JP7173655B2 - 切断刃及びそれを用いた医療用弁体の製造方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、ディスク状の弾性体に軸中心から三方向に分岐したスリットが設けられてなる弾性弁体が開示されている。特許文献2に記載の弾性弁体のスリットは、スリットと同じ形状の刃先を有するカッターを、弾性体に対し垂直方向から押し当てて貫通させることにより形成される。
上記特許文献では、刃先が、弁体のスリット形成面に対して平行なカッターを用いてスリットを形成しているため、刃を押し込んだ際に弾性体が湾曲変形し、切り口表面が粗くなる、又は、所望の寸法とは異なるスリットが形成されるという問題がある。
弾性薄膜の一方の面に垂直方向から刺し入れ、弾性薄膜の他方の面まで貫通させて直線状のスリットを形成する切断刃であって、
基体部と刃先とからなり、
基体部が、切断刃を刺し入れる方向に対して平行な2つの端部を有し、
2つの端部と弾性薄膜に刺し入れる側の端部とに刃先を有し、
刺し入れる側の端部に刃山を少なくとも1つ有するものである。
2つの刃山の頂点は、それぞれ、基体部の2つの端部上に位置するものであってもよい。
ゴム組成物を加硫及び成形して弁本体部とフランジ部とを一体的に形成する第一の工程と、
本発明の切断刃を、凹部の開口から底面に向かって垂直方向に刺し入れ、底面に貫通させてスリットを形成する第二の工程と、
を備える。
第二の工程において、切断刃と底面の長辺とが平行になるようにして切断刃を刺し入れることが好ましい。
また、本発明の医療用弁体の製造方法によれば、本発明の切断刃を用いているため、寸法精度及び密閉性が高い医療用弁体を得ることができる。
まず、本発明の切断刃について説明する。図1に、本発明の切断刃の一実施形態を用いて弾性薄膜にスリットを形成する工程を示す。図2に、本発明の切断刃の一実施形態の側面図を示す。
図1に示すように、本実施形態の切断刃10は、弾性薄膜20の一方の面21aに垂直方向(図中Z)から刺し入れ、弾性薄膜20の他方の面21bまで貫通させて直線状のスリット22を形成するものである。
本実施形態の切断刃10は、基体部11と刃先とからなり、基体部11は、切断刃10を刺し入れる方向Zに対して平行な2つの端部12及び13を有する。そして、2つの端部12及び13と、弾性薄膜20に刺し入れる側の端部14とに、それぞれ刃先12a、13a、及び14aを有し、刺し入れる側の端部14に刃山15を1つ有する。
端部14の刃先14a、2つの端部12及び13の刃先12a及び13aが、順次、弾性薄膜20に挿入されることによって(図1(b)参照)、直線状のスリット22が形成される(図1(c)参照)。
また、切断刃10の長さL1(図1(a)参照)は、一般に医療分野で使用されている、スリットに挿入するシリンジ等の外径が4mm以上10mm以下であることを考慮すれば、4.5mm以上6.0mm以下であることが好ましい。
図3に示すように、本実施形態の切断刃30は、基体部31と刃先とからなり、切断刃30を刺し入れる方向Zに対して平行な2つの端部32及び33と、弾性薄膜20に刺し入れる側の端部34とに、それぞれ刃先32a、33a及び34aを有し、刺し入れる側の端部34に2つの刃山35及び36を有する。刃山35及び36の頂点35t及び36tは、それぞれ、基体部31の2つの端部32及び33上に位置する。
スリット22の長さは、一般に医療分野で使用されているシリンジ等の外径が4mm以上10mm以下であることを考慮すれば、4.5mm以上6.0mm以下であることが好ましい。
次に、医療用弁体の製造方法について説明する。図4に、医療用弁体の一実施形態であって、スリットを形成する前の斜視図を示し、図5に平面図を示す。図6に、図5におけるA-A断面図を示し、図7に、図5におけるB-B断面図を示す。
本発明の医療用弁体の製造方法によって製造される、スリットを形成する前の医療用弁体40は、図4に示すように、内側に凹部41を有する逆円錐台形の弁本体部42と、弁本体部42の開口端部42c(図6参照)から外側に突出するフランジ部43とから構成される。
図6及び図7に示すように、凹部41の底面44は、長さL3、幅W3、厚さt3を有する長方形の薄膜である。一般に医療分野で使用されている、スリットに挿入するシリンジ等の外径が4mm以上10mm以下であることを考慮すれば、底面の長さL3は、5mm以上12mm以下であることが好ましく、底面44の幅W3は、0.3mm以上1.0mm以下であることが好ましい。
底面44の厚さt3は、シリンジの挿脱時の抵抗に耐え、破断しにくい厚さであることを考慮すると、0.5mm以上1.5mm以下であることが好ましく、0.8mm以上1.2mm以下であることがより好ましい。
(第一の工程)
ゴム組成物を加硫及び成形して弁本体部42とフランジ部43とを一体的に形成する。
ゴム組成物のゴム成分としては、シリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴムのJIS A硬度は、30以上70以下が好ましく、40以上60以下がより好ましい。また、シリコーンゴムの破断時の伸びは、300%以上700%以下であることが好ましい。
図8(a)に示すように、第一の工程で作製した、スリットが形成されていない医療用弁体40を台座50に凹部41を上にしてセットする。スリットが形成されていない医療用弁体40の上方に、切断刃10を配置して、切断刃10と底面44の長辺44aとが平行になるように調整する。切断刃10の長さL1(図1参照)は、底面44の長方形の長辺44a(図5参照)の長さL3(図6参照)と同じである。
次に、図8(b)に示すように、凹部41の開口から底面44に向かって垂直方向(Z方向)に刺し入れ、底面44に貫通させてスリット45を形成する。
最後に、図8(c)に示すように、切断刃10を医療用弁体40の底面44から抜き取ることにより、図9に示すように、スリット45が底面44の中央に形成される。
また、台座50は弾性体であってもよい。弾性体の場合には、空隙51を設ける必要がなく、医療用弁体40の底面44が台座50に当接されていてよい。この場合、切断刃10の刃山15を台座50内部まで挿入することができる。医療用弁体40の底面44が台座50に当接されていることにより、医療用弁体40の湾曲変形を小さくすることができ、寸法精度を高くすることができる。
11、31 基体部
12、13、14、32、33、34 端部
12a、13a、14a、32a、33a、34a 刃先
15、35、36 刃山
15t、35t、36t 頂点
20 弾性薄膜
21a 一方の面
21b 他方の面
22 スリット
22a 端
40 医療用弁体
41 凹部
42 弁本体部
42a、42b 側面
42c 開口端部
43 フランジ部
44 底面
44a 長辺
45 スリット
50 台座
51 空隙
Claims (5)
- 弾性薄膜の一方の面に垂直方向から刺し入れ、前記弾性薄膜の他方の面まで貫通させて直線状のスリットを形成する切断刃であって、
基体部と刃先とからなり、
前記基体部が、前記スリットの長さ方向の端部であって、前記切断刃を刺し入れる方向に対して平行な2つの端部を有し、
前記2つの端部と前記弾性薄膜に刺し入れる側の端部とに刃先を有し、
前記刺し入れる側の端部に刃山を少なくとも1つ有する医療用弁体用切断刃。 - 前記切断刃の厚さが、0.2mm以上0.4mm以下である請求項1記載の医療用弁体用切断刃。
- 前記刺し入れる側の端部に、前記スリットの長さ方向に2つの刃山を有し、
前記2つの刃山の頂点が、それぞれ、前記基体部の前記2つの端部上に位置する請求項1又は2記載の医療用弁体用切断刃。 - 弾性薄膜からなり、内側に凹部を有する逆円錐台形の弁本体部と、該弁本体部の開口端部から外側に突出するフランジ部とから構成され、前記凹部の底面に直線状のスリットを有する医療用弁体の製造方法であって、
ゴム組成物を加硫及び成形して前記弁本体部と前記フランジ部とを一体的に形成する第一の工程と、
請求項1から3いずれか1項記載の医療用弁体用切断刃を、前記凹部の開口から前記底面に向かって垂直方向に刺し入れ、前記底面に貫通させて前記スリットを形成する第二の工程と、
を備える医療用弁体の製造方法。 - 前記凹部の底面が長方形であり、
前記第二の工程において、前記医療用弁体用切断刃と前記底面の長辺とが平行になるようにして前記医療用弁体用切断刃を刺し入れる請求項4記載の医療用弁体の製造方法。
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JP2000317881A (ja) | 1999-04-30 | 2000-11-21 | Onodani Kiko Kk | 古タイヤ切断装置用切断刃 |
JP2008096310A (ja) | 2006-10-12 | 2008-04-24 | Asahi Rubber:Kk | ゴム成形体のスリット検査装置及びゴム成形体のスリット検査方法 |
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