に貯蔵される。
ここで、水素システム100のメンテナンスが行われるとき、図17Bに示すように、ステップS1701で、受信器20が、第1のモードを実行するための外部入力を受信したか否かが判定される。
受信器20が、第1のモードを実行するための外部入力を受信した場合(ステップS1701で「Yes」の場合)、ステップS1702で、第1弁7を開放するとともに、第2弁11の開閉状態は、開放のまま維持される。すると、第1のモードの実行により、水素製造器1内および水素貯蔵器2内が筐体5外(例えば、大気中)に連通する。これにより、水素製造器1内および水素貯蔵器2内の水素を、第3流路6Gを通じて筐体5外に排出可能になる。
次に、ステップS1703で、受信器20がメンテナンスを終了するための外部入力を受信したか否かが判定される。
受信器20が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信しない場合(ステップS1703で「No」の場合)、そのままの状態が維持される。
受信器20が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信した場合(ステップS1703で「Yes」の場合)、ステップS1704で、第1弁7を閉止するとともに、第2弁11の開閉状態は、開放のまま維持される。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
ステップS1701で、受信器20が、第1のモードを実行するための外部入力を受信しない場合(ステップS1701で「No」の場合)、ステップS1705に進み、ステップS1705で、受信器20が、第2のモードを実行するための外部入力を受信したか否かが判定される。
受信器20が、第2のモードを実行するための外部入力を受信しない場合(ステップS1705で「No」の場合)、ステップS1701に戻り、適時に、ステップS1701の判定動作が行われる。
受信器20が、第2のモードを実行するための外部入力を受信した場合(ステップS1705で「Yes」の場合)、ステップS1706で、第1弁7を開放するとともに、第2弁11を閉止する。すると、第2のモードの実行により、水素貯蔵器2内と筐体5外との間の連通が第2弁11で遮断するとともに、水素製造器1内が筐体5外に連通する。これにより、水素製造器1内の水素を、第3流路6Gを通じて筐体5外に排出可能になる。
次に、ステップS1707で、受信器20がメンテナンスを終了するための外部入力を受信したか否かが判定される。
受信器20が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信しない場合(ステップS1707で「No」の場合)、そのままの状態が維持される。
受信器20が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信した場合(ステップS1707で「Yes」の場合)、ステップS1708で、第2弁11を開放するとともに、第1弁7を閉止する。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
以上のとおり、本実施形態の水素システム100は、メンテナンスに伴う水素排出を従来よりも適切に行い得る。
例えば、本実施形態の水素システム100は、水素システム100の水素製造器1のメンテナンスを行うとき、制御器50が、受信器20で受信した入力に基づいて、第1弁7を開放し、第2弁11を閉止する第2のモードを実行する。すると、水素貯蔵器2内と筐体5外との間の連通を第2弁11で遮断するので、水素貯蔵器2内の水素が第3流路6Gを通じて筐体5外に排出されない。
よって、本実施形態の水素システム100は、水素システム100の水素製造器1のメンテナンスを行うとき、水素貯蔵器2のメンテナンスが不要な場合、水素貯蔵器2内の水素を温存することができる。
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態-第4実施形態、第4実施形態の第1実施例-第2実施例、第4実施形態の変形例、第5実施形態-第10実施形態、第10実施形態の変形例、第11実施形態、第11実施形態の第1変形例-第2変形例、第12実施形態、第13実施形態、第13実施形態の変形例、第14実施形態および第14実施形態の第1変形例-第2変形例のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
(第16実施形態)
図18Aは、第16実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図18Aに示す例では、水素システム100は、水素製造器1と、水素貯蔵器2と、第1流路3と、第2流路4と、筐体5と、第3流路6Kと、第1弁7と、第2弁11と、昇圧器30と、受信器20と、制御器50と、を備える。
ここで、水素製造器1、水素貯蔵器2、第1流路3、第2流路4、筐体5および第1弁7は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。第2弁11は、第4実施形態の第1実施例と同様であるので説明を省略する。第3流路6Kは、第13実施形態と同様であるので説明を省略する。昇圧器30は、第8実施形態と同様であるので説明を省略する。受信器20は、第15実施形態と同様であるので説明を省略する。
制御器50は、第1弁7および第2弁11を開放する第1のモード、および、第2弁11を閉止し、第1弁7を開放する第2のモードにおいて、昇圧器30を動作させる。
以下、本実施形態の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
図18Bは、第16実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
ここで、図18BのステップS1801、ステップS1803、ステップS1805およびステップS1807は、図17BのステップS1701、ステップS1703、ステップS1705およびステップS1707と同様であるので詳細な説明を省略する。
水素システム100の運転中、第1弁7は閉止され、第2弁11は開放されている。そして、水素システム100の運転中、水素製造器1で製造された水素は、昇圧器30で昇圧されて、水素貯蔵器2に供給される。第1流路3を通じて水素貯蔵器2に供給された高圧状態の水素は、水素貯蔵器2において一時的に貯蔵される。
水素システム100のメンテナンスが行われるとき、受信器20が、第1のモードを実行するための外部入力を受信した場合(ステップS1801で「Yes」の場合)、ステップS1802で、第1弁7を開放するとともに、第2弁11の開閉状態は、開放のまま維持され、昇圧器30を動作させる(ON)。すると、第1のモードの実行により、水素製造器1内および水素貯蔵器2内が筐体5外(例えば、大気中)に連通する。これにより、水素製造器1内および水素貯蔵器2内の水素を、第3流路6Kを通じて筐体5外に排出可能になる。また、第1のモードにおいて、昇圧器30の昇圧動作により水素製造器1内の水素を第3流路6Kに流通させることができる。
そして、受信器20が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信した場合(ステップS1803で「Yes」の場合)、ステップS1804で、第1弁7を閉止するとともに、第2弁11の開閉状態は、開放のまま維持される。また、昇圧器30の動作を停止させる(OFF)。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
また、受信器20が、第2のモードを実行するための外部入力を受信した場合(ステップS1805で「Yes」の場合)、ステップS1806で、第1弁7を開放するとともに、第2弁11を閉止する。また、昇圧器30を動作させる(ON)。すると、第2のモードの実行により、水素貯蔵器2内と筐体5外との間の連通が第2弁11で遮断するとともに、水素製造器1内が筐体5外に連通する。これにより、水素製造器1内の水素を、第3流路6Kを通じて筐体5外に排出可能になる。また、第2のモードにおいて、昇圧器30の昇圧動作により水素製造器1内の水素を第3流路6Kに流通させることができる。
そして、受信器20が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信した場合(ステップS1807で「Yes」の場合)、ステップS1808で、第1弁7を閉止するとともに、第2弁11を開放する。また、昇圧器30の動作を停止させる(OFF)。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
以上のとおり、本実施形態の水素システム100は、第1のモードおよび第2のモードにおいて、昇圧器30の昇圧動作により水素製造器1内の水素を、第3流路6Kを通じて筐体5外に適切に排出させることができる。
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態-第4実施形態、第4実施形態の第1実施例-第2実施例、第4実施形態の変形例、第5実施形態-第10実施形態、第10実施形態の変形例、第11実施形態、第11実施形態の第1変形例-第2変形例、第12実施形態、第13実施形態、第13実施形態の変形例、第14実施形態、第14実施形態の第1変形例-第2変形例および第15実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
(第17実施形態)
図19Aは、第17実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図19Aに示す例では、水素システム100は、水素製造器1と、水素貯蔵器2と、第1流路3と、第2流路4と、筐体5と、第3流路6Hと、第1弁7と、第2弁11と、第3弁18と、受信器20と、制御器50と、を備える。
ここで、水素製造器1、水素貯蔵器2、第1流路3、第2流路4、筐体5および第1弁7は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。第2弁11は、第4実施形態の第1実施例と同様であるので説明を省略する。第3弁18は、第9実施形態と同様であるので説明を省略する。第3流路6Hは、第11実施形態と同様であるので説明を省略する。受信器20は、第15実施形態と同様であるので説明を省略する。
制御器50は、受信器20で受信した入力に基づいて、第1弁7、第2弁11および第3弁18を開放する第1のモード、第2弁11を閉止し、第1弁7および第3弁18を開放する第2のモード、および、第3弁18を閉止し、第1弁7および第2弁11を開放する第3のモードのいずれかを実行する。
以下、本実施形態の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
図19Bは、第17実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
ここで、図19BのステップS1901、ステップS1903およびステップS1907は、図17BのステップS1701、ステップS1703およびステップS1707と同様であるので詳細な説明を省略する。
水素システム100の運転中、第1弁7は閉止され、第2弁11および第3弁18は開放されている。そして、水素システム100の運転中、水素製造器1で製造された水素は、第1流路3を通じて水素貯蔵器2に供給され、水素貯蔵器2において一時的に貯蔵される。
水素システム100のメンテナンスが行われるとき、受信器20が、第1のモードを実行するための外部入力を受信した場合(ステップS1901で「Yes」の場合)、ステップS1902で、第1弁7を開放するとともに、第2弁11および第3弁18の開閉状態は、開放のまま維持される。すると、第1のモードの実行により、水素製造器1内および水素貯蔵器2内が筐体5外(例えば、大気中)に連通する。これにより、水素製造器1内および水素貯蔵器2内の水素を、第3流路6Hを通じて筐体5外に排出可能になる。
そして、受信器20が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信した場合(ステップS1903で「Yes」の場合)、ステップS1904で、第1弁7を閉止するとともに、第2弁11および第3弁18の開閉状態は、開放のまま維持される。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
ステップS1901で、受信器20が、第1のモードを実行するための外部入力を受信しない場合(ステップS1901で「No」の場合)、ステップS1905に進み、ステップS1905で、受信器20が、第2のモードを実行するための外部入力を受信したか否かが判定される。
受信器20が、第2のモードを実行するための外部入力を受信した場合(ステップS1905で「Yes」の場合)、ステップS1906で、第1弁7を開放するとともに、第3弁18の開閉状態は、開放のまま維持され、第2弁11を閉止する。すると、第2のモードの実行により、水素貯蔵器2内と筐体5外との間の連通が第2弁11で遮断するとともに、水素製造器1内が筐体5外に連通する。これにより、水素製造器1内の水素を、第3流路6Hを通じて筐体5外に排出可能になる。
そして、受信器20が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信した場合(ステップS1907で「Yes」の場合)、ステップS1908で、第1弁7を閉止し、第2弁11を開放するとともに、第3弁18の開閉状態は、開放のまま維持される。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
ステップS1905で、受信器20が、第2のモードを実行するための外部入力を受信しない場合(ステップS1905で「No」の場合)、ステップS1909に進み、ステップS1909で、受信器20が、第3のモードを実行するための外部入力を受信したか否かが判定される。
受信器20が、第3のモードを実行するための外部入力を受信しない場合(ステップS1909で「No」の場合)、ステップS1901に戻り、適時に、ステップS1901の判定動作が行われる。
受信器20が、第3のモードを実行するための外部入力を受信した場合(ステップS1909で「Yes」の場合)、ステップS1910で、第3弁18を閉止するとともに、第2弁11の開閉状態は、開放のまま維持され、第1弁7を開放する。すると、第3のモードの実行により、水素製造器1内と筐体5外との間の連通が第3弁18で遮断するとともに、水素貯蔵器2内が筐体5外に連通する。これにより、水素貯蔵器2内の水素を、第3流路6Hを通じて筐体5外に排出可能になる。
次に、ステップS1911で、受信器20がメンテナンスを終了するための外部入力を受信したか否かが判定される。
受信器20が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信しない場合(ステップS1911で「No」の場合)、そのままの状態が維持される。
受信器20が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信した場合(ステップS1911で「Yes」の場合)、ステップS1912で、第1弁7を閉止し、第3弁18を開放するとともに、第2弁11の開放状態は、開放のまま維持される。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
以上のとおり、本実施形態の水素システム100は、作業者が、水素製造器1および水素貯蔵器2のいずれか一方、または、両方のメンテナンスを行うとき、第1のモード、第2のモードおよび第3のモードのいずれかを実行することで水素製造器1および/または水素貯蔵器2を筐体5外へ水素排出可能な状態にすることができる。よって、作業者が、水素製造器1および/または水素貯蔵器2のメンテナンスを支障なく行うことができる。
具体的には、水素製造器1および水素貯蔵器2の両方のメンテナンスを行うときは、第1のモードの実行により、水素製造器1内および水素貯蔵器2内が筐体5外に連通する。これにより、水素製造器1内および水素貯蔵器2内の水素が第3流路6Hを通じて筐体5外に排出可能になる。
また、水素製造器1のメンテナンスを行うときは、第2のモードの実行により、水素貯蔵器2内と筐体5外との間の連通が第2弁11で遮断するとともに、水素製造器1内が筐体5外に連通する。これにより、水素製造器1内の水素が第3流路6Hを通じて筐体5外に排出可能になる。
また、水素貯蔵器2のメンテナンスを行うときは、第3のモードの実行により、水素製造器1内と筐体5外との間の連通が第3弁18で遮断するとともに、水素貯蔵器2内が筐体5外に連通する。これにより、水素貯蔵器2内の水素が第3流路6Hを通じて筐体外に排出可能になる。
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態-第4実施形態、第4実施形態の第1実施例-第2実施例、第4実施形態の変形例、第5実施形態-第10実施形態、第10実施形態の変形例、第11実施形態、第11実施形態の第1変形例-第2変形例、第12実施形態、第13実施形態、第13実施形態の変形例、第14実施形態、第14実施形態の第1変形例-第2変形例、第15実施形態および第16実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
(第18実施形態)
図20Aは、第18実施形態の水素システムの一例を示す図である。
図20Aに示す例では、水素システム100は、水素製造器1と、水素貯蔵器2と、第1流路3と、第2流路4と、筐体5と、第3流路6Lと、第1弁7と、第2弁11と、第3弁18と、受信器20と、昇圧器30と、制御器50と、を備える。
ここで、水素製造器1、水素貯蔵器2、第1流路3、第2流路4、筐体5および第1弁7は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。第2弁11は、第4実施形態の第1実施例と同様であるので説明を省略する。第3弁18は、第9実施形態と同様であるので説明を省略する。第3流路6Lは、第14実施形態と同様であるので説明を省略する。昇圧器30は、第8実施形態と同様であるので説明を省略する。受信器20は、第15実施形態と同様であるので説明を省略する。
制御器50は、第1弁7、第2弁11および第3弁18を開放する第1のモード、および、第2弁11を閉止し、第1弁7および第3弁18を開放する第2のモードにおいて、昇圧器30を動作させ、第3弁18を閉止し、第1弁7および第2弁11を開放する第3のモードにおいて、昇圧器30を動作させない。
以下、本実施形態の水素システム100の動作の一例について詳細に説明する。
図20Bは、第18実施形態の水素システムの動作の一例を示すフローチャートである。
以下の動作は、制御器50の演算回路が、制御器50の記憶回路から制御プログラムを読み出すことにより行われてもよい。ただし、以下の動作を制御器50で行うことは、必ずしも必須ではない。操作者が、その一部の動作を行ってもよい。
ここで、図20BのステップS2001、ステップS2003、ステップS2005、ステップS2007、ステップS2009およびステップS2011は、図19BのステップS1901、ステップS1903、ステップS1905、ステップS1907、ステップS1909およびステップS1911と同様であるので詳細な説明を省略する。
水素システム100の運転中、第1弁7は閉止され、第2弁11および第3弁18は開放されている。そして、水素システム100の運転中、水素製造器1で製造された水素は、昇圧器30で昇圧されて、水素貯蔵器2に供給される。第1流路3を通じて水素貯蔵器2に供給された高圧状態の水素は、水素貯蔵器2において一時的に貯蔵される。
水素システム100のメンテナンスが行われるとき、受信器20が、第1のモードを実行するための外部入力を受信した場合(ステップS2001で「Yes」の場合)、ステップS2002で、第1弁7を開放するとともに、第2弁11および第3弁18の開閉状態は、開放に維持され、昇圧器30を動作させる(ON)。すると、第1のモードの実行により、水素製造器1内および水素貯蔵器2内が筐体5外(例えば、大気中)に連通する。これにより、水素製造器1内および水素貯蔵器2内の水素を、第3流路6Lを通じて筐体5外に排出可能になる。また、第1のモードにおいて、昇圧器30の昇圧動作により水素製造器1内の水素を第3流路6Lに流通させることができる。
そして、受信器20が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信した場合(ステップS2003で「Yes」の場合)、ステップS2004で、第1弁7を閉止するとともに、第2弁11および第3弁18の開閉状態は、開放のまま維持される。また、昇圧器30の動作を停止させる(OFF)。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
また、受信器20が、第2のモードを実行するための外部入力を受信した場合(ステップS2005で「Yes」の場合)、ステップS2006で、第2弁11を閉止するとともに、第3弁18の開閉状態は、開放のまま維持され、第1弁7を開放する。また、昇圧器30を動作させる(ON)。すると、第2のモードの実行により、水素貯蔵器2内と筐体5外との間の連通が第2弁11で遮断するとともに、水素製造器1内が筐体5外に連通する。これにより、水素製造器1内の水素を、第3流路6Lを通じて筐体5外に排出可能になる。また、第2のモードにおいて、昇圧器30の昇圧動作により水素製造器1内の水素を第3流路6Lに流通させることができる。
そして、受信器20が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信した場合(ステップS2007で「Yes」の場合)、ステップS2008で、第1弁7を閉止し、第2弁11を開放するとともに、第3弁18の開閉状態は、開放のまま維持される。また、昇圧器30の動作を停止させる(OFF)。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
また、受信器20が、第3のモードを実行するための外部入力を受信した場合(ステップS2009で「Yes」の場合)、ステップS2010で、第3弁18を閉止するとともに、第2弁11の開閉状態は、開放のまま維持され、第1弁7を開放する。また、第1弁7および第2弁11を開放、第3弁18を閉止しているときに、昇圧器30の動作させない(OFF)。つまり、昇圧器30の動作を停止させる。すると、第3のモードの実行により、水素製造器1内と筐体5外との間の連通が第3弁18で遮断するとともに、水素貯蔵器2内が筐体5外に連通する。これにより、水素貯蔵器2内の水素を、第3流路6Hを通じて筐体5外に排出可能になる。
そして、受信器20が、メンテナンスを終了するための外部入力を受信した場合(ステップS2011で「Yes」の場合)、ステップS2012で、第1弁7を閉止し、第3弁18を開放するとともに、第2弁11の開放状態は、開放のまま維持される。また、昇圧器30の動作状態はオフのまま維持される。その後、適時に、水素システム100の運転が再開されてもよい。
以上のとおり、本実施形態の水素システム100は、第1のモードおよび第2のモードにおいて、昇圧器30の昇圧動作により水素製造器1内の水素を、第3流路6Lを通じて筐体5外に排出させることができる。
また、水素貯蔵器2には、水素が高圧状態で貯蔵される場合が多い。この場合、第3のモードにおいて、第3弁18を閉止した状態で、第1弁7および第2弁11を開放すると、水素貯蔵器2のガス圧により、水素貯蔵器2内の水素を、第3流路6Lを通じて筐体5外に排出することができる。よって、本実施形態の水素システム100は、第3のモードにおいて、昇圧器30を動作させないことにより、昇圧器30の動作に必要な電力を低減することができる。また、第3のモードにおいて、第3弁18を閉止する際に、水素製造器1と第3弁18との間に設けられた昇圧器30を動作させないことにより、昇圧器30が破損する可能性を低減することができる。
本実施形態の水素システム100は、上記特徴以外は、第1実施形態-第4実施形態、第4実施形態の第1実施例-第2実施例、第4実施形態の変形例、第5実施形態-第10実施形態、第10実施形態の変形例、第11実施形態、第11実施形態の第1変形例-第2変形例、第12実施形態、第13実施形態、第13実施形態の変形例、第14実施形態、第14実施形態の第1変形例-第2変形例および第15実施形態-第17実施形態のいずれかの水素システム100と同様であってもよい。
なお、第1実施形態-第4実施形態、第4実施形態の第1実施例-第2実施例、第4実施形態の変形例、第5実施形態-第10実施形態、第10実施形態の変形例、第11実施形態、第11実施形態の第1変形例-第2変形例、第12実施形態、第13実施形態、第13実施形態の変形例、第14実施形態、第14実施形態の第1変形例-第2変形例および第15実施形態-第18実施形態は、互いに相手を排除しない限り、互いに組み合わせても構わない。
上記説明から、当業者にとっては、本開示の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本開示を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本開示の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。