JP7178096B2 - コンニャク芋麹の製造方法、および、コンニャク芋麹の利用方法 - Google Patents

コンニャク芋麹の製造方法、および、コンニャク芋麹の利用方法 Download PDF

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本発明は、コンニャク芋麹の製造方法、および、コンニャク芋麹の利用方法に関する。
麹には産業用目的で調製される襖麹のような食用や食料とならない例は別として、通常に酒、焼酎、味噌、醤油などの醸造用またはそれに類する目的で調製される麹は、米と麦が主で、まれにサツマ芋が該当する(例えば、特許文献1)。米麹と麦麹は我が国での伝統的な醸造用麹として使用される以外に、種々な広い用途が知られている。芋麹はジャガイモ澱粉を麹材に使用することは稀で、多くは麹や糖化酵素による加水分解の対象で、麹そのものを調製するには相応しくない。サツマイモもジャガイモ澱粉と同様に加水分解の対象として芋焼酎醸造などに利用されている。適当量に米麹や麦麹と蒸煮した芋を混合して、麹の酵素によって芋澱粉の糖化を促すものである。一方、広く流通しているとは言えないが、鹿児島県の一部では全芋麹焼酎の製造が、米麹や麦麹などの補助酵素材を使用しないで実施されている例がある。蒸煮したサツマ芋での麹カビの生育を促すために、内部が嫌気的にならない工夫を講じて麹菌の増殖を図り、麹アミラーゼ活性が発揮される環境を保証するものである。
特許第6179963号公報
上記のような背景から、麹材として使用されるのはサツマイモ、あるいは芋麹といえばサツマイモを麹材としたものを指すと言える。一方、本明細書において以下に述べるコンニャク芋を麹材として使用した例はこれまで皆無である。理由として、ヒトが全く消化できない炭水化物組成として知られるグルコマンナンを主成分として含んでいる。そのために、通常の麹アミラーゼが作用しにくいことが指摘できるので麹材としてはきわめて異色である。
本発明は、コンニャク以外食用にならない炭水化物組成を含むコンニャク芋を麹基質として用いたコンニャク芋麹の提供を課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するため、麹基質としてのコンニャク芋の処理方法について鋭意検討した。その結果、乾燥させたコンニャク芋のスライス片を高圧蒸煮処理し、蒸煮処理後のコンニャク芋を粉砕片とすることで糸状菌が生育可能な麹基質として調製することに成功した。
本発明は上記知見に基づき完成された発明であり、以下の態様を含む:
本発明の一態様は、
〔1〕コンニャク芋麹を製造する方法であって、
(a)コンニャク芋をスライスする工程と
(b)スライスしたコンニャク芋を乾燥する工程と
(c)乾燥したコンニャク芋のスライス片を蒸煮する工程と
(d)蒸煮したコンニャク芋のスライス片を粉砕する工程と
(e)蒸煮したコンニャク芋の粉砕片を麹基質として糸状菌を植菌し、コンニャク芋麹を得る工程と
を含む方法に関する。
また、本発明のコンニャク芋麹の製造方法は一実施の形態において、
〔2〕上記〔1〕に記載のコンニャク芋麹の製造方法であって、
前記糸状菌の植菌が、あらかじめ前記糸状菌を種培養することにより得られた種培養液を添加することにより行われることを特徴とする。
また、本発明のコンニャク芋麹の製造方法は一実施の形態において、
〔3〕上記〔1〕または〔2〕に記載のコンニャク芋麹の製造方法であって、
前記糸状菌が、Mucor属、Rhizopus属、Monascus属、Absidia属、Armillaria属、Aspergillus属、Gibberella属、Neurospora属、Penicillium属、Trichoderma属からなる群より選択される少なくとも一つの属に属する菌であることを特徴とする。
また、本発明のコンニャク芋麹の製造方法は一実施の形態において、
〔4〕上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のコンニャク芋麹の製造方法であって、
前記(d)蒸煮したコンニャク芋のスライス片を粉砕する工程が、前記スライス片を直径2~5mmの粉砕片とする工程であることを特徴とする。
また、本発明の別の態様は、
〔5〕発酵性糖液の製造方法であって、
上記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の製造方法により得られたコンニャク芋麹を用いてコンニャク芋を加水分解する工程を含む方法に関する。
また、本発明の別の態様は、
〔6〕果糖液の製造方法であって、
(i)上記〔5〕に記載の方法により得られた発酵性糖液に含まれる糖を接触還元により糖アルコールへと変換し糖アルコール溶液を得る工程と
(ii)前記糖アルコール溶液に含まれる糖アルコールを、酢酸菌を用いて酸化することにより果糖へ変換し、果糖液を得る工程と
を含む、方法に関する。
また、本発明の別の態様は、
〔7〕発酵飲食品の製造方法であって、
上記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の方法により得られたコンニャク芋麹を用いて発酵飲食品を製造する工程を含む、方法に関する。
また、本発明の別の態様は、
〔8〕麹基質としてのコンニャク芋の破砕片、および、麹菌としての糸状菌を含む、コンニャク芋麹に関する。
また、本発明のコンニャク芋麹の一実施の形態は、
〔9〕上記〔8〕に記載のコンニャク芋麹であって、
前記糸状菌が、Mucor属、Rhizopus属、Monascus属、Absidia属、Armillaria属、Aspergillus属、Gibberella属、Neurospora属、Penicillium属、Trichoderma属からなる群より選択される少なくとも一つの属に属する菌であることを特徴とする。
また、本発明の別の態様は、
〔10〕上記〔8〕または〔9〕に記載のコンニャク芋麹を含む、発酵飲食品に関する。
本発明によれば、これまで麹基質として用いることのできなったコンニャク芋から、コンニャク芋麹の製造を可能とするものである。
図1は、スライスした乾燥コンニャク芋を示す画像である。 図2は下記実施例1において、(1)Aspergillus oryzae moromi、(2)Aspergillus oryzae hikami、(3)Aspergillus luchuensis AKU 3302、および、(4)Aspergillus sojae AKU 3312の4種の糸状菌をそれぞれコンニャク芋切片上で生育させた際のそれぞれの生育状況を示す画像である。 図3は下記実施例2において製造した、Asp. luchuensis AKU 3302を麹菌とするコンニャク芋麹(出麹の段階)を示す画像である。
本発明の一態様は、コンニャク芋麹を製造する方法に関する。本発明に係るコンニャク芋麹の製造方法は、(a)コンニャク芋をスライスする工程、(b)スライスしたコンニャク芋を乾燥する工程、(c)乾燥したコンニャク芋のスライス片を蒸煮する工程、(d)蒸煮したコンニャク芋のスライス片を粉砕する工程、(e)蒸煮したコンニャク芋の粉砕片を麹基質として糸状菌を植菌し、コンニャク芋麹を得る工程を含む。以下、(a)~(e)の各工程について説明する。
(a)スライス工程
コンニャク芋を原料とし、原料となるコンニャク芋を洗浄後、コンニャク芋を好ましくは5~10 mm程度の厚さにスライスする。スライスする方法は特に制限されず、スライサーなど公知の手段を用いてスライスする。
上記範囲の厚さにコンニャク芋をスライスすることで、後の乾燥工程にかかる時間を短縮することができ、かつ、後の破砕工程において好ましいコンニャク芋の破砕片の大きさとすることができる。
なお本明細書において「コンニャク芋」とは、サトイモ科の多年生植物であるコンニャク(Amorphophallus konjac)の塊茎をいう。本発明のコンニャク麹の製造に用いるコンニャク芋は大きさ、形状等、特に制限されない。また傷んでいたり、微生物による部分的な腐食など規格外で、コンニャク食材用として出荷できないコンニャク芋も本発明では問題なく受け入れることができる。
本明細書において「コンニャク芋麹」とは、麹基質としてのコンニャク芋に糸状菌を植菌して得られた麹であり、コンニャク芋を基質として糸状菌が生育したものをいう。糸状菌の成長は、菌糸が伸長して胞子を着生せずにコンニャク切片全体を覆っていることをもって確認することができる。
(b)乾燥工程
スライス工程により得られたコンニャク芋のスライス切片は、切片が重なり合わないように、約30℃、湿度35~40%の条件下、約3日静置して乾燥させる。乾燥工程は、例えば、前記する条件を満たす乾燥室内で行うことができる。乾燥工程においてコンニャク芋のスライス片は、含水率が11%好ましくは10%以下となるように乾燥させることが好ましい。
上記の条件で乾燥させることで、微生物による汚染もなく長期保存の可能なコンニャク芋切片となり好ましい。
(c)蒸煮工程
乾燥させたコンニャク芋のスライス片は、約1.2気圧、および、約120℃の条件下において、約60分蒸煮処理する。蒸煮とは、加圧蒸気により加熱処理(オートクレーブ処理)することをいい、蒸煮処理にはオートクレーブなどの公知の装置を用いることができる。
蒸煮工程は、高圧条件下で行うことが好ましい。高圧蒸煮とすることで、形が崩れることなく後の工程に好ましい硬さの蒸煮切片となり好ましい。
(d)粉砕工程
蒸煮したコンニャク芋のスライス片は、肉挽き機などにより粉砕して粉砕片とする。粉砕手段は粉砕片の大きさが均質となるように粉砕できるものであれば特に制限されず、公知の手段を用いることができる。粉砕処理後の粉砕片は2~5mmの挽き肉ミンチ状とすることが好ましい。より好ましくは直径2~4mmの挽き肉ミンチ状であり、最も好ましくは直径3mmの挽き肉ミンチ状である。粉砕片を直径2~5mmの挽き肉ミンチ状とすることで、米麹や麦麹製造時に調製される蒸煮した米粒や麦粒に近い状態となって、麹菌の麹基質の中への伸長に好ましい。麹製造において菌糸の根に相当する部分の破精込みが良いことが望まれるが、直径5mmを超えて破砕片が厚くなると、破精込みに多く含まれる加水分解酵素の分泌が悪くなる。一方、直径2mmより細すぎるとスライス片同士が密着して団子状になって内部を好気的状況に保つことが難しくなる。
(e)麹製造工程
コンニャク芋の粉砕片を麹基質として、通常の製法により当該破砕片に麹菌を植菌、培養してコンニャク芋麹を得る。植菌は、麹菌を含む培養液等を適量の蒸煮したコンニャク芋切片とともに肉挽き器することにより行うことができる。麹菌を植菌した後の培養は常法に従い行うことができ、例えば約30℃、湿度35~40%の条件下で約3日間程度培養する。培養により、麹菌が植菌時と比較して十分に生育した後、コンニャク芋麹として出麹できる。
このようにして得られたコンニャク芋麹を種麹として、別途に蒸煮したコンニャク芋のスライス片と肉挽き器でさらに混合することで、コンニャク芋麹を増産できる。
本発明のコンニャク芋麹の製造方法に用いることができる糸状菌としては、以下に限定されないが、Mucor属、Rhizopus属、Monascus属、Absidia属、Armillaria属、Aspergillus属、Gibberella属、Neurospora属、Penicillium属、および、Trichoderma属に属する糸状菌を挙げることができる。好ましくはMucor属、Aspergillus属、Gibberella属、Penicillium属、および、Trichoderma属に属する糸状菌であり、最も好ましい糸状菌はAspergillus属に属する糸状菌である。
またMucor属の糸状菌として好ましくはMucor racemosus、Mucor javanicus、および、Mucor fragilisを挙げることができ、Rhizopus属の糸状菌として好ましくはRhizopus nigricans、および、Rhizopus oryzaeを挙げることができ、Monascus属の糸状菌として好ましくはMonascus anka、および、Monascus purpureusを挙げることができ、Absidia属の糸状菌として好ましくは、Absidia lichteimiを挙げることができ、Armillaria属の糸状菌として好ましくは、Armillaria melleaを挙げることができ、Aspergillus属の糸状菌として好ましくは、Aspergillus awamori、Aspergillus oryzae、Aspergillus luchuensis、Aspergillus soyaeを挙げることができ、Gibberella属の糸状菌として好ましくは、Gibberella fujikuroiを挙げることができ、Neurospora属の糸状菌として好ましくは、Neurospora crassaを挙げることができ、Penicillium属の糸状菌として好ましくは、Penicillium chrysogenum、Penicillilum notatumを挙げることができ、Trichoderma属の糸状菌として好ましくは、Trichoderma reeseiを挙げることができる。
糸状菌は上記に列挙する群より選択されるような一種を麹菌として麹基質へ植菌することができ、また二種以上の糸状菌を同時に植菌に用いても良い。
一実施の形態において、蒸煮したコンニャク芋の粉砕片に植菌する糸状菌は、あらかじめ種培養したものを用いることができる。あらかじめ種培養を行う場合、種培養により得られた糸状菌を含む種培養液をコンニャク芋の粉砕片に対して散布または添加することができる。
種培養
種培養は、常法に従い行うことができ、例えばCzapek培地などの糸状菌を培養する公知の培養液中に糸状菌を植菌して、30℃の条件下、200 rpmでしんとう培養することにより実施することができる。種培養の培養時間は十分に菌糸が生育するまで行えばよく、例えば、2日間行うことが好ましい。ここで、十分に菌糸が生育するとは、麹菌が小さな粒状またはそれがさらに生育した結果パルプ状の状態になることをいう。十分に菌糸が生育した状態として好ましくは、種培養に用いた培地の大半が麹菌によって占められており、かつ、胞子の着生がほとんど認められない状態である。
あらかじめ種培養した糸状菌を麹菌としてコンニャク芋の粉砕片へ植菌することで、コンニャク芋の粉砕片全体が菌糸に覆われる状態となり好ましい。
本発明の別の態様は、上記のコンニャク芋麹の製造方法により得られたコンニャク芋麹を用いてコンニャク芋を加水分解する工程を含む、発酵性糖液の製造方法を提供する。
コンニャク芋の加水分解工程
加水分解工程は、公知の麹を用いた米麹、麦麹やサツマイモ麹を糖化する際の加水分解処理に準じて実施することができる。以下の方法に限定されないが、一実施の形態において加水分解工程は、コンニャク芋麹とコンニャク芋とを混合して混合物を得て、当該混合物に水を添加して恒温槽内(例えば、55℃)で数時間程度加水分解処理を進める。このとき、コンニャク芋麹と混合するコンニャク芋は、上述するスライス工程、乾燥工程、蒸煮工程、および、粉砕工程を経た、コンニャク芋の粉砕片としておくことが好ましい。コンニャク芋麹とコンニャク芋とは、以下に制限されないが、例えば重量比1:2~1:5の割合で混合物とすること好ましく、当該混合物に対して添加する水は最終加水分解液に期待される糖濃度から概算した割合で添加することができる。このとき、混合物を含む溶媒のpHは5.8~6.3とすることが好ましい。
上記加水分解工程により、従来利用されてこなかったコンニャク芋由来の発酵性糖液を得ることができる。上記加水分解工程により得られるコンニャク芋由来の発酵性糖液は、マンノースとグルコースを主糖分とするコンニャク芋加水分解液(M/G比=約1.6)である。
また、本発明の別の態様は、
(i)上記加水分解工程により得られた発酵性糖液に含まれる糖を接触還元により糖アルコールへと変換し糖アルコール溶液を得る工程と
(ii)前記糖アルコール溶液に含まれる糖アルコールを、酢酸菌を用いて酸化することにより果糖へ変換し、果糖液を得る工程と
を含む果糖液の製造方法を提供する。
(i)糖アルコール製造工程
上記加水分解工程により得られた発酵性糖液に含まれる糖は、水素添加による接触還元などの公知の手法により糖アルコールへ変換する。このとき、発酵性糖液は固形分や糖化酵素などの成分を予め除去しておくことが好ましい。これらの成分の除去方法は特に制限されないが、好ましい除去方法として、発酵性糖液を精密濾過膜や限外濾過膜に通じて濾過して、非透過側に固形分や水溶性高分子を濾別する方法が挙げられる。
水素添加反応は公知であり、例えば、国際公開公報第2007/142000号公報等に開示される手法に準じて行うことができる。具体的には、糖を含む液相を水素存在下に金属触媒と接触させることで糖を還元して糖アルコールを得る。このとき、金属触媒を液相に懸濁させてもよいし(懸濁法)、あるいは液相を流動触媒床(流動床法)または固定触媒床(固定床法)に通してもよい。得られた糖アルコール溶液は、必要に応じて、イオン交換樹脂糖による脱イオン、クロマト分離等による含有量の調整等の方法により、精製や濃縮をしてもよい。
またコンニャク芋由来の発酵性糖液は、マンノースとグルコースを主糖分とすることから、糖アルコール製造工程により得られる糖アルコールの主糖分はマンニトールおよびソルビトールである。
(ii)果糖液製造工程
上記糖アルコール製造工程により得られた糖アルコール溶液に含まれる糖アルコールは、酢酸菌による酸化反応により果糖へ変換する。
糖アルコールを、酢酸菌を用いて果糖にする手法は、糖アルコールを含む培養液中で酢酸菌を培養する公知の手法に準じて実施することができる。(例えば、T. Asai, Oxidation of polyalcohols, in Acetic Acid Bacteria, ed. by T. Asai, pp.148-166 (1968). University of Tokyo Press.参照)
果糖液製造工程に用いる酢酸菌は、マンニトールをフルクトースへと変換可能なマンニトール酸化酵素を有するものであれば特に制限されない。果糖液製造工程に用いることのできる酢酸菌としては、Gluconobacter 属またはGluconacetobacter属に属するほとんどの酢酸菌を挙げることができる。好ましくは、Gluconobacter oxydans やGluconacetobacter liquefaciensなどがある。
培養に用いる培養液は、酢酸菌が生育可能な公知の培養液であればよく、糖アルコール酸化活性を有していれば酢酸菌は死菌でも生菌でもよい。
当業者であれば、果糖液製造工程に用いる酢酸菌に応じて適宜好ましい培養液、培養条件(温度、pH、時間など)を設定することができる。
上記の発明に係る果糖液の製造方法によれば、コンニャク芋加水分解液(M/G比=1.6)を接触水添することで該当する糖アルコールへ変換して、酢酸菌の酵素で酸化することで、一気に高濃度果糖液に変換できる。酢酸菌による糖アルコールの酸化は一方向的に進行して反応平衡がないので、すべての基質の酸化が終了するまで続く。これは、従来の糖の異性化酵素を使用する異性化技術でブドウ糖を果糖への変換(返還率50%)に比べると、酸化発酵が優れていることを示す画期的な技術革新である。
また、本発明の別の態様は、上記のコンニャク芋麹の製造方法により得られたコンニャク芋麹を用いて発酵飲食品を製造する工程を含む発酵飲食品の製造方法を提供する。
ここで「発酵飲食品」とは日本酒や焼酎などの酒、味噌、醤油、魚介醤油、肉醤油、発酵調味料、発酵調味液、醸造調味料、醸造調味液、納豆様食品、テンペ様食品、乳酸飲料、食酢、漬物、糠漬、糟漬、パン、チーズ、熟れ寿司、塩辛などを含む、発酵により製造される飲食品をいう。
当業者であれば、本発明に係るコンニャク芋麹を用いた発酵飲食品を公知の手法に準じて製造することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
米、麦、サツマイモによる製麹では、原料を蒸煮・放冷後に麹菌の胞子を散布・攪拌したのち、我が国伝統の麹蓋に広げて麹室で麹カビの繁殖を促す。本発明では、約1.2気圧、約120℃、約60分で高圧蒸煮した乾燥コンニャク芋を肉挽き機でミンチ状にする際に、以下に示す方法で別途に種培養しておいた麹菌の菌糸と共に肉挽き器にかける。これによって、麹カビ菌糸はコンニャク芋とよく混和させることができる。その後、麹蓋や適当な通気が保証される状態で菌糸を増殖させる。乾燥コンニャク芋は米麦やサツマイモの蒸煮物に比べて硬いために、通常と異なる処理法を施す。
(実施例1.コンニャク芋デンプンの糖化処理に用いる麹菌の検討)
本実施例では、麹菌によるコンニャク芋デンプンの糖化に好ましい菌株を選択した。
種培養
コンニャク芋デンプンの糖化試験に用いた菌株は、Czapek培地(グルコース30g/L、硝酸ナトリウム2g/L、K2HPO4 1g/L、硫酸マグネシウム0.5g/L)に麹菌を一白金耳植菌して、30℃で200 rpmで十分に菌糸が生育するまで(2日位)しんとう培養した。その後、培養液をろ過して得られる菌糸を集めてコンニャク芋デンプンの糖化試験に使用した。
乾燥コンニャク芋
試験に用いた乾燥コンニャク芋は、コンニャク芋(10 kg)を水洗後、5~10 mmにスライスしたのち、約30℃で湿度35~40%の乾燥室で約3日間以上放置して乾燥させることにより得た。重量を測定した結果、乾燥処理によって水分は90%近く除去されていた。
麹菌の生育試験
上記のようにして得られた乾燥コンニャク芋の切片(図1)をガラスシャーレに入れて、約1.2気圧、約120℃で約60分蒸煮した。蒸煮後の乾燥コンニャク芋に対して菌株を植菌・培養し、各菌株について増殖の良否を確認した。旺盛な菌糸の増殖が見られ良好な破精込みを示す菌株はコンニャク芋澱粉の加水分解能力が他に比べて高いと一義的に考えた。
コンニャク芋デンプンの糖化試験に用いた菌株およびその生育結果を下記表1に示す。
Figure 0007178096000001
生育結果として示す「++」及び「+」は、コンニャク芋への菌株の植菌より24時間後に菌糸の生育を示したものを示し、生育結果として示す「-」は、菌糸の生育に24時間を超えた時間を要したものを示す。なお、「++」はコンニャク芋への菌株の植菌より24時間後の菌糸の伸長が明らかに優れていたものを示す。
Aspergillus oryzae moromi1)とAspergillus oryzae hikami2)は山口県産業技術センター保存株である。NBRCの付いていない菌株はAKUの保存番号である。Aspergillus luchuensis AKU3302およびAspergillus luchuensis AKU3333は、Aspergillus niger 3302およびAspergillus niger 3333からそれぞれ改められた株である(山田 修、日本醸造協会雑誌, 110, 64-67, 2015)。
試験した菌株のうち、生育結果として「-」の表記のあるものは、菌株ごとに相違は見られるものの、培養時間を24時間以上に延長することでコンニャク芋に着生することができた。すなわち、生育結果が「-」の菌株も、コンニャク芋麹を製造するための麹菌として使用することができる。コンニャク芋澱粉を良好に加水分解するか否かは試験をしていないが、一般的に菌糸の伸長や胞子の着生が見られることで、程度の差はあるものの、加水分解作用を有することを示している。
(実施例2.コンニャク芋の麹化条件の検討)
以下の試験では、コンニャク芋の麹化条件の検討を行った。麹菌としては、Aspergillus oryzae moromi (1)、Aspergillus oryzae hikami (2)、Aspergillus luchuensis AKU3302 (3) 及び、Aspergillus soyae AKU 3312 (4) を用いた(図2)。上記実施例1の試験において、Aspergillus oryzae moromi (1)とAspergillus soyae AKU 3312 (4)は胞子の着生が顕著であった。また、Aspergillus oryzae hikami (2) および Aspergillus luchuensis AKU 3302 (3)は、Aspergillus oryzae moromi (1)およびAspergillus soyae AKU 3312 (4)に比べて菌糸の伸長が早いことから、コンニャク芋での生育すなわち加水分解能力がより優れているとみなした。
なお上記4株の糸状菌のうち、胞子着生が最も遅く、かつ局所的に発生しているAspergillus luchuensis AKU 3302(3)がコンニャク芋の麹菌として好ましい菌株であることが、以下の結果から明らかになった。
コンニャク芋の糖化試験
実施例1と同様にして得た乾燥コンニャク芋スライス(20 g)を1.2 気圧、120℃で60分蒸煮後、肉挽き機(ベリタスミートチョッパー、No. 5-A型、山内工業所製)で均一に破砕したのち全量を4等分した。それぞれ乾燥コンニャク芋5gに相当する。実施例1と同様にして種培養しておいた上記4株を蒸煮コンニャク芋の粉砕片と混和することで植菌した。約30℃で湿度30~40%の麹室へ移したのち、1日2回かき混ぜることで菌糸を全面に繁殖させた。2日間の培養後、菌糸が繁殖した麹を500 ml容量の三角フラスコへ移し、約300 mlになるように水を加えた。pHはいずれも5.8~6.3であった。麹懸濁液を55℃の恒温槽へ移し、加水分解を行った。加水分解開始から12時間後と24時間後の糖度をアタゴ糖度計で測定した。結果を下記表2に示す。糖度はBrixという単位で表され、野菜や果物の果汁100gの中に糖分(ショ糖)が何g含まれるかを目盛にした濃度のことで、単位は百分率(%)で表示される。
Figure 0007178096000002
いずれの菌株とも上記条件下で、24時間後にも急速な糖濃度の上昇が見られなかったので、加水分解反応は終了点に近いことを示している。いずれの菌株もスクリーニングの結果が示すように、良好に加水分解活性を示し、中でもAspergillus luchuensis AKU3302で良好な結果が得られた。
そこで、乾燥コンニャク芋スライス100gを蒸煮後、粉砕して、500 mlのCzapek培地で種培養したAspergillus niger (Aspergillus luchuensis) AKU3302の菌糸を当該コンニャクイモの粉砕片に植菌して、図3に示すようなコンニャク芋麹を調製した。上記の例に倣って、55℃で加水分解を行った。加水分解処理の結果、所定通り約20%の糖分を含む加水分解液が得られ、ここに初めてコンニャク芋から発酵性糖液が得られることを示した。文献(宮越俊一、こんにゃくとグルコマンナンの化学、化学と教育、64, 292-295, 2016)では、コンニャク芋はグルコマンナンを主成分とする炭水化物が含まれ、マンノースとグルコースの比率(M/G)は1.6と言われ、マンノースが約60%を占めている。マンノースもグルコースもアルコール発酵酵母によってよく発酵される。上記のような操作によって、発酵用糖類として顧みられることがなかったコンニャク芋が新規なアルコール発酵の炭素源として提供できるようになった。
なお、文献(佐藤利夫、森谷彰彦、水口 純、鈴木周一、コンニャクグルコマンナンの酵素分解、日本化学雑誌、91, 1071-1075, 1970)によれば、コンニャク粉(精粉)に市販のマンナナーゼを作用させてグルコマンナンを加水分解することができると書かれているが、このような局面に利用できる強力なマンナナーゼは市販されていない。仮に部分精製されたマンナナーゼが利用できたとしても、コンニャク芋由来のポリフェノールやタンニン成分によって、酵素剤はたちまち鞣され失活・不活性化されて使用に耐えない。
ここに示した事例から明らかなように、コンニャク芋麹は麹アミラーゼが容易に作用できる蒸煮した米、麦やサツマイモと異なり、麹アミラーゼを直接作用させるには障害が多すぎる。発明者らがこれまでに発表した、コーヒー粕麹(AMB, 81, 143-151, 2008)やマテ茶麹(Biocatal. Agric. Biotechnol,4, 327-334, 2015; 同, 14, 395-401, 2018) の事例と同様に、糸状菌を直接繁殖させることで誘導される多種類の加水分解酵素による方法が最も効率的な加水分解法である点でも、従来法と比べて本特許の持つ新規性は際立っている。
糖化の進行と共に加水分解液は黒化する。含まれる配糖体の加水分解で植物体に潜在的に存在していた配糖体の加水分解の結果、ポリフェノールやタンニン成分が遊離してきたためと容易に推測できる。麹アミラーゼが容易に作用できる蒸煮した米、麦やサツマイモ等とは異次元な加水分解の世界が展開される。

Claims (8)

  1. コンニャク芋麹を製造する方法であって、
    (a)コンニャク芋をスライスする工程と
    (b)スライスしたコンニャク芋を乾燥する工程と
    (c)乾燥したコンニャク芋のスライス片を蒸煮する工程と
    (d)蒸煮したコンニャク芋のスライス片を粉砕する工程と
    (e)蒸煮したコンニャク芋の粉砕片を麹基質として糸状菌を植菌し、コンニャク芋麹を
    得る工程と
    を含み、
    前記糸状菌が、ケカビ(Mucor)属、クモノスカビ(Rhizopus)属、モナスカス(Monascus)属、ユミケカビ(Absidia)属、ナラタケ(Armillaria)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ジベレラ(Gibberella)属、アカパンカビ(Neurospora)属、アオカビ属(Penicillium)属、トリコデルマ(Trichoderma)属からなる群より選択される少なくとも一つの属に属する菌である、方法。
  2. 請求項1に記載のコンニャク芋麹の製造方法であって、
    前記糸状菌の植菌が、あらかじめ前記糸状菌を種培養することにより得られた種培養液を添加することにより行われる、方法
  3. 請求項1または2に記載のコンニャク芋麹の製造方法であって、
    前記(d)蒸煮したコンニャク芋のスライス片を粉砕する工程が、前記スライス片を直径2~5mmの粉砕片とする工程である、方法。
  4. 発酵性糖液の製造方法であって、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法により得られたコンニャク芋麹を用いてコンニャク芋を加水分解する工程を含む、方法。
  5. 果糖液の製造方法であって、
    (i)請求項4に記載の方法により得られた発酵性糖液に含まれる糖を接触還元により糖アルコールへと変換し糖アルコール溶液を得る工程と
    (ii)前記糖アルコール溶液に含まれる糖アルコールを、酢酸菌を用いて酸化することにより果糖へ変換し、果糖液を得る工程と
    を含む、方法。
  6. 発酵飲食品の製造方法であって、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の方法により得られたコンニャク芋麹を用いて発酵飲食品を製造する工程を含む、方法。
  7. 麹基質としてのコンニャク芋の破砕片、および、麹菌としての糸状菌を含む、コンニャク芋麹であって、
    前記糸状菌が、ケカビ(Mucor)属、クモノスカビ(Rhizopus)属、モナスカス(Monascus)属、ユミケカビ(Absidia)属、ナラタケ(Armillaria)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ジベレラ(Gibberella)属、アカパンカビ(Neurospora)属、アオカビ属(Penicillium)属、トリコデルマ(Trichoderma)属からなる群より選択される少なくとも一つの属に属する菌であり、かつ、
    (a)コンニャク芋をスライスする工程と
    (b)スライスしたコンニャク芋を乾燥する工程と
    (c)乾燥したコンニャク芋のスライス片を蒸煮する工程と
    (d)蒸煮したコンニャク芋のスライス片を粉砕する工程と
    (e)蒸煮したコンニャク芋の粉砕片を麹基質として糸状菌を植菌し、コンニャク芋麹を得る工程からなるコンニャク芋麹を製造する方法により得られた、コンニャク芋麹。
  8. 請求項7に記載のコンニャク芋麹を含む、発酵飲食品。
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