JP7176570B2 - 質量分析装置およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は質量分析装置およびプログラムに関する。
分析精度に優れた質量分析装置として、前段にガスクロマトグラフまたは液体ガスクロマトグラフを配置し、クロマトグラフが時間的に分離した試料を後段の質量分析計で質量分析する、GC/MSまたはLC/MS装置が広く使用されている。
クロマトグラフにおいては、分析対象によりカラムを交換する必要があるが、カラムの交換には比較的長時間を要するため、カラム交換に伴う装置の停止を避けるために、複数本のカラムを並列して設置することが可能な質量分析装置も提案されている(特許文献1)。
日本国特開2005-274474号公報
従来のGC/MSおよびLC/MS質量分析装置は、複数のカラムを備えていても、複数のカラムから複数の試料が並行して供給され、複数の試料について並行して質量分析を行う構成とはなっていない。従って、複数の試料を分析する場合には、試料毎に時系列的に別々に分析を行う必要があり、長時間の分析時間が必要になるという課題があった。
本発明の第1の態様によると、質量分析装置は、単一のトリプル四重極マスフィルタ、または単一の質量分解能5000以上の高分解能質量分析計を含む質量分析部と、複数のカラムが接続され、前記複数のカラムから供給される試料を並行して前記質量分析部に供給する接続部と、前記質量分析部を制御する制御部と、を備え、制御部は、複数のカラムからそれぞれ供給される分析対象試料中の検出対象成分に基づいて質量分析部の検出条件を所定時間毎に変更し、複数のカラムから同時に供給される分析対象試料中の検出対象成分が複数の場合にいずれか1つの検出対象成分に基づいて検出条件を決定する。
本発明の第2の態様によると、第1の態様の質量分析装置において、前記質量分析部が前記トリプル四重極マスフィルタを含む場合、前記制御部は、前記複数のカラムからそれぞれ供給される分析対象試料中の検出対象成分に基づいて、前記トリプル四重極マスフィルタの多重反応モニタリングの検出条件を所定時間毎に変更する。
本発明の第3の態様によると、第2の態様の質量分析装置において、前記制御部は、前記複数のカラムからそれぞれ供給される分析対象試料中の前記検出対象成分を識別する識別情報が入力される入力部を有し、前記入力部から入力された前記識別情報に基づいて、多重反応モニタリングの前記検出条件を決定する。
本発明の第4の態様によると、第1の態様の質量分析装置において、前記高分解能質量分析計は、飛行時間型質量分析計、または磁場型質量分析計である。
本発明の第5の態様によると、第1から第4までのいずれかの態様の質量分析装置において、前記接続部にそれぞれ接続される複数のカラムを保持するカラムオーブンを有し、前記制御部は、前記カラムオーブンの温度を制御する。
本発明の第6の態様によると、第5の態様の質量分析装置において、前記接続部に、相互に保持特性の異なるカラムが接続されている。
本発明の第7の態様によると、第6の態様の質量分析装置において、前記カラムオーブンは、前記複数のカラムを別々に昇温するように構成されているとともに、前記制御部は、前記複数のカラムを別々に温度制御するよう前記カラムオーブンを制御する。
本発明の第8の態様によると、第1から第4までのいずれかの態様の質量分析装置において、前記接続部に、それぞれ異なるクロマトグラフ装置のカラムの出力部が接続されている。
本発明の第9の態様によると、制御プログラムは、質量分析装置を制御する制御プログラムにおいて、コンピュータを含む制御装置に、前記質量分析装置に接続される複数のカラムの温度を制御させ、前記複数のカラムからそれぞれ供給される分析対象試料中の検出対象成分に基づいて、単一のトリプル四重極マスフィルタの多重反応モニタリングの検出条件を所定時間毎に変更させ、複数のカラムから同時に供給される分析対象試料中の検出対象成分が複数の場合にいずれか1つの検出対象成分に基づいて検出条件を決定する。
本発明によれば、複数のカラムから供給される複数の試料に対する質量分析を並行して行うことが可能となり、これにより複数の試料を短時間で分析する質量分析装置を実現できる。
図1は、第1実施形態の質量分析装置を表す図。 図2は、質量分析のフローチャートを示す図。 図3(a)はカラム12aに導入される各検出対象成分の保持時間を表す図、図3(b)はカラム12bに導入される各検出対象成分の保持時間を表す図、図3(c)は多重反応モニタリングの検出条件D1~D5と経過時間Tとの関係を表す図。 図4は、第2実施形態の質量分析装置を表す図。
(第1実施形態の質量分析装置)
図1は、第1実施形態の質量分析装置100の構成を示す概略図である。質量分析装置100は、質量分析部20と、複数のカラム12a,12bを有する、図1中の破線で囲われたクロマトグラフ部10と、上記のカラム12a,12bが接続され、カラム12a,12bから供給される試料を並行して質量分析部20に供給する接続部15とを備えている。質量分析装置100は、さらに質量分析部20とクロマトグラフ部10とを制御する制御部40を備えている。
一例として、クロマトグラフ部10はガスクロマトグラフである。
第1実施形態においては、質量分析部20は、第1四重極マスフィルタ24、コリジョンセル26、および第2四重極マスフィルタ29を含む、いわゆるトリプル四重極マスフィルタを含んでいる。
複数のカラム12a,12bは、それぞれカラムオーブン13a,13b内に設置されており、カラム12a,12bの試料導入側には、試料注入部11a,11bが設けられている。図示は省略しているが、カラム12a,12bの試料導入側には、ヘリウム等のキャリアガスを導入するキャリアガス導入部が設けられており、試料注入部11a,11bに注入された試料は、キャリアガスとともにカラム12a,12b内を移動する。カラム12a,12bの出力部(試料排出側)14a,14bは、接続部15に接続されている。上述のように接続部15は、カラム12a,12bから供給される試料を並行して、すなわち時間的にオーバーラップして質量分析部20に供給する。接続部15は、例えば上述の特許文献1に開示される構成を有する。
接続部15から供給された試料は、質量分析部20の中のイオン化室21に導入される。イオン化室21は、一例として、フィラメント22から放射される電子による電子衝突イオン化法により試料中の分子をイオン化するものである。イオン化室21でイオン化された試料中の分子はイオン光学系23により第1四重極マスフィルタ24に導かれる。
第1四重極マスフィルタ24には、電圧供給部25から所定のDC電圧および所定の電圧と周波数を有するAC電圧が混合された高周波電圧(以下「RF電圧」と称する)が印加されている。通常の四重極マスフィルタと同様に、RF電圧の電圧、または電圧および周波数を最適な値に設定することにより、所定の質量電荷比(m/z)を持つイオン(プリカーサーイオン)だけを選択して、第1四重極マスフィルタ24を透過させることができる。
第1四重極マスフィルタ24を透過したプリカーサーイオンは、コリジョンセル26に入射する。
コリジョンセル26にも、所定のDC電圧、および所定の電圧と周波数を有するAC電圧が混合された電圧(以下「コリジョン電圧」と称する)が電圧供給部27から印加されている。このコリジョン電圧によりプリカーサーイオンが誘起され、コリジョンセル26内に供給されるアルゴンや窒素等の不活性ガスと衝突する。衝突によりプリカーサーイオンは、化学結合の弱い部分で開裂し、プロダクトイオンが生成される。生成された各種のプロダクトイオンは、イオン光学系28に導かれて第2四重極マスフィルタ29に入射する。
第2四重極マスフィルタ29には、電圧供給部30から所定のRF電圧が印加されている。このRF電圧により、所定の質量電荷比(m/z)を持つプロダクトイオンだけが第2四重極マスフィルタ29を透過し、検出器31により検出される。
イオン化室21から検出器31までの構成物は、イオン光学系23,28等の中心軸AXに沿って、真空容器32内に配置されている。そして、真空容器32内は、真空ポンプ33によって排気されている。
上述のように、質量分析部20内の、第1四重極マスフィルタ24から、コリジョンセル26および第2四重極マスフィルタ29までの構成は、トリプル四重極マスフィルタを構成している。そして、このトリプル四重極マスフィルタ(24,26,29)により、多重反応モニタリング(Multiple Reaction Monitoring:MRM)による検出を行うことができる。
多重反応モニタリングにおいは、初めに第1四重極マスフィルタ24が、分析すべき成分(分析対象成分)に由来するプリカーサーイオンと同一の質量電荷比を持つイオンのみをより選択的に透過する。その後、第1四重極マスフィルタ24を透過したイオンはコリジョンセル26にて開裂し、プロダクトイオンが生成される。そして、第2四重極マスフィルタ29においても、分析すべき成分に由来するプロダクトイオンと同一の質量電荷比を持つイオンのみをより選択的に透過させる。第2四重極マスフィルタ29を透過したプロダクトイオンは、検出器31で検出される。
多重反応モニタリングにおいては、分析すべき成分を、第1四重極マスフィルタ24によるプリカーサーイオンの選別と、第2四重極マスフィルタ29によるプロダクトイオンの選別との2段階に渡って選別することができる。このため、分析すべき成分を、十分な分離能力をもって他の成分から分離することができる。
制御部40は、クロマトグラフ部10および質量分析部20を制御すると共に、検出器31により検出される検出量のデータを取得し、取得したデータを解析及び処理する。
制御部40は、中央演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)41とメモリ42、ハードディスク(HD)43、液晶パネル等から成る表示部44、キーボードやマウス等から成る入力部46を備えている。
制御部40は、更に、外部装置との直接的な接続や、ネットワークケーブルNWを介しての外部サーバ50との接続を司るためのインタフェース(I/F)47を備えている。CPU41、メモリ42、ハードディスク43、およびインタフェース47は、コンピュータを構成している。
メモリ42またはハードディスク43は、制御部40を制御する制御プログラムを記憶するとともに、CPU22を通じて、後述する各種の情報を記憶する。メモリ4またはハードディスク43は、様々な化合物の分析に必要な情報として、化合物の名称等の識別情報、構造式、各種カラムに対する保持時間、特有なプリカーサーイオンおよびプロダクトイオン、マススペクトルなどが収録されている。
なお、ハードディスク43の代わりに、半導体メモリで構成された固体ディスク(SSD)を用いてもよい。
図2は、第1実施形態の質量分析装置による質量分析のフローを示すフローチャートである。なお、図2に示したフローチャートにおける各ステップは、制御プログラムがCPU41により実行されることにより制御部40を制御して実行される。以下の各ステップでの説明では実行主体である制御プログラムおよびCPU41の説明は省略する。
図2のフローチャートは、クロマトグラフ部10のカラム12a,12bにそれぞれ導入される試料に、合計でN種類(Nは任意の自然数)の検出対象成分が含まれていることを前提としている。検出対象成分とは、試料中から質量分析装置100が検出(分析)すべき成分である。
ステップS101において、N以下の自然数jをループカウンタとするN回のループが開始される。
ステップS102では、制御部40は、j番目の検出対象成分の識別情報Rjの入力を促すメッセージを表示部44に表示させる。
ステップS103では、制御部40は識別情報Rjが入力されたか否かを判断し、入力されていなければステップS102に戻る。
ステップS103において、識別情報Rjが入力されていると判断した場合には、制御部40は、制御フローをステップS104に進める。
識別情報Rjは、j番目の検出対象成分の名称や略称等の識別情報と、カラム12a,12bのどちらのカラムから供給される試料に含まれることが予想されるかの情報を含む。
ステップS104において、制御部40は、識別情報Rjに基づいて、メモリ42またはハードディスク43に記憶されている各種化合物のカラム12aおよびカラム12bに対する保持時間の情報から、j番目の検出対象成分の保持時間Tjを読み出す。なお、保持時間Tjには、カラム12aまたはカラム12bからの検出対象成分の導出が開始される時間である最小保持時間Tjsと、検出対象成分の導出が終了する時間である最大保持時間Tjeの2通りの時間が含まれるものとする。
ステップS105において、制御部40は、識別情報Rjに基づいて、メモリ42またはハードディスク43から、識別情報Rjに対応する化合物に特有のプリカーサーイオンおよびプロダクトイオンに関する情報を読み出す。そして、特有のプリカーサーイオンのm/zに関する情報、および特有のプロダクトイオンのm/zに関する情報に基づいて、質量分析部20に行わせる多重反応モニタリング(MRM)においてj番目の検出対象成分の検出に最適な検出条件Djを決定する。
具体的には、特有のプリカーサーイオンのm/zに関する情報に基づいて、上記の特有のプリカーサーイオンを選択的に透過させるために第1四重極マスフィルタ24に印加するRF電圧の条件を決定する。コリジョンセル26にて上記の特有のプリカーサーイオンを効率的に誘起して上記の特有のプロダクトイオンを生成するためのコリジョン電圧の条件を決定する。また、特有のプロダクトイオンのm/zに関する情報に基づいて、上記の特有のプロダクトイオンを選択的に透過させるために第2四重極マスフィルタ29に印加するRF電圧の条件を決定する。
なお、識別情報Rjに対応する保持時間Tj、および特有のプリカーサーイオン、プロダクトイオンの情報が、メモリ42またはハードディスク43にない場合には、制御部40は、ネットワークケーブルNWを介して外部サーバ50からそれらのデータを読み出しても良い。
ステップS106において、N個の分析対象成分についての上記の入力および決定のループは終了する。
ステップS107では、上記で読み込んだ検出対象成分の保持時間Tj(jは1からN)に基づいて、検出時間の最大値(最大検出時間Tmax)を決定する。具体的には、上述の最大保持時間Tjeの中の最大値を最大検出時間Tmaxとして採用する。
そして、ステップS108に進み、制御部40は、表示部44に、ユーザが分析対象試料を試料注入部11a,11bに注入することを促すメッセージを表示させる。
ステップS109では、入力部46からの入力によりユーザが分析対象試料を注入したか否かを判断し、注入されていればステップS110に進み、注入されていなければステップS108に戻る。
ステップS109で、制御部40は、クマトグラフ部10および質量分析部20に試料の分析を開始させる。具体的には、制御部40は、クマトグラフ部10のカラムオーブン13a,13bに対して、それぞれ制御信号S1a,S1bを送り、昇温を開始させる。そして、制御部40は、検出器31からの検出信号S5の受信を開始する。そして、制御部40が計時する分析開始後の経過時間Tを0にリセットする。
カラムオーブン13a,13bの昇温が開始されると、試料注入部11a,11bに注入された分析対象試料は、それぞれカラム12a,12b内を成分毎に異なる速度で移動して、接続部15に到達する。そして、接続部15は、カラム12a,12bから供給される分析対象試料を並行して質量分析部20に供給する。
ステップS111において、N以下の自然数jをループカウンタとするN回のループが開始される。
ステップS112では、上述の経過時間Tが、j番目の検出対象成分の保持時間Tjに該当しているか否かを判断する。すなわち、経過時間Tがj番目の検出対象成分の最小保持時間Tjsより大きく、かつ、経過時間Tがj番目の検出対象成分の最大保持時間Tjeより小さいか否かを、判断する。
経過時間Tが、j番目の検出対象成分の保持時間Tjに該当していると判断した場合には、ステップS113に進む。そして、制御部40は質量分析部20に対して、多重反応モニタリング(MRM)の検出条件を、上述のj番目の検出対象成分の検出に最適な検出条件Djに設定する。すなわち、制御部40は質量分析部20の電圧供給部25、30にそれぞれ制御信号S2,S4を送り、電圧供給部25、30から第1四重極マスフィルタ24および第2四重極マスフィルタ29に、j番目の検出対象成分の検出にそれぞれ最適なRF電圧を供給させる。また、制御部40は質量分析部20の電圧供給部27に制御信号S3を送り、電圧供給部27からコリジョンセル26にj番目の検出対象成分の特有のプリカーサーイオンの誘起に最適なコリジョン電圧を供給させる。
その後、ステップS114に進み、検出条件Djにて所定時間(数m秒から数100m秒)、検出器31からの検出信号S5の測定を行う。そして、ステップS115に進む。
一方、ステップS112において、経過時間Tがj番目の検出対象成分の保持時間Tjに該当していないと判断した場合には、ステップS115に進む。
ステップS115において、ステップS111から開始されたループが終了する。
次に、ステップS116に進み、経過時間Tが最大検出時間Tmaxを超えているか否かを判断する。そして、経過時間Tが最大検出時間Tmaxを超えていなければ、ステップS111に戻り、分析を継続する。一方、経過時間Tが最大検出時間Tmaxを超えていれば、分析を終了する。
図3(c)は、上記のステップS110からステップS116に対応する経過時間Tにおいて、質量分析部20の多重反応モニタリング(MRM)の検出条件Djがどのように設定されているかの一例を示すである。
図3(a)および図3(b)は、N個の検出対象成分に対応して、制御部40が読み出した保持時間Tj(Tjs,Tje)(jは1からNの自然数)を表す図である。このうち図3(a)は、カラム12aに導入される検出対象成分M1,M2,M3の保持時間T1,T2,T3を表し、図3(b)はカラム12bに導入される検出対象成分M4,M5の保持時間T4,T5を表す。
図3(a)から図3(c)までの横軸(経過時間)のスケールは同一である。
図3では、検出対象成分の個数Nを一例として5としている。よって、jの値も1から5までとして示してある。
図3に示した例では、各検出対象成分の保持時間Tjは、第1の検出対象成分M1の保持時間T1が最も小さい(短い)。それ以降は、小さい順に第4の検出対象成分M4の保持時間T4、第2の検出対象成分M2の保持時間T2、第5の検出対象成分M5の保持時間T5、第3の検出対象成分M3の保持時間T3である。従って、図3の例では、第3の検出対象成分M3の最大保持時間T3eが、ステップS107で決定される最大検出時間Tmaxとなる。また、各検出対象成分の保持時間T1~T5は、一部について相互にオーバーラップしている。
経過時間Tが、第1の検出対象成分M1の最小保持時間T1sよりも小さいときには、ステップS111から開始されるjのループの中のステップS112における判断は、いずれも否(No)と判断される。従って、この時には、ステップS113およびステップS114は実行されず、多重反応モニタリング(MRM)の検出条件も設定されず、測定も行われない。
経過時間Tが、第1の検出対象成分M1の最小保持時間T1sよりも大きく、第4の検出対象成分M4の最小保持時間T4sよりも小さいときには、ステップS101から始まるループのループカウンタjが1の場合に、ステップS112における判断はYesとなる。従って、ステップS113およびステップS114に進み、質量分析部20に対して第1の検出対象成分M1の検出に最適な検出条件D1が設定され、所定時間にわたって測定が行われる。
経過時間Tが、第4の検出対象成分M4の最小保持時間T4sよりも大きく、第1の検出対象成分M1の最大保持時間T1eよりも小さいときには、j=1およびj=4の場合にステップS112における判断はYesとなり、ステップS113に進む。そして、質量分析部20に対して、j=1の場合には第1の検出対象成分M1の検出に最適な検出条件D1が設定され、j=4の場合には第4の検出対象成分M4の検出に最適な検出条件D4が設定され、ステップS114において所定時間にわたって測定が行われる。
この場合、質量分析部20には、カラム12aから検出対象成分M1が、カラム12bから検出対象成分M4が、接続部15を経由して並行して導入されている。しかし、質量分析部20は、トリプル四重極マスフィルタ(24,26,29)を備えているため、これらを多重反応モニタリング(MRM)で動作させることにより、特定の検出対象成分M1またはM4のみを高分解能で検出できる。よって、2つのカラム12a、12bから異なる検出対象成分M1,M4が同時に導入された場合でも、それぞれの検出対象成分M1,M4の量を正確に分析することができる。
一方、仮に質量分析部20がトリプル四重極マスフィルタ(24,26,29)を備えていない場合には、特定の分析対象成分のみを高分解能で検出することができない。よって、この場合には、2つのカラム12a、12bからプリカーサーイオンの質量電荷比が比較的近い複数の検出対象成分が同時に導入されると、それぞれの検出対象成分を分離して正確に分析することができない。
経過時間Tが、第1の検出対象成分M1の最大保持時間T1eよりも大きく、第2の検出対象成分M2の最小保持時間T2sよりも小さいときには、j=4の場合に限ってステップS112における判断はYesとなる。従って、ステップS113およびステップS114に進み、質量分析部20に対して第4の検出対象成分M4の検出に最適な検出条件D4が設定され、所定時間にわたって測定が行われる。
以下、同様にして、それぞれの経過時間Tにおいて、ステップS111から始まるループの中でステップS112の判断が行われる。そして、経過時間Tが検出対象成分Mjの保持時間Tjに含まれている場合にはステップS113に進み、制御部40は質量分析部20に対して、多重反応モニタリング(MRM)の検出条件を検出対象成分Mjに最適な検出条件Djを設定する。そして、ステップS114において所定時間にわたって測定を行う。
なお、図3の例では、任意の経過時間において、保持時間Tjがオーバーラップする検出対象成分M1~M5の数は最大で2つまでとなっているが、任意の経過時間において3つ以上の検出対象成分M1~M5の保持時間Tjがオーバーラップしても構わない。3つ以上の検出対象成分が同時に導入された場合でも、多重反応モニタリングにより、それぞれの検出対象成分の量を正確に分析することができる。
なお、各回の分析毎に複数の同じ検出対象成分Mjの分析に用いる場合には、図2のフローチャートにおいて、ステップS102からステップS103における検出対象成分の識別情報Rjの入力を省略してもよい。その場合には、各検出対象成分Mjの識別情報等を、予めハードディスク43等に記憶させておくことが望ましい。
以上の第1実施形態の質量分析装置100において、接続部15に接続されるカラム12a、12bは上述の2本に限られるわけではなく、3本以上のカラムが接続されていてもよい。また、上記の例では、カラム12aおよびカラム12bは、それぞれ別のカラムオーブン13a、13b内に設置されているものとしたが、カラム12aおよびカラム12bは、共通する1つのカラムオーブンに設置されていても良い。また、試料注入部に複数のカラムを接続することが可能な接続部を有している場合は、カラム12aおよびカラム12bは共通の一つの試料注入部に接続されていても良い。
複数のカラム12a、12bがそれぞれ別のカラムオーブン13a、13b内に設置されている場合には、複数のカラム12a、12bを別の昇温条件(温度および昇温開始時間)で昇温することができる。これにより、複数のカラム12a、12bからそれぞれ導入される検出対象成分の接続部15および質量分析部20への到達時間を別々に制御して、保持時間Tjのオーバーラップを極力回避することもできる。なお、この場合には、図3(a)、図3(b)に示した各カラム12a、12bから注入される分析対処試料中の検出対象成分Mjの保持時間Mjは、上記の昇温開始時間に従って補正を行う。
一方、複数のカラム12a,12bが共通する1つのカラムオーブン内に設置される場合には、カラムオーブンが簡略化でき、装置のコストダウンが図れる。
なお、カラム12a、12b、カラムオーブン13a、13bは必須ではなく、質量分析装置100とは別に用意されたカラムオーブンに設けられている複数のカラムが、接続部15に接続される構成とすることもできる。その場合には、制御部40は、その別に用意されたカラムオーブンに対して制御信号S1a,S1bを送信して、カラムオーブンの昇温の制御を行う。
一例として、上記の別に用意されたカラムオーブンに設けられている複数のカラムの少なくとも1つは、質量分析装置100とは別のクロマトグラフ装置に備えられているカラムであってもよい。この場合、図1に示されているクロマトグラフ部10は、質量分析装置100とは別のクロマトグラフ装置となる。また、この場合には、制御部40は、その別のクロマトグラフ装置に対して制御信号S1a,S1bを送信して、カラムオーブンの昇温の制御を行うことが好ましい。
ただし、制御部40は、必ずしも別に用意されたカラムオーブンや別のクロマトグラフ装置のカラムオーブンを制御する必要はない。例えば、制御部40は、別に用意されたカラムオーブンや別のクロマトグラフ装置のカラムオーブンから、昇温制御を開始した旨の信号を受信して、この信号により、ステップS110における分析開始(経過時間Tのリセット)を行ってもよい。
複数のカラム12a、12bは、それぞれ保持特性が異なる(特定の成分に対する保持時間が異なる)カラムであることが好ましい。
保持特性が異なる複数のカラムであれば、それぞれのカラムに注入する分析対象試料に同一の検出対象成分Mjが含まれていても、両カラムの検出対象成分Mjに対する保持時間Tjの違いにより、どちらのカラムに注入された検出対象成分Mjであるかを分離できる。従って、各カラムに注入された分析対象試料中に含まれていた検出対象成分Mjの量を、別々に正確に分析することができる。
ただし、上述のように各カラム12a、12bが、個別に温度制御可能な別々のカラムオーブン13a、13bに保持されている場合には、各カラム12a、12bで昇温開始時刻に差を付けることができる。従って、保持特性が同一である複数のカラムを用いても、同一の検出対象成分Mjが両カラムから質量分析部20に導入される時刻に差を付けることができ、検出された検出対象成分Mjがどちらのカラムから導入されたものかの分離を行うことができる。
質量分析部20に含まれるイオン化室21は、上述の電子衝突法を採用した装置に限られるわけではなく、化学イオン化法による装置を用いても良い。
また、クロマトグラフ部10は上述のガスクロマトグラフに限らず、液体クロマトグラフであってもよい。この場合、イオン化室21には、ESI(Electrospray ionization)、大気圧化学イオン化法(Atmospheric pressure chemical ionization,APCI)、または大気圧光イオン化法(Atmospheric Pressure Photoionization Source,APCI)によるイオン化装置を用いることが好ましい。
以上の第1実施形態の質量分析装置100においては、複数本のカラム12a,12bから接続部15を経由して複数の試料を並行して導入し、並行して分析を行うことができるため、複数の試料を分析する際の分析時間を大幅に短縮することができる。
(第2実施形態の質量分析装置)
図4は、第2実施形態の質量分析装置100aの構成を示す概略図である。第2実施形態の質量分析装置100aは、クロマトグラフ部10および制御部40の構成は、上述の第1実施形態の質量分析装置100と共通する。よって、共通部分には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
第2実施形態の質量分析装置100aは、飛行時間型(TOF)の高分解能質量分析計60を含む、図4中の破線で囲われた質量分析部20aを備えている。高分解能質量分析計60には、真空容器66内に、直交加速電極62、フライトチューブ63、および検出器65が配置されている。真空容器66内は真空ポンプ67により排気されている。
イオン化室21でイオン化された試料由来のイオンは、イオン光学系61に導かれ、高分解能質量分析計60内の直交加速電極62に入射する。そして、直交加速電極62により図4中の下向きにパルス的に加速され、フライトチューブ63内の飛行空間FAを飛行経路FPに沿って飛行する。そして、リフレクタ64により形成される電場により反射され、検出器65に検出される。検出器65によるイオンの検出量は、検出信号S5aとして制御部40に伝達される。また、直交加速電極62によるイオンのパルス的な加速も、制御部40により制御されて実行される。
直交加速電極62により図4中の下向きに加速された各種のイオンの速度は、イオンの質量電荷比(m/z)の違いにより異なるため、同一の飛行経路FPの飛行に要する飛行時間もイオンの質量電荷比の違いにより異なる。従って、飛行時間を測定することにより、各種のイオンの質量電荷比を測定することができる。
飛行時間型の高分解能質量分析計60においては、フライトチューブ63内のイオンの飛行距離を長く設定することにより、元素組成を調べるミリマス測定等が可能な質量分解能5000以上の高分解能な質量分析計を実現できる。さらに、試料の一回の飛行(直交加速電極62によるパルス的な加速)において、m/zの異なる多数種類のイオンを同時に分析することができる。
第2実施形態の質量分析装置100aにおいても、複数本のカラム12a,12bが接続部15を介して質量分析部20aに接続されている。そのため、上述の第1実施形態と同様に、質量分析部20aにはそれぞれのカラム12a,12bから、保持時間Tjがオーバーラップして、複数の検出対象成分Mjが導入される可能性が高い。
第2実施形態の質量分析装置100aでは、質量分析部20aが質量分解能5000以上の高分解能質量分析計60を有している。従って、複数のカラム12a,12bから複数の検出対象成分Mjが時間的にオーバーラップして導入されても、複数の検出対象成分Mjをそれぞれの質量電荷比(m/z)に応じて分離して別々に検出することができる。これにより、各検出対象成分Mjのそれぞれの量を正確に分析することができる。
従って、第2実施形態の質量分析装置100aにおいても、複数本のカラム12a,12bから接続部15を経由して複数の試料を並行して導入し、並行して分析を行うことができるため、複数の試料を分析する際の分析時間を大幅に短縮することができる。
一方、仮に質量分析部20aが低分解能である場合には、イオン化された際の質量電荷比が比較的近い複数の検出対象成分Mjが時間的にオーバーラップして導入されると、それぞれの検出対象成分Mjを分離して検出することができない。そのため、複数の試料を並行して導入して並行して分析を行うことができない。
なお、質量分解能が5000以上の高分解能質量分析計60は、上述の飛行時間型に限られるわけではなく、扇形磁場型等の磁場型質量分析計を用いることもできる。
上述の各実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)各実施形態の質量分析装置100,100aは、トリプル四重極マスフィルタ(24,26,29)または質量分解能5000以上の高分解能質量分析計60を含む質量分析部20,20aと、複数のカラム12a,12bが接続され、複数のカラム12a,12bから供給される試料を並行して質量分析部20,20aに供給する接続部15と、質量分析部20,20aを制御する制御部40と、を備える。
この構成により、複数本のカラム12a,12bから接続部15を経由して並行して導入される複数の試料を並行して分析を行うことができ、これにより、複数の試料を分析する際の分析時間を大幅に短縮することができる。
(2)質量分析部20がトリプル四重極マスフィルタ(24,26,29)を含む場合、制御部40は、複数のカラム12a,12bからそれぞれ供給される分析対象試料中の検出対象成分Mjに基づいて、トリプル四重極マスフィルタ(24,26,29)の多重反応モニタリングの検出条件Djを所定時間毎に変更する構成とすることで、複数本のカラム12a,12bから接続部15を経由して同時に導入される複数の試料を、より高精度に分離して、分析を行うことができる。
(3)制御部40は、複数のカラム12a,12bからそれぞれ供給される分析対象試料中の検出対象成分Mjを識別する識別情報が入力される入力部46を有し、入力部46から入力された識別情報に基づいて、多重反応モニタリングの検出条件Djを決定する構成とすることで、多種類の検出対象成分Mjのそれぞれについて最適な検出条件Djで検出して分析を行うことができる。
(4)(1)において、高分解能質量分析計60を飛行時間型質量分析計または磁場型質量分析計とすることができ、これにより、複数本のカラム12a,12bから接続部15を経由して並行して導入される複数の試料を、高精度に分離して、分析を行うことができる。
(5)接続部15にそれぞれ接続される複数のカラム12a,1bを保持するカラムオーブン13a,13bを有し、制御部40は、カラムオーブン13a,13bの温度を制御する構成とすることもできる。これにより、カラム12a,1bの温度をより正確に制御でき、各検出試料の保持時間Tjを正確に制御することができる。
(6)接続部15に、相互に保持特性の異なるカラム12a,13aが接続されている構成とすることで、複数のカラムに注入された分析対象試料中に同一の検出対象成分Mjが含まれていても、各カラムに注入された分析対象試料中に含まれている検出対象成分Mjの量を、別々に正確に分析することができる。
(7)カラムオーブン13a,13bは、複数のカラム12a,12bを別々に昇温するように構成されているとともに、制御部40は、複数のカラム12a,12bを別々に温度制御するようカラムオーブン13a,13bを制御する構成とすることで、カラム12a,12bの保持特性の差だけではなく、カラム12a,12bの昇温条件の差も利用して、両カラム12a,12bから検出対象成分Mjが質量分析部20に導入される時間に差を付けることができる。
(8)接続部15に、それぞれ異なるクロマトグラフ装置のカラムの出力部(14a,14b)が接続されている構成とすることができる。これにより、既存のクロマトグラフ装置が有しているカラムを活用して、低コストで上記の第1実施形態または第2実施形態の質量分析装置100,100aを構成することができる。
(プログラムの実施形態)
上記の第1実施形態において、質量分析装置100を使用した上記の分析は、上記の機能を実現するための制御プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行させてもよい。上述したように、プログラム(制御プログラム)が、CPU41により実行されることにより、制御部40を制御して図2に示したフローチャートにおける各ステップが実行される。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、光ディスク、メモリカード等の可搬型記録媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持するものを含んでもよい。また上記のプログラムは、前述した制御プログラムの機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせにより実現するものであってもよい。
また、上述したプログラムは、CD-ROM等の記録媒体やインターネット等のデータ信号を通じて提供することができる。例えば、図1中のCPU41、メモリ42およびハードディスクHD32を備える制御部40は、光学ドライブDD45からCD-ROMを介してプログラムの提供を受ける。また、制御部40はネットワークケーブルNWとの接続機能を有している。ネットワークに接続されている外部サーバ50は上記プログラムを提供するサーバコンピュータとしても機能し、メモリ42およびハードディスクHD32等の記録媒体にプログラムを転送する。すなわち、プログラムをデータ信号として搬送波により搬送して、ネットワークケーブルNWを介して送信する。このように、プログラムは、記録媒体や搬送波などの種々の形態のコンピュータ読み込み可能なコンピュータプログラム製品として供給できる。
なお、図2に示したフローチャートの各ステップは、必ずしもその全ての実行が必要とされるものではない。
(プログラムの実施形態の効果)
(9)実施形態のプログラムは、質量分析装置100を制御する制御プログラムにおいて、コンピュータ(41、42、32)を含む制御装置(制御部)40に、質量分析装置100に接続される複数のカラム12a,12bの温度を制御させ、複数のカラム12a,12bからそれぞれ供給される分析対象試料中の検出対象成分Mjに基づいて、トリプル四重極マスフィルタ(24,26,29)の多重反応モニタリングの検出条件Djを所定時間毎に変更させる。
この構成により、複数本のカラム12a,12bから並行して導入される複数の試料を並行して分析することができ、これにより、複数の試料を分析する際の分析時間を大幅に短縮することができる。
本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
100,100a…質量分析装置、10…クロマトグラフ部、15…接続部、20,20a…質量分析部、40…制御部(制御装置)、12a,12b…カラム、13a,13b…カラムオーブン、21…イオン化室、23,28…イオン光学系、24…第1四重極マスフィルタ、26…コリジョンセル、29…第2四重極マスフィルタ、31,65…検出器、25,27,30…電圧供給部、M1~M5…検出対象成分、T1~T5…保持時間、D1~D5…検出条件、16…直交加速部、17…フライトチューブ、60…高分解能質量分析計(飛行時間型質量分析計)、62…直交加速部、62…フライトチューブ

Claims (9)

  1. 単一のトリプル四重極マスフィルタ、または質量分解能5000以上の単一の高分解能質量分析計を含む質量分析部と、
    複数のカラムが接続され、前記複数のカラムから供給される試料を並行して前記質量分析部に供給する接続部と、
    前記質量分析部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記複数のカラムからそれぞれ供給される分析対象試料中の検出対象成分に基づいて前記質量分析部の検出条件を所定時間毎に変更し、前記複数のカラムから同時に供給される分析対象試料中の検出対象成分が複数の場合にいずれか1つの検出対象成分に基づいて前記検出条件を決定する、質量分析装置。
  2. 請求項1に記載の質量分析装置において、
    前記質量分析部が前記トリプル四重極マスフィルタを含む場合、
    前記制御部は、前記複数のカラムからそれぞれ供給される分析対象試料中の検出対象成分に基づいて、前記トリプル四重極マスフィルタの多重反応モニタリングの検出条件を所定時間毎に変更する、質量分析装置。
  3. 請求項2に記載の質量分析装置において、
    前記制御部は、
    前記複数のカラムからそれぞれ供給される分析対象試料中の前記検出対象成分を識別する識別情報が入力される入力部を有し、
    前記入力部から入力された前記識別情報に基づいて、多重反応モニタリングの前記検出条件を決定する、質量分析装置。
  4. 請求項1に記載の質量分析装置において、
    前記高分解能質量分析計は、飛行時間型質量分析計、または磁場型質量分析計である、質量分析装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の質量分析装置において、
    前記接続部にそれぞれ接続される複数のカラムを保持するカラムオーブンを有し、
    前記制御部は、前記カラムオーブンの温度を制御する、質量分析装置。
  6. 請求項5に記載の質量分析装置において、
    前記接続部に、相互に保持特性の異なるカラムが接続されている質量分析装置。
  7. 請求項6に記載の質量分析装置において、
    前記カラムオーブンは、前記複数のカラムを別々に昇温するように構成されているとともに、
    前記制御部は、前記複数のカラムを別々に温度制御するよう前記カラムオーブンを制御する、質量分析装置。
  8. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の質量分析装置において、
    前記接続部に、それぞれ異なるクロマトグラフ装置のカラムの出力部が接続されている、質量分析装置。
  9. 質量分析装置を制御する制御プログラムにおいて、
    コンピュータを含む制御装置に、
    前記質量分析装置に接続される複数のカラムの温度を制御させ、
    前記複数のカラムからそれぞれ供給される分析対象試料中の検出対象成分に基づいて、単一のトリプル四重極マスフィルタの多重反応モニタリングの検出条件を所定時間毎に変更させ、前記複数のカラムから同時に供給される分析対象試料中の検出対象成分が複数の場合にいずれか1つの検出対象成分に基づいて前記検出条件を決定する、制御プログラム。
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