JP7178183B2 - セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材、これを用いたペレット及び成形体、並びにこれらの製造方法 - Google Patents
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Description
分離処理の方法は、パルパーと呼ばれる装置内でラミネート加工紙を長時間水中で撹拌することにより、ラミネート加工紙から紙部分を剥ぎ取る方法が一般的であり、こうして分離された紙部分は、再生紙の原料とされている。他方、紙部分がラミネート加工紙から、一部剥ぎ取られたポリエチレン薄膜片(このポリエチレン薄膜は、アルミニウム薄膜の貼りついたポリエチレン薄膜に除去しきれなかった紙成分(セルロース繊維)が不均一に付着してなる薄膜片と、アルミニウム薄膜の貼りついていないポリエチレン薄膜に除去しきれなかった紙成分が不均一に付着してなる薄膜片とを含む混合物(この混合物を「セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片」と称す。)である。)については、その再利用において次のような問題がある。
上記セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片は、その表面に多数の紙成分(セルロース繊維からなる紙片)が不均一に付着した状態でしかも大きさや形状がまちまちであり、さらに、付着しているセルロース繊維は、上記パルパーによる紙の分離処理により多量に吸水している。このように水分を多量に含んだ状態のセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を再利用しようとすれば、十分な乾燥処理が必要となり、多くのエネルギーを消費してしまう。また、原料の大きさや形状のばらつきが大きく、さらにアルミニウムを含むことなどから、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を一体として再利用すること自体が容易ではない。それゆえ、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片は通常、そのまま埋め立てられて廃棄処分されたり、燃料として再利用されたりしているのが実情である。
特開2000-62746号公報(特許文献1)には、ラミネート加工紙からなる使用済み飲料容器を再利用して包装用トレイを製造するモウルド成形技術が開示されており、パルパーによってラミネート加工紙から分離されたセルロース繊維付着ポリエチレン薄膜片を、乾燥・粉砕した後に一次成形機によって板状に成形し、さらに加熱成形機を用いて、卵包装用トレイなどの所定の形状に二次成形としてモウルド成形する技術が記載されている。
この特許文献3の技術は、PPC用紙とPET材とを亜臨界状態の水の存在下で混練することで、PPC用紙のセルロース繊維と溶融したPET材とを、比較的に均一に混ざり易くするものである。
特許文献3記載の発明は、単にPPC古紙とPET樹脂等の容器リサイクル樹脂を別々に準備して混合処理してリサイクルするものであり、紙製飲料容器をパルパー処理して紙成分を取り除いて得られる、水を多量に含み、大きさも形状もまちまちで、樹脂にセルロースが不均一に付着した状態の薄膜片をリサイクルするものではない。
特許文献3記載の技術においては、PPC用紙を構成する多数のセルロース繊維が複雑に絡み合っており、これを十分に解繊してバラバラの状態にすることは難しいため、PPC用紙を細かく裁断したものを用いている。
また、PPC用紙は、裁断面からの吸水が優位であるため、裁断面の表面積を増加させるためにPPC用紙を細かく裁断して含水、脱水処理を行なわないと、亜臨界もしくは超臨界処理によるセルロース繊維の解繊が十分に進行しない。この裁断を十分に行わない場合、製造した射出成形用樹脂の中に、解繊されていない紙片(セルロース繊維の集塊)が少なからず残存し、これが射出成形用樹脂の強度低下、吸水特性低下の原因になりうる問題がある。
また物性の異なる熱可塑性樹脂と繊維状セルロースを別々に投入して混ぜ合わせた場合、熱可塑性樹脂中に繊維状セルロースが十分均一な状態で分散し、一体化した樹脂組成物とすることは難しい。すなわち、繊維状セルロースの凝集体が生じやすく、樹脂成形体の強度低下を招く恐れがある。そのため、特許文献4には、アスペクト比が5~500の繊維状のセルロースを用いることが記載されている。
また本発明は、紙、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料パックないし食品パックから得られるセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、簡単な処理工程で一体的に処理し、樹脂製品の原料として有用な、所定のセルロース有効質量比に対して所定の吸水率を有するセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を製造する方法を提供することを課題とする。
また本発明は、紙、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料パックないし食品パックから得られるセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、シンプルな処理工程で一体的に処理し、樹脂製品の原料として有用なセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材へとリサイクルする方法を提供することを課題とする。
すなわち、上述したように従来は、樹脂原料としての再利用の実用化には高いハードルがあった上記セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、水の存在下で溶融混練することにより、セルロース繊維とアルミニウムとポリエチレン樹脂とが一体化され、吸水率の増大を抑制でき、樹脂製品の原料として有用な複合材が得られることを見い出した。
本発明はこれらの知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至ったものである。
〔1〕
ポリエチレン樹脂中にセルロース繊維とアルミニウムとを分散してなり、前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部中、前記セルロース繊維の割合が1質量部以上70質量部以下であり、前記セルロース繊維の長さ加重平均繊維長が300μm以上2000μm以下であり、吸水率が次式を満たす、セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
[式] (吸水率[%])<(セルロース有効質量比[%])2×0.01
〔2〕
前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部中、前記セルロース繊維の割合が5質量部以上50質量部未満である、〔1〕に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔3〕
前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部中、前記セルロース繊維の割合が25質量部以上50質量部未満である、〔1〕に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔4〕
前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部中、前記セルロース繊維の割合が25質量部以上50質量部未満であり、前記複合材を成形したときの成形体の引張強度が20MPa以上である、〔1〕に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔5〕
前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部中、前記セルロース繊維の割合が25質量部以上50質量部未満であり、前記複合材を成形したときの成形体の引張強度が25MPa以上である、〔1〕に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔6〕
前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部中、前記セルロース繊維の割合が1質量部以上15質量部未満であり、前記複合材を成形したときの成形体の曲げ強度が8~20MPaである、〔1〕に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔7〕
前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部中、前記セルロース繊維の割合が15質量部以上50質量部未満であり、前記複合材を成形したときの成形体の曲げ強度が15~40MPaである、〔1〕に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔8〕
前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部に対し、前記アルミニウムの含有量が1質量部以上40質量部以下である、〔1〕~〔7〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔9〕
前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部に対し、前記アルミニウムの含有量が5質量部以上30質量部以下である、〔1〕~〔8〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔10〕
前記ポリエチレン樹脂が、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で得られる分子量パターンにおいて1.7>半値幅(Log(MH/ML))>1.0の関係を満たす、〔1〕~〔9〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔11〕
繊維長1mm以上のセルロース繊維を含有する、〔1〕~〔10〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔12〕
X-Y最大長が0.005mm以上のアルミニウムの数に占めるX-Y最大長が1mm以上のアルミニウムの数の割合が1%未満である、〔1〕~〔11〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔13〕
前記ポリエチレン樹脂の50質量%以上が低密度ポリエチレンである、〔1〕~〔12〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔14〕
前記ポリエチレン樹脂の80質量%以上が低密度ポリエチレンである、〔1〕~〔13〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔15〕
前記複合材がポリプロピレンを含有し、前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部に対し、前記ポリプロピレンの含有量が20質量部以下である、〔1〕~〔14〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔16〕
前記複合材の、138℃の熱キシレン溶解質量比をGa(%)、105℃の熱キシレンへ溶解質量比をGb(%)、セルロース有効質量比をGc(%)としたとき、下記式を満たす、〔1〕~〔15〕いずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
{(Ga-Gb)/(Gb+Gc)}×100≦20
ここで、
Ga={(W0-Wa)/W0}×100
Gb={(W0-Wb)/W0}×100
W0:熱キシレンに浸漬する前の複合材の質量
Wa:138℃の熱キシレンに浸漬後、キシレンを乾燥除去した後の複合材の質量
Wb:105℃の熱キシレンに浸漬後、キシレンを乾燥除去した後の複合材の質量
Gc={Wc/W00}×100
Wc:窒素雰囲気中で270℃~390℃に昇温する間の、乾燥複合材の質量減少量
W00:昇温前(23℃)の乾燥複合材の質量
である。
〔17〕
前記複合材がポリエチレンテレフタレート及び/又はナイロンを含有し、前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部に対し、前記ポリエチレンテレフタレート及び/又はナイロンの総含有量が10質量部以下である、〔1〕~〔16〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔18〕
前記ポリエチレン樹脂及び/又は前記ポリプロピレンの少なくとも一部が再生材に由来する、〔15〕に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔19〕
前記複合材が、原料として少なくとも
(a)紙、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙、及び/又は
(b)前記ポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料・食品パック
を用いて得られる、〔1〕~〔18〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔20〕
前記複合材が、原料として少なくともセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を用いて得られる、〔1〕~〔19〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔21〕
前記セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片が、
(a)紙、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙、及び/又は
(b)前記ポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料・食品パック
から紙部分を剥ぎ取り除去して得られたものである、〔20〕に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔22〕
前記複合材が無機質材を含有し、前記ポリエチレン樹脂100質量部に対し、前記無機質材の含有量が1質量部以上100質量部以下である、〔1〕~〔21〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔23〕
温度230℃、荷重5kgfにおけるメルトフローレート(MFR)が、0.05~50.0g/10minである、〔1〕~〔22〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔24〕
前記複合材が、23℃の水に20日間浸漬した後の吸水率が0.1~10%であり、かつ耐衝撃性が、23℃の水に20日間浸漬する前よりも浸漬した後の方が高い、〔1〕~〔23〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔25〕
線膨張係数が1×10-4以下である、〔1〕~〔24〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔26〕
前記線膨張係数が8×10-5以下である、〔25〕に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔27〕
含水率が1質量%未満である、〔1〕~〔26〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
〔28〕
〔1〕~〔27〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材からなるペレット。
〔29〕
〔1〕~〔27〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を用いた成形体。
〔30〕
ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量100質量部中、前記セルロース繊維の割合が1質量部以上70質量部以下であり、前記セルロース繊維の長さ加重平均繊維長が300μm以上2000μm以下であり、吸水率が次式を満たす、セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法であって、
[式] (吸水率[%])<(セルロース有効質量比[%])2×0.01
ポリエチレン樹脂とセルロース繊維、アルミニウムを水の存在下で溶融混錬し、ポリエチレン樹脂中にセルロース繊維とアルミニウムとを分散してなるセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を得ることを含む、セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
〔31〕
ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量100質量部中、前記セルロース繊維の割合が1質量部以上70質量部以下であり、前記セルロース繊維の長さ加重平均繊維長が300μm以上2000μm以下であり、吸水率が次式を満たす、セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法であって、
[式] (吸水率[%])<(セルロース有効質量比[%])2×0.01
少なくともセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、水の存在下で溶融混練し、ポリエチレン樹脂中にセルロース繊維とアルミニウムとを分散してなるセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を得ることを含み、
前記セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片が、
(a)紙、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙、及び/又は
(b)前記ポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料・食品パック
から得られるものである、セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
〔32〕
ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量100質量部中、前記セルロース繊維の割合が1質量部以上70質量部以下であり、前記セルロース繊維の長さ加重平均繊維長が300μm以上2000μm以下であり、吸水率が次式を満たす、セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法であって、
[式] (吸水率[%])<(セルロース有効質量比[%])2×0.01
紙、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙及び/又は前記ポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料・食品パックを、水中で撹拌することにより前記紙の一部が取り除かれたセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得、該セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片と水とを、ポリエチレンが溶融しセルロース繊維が変質しない温度で溶融混練し、ポリエチレン樹脂中にセルロース繊維とアルミニウムとを分散してなるセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を得ることを含む、セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
〔33〕
前記溶融混練がバッチ式混練装置を用いて行われ、前記セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片と、水とを該バッチ式混練装置に投入して、該装置の回転軸に突設された撹拌羽根を回転させて撹拌し、この撹拌により装置内の温度を高めて溶融混練を行う、〔30〕~〔32〕のいずれかに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
〔34〕
前記溶融混練を、前記撹拌羽根の先端の周速を20~50m/秒として行う、〔33〕に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
〔35〕
前記複合材が、前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部中の前記セルロース繊維の割合が1質量部以上70質量部以下であり、前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部に対して前記アルミニウムの含有量が1質量部以上40質量部以下である、〔30〕~〔34〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
〔36〕
水を含んだ状態の前記薄膜片を減容処理し、この減容処理物を溶融混練することにより、ポリエチレン樹脂中にセルロース繊維とアルミニウムとを分散してなるセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を得る、〔30〕~〔35〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
〔37〕
水を含んだ状態の前記薄膜片を粉砕し、この粉砕物を溶融混練することにより、ポリエチレン樹脂中にセルロース繊維とアルミニウムとを分散してなるセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を得る、〔30〕~〔36〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
〔38〕
前記溶融混練を、前記薄膜片100質量部に対して水を5質量部以上150質量部未満として行う、〔30〕~〔37〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
〔39〕
前記溶融混練を、セルロース材を混合して行う、〔30〕~〔38〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
〔40〕
前記セルロース材として、ペーパースラッジを用いる、〔39〕に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
〔41〕
前記セルロース材として、吸水した状態のセルロース材を用いる、〔39〕又は〔40〕に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
〔42〕
前記溶融混練を、低密度ポリエチレン及び/又は高密度ポリエチレンを混合して行う、〔30〕~〔41〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
〔43〕
前記複合材を構成するポリエチレン樹脂の50質量%以上が低密度ポリエチレンである、〔30〕~〔42〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
〔44〕
前記複合材を構成するポリエチレン樹脂の80質量%以上が低密度ポリエチレンである、〔30〕~〔43〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
〔45〕
前記複合材中、前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部に対するポリプロピレンの含有量が20質量部以下である、〔30〕~〔44〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
〔46〕
前記複合材中、前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部に対するポリエチレンテレフタレート及び/又はナイロンの総含有量が10質量部以下である、〔30〕~〔45〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
〔47〕
前記複合材中、X-Y最大長が0.005mm以上のアルミニウムの数に占めるX-Y最大長が1mm以上のアルミニウムの数が1%未満である、〔30〕~〔46〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
〔48〕
〔30〕~〔47〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法を実施することを含む、紙、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料パック及び/又は食品パックのリサイクル方法。
〔49〕
〔1〕~〔27〕のいずれか1つに記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材又は〔28〕に記載のペレットと、少なくとも高密度ポリエチレン及び/又はポリプロピレンとを混合し、該混合物を成形して成形体を得ることを含む、成形体の製造方法。
本発明のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法によれば、吸水率の増大を抑制でき、かつ機械強度にも優れた樹脂製品の原料として有用な、ポリエチレン樹脂中にセルロース繊維とアルミニウムとを分散してなる複合材を効率的に得ることができる。
また、本発明のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法によれば、紙、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙あるいはこのポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料パックないし食品パックから得られるセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片をそのまま原料として用いて、樹脂製品の原料として有用な、ポリエチレン樹脂中にセルロース繊維とアルミニウムとを分散してなる複合材を効率的に得ることができる。
本発明のリサイクル方法によれば、紙、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙あるいはこのポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料パックないし食品パックを、樹脂製品の原料として有用な、ポリエチレン樹脂中にセルロース繊維とアルミニウムとを分散してなる複合材へと効率的にリサイクルすることができる。すなわち、従来は技術上もコストの上でも樹脂原料としての再利用には困難性のあったセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片をそのまま、簡単な処理工程に付すだけで、有効利用することができ、廃棄物を大幅に低減することができる。
本発明のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材(以下、単に「本発明の複合材」とも称す。)は、ポリエチレン樹脂中にセルロース繊維とアルミニウムとを分散してなり、前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部中、前記セルロース繊維の割合が1質量部以上70質量部以下である。
本発明の複合材は、ポリエチレン樹脂中にセルロース繊維とアルミニウムが十分均一な状態で分散しており、押出成形及び射出成形などへの適応性が高いものである。
[式] (吸水率[%])<(セルロース有効質量比[%])2×0.01
ここで、セルロース有効質量比(単位:%)は、事前に大気雰囲気にて80℃×1時間の乾燥を行って乾燥状態にしたセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の試料を、窒素雰囲気下において+10℃/minの昇温速度で、23℃から400℃まで熱重量分析(TGA)を行い、次式により算出することができる。
(セルロース有効質量比[%])=
(270~390℃の質量減少[mg])×100/(熱重量分析に付す前の乾燥状態の樹脂複合材試料の質量[mg])
なお、セルロース有効質量比は、複合材中の質量百分率で示されるセルロース含有量に相応するものでもある。
吸水率は、事前に含水率0.5質量%以下になるまで、80℃の温風乾燥機で乾燥し
た複合材を、プレスで100mm×100mm×1mmのシート状に成形して成形体を得、この成形体を23℃の水に20日間浸漬し、浸漬前後の重量の測定値に基づいて、下記〔式A〕により吸水率を算出する。
〔式A〕(吸水率[%])
=(浸漬後質量[g]-浸漬前質量[g])×100/(浸漬前質量[g])
ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量100質量部中に占めるセルロース繊維の割合A(質量部)={セルロース有効質量比(%)/(セルロース有効質量比(%)+ポリエチレンの含有量(%))}×100(質量部)
ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量100質量部中に占めるポリエチレンの割合B(質量部)={ポリエチレンの含有量(%)/(セルロース有効質量比(%)+ポリエチレンの含有量(%))}×100(質量部)
逆に、ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量100質量部中に占めるセルロース繊維の割合A(質量部)、ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量100質量部中に占めるポリエチレンの割合B(質量部)、ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量を100質量部としたきの複合材の総含有物量C(質量部)より、セルロース有効質量比(%)、ポリエチレンの含有量(%)は、次の通りに示される。
セルロース有効質量比(%)={ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量100質量部中に占めるセルロース繊維の割合A(質量部)/ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量を100質量部としたきの複合材の総含有物量(複合材に含まれる成分の全量)C(質量部)}×100
ポリエチレンの含有量(%)={ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量100質量部中に占めるポリエチレンの割合B(質量部)/ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量を100質量部としたきの複合材の総含有物量C(質量部)}×100
ここで、複合材がポリエチレン樹脂、セルロース繊維、及びアルミニウムにより構成される場合、複合材の総含有物量C(質量部)は、ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量100質量部に、アルミニウム含有量(質量部)を加えたものである。この場合、複合材中のアルミニウム含有量(%)は、次により示される。
アルミニウムの含有量(%)=100-{(セルロース有効質量比(%)+ポリエチレンの含有量(%)}
また、ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量100質量部に対するアルミニウムの量(質量部)は次により示される。
アルミニウムの量(質量部)=〔アルミニウムの含有量(%)/{(セルロース有効質量比(%)+ポリエチレンの含有量(%)}〕×100
本発明の複合材において、セルロース繊維の長さ加重平均繊維長は300μm以上2000μm以下である。セルロース繊維の長さ加重平均繊維長が300μm未満であると、引張強度や曲げ強度等の機械強度の高い複合材とならない。また、セルロース繊維の長さ加重平均繊維長が300μm未満であると吸水特性が安定せず、目的の吸水率の実現が難しくなる。これらの点から、セルロース繊維の長さ加重平均繊維長は好ましくは400μm以上、より好ましくは450μm以上、さらに好ましくは500μm以上である。セルロース繊維の長さ加重平均繊維長が2000μmを超えると複合材の溶融時の流動性が低下し成形性におとるおそれがある。また、セルロース繊維の長さ加重平均繊維長が2000μmを超えるとセルロース繊維がからみやすくなり、セルロース繊維長の割に複合材の機械強度がでなくなるおそれがある。また、セルロース繊維の長さ加重平均繊維長が2000μmを超えるものとするには、元の長さが長いセルロース材を使用する必要が生じる。さらに溶融混錬して複合材を得る際に、繊維長は低下する傾向があるので、溶融混錬による繊維長の低下をおさえて十分均一な複合材を得る必要があり、複合材中のセルロース繊維の長さ加重平均繊維長を2000μm以上のものとするのは現実的ではない。この点と複合材の流動性の点、繊維のからみからの点から好ましくは1500μm以下、複合材の流動性の点、繊維のからみからの点からさらに好ましくは1000μm以下である。
セルロース繊維の長さ加重平均繊維長は、セルロース繊維分散ポリエチレン樹脂複合材の熱キシレン溶解残さ(不溶分)についてISO 16065(JIS P8226)で規定されたパルプ-光学的自動分析法による繊維長測定方法により測定することができる。
なお、本発明において、複合材の吸水率を本発明の規定まで抑制するには、上記のセルロース繊維の長さ加重平均繊維長に加え、後述するアルミニウム長の制御(アルミニウムの分散性向上)も影響する。
上記加工性の観点に加え、熱伝導性、難燃性等をも考慮した場合、本発明の複合材は、ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量100質量部に対し、アルミニウムの含有量が好ましくは5質量部以上30質量部以下であり、さらに好ましくは5質量部以上10質量部以下である。
X-Y最大長は、複合材の表面を観察して決定されるものである。この観察面において、個々のアルミニウム分散質(組成物中に分散しているアルミニウムを意味する。分散アルミニウムとも称す。)に対し、特定方向(X軸方向)に直線を引き、当該直線とアルミニウム分散質の外周とが交わる2つの交点間を結ぶ距離が最大となる当該距離(X軸最大長)を測定し、また、当該特定方向に対して垂直方向(Y軸方向)に直線を引き、この直線とアルミニウム分散質の外周とが交わる2つの交点間を結ぶ距離が最大となる当該距離(Y軸最大長)を測定し、X軸最大長とY軸最大長のうち長い方の長さをX-Y最大長とする。X-Y最大長は、後述する実施例に記載されるように画像解析ソフトを用いて決定することができる。
すなわち、長さ加重平均繊維長を、所定範囲とし、さらに繊維長1mm以上のものを含むことにより、引張強度、曲強度等の機械強度をより向上させることができる。ここで長さ加重平均繊維長は、分布の平均繊維長であるが、繊維長1mm以上ものを含むものとは、後述の方法によるものである。
本発明の複合材は、ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量100質量部中、セルロース繊維の割合が25質量部以上50質量部未満であり、引張強度が20MPa以上であることが好ましい。本発明の複合材はポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量100質量部中、セルロース繊維の割合が25質量部以上50質量部未満であり、引張強度が25MPa以上であることがより好ましい。特に複合材を構成するポリエチレン樹脂が後述するように低密度ポリエチレンを主成分とし、あるいは、低密度ポリエチレンを80質量%以上含むものであっても、ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量100質量部中、セルロース繊維の割合が25質量部以上50質量部未満であり、引張強度が20MPa以上(さらに好ましくは25MPa以上)であることが好ましい。複合材を構成するポリエチレン樹脂が低密度ポリエチレンを主成分とし、あるいは低密度ポリエチレンを80質量%以上含むものであっても、上記の所望の引張強度を示す複合材を、後述する本発明の製造方法により得ることができる。
上記の曲げ強度は、複合材を特定形状に成形して測定される。より詳細には、後述する実施例に記載の方法により測定される。
複合材の吸水性及び耐衝撃性は、複合材を特定形状に成形して測定される。より詳細には、後述する実施例に記載の方法により測定される。
本発明の複合材は、複合材を構成するポリエチレン樹脂が、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー測定で得られる分子量パターンにおいて、最大ピーク値を示す分子量が10000~1000000の範囲にあり、かつ、重量平均分子量Mwが100000~300000の範囲にあることが好ましい。最大ピーク値を示す分子量を10000以上とし、また、重量平均分子量を100000以上とすることにより、衝撃特性がより高められる傾向にある。また、最大ピーク値を示す分子量を1000000以下とし、また、重量平均分子量を300000以下とすることにより、流動性がより高められる傾向にある。
このようなポリエチレン樹脂の分子量パターンは、後述するように、本発明の複合材を、水の存在下、樹脂を含む原料を溶融混練することにより実現することができる。すなわち、水の存在下、ポリエチレン樹脂とセルロース繊維とアルミニウムとを共存させて高速溶融混練することにより実現することができる。
上記の分子量パターンの半値幅は、GPCにおける分子量パターンのうち、最大ピークのピークトップ(最大頻度)周辺におけるスペクトルの広がり(分子量分布の度合い)を示す。スペクトル中の強度がピークトップ(最大頻度)の半分となっているところ(それぞれ高分子量側の分子量をMH、低分子量側の分子量をMLとする)でのGPCスペクトル線の幅を半値幅とする。
また、本発明の複合材は、例えば、ポリエチレンテレフタレート及び/又はナイロンを含有してもよい。この場合、ポリエチレンテレフタレート及び/又はナイロンを含有し、ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量100質量部に対し、ポリエチレンテレフタレート及び/又はナイロンの総含有量が10質量部以下であることが好ましい。ここで、「ポリエチレンテレフタレート及び/又はナイロンの総含有量」とは、ポリエチレンテレフタレート及びナイロンのうち1種を含有する場合は、当該1種の含有量を意味し、ポリエチレンテレフタレート及びナイロンの両方を含有する場合はポリエチレンテレフタレート及びナイロンの総含有量を意味する。
本発明において、熱キシレン溶解質量比は次のように決定される。
自動車電線用規格JASOD618の架橋度測定に準拠し、複合材の成形シートから0.1~1gを切だし試料とし、この試料を400メッシュのステンレスメッシュで包み、所定温度のキシレン100mlに24時間浸漬する。次いで試料を引き上げ、その後試料を80℃の真空中で24時間乾燥させる。試験前後の試料の質量から、次式より熱キシレン溶解質量比G(%)が算出される。
G={(W0-W)/W0}×100
W0:熱キシレン中に浸漬する前の複合材の質量
W:熱キシレンに浸漬後、キシレンを乾燥除去した後の複合材の質量
{(Ga-Gb)/(Gb+Gc)}×100≦20
ここで、
Ga={(W0-Wa)/W0}×100
Gb={(W0-Wb)/W0}×100
W0:熱キシレンに浸漬する前の複合材の質量
Wa:138℃の熱キシレンに浸漬後、キシレンを乾燥除去した後の複合材の質量
Wb:105℃の熱キシレンに浸漬後、キシレンを乾燥除去した後の複合材の質量
Gc={Wc/W00}×100
Wc:窒素雰囲気中で270℃~390℃に昇温する間の、乾燥複合材の質量減少量
W00:上記昇温前(23℃)の乾燥複合材の質量
である。
本発明の組成物は、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙及び/又は前記ポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料・食品パックを原料の全てとして用いてもよいし、原料の一部として用いてもよい。ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙及び/又は前記ポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料・食品パックを、乾燥重量として、原料の30重量%以上として用いることが好ましく、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上として用いる。
原料とするポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙及び/又は前記ポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料・食品パックは、使用前のものであっても、使用済みの回収物であっても、あるいはポリエチレンラミネート加工紙又はポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料・食品パックの製造工程で排出されるポリエチレンラミネート紙の損紙であてもよく、これらの併用であってもよい。
紙、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙、及び/又は紙、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するラミネート加工紙からなる飲料・食品パックを原料として用いることにより、アルミニウム等の金属との接着性に優れるポリエチレン樹脂組成物を、原料コストを抑えて得ることができる点で好ましい。また、これらの原料を用いて、後述する本発明の製造方法を適用して本発明の組成物を得ることにより、アルミニウム等の金属との接着性において、より優れたポリエチレン樹脂組成物を安定して得ることができる。
本発明の組成物は、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を原料の全てとして用いてもよいし、原料の一部として用いてもよい。セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、乾燥重量として、原料の30重量%以上として用いることが好ましく、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上として用いる。
本発明の組成物は、上記セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、水の存在下、後述する溶融混練処理に付して得られるものであることが好ましい。
(a)紙、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙
を用いて得られるポリエチレン樹脂組成物である。このポリエチレンラミネート加工紙は、当該ポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料・食品パックであることも好ましい。
原料中に占める上記(a)に該当する原料の割合は、30質量%以上が好ましく、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。また、当該割合を80質量%以上としてもよく、90質量%以上とすることも好ましく、原料のすべてを上記(a)とすることもできる。
また、当該ポリエチレン樹脂組成物は、原料として少なくともセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を用いて得られるものであることも好ましい。原料中に占める上記(a)に該当する原料の割合は、乾燥質量基準で、30質量%以上が好ましく、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。また、当該割合を80質量%以上としてもよく、90質量%以上とすることも好ましく、原料のすべてをセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片とすることもできる。
無機質材としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン等があげられる。なかでも炭酸カルシウムが好ましい。無機質材は、後述するセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片にペーパースラッジ、古紙、ラミネート紙廃材等を加えて水の存在下で混練して複合材を得る場合に、これらのペーパースラッジ、古紙、ラミネート紙廃材に元々含有される填料材等を由来としてもよい。
難燃剤としては、リン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、上述したような金属水酸化物等があげられる。難燃性向上のためにエチレン酢酸ビニル共重合体、エチルアクリレート共重合体等のエチレン系共重合体等の樹脂を含んでもよい。
本発明の複合材は、アルミニウム以外の熱伝導性付与成分を含むことができる。この場合、本発明の複合材に含まれるアルミニウムは、熱伝導性付与成分による熱伝導性をより高める方向に作用し得る。
本発明の複合材は、発泡体であってもよい。即ち、本発明の複合材は、発泡剤の作用により発泡させた状態であってもよい。発泡剤としては有機または無機の化学発泡剤が挙げられ、具体例としては、アゾジカルボンアミドが挙げられる。
本発明の複合材は、架橋されていてもよい。架橋剤としては、有機過酸化物等が挙げられ、具体例としてジクミルパーオキサイドが挙げられる。本発明の複合材はシラン架橋法により架橋された形態であってもよい。
本発明の成形体は、ペレット状として、あるいは成形材料として用いることもできる。
換言すれば、本発明の複合材又はペレットは、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂に対して、セルロース繊維とアルミニウムを含む改質マスターバッチとして使用することができる。この改質マスターバッチとして使用する場合、本発明の複合材又はペレットにおけるセルロース繊維の含有量は、ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量100質量部中、セルロース繊維の割合が25質量部以上であることが好ましい、さらに好ましくは35質量部以上、さらに好ましくは40質量部以上である。
本発明の製造方法では、原料として、紙、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙から得られるセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を用いる。このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片は、紙、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料パック及び/又は食品パックから得られるものであることが好ましい。
紙、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙(好ましくは、このポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料パック及び/又は食品パック)は、一般に、紙部分の材質として丈夫で見た目の美しい高品質のパルプが使用されており、このようなパルプは主にセルロース繊維によって構成されている。そして、かかる紙部分の表面には、ポリエチレン押出ラミネート加工によってポリエチレン薄膜が貼着されており、紙部分への飲料の浸透を防ぐようにされている。さらに、アルミニウム薄膜層を有することで、ガスバリア性が向上され、飲料ないし食品の長期保存や香り保持に資するものとなっている。
パルパーによる一般的な処理では、通常、得られるセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片は、当該薄膜片の集合体(薄膜片原料全体)として見た場合、乾燥質量において、ポリエチレン樹脂の量よりもセルロース繊維の量が少量となる。
本発明の製造方法では、上記のセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、水の存在下で溶融混練する。すなわち、水の存在下で溶融混練することによって、セルロース繊維とアルミニウムが分散してなるポリエチレン樹脂複合材を得ることができる。ここで「溶融混練」とは、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片のポリエチレン樹脂が溶融する温度で混練することを意味する。好ましくは、セルロース繊維が変質しない温度で溶融混練することが好ましい。「セルロース繊維が変質しない」とは、セルロース繊維が著しい変色や燃焼、炭化を生じないことを意味する。
上記溶融混練時における最高到達温度は110~280℃とすることが好ましく、130~220℃とすることがより好ましい。
水の存在下で溶融混練することにより、せん断力の負荷と熱水の作用(熱水による物理的作用と化学的作用(加水分解作用)を含む)により、セルロース繊維がポリエチレン樹脂表面に埋め込まれた固着状態ないし熱融着状態から解放され、さらにそれぞれのセルロース繊維をセルロース繊維同士のネットワーク状のからみ合いから解放して、紙形状から繊維状にセルロースの形状が変化して、セルロース繊維をポリエチレン樹脂中に、均一に分散させることが可能となる。また、熱水はアルミニウムにも作用し、アルミニウムの表面への水和酸化物の生成や表面の溶解を促す。特に水の水素イオン濃度(pH)が中性から振れた場合に、溶解の作用は大きくなる。溶融混練によるせん断力と、熱水とアルミニウムとの反応が複合的に作用し、アルミニウムが十分に微細化し、大きさ、形状が不均一でセルロース繊維の付着状態も不均一なセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片から、均一な物性のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を得ることが可能になるものと考えられる。また、せん断と熱水により促進されるアルミニウムの微細化とその表面への水和酸化物の生成においては、アルミニウムが微細化するほど表面積が増え、アルミニウム表面の水和酸化物の量も増えることになる。この現象は、複合材の難燃性の向上においても有利に働くものと考えられる。
複合材の原料としてセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を用いれば、上記溶融混練している状態において、水(熱水)のpHは通常はアルカリ性側を示す。溶融混練している状態における水のpHは7.5~10の範囲にあることが好ましく、7.5~9の範囲にあることも好ましい。水がアルカリ性を示すことにより、アルミニウムと水とが反応してアルミニウムが溶解しやすくなり、ポリエチレン樹脂中への均一分散性をより高めることができる。
また、上記溶融混練している状態において、水のpHを酸性側(好ましくはpH4~6.5、より好ましくはpH5~6.5)としてもよい。この場合も、アルミニウムと水とが反応してアルミニウムが溶解しやすくなり、ポリエチレン樹脂中への均一分散性をより高めることができる。ただし、酸性側である場合は、混練装置や製造に使用する各装置の特に金属部を痛める可能性がある。この点からはアルカリ性側を示すものが望ましい。
亜臨界状態の水は、0℃以上100℃以下で大気圧下の水よりイオン積が大きくなり、セルロース繊維の分子間結合を弱め、セルロース繊維の解繊が促進されるものと推定される。また、亜臨界状態の水はアルミニウムとの反応性もより高く、アルミニウムの微細化と均一分散性をより高めることができるものと考えられる。
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片は、上述の通り、紙部分との分離処理の際に多量に含水しており、再利用にかかる消費エネルギー等を考慮した場合にも、再利用し難いものであった。しかし、本発明の製造方法では、水の存在下で溶融混練するために水が必要である。したがって、薄膜片の吸水量が多い事は全く問題にならず、むしろ水を加える手間を減ずることができるというメリットがある。しかも溶融混練においては水分を高温の蒸気として効率的に排出することができるため、得られる複合材の含水率を所望のレベルにまで十分に下げることが可能になる。
撹拌室内の温度と圧力は、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片と水に、回転する撹拌羽根による高剪断力が加わることで急上昇し、高温となった水がセルロースに対して物理的、化学的(加水分解)に作用し、高速撹拌による強烈なせん断力とが相俟って、ポリエチレン薄膜片の表面にラミネート加工時に熱融着されて埋め込まれたセルロース繊維を解繊し、さらに上述した熱水とアルミニウムとの反応が生じ、セルロース繊維とアルミニウムをポリエチレン樹脂中に均一に分散させることができると考えられる。
溶融混練の終了時点を制御することで複合材のメルトフローレートを調整できる理由は、溶融混練中に発生する熱水や亜臨界状態の水の作用によって、ポリエチレン樹脂やセルロース繊維の分子の一部が低分子化することが一因と推定される。
本明細書において「トルク変化率が1秒当たり5%になる」とは、ある時点におけるトルクT1と、当該時点から1秒後のトルクT2とが下記式(T)を満たすことを意味する。
式(T) 100×(T1-T2)/T1≦5
上述したように、例えば、パルパーと呼ばれる装置内でラミネート加工紙を長時間水中(水中又は湯中)で撹拌することにより、ラミネート加工紙から紙部分を剥ぎ取り、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片が得られる。このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片は通常、含水率が50質量%前後となり、多量の水を吸水した状態にある。かかるセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片は、その減容処理により水分が絞られ、例えば含水率が20質量%前後となる。また、この減容処理により、見かけ上の容積を1/2~1/5程度とすることが好ましい。減容処理に用いる装置は特に制限されないが、2つのスクリュウを有する押出し方式の減容機が好ましい。2つのスクリュウを有する押出し方式の減容機を用いることにより、連続的に処理できるとともに後工程で扱いやすい、個々の大きさが適度に小さい減容物を得ることができる。例えば、二軸式廃プラスチック減容固化機(型式:DP-3N、小熊鉄工所社製)等を用いることができる。
なお、溶融混練の際必要な水量は、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片100質量部(乾燥質量)に対して通常は5質量部以上150質量部未満であり、この水量の範囲とすることにより、樹脂中にセルロース繊維が均一に分散しており、含水率が1質量%未満の成形性に優れた複合材が製造しやすい。溶融混練の際の水量は、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片100質量部に対して、より好ましくは5~120質量部であり、さらに好ましくは5~100質量部であり、さらに好ましくは5~80質量部であり、10~25質量部とすることがさらに好ましい。
この場合、得られる複合材が、ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量100質量部中、セルロース繊維の割合が1質量部以上70質量部以下となるようにセルロース材の配合量を調整するのが好ましく、より好ましくは、ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量100質量部中、セルロース繊維の割合が5質量部以上70質量部以下、さらに好ましくは5質量部以上50質量部未満、特に好ましくは25質量部以上50質量部未満となるようにセルロース材の配合量を調整するのが好ましい。
セルロース材としては、セルロースを主体とするものやセルロースを含むものが挙げられ、より具体的には、紙、古紙、紙粉、再生パルプ、ペーパースラッジ、ラミネート加工紙の損紙等が挙げられる。なかでもコストと資源の有効活用の点から古紙及び/又はペーパースラッジを使用することが好ましく、ペーパースラッジを使用することがより好ましい。このペーパースラッジは、セルロース繊維以外に無機質材を含んでいてもよい。複合材の弾性率を高める観点からは、無機質材を含むペーパースラッジが好ましい。また、複合材の衝撃強度を重視する場合は、ペーパースラッジは無機質材を含まないか、無機質材を含むとしてもその含有量の少ないものが好ましい。古紙等の紙を混合する場合は、溶融混練の前に紙は予め水で湿潤されていることが望ましい。水で湿潤された紙を使用することにより、セルロース繊維が樹脂中に均一に分散した複合材が得られやすくなる。
まず、本発明における各指標の測定方法、評価方法を説明する。
温度=230℃、荷重=5kgfの条件で、JIS-K7210に準じて測定した。MFRの単位は「g/10min」である。
混練後のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の外観を目視にて評価した。バルク(塊)の状態を合格品(○)とし、粒径2mm以下の粉体状であるもの、あるいは混練後著しく発火したものを不合格品(×)とした。粉体状のものは、かさ比重が小さいために空気中で容易に吸湿するなどの理由でブリッジングや容器壁面への付着を生じ、その後の成形の際に自重落下で成型機に投入することが困難である。
本実施例において、本発明の製造方法で得られる複合材は、いずれも上記合格品に該当するものである。
製造後6時間以内の複合材10mgを、窒素雰囲気下において、23℃から120℃まで、+10℃/minの昇温速度で熱重量分析(TGA)を行った際の質量減少率(質量%)である。
水を吸収したセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片からセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を連続的に作製した場合に、該複合材1kgを製造するまでに各装置(乾燥機、減容機、混練機)が消費した電力量の合計を求めた。
射出成形で試験片(厚さ4mm、幅10mm、長さ80mm)を作製し、JIS-K7110に準じて、ノッチ有りの試験片を用いてアイゾット衝撃強度を測定した。耐衝撃性の単位は「kJ/m2」である。
射出成形で試験片(厚さ4mm、幅10mm、長さ80mm)を作製し、支点間距離64mm、支点及び作用点の曲率半径5mm、試験速度2mm/minにて荷重の負荷を行い、JIS-K7171に準じて曲げ強度を算出した。曲げ強度の単位は「MPa」である。
事前に大気雰囲気にて80℃×1時間の乾燥を行って乾燥状態にしたセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の試料(10mg)を用い、窒素雰囲気下において+10℃/minの昇温速度で、23℃から400℃まで熱重量分析(TGA)を行った結果に基づいて、次式により算出した。測定は5回行いその平均値を求めて、その平均値をセルロース有効質量比とした。
(セルロース有効質量比[%])=
(270~390℃の質量減少[mg])×100/(試料質量[mg])
事前に含水率0.5質量%以下になるまで、80℃の温風乾燥機で乾燥した複合材を、プレスで100mm×100mm×1mmのシート状に成形して成形体を得、この成形体を23℃の水に20日間浸漬し、浸漬前後の重量の測定値に基づいて、下記〔式A〕により吸水率を算出した(但し、浸漬後の質量を測る際は、表面に付着した水滴等を乾いた布またはフィルター紙で拭き取った。)。合否判定は、算出した吸水率が下記の評価式〔式B〕を満たす場合を合格(○)とし、満たさない場合を不合格(×)とした。
〔式A〕(吸水率[%])=
(浸漬後質量[g]-浸漬前質量[g])×100/(浸漬前質量[g])
〔式B〕(吸水率[%])<(セルロース有効質量比[%])2×0.01
射出成形で試験片(厚さ4mm、幅10mm、長さ80mm、ノッチ有り)を作製し、この試験片を23℃の水に20日間浸漬し、JIS-K7110に準じて測定した浸漬前後の耐衝撃性の測定値に基づいて、次の計算式で算出した(但し、浸漬後の耐衝撃性を測定する際は、水から取出した後、意図的に乾燥などを行うことなく、6時間以内に測定した。)。
(吸水後耐衝撃残率[%])=
(吸水後の耐衝撃性[kJ/m2])×100/(吸水前の耐衝撃性[kJ/m2])
事前に含水率0.5質量%以下になるまで、80℃の温風乾燥機で乾燥した複合材を、プレスで100mm×100mm×1mmのシート状に成形して成形体を得、この成形体を80℃の温水に20日間浸漬した後に、温水から取り出した成形体表面の任意の箇所に、40mm×40mmの正方形を書き、さらにその正方形内部に4mm間隔で40mmの線分を9本書いた。表面粗さ測定機を用いて、カットオフ値λc=8.0mmかつλs=25.0μmの条件の下、隣り合う2本の線分の中間線上の粗さを測定し、10本の粗さ曲線(JIS-B0601にて規定、評価長さ40mm)を得た。10本全ての粗さ曲線においてピークトップが30μm以上でかつ上側に(表面から外側に向けて)凸である山の個数を数えたとき、山の個数が合計20個以上である場合を不合格品(×)とし、山の個数が20個未満である場合を合格品(○)とした。
試料中にセルロース繊維が偏在している場合は局所的に吸水が起こり、その部分の表面が膨張するため、この方法でセルロース繊維の分散性を評価することができる。
複合材16mgにGPC測定溶媒(1,2,4-トリクロロベンゼン)5mlを加え、160℃~170℃で30分間攪拌した。不溶物を0.5μmの金属フィルターでろ過して除去し、得られたろ過後の試料(可溶物)に対して、GPC装置(Polymer Laboratories製PL220、型式:HT-GPC-2)を用い、カラムは、ShodexHT-G(1本)、HT-806M(2本)を用い、カラム温度を145℃に設定し、溶離液として1,2,4-トリクロロベンゼンを用い、流速1.0mL/minで、前記試料0.2mlを注入してGPCを測定した。これより、単分散ポリスチレン(東ソー製)、ジベンジル(東京化成工業製)を標準試料として、校正曲線を作成し、GPCデータ処理システム(TRC製)でデータ処理を行い分子量パターンを得た。GPC測定で得られた分子量パターンにおいて、下記(A)を満たすものを(○)、満たさないものを(×)とした。
(A)1.7>半値幅(Log(MH/ML))>1.0
ここで分子量パターンの半値幅は、GPCにおける分子量パターンのうち、最大ピークのピークトップ(最大頻度)周辺におけるスペクトルの広がり(分子量分布の度合い)を示す。すなわち、スペクトル中の強度がピークトップ(最大頻度)の半分となっているところ(それぞれ高分子量側をMH、低分子量側をMLとする)でのGPCスペクトル線の幅を半値幅とする(図1参照)。なお、2つ以上のピークが観測される場合はピークトップの高さが最大のピークについての半値幅とする。なお、本[実施例]において、本発明の複合材を構成するポリエチレン樹脂はいずれも、最大ピーク値を示す分子量が10000~1000000の範囲にあり、また重量平均分子量Mwが100000~300000の範囲にあった。
JIS K7201-2に準拠し、酸素指数(Oxygen Index、OI値)による燃焼性の試験の測定を行った。なお、酸素指数とは、材料が燃焼を持続するのに必要な最低酸素濃度(容量%)のことである。
複合材をプレス加工して1mm厚のシート状の成形体を得た。この成形体の表面について顕微鏡を使用して拡大写真を撮影し、画像解析ソフトを使用して、5.1mm×4.2mmの範囲に存在する分散アルミニウムについて、これらのX-Y最大長の分布を求め、X-Y最大長0.005mm以上のアルミニウム(アルミニウム分散質)の全個数に占めるX-Y最大長1mm以上のアルミニウムの個数の割合(%)を求めた。X-Y最大長1mm以上のアルミニウムの個数の割合が1%未満の場合を(○)、それ以外を(△)とした。△のなかでも、5mm以上のアルニウムが見られるものを(×)とした。画像解析ソフトには、株式会社イノテック製“かんたん画像寸法計測ソフトPixs2000_Pro”を使用した。なお、アルミニウム長の判定が○であったものは、いずれもX-Y最大長の平均が0.02~0.2mmの範囲内にあった。
熱伝導率計(京都電子工業株式会社製“QTM-500”)を使用し、厚さ3mmの複合材の加工シートについて熱伝導率を測定した。
射出成形で試験片を作製し、JIS-K7113に準拠し2号試験片にて引張強度を測定した。単位は「MPa」である。
複合材の成形シートから0.1~1gを切だし試料とし、この試料を400メッシュのステンレスメッシュで包み、138℃のキシレン100mlに24時間浸漬する。次いで試料を引き上げ、その後試料を80℃の真空中で24時間乾燥させる。乾燥試料0.1gをエタノール50ml中に良く分散させ、シャーレに滴下し、顕微鏡にて15mm×12mmの範囲を観察した。繊維長1mm以上のセルロース繊維が観察されるものを(○)とし、それ以外を(×)とした。
JIS K7171に準拠しサンプル厚さ4mm、曲げ速度2mm/minにて曲げ弾性率を測定した。詳細には、射出成形で試験片(厚さ4mm、幅10mm、長さ80mm)を作製し、支点間距離64mm、支点及び作用点の曲率半径5mm、試験速度2mm/minにて荷重の負荷を行い、JIS-K7171に準じて曲げ試験を行ない、曲げ弾性率を測定した。
ここで、曲げ弾性率 Etは、
歪み0.0005(εf1)におけるたわみ量において測定した曲げ応力σf1
歪み0.0025(εf2)におけるたわみ量において測定した曲げ応力σf2
を求めて、これらの差を、それぞれの対応する歪み量の差で割ること、
すなわち、次式 Ef=(σf2-σf1)/(εf2-εf1)
で求めることができる。
このときの曲げ応力を求めるための、たわみ量Sは、
下記の式により求めることができる。
S=(ε・L2)/(6・h)
S:たわみ
ε:曲げ歪み
L:支点間距離
h:厚さ
線膨張係数は、JIS K 7197に準拠して行った。
射出成形により、厚さ4mm、幅10mm、長さ80mmの成形体を得た。このときの樹脂の射出方向は長さ方向であった。この成形体から奥行き4mm、幅4mm、高さ10mmの四角柱形状の試験片を、長さ方向が高さ方向に合致するように切り出した。
得られた試験片を用いて、株式会社リガク製のTMA 8310によってTMA測定を、-50~100℃の温度範囲、荷重5g(49mN)、窒素雰囲気にて行った。このときの昇温速度は5℃/minであった。なお、データ採取の前に一度試験片を今回の試験範囲の上限温度である100℃まで昇温し、成形によるひずみを緩和させた。得られたTMA曲線から、20~30℃、および、-40~100℃の温度領域における平均線膨張係数を求めた。
[セルロース繊維の長さ加重平均繊維長]
セルロース繊維分散ポリエチレン樹脂複合材の熱キシレン溶解残さ(不溶分)についてISO 16065(JIS P8226)で規定されたパルプ-光学的自動分析法による繊維長測定方法に準拠して行った。複合材の試料を400メッシュのステンレスメッシュで包み、138℃のキシレンに24時間浸漬し、次いで試料を引き上げ、その後試料を80℃の真空中で24時間乾燥させることにより、複合材から分離して得られたセルロース繊維について繊維長の測定を行った。
紙、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料容器から、パルパーによって紙部分を剥ぎ取り除去してセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、数cm2~100cm2程度のさまざまな形状、大きさの小片に切断されており、紙部分の剥ぎ取り工程において水に浸漬されたことで濡れた状態(水分を多量に吸収した状態)であった。また、この薄膜片を構成するポリエチレン樹脂と、それに付着しているセルロース繊維と、アルミニウムとの質量比(乾燥後)は、[ポリエチレン樹脂]:[セルロース繊維]:[アルミニウム]=90:10:9であった。また、ポリエチレン樹脂中の低密度ポリエチレンの割合は99.5重量%であった。
このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、80℃に設定した乾燥機で48時間乾燥して含水率を1質量%以下とし、その後意図的に水を加えて、表1に示す「実施例1」~「実施例3」及び「比較例1」の各欄に記載の水の質量部となるように、4種類の試料材料を調製した。
なお、本明細書の[実施例]全体において配合する水のpHは、いずれも中性(pH7)のものである。また、乾燥させたセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片に水を混合した状態において、水はアルカリ性(pH7.5~8.5)を示した。
次に、この4種類の試料材料を、別々にバッチ式閉鎖型混練装置(バッチ式高速撹拌装置)に投入し、混合溶融装置の撹拌羽根の先端の周速を40m/秒として高速攪拌して水を亜臨界状態にすると共に試料材料を混練し、4種類のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を作製した。
なお、各試験例において、特に断りの無い限り、バッチ式閉鎖型混練装置による混練終了時点は、バッチ式閉鎖型混練装置の回転軸の回転トルクが上昇して最大値に達した後、下降して、その後トルク変化が小さくなることから、トルク変化率が1秒当たり5%以下になった時点を、トルクが最小値に達した瞬間と定義して、この起点からの経過時間(下表中の「時間A」に相当)を5秒とした。また、混合溶融装置の撹拌羽根の先端の周速は上記と同様に40m/秒とした。
各複合材の評価結果は表1に示すとおりである。
なお、以下の各表において、含有物(複合材の全成分)の総量[質量部]に占めるセルロース繊維の量[質量部]の割合(百分率)がセルロース有効質量比[%]に相当する。また、以下の各表において、各複合材中のポリエチレン樹脂、セルロース繊維、及びアルミニウムの含有量の合計は95~100質量%の範囲内にある。
他方、「実施例1」より、水/セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片(質量比)を、8/109として、水の配合量を少なくした場合でも、溶融混練時に水が共存していれば、吸水率が抑えられ、また他の機械強度にも優れたセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材が得られることが分かる。また、「実施例3」より、水/セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片(質量比)を、100/109として、水の配合量を多くしても、得られるセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の含水率を十分に低下させることができ、吸水性が低く、他の機械強度にも優れたセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材が得られることが分かる。したがって、水の存在下で溶融混練を行う本発明の製造方法では、溶融混練時に水が存在していることが重要であり、水量は多くても少なくても良いことがわかる。なお、エネルギー効率を考慮すると、水量は多すぎない方が良い。
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜中のアルミニウムの質量比を変更した場合の影響について試験した。
アルミニウムの質量比を表2に示すように変更した4種類のセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、試験例1と同じく、数cm2~100cm2程度の小片に切断されており、濡れた状態であった。また、この薄膜片を構成するポリエチレン樹脂と、それに付着しているセルロース繊維の質量比(乾燥後)は、表2の通りであった。この濡れた状態の薄膜片の、ポリエチレン樹脂、セルロース繊維及びアルミニウムの合計100質量部に対する付着水の量は21.8質量部であった。即ち、ポリエチレン樹脂及びセルロース繊維の合計100質量部に対する付着水の量は20質量部であった。
なお、各例において、バッチ式閉鎖型混練装置による混練終了時点は、バッチ式閉鎖型混練装置の回転軸の回転トルクが上昇して最大値に達した後、下降して、その後トルク変化が小さくなることから、トルク変化率が1秒当たり5%以下になった時点を、トルクが最小値に達した瞬間と定義して、この起点からの経過時間(下表中の「時間A」に相当)を7秒とした。
各試料の評価結果は表2に示すとおりである。
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片のポリエチレン樹脂と、この薄膜に付着しているセルロース繊維との質量比を変更した場合の影響について試験した。
次に、このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、濡れた状態のままで、試験例1と同じバッチ式閉鎖型混練装置に投入し、高速攪拌して水を亜臨界状態にすると共に溶融混練し、5種類のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の作製を試みた。
各複合材の評価結果は表3に示すとおりである。なお、各例において、バッチ式閉鎖型混練装置による混練終了時点は、バッチ式閉鎖型混練装置の回転軸の回転トルクが上昇して最大値に達した後、下降して、その後トルク変化が小さくなることから、トルク変化率が1秒当たり5%以下になった時点を、トルクが最小値に達した瞬間と定義して、この起点からの経過時間(下表中の「時間A」に相当)を5秒とした。
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を混練する方法(装置)の影響について試験した。
上記試験例1と同様にして、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、試験例1と同じく、数cm2~100cm2程度の小片に切断されており、濡れた状態であった。また、この薄膜片を構成するポリエチレン樹脂と、それに付着しているセルロース繊維との質量比(乾燥後)は、表4に示す通りであった。この濡れた状態の薄膜片の、セルロース繊維とポリチレン樹脂の合計100質量部に対する付着水の量は100質量部であった。
この濡れた状態のセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、上記バッチ式閉鎖型混練装置を用いて亜臨界状態の水の存在下で溶融混練した場合(実施例12)と、濡れた状態のセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を乾燥してからニーダーを用いて混練した場合(比較例3)と、上記濡れた状態の薄膜片を直接モウルド成形したもの(比較例4)とを用いて、表4に記載した評価を行った。
なお、バッチ式閉鎖型混練装置による混練終了時点は、バッチ式閉鎖型混練装置の回転軸の回転トルクが上昇して最大値に達した後、下降して、その後トルク変化が小さくなることから、トルク変化率が1秒当たり5%以下になった時点を、トルクが最小値に達した瞬間と定義して、この起点からの経過時間(下表中の「時間A」に相当)を7秒としている。
各複合材の評価結果は表4に示すとおりである。
濡れた状態の薄膜片を直接モウルド成形したもの(比較例4)では、水分を十分に除去することができなかった。また、得られた複合材は吸水率が高く、セルロース繊維の分散性にも劣っていた。
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を混練する前に減容固化を行う影響について試験した。
次に、この薄膜片を、表5に示すとおり、試験例1と同じバッチ式閉鎖型混練装置を用いて、亜臨界状態の水の存在下で溶融混練してセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を作製した(実施例13)。
また別に、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片をバッチ式閉鎖型混練装置に投入する前に、減容固化機(小熊鉄工所社製、二軸式廃プラスチック減容固化機、型式:DP-3N)を用いて減容して固化し、その後バッチ式閉鎖型混練装置に投入してセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を作製した(実施例14)。
また別に、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を二軸押出機に投入する前に、80℃に設定した乾燥機で含水率が1質量%未満になるまで乾燥させ、その後二軸押出機(株式会社日本製鋼所製、TEX30を使用)に投入し、セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を作製した(比較例6)。
各複合材の評価結果は表5に示すとおりである。
さらに、実施例13及び14は、ポリエチレン樹脂の分子量パターンが○となった。
他方、二軸押出機により混練した場合には、得られる複合材の含水率が高く、セルロースの分散性に劣り、吸水性も高かった。二軸押出機による混練法を採用する場合、混練前にセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を乾燥処理に付すことにより、得られる複合材の含水率を0質量%近くとすることができる。しかしこの場合には、消費電力量が数倍に膨れ上がり、エネルギー効率に劣る結果となった(比較例6)。
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を混練する方法(装置)の影響について試験した。
上記試験例1と同様にして、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、試験例1と同じく、数cm2~100cm2程度の小片に切断されており、濡れた状態であった。また、この薄膜片を構成するポリエチレン樹脂と、それに付着しているセルロース繊維の質量比(乾燥後)は、表6に示す通りであった。この濡れた状態の薄膜片の、セルロース繊維とポリチレン樹脂の合計100質量部に対する付着水の量は19質量部であった。
この濡れた状態のセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、上記バッチ式閉鎖型混練装置を用いて亜臨界状態の水の存在下で溶融混練した場合(実施例15)と、濡れた状態のセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を乾燥してからニーダーを用いて混練した場合(比較例7)について、表6に記載した評価を行った。
なお、バッチ式閉鎖型混練装置による混練終了時点は、バッチ式閉鎖型混練装置の回転軸の回転トルクが上昇して最大値に達した後、下降して、その後トルク変化が小さくなることから、トルク変化率が1秒当たり5%以下になった時点を、トルクが最小値に達した瞬間と定義して、この起点からの経過時間(下表中の「時間A」に相当)を7秒としている。
各複合材の評価結果は表6に示すとおりである。
材料として出所の異なる使用済み飲料容器の回収物を使用して複合材を試作した。
使用済み紙製飲料容器として、出所の異なる回収物を使用した以外は上記試験例1と同様にして、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、試験例1と同じく、数cm2~100cm2程度の小片に切断されており、濡れた状態であった。また、この薄膜片の集合物の乾燥後の成分の比率は表に示す通りであった。この濡れた状態の薄膜片の、セルロース繊維とポリチレン樹脂の合計量100質量部に対する付着水の量は100質量部であった。
次に、このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片の集合物を、濡れた状態のままで、試験例1と同じバッチ式閉鎖型混練装置に投入し、高速攪拌して水を亜臨界状態にすると共に溶融混練し、セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の試料を作製した。
なお、バッチ式閉鎖型混練装置による混練終了時点は、バッチ式閉鎖型混練装置の回転軸の回転トルクが上昇して最大値に達した後、下降して、その後トルク変化が小さくなることから、トルク変化率が1秒当たり5%以下になった時点を、トルクが最小値に達した瞬間と定義して、この起点からの経過時間(下表中の「時間A」に相当)を7秒としている。
セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、バッチ式閉鎖型混練装置(バッチ式高速撹拌装置)を用いて混練するに当たり、下記の通り、セルロース材としてラミネート紙の損紙(耳ロス)を添加して複合材を作製した。
上記試験例1と同様にして、セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得た。この薄膜片は、試験例1と同じく、数cm2~100cm2程度の小片に切断されており、濡れた状態であった。このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、80℃に設定した乾燥機で48時間乾燥して含水率を1質量%以下とした。このセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片に、表8に示すセルロース材と水を配合し試料材料を調製した。添加する損紙は、回転刃式の粉砕機(ホーライ社製)により粉砕したものを用いた。
次に、上記と同じバッチ式閉鎖型混練装置(バッチ式高速撹拌装置)を用いて水の存在下で溶融混練して、実施例18及び19の複合材を得た。なお、混練の終了は、バッチ式閉鎖型混練装置(バッチ式高速撹拌装置)に設置された温度計により測定される装置チャンバー内の材料温度が180℃に達した時点とした。得られた複合材のポリエチレン、セルロース繊維、アルミニウムの質量比は表8とおりであった。
結果は表8に示す。
低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン、LC900)とエチレン-メタクリル酸共重合体(三井デュポンポリケミカル、ニュークレルC0903)、セルロース繊維(レッテンマイヤー、ARBOCEL B400)、アルミニウム粉体(東洋アルミニウム、TFH-A30P)、水を、67:3:30:15:25の比率にて配合して、試験例1で使用したのとは別のバッチ式閉鎖型混練装置(バッチ式高速撹拌装置)に投入し、混合溶融装置の撹拌羽根の回転速度を回転羽根の先端の周速で40m/秒として高速攪拌して水の存在下で試料材料の混練を開始し、セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材(実施例20)を作製した。低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン、LC900)とエチレン-メタクリル酸共重合体(三井デュポンポリケミカル、ニュークレルC0903)、セルロース繊維(レッテンマイヤー、ARBOCEL BC200)、アルミニウム粉体(東洋アルミニウム製、TFH-A30P)、水を、67:3:30:15:25の比率にて配合して、実施例20と同様にしてセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を作製した(比較例8)。なお、混練の終了は、バッチ式閉鎖型混練装置(バッチ式高速撹拌装置)に設置された温度計により測定される装置チャンバー内の材料温度が180℃に達した時点とした。
結果を下記表9に示す。
本発明は、大きさ、形状、セルロース繊維の付着状態が不均一な、セルロース繊維とアルミニウムとポリエチレン樹脂の不均一な混合体としてのセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片から、均一な物性のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を製造することを可能にした技術に係る発明である。
Claims (45)
- ポリエチレン樹脂中にセルロース繊維とアルミニウムとを分散してなり、前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部中、前記セルロース繊維の割合が1質量部以上70質量部以下であり、前記アルミニウムの含有量が1質量部以上30質量部以下であり、前記セルロース繊維の長さ加重平均繊維長が300μm以上2000μm以下であり、X-Y最大長が0.005mm以上のアルミニウムの数に占めるX-Y最大長が1mm以上のアルミニウムの数の割合が1%未満であり、吸水率が次式を満たす、セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
[式] (吸水率[%])<(セルロース有効質量比[%])2×0.01 - 前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部中、前記セルロース繊維の割合が5質量部以上50質量部未満である、請求項1に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
- 前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部中、前記セルロース繊維の割合が25質量部以上50質量部未満である、請求項1に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
- 前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部中、前記セルロース繊維の割合が25質量部以上50質量部未満であり、前記複合材を成形したときの成形体の引張強度が20MPa以上である、請求項1に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
- 前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部中、前記セルロース繊維の割合が25質量部以上50質量部未満であり、前記複合材を成形したときの成形体の引張強度が25MPa以上である、請求項1に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
- 前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部中、前記セルロース繊維の割合が1質量部以上15質量部未満であり、前記複合材を成形したときの成形体の曲げ強度が8~20MPaである、請求項1に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
- 前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部中、前記セルロース繊維の割合が15質量部以上50質量部未満であり、前記複合材を成形したときの成形体の曲げ強度が15~40MPaである、請求項1に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
- 前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部に対し、前記アルミニウムの含有量が5質量部以上30質量部以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
- 前記ポリエチレン樹脂が、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定で得られる分子量パターンにおいて1.7>半値幅(Log(MH/ML))>1.0の関係を満たす、請求項1~8のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
- 繊維長1mm以上のセルロース繊維を含有する、請求項1~9のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
- 前記ポリエチレン樹脂の50質量%以上が低密度ポリエチレンである、請求項1~10のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
- 前記ポリエチレン樹脂の80質量%以上が低密度ポリエチレンである、請求項1~11のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
- 前記複合材がポリプロピレンを含有し、前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部に対し、前記ポリプロピレンの含有量が20質量部以下である、請求項1~12のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
- 前記複合材の、138℃の熱キシレン溶解質量比をGa(%)、105℃の熱キシレンへ溶解質量比をGb(%)、セルロース有効質量比をGc(%)としたとき、下記式を満たす、請求項1~13いずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
{(Ga-Gb)/(Gb+Gc)}×100≦20
ここで、
Ga={(W0-Wa)/W0}×100
Gb={(W0-Wb)/W0}×100
W0:熱キシレンに浸漬する前の複合材の質量
Wa:138℃の熱キシレンに浸漬後、キシレンを乾燥除去した後の複合材の質量
Wb:105℃の熱キシレンに浸漬後、キシレンを乾燥除去した後の複合材の質量
Gc={Wc/W00}×100
Wc:窒素雰囲気中で270℃~390℃に昇温する間の、乾燥複合材の質量減少量
W00:昇温前(23℃)の乾燥複合材の質量
である。 - 前記複合材がポリエチレンテレフタレート及び/又はナイロンを含有し、前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部に対し、前記ポリエチレンテレフタレート及び/又はナイロンの総含有量が10質量部以下である、請求項1~14のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
- 前記ポリエチレン樹脂及び/又は前記ポリプロピレンの少なくとも一部が再生材に由来する、請求項13に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
- 前記複合材が、原料として少なくとも
(a)紙、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙、及び/又は
(b)前記ポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料・食品パック
を用いて得られる、請求項1~16のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。 - 前記複合材が、原料として少なくともセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を用いて得られる、請求項1~17のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
- 前記セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片が、
(a)紙、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙、及び/又は
(b)前記ポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料・食品パック
から紙部分を剥ぎ取り除去して得られたものである、請求項18に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。 - 前記複合材が無機質材を含有し、前記ポリエチレン樹脂100質量部に対し、前記無機質材の含有量が1質量部以上100質量部以下である、請求項1~19のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
- 温度230℃、荷重5kgfにおけるメルトフローレート(MFR)が、0.05~50.0g/10minである、請求項1~20のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
- 前記複合材が、23℃の水に20日間浸漬した後の吸水率が0.1~10%であり、かつ耐衝撃性が、23℃の水に20日間浸漬する前よりも浸漬した後の方が高い、請求項1~21のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
- 線膨張係数が1×10-4以下である、請求項1~22のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
- 前記線膨張係数が8×10-5以下である、請求項23に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
- 含水率が1質量%未満である、請求項1~24のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材。
- 請求項1~25のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材からなるペレット。
- 請求項1~25のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を用いた成形体。
- ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量100質量部中、前記セルロース繊維の割合が1質量部以上70質量部以下であり、アルミニウムの含有量が1質量部以上30質量部以下であり、前記セルロース繊維の長さ加重平均繊維長が300μm以上2000μm以下であり、X-Y最大長が0.005mm以上のアルミニウムの数に占めるX-Y最大長が1mm以上のアルミニウムの数の割合が1%未満であり、吸水率が次式を満たす、セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法であって、
[式] (吸水率[%])<(セルロース有効質量比[%])2×0.01
ポリエチレン樹脂とセルロース繊維、アルミニウムを亜臨界状態の水の存在下で溶融混錬し、ポリエチレン樹脂中にセルロース繊維とアルミニウムとを分散してなるセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を得ることを含む、セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。 - ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量100質量部中、前記セルロース繊維の割合が1質量部以上70質量部以下であり、アルミニウムの含有量が1質量部以上30質量部以下であり、前記セルロース繊維の長さ加重平均繊維長が300μm以上2000μm以下であり、X-Y最大長が0.005mm以上のアルミニウムの数に占めるX-Y最大長が1mm以上のアルミニウムの数の割合が1%未満であり、吸水率が次式を満たす、セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法であって、
[式] (吸水率[%])<(セルロース有効質量比[%])2×0.01
少なくともセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を、亜臨界状態の水の存在下で溶融混練し、ポリエチレン樹脂中にセルロース繊維とアルミニウムとを分散してなるセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を得ることを含み、
前記セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片が、
(a)紙、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙、及び/又は
(b)前記ポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料・食品パック
から得られるものである、セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。 - ポリエチレン樹脂とセルロース繊維の総含有量100質量部中、前記セルロース繊維の割合が1質量部以上70質量部以下であり、前記アルミニウムの含有量が1質量部以上30質量部以下であり、前記セルロース繊維の長さ加重平均繊維長が300μm以上2000μm以下であり、X-Y最大長が0.005mm以上のアルミニウムの数に占めるX-Y最大長が1mm以上のアルミニウムの数の割合が1%未満であり、吸水率が次式を満たす、セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法であって、
[式] (吸水率[%])<(セルロース有効質量比[%])2×0.01
紙、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙及び/又は前記ポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料・食品パックを、水中で撹拌することにより前記紙の一部が取り除かれたセルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片を得、該セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片と水とを、ポリエチレンが溶融しセルロース繊維が変質しない温度で亜臨界状態の水の存在下で溶融混練し、ポリエチレン樹脂中にセルロース繊維とアルミニウムとを分散してなるセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を得ることを含む、セルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。 - 前記溶融混練がバッチ式混練装置を用いて行われ、前記セルロース・アルミニウム付着ポリエチレン薄膜片と、水とを該バッチ式混練装置に投入して、該装置の回転軸に突設された撹拌羽根を回転させて撹拌し、この撹拌により装置内の温度を高めて溶融混練を行う、請求項28~30のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
- 前記溶融混練を、前記撹拌羽根の先端の周速を20~50m/秒として行う、請求項31に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
- 水を含んだ状態の前記薄膜片を減容処理し、この減容処理物を溶融混練することにより、ポリエチレン樹脂中にセルロース繊維とアルミニウムとを分散してなるセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を得る、請求項28~32のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
- 水を含んだ状態の前記薄膜片を粉砕し、この粉砕物を溶融混練することにより、ポリエチレン樹脂中にセルロース繊維とアルミニウムとを分散してなるセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材を得る、請求項28~33のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
- 前記溶融混練を、前記薄膜片100質量部に対して水を5質量部以上150質量部未満として行う、請求項28~34のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
- 前記溶融混練を、セルロース材を混合して行う、請求項28~35のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
- 前記セルロース材として、ペーパースラッジを用いる、請求項36に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
- 前記セルロース材として、吸水した状態のセルロース材を用いる、請求項36又は37に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
- 前記溶融混練を、低密度ポリエチレン及び/又は高密度ポリエチレンを混合して行う、請求項28~38のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
- 前記複合材を構成するポリエチレン樹脂の50質量%以上が低密度ポリエチレンである、請求項28~39のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
- 前記複合材を構成するポリエチレン樹脂の80質量%以上が低密度ポリエチレンである、請求項28~40のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
- 前記複合材中、前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部に対するポリプロピレンの含有量が20質量部以下である、請求項28~41のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
- 前記複合材中、前記ポリエチレン樹脂と前記セルロース繊維の総含有量100質量部に対するポリエチレンテレフタレート及び/又はナイロンの総含有量が10質量部以下である、請求項28~42のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法。
- 請求項28~43のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材の製造方法を実施することを含む、紙、ポリエチレン薄膜層及びアルミニウム薄膜層を有するポリエチレンラミネート加工紙からなる飲料パック及び/又は食品パックのリサイクル方法。
- 請求項1~25のいずれか1項に記載のセルロース・アルミニウム分散ポリエチレン樹脂複合材又は請求項26に記載のペレットと、少なくとも高密度ポリエチレン及び/又はポリプロピレンとを混合し、該混合物を成形して成形体を得ることを含む、成形体の製造方法。
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