JP7173268B2 - ヒンジ形成体、ヒンジ付積層体、ヒンジ形成体配列シート、ヒンジ付積層体配列シート、冊子 - Google Patents

ヒンジ形成体、ヒンジ付積層体、ヒンジ形成体配列シート、ヒンジ付積層体配列シート、冊子 Download PDF

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Description

本発明は、ヒンジ形成体、ヒンジ付積層体、ヒンジ形成体配列シート、ヒンジ付積層体配列シート、冊子に関するものである。
従来、電子部品を有し、パスポート等の冊子に綴じられるインレットがあった(例えば特許文献1)。
しかし、従来のインレットは、側面において、ヒンジ層の繊維が、切断面からほつれたりすることがあった。このため、従来のインレットは、外観品質(見た目の品質)が低下することがあった。
欧州特許出願公開第2287012号明細書
本発明の課題は、外観品質を向上したヒンジ形成体、ヒンジ付積層体、ヒンジ形成体配列シート、ヒンジ付積層体配列シート、冊子を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
・第1の発明は、積層された複数の樹脂シート層と、冊子(1)に綴じることが可能なヒンジ部(41a,241a,341a)を有するヒンジ層(41,441)とを備えるヒンジ形成体(20,220,320,420-1~420-2)であって、このヒンジ形成体の表面を法線方向から見た形状は、長方形又は正方形であり、前記ヒンジ層は、前記長方形又は前記正方形内において、同一の方向に沿って延びるように配置され互いに離間して配置された複数の繊維(41b,41c,241b,241c,341b,341c,441b,441c)を有し、前記繊維が延びる方向と、このヒンジ形成体の縁部を形成する縁部形成辺(10X,10Y)とがなす角は、直角ではないこと、を特徴とするヒンジ形成体である。
・第2の発明は、前記繊維は、第1方向(b)に沿って配置された複数の第1繊維(41b,241b,341b,441b)と、前記第1方向に直交する第2方向(c)に沿って配置された複数の第2繊維(41c,241c,341c,441c)とを備え、前記第1繊維が延びる方向と、前記縁部形成辺とがなす角は、直角ではなく、前記第2繊維が延びる方向と、前記縁部形成辺とがなす角は、直角ではないこと、を特徴とするヒンジ形成体である。
・第3の発明は、第1から第3のいずれかの発明のヒンジ形成体において、ICモジュール(30)を備え、前記ヒンジ層(41,441)は、前記ICモジュール(30)を収容する収容穴(47,447)の少なくとも一部を形成し、このヒンジ形成体の表面を法線方向から見た状態で、前記繊維(41b,41c,241b,241c,341b,341c,441b,441c)と、前記収容穴の内縁部を形成する内縁部形成辺とがなす角は、直角ではないこと、を特徴とするヒンジ形成体である。
・第4の発明は、第1又は第2の発明のヒンジ形成体において、外部機器との間で非接触で通信するループアンテナ(35)を備え、前記繊維(41b,41c,241b,241c,341b,341c,441b,441c)と、前記ループアンテナの導線とがなす角は、直角ではないこと、を特徴とするヒンジ形成体である。
・第5の発明は、第1から第4のいずれかの発明のヒンジ形成体において、前記繊維(41b,41c,241b,241c,341b,341c,441b,441c)と前記縁部形成辺(10X,10Y)とがなす角は、5度以上85度以下であること、を特徴とするヒンジ形成体である。
・第6の発明は、第1から第5のいずれかの発明のヒンジ形成体において、前記ヒンジ層(241A)は、前記ヒンジ部(241a)が突出する側面に沿った辺(10Y)の縁部にのみ積層されていること、を特徴とするヒンジ形成体である。
・第7の発明は、第1から第6のいずれかの発明のヒンジ形成体(20,220,320,420-1~420-2)と、前記ヒンジ形成体の上側に積層された上層(50)と、前記ヒンジ形成体の下側に積層された下層(60)とを備えること、を特徴とするヒンジ付積層体である。
・第8の発明は、第1から第6のいずれかの発明のヒンジ形成体(20,220,320,420-1~420-2)が複数配列されたヒンジ形成体配列シート(20A,220A,320A)である。
・第9の発明は、第7の発明のヒンジ付積層体(10,310)が複数配列されたヒンジ付積層体配列シート(10A,310A)である。
・第10の発明は、第1から第6のいずれかの発明のヒンジ形成体(20,220,320,420-1~420-2)を前記ヒンジ部(41a,241a,341a)で綴じた冊子(1)である。
本発明によれば、外観品質を向上したヒンジ形成体、ヒンジ付積層体、ヒンジ形成体配列シート、ヒンジ付積層体配列シート、冊子を提供できる。
第1実施形態のヒンジ付積層体10の単体の構成を説明する図である。 第1実施形態のパスポート1を説明する図である。 第1実施形態のヒンジ付積層体10と、参考例のヒンジ付積層体110とを説明する図である。 第1実施形態のヒンジ付積層体配列シート10Aを説明する図である。 第1実施形態のヒンジ形成体配列シート20Aの構成を説明する図である。 第1実施形態のヒンジ形成体配列シート20Aの製造方法を説明する断面図である。 第2実施形態のヒンジ形成体配列シート220Aを説明する図である。 第3実施形態のヒンジ付積層体配列シート310Aを説明する図である。 第3実施形態のヒンジ形成体配列シート320Aを説明する図である。 第4実施形態のヒンジ形成体420-1~420-4の断面図である。
(実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
[ヒンジ付積層体10(単体)の構成]
図1は、第1実施形態のヒンジ付積層体10の単体の構成を説明する図である。
図1(A)は、ヒンジ付積層体10を厚さ方向Zの上側Z2(上面の法線方向)から見た図である。
図1(B)は、ヒンジ付積層体10の断面図(図1(A)のB-B断面図)であるが、レーザ発色層52の発色の態様、上層窓部56の形態も図示した。以降の図面についても、同様である。
図2は、第1実施形態のパスポート1を説明する図である。
図2(A)は、ヒンジ付積層体10が形成するページを開いた状態の斜視図である。
図2(B)は、ヒンジ付積層体10が形成するページを開いた状態の断面図(図2(A)のB-B断面図)である。
図3は、第1実施形態のヒンジ付積層体10と、参考例のヒンジ付積層体110とを説明する図である。
実施形態、図面では、説明と理解を容易にするために、XYZ直交座標系を設けた。この座標系は、図1(A)の状態を基準に、左右方向X(左側X1、右側X2)、縦方向Y(下側Y1、上側Y2)、厚さ方向Z(下側Z1、上側Z2)を表す。
図3(A)は、第1実施形態のヒンジ付積層体10の下側Y1の範囲を示す図、ヒンジ付積層体10を下側Y1から見た図(側面図)である。
図3(B)は、参考例のヒンジ付積層体110の下側Y1の範囲を示す図、ヒンジ付積層体110を下側Y1から見た図(側面図)である。
ヒンジ付積層体10は、冊子であるパスポート1に綴じられる。つまり、ヒンジ付積層体10は、ICチップ32を内蔵したパスポート1(ICパスポート等ともいう)の身分事項ページに使用されるものである。
なお、ヒンジ付積層体10の用途は、パスポート1に限定されず、例えば書籍に綴じることにより、書籍の管理等に用いてもよい。
ヒンジ付積層体10を表面(上面又は下面)から見た形状は、左右方向Xに平行な2つの辺10Xと、縦方向Yに平行な2つの辺10Yとを備える四角形である。辺10X,10Yは、ヒンジ付積層体10の縁部を形成する縁部形成辺である。なお、ヒンジ付積層体10のこれらの辺10X,10Yと、後述するヒンジ形成体20の各辺(ヒンジ形成体20の縁部を形成する縁部形成辺)とは、一致する。このため、実施形態において、ヒンジ付積層体10の辺10X,10Yと説明した部分は、それぞれ、ヒンジ形成体20の各辺と同様な意味である。
つまり、本実施形態においては、ヒンジ付積層体10の縁部(形成辺)とは、ヒンジ形成体20の縁部(形成辺)であり、また、ヒンジ層41(後述する)の縁部(形成辺)である。
ヒンジ付積層体10は、ヒンジ形成体20、上層50、下層60、ホログラム層70を備える。
図2に示すように、ヒンジ形成体20のヒンジ部41aは、糸5等を用いて、他のページ6、表紙7と一緒に綴じられる。これにより、ヒンジ付積層体10は、パスポート1に綴じられる。
ヒンジ形成体20の詳細は、後述する。
図1(A)、図1(B)に示すように、上層50は、ヒンジ形成体20の上側Z2に積層され、下層60は、ヒンジ形成体20の下側Z1に積層される。
ヒンジ形成体20のヒンジ部41aは、ヒンジ形成体20の一部であり、上層50、下層60の右側面よりも右側X2に突出した部分である。
上層50は、基材層51、レーザ発色層52、透明保護層55、上層窓部56を備える。これらの層は、下側Z1から上側Z2にこの順に積層されている。基材層51は、光隠蔽性の高い樹脂(例えば白色の樹脂)等により形成される。レーザ発色層52、透明保護層55は、無色、透明な透光性をするシート材により形成される。
基材層51は、このヒンジ付積層体10の基材となる層である。
基材層51は、印刷層51a,51cを備える。
印刷層51aは、基材層51の上面にオフセット印刷等によって印刷される。印刷層51aの印刷内容は、絵柄等であり、例えば、パスポート1の仕様に応じた文字、模様、記号等である。図1の例では、印刷層51aの印刷内容は、「PASSPORT」、「country:AAAA」、「NAME:」の文字情報51bである。印刷内容は、全ての利用者で共通のものである。つまり、この印刷内容は、利用者の個別の情報(例えば、利用者の写真、氏名等)を、含まない。
印刷層51cは、基材層51の下面にシルク印刷等によってベタ状に形成される。印刷層51cは、層間を接着する接着層として機能する。このため、印刷層51cは、必要に応じて、設ければよい。
印刷層51a,51cは、上層窓部56の領域には、設けられていない。つまり、印刷層51a,51cは、上層窓部56の領域では、抜きになっている。
レーザ発色層52は、発色剤を含有している。このため、レーザ発色層52のうちレーザ光が照射された範囲は、発熱し、また黒色に発色する。実施形態では、このように発色させることを印字、印刷ともいう。
レーザ発色層52の印刷内容は、利用者の個別の情報である。図1の例では、利用者の写真画像52b、氏名52cの情報「BBB CCC」のみ図示しているが、実際には、生年月日、旅券番号等の情報が印刷される。
なお、レーザ発色層52の材料は、レーザ光を照射することにより発色するものであれば、発色剤を含有していなくてもよい。また、発色は、黒色以外でもよい。
なお、図1(A)、図1(B)は、レーザ発色層52の印刷内容を説明するために、ヒンジ付積層体10が発色した状態を図示するが、このレーザ発色層52の印刷は、ヒンジ付積層体10をパスポート1に綴じた後に行ってもよい。
透明保護層55は、レーザ発色層52を保護する保護層である。
上層窓部56は、印刷層51a,51cが設けられていない方形の部分である。
下層60は、基材層61、透明保護層65を備える。これらの層は、上側Z2から下側Z1にこの順に積層されている。
基材層61、透明保護層65は、上層50の基材層51、透明保護層55と同様な層である。つまり、基材層61の構成は、以下の通りである。
基材層61は、ヒンジ付積層体10の基材となる層であり、また、印刷層61a,61cを備える。
印刷層61aは、基材層61の下側Z1に設けられ、その印刷内容の絵柄等の図示は、省略するが、全ての利用者で共通のものである。印刷層61cは、基材層61の上側Z2に設けられ、光を隠蔽する。
透明保護層65は、基材層61及びその印刷層61aを保護する保護層である。
ホログラム層70は、ヒンジ形成体20及び上層50の間に積層されている。上側Z2から見た状態で、ホログラム層70の外形は、上層窓部56よりも一回り大きい。
ホログラム層70は、透明である。ホログラム層70は、例えば、リップマンホログラム、エンボス型のホログラム等のホログラム画像71が記録されている。ホログラム画像71は、上層窓部56の内側に配置される。なお、ホログラム画像71は、半透明でもよい。
なお、図1(B)の例では、ホログラム層70は、上層窓部56の下側Z1に配置されているので、上側Z2から見ると、XY平面において、上層窓部56に重なるが、これに限定されない。ホログラム層70は、上層窓部56に重ならない位置に配置された形態でもよい。
また、図1(B)の例では、ホログラム層70は、レーザ発色層52よりも下側Z1であり、ヒンジ形成体20よりも上側Z2に配置されているが、これに限定されない。例えば、ホログラム層70は、レーザ発色層52よりも上側Z2に配置された形態でもよい。
このように配置することで、レーザ発色層52の印字情報を、改ざんしようとレーザ照射すれば、その上側Z2のホログラム層70が破壊される。このため、改ざん防止効果を向上できる。
上記構成によって、上層50のレーザ発色層52の印刷内容は、透明保護層55を通して観察できる。基材層51の印刷層51aの印刷内容は、レーザ発色層52及び透明保護層55を通して観察できる。また、下層60の基材層61の印刷層61aの印刷内容は、透明保護層65を通して観察できる。
また、印刷層51a,51c以外の層が透光性を有するので、上層窓部56のうちホログラム層70のホログラム画像71が有る部分では、ホログラム画像71が観察できる(矢印L参照)。
一方、基材層51,61は、光隠蔽性が高いので、ヒンジ形成体20は、視認できない。このため、ヒンジ付積層体10は、アンテナ35等の部品を目隠しすることができる。
[ヒンジ形成体20(単体)の構成]
ヒンジ形成体20は、ヒンジ付積層体10の厚さ方向Zのほぼ中央に積層される。
図1の例では、ヒンジ形成体20の上面を上側Z2から見た形状は、長方形であるが、これに限定されず正方形でもよい。
ヒンジ形成体20は、ICモジュール30、アンテナ35、ヒンジ層41、中間層42(アンテナ埋設層)、上保護層45、下保護層46、ICモジュール収容穴47、アンテナ埋設溝48を備える。
下保護層46、中間層42、ヒンジ層41、上保護層45は、下側Z1から上側Z2に、この順番で積層されている。これらの層間は、熱溶着によって接合される。このため、これらの材料は、熱溶着の相性がよい樹脂(例えば、PET-G、PVC、PC等)のシート材を用いる。中間層42は、樹脂シート材の単層構成、又は複層構成である。上保護層45、下保護層46も同様である。
中間層42、下保護層46、上保護層45の外形は、等しい。ヒンジ層41の外形は、中間層42、下保護層46、上保護層45の外形よりも大きい。ヒンジ層41のこの大きい部分は、ヒンジ部41aを構成する部分である。
ICモジュール30は、実装基板31、ICチップ32を備える。
実装基板31は、ICチップ32を実装するための基板である。実装基板31は、ICチップ32のリードフレーム(図示せず)が接続されている。
ICチップ32は、半導体集積回路素子であり、制御部であるCPU(中央処理装置)、記憶装置(例えばEEPROM)を備える。記憶装置には、識別情報等が記憶されている。ICチップ32は、リーダライタ等の外部機器との間で、非接触で通信するタイプである。
ICチップ32は、実装基板31の下面に実装され、樹脂等によって封止(パッケージ)されている。
アンテナ35は、被覆付導線がコイル状(渦巻き状)に巻かれたループアンテナである。被覆付導線は、導線の周囲を、絶縁体により形成された被覆によって覆ったものである。
アンテナ35の両端と、ICチップ32のリードフレームとは、電性ペースト等によって接続されている。これにより、アンテナ35及びICチップ32の間が電気的に接続される。
なお、ICチップ32及びアンテナ35の間の接続は、上記形態に限定されない。例えば、ICチップ32のリードフレームと、アンテナ35の両端とを、直接接続してもよい。
ICモジュール30及びアンテナ35と、外部機器との間の非接触による通信方法は、電磁誘導方式による近距離無線通信(例えば、ISO/IEC14443、ISO/IEC15693、ISO/IEC18092等による通信方式)である。
ヒンジ層41は、このヒンジ形成体20の各樹脂層42,45,46の外形よりも大きい。このため、ヒンジ層41は、ヒンジ形成体20の全面に積層される。
ヒンジ層41は、ヒンジ部41aを備える。
ヒンジ部41aは、パスポート1に綴じられる部分である(図2(B)参照)。
ヒンジ部41aは、ヒンジ形成体20の樹脂層42,45,46の側面のうち、パスポート1に綴じられる側の側面(図1では、右側面)から突出している。また、ヒンジ層41は、ICモジュール収容穴47の一部を形成する。
ヒンジ層41は、ヒンジとして機能するための十分な柔軟性、破断等をしないための十分な引っ張り強度、繰り返し折り曲げられても破断しない十分な耐久性等を備える。ヒンジ層41は、例えば、複数のPET-Gの樹脂シート等の層間に、PET、ポリアミド等の繊維41b,41cを、格子状に配置したものを用いることができる。
繊維41b,41cの配置等の詳細は、後述する。
中間層42は、ICチップ32の厚さ分を調整する層である。
上保護層45は、ヒンジ層41の上側Z2に積層されることにより、ICモジュール30、ヒンジ層41等を保護するシート材である。
同様に、下保護層46は、中間層42の下側Z1に積層されることにより、ICモジュール30、中間層42等を保護するシート材である。
ICモジュール収容穴47は、ICモジュール30を収容する穴である。ICモジュール収容穴47は、ヒンジ層41及び中間層42を貫通した貫通穴である。ヒンジ層41、中間層42は、ICモジュール30をICモジュール収容穴47内に収容することにより、ICモジュール30を保持する。なお、ICモジュール収容穴47は、有底の穴でもよい。
アンテナ埋設溝48は、中間層42の上面に設けられた溝である。後述するように、アンテナ埋設溝48は、アンテナ35が配置された状態で、熱プレスによりアンテナ35を埋設することにより形成される。このため、上側Z2から見ると、アンテナ埋設溝48の配置と、アンテナ35の配置とは、同じである。中間層42の直上には、ヒンジ層41が積層されている。このため、中間層42は、アンテナ35をアンテナ埋設溝48に収容し、また、ヒンジ層41は、アンテナ埋設溝48の開口を覆う。これにより、ヒンジ層41、中間層42は、アンテナ35を保持することができる。
(ヒンジ層41の繊維41b,41c)
図3(A)に示すように、ヒンジ付積層体10の上面(つまりヒンジ形成体20の上面)を法線方向から見た状態で、すなわち上側Z2から見た状態で、繊維41b(第1繊維)と繊維41c(第2繊維)とは、ヒンジ層41の全面に、互いに直角に交差するように配置されている。これにより、繊維41b,41cは、織物(クロス)状に形成される。
つまり、各繊維41bは、XY平面内の任意の同一の方向b(第1方向)に沿って延びるように、真っ直ぐに配置されている。また、複数の繊維41bが、XY平面内において方向bに直交する方向c(第2方向)に沿って、所定の間隔をあけて配列されている。
一方、各繊維41cは、XY平面内の任意の同一の方向cに沿って延びるように、真っ直ぐに配置されている。また複数の繊維41cが、方向bに沿って、所定の間隔をあけて配列されている。
方向b,cは、左右方向X、縦方向Yに平行ではない。
このため、繊維41bと、ヒンジ付積層体10の辺10X,10Yとがなす角は、直角ではない。なお、実施形態では、2直線のなす角は、90度未満のもので説明する。
つまり、繊維41b及び辺10Xがなす角θ41bは、直角ではない。図面では、一例として、「θ41b=75度」で図示している。また、繊維41b及び辺10Yがなす角は、直角ではない。このなす角は、図示を書略するが、「15度」である。
同様に、繊維41cと、ヒンジ付積層体10の辺10X,10Yとがなす角は、直角ではない。
つまり、繊維41c及び辺10Xがなす角θ41cは、直角ではなく、「θ41c=15度」である。また繊維41c及び10Yがなす角は、直角ではなく、「75度」である。
このため、ヒンジ付積層体10は、外観の品質を向上できる作用、効果を奏する。
実施形態のこの作用、効果について、参考例のヒンジ付積層体110と比較しながら説明する。
図3(A)に示すように、繊維41b,41cの破断面は、ヒンジ付積層体10、ヒンジ形成体20の側面に露出する。
前述したように、繊維41b,41cは、全ての辺10X,10Yに対して、直角ではなく、傾斜している。このため、繊維41b,41cの破断面の面積は、小さい。また、ヒンジ層41の樹脂のうち、繊維41b,41cの端部の周囲の部分41gは、繊維41b,41cの端部を、確実に保持できる。
このため、繊維41b,41cの端部は、ヒンジ層41から飛び出たり、ほつれたりすることが抑制される。これにより、ヒンジ付積層体10は、外観品質(見た目の品位)を向上できる。
図3(B)に示すように、これに対して、ヒンジ付積層体110のヒンジ層141の繊維141bは、辺10Xに対して直角であり、また、繊維141bは、辺10Yに対して直角である。
このため、表面から見た状態で、繊維141b及び辺10Xが一致してしまうと、繊維141bの切断面(図3(B)にハッチングで示す)の全体が、ヒンジ層141の側面に露出した状態になる。この状態では、ヒンジ層141は、繊維141bを確実に保持することができない。このため、繊維141bが、ヒンジ層141の側面から飛び出してしまう(飛び出し141d参照)。また、抜き加工によって切断された繊維141bがほつれてしまうこともある(ほつれ152d参照)。
このように、参考例のヒンジ付積層体110の外観品質は、実施形態のヒンジ付積層体10の外観品質よりも劣る。
なお、参考例のヒンジ付積層体110は、繊維141b及び辺10Xが完全に一致した例を説明したが、製造誤差等によって、繊維141b及び辺10Xが若干のなす角(例えば5度未満)を有する形態で配置された場合も、繊維141bの切断面が露出する面積が大きい。このため、この場合にも、外観品質が低下する。
同様に、繊維141b及び辺10Yが一致した場合も同様に、外観品質が実施形態よりも低下する。
このように、本実施形態のヒンジ付積層体10は、参考例のヒンジ付積層体110よりも、外観品質等を向上できる。
但し、参考例のヒンジ付積層体110であっても、ヒンジ層141の各辺と繊維141b,141cとが重ならないように(つまり、一致しないように)配置することにより、繊維のほつれ、飛び出し等を防ぐことができる。また、この場合には、切断部に繊維がないため、個片化する際の切断作業が容易である。
実施形態の上記作用、効果は、試作により確認した。繊維及び各辺のなす角が5度であれば、繊維41b,41cのほつれ等は、ほとんど発生しなかった。また、繊維及び各辺のなす角が10度であれば、製品間でのほつれ等のバラツキがほとんどなく、品質が安定した。
これにより、繊維41b,41c及び各辺のなす角は、5度以上85度以下が好ましく、また、10度以上80度以下がさらに好ましいことが、確認できた。
なお、繊維41b,41cは、直交している形態に限定されず、両者は、直交していない形態でもよい。この形態では、繊維41b及び各辺のなす角と、繊維41c及び各辺のなす角とのうち少なくとも一方が直角でなければ、この一方が上記作用、効果を奏する。
また、繊維41b,41cが、上記のように配置されていることにより、以下のような作用、効果も奏する。
(a)ヒンジ付積層体10をパスポート1に綴じた状態で、ヒンジ付積層体10のページをめくる場合、図3(A)に示すように、ヒンジ部41aは、縦方向Yに平行な軸Y3回りに、曲がるように変形する(矢印θ3参照)。
軸Y3は、2方向の繊維41b,41cの両方に交差している。このため、ヒンジ付積層体10のページをめくる場合には、2方向の繊維41b,41cの両方が屈曲する。このため、ヒンジ付積層体10は、これら両方がヒンジ部41aの強度向上に寄与する。このため、繊維41b,41cによるヒンジ部41aの耐久性向上、強度の向上の効果が大きい。
図3(B)に示すように、これに対して、参考例では、軸Y3は、1方向の繊維141cのみに交差する。このため、ヒンジ付積層体110のページをめくる場合には、1方向の繊維141cのみが曲がる。このため、1方向の繊維141cのみが、ヒンジ部41aの強度向上に寄与し、繊維141bは、ほとんど寄与しない。このため、繊維141b,141cによるヒンジ部41aの耐久性向上、強度の向上の効果が、実施形態よりも小さい。
(b)上記(1)の効果は、ヒンジ付積層体10の本体部についても、同様である。
つまり、図3(A)の矢印θ4に示すように、実施形態のヒンジ付積層体10の本体部を曲げるような力が働いた場合にも、2方向の繊維41b,41cが強度向上に貢献する。このため、繊維41b,41cは、ヒンジ付積層体10の本体の耐久性、強度を向上できる。
(c)個片工程(後述する)において、繊維41b,41cと、プレスの刃とのなす角は、角度θ41b、θ41cである。このように、繊維41b,41cは、十分な角度によって、刃に交差するので、せん断力が掛かりやすい。これにより、繊維41b,41cの切断面の美観が向上する。
[ヒンジ付積層体配列シート10A]
図4は、第1実施形態のヒンジ付積層体配列シート10Aを説明する図である。
図4(A)は、ヒンジ付積層体配列シート10Aを厚さ方向Zの上側Z2(上面の法線方向)から見た図である。
図4(B)は、ヒンジ付積層体配列シート10Aの断面図(図4(A)のB-B断面図)である。
図面では、プレスによる切断加工の切断部2(つまりヒンジ付積層体10の外形)を、二点鎖線で示した。
ヒンジ付積層体配列シート10Aは、複数のヒンジ付積層体10が配列されたシート材である。
上側Z2から見ると、縦方向Yに2つ、左右方向Xに2つ、合計4つのヒンジ付積層体10が配列されている。なお、縦方向Yの個数は、製造上の都合に応じて、適宜設定できる。また、図4の例では、ヒンジ付積層体10の間に、スペース3(余白)を設けた例を図示するが、このスペース3は、適宜削除してもよい。
左右のヒンジ部41aは、対辺である2つの辺10Yに沿って配置されている。左右のヒンジ部41aは、ヒンジ付積層体配列シート10Aの状態においても、ヒンジ形成体配列シート20Aの左右の側面から突出している。
ヒンジ付積層体配列シート10Aの積層構成は、ヒンジ付積層体10の積層構成に対応している。
つまり、ヒンジ付積層体配列シート10Aは、透明保護層シート材65A、基材層シート材61A、ヒンジ形成体配列シート20A、ホログラム層70、基材層シート材51A、レーザ発色層シート材52A、透明保護層シート材55Aが、下側Z1から上側Z2に、この順番で積層されている。
基材層シート材51A、レーザ発色層シート材52A、透明保護層シート材55Aは、上層50を形成する4つ分の部材が、XY面方向に配列されたシート材(上層配列シート)である。
すなわち、基材層シート材51Aは、4つ分の基材層51が、XY面方向に配列されたシート材である。また、レーザ発色層シート材52A、透明保護層シート材55Aは、それぞれ4つ分のレーザ発色層52、透明保護層55が、XY面方向に配列されたシート材である。各シート材の4つ分の部材の配置は、ヒンジ形成体配列シート20A(図5参照)の4つのヒンジ形成体20の配置に対応している。
同様に、基材層シート材61A、透明保護層シート材65Aは、下層60を形成する4つ分の部材が、ヒンジ形成体配列シート20Aのヒンジ形成体20に対応した位置に、XY面方向に配列されたシート材(下層配列シート)である。
[ヒンジ形成体配列シート20A]
図5は、第1実施形態のヒンジ形成体配列シート20Aの構成を説明する図である。
図5(A)は、ヒンジ形成体配列シート20Aを厚さ方向Zの上側Z2(上面の法線方向)から見た図である。
図5(B)は、ヒンジ形成体配列シート20Aの断面図(図5(A)のB-B断面図)である。
ヒンジ形成体配列シート20Aは、複数のヒンジ形成体20が配列されたシート材である。
ヒンジ形成体配列シート20Aのヒンジ形成体20の配列は、ヒンジ付積層体配列シート10Aと同様である。
つまり、上側Z2から見ると、縦方向Yに2つ、左右方向Xに2つ、合計4つのヒンジ形成体20が配列されている。左側X1のヒンジ形成体20は、ヒンジ部41aが左側X1に配置され、一方、右側X2のヒンジ形成体20は、ヒンジ部41aが右側X2に配置されている。左側X1の2つのヒンジ形成体20、右側X2の2つのヒンジ形成体20は、ヒンジ形成体配列シート20Aの中心に対して点対称に配置されている。縦方向Yのヒンジ形成体20の個数、スペース3は、ヒンジ付積層体配列シート10Aと同様に変更できる。
ヒンジ形成体配列シート20Aの積層構成は、ヒンジ形成体20の積層構成に対応している。
つまり、ヒンジ形成体配列シート20Aは、下保護層シート材46A、中間層シート材42A、ヒンジ層シート材41A、上保護層シート材45Aが、下側Z1から上側Z2に、この順番で積層されている。
ヒンジ層シート材41Aは、4つ分のヒンジ層41が、XY面方向に配列されたシート材である。同様に、中間層シート材42A、上保護層シート材45A、下保護層シート材46Aは、それぞれ4つ分の中間層42、上保護層45、下保護層46の部材が配列されたシート材である。各シート材の4つ分の部材の配置は、ヒンジ形成体配列シート20Aの4つのヒンジ形成体20の配置に対応している。
左右のヒンジ部41aは、ヒンジ形成体配列シート20Aの状態においても、ヒンジ形成体配列シート20Aの左右の側面から突出している。
[製造方法]
図6は、第1実施形態のヒンジ形成体配列シート20Aの製造方法を説明する断面図である。
(ヒンジ形成体配列シート20Aの製造方法)
ヒンジ形成体配列シート20Aを製造する場合には、その前工程で、予め、ヒンジ層シート材41A、中間層シート材42A、上保護層シート材45A、下保護層シート材46Aを製造しておく。ヒンジ層シート材41A(図6(C)参照)、中間層シート材42A(図6(A)参照)には、それぞれ、穴を抜き加工により設けておく。穴は、ICモジュール収容穴47を形成する。
ヒンジ形成体配列シート20Aは、以下の工程に従って製造できる。
(1)アンテナ35の形成工程
図6(A)に示すように、アンテナ35を中間層シート材42Aの上面にコイル状に配置した状態で、熱プレスすることによって、アンテナ35を中間層シート材42Aに埋設する。4つのアンテナ35は、同時に埋設してもよい。
なお、アンテナ35は、ヒンジ層シート材41Aに埋め込んでもよい。この場合にも、4つのアンテナ35をヒンジ層シート材41Aに配置した状態で、熱プレスすればよい。
(2)ICモジュール30及びアンテナ35の接続工程
図6(B)に示すように、ICモジュール30を中間層シート材42AのICモジュール収容穴47に収容する。また、実装基板31と、アンテナ35の両端とを、導電ペースト等で電気的及び機械的に接続する。
(2)積層工程
図6(C)に示すように、ヒンジ層シート材41A、中間層シート材42A、上保護層シート材45A、下保護層シート材46Aを積層する。
ここで、ヒンジ層シート材41A、中間層シート材42Aを積層する場合には、2つのシート材のICモジュール収容穴47の中心を一致するように、位置合わせする。これにより、ヒンジ層シート材41Aの4つ分のヒンジ部41aが、中間層シート材42Aの両端から、同一長さで突出する。
このように、ヒンジ層シート材41Aの積層工程は、作業性がよい。
(3)熱プレス工程
図6(C)、図6(D)に示すように、各シート材を積層した状態で、熱プレスする。これにより、各層間が熱溶着される。
以上により、ヒンジ形成体配列シート20Aを製造できる。
(ヒンジ付積層体配列シート10A、ヒンジ付積層体10の製造方法)
ヒンジ付積層体配列シート10Aを製造する場合には、その前工程で、予め、ヒンジ形成体配列シート20Aと、基材層シート材51A,61A、レーザ発色層シート材52A、透明保護層シート材55A,65A、ホログラム層70を製造しておく。
ヒンジ付積層体配列シート10Aは、以下の工程に従って製造できる。
(1)上層50の積層工程(上層積層工程)
ヒンジ形成体配列シート20Aの上側Z2に、ホログラム層70、基材層シート材51A、レーザ発色層シート材52A、透明保護層シート材55Aを積層する(図4(B)参照)。
(2)下層60の積層工程(下層積層工程)
ヒンジ形成体配列シート20Aの下側Z1に、基材層シート材61A、透明保護層シート材65Aを積層する(図4(B)参照)。
(3)熱プレス工程
上記(1)、(2)で各部材を積層した状態で、熱プレスする。これにより、各層間が熱溶着される。
これまでの工程によって、ヒンジ付積層体10が配列されたヒンジ付積層体配列シート10Aを製造できる。
(4)個片工程
上記(3)で熱溶着されたヒンジ付積層体配列シート10Aを、プレス加工によって、各ヒンジ付積層体10の外形で切断することにより、個片にする。これにより、4つのヒンジ付積層体10を製造できる。
この場合、各ヒンジ付積層体10の切断部2の形状は、ヒンジ部41a側が開口したU字型である(図4(A)参照)。これにより、各ヒンジ付積層体10は、ヒンジ部41aが残存する。
このように、ヒンジ付積層体配列シート10A(つまりヒンジ形成体配列シート20A)を、4つのヒンジ部41aが残存するように切断することにより、側面の一部からヒンジ部41aが突出したヒンジ付積層体10を製造できる。このため、ヒンジ付積層体10は、従来のカード製造と同様に、複数のヒンジ付積層体10を同時に製造することができる。これにより、ヒンジ付積層体10は、容易に製造でき、また、低コストである。
個片化後のヒンジ付積層体10は、ヒンジ部41aが綴じられることにより、パスポート1に加工される(図2参照)。また、個片化後のヒンジ付積層体10は、パスポート1に加工された後(又は加工される前)に、レーザ光が照射されることにより、利用者の個別の情報(写真画像52b、氏名52c等)が印刷される(図1(A)参照)。
なお、ヒンジ付積層体配列シート10Aを切断しない状態で、又はヒンジ付積層体配列シート10Aを複数(例えば2つ)のヒンジ付積層体10が接続されたヒンジ付積層体配列シートの形態に切断した状態で、複数のパスポートが配列された態様(いわゆる多面付け)に製本化してもよい。この場合には、製本化後に、パスポートを個片化することにより、ヒンジ付積層体配列シート10Aがヒンジ付積層体10に個片化される。
この場合は、製本後にヒンジ付積層体10に個片化できるため、製本機の仕様、製造上の都合等に合わせて製本加工できる。
上記ヒンジ付積層体配列シート10A、ヒンジ形成体配列シート20Aの製造方法は、以下の作用、効果を奏する。
(a)ヒンジ形成体配列シート20Aを表面(上面又は下面)から見た状態、すなわち、上側Z2から見た状態で、ICモジュール収容穴47の形状は、左右方向Xに平行な辺と、縦方向Yに平行な辺とを備える四角形である(図1(A)参照)。これらの辺は、ICモジュール収容穴47の内縁部を形成する内縁部形成辺である。
繊維41b,41c及びICモジュール収容穴47の各辺がなす角は、前述した辺10X,10Y及び繊維41b,41cと同様に、直角ではない。そのため、繊維41b,41cの端部は、穴の内側面から飛び出たり、ほつれたりすることを抑制できる。
これにより、繊維41b,41cが、ICモジュール30に重なってしまうことを抑制できる。
図6(E)の参考例のように、実施形態とは異なり繊維141b,141cが左右方向X、縦方向Yに平行な形態では、繊維141b,141cの端部は、穴の内側面から飛び出し141d等を発生してしまう。この繊維141b,141cは、ICモジュール30に重なってしまう。
実施形態では、飛び出し等をした繊維41b,41cがICモジュール30に重ならないことにより、熱プレス工程(図4(C)参照)において、ICモジュール30は、過大な負荷が掛からない。
また、実施形態では、飛び出し等した繊維41b,41cを切断等する手間がかからないので、作業性を向上できる。
さらに、実施形態では、ヒンジ付積層体10、ヒンジ形成体20の上面を、平らに形成できる。
(b)ヒンジ層シート材41Aは、左右方向X、縦方向Yに平行な辺を有する四角形である。このため、ヒンジ層シート材41Aが積層前の状態であっても、繊維41b,41cは、ヒンジ層シート材41Aの側面から、飛び出し等がない。
これにより、熱プレス工程において、ヒンジ層シート材41Aは、飛び出し等した繊維41b,41cが、シート材の層間に挟まれることを抑制できる。このため、製品の外観品質を向上でき、また、作業性を向上できる。
(c)上記(b)と同様に、繊維41b,41cは、ヒンジ層シート材41Aの側面からのほつれ等を抑制できる。このため、糸くず等の埃の発生が少ないので、製造現場を、クリーンにできる。
(d)アンテナ35(つまり被覆付導線)は、左右方向Xに平行な部分と、縦方向Yに平行な部分とが、交互に配置されることにより、コイル状に形成される。
図3(A)等に示すように、このため、アンテナ35及び繊維41b,41cは、交差する。これにより、熱プレス工程おいて、プレス圧を、均一にでき、また、ヒンジ付積層体10、ヒンジ形成体20の上面を、平らに形成できる。
図3(B)の参考例では、アンテナ35及び繊維141b,141cは、長い範囲で重なってしまう部分135aが発生する場合がある。この場合、重なった部分135aは、その周囲よりも、厚さが厚くなる。これにより、熱プレス工程において、プレス圧は、不均一になってしまうし、また、ヒンジ付積層体110、ヒンジ形成体120の上面は、凹凸が大きくなってしまう。
以上説明したように、本実施形態のヒンジ付積層体10、ヒンジ形成体20は、外観品質を向上でき、また、ヒンジ部の強度向上、製造時の作業性を向上できる。
また、ヒンジ部41aとして機能するだけではなく、ICモジュール30、アンテナ35等の電気部品を保持するための層を形成する。このため、ヒンジ形成体20の厚さは、電気部品を保持するための層を別途設ける形態に比較すると、薄い。これにより、ヒンジ形成体20、ヒンジ付積層体10の厚さを薄くすることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を適宜付して、重複する説明を適宜省略する。
図7は、第2実施形態のヒンジ形成体配列シート220Aを説明する図である。
図7(A)は、ヒンジ形成体配列シート220Aを厚さ方向Zの上側Z2(上面の法線方向)から見た図である。
図7(B)は、ヒンジ形成体配列シート220Aの断面図(図7(A)のB-B断面図)である。
図7(C)は、ヒンジ形成体配列シート220Aの製造方法を説明する断面図である。
図7(A)、図7(B)に示すように、ヒンジ形成体配列シート220Aは、2つのヒンジ層シート材241A(つまりヒンジ層)が、それぞれ左側X1の辺(少なくとも一辺)の縁部、右側X2の辺(少なくとも一辺)の縁部にのみ配置されている。つまり、各ヒンジ層シート材241Aは、ヒンジ部241aが突出する側面である左側面、右側面に沿った縁部にのみ配置されている。
左右方向Xにおいて、2つのヒンジ層シート材241Aの内側には、厚さ調整層シート材243Aが積層されている。厚さ調整層シート材243Aの厚さは、ヒンジ層シート材241Aと同じである。つまり、厚さ調整層シート材243Aは、ヒンジ層シート材241Aの厚さ分を調整するものである。厚さ調整層シート材243Aは、中間層シート材42Aと同様な材料により形成できる。
ヒンジ形成体配列シート220Aは、厚さ調整層シート材243Aを備えることにより、上面、下面を、平らに形成できる。
図7(C)に示すように、ヒンジ形成体配列シート220Aを製造する場合には、最初に、厚さ調整層シート材243Aを中間層シート材42Aに積層する。
その後、右側X2のヒンジ層シート材241Aのヒンジ部241aを形成する部分が、中間層シート材42Aから突出するように、ヒンジ層シート材241A及び中間層シート材42Aを位置合わせする。同様に、右側X2のヒンジ層シート材241A及び中間層シート材42Aを位置合わせする。
このように、ヒンジ層シート材241Aを位置合わせし積層した状態で、第1実施形態と同様に、熱プレス工程によって、各層間を熱溶着する(図6(C)、図6(D)参照)。
以上により、ヒンジ形成体配列シート220Aを製造できる。
以上説明したように、本実施形態のヒンジ形成体配列シート220Aは、ヒンジ層シート材241Aをヒンジ部241aが設けられた縁部に沿ってのみ配置しているので、ヒンジ層シート材241Aの外形を小さくできる。これにより、ヒンジ形成体配列シート220Aは、材料費を抑えることができるので、低コストである。
なお、ヒンジ層シート材241A(つまりヒンジ層)の外形の一部と、ヒンジ形成体の縁部形成辺の一部とは、一致する。ヒンジ形成体220は、縁部形成辺のうちこの一致する部分と、繊維241b,241cとの角が5度以上85度以下等であることにより、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図8は、第3実施形態のヒンジ付積層体配列シート310Aを説明する図である。
図8(A)は、ヒンジ付積層体配列シート310Aを厚さ方向Zの上側Z2(上面の法線方向)から見た図である。
図8(B)は、ヒンジ付積層体配列シート310Aの断面図(図8(A)のB-B断面図)である。
(ヒンジ付積層体配列シート310Aの構成)
本実施形態のヒンジ付積層体310の単体の構成は、第1実施形態と同様である。
但し、左右方向Xに隣合うヒンジ付積層体310は、ヒンジ部341aが突出する側面が、ヒンジ付積層体配列シート310Aの内側になるように配置されている。左右方向Xに隣合うヒンジ付積層体310は、ヒンジ部341a同士が繋がっていることにより、連続している。
(ヒンジ形成体配列シート320Aの構成)
図9は、第3実施形態のヒンジ形成体配列シート320Aを説明する図である。
図9(A)は、ヒンジ形成体配列シート320Aを厚さ方向Zの上側Z2(上面の法線方向)から見た図である。
図9(B)は、ヒンジ形成体配列シート320Aの断面図(図9(A)のB-B断面図)である。
図9(C)は、ヒンジ形成体配列シート320Aの製造方法を説明する断面図である。
図9(A)、図9(B)に示すように、ヒンジ形成体配列シート320Aは、ヒンジ付積層体配列シート310Aのヒンジ付積層体310と同様に、4つのヒンジ形成体320が配置されている。すなわち、左右方向Xに隣合うヒンジ形成体320は、それぞれのヒンジ部341aがヒンジ形成体配列シート320Aの内側に向けて配置されており、それぞれのヒンジ部341aを介して連続している。
また、ヒンジ層シート材341Aは、他のシート材の外形よりも大きく、このヒンジ形成体配列シート320Aの全面に積層されている。
(ヒンジ形成体配列シート320Aの製造方法)
図9(A)、図9(C)に示すように、ヒンジ付積層体配列シート310Aの製造は、以下のように、左右にそれぞれヒンジ形成体320を形成するように行う。以下、主に、第1実施形態とは異なる部分を説明する。
(1)左側X1の2つのヒンジ形成体320の構成として、2つ分の中間層を有する中間層シート材342Aに、2つ分のアンテナを形成する。同様に、右側X2の中間層シート材342Aに、2つ分のアンテナを形成する。
(2)左側X1の2つのヒンジ形成体320の構成として、1つのヒンジ層シート材341A(上記(1)で作製した積層体)に対して、2つ分の中間層を有する中間層シート材342Aと、2つ分の上保護層を備える上保護層シート材345Aと、2つ分の下保護層を備える下保護層シート材346Aとを積層する。同様に、1つのヒンジ層シート材341A(上記(1)で作製した積層体)に対して、右側X2の中間層シート材342Aと、右側X2の上保護層シート材345Aと、右側X2の下保護層シート材346Aとを積層する。そして、熱プレスによって、層間を溶着する。
以上により、ヒンジ形成体配列シート320Aを製造できる。
上記工程において、ヒンジ層シート材341Aと、他のシート材との位置合わせは、左端部又は右端部を合わせすればよいので、作業性がよい。なお、この位置合わせをヒンジ部341a側の端部で位置合わせをする場合でも、他のシート材341A,342A,345A,346Aの端部を当接するような治具等を用いれば、作業が容易である。
(ヒンジ付積層体配列シート310A、ヒンジ付積層体310の製造方法)
図8(B)に示すように、ヒンジ付積層体配列シート310Aと同様に、ヒンジ付積層体配列シート310Aの製造も、左右にそれぞれヒンジ付積層体310を形成するように行う。以下、主に、第1実施形態とは異なる部分を説明する。
(1)前述した工程で作製したヒンジ形成体配列シート320Aに、左側X1及び右側X2に、2つ分の各部材を備える基材層シート材351A、レーザ発色層シート材352A、透明保護層シート材355A、基材層シート材361A、透明保護層シート材365Aを積層する。そして、熱プレスによって、層間を溶着する。
なお、各部材の位置合わせは、ヒンジ形成体配列シート320Aの製造方法と同様に、作業性がよい。
(2)上記(1)で熱溶着されたヒンジ付積層体配列シート310Aを、プレス加工によって、各ヒンジ付積層体310の外形で切断することにより、個片にする(個片工程)。
この場合、各ヒンジ付積層体310の切断部302の形状は、各ヒンジ付積層体310に対応した四角形である。また、左右方向Xに隣合うヒンジ付積層体配列シート310Aは、内側の切断部302の一致している。このため、連続したヒンジ部341aが切断される。これにより、左右方向Xに隣合うヒンジ付積層体配列シート310Aは、左右に分離する。
以上説明したように、本実施形態のヒンジ形成体配列シート320Aは、左右方向Xに隣り合うヒンジ形成体320のヒンジ部341aを連続させ、これを切断することにより、ヒンジ付積層体310を製造できる。このため、第1実施形態と同様に、ヒンジ部341aが突出したヒンジ付積層体310を、容易に製造でき、また、低コストである。
なお、本実施形態のヒンジ形成体配列シート320Aは、第2実施形態と同様に、ヒンジ付積層体配列シート310A(つまりヒンジ層)を、ヒンジ部341aが設けられた縁部に沿ってのみ配置してもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
なお、本実施形態は、ヒンジ形成体単体の構成について説明する。ヒンジ付積層体、ヒンジ形成体は、ヒンジ付積層体、ヒンジ付積層体配列シート、ヒンジ形成体配列シートは、前述した実施形態と同様に構成できる。
図10は、第4実施形態のヒンジ形成体420-1~420-4の断面図である。
図10(A)に示すように、第4実施形態のヒンジ形成体420-1~420-4は、積層構成を前述した実施形態から変更した。
(ヒンジ形成体420-1)
図10(A)に示すように、ヒンジ形成体420-1のアンテナ35は、ヒンジ層441に埋設されている。
ヒンジ層441は、アンテナ35を埋設するアンテナ埋設溝448を備える。
アンテナ埋設溝448は、ヒンジ層441の下面に設けられている。ヒンジ層441の直下には、中間層42が設けられている。
このため、ヒンジ層441は、アンテナ35をアンテナ埋設溝448に収容し、また、中間層42は、アンテナ埋設溝448の開口を覆う。これにより、ヒンジ層441、中間層42は、アンテナ35を保持する。
ヒンジ層441のアンテナ埋設溝448は、第1実施形態で中間層にアンテナ収容溝を形成した方法と同様に形成できる(図6参照)。つまり、アンテナ35をヒンジ層シート材の下面に配置した状態で、熱プレスすればよい。
ヒンジ形成体420-1のヒンジ層441は、第1実施形態と同様に、アンテナ35等の電気部品を保持するための層を形成するので、ヒンジ形成体220の厚さを薄くすることができる。
(ヒンジ形成体420-2)
図10(B)に示すように、ヒンジ形成体420-2は、下保護層46、中間層42、中間層449、ヒンジ層441が下側Z1から上側Z2に、この順番で積層されている。
このため、ヒンジ形成体420-2の最上層には、上保護層の代わりに、ヒンジ層441が積層されている。
中間層449は、中間層42と同様な樹脂シート材により形成することができる。中間層449は、第1実施形態のヒンジ層と同様に、中間層42のアンテナ埋設溝48を覆うことによりアンテナ35を保持する。また、中間層449、中間層42は、ICモジュール30を収容するICモジュール収容穴447を形成する。
ヒンジ層441は、中間層449の直上に積層されているので、ICモジュール収容穴447の開口を覆う。これにより、ヒンジ層441、中間層42、中間層449は、ICモジュール30を保持することができる。
ヒンジ形成体420-2のヒンジ層441は、ICモジュール30を保持するための層を形成するので、ヒンジ形成体420-2は、上保護層が不要である。これにより、ヒンジ形成体420-2の厚さを薄くすることができる。
(ヒンジ形成体420-3)
図10(C)に示すように、ヒンジ形成体420-3は、ヒンジ層441、中間層42、中間層449、上保護層45が、下側Z1から上側Z2に、この順番で積層されている。
このため、ヒンジ形成体420-3の最下層には、下保護層の代わりに、ヒンジ層441が積層されている。つまり、ヒンジ形成体420-2のヒンジ層がヒンジ形成体の最上層に積層されていたのに対して、ヒンジ形成体420-3のヒンジ層441は、ヒンジ形成体420-3の最下層に積層されている。
中間層449、中間層42は、ヒンジ形成体420-2と同様に、ICモジュール30を収容するICモジュール収容穴447を形成する。
ヒンジ層441は、中間層42の直下に積層されているので、ICモジュール収容穴447の下側Z1の開口を覆う。これにより、ヒンジ層441、中間層42、中間層449は、ICモジュール30を保持することができる。
ヒンジ形成体420-3は、下保護層が不要であるので、ヒンジ形成体420-3は、ヒンジ形成体420-2と同様に、厚さを薄くすることができる。
(ヒンジ形成体420-4)
図10(D)に示すように、ヒンジ形成体420-4は、下保護層46、ヒンジ層441、中間層442、上保護層45が、下側Z1から上側Z2に、この順番で積層されている。このため、ICモジュール収容穴447は、上側Z2から、中間層442、ヒンジ層441の順に貫通している。
また、アンテナ埋設溝448は、ヒンジ層441の上面に設けられている。アンテナ埋設溝448は、ヒンジ形成体420-2と同様に、アンテナ35をヒンジ層シート材の上面に配置した状態で、熱プレスすればよい。
このように、ヒンジ形成体420-4の積層構成は、仕様等に応じて変更できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、後述する変形形態等のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
(1)実施形態において、ヒンジ付積層体配列シートを切断して、ヒンジ付積層体を個片する例を示したが、これに限定されない。ヒンジ形成体配列シート単体をヒンジ形成体の外形で切断する(個片工程)ことにより、ヒンジ形成体を個片にしてもよい。
この形態では、例えば、個片にしたヒンジ形成体に他の層を積層することにより、ヒンジ付積層体を製造できる。また、個片にしたヒンジ形成体をそのまま冊子に綴じることにより、ヒンジ形成体は、冊子の管理等に利用できる。
また、このようにヒンジ形成体をヒンジ付積層体にすることなく冊子に綴じる場合には、第1実施形態の個片工程の説明と同様に、ヒンジ形成体配列シートを切断しない状態で、又はヒンジ形成体配列シートを複数(例えば2つ)のヒンジ形成体が接続されたヒンジ形成体シートに抜き加工した状態で、綴じることにより製本化し、これを個片化してもよい。
(2)実施形態において、ヒンジ形成体配列シートは、ヒンジ形成体が左右方向、縦方向の両方に配列されている例を示したが、これに限定されない。ヒンジ形成体配列シートは、ヒンジ形成体が左右方向、縦方向の一方に配列された形態でもよい。ヒンジ付積層体も同様である。
(3)実施形態のヒンジ付積層体の積層構成は、適宜変更できる。例えば、図1の構成を以下のように変更できる。
基材層51に印刷層51aを設けず、印刷層51aと同様な内容が印刷された透明層を、透明保護層55の下側(つまりレーザ発色層52及び透明保護層55の間)に、積層してもよい。この場合、レーザ発色層52及びこの印刷された透明層の間に、ホログラム層等のセキュリティフィルムを積層してもよい。
(4)実施形態において、ヒンジ層は、ヒンジ形成体に設けた例を示したが、これに限定されない。ヒンジ層は、上層又は下層に設けてもよい。
(5)実施形態において、ヒンジ部の外形は、ヒンジ形成体配列シート、ヒンジ付積層体配列シートの状態で、カードの外形と同じである例を示したが、これに限定されない。例えば、ヒンジ部の外形は、これらのシートの状態で、カードの外形よりも大きく、個片工程時に、カードの外形で切断してもよい。
1…パスポート 10,310…ヒンジ付積層体 10A,310A…ヒンジ付積層体配列シート 10X,10Y…辺 20,220,320,420-1~420-2…ヒンジ形成体 20A,220A,320A…ヒンジ形成体配列シート 30…ICモジュール 31…実装基板 32…ICチップ 35…アンテナ 41,441…ヒンジ層 41A,241A,341A…ヒンジ層シート材 41a,241a,341a…ヒンジ部 41b,41c,241b,241c,341b,341c,441b,441c…繊維 47,447…ICモジュール収容穴 48,448…アンテナ埋設溝 50…上層 60…下層 θ41b,θ41c…なす角

Claims (11)

  1. 積層された複数の樹脂シート層と、
    冊子に綴じることが可能なヒンジ部を有するヒンジ層とを備えるヒンジ形成体であって、
    このヒンジ形成体の表面を法線方向から見た形状は、長方形又は正方形であり、下保護層と、中間層と、前記ヒンジ層と、上保護層とが、下側から上側に、この順番で積層されており、
    前記中間層は、アンテナ埋設溝を有しており、
    前記ヒンジ層は、前記長方形又は前記正方形内において、同一の方向に沿って延びるように配置され互いに離間して配置された複数の繊維を有し、
    前記繊維が延びる方向と、このヒンジ形成体の縁部を形成する縁部形成辺とがなす角は、直角ではないこと、
    を特徴とするヒンジ形成体。
  2. 請求項1に記載のヒンジ形成体において、
    前記繊維は、
    第1方向に沿って配置された複数の第1繊維と、
    前記第1方向に直交する第2方向に沿って配置された複数の第2繊維とを備え、
    前記第1繊維が延びる方向と、前記縁部形成辺とがなす角は、直角ではなく、
    前記第2繊維が延びる方向と、前記縁部形成辺とがなす角は、直角ではないこと、
    を特徴とするヒンジ形成体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のヒンジ形成体において、
    ICモジュールを備え、
    前記ヒンジ層は、前記ICモジュールを収容する収容穴の少なくとも一部を形成し、
    このヒンジ形成体の表面を法線方向から見た状態で、前記繊維と、前記収容穴の内縁部を形成する内縁部形成辺とがなす角は、直角ではないこと、
    を特徴とするヒンジ形成体。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のヒンジ形成体において、
    外部機器との間で非接触で通信するループアンテナを備え、
    前記繊維と、前記ループアンテナの導線とがなす角は、直角ではないこと、
    を特徴とするヒンジ形成体。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のヒンジ形成体において、
    前記繊維と前記縁部形成辺とがなす角は、5度以上85度以下であること、
    を特徴とするヒンジ形成体。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のヒンジ形成体において、
    前記ヒンジ層は、前記ヒンジ部が突出する側面に沿った辺の縁部にのみ積層されていること、
    を特徴とするヒンジ形成体。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のヒンジ形成体と、
    前記ヒンジ形成体の上側に積層された上層と、
    前記ヒンジ形成体の下側に積層された下層とを備えること、
    を特徴とするヒンジ付積層体。
  8. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のヒンジ形成体が複数配列されたヒンジ形成体配列シート。
  9. 請求項8に記載のヒンジ形成体配列シートにおいて、
    前記ヒンジ層は、離間して複数が配列されており、前記離間して配列されている複数の前記ヒンジ層の間の少なくとも一部には、前記ヒンジ層と同じ厚さの厚さ調整層が設けられていること、
    を特徴とするヒンジ形成体配列シート。
  10. 請求項7に記載のヒンジ付積層体が複数配列されたヒンジ付積層体配列シート。
  11. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のヒンジ形成体を前記ヒンジ部で綴じた冊子。
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