JP7174407B2 - メトキシプロパノールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、メトキシプロパノールの製造方法に関し、特に、二酸化炭素と水素のみを原料に用いてメトキシプロパノールを製造する方法に関するものである。
近年、地球温暖化が世界的な問題となっている中、二酸化炭素の有効利用法についての技術開発が活発に進められている。その中でも、二酸化炭素を化学的に有用な化合物へと変換する技術は特に注目されており、一酸化炭素、ギ酸、ホルムアルデヒド、メタノール、メタンなどの炭素数1の各種化学原料となる化合物への製造技術の開発が盛んに進められている。
これらの炭素数1の化合物を使った化学は、古くはC1化学として工業化学分野の領域では整理されており、これら化合物を基点にC2以上の様々な化合物への変換も実現されている。
例えば、一酸化炭素は、逆水性ガスシフトとして、二酸化炭素と水素から、一酸化炭素と水を生成する反応で、古くから知られており、二酸化炭素を利用するための一つの枯れた技術である。また、ここで得られた一酸化炭素は、水素と反応してホルムアルデヒドに変換され、更にホルムアルデヒドは水素と反応してメタノールになり、最終的にはメタンとなる。
C1化学では、一酸化炭素と水素の混合ガスを合成ガスと呼ぶ。石炭と水や空気でガス化すると、一酸化炭素と水素を含むガスが得られることから、この名前が付いている。この合成ガスから300℃近い条件で鉄やコバルトなどの触媒を用いると、以下の反応式に示すように高級オレフィンなどの炭化水素(フィッシャートロプシュプロセス)や、生成するメタノールとアルミナ触媒を用いることで、ガソリン留分の炭化水素を合成したりすることができることは古くから知られており(特許文献1、非特許文献1)、南アフリカやニュージーランドなどでは、実際にこの手法を使って必要とする炭化水素を製造している。
Figure 0007174407000001
一方、二酸化炭素と水素を高温高圧状態におき、ニッケルやアルミナなどの触媒を用いて、以下のようにメタンを生成する反応は、サバティエ反応として知られている(特許文献2、非特許文献2)。
Figure 0007174407000002
また、二酸化炭素と水素から、ギ酸が生成する反応も数多く報告されており、最近では均一系や不均一系の様々な触媒が開発されてきている(特許文献3、特許文献4、非特許文献3,非特許文献4)。
Figure 0007174407000003
また、二酸化炭素と水素から、メタノールが生成する反応も数多く報告されており、こちらも最近では均一系不均一系と様々な触媒が開発されている(特許文献5、特許文献6、非特許文献5、非特許文献6)。
Figure 0007174407000004
しかしながら、二酸化炭素と水素から、炭素数2以上の化合物を生成する反応は、一酸化炭素の場合と比べるとまだまだ未開拓な領域であり、例えば、炭素数2のエタノールを電気化学的に合成した例が報告されている程度である(非特許文献7)。
Figure 0007174407000005
また、CuO-ZnO系やCuO-ZnO-Cr系の触媒をマイクロ波で加熱することにより、二酸化炭素と水素からエタノールを生成させる例が報告されている(特許文献7)。この方法は、マイクロ波により触媒の表面温度が非常に高くなるため、反応に必要な十分な温度になるためと考えられるが、この報告でもエタノールへの転換率は0.13%と低く、電気エネルギーからマイクロ波発振への変換効率も高くないことから鑑みるに、効率の良い手法とは言えない。
特開2018-143911号公報 特開2016-117726号公報 特開2018-199103号公報 特開2018-103158号公報 特開2016-507589号公報 特開2018-8940号公報 特開2008-247778号公報
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このように、二酸化炭素と水素から炭素数2以上の化合物を合成する方法は、合成ガスを利用した場合に比べて報告例が少なく、炭素数2までの限られた範囲内の化合物が得られるだけで、それ以上の炭素数の化合物を得るには、得られた化合物を原料にして別の反応が必要である。
しかも、これらの反応は気相中で行われることが多く、炭素数が増える反応ほど、反応温度が高くなる傾向がある。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであって、二酸化炭素と水素だけから炭素数3以上の有機化合物(アルコール)を製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、各固体触媒には二酸化炭素の活性化、水素化還元、炭素-炭素結合反応の活性化などの各反応を触媒する働きがあることが判明した。そこで、これら固体触媒の2種類以上を物理的に混合した複合触媒を用いて逐次的に反応させるシステムを構築することで、二酸化炭素と水素とからなる超臨界流体を含む高圧流体を用いて、炭素数3以上の有機化合物(アルコール)、特にプロパノールなどのアルコールを生成できることを見いだし、さらに、この触媒の組み合わせを最適化することで、炭素数4の1-メトキシ-2-プロパノールを高選択的に生成できることを見いだした。
本発明は、これらの知見に基づいて完成させるに至ったものであり、以下のとおりである。
[1]二酸化炭素と水素を含む超臨界流体を含む高圧流体を原料に用い、担持する金属微粒子の金属種が異なる2種類以上の固体触媒を物理的に混合した複合触媒を用いて、1-メトキシ-2-プロパノールを製造する方法。
[2]二酸化炭素と水素の合計圧力が、1MPa以上または臨界圧力以上であることを特徴とする[1]に記載の方法。
[3]反応温度が、25℃以上250℃以下であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の方法。
[4]二酸化炭素と水素の合計圧力が、10MPa以上、反応温度が100℃以上であることを特徴とする[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]前記固体触媒が担持する金属微粒子の金属種が、周期表第8族の鉄、ルテニウム及びオスミウム、同第9族のコバルト、ロジウム及びイリジウム、同第10族のニッケル、パラジウム及び白金、同第11族の銅、銀及び金、並びに同第12族の亜鉛、カドミウム及び水銀からなる群から選ばれることを特徴とする[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[6]前記複合触媒が、ルテニウム微粒子を担持する固体触媒とイリジウム微粒子を担持する固体触媒を含有することを特徴とする[1]~[5]に記載の方法。
[7]前記固体触媒の担体が、炭素、酸化マンガン、アルミナ、シリカ、チタニア、マグネシア、ジルコニア、及びセリアからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8]前記複合触媒が、ルテニウムナノ粒子担持メソポーラスシリカとイリジウムナノ粒子担持メソポーラスシリカを含有することを特徴とする[1]~[7]のいずれかに記載の方法。
[9]前記複合触媒が、ルテニウムナノ粒子担持メソポーラスシリカとイリジウムナノ粒子担持メソポーラスシリカからなり、水素と二酸化炭素の合計圧力が10MPa以上、反応温度が100℃以上であることを特徴とする[1]~[8]のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、原料として高圧の二酸化炭素と水素を用い、担持する金属微粒子の金属種が異なる2種類以上の固体触媒を混合した複合触媒を用いることで、1-メトキシ-2-プロパノールを得ることができる。これまで炭素数3以上の有機化合物(アルコール)を得るためには、バイオマスや石油を原料として、それらの分解反応を行うことで製造してきたが、本発明によれば、安定な二酸化炭素と水素のみから、炭素数4の化合物である、1-メトキシ-2-プロパノールを得ることができ、地球温暖化ガスである二酸化炭素の有効利用技術に繋がると同時に、将来の低炭素社会、炭素循環社会や脱炭素社会に向けた化学産業を創出することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
(使用する原料のガス種およびその含有量)
本発明において原料として用いる高圧流体の主成分は、水素と二酸化炭素を含む超臨界流体であるが、その中に例えば窒素、ヘリウム、アルゴン、キセノン、クリプトンなどの触媒を被毒しないガスが水素と二酸化炭素に対して全体で50体積%以下であれば含まれていてもよく、好ましくは30体積%以下、更に好ましくは20体積%、最も好ましくは10体積%以下含まれていても用いることができる。
(希釈用ガス)
安全性から本発明に用いられる原料(水素と二酸化炭素)に含まれる酸素は限りなく含まれないことが好ましいが、水素と二酸化炭素に対して1%体積以下であれば用いることができ、更に好ましくは0.1体積%、最も好ましくは0.01体積%であれば用いることができる。
(水分)
本発明に用いられる原料(水素と二酸化炭素)に含まれる水(水蒸気)は、原料への溶解度にもよるが使用するガス全体に対して1体積%以下であれば用いることができるが、更に好ましくは0.1体積%以下、最も好ましくは0.01体積%以下であれば好適に用いることができる。
(触媒被毒)
本発明に用いられる原料(水素と二酸化炭素)には、アンモニアやメチルアミンなどのアミン系化合物、硫化水素、二硫化炭素などの硫黄系化合物、一酸化窒素、二酸化窒素などの窒素酸化物系化合物は限りなく含まれないことが好ましいが、全体の0.1体積%以下、更には0.01体積%、最も好ましくは0.001体積%以下であれば用いることができる。
(高圧流体の圧力範囲)
本発明における高圧流体の圧力は、水素が0.5MPa以上、二酸化炭素が0.5MPa以上のトータル1MPa以上あるいは臨界圧力以上で反応を行うことができるが、好ましくは水素と二酸化炭素の合計の圧力が2MPa以上であれば行うことができ、更に好ましくは合計の圧力が5MPa以上であれば行うことができ、更に好ましくは8MPa以上の圧力で反応を行うことができる。なお、水素と二酸化炭素以外のガスを含む場合、それらの全圧は特に限定されず適宜設定することができる。
(反応温度)
本発明における反応温度は、二酸化炭素と水素を含む超臨界流体の臨界温度以上であれば用いることができる。一方で、二酸化炭素と水素の混合比によって臨界温度は変化すため、それに応じて反応温度は適宜調整することで反応を行うことができる。そのため、使用できる反応温度には幅があるが、10℃以上250℃の範囲であれば、適宜調整して行うことができ、更に好適には、50℃以上250℃以下の範囲で、更に好適には100℃以上250℃以下、最も好適には100℃以上200℃以下の範囲で反応を行うことができる。
(反応時間)
本発明における反応時間は、各物質によって反応速度がことなるため、目的に応じて適宜調整することができるが、10分以上120時間以内で調整することで目的物質を得ることができ、好適には1時間以上72時間以内、更に好適には4時間以上72時間以内、最も好適には4時間以上24時間以内で目的とする化合物を得ることができる。
(使用する二酸化炭素と水素の比率)
本発明における二酸化炭素と水素の比率は、水素が多すぎるとメタンが生成するし、少なすぎると炭化が起こりやすくなるので、適度な比率で水素と二酸化炭素を使用する必要がある。本発明では、二酸化炭素と水素の比率は、モル比で水素:二酸化炭素=1:100から100:1の範囲で任意に設定することができるが、好ましくは1:20から10:1の範囲で、更に好ましくは1:20から1:1の範囲で、最も好ましくは、1:15から1:2の範囲で用いることで、当該発明の反応を行うことができる。
(複合触媒)
本発明に用いられる触媒は、金属微粒子とそれを担持する担体から構成される固体触媒であって、本発明においては、担持する金属微粒子の金属種が異なる2種類以上の固体触媒を物理的に混合した複合触媒が用いられる。
(触媒の金属微粒子)
前記固体触媒が担持する金属微粒子としては、周期表における、第8族の鉄、ルテニウム及びオスミウム、第9族のコバルト、ロジウム及びイリジウム、第10族のニッケル、パラジウム及び白金、第11族の銅、銀及び金、並びに第12族の亜鉛、カドミウム及び水銀からなる群から選ばれる少なくとも1種類を用いることができるが、好ましくは、第8族の鉄、ルテニウム、オスミウム、第9族のコバルト、ロジウム、イリジウム、第10族のニッケル、パラジウム、白金のいずれか1種類以上が好ましく、更に好ましくは、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金のいずれか一種類以上が好ましく、最も好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウムのいずれかから選ばれる金属微粒子を用いることができる。
本発明における複合触媒における2種類以上の固体触媒には、これらの金属微粒子の中から、金属種の異なる金属微粒子を担持したものが選択して用いられる。
中でも、1-メトキシ-2-プロパノールを高選択的に生成できることから、ルテニウム微粒子を担持する固体触媒とイリジウム微粒子を担持する固体触媒を含有する触媒が特に好ましく用いられる。
(触媒の担体)
さらに、本発明で用いられる触媒の担体は、特に100℃以上で固体であれば特に限定はしないが、炭素(ポーラスカーボン等を含む)、アルミナ(ゼオライト等を含む)、シリカ(MCM-41等のメソポーラスシリカ等を含む)、ジルコニア、チタニア、マグネシア、セリア、酸化スズ、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム、酸化鉄、酸化マンガン、酸化バナジウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化亜鉛、モンモリロナイト、モレキューラーシーブ、ヒドロキシアパタイトなどを用いることができるが、好ましくは、炭素、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、及び酸化マンガンからなる群から選ばれる少なくとも1種、更に好ましくは、炭素、アルミナ、シリカ、及びチタニアからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
(物理的混合)
本発明に用いられる複合触媒は、担持する金属微粒子の金属種が異なる2種類以上の固体触媒を物理的に混合したものであるが、その混合方法は特に限定されず、2種類以上の固体触媒が混合されていれば良く、例えば、スパチュラ等を用いた混合方法等が挙げられる。ただし、触媒を更に物理的に圧縮、破砕、切断、摩擦粉砕などを行うことは、触媒自体の性能が変わるので、好ましくない。
(反応容器)
本発明に用いられる反応容器は、バッチ式でも流通式でもいずれの反応容器でも行うことができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、反応の選択率および収率の決定は以下の方法で行った。
選択率[%]=目的生成物量(モル)/各生成物量(モル)の合計×100
収率[モル/触媒(1g)/時間]=目的生成物量(モル)/触媒(1g)/時間×100
(実施例1)
本実施例においては、固体触媒として、MCM-41にRu微粒子を約1wt%担持した固体触媒(Ru/MCM-41)とMCM-41にIr微粒子を約1wt%担持した固体触媒(Ir/MCM-41)の2種類を用いて、Ru/MCM-41:Ir/MCM-41が金属の重量比で下記の表に記載の比となるように、スパチュラを用いて混合した複合触媒を用い(番号2~5)、比較のために、Ru/MCM-41及びIr/MCM-41をそれぞれ単独で用いた(番号1及び番号6)。
また、原料に、水素:二酸化炭素=1:3の比率のガスを用い、ガスの全圧を16MPaに調整し、温度は150℃、時間は16時間で反応を行った。
50mLのステンレス製オートクレーブに、マグネチックスターラーと0.1gの上記固体触媒を入れた後、空気恒温槽の中で150℃に加熱した。温度が安定したら、水素を2MPa入れた後、二酸化炭素を所定の圧力にまで加圧して導入した。反応時の全圧力は、背圧弁で制御および測定を行った。得られる生成物を回収するために、背圧弁の出口には、-3.5℃に冷却したトラップを取り付けた。得られた成分の定量と定性分析は、ガスクロマトグラフを用いて決定した。結果を表1に示す。
Figure 0007174407000006
Ru/MCM-41:Ir/MCM-41が4:1の時に、炭素数4の1-メトキシ-2-プロパノールが97%の高選択率で得られることが分かった。また、Ru/MCM-41:Ir/MCM-41が1:9の時に、選択率62%と、2-プロパノールの選択率が最大になることが分かった。また、Ru/MCM-41のみの場合は、エタノールが62%の選択率で、Ir/MCM-41のみの場合は、2-プロパノールが49%の選択率で得られることが分かった。
この結果から、単一の触媒のみでは、特にC4以上の炭化水素あるいはアルコール等を選択的に得ることが難しいが、2種類の触媒を組み合わせることで、C4の1-メトキシ-2-プロパノールを高選択的に得られることが分かる。
(実施例2)
本実施例では、反応時の圧力について検討を行った。条件は、実施例1番号2の条件と同じ条件(Ru/MCM-41:Ir/MCM-41が4:1、触媒0.01g、反応温度150℃、反応時間16時間)で、水素分圧は2MPaと一定にし、二酸化炭素の圧力を変え、全圧を調整して検討を行った。その結果を表2に示す。
Figure 0007174407000007
その結果、水素と二酸化炭素の合計圧力が4MPa以上になると1-メトキシ-2-プロパノールが生成し始め、16MPaの時に最大収率となることが分かった。
(実施例3)
更に、実施例1番号2の条件と同じ条件(Ru/MCM-41:Ir/MCM-41が4:1、触媒0.01g、反応温度150℃、反応時間16時間)で、全圧を16MPaと一定にして、水素の圧力を変化させて検討を行った。その結果を表3に示す。
Figure 0007174407000008
その結果、水素分圧は4MPa、二酸化炭素は12MPaの時に最も良い値を示した。これより、水素と二酸化炭素がH:CO=1:3の時に1-メトキシ-2-プロパノールの選択率と収量の両方が最も高くなることが分かった。
(実施例4)
実施例1番号2の条件と同じ条件で、反応時間による生成物の変化の検討を行った。その結果を表4に示す。
Figure 0007174407000009
その結果、反応時間が4時間以降になると1-メトキシ-2-プロパノールの選択性と収率が大きく増大することが分かった。
(比較例)
比較のために、複数の金属を組み合わせて触媒を作成する際の、金属の混合方法の違いについて検討を行った。
Ru/MCM-41:Ir/MCM-41を4:1で混合した複合触媒(実施例1番号2)に対し、Ru/MCM-41:Ir/MCM-41を4:1で混合してから、ボールミルで粉砕して混合した場合(比較例1)、及びRu:Irが4:1の合金をMCM-41に担持した場合(比較例2)で比較を行った。反応条件は、実施例1番号2と同様で、複合触媒0.01g、反応圧力16MPa、反応温度150℃、反応時間16時間で行い、その結果を表5に示す。
Figure 0007174407000010
表5に示すとおり、本発明の複合触媒を用いた場合は、1-メトキシ-2-プロパノールの選択率が非常に高く、収量も高い。しかし、粉砕混合した触媒(比較例1)の場合、ボールミルによって触媒の微細構造が崩れたため触媒機能が失われ、1-メトキシ-2-プロパノールがほとんど生成しない。一方で、合金を担持した触媒(比較例2)の場合は、1-メトキシ-2-プロパノールの選択率が高く、収量も比較的高い。しかし、物理的に混合した複合触媒と比較すると低い性能を示した。

Claims (6)

  1. 二酸化炭素と水素を含む超臨界流体を含む高圧流体を原料に用い、ルテニウム微粒子を担持する固体触媒とイリジウム微粒子を担持する固体触媒を物理的に混合した複合触媒を用いて、1-メトキシ-2-プロパノールを製造する方法。
  2. 水素と二酸化炭素の合計圧力が、1MPa以上または臨界圧力以上である請求項1に記載の方法。
  3. 反応温度が、25℃以上250℃以下である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 水素と二酸化炭素の合計圧力が、10MPa以上、反応温度が100℃以上である請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記固体触媒の担体が、炭素、酸化マンガン、アルミナ、シリカ、チタニア、マグネシア、ジルコニア、及びセリアからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記固体触媒の担体が、メソポーラスシリカである、請求項5に記載の方法。
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