JP2017143946A - ニードルレスポート - Google Patents
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Abstract
【課題】液体の注入や採取がより安定的に行なえるニードルレスポートを提供する。【解決手段】ニードルレスポートは、雄ルアーが挿入可能な開口が一端に形成されるとともに、外周面に雄ネジ21bが設けられてなる略円筒状のポート部21と、ポート部21の他端に配置され、上記開口を介して挿入された雄ルアーによって押し下げられることで開放可能な自閉式のスリット31が設けられたセプタム30とを備える。ポート部21の外径は、ISO594−2:1998に規定されるロック式コネクタの雌側コネクタの標準外径寸法に準拠しており、ポート部21の内径は、ISO594−1:1986に規定されるコネクタの雌側コネクタの標準内径寸法よりも大きい。【選択図】図2
Description
本発明は、輸液ラインや容器等に付設される混注ポートの一種であるニードルレスポートに関する。
従来、輸液ラインや容器等の密閉性を維持しつつ液体の注入や採取を可能にする混注ポートとして、様々な構造のものが提案されている。その一つとして、ニードルレスポートが知られている。
ニードルレスポートは、弾性変形することで開放可能な自閉式のスリットが設けられたセプタムを備えており、ポート部に挿入された雄ルアーによってセプタムが押し下げられることで上記スリットが開放するものである。このニードルレスポートは、金属製の穿刺針等を用いずとも液体の注入や採取が行なえるものであり、この点において高い利便性を備えている。
上述したニードルレスポートは、特に医療用途において汎用されており、たとえば投薬のために患者の静脈に繋がれる輸液ラインに付設される。この場合、ニードルレスポートは、たとえば輸液ラインを構成する一対のチューブの接続部に設置される医療用コネクタに設けられる。このようなニードルレスポートが設けられた医療用コネクタが具体的に開示された文献としては、たとえば特表2006−501976号公報(特許文献1)がある。
ここで、上述した雄ルアーを含む雄側コネクタとしては、これが雄ルアーのみによって構成されてなるルアースリップ型雄側コネクタと、これが雄ルアーと当該雄ルアーを取り囲むように内周面に雌ネジが設けられた筒状のロック部とによって構成されてなるルアーロック型雄側コネクタとがある。
ルアースリップ型雄側コネクタは、筒状の雌側コネクタの中空部に雄ルアーが挿抜される形式のものであり、接続に際しては、雌側コネクタの中空部に雄ルアーが挿入されることによって雄ルアーと雌側コネクタとが嵌合し、その嵌合力によって雄ルアーが雌側コネクタにて保持されることになる。
一方、ルアーロック型雄側コネクタは、外周面に雄ネジが設けられた筒状の雌側コネクタにロック部が螺合および取り外しされることに伴って雌側コネクタの中空部に雄ルアーが挿抜される形式のものであり、接続に際しては、雌側コネクタの中空部に雄ルアーが挿入されつつ雌側コネクタにロック部が捻じ込まれることにより、その螺合力によって強固に雄型コネクタが雌型コネクタにて保持されることになる。
なお、これらコネクタの寸法や形状は、互換性を高めるために国際標準化機構が定めた国際規格によって標準化されており、雄ルアーの形状および寸法ならびに雌側コネクタの形状および寸法は、ISO594−1:1986において規定されており、ルアーロック型雄側コネクタのロック部の形状および寸法ならびにルアーロック型雌側コネクタの形状および寸法は、ISO594−2:1998において規定されている。
一般に、ニードルレスポートにあっては、様々な形式の雄型コネクタが接続可能となるように、そのポート部の内径が、ISO594−1:1986において規定されるコネクタの雌型コネクタの標準外径寸法に準拠するとともに、そのポート部の外径が、ISO594−2:1998において規定されるロック式コネクタの雌側コネクタの標準外径寸法に準拠したものとして構成される。
ここで、上述したルアースリップ型雄型コネクタを備えたルアースリップ型シリンジとして、いわゆる2ピースシリンジがある。2ピースシリンジは、バレルおよびプランジャの2部材からなるものであり、プランジャは、ロッドとガスケットとが組み合わされることで構成されている。当該2ピースシリンジも、一般に上述したISO規格に準拠した雄ルアーを有しているため、血液回路を構成するラインや投薬のためのライン等に代表される輸液ラインに設けられたニードルレスポートに対して使用される可能性がある。
しかしながら、2ピースシリンジの雄ルアーがニードルレスポートのポート部に斜めに挿し込まれてしまった場合には、プランジャとバレルとの間のシール部(すなわちガスケット)に歪みが生じ、輸液ライン内に気泡が入り込んでしまうおそれがある。また、何らかの外力が2ピースシリンジあるいはニードルレスポートに加わった場合に容易に雄ルアーがポート部から脱落してしまうおそれもある。
したがって、本発明は、上述した問題を解決すべくなされたものであり、液体の注入や採取がより安定的に行なえるニードルレスポートを提供することを目的とする。
本発明の第1の局面に基づくニードルレスポートは、雄ルアーが挿入可能な開口が一端に形成されるとともに、外周面に雄ネジが設けられてなる略円筒状のポート部と、上記ポート部の他端に配置され、上記開口を介して挿入された雄ルアーによって押し下げられることで開放可能な自閉式のスリットが設けられたセプタムとを備えている。上記ポート部の外径は、ISO594−2:1998に規定されるロック式コネクタの雌側コネクタの標準外径寸法に準拠しており、上記ポート部の内径は、ISO594−1:1986に規定されるコネクタの雌側コネクタの標準内径寸法よりも大きい。
本発明の第2の局面に基づくニードルレスポートは、雄ルアーが挿入可能な開口が一端に形成されるとともに、外周面に雄ネジが設けられてなる略円筒状のポート部と、上記ポート部の他端に配置され、上記開口を介して挿入された雄ルアーによって押し下げられることで開放可能な自閉式のスリットが設けられたセプタムとを備えている。上記ポート部の外径をR1とし、上記セプタムから上記ポート部の上記一端側に向けて距離L[mm]だけ離れた位置における上記ポート部の内径をR2(L)とした場合に、上記R1が、7.73[mm]≦R1≦7.83[mm]の条件を満たしているとともに、上記R2(L)が、R2(L)>4.027+L×0.006[mm]の条件を満たしている。
本発明の第3の局面に基づくニードルレスポートは、透析施術に用いられる血液回路上に設けられたものであって、雄ルアーが挿入可能な開口が一端に形成されるとともに、外周面に雄ネジが設けられてなる略円筒状のポート部と、上記ポート部の他端に配置され、上記開口を介して挿入された雄ルアーによって押し下げられることで開放可能な自閉式のスリットが設けられたセプタムとを備えている。上記ポート部の内面は、シリンジの雄ルアーコネクタのフィッティングに関するISO規格に従った雄ルアーの外面に対して嵌合不可能な寸法とされている。
本発明の第4の局面に基づくニードルレスポートは、透析施術に用いられる血液回路上に設けられたものであって、雄ルアーが挿入可能な開口が一端に形成されるとともに、外周面に雄ネジが設けられてなる略円筒状のポート部と、上記ポート部の他端に配置され、上記開口を介して挿入された雄ルアーによって押し下げられることで開放可能な自閉式のスリットが設けられたセプタムとを備えている。上記ポート部の内面は、シリンジの雄ルアーコネクタのフィッティングに関するISO規格に従った雄ルアーが上記ポート部に挿入された場合に、当該雄ルアーの外面との間に隙間が形成される寸法とされている。
本発明によれば、ISO規格に準拠したルアースリップ型雄型コネクタに非対応のニードルレスポートとすることにより、2ピースシリンジの使用を防止可能にし、結果として液体の注入や採取がより安定的に行なえるニードルレスポートの提供が可能になる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下においては、本発明が適用されたニードルレスポートを備えた医療用コネクタを例示して説明を行なう。また、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施の形態に係るニードルレスポートを備えた医療用コネクタの斜視図である。また、図2は、図1に示す医療用コネクタの図1中に示すII−II線に沿った断面図であり、図3は、図1に示す医療用コネクタの分解斜視図である。まず、これら図1ないし図3を参照して、本実施の形態に係るニードルレスポートを備えた医療用コネクタ1の構成について説明する。
図1ないし図3に示すように、医療用コネクタ1は、第1ハウジング10と、第2ハウジング20と、セプタム30とを備えている。医療用コネクタ1は、たとえば投薬のために患者の静脈に繋がれる輸液ラインに付設されるものである。
第1ハウジング10は、全体として略円筒状の形状を有しており、ベース部11と、第1ポート12と、第2ポート13と、台座部14とを主として含んでいる。
ベース部11は、略円筒状の形状を有しており、全体として略円筒状の形状を有する第1ハウジング10の軸方向における略中央部に位置している。ベース部11の内部には、輸液ラインの一部を構成する中空部11aが設けられている。
第1ポート12および第2ポート13は、それぞれベース部11の軸方向の一端および他端から突設されており、略円筒状の形状を有している。第1ポート12および第2ポート13の内部の空間は、それぞれベース部11の中空部11aに連通している。
これら第1ポート12および第2ポート13は、血液回路を構成するラインや投薬のためのライン等に代表される輸液ラインの一部を構成する図示しない一対のチューブの各々の一端が接続される継ぎ手部であり、接続に際しては、一方のチューブの一端が第1ポート12に内挿されて圧入固定されるとともに、他方のチューブの一端が第2ポート13に内挿されて圧入固定される。これにより、一対のチューブがベース部11の中空部11aを介して連通することになり、これら一対のチューブと医療用コネクタ1とによって輸液ラインが構成されることになる。
台座部14は、ベース部11の周方向の所定位置に設けられており、ベース部11の周壁に穿設された孔部14aと、当該孔部14aを取り囲むようにベース部11の周壁に設けられた環状かつ平面状の座面14bと、当該座面14bから外側に向けて突出するように形成された環状突起14cとを有している。孔部14aは、ベース部11の中空部11aに連通しており、環状突起14cは、孔部14aを取り囲むように位置している。
第2ハウジング20は、全体として略円筒状の形状を有しており、ポート部21と、カバー部22とを含んでいる。
ポート部21は、略円筒状の形状を有しており、内部に中空部21aが設けられるとともに、外周面に雄ネジ21bが設けられている。ポート部21の軸方向の一端には、雄ルアーが挿入可能な開口が形成されている。
カバー部22は、上述した開口が設けられた一端とは反対側に位置するポート部21の軸方向の他端から外側に向けてフランジ状に突設された略環状の部位からなる。カバー部22の表面のうち、ポート部21の上記他端側に位置する外表面には、環状かつ平面状の押圧面22aが設けられている。
第2ハウジング20は、カバー部22が設けられた側の端部が第1ハウジング10の台座部14に向き合った状態で第1ハウジング10に固定されており、より詳細には、カバー部22の外縁部が第1ハウジング10の台座部14の外縁部に固定されている。これにより、ポート部21は、全体として略円筒状の形状を有する第1ハウジング10の軸方向と直交する方向に向けて第1ハウジング10のベース部11から延在して位置している。
セプタム30は、所定の厚みを有する円盤状のディスク弁からなり、その中央部に直線状に延びるスリット31が設けられている。スリット31は、セプタム30が弾性変形することで開放可能な自閉式の連通孔であり、厚み方向に沿ってセプタム30を貫通している。
セプタム30は、第1ハウジング10と第2ハウジング20との間に形成された空間に介装されており、第1ハウジング10と第2ハウジング20とによって圧縮された状態で挟持されている。これにより、第1ハウジング10の内部に位置する中空部11aと、第2ハウジング20の内部に位置する中空部21aとは、セプタム30によって隔たれた状態とされている。
セプタム30が第1ハウジング10と第2ハウジング20とによって挟持されることにより、セプタム30の一方の主面の周縁部が、第1ハウジング10の座面14bに圧接触しており、セプタム30の他方の主面の周縁部が、第2ハウジング20の押圧面22aに圧接触している。これにより、セプタム30と第1ハウジング10との境界およびセプタム30と第2ハウジング20との境界において、密閉性が確保されることになる。
加えて、上述したように、第1ハウジング10の座面14bには、環状突起14cが設けられている。当該環状突起14cは、第1ハウジング10とセプタム30との接触部における密着性をさらに高めるために設けられたものであり、当該環状突起14cがセプタム30の一方の主面の周縁部に食い込むことにより、当該部分における密閉性がさらに向上することになる。
セプタム30に設けられたスリット31は、中空部11aに面するとともに中空部21aにも面している。これにより、ポート部21の中空部21aに雄ルアーが挿入された場合において、雄ルアーによってセプタム30が押し下げられることにより、セプタム30が中空部11a側に向けて弾性変形することになり、これに伴ってスリット31が開口することで輸液ラインの密閉性を維持しつつ液体の注入や採取が可能になる。
上述した第1ハウジング10および第2ハウジング20は、その材質が特に制限されるものではないが、樹脂材料を用いた射出成型品にてこれが構成されていることが好ましい。ここで、樹脂材料としては、ポリカーボネート樹脂やポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂等が用いられることが好ましい。なお、第1ハウジング10と第2ハウジング20との固定方法も、特に制限されるものではないが、好適には溶着や接着、機械的な係止またはそれらの組み合わせ等が利用できる。
また、セプタム30は、その材質が特に制限されるものではないが、良好な弾性を呈することとなるように、たとえばシリコーンゴム、イソプレンゴム等のゴム材料か、あるいは熱可塑性エラストマー等によって形成されていることが好ましい。
図3に示すように、第2ハウジング20およびセプタム30を第1ハウジング10に組付けるに際しては、まず、セプタム30によって第1ハウジング10の孔部14aが覆われるとともにセプタム30の一方の主面の周縁部が第1ハウジング10の座面14bに載置されるように、セプタム30が第1ハウジング10の台座部14に載置される。この状態において、第1ハウジング10の台座部14に載置されたセプタム30を覆うように、さらに第2ハウジング20が第1ハウジング10の台座部14に組付けられ、さらにその後、カバー部22の外縁部が第1ハウジング10の台座部14の外縁部に固定される。
ここで、図2を参照して、本実施の形態に係るニードルレスポートを備えた医療用コネクタ1においては、ポート部21の外径をR1とし、セプタム30からポート部21の上記一端側(すなわち、セプタム30が位置せず、雄ルアーが挿入される開口が形成された側の端部)に向けて距離L[mm]だけ離れた位置におけるポート部21の内径をR2(L)とした場合に、R1が、7.73[mm]≦R1≦7.83[mm]の条件(以下、当該条件を「条件1」と称する)を満たしているとともに、上記R2(L)が、R2(L)>4.027+L×0.006[mm]の条件(以下、当該条件を「条件2」と称する)を満たしている。
上記条件1は、ポート部21の外径が、ISO594−2:1998に規定されるロック式コネクタの雌側コネクタの標準外径寸法に準拠していることに等しく、上記条件2は、ポート部21の内径が、ISO594−1:1986に規定されるコネクタの雌側コネクタの標準内径寸法よりも大きいことに等しい。
このように構成することにより、当該医療用コネクタ1に設けられたニードルレスポートには、ISO594−1:1986またはこれに加えてISO594−2:1998に準拠したルアースリップ型雄側コネクタおよびルアーロック型雄側コネクタのうち、ルアーロック型雄側コネクタのみを選択的に接続できることになり、液体の注入や採取がより安定的に行なえるものとすることができる。以下、その詳細について説明する。
図4は、図1に示す医療用コネクタのニードルレスポートにルアーロック型シリンジを接続する場合の接続前後の模式断面図であり、図4(A)は接続前の状態を、図4(B)は接続後の状態をそれぞれ表わしている。
図4に示すように、ルアーロック型シリンジ60Aは、バレルの先端にルアーロック型雄側コネクタを有しており、当該ルアーロック型雄側コネクタは、雄ルアー61と、当該雄ルアー61を取り囲むように設けられた筒状のロック部62とを含んでいる。雄ルアー61の内部には、ルアーロック型シリンジ60Aの外部とバレルの内部とを連通させる中空部61aが設けられており、ロック部62の内周面には、雌ネジ62aが設けられている。
ここで、雄ルアー61の外径は、ISO594−1:1986に規定されるコネクタの雄側コネクタの標準外径寸法に準拠しており、ロック部62の内径は、ISO594−2:1998に規定されるロック式コネクタの雄側コネクタのロック部の標準内径寸法に準拠している。
図4(A)に示すように、医療用コネクタ1のニードルレスポートにルアーロック型シリンジ60Aを接続するに際しては、医療用コネクタ1のニードルレスポートにルアーロック型シリンジ60Aのルアーロック型雄側コネクタが対峙するようにし、この状態において、ポート部21の中空部21aに雄ルアー61を図中に示す矢印A方向に向けて挿入しつつ、ポート部21にロック部62が捻じ込まれるように図中に示す矢印B方向に向けてルアーロック型シリンジ60Aを回転させる。これにより、ポート部21の外周面に設けられた雄ネジ21bとロック部62の内周面に設けられた雌ネジ62aとが螺合するとともに、雄ルアー61の先端によってセプタム30が中空部11a側に向けて押し下げられる。
図4(B)に示すように、医療用コネクタ1のニードルレスポートにルアーロック型シリンジ60Aが接続された状態においては、雄ルアー61によってセプタム30が押し下げられることでセプタム30が所定量だけ弾性変形し、これによってスリット31が開口した状態にある。そのため、開口したスリット31と雄ルアー61の中空部61aとを介して、輸液ラインの一部である医療用コネクタ1の中空部11aとルアーロック型シリンジ60Aのバレルの内部とが連通した状態となり、これにより輸液ラインの密閉性を維持しつつ液体の注入や採取が行なえることになる。
ここで、雄ルアー61の外径が、ISO594−1:1986に規定されるコネクタの雄側コネクタの標準外径寸法に準拠している反面、ポート部21の内径が、ISO594−1:1986に規定されるコネクタの雌側コネクタの標準内径寸法よりも大きい(すなわち上記条件2を満たしている)ことにより、ポート部21の内周面と雄ルアー61の外周面とは、接続状態において所定の距離だけ離れて配置されることになり、これらが接触することはない。
しかしながら、ポート部21の外径が、ISO594−2:1998に規定されるロック式コネクタの雌側コネクタの標準外径寸法に準拠している(すなわち上記条件1を満たしている)とともに、ロック部62の内径が、ISO594−2:1998に規定されるロック式コネクタの雄側コネクタのロック部の標準内径寸法に準拠していることにより、これらポート部21とロック部62とは、確実に螺合することになる。そのため、医療用コネクタ1とルアーロック型シリンジ60Aとは、安定的に接続されることになり、医療用コネクタ1からルアーロック型シリンジ60Aが脱落することが確実に防止される。
図5は、図1に示す医療用コネクタのニードルレスポートにルアースリップ型シリンジを接続しようとした場合の模式断面図である。
図5に示すように、ルアースリップ型シリンジ60Bは、バレルの先端にルアースリップ型雄側コネクタを有しており、当該ルアースリップ型雄側コネクタは、雄ルアー61のみを含んでいる。雄ルアー61の内部には、ルアースリップ型シリンジ60Bの外部とバレルの内部とを連通させる中空部61aが設けられている。
ここで、雄ルアー61の外径は、ISO594−1:1986に規定されるコネクタの雄側コネクタの標準外径寸法に準拠している。
医療用コネクタ1のニードルレスポートにルアースリップ型シリンジ60Bを接続しようとしてポート部21の中空部21aに雄ルアー61を挿入した場合には、上述のように、雄ルアー61の外径が、ISO594−1:1986に規定されるコネクタの雄側コネクタの標準外径寸法に準拠している反面、ポート部21の内径が、ISO594−1:1986に規定されるコネクタの雌側コネクタの標準内径寸法よりも大きい(すなわち上記条件2を満たしている)ことにより、雄ルアー61がポート部21に圧入固定されることがない。そのため、ポート部21の内周面と雄ルアー61の外周面とが離れて位置することになり、雄ルアー61がポート部21によって保持されることがない。
したがって、医療用コネクタ1のニードルレスポートにルアースリップ型シリンジ60Bを接続しようとした使用者は、当該医療用コネクタ1のニードルレスポートに、当該ルアースリップ型シリンジ60Bが不適合であることを容易に理解することができ、その使用を取り止めることができる。
すなわち、本実施の形態に係るニードルレスポートにあっては、ポート部21の内面が、シリンジの雄ルアーコネクタのフィッティングに関するISO規格に従った雄ルアーの外面に対して嵌合不可能な寸法とされている。換言すれば、本実施の形態に係るニードルレスポートにあっては、ポート部21の内面が、シリンジの雄ルアーコネクタのフィッティングに関するISO規格に従った雄ルアーがポート部21に挿入された場合に、当該雄ルアーの外面との間に隙間が形成される寸法とされている。
以上から明らかなように、本実施の形態に係るニードルレスポートを備えた当該医療用コネクタ1とすれば、ISO594−1:1986またはこれに加えてISO594−2:1998に準拠したルアースリップ型雄側コネクタおよびルアーロック型雄側コネクタのうち、ルアーロック型雄側コネクタのみを選択的に接続できることになり、不安定な接続状態で液体の注入や採取が行なわれることを未然に防止することができ、液体の注入や採取がより安定的に行なえることになる。
上述した本発明の実施の形態においては、本発明が適用されたニードルレスポートを備えた医療用コネクタを例示して説明を行なったが、本発明の適用対象は、この種の医療用コネクタに設けられたニードルレスポートに限定されるものではなく、他の種類の医療用コネクタに設けられたニードルレスポートは勿論のこと、各種の医療用の輸液ラインや容器等に付設されたニードルレスポートにも、当然にその適用が可能である。
また、本発明の適用対象は、これら医療用の輸液ラインや容器等に付設されたニードルレスポートへの適用に制限されるものでもなく、非医療用の輸液ラインや容器等に付設されたニードルレスポートへの適用も可能である。なお、本発明は、ライン内に陰圧部が生じるライン上に設置されるニードルレスポートへの適用が好適である。このことから、本発明は、特に血液回路のライン上に設置されるニードルレスポートへの適用が最も好適であり、さらには、透析施術に用いられる血液回路上に設けられたニードルレスポートに対して好適に適用することができる。
このように、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1 医療用コネクタ、10 第1ハウジング、11 ベース部、11a 中空部、12 第1ポート、13 第2ポート、14 台座部、14a 孔部、14b 座面、14c 環状突起、20 第2ハウジング、21 ポート部、21a 中空部、21b 雄ネジ、22 カバー部、22a 押圧面、30 セプタム、31 スリット、60A ルアーロック型シリンジ、60B ルアースリップ型シリンジ、61 雄ルアー、61a 中空部、62 ロック部、62a 雌ネジ。
Claims (4)
- 雄ルアーが挿入可能な開口が一端に形成されるとともに、外周面に雄ネジが設けられてなる略円筒状のポート部と、
前記ポート部の他端に配置され、前記開口を介して挿入された雄ルアーによって押し下げられることで開放可能な自閉式のスリットが設けられたセプタムとを備え、
前記ポート部の外径が、ISO594−2:1998に規定されるロック式コネクタの雌側コネクタの標準外径寸法に準拠し、
前記ポート部の内径が、ISO594−1:1986に規定されるコネクタの雌側コネクタの標準内径寸法よりも大きい、ニードルレスポート。 - 雄ルアーが挿入可能な開口が一端に形成されるとともに、外周面に雄ネジが設けられてなる略円筒状のポート部と、
前記ポート部の他端に配置され、前記開口を介して挿入された雄ルアーによって押し下げられることで開放可能な自閉式のスリットが設けられたセプタムとを備え、
前記ポート部の外径をR1とし、前記セプタムから前記ポート部の前記一端側に向けて距離L[mm]だけ離れた位置における前記ポート部の内径をR2(L)とした場合に、前記R1が、7.73[mm]≦R1≦7.83[mm]の条件を満たしているとともに、前記R2(L)が、R2(L)>4.027+L×0.006[mm]の条件を満たしている、ニードルレスポート。 - 透析施術に用いられる血液回路上に設けられたニードルレスポートであって、
雄ルアーが挿入可能な開口が一端に形成されるとともに、外周面に雄ネジが設けられてなる略円筒状のポート部と、
前記ポート部の他端に配置され、前記開口を介して挿入された雄ルアーによって押し下げられることで開放可能な自閉式のスリットが設けられたセプタムとを備え、
前記ポート部の内面が、シリンジの雄ルアーコネクタのフィッティングに関するISO規格に従った雄ルアーの外面に対して嵌合不可能な寸法とされている、ニードルレスポート。 - 透析施術に用いられる血液回路上に設けられたニードルレスポートであって、
雄ルアーが挿入可能な開口が一端に形成されるとともに、外周面に雄ネジが設けられてなる略円筒状のポート部と、
前記ポート部の他端に配置され、前記開口を介して挿入された雄ルアーによって押し下げられることで開放可能な自閉式のスリットが設けられたセプタムとを備え、
前記ポート部の内面が、シリンジの雄ルアーコネクタのフィッティングに関するISO規格に従った雄ルアーが前記ポート部に挿入された場合に、当該雄ルアーの外面との間に隙間が形成される寸法とされている、ニードルレスポート。
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ID=59680338
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016026628A Pending JP2017143946A (ja) | 2016-02-16 | 2016-02-16 | ニードルレスポート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017143946A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019027027A (ja) * | 2017-07-25 | 2019-02-21 | 株式会社Lixil | 屋根構造体 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006501976A (ja) * | 2002-10-04 | 2006-01-19 | ディーエスユー・メディカル・コーポレーション | 雄型ルーア又は他の管状コネクタのための注射箇所 |
US20080306469A1 (en) * | 2007-06-05 | 2008-12-11 | Takuya Masuda | Medical connector |
JP2014028006A (ja) * | 2012-07-31 | 2014-02-13 | Jms Co Ltd | アクセスポート |
JP2015066205A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-13 | ユニチカ株式会社 | 医療用コネクタ、混注管、三方活栓及び薬剤バック |
-
2016
- 2016-02-16 JP JP2016026628A patent/JP2017143946A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006501976A (ja) * | 2002-10-04 | 2006-01-19 | ディーエスユー・メディカル・コーポレーション | 雄型ルーア又は他の管状コネクタのための注射箇所 |
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JP2015066205A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-13 | ユニチカ株式会社 | 医療用コネクタ、混注管、三方活栓及び薬剤バック |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019027027A (ja) * | 2017-07-25 | 2019-02-21 | 株式会社Lixil | 屋根構造体 |
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