JP7177517B2 - 電解イオン水生成機 - Google Patents
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Description
本発明の電解イオン水生成機の実施形態を、図面を参照して説明する。この実施形態はあくまでも一例であり、本発明は図に示す電解イオン水生成機に限定されるものではない。
図2のように、給水タンク2は上部が給水部11、下部がフィルタケース12であり、給水部11とフィルタケース12が給水部11の底板13(図2)で仕切られている。底板13には通水用の小孔14があり、給水部11に入れた水道水が小孔14を通過してフィルタケース12内のフィルタ3に流下するようにしてある。底板13にはメッシュ材、パンチングメタル等を使用することができる。給水部11の上方開口部15はカバー16で開閉することができる。給水タンク2はフィルタケース12と共に生成機1の上部の設置空間26(図5~図8)内に脱着可能である(図2、図5(a))。フィルタケース12は給水タンク2と別体にして、給水タンク2とは別々に、設置空間26に脱着可能とすることもできる。
フィルタ3は給水タンク2に給水される水道水に含まれるカルシウム等をろ過して軟水にするものである。フィルタ3には、例えば、汎用のメッシュフィルタ、活性炭フィルタ(ACフィルタ)、逆浸透膜フィルタ(ROフィルタ)、その他のフィルタを使用することができる。使用後のフィルタ3はフィルタケース12から取り出して新しいフィルタと交換することができる。
添加剤投入部4は、投入口4aと出口4bを備えた筒状である(図3)。投入口4aは生成機1の上面に開口しており、キャップ4c(図1(a))により開閉可能である。出口4bは生成部5の陽極槽(電解液タンク)17(図2)の上に配置して、投入口4aから投入された添加剤が電解液タンク17内に落下し、電解液タンク17内の軟水に溶解して電解質液(電解液)になるようにしてある。この場合、添加剤投入部4の出口4bに多数の通孔のある底板を設け、その底板が電解液タンク17内の軟水に浸るようにしておくことにより、添加剤投入部4に投入された添加剤が底板の上で溶解して、電解液タンク17内に流出するようにすることもできる。
添加剤には炭酸カリウム(K2CO3)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)等が用いられる。添加剤は生成する電解イオン水の量に応じた量を、前記陽極槽17(図2)内の軟水に投下する。一例として、一回の運転で1Lの強アルカリイオン水を生成する場合、42g程度の添加剤で4回生成可能である。添加剤は粒状、粉状、固形、液状等のいずれの形態でもよいが粒状、粉状が取り扱い易い。これら添加剤を一回の投入量ずつ分包しておき、分包された分だけを使い切りにしておくと使い勝手が良い。分包した添加剤は、生成機1内に添加剤貯蓄部を設けて、その中に収容しておくと使い勝手が良い。添加剤は生成する電解イオン水の性質に合わせて前記以外のものを使用することもできる。以下の説明では、説明の便宜上、添加剤を「POCA」と記すこともある。
生成部5は図2のように、イオン交換膜20とそれを挟んだ陽極板21と陰極板22を一つのタンク23内に配置固定して、タンク23内を陽極板21側の陽極槽(電解液タンク)17と、陰極板22側の陰極槽(生成タンク)18に区画して一つにまとめた電解セル24としてある。電解セル24は生成機1の生成装置収容空間25(図2)内に出し入れ可能として、新しい電解セルと交換できるようにしてある。イオン交換膜20は水は通さず、陽イオンのみを通す性質の交換膜である。例えば、旭硝子株式会社製の「セレミオン」(登録商標)や、デュポン株式会社製の交換膜等を使用することができる。
容器収容部8は生成機1の下部であって電解セル24の生成タンク18(図2)の下に設けてあり、回収容器7を出し入れできるサイズの空間である。容器収容部8の内側又は外側には報知ランプ(図示しない)を設けて電解イオン水生成中に点灯するようにしてある。報知ランプにはLEDが適する。報知ランプは電解イオン水生成中だけでは点灯せず、電解イオン水生成中であり且つ回収容器7が容器収容部8内の所定位置に収容(セット)されているときにだけ点灯するようにすれば、電解イオン水生成中であることと、電解イオン水が回収容器7に回収されていることの双方を報知することができる。この場合は、容器収容部8内に容器センサーを設けて、回収容器7が容器収容部8の所定位置にセットされたことを検知できるようにする。
排出ポンプ6(図2)は生成機1の生成タンク18内に溜まった電解イオン水を排出するものであり、当該排出ポンプ6の稼働により容器収容部8内の回収容器7に排出する。このポンプには汎用のポンプを使用することができる。
回収容器7は排出ポンプ6で生成タンク18から排出される電解イオン水を収容(回収)するものである。図示した回収容器7はカップであるが、電解イオン水を回収できるものであればカップ以外のもの、例えば、ボトル、その他のものであってもよい。
排水ホース10aは生成タンク18内に生成された電解イオン水排出用であり、排水ホース10bは電解液タンク17内の電解液排出用である。いずれの排水ホースもホース止具10c、10d(図1(b))から外して排水することができる。
生成機1の上面には操作表示部9(図1(a))がある。操作表示部9には図4のように、電源ランプ35、運転ランプ36、電解ランプ37、POCAランプ38、フィルタランプ39、セルランプ40、運転ボタン41、リセットボタン42がある。生成機1の主電源スイッチSW(図5(b))を入れると、電源ランプ35からセルランプ40までの全てのランプが順に点灯し、2循点灯する。2循後は電源ランプ35、電解ランプ37のみが点滅するようにしてある。
運転ボタン41を押すと、生成運転が開始するようにしてある。
電源ランプ35は、電源投入時の前記2循点灯の後、点滅に変わり、添加剤投入部4(図3)内の水が適量となると点灯に変わるようにしてある。
運転ランプ36は、電源投入時の前記2循点灯の後、消灯し、電解イオン水生成中に点灯するようにしてある。
電解ランプ37は、電源投入時の前記2循点灯の後、点滅に変わり、生成タンク18(図2)内の水が適量となると消灯するようにしてある。
POCAランプ38は、添加剤(POCA)の投入が必要な時に点灯する。点灯時に規定量の添加剤(前記分包1袋)を投入口4aから投入し、その後、リセットボタン42(図4)を長押し(例えば、2秒以上)すると、リセットされて消灯するようにしてある。
フィルタランプ39は、フィルタ3の寿命が近くなると点滅し、寿命を超えると点灯する。点灯してから約10回、電解イオン水の生成後、機器保護のため運転できなくなり、フィルタランプ39が点滅してフィルタの交換を要求するようにしてある。
セルランプ40は、電解セル24(図2)の寿命が近くなると点滅し、寿命を超えると点灯する。点灯してから約10回、電解イオン水の生成後、機器保護のため運転できなくなり、セルランプ40が点滅して、電解セルの交換を要求するようにしてある。
リセットボタン42を長押し(例えば、2秒以上)すると、POCAランプ38、フィルタランプ39の点灯、点滅を停止できるようにしてある。
本発明の生成機1で電解イオン水を生成するには、一例として、次のようにして行うことができる。
1.生成機1の準備
図5(b)のように、AC電源コードCを、商用電源のコンセントDと生成機1のコンセントEに接続してから、主電源スイッチSWを投入する。これにより、操作表示部9の全てのランプ(図4)が電源ランプ35からセルランプ40側に順に点灯し、点灯2循後、電源ランプ35と電解ランプ37の点滅のみとなる。
2.軟水の生成
(1)図5(a)のように、生成機1の容器収容部8から取り出した回収容器7の上に、生成機1から取り出した給水タンク2を載せる。このとき、フィルタケース12を回収容器7内に収まるように載せる。給水タンク2に被さっているカバー16を取り外す。
(2)給水タンク2に水道水を入れて、フィルタケース12内のフィルタ3で水道水のカルシウム等を除去して軟水にする。
3.軟水の投入
(1)生成機1の添加剤投入部4の投入口4aのキャップ4c(図5(a))を取り外してから、前記2の操作で生成した回収容器7内の軟水を、図7のように生成機1の投入口4aから添加剤投入部4(図3)内に投入する。水道水を投入すると、水道水に含まれるカルシウム等が電解セル24(図2)に付着して、電解セル24の早期故障の一因となるので、前記軟水を投入する。
(2)一杯の回収容器7内の軟水で足りないときは、前記2の軟水の生成を繰り返し、生成した軟水を回収容器7から投入口4に投入する。
(3)投入された軟水が規定量になると、前記電源ランプ35(図4)が点滅から点灯に変わる。このとき、電解ランプ37は点滅のままである。
(4)電源ランプ35が点灯に変わったら、給水タンク2を生成機1の設置空間26内に戻し(図8)、空になった回収容器7を生成機1の容器収容部8内に戻す。
4.生成機の運転
(1)生成用水の給水
生成機1に戻した給水タンク2に水道水を給水する。このとき、水道水を前記回収容器7に入れて給水することができる。給水された水道水は給水タンク2からフィルタケース12内のフィルタ3に落下し、フィルタ3を通過することにより水道水のカルシウム等が除去されて軟水となり、生成タンク18(図2)内に貯水される。貯水が完了すると、電解ランプ37の点滅が消え、電源ランプ35の点灯のみとなる。電解ランプ37の点滅が消えないときは水量不足であるから、その点滅が消えるまで給水タンク2に水道水を追加する。給水が完了したら、給水タンク2にタンクカバー16(図3)を被せる。前記給水タンク2への水道水の給水には、回収容器7のカップ、ボトル等の容器を使用することもできる。
(2)添加剤の投入
投入口4a(図3)から添加剤投入部4内に炭酸カリウム(K2CO3)等の添加剤を投入する。添加剤は、前記のように、あらかじめ所定量ずつ分包してあるものを開封して投入する。添加剤投入部4内の添加剤が電解液タンク17(図2)内の軟水に落下して溶解し、カリウムイオンの電解液となるが、イオン交換膜20(図2)は陽イオンのみを通すため、電解液自体が生成タンク18内の原水(軟水)に混ざることはない。
(3)生成機の運転開始
前記軟水の生成に使用した回収容器7(図5(a))を、図3のように容器収容部8内に戻す。容器収容部8内の奥の壁に突き当たるまで押し込む。電源ランプ35のみ点灯状態であることを確認後、運転ボタン41を操作すると、電源ランプ35、運転ランプ36、電解ランプ37の全てが点灯し、電解イオン水の生成が開始される。この間、生成部5内で電気分解が行われて、電解液タンク17からカリウムイオン等の陽イオンがイオン交換膜20を透過して生成タンク18内に入り、生成タンク18内で還元反応がおきて電解イオン水(アルカリイオン水、強アルカリイオン水)が生成される。生成中は容器収容部8の近くに設けた報知ランプが点滅して生成中であることを知らせる。予め設定してある時間、例えば、15分程度で電解イオン水が生成される。生成が完了すると、運転ランプ36の点灯が消え、電源ランプ35と電解ランプ37の点灯のみとなる。
生成された電解イオン水は、前記生成タンク18内に溜まる。溜まった電解イオン水は排水ポンプ6(図2)の作動で、容器収容部8に収容されている回収容器7へ排出され、回収容器7に蓄えることができる。
添加剤投入から、生成回数が4回を経過するとPOCAランプ38が点灯して添加剤の投入が要求される。このとき、新たに添加剤を投入し、リセットボタン42を長押しするとPOCAランプ38が消灯して、新たな生成が可能となる。
生成を数回繰り返すと、電解液タンク17内の軟水が蒸発し、減量することがある。このような場合は、電源ランプ35が点滅するようにしてある。点滅した場合は、添加剤投入部4に軟水を注水する。軟水は前記と同様に給水タンク2を使用して、フィルタ3を通して生成した軟水を使用することができる。この場合、電源ランプ35が点滅から点灯に変わるまで注水する。
添加剤を既定量より多く入れ過ぎると、電源装置に負担が掛りすぎるので、電解イオン水生成中であっても生成機1が停止するようにしてある。このときは、主電源スイッチSWを切ってから、生成機1の運転を停止し、排水ホース10bから、電解液タンク17内の電解液を全量排出し、電解液タンク17内を水道水で洗浄する。洗浄後の電解液タンク17内に軟水を注水して、生成を再開する。
生成機1を移動あるいは移設するときは、生成機1の故障発生を防止するため、電解液タンク17、生成タンク18内の液体は全量排出することが望ましい。そのときは、夫々のタンク内の液体を排水ホース10a、10bから排水する。
2 給水タンク
3 フィルタ
4 添加剤投入部
4a (添加剤投入部の)投入口
4b (添加剤投入部の)出口
4c キャップ
5 電解イオン水生成部(生成部)
6 排出ポンプ
7 回収容器
8 容器収容部
9 操作表示部
10a、10b 排水ホース
10c、10d ホース止具
11 (給水タンクの)給水部
12 (給水タンクの)フィルタケース
13 (給水部の)底板
14 小孔
15 (給水部の)上方開口部
16 カバー
17 電解液タンク(陽極槽)
18 生成タンク(陰極槽)
19 ホース
20 イオン交換膜
21 陽極板
21a 陽極
22 陰極板
22a 陰極
23 タンク
24 電解セル
25 生成装置収容空間
26 設置空間
35 電源ランプ
36 運転ランプ
37 電解ランプ
38 POCAランプ
39 フィルタランプ
40 セルランプ
41 運転ボタン
42 リセットボタン
50 筐体(ケース)
C AC電源コード
D 商用電源コンセント
E 生成機コンセント
P 電源ユニット
SW 主電源スイッチ
Claims (5)
- 電解イオン水生成機において、
前記電解イオン水生成機は、給水タンクと、給水タンクに供給された水を軟水化できるフィルタと、電解イオン水生成用添加剤を投入する添加剤投入部と、電解イオン水を生成する電解イオン水生成部と、電解イオン水生成部で生成されたイオン水を回収する回収容器をセット、取り出し可能な容器収容部と、操作表示部を備え、これらが筐体に装備されており、
前記フィルタは前記給水タンクの下に設けて、給水タンクに供給された水が前記フィルタに落下できるようにしてあり、
前記給水タンクとフィルタは筐体の上部に設けた凹状の設置空間に脱着可能に設置して電解イオン水生成部よりも上方に設けることにより、給水タンクに供給されてフィルタで軟水化された水が前記電解イオン水生成部に落下できるようにしてあり、
前記電解イオン水生成部は、電解質溶液が収容される電解液タンクと、電解イオン水が生成される生成タンクと、陰極板と陽極板とイオン交換膜を備え、
前記添加剤投入部は前記電解イオン水生成部の上方に設けられ、添加剤投入部の添加剤投入口が筐体の外表面に開口しており、添加剤投入口から添加剤投入部に投入された電解イオン水生成用添加剤が電解イオン水生成部の電解液タンク内の軟水に落下して溶解するようにしてあり、
生成タンク内に溜まった電解イオン水は容器収容部内にセットした回収容器に回収することができ、
操作表示部は筐体の外表面に設けてあり、少なくとも、POCAランプ、フィルタランプ、セルランプ、運転ボタンを備えており、
運転ボタンは電解イオン水の生成運転を開始させることができるものであり、
POCAランプは添加剤の投入要求時に作動して添加剤の投入要求を知らせるものであり、
フィルタランプはフィルタの交換要求時に作動してフィルタの交換要求を知らせるものであり、
セルランプは電解セルの交換要求時に作動して、電解セルの交換要求を知らせるものである、
ことを特徴とする電解イオン水生成機。 - 請求項1記載の電解イオン水生成機において、
電解イオン水生成機が生成装置収容空間を備えており、
電解イオン水生成部は、イオン交換膜を挟んだ陽極と陰極が生成タンク内に配置されて、生成タンクが陽極槽と陰極槽に区画された電解セルであり、
前記電解セルは前記生成装置収容空間内に出し入れ可能である、
ことを特徴とする電解イオン水生成機。 - 請求項2記載の電解イオン水生成機において、
電解イオン水生成部の陽極板が配置された電解液タンク、陰極板が配置された生成タンク、イオン交換膜が個別に、電解イオン水生成機の生成装置収容空間内に出し入れ可能に収容配置できる、
ことを特徴とする電解イオン水生成機。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電解イオン水生成機において、
給水タンクとフィルタは電解イオン水生成機から脱着可能である、
ことを特徴とする電解イオン水生成機。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電解イオン水生成機において、
電解イオン水生成機が給水タンク及びフィルタケースを収容可能な設置空間を備え、
給水タンクの下部にフィルタケースがあり、フィルタがフィルタケース内に収容され、給水タンクがフィルタケースと共に又は別々に前記設置空間内に脱着可能である、
ことを特徴とする電解イオン水生成機。
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