JP7173504B1 - 複合磁性材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】半硬質磁性材料の細線の一部を長手方向に飽和着磁してなる永久磁石とする複合磁性材料とその製造方法を提供する。【解決手段】製造方法は、非磁性のCr―Ni系ステンレス鋼線を冷間引抜加工により半硬質磁性材料からなる冷間引抜加工細線を作製する工程と、冷間引抜加工細線を500~580℃の温度にて5~25kg/mm2の張力で張力熱処理して半硬質磁性細線30を作製する張力熱処理工程と、半硬質磁性細線をその一部が着磁装置を構成する着磁ヨーク部のヨーク20と閉磁路タイプの磁気回路を形成することにより飽和着磁されて、飽和着磁部31からなる永久磁石を作製する着磁工程と、を備える。永久磁石は1.2T以上の飽和磁化、80Oe以上保磁力と0.7T以上の残留磁気、パーミアンス係数10以上の性能を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、半硬質磁性の細線とその細線の一部を長手方向に着磁した磁石よりなる複合磁性材料の製造方法に関するものである。特にCr-Ni系ステンレス鋼の細線を対象としたものである。
近年、磁気治療やロボット治療などの高度医療技術が進展し、医療機器や部材に磁石を取り付けて、その磁気性能を活用した生体内ナビゲーション技術の研究開発が活発に行われている。Cr-Ni系ステンレス鋼が生体親和性の観点から体内で使用される医療機器や部材の最も基本的な素材の一つである。カテーテルガイドワイヤは、準安定Cr-Ni系ステンレス鋼を強加工して強度200kg/mm以上を有する直径2mm以下の細線にして使用している。
このカテーテルガイドワイヤの一部に磁石を取り付けると、その部位が大きくなるという問題や、磁石をシールドするための複雑なシールド構造が必要となる問題、さらにそのシールド構造が破損して磁石が腐食するなどの技術的な問題があり、磁石を細線の一部に取り付けたカテーテルガイドワイヤは実用化されていない。
生体内で使用されているステンレス鋼は、耐食性に優れたCr-Ni組成の準安定オーステナイト系ステンレス鋼は固溶化熱処理状態では非磁性材料である。しかし、冷間加工すると一部がマルテンサイト相に変態し、強磁性のマルテンサイト組織とオーステナイト組織の2相組織のステンレス鋼になること(非特許文献1)が知られている。
冷間加工後の2相組織のステンレス鋼の磁気特性は、半硬質磁性特性(非特許文献2)を有することが知られている。ここで、半硬質磁性材料(非特許文献3)とは、永久磁石と軟質磁性材料との中間的特性を示すのもので、保磁力が10Oeから200Oe程度の磁気特性を有する磁性材料である。
カテーテルガイドワイヤは、準安定Cr-Ni系ステンレス鋼を強加工して製造されているもので、その磁気特性は半硬質磁性である。この半硬質磁性の冷間加工材からなるステンレス磁石については特許文献1にて開示されている。
しかし、半硬質磁性ステンレス細線の局所的な一部のみを飽和着磁して、磁石を含む複合磁性材料として利用した事例は見当たらない。当然そのような複合磁性材料を実現する着磁方法や製造方法に関する研究例もない。
もしガイドワイヤ先端部の一部を磁石に改質することができれば、生体内ナビゲーション技術の研究開発に大きく貢献する技術となるのは間違いない。そのための開発が期待されている。
さらに、そのような複合磁性材料は医療用材料としての種々の利用が期待される。
特許文献情報検索システムによるキーワード検索(キーワード:複合磁性材料*細線)した結果、複合磁性材料からなる細線およびその製造方法に関する技術開示はなされていない。
ステンレス鋼便覧4版 58~60頁 ステンレス鋼便覧4版 113頁 乾、佐々木、仙田;日本金属学会第21巻第7号p541-545(1982)
特許第6868174号公報
カテーテルガイドワイヤは準安定Cr-Ni系ステンレス鋼を強加工して製作されているが、その磁気特性は半硬質磁性となっている。もしこの半硬質磁性材料を着磁して磁石として利用することができれば、細線に磁石を取り付けたことになり、細線の先端部に磁石性能を容易に付与することができることになる。しかし、その半硬質磁性特性は保磁力が小さいために、それを磁石として利用するには、いくつかの技術的壁が予想される。
第一の課題は、細線の一部を飽和着磁し、かつ減磁しにくい磁石とすることである。半硬質磁性の細線の一部を着磁しようとすると、飽和着磁部に隣接した部分が未飽和着磁されて、飽和着磁部分の両側に未飽和着磁部分が拡がった磁石となる(図1)。ここで、飽和着磁とは、磁性材料の飽和磁化まで磁化させた状態いい、その部位を飽和着磁部(飽和着磁部分)という。飽和着磁部分の両側には、飽和磁化に対して磁化量が100%から0%へと漸減した領域が広がっており、この部分のうち磁化量が90%から10%の領域を未飽和着磁部(未飽和着磁部分)という。
未飽和着磁部は容易に減磁し、それが飽和着磁部分に広がる結果となり減磁しやすい磁石となってしまう。このような着磁状態は好ましくないので、本発明の着磁状態を示している飽和着磁部のみからなる磁石を製造する着磁技術と着磁装置を開発することが重要である。
第二の課題は、半硬質磁性特性を有する準安定Cr-Ni系ステンレス鋼の飽和磁化、保磁力と残留磁気特性が小さいという問題がある。しかも加工度を増加させてマルテンサイト量の増加を図ると、飽和磁化が増加するが、保磁力と残留磁気量は減少するという背反特性が相互間には存在する。これらの弱点を解消し、準安定Cr-Ni系ステンレス鋼の飽和磁化と残留磁気量が大きく確保して、しかも高い保磁力を大きくして減磁特性の改善する方法を考案してこの問題を解決することである。
本発明者らは、半硬質磁性がa)軟質磁性の特性を有することとb)永久磁石特性の二つの特性を有することに着目して半硬質磁性を有する細線の一部または先端部で、長手方向に指定された長さの部位を飽和着磁することを目指して、鋭意研究した。
その結果、a)軟質磁性特性に着目して、磁石化すべき箇所をヨークの一部とした閉磁路タイプの磁気回路を形成し、その磁気回路を磁化することによって磁気回路の一部を形成した細線部が飽和磁化すること、およびそれ以外の細線部は磁気回路が形成されないために未着磁部となり、複合磁性材料となるという新知見を見出した。さらにb)永久磁石特性を付与する半硬質磁性の保磁力によって、磁石形状を工夫すると飽和磁化した部位は優れた永久磁石となることを発見した。
研究結果について、図2から図5を使って説明する。
図2は電磁コイルのみの着磁装置により着磁する場合の着磁モデルを示し、図3は電磁コイルを内包する円筒ボックス状ヨークを活用して開磁路タイプの磁気回路を形成する着磁装置により着磁する場合の着磁モデルを示し、図4は電磁コイルを内包する円筒ボックス状ヨークを活用して当該ヨークと細線を密着させることにより閉磁路タイプの磁気回路を形成する着磁装置により着磁する場合の着磁モデルを示す。そして、図5には以上の3つの着磁モデルにおける細線部の着磁状態61、62、63に比較して示す。
図5から分かるように、電磁コイルのみで着磁すると、着磁中央部付近は飽和するが、隣接部に広く未飽和着磁部が拡がってしまう(着磁状態63)。円筒状ボックス状ヨークを取り付けた開磁路タイプの磁気回路で着磁した場合には、着磁中央部付近の飽和部分が拡がるが、隣接部には未飽和着磁部が残存する(着磁状態62)。
しかし、閉磁路タイプの磁気回路で着磁した場合には、閉磁路タイプの磁気回路の一部となった細線部はすべて飽和着磁し、隣接部は磁化しないことが分かる(着磁状態61)。つまり、閉磁路タイプの磁気回路の一部となった半硬質磁性の細線部のみが飽和着磁し、それ以外の細線部は着磁しないことが分かる。
以上の研究結果から、本発明者らは、円筒状ボビンにコイルを巻き付けた着磁コイルと着磁コイルを内包している円筒ボックス状ヨークと被着磁体である細線が円筒ボックス状ヨークの中心部にある貫通孔に内接する着磁ヨーク部と当該着磁コイルに電流を供給する電源部とからなる着磁装置において、直径2mm以下の半硬質磁性材料からなる細線は磁性材料からなる円筒ボックス状ヨークの貫通孔の位置でヨークに内接して閉磁路タイプの磁気回路タイプの磁気回路を形成し、着磁コイルに通電して磁界を発生させて、閉磁路タイプの磁気回路全体を磁化させることによって、閉磁路タイプの磁気回路の一部である細線部分を飽和磁化させて飽和着磁磁石とすることを特徴とする着磁装置の発明に思い至った。本着磁装置と着磁技術によって、飽和着磁部のみからなる減磁しにくい磁石を製造することが可能になる。
円筒ボックス状ヨークの貫通孔に、細線を貫通孔と細線との平均間隙5μm以下で挿通し細線を貫通孔に内接することは難しい作業となる。そこで、本発明者らは上記着磁装置において、円筒ボックス状のヨークを半円筒ボックス状の上側部ヨークと半円筒ボックス状の下側部ヨークの2つの分割構造として、細線を下側部ヨークの貫通孔部に載置し、その状態で上側部ヨークを係合し、2つの貫通孔部で細線を挟持することによって貫通孔と細線との間の間隙を平均間隙5μm以下に内接することが可能になることに思い至った。これによって細線の取り付け時の作業性を損なうことなく、磁性材料からなる円筒ボックス状ヨークの貫通孔に半硬質磁性材料からなる細線は内接して優れた閉磁路タイプの磁気回路を形成することが可能となる。
次に、半硬質磁性材料を着磁した磁石は、保磁力が小さいので減磁しやすい。そこで本発明者らは、準安定Cr-Ni系ステンレス鋼の飽和磁化、保磁力と残留磁気特性が小さいという半硬質磁性特性の改善に努めた。その結果、マルテンサイト量を70%以上として、500℃~580℃にて5~25kg/mmの張力熱処理を行うと、1.2T以上の飽和磁化、80Oe以上保磁力と0.7T以上の残留磁気を有する優れた半硬質磁性材料を得ることができることを見いだした。
また、細線であることに着目して、着磁部を細線の直径に対して10倍以上と十分長くすることによって磁石のパーミアンス係数を大きくして、反磁界をほとんど無視できるレベルにまで小さくすることによって外部磁界に対する抵抗力を高めた。つまり80Oe以上の外部磁界に晒される場合を除いて、減磁しにくい磁石とすることができた。これにより、特定の箇所を長手方向に飽和着磁して減磁しにくい永久磁石にすることができる。
本発明によると、半硬質磁性細線の特定の箇所を長手方向に飽和着磁して減磁しにくい永久磁石からなる複合磁性材料にすることができる。さらに、これによりカテーテルガイド細線の先端部に磁石特性を付与することが可能となり、その磁力を外部の磁気センサで検知することによってカテーテルガイド細線の生体内位置検出システムの商品化を可能にした。
細線の着磁における細線の長手方向の着磁状態を示す図である。 電磁コイルのみの着磁装置と着磁する場合の着磁モデルを示す図である。 電磁コイルを内包する円筒ボックス状ヨークを活用して開磁路タイプの磁気回路を形成する着磁装置と着磁する場合の着磁モデル示す図である。 電磁コイルを内包する円筒ボックス状ヨークを活用して閉磁路タイプの磁気回路を形成する着磁装置と着磁する場合の着磁モデル示す図である。 図2から図4の着磁装置を使って細線を着磁した結果を示す図である。 半硬質磁性細線の一部が永久磁石からなる複合磁性材料の模式図である。 (a)は永久磁石の片側が未着磁部の半硬質磁性材料、(b)は永久磁石の両側が未着磁部の半硬質磁性材料、(c)永久磁石が2箇所からなり、残部は未着磁部の半硬質磁性材料からなる。 着磁装置の構成を示す図である。 電磁コイルとヨークからなる着磁ヨーク部の軸方向の構造断面図である。 電磁コイルとヨークからなる着磁ヨーク部の側面図である。 着磁コイルと分割した下側部ヨークおよび上側部ヨークからなる着磁部の軸方向の構造断面図である。 下側部ヨーク(貫通孔部)に細線を載置した状態を示す図である。 細線を載置した下側部ヨークに上側部ヨークを取り付けた状態を示す図である。
本発明の複合磁性材料の製造方法は、
(1)Cr-Ni系ステンレス鋼細線は、減面率50~80%にて冷間引抜によりマルテンサイト量が70%以上となる半硬質磁性特性を有する冷間引抜加工細線を作製する冷間引抜加工工程と、
(2)前記冷間引抜加工細線は、500~580℃の温度にて5~25kg/mmの張力で張力熱処理されて半硬質磁性細線を作製する張力熱処理工程と、
(3)前記半硬質磁性細線は、その一部が着磁装置を構成する着磁ヨーク部のヨークと閉磁路タイプの磁気回路を形成することにより飽和着磁されて永久磁石を作製する着磁工程とを備え、
(4)前記永久磁石は、1.2T以上の飽和磁化、80Oe以上保磁力と0.7T以上の残留磁気、パーミアンス係数10以上の性能を有することを特徴とする。
また、複合磁性材料の製造方法において、使用される着磁装置は、
円筒ボックス状のヨークを半円筒ボックス状の上側部ヨークと半円筒状の下側ヨーク部の2つの分割構造とし、かつ前記円筒ボックス状のヨークの貫通孔と前記半硬質磁性細線との間の間隙を平均間隔5μm以下にし、前記貫通孔と前記半硬質磁性細線とが内接していることを特徴とする。
本発明について、以下に詳細に説明する。
本発明の複合磁性材料は、その母材として非磁性のオーステナイト系ステンレス鋼(SUS302、SUS304など)の直径dが0.2~4mm、長さが50mm以上の細線を用いて冷間引抜加工(伸線加工)によりマルテンサイト組織からなる半硬質磁性材料とするものである。この半硬質磁性材料をベースとしてその一部を飽和着磁して永久磁石(磁性材料)とすることにより、半硬質磁性材料と磁性材料とからなる複合磁石材料である。
冷間引抜加工により得られる磁性を有する準安定性オーステナイト系ステンレス鋼の半硬質磁性細線の直径dが0.1~2mm、長さが100mm以上からなる未着磁の細線であって、飽和着磁部の対象となる細線の一部の長さは1~30mmである。

先ず、本発明の複合磁性材料は、図6に示すように、半硬質磁性材料よりなる細線30の一部は飽和着磁部31の永久磁石(磁性材料)からなり、永久磁石(磁性材料)の片側または両側は着磁されていない未着磁の半硬質磁性材料からなる。すなわち、(a)飽和着磁部31は半硬質磁性細線30の先端部にあり、または(b)飽和着磁部31は半硬質磁性細線の先端から離れた部位にある。
しかも、前述のように半硬質磁性細線において飽和着磁部31と着磁されていない未着磁部とは明瞭に分かれており、未飽和着磁部は存在していない(図4、図5)。
また、本発明の複合磁性材料を構成する永久磁石の磁気特性は、1.2T以上の飽和磁化、80Oe以上保磁力と0.7T以上の残留磁気、パーミアンス係数10以上の性能を有している。
なお、飽和着磁部31の永久磁石(磁性材料)は複数個所からなってもよい。(c)には2箇所の永久磁石からなる複合磁性材料を図示している。
次に、複合磁性材料の製造方法について説明する。
その工程は、冷間引抜加工工程、張力熱処理工程および着磁工程からなり、着磁工程により得られる永久磁石の特性は1.2T以上の飽和磁化、80Oe以上保磁力と0.7T以上の残留磁気、パーミアンス係数10以上の性能を有している。以下に説明する。
(1)冷間引抜加工工程;SUS302、SUS304に代表される非磁性のCr-Ni系ステンレス鋼細線を母材とする。そのサイズは、直径が0.2mm~4mm、長さが100mm以上である。減免率50%~80%にて冷間引抜加工することによりマルテンサイト量70%以上を得る工程である。この加工工程により、直径0.1~2mmの半硬質磁性特性を有する冷間引抜加工細線となる。
(2)張力熱処理工程;冷間引抜加工細線は、500~580℃の温度にて5~25kg/mmの張力で張力熱処理されて半硬質磁性細線を作製する張力熱処理工程である。
この工程により、半硬質磁性特性を改善した半硬質磁性細線を次の着磁工程で着磁することで磁気特性の優れた永久磁石からなる複合磁性材料を得ることができる。
(3)着磁工程;半硬質磁性細線は、その一部が着磁装置を構成する着磁ヨーク部のヨークと閉磁路タイプの磁気回路を形成することにより飽和着磁されて永久磁石を作製する工程である。
半硬質磁性材料からなる半硬質磁性細線の一部を磁化して磁性材料からなる永久磁石とし、複合磁性材料にする着磁工程において半硬質磁性材料と磁性材料との境界部分を明瞭にすること、言い換えれば着磁部位は飽和着磁のみによる磁性材料とし、未着磁部位は半硬質磁性材料の状態を保持して両者の間に未飽和着磁部位を生じさせない工程である。
この工程により、飽和着磁部である永久磁石の特性は1.2T以上の飽和磁化、80Oe以上保磁力と0.7T以上の残留磁気、パーミアンス係数10以上の性能を有することができる。
また、未飽和着磁部からの保磁力の低下は生じることはない。
次に、着磁工程について詳細に説明する。
本着磁工程で使用する着磁装置の着磁ヨーク部1について、図7および図8を用いて説明する。
図7は、着磁ヨーク部1を構成する着磁コイル10と着磁コイル10を内包する円筒ボックス状ヨーク20について、軸方向の断面を図示する。なお、A1-A2線は細線の長手方向の中心線で、着磁コイル10の中心線であり、ヨーク20の中心線でもある。図8は、図7における着磁ヨーク部1の側面図を示す。
電磁コイル10は、円筒状のボビン11とボビン11に巻回するコイル12とを備えており、ボビン11には両端につばとコイル12が巻回する胴径とからなっており、その胴径に細線を挿入するための直径Dの中空孔111(ボビン内径Dに相当する。)が形成されている。
ボビン11は、樹脂、セラミックなどの非磁性材料からなる。ボビンの全長は、被着磁部の長さLとボビンの内幅(両端のつばに挟まれている)を考慮して決めるものである。細線磁石の長さは1~30mm程度を想定しているので、その長さは外側で0.8~28mm程度で内側は0.6~26mm程度が好ましい。
ボビン内径Dは、細線の直径より少し大きめで、0.3~2.5mm程度が好ましい。細線の直径dとの比(D/d)としては、3以下で、好ましくは1~2である。細線径に近くするとコイルが作る磁界を有効的に着磁力に活用できるためである。細線の直径dに対してボビン内径Dが3を超えると着磁コイルに流す電流を大きくする必要が出てくるので好ましくない。
なお、ボビンの胴径は0.7~2.5mm、つばの直径は1.5~8mm、厚みは0.1~1mmが好ましい。
コイル12は、両側のつばの間に巻回されて、その長さLは0.6~26mmからなり、飽和着磁部の長さLに対しては、ボビンつば幅やヨーク側面厚みだけ小さくする必要がある。
また、コイル12は、直径10~50μmのエナメル線が500~3,000ターンで、巻線密度が400回/mm以上からなることが好ましい。
電磁コイル12の発熱を防止しつつ被着磁部を飽和磁化させるためには、500ターン以上の巻き数Nで磁界強度をあげつつ、パルス電流Iを抑制することが必要である。過剰な巻き数Nはコイルサイズが大きくなること、発熱しやすくなることなどから最大3,000ターンとすることが好ましい。
なお、発熱温度を検知する温度センサを、コイルの端部に設けてもよい。
円筒ボックス状のヨーク20は、電磁コイル10を内包している。すなわち、円筒状とは、着磁コイルを収納する収納空間を有する中空構造体であって、パイプ21とその両端面22(ヨークの側面板22)からなっている。さらに、本発明では両端面22の中央には、細線30を挿通する貫通孔221(ヨークの側面板の孔)があり、貫通孔221において、磁性材料からなるヨーク20と半硬質磁性材料の細線被着磁体30が密接して閉磁路タイプの磁気回路を形成する。
この閉磁路タイプの磁気回路構造により、細線30の閉磁路タイプの磁気回路形成部のみが飽和磁化され磁石となる。磁石とつながる両側もしくは片側の細線部は未着磁部である。
ヨークのサイズは、内包されている電磁コイルのサイズが全長0.8~28mm程度、内径1.5~8mmより、パイプ21および側面板22の厚み(0.5~1mm)と電磁コイルとヨークとの間隙(0~3mm程度)を加味すると、長さは1.8~24mm、直径は2.5~14mmが好ましい。
ヨーク20の側面板22は電磁コイル10のボビン11の両側のつばに外接していてもよい。
着磁電源については、コイルの直径、被着磁部位の長さおよびコイルの巻き数に対応して、通電電圧と電流を考慮して電源能力を選択する。好ましい一例を示すと、電源部の定電流を発生するパルス発振器は、電流強度が0.4A以上であり、パルス時間は0.1m秒~20秒のパルス電流を印加することができる電源を使用する。
図4は、着磁ヨーク部1の軸方向の断面にて、ボビン11の中空孔111の中央部に細線30の一部である被着磁部位31を長手方向に挿入し、電源からパルス電流をコイル12に印加して磁界40を発生し、被着磁部位31(被着磁体)が磁化している概念図を示している。
コイル12から発生した磁束(磁界40)は、大気中に漏れることなく円筒ボックス状ヨーク20に収斂して流れ、被着磁体の細線30への閉磁路タイプの磁気回路が形成され、細線部位に有効に集中して細線30の閉磁路タイプの磁気回路となっている箇所31を飽和着磁する。
これにより、飽和着磁部に隣接した細線部は未着磁部位とすることができる(図5、着磁状態61)。
また、着磁ヨーク部のヨークの他の例は次の通りである。
ヨークは、半円筒ボックス状の上側部ヨーク20aと半円筒ボックス状の下側部ヨーク20bの2つの分割構造からなる。
すなわち、上記の着磁装置において、電磁コイル部10はそのままで、円筒ボックス状のヨーク20を半円状の2個の分割構造としたものである(図9)。細線を下側の下側部ヨーク20bの貫通孔部に載置固定し(図10)、その状態で上側の上側部ヨーク20aを重ねる(図11)ことによって、分割した2つの貫通孔部(221aと221b)で細線を挟持して貫通孔と細線の間の間隙を平均間隙5μm以下に調整し、密接することを可能にしたものである。
これにより、細線を貫通孔に通す第一実施形態に比べて容易に細線を貫通孔の密接固定できる。また、両者の間隙をほとんど0にすることができて、飽和着磁された磁石部と未着磁部の境界は図5 着磁状態61に示すように明瞭なものにすることができる。
本発明の実施例について説明する。図6および着磁工程は図7~12により説明する。
先ず、図6 (b)に示ように、磁性材料である飽和着磁部31からなる永久磁石は長さ12mmで、その両側は半硬質磁性材料からなる未着磁の半硬質磁性細線30と繋がる複合磁性材料である。
まず、母材はSUS304からなる非磁性のCr-Ni系ステンレス鋼細線である。そのサイズは、直径が4mm、長さが50mmである。減面率75%にて冷間引抜加工することによりマルテンサイト量82%を得ることができた。この加工工程により、直径2mmの半硬質磁性特性を有する冷間引抜加工細線となる。
次に、冷間引抜加工細線は、管状熱処炉を用いて、温度550℃、張力15kg/mmでもって張力熱処理が施され、半硬質磁性特性の改善された半硬質磁性細線が得られた。
最後の着磁工程で使用した着磁装置について説明し、着磁方法を説明する。
着磁装置は、電源部、コイルとヨークと被着磁体(細線)からなる着磁ヨーク部およびコントローラからなる(図7)。電源部は、電流強度200mAにてパルス時間20m秒のパルス電流を電磁コイル20に印加した。
図10に示す着磁ヨーク部2は、2個分割型の上側部ヨーク20aおよび下側部ヨーク20bからなるヨーク20を用いる。
なお、電磁コイル10は、下側部ヨーク20bに固定されている。上側部ヨーク20aは、細線30を貫通孔部221(221aと221bからなる)に挿通しやすいように下側部ヨーク20bから、図9の上部方向に分離されている。
電磁コイル10のボビン11は、樹脂材料を用いて、その全長は11mm、胴径2.5mm、中空孔111の内径Dは1.5mmである。
コイル12は、コイル長さは10mmにて直径30μmのエナメル線を1,800ターン巻回し、巻き線密度は450回/mmである。
ヨーク20aとヨーク20bのそれぞれのパイプ21aとパイプ21bは、磁性材料である低炭素鋼のSS400を用いて、その長さは11mm、外径は8.0mm、厚さ0.5mmを半切したものである。また、側面板22aと側面板22bおよび貫通孔部221aと貫通孔部221bは、同じSS400を用いて、その外径は8.0mm、厚さ0.5mmにて中央部の内径1.0mm、の貫通孔部221を半切したものである。SS400の磁気特性は飽和磁化の強さは20,000G、透磁率は3,000であった。
なお、上側部ヨーク20aが可動できるようにヨーク20(20a、20b)とボビン11との間隙は0.5mmである。
次に、図10および図11により細線30の着磁について説明する。
この細線30をボビン11の中空孔111内に挿通するとともに下側部ヨーク20bの両側の貫通孔部221bに載置する。また、両側の貫通孔部221b間(12mmの飽和着磁の対象長さ)からなる細線30を張架してA1-A2の中心線に合わせる。
次に下側部ヨーク22bおよび細線30の上面に上側部ヨーク22aを取り付け、貫通孔部221aと細線30および二つの半円状ヨーク同士を密接させて、細線を含んだ閉磁路タイプの磁気回路を形成する。コイル12にパルス電流を印加し、磁界40を発生させて二つの貫通孔部221の間にある細線の被着磁部位を飽和着磁し、細線上に磁石を生成した。
細線30を着磁ヨーク部から抜き出して、着磁した部位を測定したところ、長さ12mmに渡って飽和磁化することに成功し、その部分が永久磁石とすることができた。また未飽和着磁部の長さは、ほとんど観察できないレベルであった。
本発明においては、飽和着磁部と未飽和着磁部が鋭く分離しており、減磁する場合は直接飽和着磁から開始するので、本磁石はパーミアンスが10と反磁界は無いに等しいので、保磁力150Oe以上の外部磁界に晒されない限り簡単には減磁しない優れた磁石を得ることができた。
本発明は、半硬質磁性細線として、飽和磁化1.3T、保磁力150Oe、残留磁気0.9Tのものを用いた。その結果、本磁石の磁気モーメントを測定したところ、5×10-9Wbmであった。これは、体積当たりの磁気モーメントの値としては、最強磁石のNdFeB磁石よりも優れていた。
本発明の製造方法により、半硬質磁性材料よりなる半硬質磁性ステンレス鋼の細線の一部を長手方向に飽和着磁することを可能となり、磁性材料である永久磁石を得ることができ、複合磁性材料を製造することが可能となる。よって、生体内で使用するガイドワイヤに磁石機能を付与することができる。これにより、ガイドワイヤの先端位置を外部の磁気センサで測定し、ロボット治療などに利用することが期待できる。
1:着磁ヨーク部
10:電磁コイル
11:ボビン
111:中空孔
12:コイル
20:ヨーク
21:パイプ
22:側面板
221:貫通孔(貫通孔部)
30:細線
31:飽和着磁部
32:未飽和着磁部
40:磁界(円筒ボックス状のヨーク内の磁束)
41:漏洩した磁束
50:磁界(空間の磁束)
2:着磁ヨーク部(ヨーク分割型)
20a:上側部ヨーク
21a:上側部パイプ
22a:上側部側面板
221a:上側部側面板の貫通孔(上側部側面板の貫通孔部)
20b:下側部ヨーク
21b:下側部パイプ
22b:下側部側面板
221b:下側部側面板の貫通孔(下側部側面板の貫通孔部)
61:円筒ボックス状ヨークを用いて閉磁路タイプの磁気回路が形成されたときの細線の長手方向の着磁状態
62:円筒ボックス状ヨークを用いて開示路タイプの磁気回路が形成されたときの細線の長手方向の着磁状態
63:円筒ボックス状ヨークを用いていないときの細線の長手方向の着磁状態

Claims (2)

  1. 半硬質磁性細線の一部は飽和着磁部からなる永久磁石と、前記永久磁石の片側または両側の半硬質磁性細線は未着磁の半硬質磁性材料とからなる複合磁性材料の製造方法において、
    Cr-Ni系ステンレス鋼細線は、減面率50~80%にて冷間引抜によりマルテンサイト量が70%以上となる半硬質磁性特性を有する冷間引抜加工細線を作製する冷間引抜加工工程と、
    前記冷間引抜加工細線は、500℃~580℃の温度にて5~25kg/mmの張力で張力熱処理されて半硬質磁性細線を作製する張力熱処理工程と、
    前記半硬質磁性細線は、その一部が着磁装置を構成する着磁ヨーク部のヨークと閉磁路タイプの磁気回路を形成することにより飽和着磁されて永久磁石を作製する着磁工程とを備え、
    前記永久磁石は、1.2T以上の飽和磁化、80Oe以上保磁力と0.7T以上の残留磁気、パーミアンス係数10以上の性能を有することを特徴とする複合磁性材料の製造方法。
  2. 請求項1の複合磁性材料の製造方法において、
    前記着磁装置は、円筒ボックス状のヨークを半円筒ボックス状の上側部ヨークと半円筒状の下側ヨーク部の2つの分割構造とし、かつ前記円筒ボックス状のヨークの貫通孔と前記半硬質磁性細線との間の間隙を平均間隔5μm以下にし、前記貫通孔と前記半硬質磁性細線とが内接していることを特徴とする複合磁性材料の製造方法。
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