JP7176339B2 - 酸素発生電極、及び酸素発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、酸素発生電極と、酸素発生装置に関する。
現在、世界的に、環境にやさしくサステナブルな新エネルギーの開発に関心が寄せられている。ひとつの手法は、光合成を模して、水と二酸化炭素と太陽光から燃料を生成することである。光触媒による水分解は、水を水素等の燃料に変換するプロセスにおける重要な反応である。酸素の発生は水分分解プロセス(酸化還元反応)の半反応であるが、4つの電子(e-)と4つのプロトン(H+)の生成を伴うため、電気化学反応の律速と考えられている。酸素発生反応に対して高活性で、可視光のフォトンを効率良く電子-ホール対に変換して電気化学(酸化還元)反応を促進することのできる材料またはデバイス構造が望まれている。
現状では、一般に2eVを超える間接ギャップの酸化物を用いた酸化物系の共触媒構造が採用されている。共触媒として、IrOx、RuOx等の貴金属酸化物の触媒を用いて酸素発生反応(OER:Oxygen Evolution Reaction)の活性を強化する。こららの金属酸化物の伝導性と多様性はdバンド由来のものであり、キャリア移動度が低く拡散長が短いため、必ずしも光触媒として適切な材料であるとは言えない。また、貴金属酸化物の触媒材料はバンドギャップの変化が制限されており、段階的なバンドギャップ構造を設計することができない。そもそも、共触媒自体はOERを促進するためのものである。高価な共触媒材料に替えて、光吸収層として広い範囲にわたってバンドギャップを調整することのできる新たな材料とデバイス構造が望まれる。
異なるバンドギャップEgの最適な組み合わせをとることで、変換効率が向上することが知られている(たとえば、非特許文献1参照)。この文献によると、2つの異なるバンドギャップの組み合わせ(1.9 eV,1.0 eV)のタンデム構造は、バンドギャップが1.3eVの単層構造と比較して、変換効率を30%から42%に向上することができる。また、3つ以上の異なるバンドギャップの組み合わせをダンデム構造に適用することで、変換効率をさらに向上することができる。
光電極の吸収層として、第1の種類の酸化物半導体と、第1の種類と異なる第2の種類の酸化物半導体の薄膜を繰り返し積層してバンドギャップを調整する構成が知られている(たとえば、特許文献1参照)。また、ナシコン型(NACICON:Na super ionic conductor)の光触媒を用いる構造が知られている(たとえば、特許文献2参照)。
特開2017-130634号公報 特開2012-248845号公報
Journal of Physics D:Applied Physics,vol.13,May 14,1980,pp839-846
最適なバンドギャップの組み合わせをとる場合、理論的には組み合わせるバンドギャップの数を無限に増やすことで変換効率を68%に近づけることができるが、無限の数の積層構造は非現実的である。また、組み合わせられるバンドギャップの数が増えるほど、バンドギャップの差ΔEGは微小になる。さらに、2つまたは3つのバンドギャップの組み合わせであっても、最適なバンドギャップの値を満たす材料を現実に見つけるのは困難である。
本発明は、バンドギャップの調整が容易で高い変換効率を達成することのできる酸素発生電極を提供することを目的とする。
ひとつの態様では、酸素発生電極は、
伝導層と、
光触媒層と、
前記伝導層と前記光触媒層の間に配置される光吸収層と、
を有し、前記光吸収層は、1または複数のペロブスカイト型の薄膜で形成されており、前記薄膜の各々は、スズ(Sn)、酸素(O)、硫黄(S)、及び周期表の第1族または第2族から選択される1以上の元素を含み、
前記薄膜の各々で、バンドギャップが0eV~4eVの範囲の所望の値をとるようにSの含有割合が設定されていることを特徴とする酸素発生電極。
上記の構成により、バンドギャップの調整が容易で高い変換効率を達成することのできる酸素発生電極が実現される。
実施形態の酸素発生電極の基本構成を示す図である。 実施形態の光吸収層のバンドギャップチューニングを説明する図である。 SとOの部分状態密度(PDOS)を示す図である。 第1実施例の酸素発生電極と、これを用いた酸素発生装置の模式図である。 SrTiO3基板上に成膜したBaSnOS膜のX線回折パターンである。 第1実施例の酸素発生電極の伝導層のXPSスペクトルである。 第1実施例の酸素発生電極の光吸収層のXPSスペクトルである。 Sの添加量(at%)を変えることによるバンドギャップのチューニングを説明する図である。 S添加量の関数としてのバンドギャップを示す図である。 第1実施例の酸素発生電極の別の構成例を示す図である。 第2実施例の酸素発生電極の模式図である。 第2実施例の酸素発生電極を用いた酸素発生装置の模式図である。 第2実施例の酸素発生電極のバンドギャップの構造を示す図である。 第3実施例の酸素発生電極の模式図である。 第3実施例の酸素発生電極を用いた酸素発生装置の模式図である。 実施形態の電極構成の効果を示す図である。
単層の光吸収層を用いる場合、直接遷移型のバンドギャップが1.3eV付近の材料を用いることで、最大で30%程度の変換効率が得られるとされている。1.3eV付近のバンドギャップを有する既存の材料としてテルル化カドミウム(CdTe)がある。化合物半導体材料として一般的に用いられているガリウムヒ素(GaAs)のバンドギャップは1.43eVであり、CdTeやGaAsを光吸収層に用いるたときの実際の変換効率は26~27%程度である。
実施形態では、光吸収層のバンドギャップの調整(チューニング)を容易にして、広いエネルギー範囲にわたって所望のバンドギャップを得ることのできる材料を実現し、この材料を用いて酸素発生電極を形成する。また、複数のバンドギャップの最適な組み合わせを実現する多層構造の光吸収層を用いて、変換効率をさらに向上する。
バンドギャップの調整方法として、スズ酸塩ベースの材料のバンドギャップが体積ひずみに依存することを利用する。エピタキシャル成長で生じる体積ひずみを利用してもよいし、酸素(O)サイトへ硫黄(S)を置換ドーピングすることで、化学的圧力により体積ひずみを生じさせてバンドギャップを調整可能にしてもよい。
図1は、実施形態の酸素発生電極1の模式図である。酸素発生電極1は、たとえば水分解システムまたは酸素発生装置の作用電極またはアノードとして機能する。酸素発生電極1は、基板11の上に、伝導層2、光吸収層3、及び光触媒層4がこの順に積層されている。基板11は、上層の積層体を支持する支持基板であるが、省略してもよい。この例では、光が基板11の裏面から入射することを想定して、光透過性の絶縁基板を用いる。この場合、基板11は光吸収層3よりも大きなバンドギャップを有している。
たとえば、光吸収層3のバンドギャップが3eVの場合は、バンドギャップが3eVよりも大きな基板11を用いる。そのような基板材料として、たとえば、SrTiO3、LSAT、LaAlO3、MgO、NdGaO3、DyScO3がある。
伝導層2は、たとえば縮退ドープ(高濃度ドープ)されたペロブスカイト型の薄膜であり、少なくともスズ(Sn)と酸素(O)を含む。伝導層12の材料として、たとえば、Ba1-xLaxSnO3、BaSn1-xSbx3、Sr1-xLaxSnO3、SrSn1-xSbx3などを用いることができる。
光吸収層3は、1以上のペロブスカイト型の薄膜を含む。光吸収層3を形成する各薄膜は、Sn、O、及びS(硫黄)と、周期表の1族または2族から選択される1以上の元素を含む。光吸収層3におけるSの添加量を調整することで、光吸収層3のバンドギャップEgを0~4eVの範囲(0eV<Eg<4eV)で所望の値に設計可能である。周期表の1族または2族から選択される元素として、たとえばBa、Sr、Kを用いる。
光吸収層3が単層の薄膜で形成されている場合は、その薄膜の直接遷移型のバンドギャップは、たとえば0.9~3.1eVの範囲で所望の値になるように設計されてもよい。このエネルギー範囲は可視光のエネルギー範囲をほぼカバーしている。
光吸収層3が複数の薄膜で形成されている場合は、光入射側に最も近い層から順にバンドギャップが徐々に小さくなるように設計されている。良好な構成例では、用いられる薄膜の数において最適なバンドギャップの組み合わせを実現するように、各薄膜におけるSの含有割合(S/Sx3-x)が調整されている。光吸収層3に含まれる複数の薄膜は、同じ材料の薄膜であり、Sの含有割合を調整することで、バンドギャップが調整されている。
OサイトにSを置換ドープすることによる化学的圧力で結晶セルの体積が変化し、バンドギャップが変化する。したがって、光吸収層3のペロブスカイト型の薄膜のうち、目的とするバンドギャップに応じてSとOの組成比は変化するが、Snと、1族または2族から選択される元素の比は固定である。
たとえば、光吸収層3をBaSnSx3-xの多層構造とする場合、薄膜の層数に応じて、所定の範囲(たとえば0<x<0.25)で薄膜ごとにxの値が設定される。これについては、第2実施例と第3実施例を参照して後述する。光吸収層3としてSrSnSx3-xの多層構造を用いる場合も、用いる薄膜の層数に応じて、所定の範囲(たとえば0<x<0.33)で薄膜ごとにxの値が設定される。
光触媒層4は、光の照射により光化学反応(触媒作用)を起こす任意の材料で形成される。光触媒層4として、たとえば、コバルト(Co)、鉄(Fe)、Ni(ニッケル)から選択される1以上の元素を含む酸化物材料を用いることができる。
酸素発生電極1は、光吸収層3に含まれるペロブスカイト型の薄膜のSの割合を調整することでバンドギャップを自由に設計可能であり、可視光の広いエネルギー範囲にわたって太陽光を吸収し、変換効率を向上することができる。
図2は、実施形態の光吸収層3のバンドギャップチューニングを説明する図であり、Sドープ量(at%)の関数としてDFT(Density Functional Theory:密度汎関数理論)で計算された直接遷移型のバンドギャップを示している。ここで、光吸収層3の組成はBaSnSx3-xである。BaSnSx3-xのSの添加量を変えることで、直接遷移のバンドギャップを変えることができる。OサイトがSで置換されてセルの体積が変わり、体積ひずみによってバンド構造が変化する。
BaSnSx3-xのSの割合xを0at%に近づけていくと、バンドギャップは4.0eVに近づく。Sの割合xを16.7at%にすると、BaSnSx3-xのバンドギャップは2.0eVになる。xが33at%に近づけると、バンドギャップはゼロに近くなる。
Sの割合xを変えることで、光吸収層3の直接遷移のバンドギャップはリニアに変化する。光吸収層3におけるSの添加量または割合を変えるだけで、0eV~4eVの範囲でバンドギャップを自由に設計することができる。たとえば、光吸収層3のバンドギャップを1.23eVに設計したいときは、Sの割合xを23at%にすればよい。バンドギャップを1.3eVに設定したいときは、Sの添加量を少し減らせばよい。ターゲットのバンドギャップを得るためのSの添加量は母材の構成によって異なるが、制御の傾向は同じであり、Sの添加量の関数として光吸収層3のバンドギャップを設計することができる。
また、同じ材料を用いてSの割合xを制御するだけで所望のバンドギャップが得られるので、バンドギャップが異なる複数の薄膜で光吸収層3を形成する場合も、各層のSの割合を調整するだけでバンドギャップを所望の値に設計することができる。バンドギャップの異なる複数の薄膜を用いることで、可視光の広い範囲をカバーして、高い変換効率を得ることができる。
図3は、SとOの部分状態密度(PDOS:partial density of states)を示す図である。横軸はエネルギー(eV)である。Sのp状態とOの2p状態は、価電子帯でほぼ同じエネルギー範囲をとり、OサイトはSによって置換可能である。Sを添加することで、太い破線のスペクトルで示すように、Snの5s軌道の伝導帯が多様化(多分岐)して電子移動度が高くなり、キャリアの寿命が長くなるという効果も得られる。
以下で、Sの添加量を制御することによってバンドギャップの調整を可能にする具体的な構成例を説明する。
<第1実施例>
図4は、第1実施例の酸素発生電極10Aと、これを用いた酸素発生装置100の模式図である。第1実施例では、光吸収層を単層のペロブスカイト型の薄膜で形成する。ペロブスカイト型の薄膜は、Snと、Oと、Sを含み、所望のバンドギャップとなるようにSの割合が設定されている。
酸素発生電極10Aの基本構成は図1と同じであり、基板11上に、伝導層12、光吸収層13A、及び光触媒層14Aがこの順に積層されている。この例では、基板11として、厚さ0.5mmのLSAT(001)基板を用いている。このLSAT基板11のバンドギャップは5eVである。光の入射方向によっては、基板11を省略してもよい。
伝導層12として、たとえば厚さ60nmのBaLaSnOを用いる。伝導層12の組成は、一例としてBa95La5SnO83.3である。伝導層12はLaの添加により、n型の導電型を示す。なお、各元素の割合を示す下付きの数字は、at%(アトミックパーセント)で表されている。
光吸収層13Aは、単層のBaSnSx3-xで形成された厚さ100nmのペロブスカイト型の薄膜である。この例では、周期表の1族または2族から選択される元素はBaである。具体的な組成は、一例としてBaSnS16.7O8383.3である。この組成では、光吸収層13Aのバンドギャップは約2.0eVであり、可視光のうち、赤色波長よりも短波長側の光を効率良く吸収することができる。光吸収層13Aはアンドープ(i型)の層であるが、伝導層12との接合面ではPN接合のように電流は一方向に流れる。
光触媒層14Aとして、たとえば厚さ2nmのLSCO(La0.7Sr0.3CoO3)を用いる。図4の例では、光は光触媒層14Aの側から入射する。
酸素発生電極10Aは、酸素発生装置100の作用電極またはアノードとして用いられる。酸素発生電極10Aは、光触媒層14Aの表面(積層方向の最上面)が電解液101と接するように配置されている。電解液101は、水と水酸化物を含む。電解液101を挟んで酸素発生電極10Aと対向する位置に、対向電極102が設けられている。対向電極102は、カソードとして機能する。対向電極102は、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)等で形成される。
酸素発生電極10Aの光吸収層13Aに、光吸収層13Aのバンドギャップよりも大きいエネルギーを有するフォトン(hν)が入射すると、フォトンは吸収されて電子(e)とホール(h)が生成される。電界の印加により、ホールは光触媒層14Aの側に引き寄せられる。電子は、配線を介して対向電極102の表面に到達する。
電解液101では、電子とホールによる水の酸化還元反応により、水素と酸素が生成される。水素発生反応は、2HO+2e-→H+2OH-で表される。電子の還元力で水から水素ガスと水酸基(OH-)が生成される。水酸基OH-は酸素発生電極10Aの側に引き寄せられる。酸素発生反応は、4OH-→O+2HO+4e-で表される。光触媒層14Aの表面に到達したホールの酸化力により、酸素ガスが生成される。
図5は、SrTiO3基板上に成膜したBaSnSx3-x膜のX線回折パターンである。このBaSnSx3-x膜は、SをドープしたBaSnO3ターゲットを用いて、パルスレーザ堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法により成膜したものである。この回折パターンから、S(硫黄)が組み込まれたペロブスカイト結晶相が良好に成長していることがわかる。
図6Aは、伝導層12に用いられているBaLaSnOのX線光電子分光(XPS:X-ray photoelectron spectroscopy)のスペクトル、図6Bは光吸収層13Aに用いられているBaSnOSのXPSのスペクトルである。図6Aと図6Bで、一番左側の緩やかなピークがSnの結合エネルギーのピーク位置、右側の大きなピークはOの2p軌道の結合エネルギーのピーク位置である。
図6Bでは、SnのピークとOのピークの間に、Sのピークが現れている。図6Aの伝導層12では価電子帯のエッジが3.0eV近傍にあるのに対し、図6Bでは、価電子帯のエッジが2.0eVの近傍にシフトしている。図6Aと図6Bから、Sを16at%添加したことにより、バンドギャップを小さくできることを示している。
図7は、Sの添加量(at%)を変えることによるバンドギャップのチューニングを示す図である。BaSnSx3-xにおけるSの割合xを、9at%、15at%、21at%、25at%と変えたときの直接遷移型のバンドギャップを調べる。図7の横軸はフォトンエネルギーhν(eV)、縦軸は(αhν)2である。Sの添加量を増やすにつれて、フォトンエネルギーは小さい方へシフトする。図7から、Sの添加量を9at%~25at%の範囲で変えることでバンドギャップが0.9eV~3.1eVの間で調整されることがわかる。
図8は、Sの添加量(at%)の関数としての光学バンドギャップ(eV)を示す。四角マークは実験値、直線はDFTによる計算値である。実験値は、理論値によくフィットしており、成膜ターゲットにドープするSの量と成膜条件を制御することで、バンドギャップを0~4eVの範囲で調整可能であることが裏付けられる。
図9は、第1実施例の酸素発生電極の別の構成例を示す図である。酸素発生電極10Bは、図4の酸素発生電極10Aと比較して、光吸収層の組成と光触媒層の種類が異なる。光吸収層として、Ba1-yySnSx3-xで表されるペロブスカイト型の薄膜を用いる。
酸素発生電極10Bは、基板11上に、伝導層12、光吸収層13B、及び光触媒層14Bがこの順に積層されている。図4の構成と同様に、基板11にバンドギャップが5evのLSAT(001)基板を用いているが、基板11は必須ではない。
伝導層12は、図4の酸素発生電極10Aと同様に、Ba95La5SnO83.3で形成されて厚さ100nmの層である。Laの添加によりn型の導電型を示す。
光吸収層13Bは、PLD法で形成された厚さ100nmの層であり、単層のBa955SnS16.783.3で形成されている。各元素の割合を示す下付きの数字は、at%(アトミックパーセント)で表わされている。この例で、周期表の1族または2族から選択される元素はBaとKである。Kを添加することで、光吸収層13Bはp型の導電型を示し、n型の伝導層12との界面でpn接合が形成される。
光吸収層13Bのバンドギャップは、図4の酸素発生電極10Aと同じく、約2.0eVである。光吸収層13Bは、可視光のうち、赤色波長よりも短波長側の光を効率良く吸収することができる。
光触媒層14Bとして、厚さ2nmのSCO(SrCoO3)膜を用いる。酸素発生電極10Bは、酸素発生装置100の作用電極として用いられ、光触媒層14Bの表面(積層方向の最上面)は電解液101と接している。電解液101を挟んで酸素発生電極10Bと対向する位置に、対向電極102が設けられている。
この構成でも、酸素発生電極10Bの光吸収層13BのSの割合を制御することで、バンドギャップを所望の値に設定して、変換効率を最適化することができる。たとえば、Sの添加量を21~22%に増やすことで、バンドギャップを1.3eVに設計することができる(図7参照)。
<第2実施例>
図10は、第2実施例の酸素発生電極20の模式図である。第2実施例では、多層構造の光吸収層を用いる。
酸素発生電極20は、基板21の上に、伝導層22、光吸収層23、及び光触媒層24がこの順に積層されている。基板21は、上層の積層体を支持する支持基板であるが、光の入射方向によっては、省略してもよい。この例では、光が基板21の裏面から入射することを想定して、光透過性の絶縁基板を用いる。
伝導層22は、たとえば縮退ドープ(高濃度ドープ)されたペロブスカイト型の薄膜であり、少なくともスズ(Sn)と酸素(O)を含む。伝導層22の材料として、Ba1-xLaxSnO3、BaSn1-xSbx3、Sr1-xLaxSnO3、SrSn1-xSbx3などを用いることができる。
光吸収層23は、2層のペロブスカイト型の薄膜を含む。光吸収層23を形成する薄膜231と232の各々は、Sn、O、及びS(硫黄)と、周期表の1族または2族から選択される1以上の元素を含み、0~4eVの範囲で調整可能なバンドギャップEgを有する。すなわち、薄膜231と薄膜232は同じ材料で形成されているが、Sの含有割合が異なる。
この例で、光は基板21の裏面から入射することが想定されているので、薄膜231のバンドギャップの方が薄膜232のバンドギャップよりも大きく、かつ伝導層22のバンドギャップの方が薄膜231のバンドギャップよりも大きくなるように設計されている。Sの含有割合に着目すると、薄膜231のSの含有割合(S/Sx3-x)の方が、薄膜232のSの含有割合よりも少ない。
光吸収層23を、Sの含有割合の異なる複数の薄膜で形成することで異なる波長帯の光を吸収することができ、単層の光吸収層と比較して変換効率を向上することができる。
図11は、図10の酸素発生電極20を用いた酸素発生装置200の模式図である。酸素発生装置200は、酸素発生電極20と、電解液101と、対向電極102を有する。酸素発生電極20の光触媒層24は、電解液101と接触している。
光吸収層23のうち、基板21に近い側の薄膜231は、たとえば、厚さが50nmのBaSnS0.150.85の薄膜であり、そのバンドギャップは2.1eVである。薄膜232は、たとえば、厚さが50nmのBaSnS0.210.79の薄膜であり、バンドギャップは1.3eVである。伝導層22はBLSO(BaLaSrO)で形成され、そのバンドギャップは3.1eVである。
基板21の裏面から入射して伝導層22を通過した太陽光のうち、フォトンエネルギーが2.1eVよりも大きい光成分は薄膜231で吸収されてキャリアの生成に寄与する。それ以外の光は薄膜231を透過する。透過光のうち、フォトンエネルギーが1.3eVよりも大きい光成分は薄膜232で吸収されてキャリアの生成に寄与する。
図12は、伝導層22と光吸収層23のバンド構造の模式図である。伝導層22のBLSOで3.1eVのエネルギーを持つフォトンが吸収され、キャリアが生成される。3.1eV以下のエネルギーの光は透過して薄膜231に入射する。薄膜231では、Sの添加により価電子帯のレベルがシフトアップしている。2.1eVを超えるエネルギーの光が薄膜231で吸収され、キャリアが生成される。2.1eV以下のエネルギーの光は透過する。
薄膜232では、Sの添加量の増加により、価電子帯のレベルが薄膜231よりも高くなっている。薄膜232で1.3eVを超えるエネルギーの光が吸収され、キャリアが生成される。電子は、薄膜232から薄膜231、さらには伝導層22へと移動し、ホールは、伝導層22から薄膜231、さらには薄膜232へと移動して、光触媒層24と電解液101の界面へと移動する。この構成により流れる光電流の量が増え、光触媒層24の表面での酸素発生反応が促進される。
薄膜231と232のバンドギャップは上記の組み合わせに限定されず、Sの添加割合を制御することで、任意のバンドギャップの組み合わせを実現することができる。たとえば、間接遷移型のバンドギャップで1.0eVと1.9eVとなるようにSの添加割合を制御してもよい。これにより、広い帯域で可視光を吸収して変換効率を向上することができる。
<第3実施例>
図13は、第3実施例の酸素発生電極30の模式図である。第3実施例では、3層構造の光吸収層を用いる。
酸素発生電極30は、基板31の上に、伝導層32、光吸収層33、及び光触媒層34がこの順に積層されている。基板31は、上層の積層体を支持する支持基板であるが、光の入射方向によっては、省略してもよい。この例では、光が基板21の裏面から入射することを想定して、光透過性の絶縁基板を用いる。
伝導層32は、たとえば縮退ドープ(高濃度ドープ)されたペロブスカイト型の薄膜であり、少なくともスズ(Sn)と酸素(O)を含む。伝導層22の材料として、Ba1-xLaxSnO3、BaSn1-xSbx3、Sr1-xLaxSnO3、SrSn1-xSbx3などを用いることができる。
光吸収層33は、3層のペロブスカイト型の薄膜を含む。光吸収層33を形成する薄膜331、332、及び333の各々は、Sn、O、及びS(硫黄)と、周期表の1族または2族から選択される1以上の元素を含み、0~4eVの範囲で調整可能なバンドギャップEgを有する。薄膜331~333は同じ材料で形成されているが、Sの含有割合が異なる。
この例で、光は基板31の裏面から入射することが想定されているので、基板31に近いほど薄膜のバンドギャップが大きくなるように設計されている。薄膜331、332、33の順でバンドギャップは小さくなる。Sの含有割合に着目すると、薄膜331、332、333の順でSの含有割合(S/Sx3-x)が増えている。
光吸収層33を、Sの含有割合の異なる複数の薄膜で形成することで異なる波長帯の光を吸収することができ、単層の光吸収層と比較して変換効率を向上することができる。
図14は、図13の酸素発生電極30を用いた酸素発生装置300の模式図である。酸素発生装置300は、酸素発生電極30と、電解液101と、対向電極102を有する。酸素発生電極30の光触媒層34は、電解液101と接触している。
光吸収層33のうち、基板31に最も近い側の薄膜331は、たとえば、厚さが33nmのBaSnS0.150.85の薄膜であり、そのバンドギャップは2.1eVである。薄膜332は、たとえば、厚さが33nmのBaSnS0.210.79の薄膜であり、バンドギャップは1.3eVである。薄膜333は、たとえば、厚さが33nmのBaSnS0.250.75の薄膜であり、バンドギャップは0.9eVである。伝導層32はBLSO(BaLaSrO)で形成され、そのバンドギャップは3.1eVである。
基板31の裏面から入射して伝導層32を通過した太陽光のうち、フォトンエネルギーが2.1eVよりも大きい光成分は薄膜331で吸収されてキャリアの生成に寄与する。それ以外の光は薄膜331を透過する。透過光のうち、フォトンエネルギーが1.3eVよりも大きい光成分は薄膜232で吸収されてキャリアの生成に寄与する。それ以外の光は薄膜332を透過する。透過光のうち、フォトンエネルギーが0.9eVよりも大きい光成分は薄膜333で吸収されてキャリアの生成に寄与する。
この構成により、太陽光の広い波長範囲にわたって光を吸収して変換効率を向上することができる。
<効果の説明>
図15は、第1実施例~第3実施例の酸素発生電極を用いた酸素発生装置の効果を示す図である。各酸素発生電極の光吸収層の膜厚はほぼ同じであり、含まれる薄膜の層数が異なる。横軸はRHE基準の電位(Volts)、縦軸は電流密度(mA/cm2)である。電解液として0.1Mの水酸化カリウム(KOH)を用い、掃引速度を20mV/s、放射照射量を1SUNとしている。
第1実施例の厚さ100nm、バンドギャップ1.3eVの単層の光吸収層を有する酸素発生電極10を用いた場合、ある程度電位を高くすることで、電流密度を増大することができる。第1実施例では、ターゲットとするバンドギャップを持つ既存の材料を探さなくても、Sの添加割合を制御することで、単層の光吸収層のバンドギャップを所望のレベルに設計することができる。
第2実施例の2層構造の光吸収層(バンドギャップが1.3eVの50nm厚の薄膜とバンドギャップが2.1eVの50nm厚の薄膜)を用いると、一定の電位で電流密度が急激に立ち上がり、変換効率の良さを示している。
第3実施例の3層構造の光吸収層(バンドギャップが0.9eVの33nm厚の薄膜、バンドギャップが1.3eVの33nm厚の薄膜、及びバンドギャップが2.1eVの33nm厚の薄膜)を用いると、電流密度の立ち上がりは第2実施例と比較するとやや緩やかであるが、同じ電位で、より多くの電流密度を達成することができる。
以上、特定の実施例に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した例に限定されない。光吸収層にBaSnSx3-xを用いる場合は、0.9eV~4.0eVのバンドギャップを設計するためにxを0<x<0.25の範囲で設計したが、光吸収層をSrSnSx3-xで形成してもよい。この場合、同じバンドギャップの範囲(0.9eV~4.0eV)を実現するために、xは0<x<0.3の範囲で調整されてもよい。光吸収層としてp型のSr1-yySnSx3-xを用いてもよい。この場合は、0<y<0.05、及び0<x<0.3の範囲で添加割合を調整してもよい。
光吸収層を形成するペロブスカイト型の薄膜の数を、それぞれSの添加割合が異なる4層以上の層で形成してもよい。太陽光は1光子が持つエネルギーが1.3eV~3.0eVの範囲(可視領域)に強いスペクトルを示し、2.0eV~2.5eV(グリーン波長とその近傍)にピークを有する。可視領域の光エネルギーは50%以上を占めるが、フォトンエネルギーが1.3eV未満の赤外光や、フォトンエネルギーが3.0eVを超える紫外光も酸素/水素の発生、太陽光発電等に利用可能である。
本発明の構成により、光吸収層に含まれる各薄膜のバンドギャップを0~4.0eVの範囲で所望の値に設計することで、太陽光の全エネルギーを利用して高い変換効率を実現できる。特に、1.3eV~3.1eVの範囲全体にわたって太陽光に対する吸収感度を有するように、かつ酸化還元に適したエネルギーバンド構造を有するように設計することで、酸素発生、及び/または水素発生の効率を高めることができる。
以上の説明に対し、以下の付記を提示する。
(付記1)
伝導層と、
光触媒層と、
前記伝導層と前記光触媒層の間に配置される光吸収層と、
を有し、前記光吸収層は、1または複数のペロブスカイト型の薄膜で形成されており、前記薄膜の各々は、スズ(Sn)、酸素(O)、硫黄(S)、及び周期表の第1族または第2族から選択される1以上の元素を含み、
前記薄膜の各々で、バンドギャップが0eV~4eVの範囲の所望の値をとるようにSの含有割合が設定されていることを特徴とする酸素発生電極。
(付記2)
前記光吸収層は前記薄膜の多層構造を有し、複数の前記薄膜は同一の材料で形成され、前記Sの含有割合は前記薄膜間で異なることを特徴とする付記1に記載の酸素発生電極。
(付記3)
前記複数の前記薄膜は、光の入射側から順に前記Sの含有割合が増大するように配置されていることを特徴とする付記2に記載の酸素発生電極。
(付記4)
前記周期表の第1族または第2族から選択される前記1以上の元素は、Ba、Sr、Kを含むことを特徴とする付記1~3のいずれかに記載の酸素発生電極。
(付記5)
前記光吸収層の前記薄膜の組成はBaSnSx3-xであり、前記Sの含有割合は0<x<0.25の範囲で設定されていることを特徴とする付記1~4のいずれかに記載の酸素発生電極。
(付記6)
前記光吸収層の前記薄膜の組成はSrSnSx3-xであり、前記Sの含有割合は0<x<0.3の範囲で設定されていることを特徴とする付記1~4のいずれかに記載の酸素発生電極。
(付記7)
前記光吸収層の前記薄膜の組成はBa1-yySnSx3-xであり、0<x<0.25、かつ、0<y<0.05であることを特徴とする付記1~4のいずれかに記載の酸素発生電極。
(付記8)
前記光吸収層の前記薄膜の組成はBa1-yySrSx3-xであり、0<x<0.3、かつ0<y<0.05であることを特徴とする付記1~4のいずれかに記載の酸素発生電極。
(付記9)
前記伝導層は、SnとOを含み、縮退ドープされたペロブスカイト型の層であることを特徴とする付記1~8のいずれかに記載の酸素発生電極。
(付記10)前記伝導層は、Laが添加されたn型の導電型の層であることを特徴とする付記9に記載の酸素発生電極。
(付記11)
前記伝導層、前記光吸収層、及び前記光触媒層の積層体を支持する基板、
をさらに有し、前記基板は、Ba1-zLazSnO3、BaSn1-zSbz3、Sr1-zLazSnO3、SrSn1-zSbz3から選択されることを特徴とする付記1~10のいずれかに記載の酸素発生電極。
(付記12)
付記1~11のいずれかに記載の酸素発生電極と、
前記酸素発生電極と対向して配置される対向電極と、
前記酸素発生電極と前記対向電極の間を満たす電解液と
を有する酸素発生装置。
1、10A、10B、20、30 酸素発生電極
2、12、22、32 伝導層
3、13A、13B、23、33 光吸収層
11、21、31 基板
100、200、300 酸素発生装置
101 電解液
102 対向電極
231、232、331、332、333 薄膜

Claims (7)

  1. 伝導層と、
    光触媒層と、
    前記伝導層と前記光触媒層の間に配置される光吸収層と、
    を有し、前記光吸収層は、1または複数のペロブスカイト型の薄膜で形成されており、
    前記薄膜の各々は、スズ(Sn)、酸素(O)、硫黄(S)、及び周期表の第1族または第2族から選択される1以上の元素を含み、
    前記薄膜は、前記周期表の前記第1族または前記第2族から選択される元素をAとしてASnS 3-x で表され、前記硫黄(S)の含有割合が0<x<0.33の範囲内で設定されており、前記硫黄(S)が前記酸素(O)のサイトに置換されて前記薄膜のバンドギャップが0eVから4eVの範囲で制御されていることを特徴とする酸素発生電極。
  2. 前記光吸収層は前記薄膜の多層構造を有し、複数の前記薄膜は前記周期表の前記第1族または前記第2族から選択される元素が同一であり、前記硫黄(S)の含有割合は前記薄膜の間で異なることを特徴とする請求項1に記載の酸素発生電極。
  3. 前記複数の前記薄膜は、光の入射側から順に前記硫黄(S)の含有割合が増大するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の酸素発生電極。
  4. 前記光吸収層の前記薄膜の組成はBaSnSx3-xであり、前記硫黄(S)の含有割合は0<x<0.25の範囲で設定されて前記薄膜のバンドギャップが0.9eVから4eVの範囲で制御されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の酸素発生電極。
  5. 前記光吸収層の前記薄膜の組成はSrSnSx3-xであり、前記硫黄(S)の含有割合は0<x<0.3の範囲で設定されて前記薄膜のバンドギャップが0.9eVから4eVの範囲で制御されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の酸素発生電極。
  6. 前記光吸収層の前記薄膜の組成はBa1-yySnSx3-x のときに、0<x<0.25、かつ0<y<0.05であり、Sr 1-y y SnS x 3-x のときに、0<x<0.3、かつ0<y<0.05であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の酸素発生電極。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の酸素発生電極と、
    前記酸素発生電極と対向して配置される対向電極と、
    前記酸素発生電極と前記対向電極の間を満たす電解液と
    を有する酸素発生装置。
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