JP7172588B2 - 点眼剤 - Google Patents
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Description
(ただし、前記共重合体(A)は、式中のa及びbの合計に対するbのモル比[{b/(a+b)}×100]が30~70であり、重量平均分子量は5,000~5,000,000である。また、前記共重合体(B)は、式中c及びdの合計に対するdのモル比[{d/(c+d)}×100]が30~70であり、重量平均分子量は5,000~5,000,000である。)
本発明の点眼剤は、式(a)で表される構成単位及び式(b)で表される構成単位を含む共重合体(A)を0.01~5w/v%、式(c)で表される構成単位及び式(d)で表される構成単位を含む共重合体(B)を0.01~5w/v%、及びナトリウムイオン及びカリウムイオンから選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属イオンを総量として0.00013~1.75モル/Lを含むものである。
(ただし、前記共重合体(A)は、式中のa及びbの合計に対するbのモル比[{b/(a+b)}×100]が30~70であり、重量平均分子量は5,000~5,000,000である。また、前記共重合体(B)は、式中c及びdの合計に対するdのモル比[{d/(c+d)}×100]が30~70であり、重量平均分子量は5,000~5,000,000である。)
本発明の点眼剤に用いられる共重合体(A)は、式(a)で表される構成単位及び式(b)で表される構成単位を含み、式中のa及びbの合計に対するbのモル比[{b/(a+b)}×100]が30~70であり、重量平均分子量が5,000~5,000,000である。
共重合体(A)は、例えば、特開2015-148558号公報に記載の方法を用いて製造することができる。具体的には、特定の重合開始剤の存在下、下記式(a’)で表される単量体と、下記式(b’)で表される単量体(メタクリル酸)、更に必要に応じてこれらの単量体と共重合可能な他のビニルモノマーとを重合させる方法により製造することができる。
本発明で用いられる共重合体(A)は式(a’)で表される単量体、すなわち、ホスホリルコリン構造を有する単量体(以下、「PC単量体」ともいう。)に由来する構成単位を含む。共重合体(A)がPC単量体に由来する構成単位を含むことにより、眼表面に優れた保水性を付与でき、涙液層及び涙液油層の安定化効果を発現することができる。
本発明で用いられる共重合体(A)は式(b’)で表される単量体、すなわち、メタクリル酸に由来する構成単位を含む。共重合体(A)がメタクリル酸に由来する構成単位を含むことにより、優れたハイドロゲル形成能が付与され、眼表面での優れた滞留効果を付与することができる。
共重合体(A)において式中のa及びbの合計に対するbのモル比[{b/(a+b)}×100]は30~70である。前記範囲を満たさない場合、ハイドロゲル形成能の発現が妨げられ、眼表面での滞留効果が著しく低下する恐れがある。眼表面での滞留効果を向上させる観点から、モル比[{b/(a+b)}×100]は好ましくは35~70、より好ましくは50~70である。
共重合体(A)の重量平均分子量は5,000~5,000,000であり、好ましくは、10,000以上、より好ましくは50,000以上、更に好ましくは100,000以上であり、そして、好ましくは4,500,000以下、より好ましくは3,000,000以下、更に好ましくは2,000,000以下である。
重量平均分子量が5,000未満であるとハイドロゲル形成能が低下し、眼表面での滞留効果が見込めない恐れがある。重量平均分子量が5,000,000を超えると、粘度が増大して取り扱いが困難となる恐れがある。
共重合体(A)の重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による値をいう。具体的には、溶離液としてクロロホルム、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、エタノール、メタノール、水及びこれらの溶媒を組み合わせた液であり、必要であれば更に硫酸ナトリウム等の塩を添加しても良い。重量平均分子量の標準物質として、ポリエチレングリコール、プルラン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル等を用いることが出来る。これら溶離液と標準物質とを用いて測定した分子量を共重合体(A)の重量平均分子量という。
本発明で用いられる共重合体(A)中の全構成単位に対する式(a)で表される構成単位、及び式(b)で表される構成単位の合計含有量は、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上、より更に好ましくは実質的に100モル%である。式(a)で表される構成単位、及び式(b)で表される構成単位の合計含有量が前記下限値以上であると、眼表面に優れた保水性を付与でき、涙液層及び涙液油層の安定化効果を発現することができる。
本発明の点眼剤に用いられる共重合体(B)は、式(c)で表される構成単位及び(d)で表される構成単位を含み、式中c及びdの合計に対するdの比率[{d/(c+d)}×100]が30~70であり、重量平均分子量は5,000~5,000,000である。
共重合体(B)は、例えば、特開2015-148558号公報に記載の方法を用いて製造することができる。具体的には、特定の重合開始剤の存在下、下記式(c’)で表される単量体(以下、「PC単量体」ともいう)と、下記式(d’)で表される単量体(N,N,N-トリメチル-N-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロピル)アンモニウムクロライド)、及び必要に応じてこれらの単量体と共重合可能な他のビニルモノマーとを重合させる方法により製造することができる。
本発明で用いられる共重合体(B)は式(c’)で表される単量体、すなわち、前記PC単量体に由来する構成単位を含む。共重合体(B)がPC単量体に由来する構成単位を含むことにより、眼表面に優れた保水性を付与でき、涙液層及び涙液油層の安定化効果を発現することができる。
本発明で用いられる共重合体(B)は式(d’)で表される単量体、すなわち、N,N,N-トリメチル-N-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロピル)アンモニウムクロライドに由来する構成単位を含む。共重合体(B)がN,N,N-トリメチル-N-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロピル)アンモニウムクロライドに由来する構成単位を含むことにより、優れたハイドロゲル形成能が付与され、眼表面での優れた滞留効果を付与することができる。
共重合体(B)において式中のc及びdの合計に対するdのモル比[{d/(c+d)}×100]は30~70である。前記範囲を満たさない場合、ハイドロゲル形成能の発現が妨げられ、眼表面での滞留効果が著しく低下する恐れがある。眼表面での滞留効果を向上させる観点から、モル比[{d/(c+d)}×100]は好ましくは30~65、より好ましくは30~50である。
共重合体(B)の重量平均分子量は5,000~5,000,000であり、好ましくは10,000以上、より好ましくは100,000以上、更に好ましくは200,000以上、そして、好ましくは2,500,000以下、より好ましくは1,000,000以下、更に好ましくは800,000以下である。
重量平均分子量が5,000未満であるとハイドロゲル形成能が低下し、眼表面での優れた滞留効果が見込めない恐れがある。重量平均分子量が5,000,000を超えると、粘度が増大して取り扱いが困難となる恐れがある。
本発明で用いられる共重合体(B)の全構成単位に対する式(c)で表される構成単位、及び式(d)で表される構成単位の合計含有量は、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上、より更に好ましくは実質的に100モル%である。式(c)で表される構成単位、及び式(d)で表される構成単位の合計含有量が前記下限値以上であると、眼表面に優れた保水性を付与でき、涙液層及び涙液油層の安定化効果を発現することができる。
共重合体(A)、及び共重合体(B)の製造において必要に応じて用いることができる共重合可能な他のビニルモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸トリデシル、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、スチレン、α―メチルスチレン、メチル核置換スチレン、クロロ核置換スチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、イソブチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、ジエチルイタコネート、ジ―n―ブチルイタコネートを挙げることができ、特にメタクリル酸エステル類を好ましく挙げることができる。
共重合体(A)、共重合体(B)の製造において用いる重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤であれば特に制限されるものではなく、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルプロピルキシジカーボネート、t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルペルオキシピバレート、t-ブチルペルオキシジイソブチレート、スクシニックアシッドパーオキサイド、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド、過硫酸塩又は過硫酸-亜硫酸水素塩が挙げられる。
重合開始剤の使用料は、全単量体100質量部に対して0.001~10.0質量部が好ましく特に0.01~5質量部が好ましい。
共重合体(A)、共重合体(B)を製造する際の重合条件は、好ましくは30~90℃、特に好ましくは40~80℃において2~72時間である。この際、重合反応をより円滑に行うために溶媒を用いてもよく、重合溶媒として、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、t-ブタノール、ベンゼン、トルエン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、クロロホルム又はこれらの混合物を挙げることができる。また、得られる各共重合体の精製は公知の方法で行うことができる。
本発明の点眼剤は、共重合体(A)の濃度が、0.01w/v%以上であり、好ましくは0.05w/v%以上、より好ましくは0.1w/v%以上であり、更に好ましくは0.5w/v%以上、より更に好ましくは1.25w/v%以上であり、そして、5w/v%以下であり、好ましくは4w/v%以下、より好ましくは2.5w/v%以下である。共重合体(A)の濃度が0.01w/v%未満であると、共重合体(A)の添加量が少ないため、ハイドロゲル形成能が著しく低下し、角膜上での滞留効果を見込めない。5w/v%を超えると、配合量に見合った涙液層及び涙液油層の安定化効果及び眼表面での滞留効果が得られないために経済的に不利である。
本発明の点眼剤は、共重合体(B)の濃度が、0.01w/v%以上であり、好ましくは0.05w/v%以上、より好ましくは0.1w/v%以上であり、更に好ましくは0.5w/v%以上、より更に好ましくは1.25w/v%以上であり、そして、5w/v%以下であり、好ましくは4w/v%以下、より好ましくは2.5w/v%以下である。共重合体(B)の濃度が0.01w/v%未満であると、共重合体(B)の添加量が少ないため、ハイドロゲル形成能が著しく低下し、眼表面での滞留効果を見込めない。5w/v%を超えると、配合量に見合った涙液層及び涙液油層の安定化効果及び眼表面での滞留効果が得られないために経済的に不利である。
本発明の点眼剤は、ナトリウムイオン及びカリウムイオンから選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属イオンを含む。これらナトリウムイオンやカリウムイオンを生じる化合物は、例えば、塩化ナトリウムや塩化カリウムが挙げられ、医薬品用や医療機器用のものであれば特に制限されない。
本発明の点眼剤は、前記アルカリ金属イオンの濃度の総量が、0.00013モル/L以上であり、好ましくは0.00065モル/L以上、より好ましくは0.0013モル/L以上であり、更に好ましくは0.01モル/L以上であり、そして、1.75モル/L以下であり、好ましくは0.85モル/L以下、より好ましくは0.18モル/L以下である。前記アルカリ金属イオンの濃度の総量が0.00013モル/L未満であると、ナトリウムイオン、カリウムイオンの総量が少ないため、ハイドロゲル形成能が著しく低下し、眼表面での滞留効果を見込めない。1.75モル/Lを超えると、涙液層及び涙液油層の安定化効果が低下する恐れがある。
本発明の点眼剤は溶媒として水を含めることができる。また、水の他、エタノール、n-プロパノール及びイソプロパノール等のアルコールを用いることができる。中でも溶媒として水を用いることが好ましく、通常、医薬品や医療機器の製造に用いられる水を用いることができる。具体的には、イオン交換水、精製水、滅菌精製水、蒸留水、及び注射用水を用いることができる。
抗炎症薬成分又は収斂薬成分としては、例えば、アラントイン、イプシロン-アミノカプロン酸、インドメタシン、塩化リゾチーム、プラノプロフェン、グリチルリチン酸二カリウムイオン化ベルベリン、硫酸ベルベリン等が挙げられる。
アミノ酸類としては、例えば、アミノエチルスルホン酸(タウリン)、グルタミン酸、クレアチニン等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、アルキルジアミノエチルグリシン等のグリシン型両性界面活性剤、アルキル4級アンモニウム塩(具体的には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等の陽イオン界面活性剤)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等の非イオン界面活性剤等が挙げられる。
等張化剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール等が挙げられる。
清涼化剤としては、例えば、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール等が挙げられる。
緩衝剤としては、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム等が挙げられ、これらの中でもホウ酸、ホウ砂が好ましい。
安定化剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、トコフェロール等が挙げられる。
2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(以下、「MPC」ともいう)30.96g(0.105モル)及びメタクリル酸9.04g(0.105モル)を純水160gに溶解させ、温度計と冷却管を付けた500mLの4つ口フラスコに入れて30分間窒素を吹き込んだ。その後、70℃でスクシニックアシッドパーオキサイド1.56g加えて7時間重合した。重合反応終了後、透析膜精製を行い、無色澄明の共重合体(A1)を得た。共重合体(A1)を構成する構成単位組成及び重量平均分子量を表1に示す。
モノマー仕込み量を変更した以外は、合成例1と同様にして重合を行い、共重合体(A2)及び(A3)を得た。共重合体(A2)及び(A3)を構成する構成単位組成及び重量平均分子量を表1に示す。
MPC22.15g(0.075モル)及びN,N,N-トリメチル-N-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロピル)アンモニウムクロライド(以下、「QA」ともいう)17.85g(0.075モル)を純水210gに溶解させ、温度計と冷却管を付けた500mLの4つ口フラスコに入れて30分間窒素を吹き込んだ。その後、70℃で2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド0.373g加えて2時間重合反応させた。重合反応後、透析膜精製を行い、無色澄明の共重合体(B1)を得た。共重合体(B1)を構成する構成単位組成及び重量平均分子量を表1に示す。
モノマー仕込み量を変更した以外は、合成例3と同様にして重合を行い、共重合体(B2)及び(B3)を得た。共重合体(B2)及び(B3)を構成する構成単位組成及び重量平均分子量を表1に示す。
モノマー仕込み量を変更した以外は、合成例1と同様にして重合を行い、共重合体(C)及び(D)を得た。共重合体(C)及び(D)を構成する構成単位組成及び重量平均分子量を表1に示す。
モノマー仕込み量を変更した以外は、合成例3と同様にして重合を行い、共重合体(E)及び(F)を得た。共重合体(E)及び(F)を構成する構成単位組成及び重量平均分子量を表1に示す。
MPC及びブチルメタクリレート共重合体であり、特開平11-035605の実施例に記載の方法によって重合を行い得た。共重合体(G)を構成する構成単位組成及び重量平均分子量を表1に示す。
各共重合体の重量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準サンプルとしてゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定した。
得られた各共重合体5mgをメタノール/クロロホルム混液(80:20)に溶かし、さらに水で希釈して共重合体濃度が0.5質量%になるようにした。この液を0.45μmメンブランフィルターでろ過し、次のとおりの条件で測定した。
カラム:PLgel-mixed-C
標準物質:ポリエチレングリコール
検出器:示差屈折計RI-8020(東ソー株式会社製)
重量平均分子量の算出法:分子量計算プログラム(SC-8020用GPCプログラム)
流量:毎分1mL
注入量:100μL
カラムオーブン:40℃付近の一定温度
[評価]
点眼剤が眼表面において顕著な滞留効果を発現するためには、瞬目時にうける応力によって瞬時に角膜表面に均一に進展すること、且つ、点眼剤自体が粘性を有することで角膜上に均一に進展した点眼剤が、そのまま留まり続けることが必要で有ると想定して、<ゲル化確認試験>及び<粘弾性測定試験>を規定した。
また、点眼剤の涙液層及び涙液油層の安定化効果に関する評価として、強制開瞼した家兎を用いた<BUT確認試験>(Break Up Time、涙液層破断時間)を行った。更に、強制開瞼した家兎を用いた<滞留性試験>を行った。
実施例1~9及び比較例1~9のゲル化を目視にて確認した。判定は以下の通りとした。
〇:沈殿物がなく、均一なゲル化形成能を発現
×:ゲル化形成能を発現しない、もしくは不均一なゲルを形成する
実施例1~9及び比較例1~9の粘弾性についてクリープメーター(株式会社山電製、RHEONER IIシリーズ RE2-33005)を用いて粘性係数及び弾性係数を測定した。それぞれ粘性係数は点眼剤自体の粘性率を、弾性係数は点眼剤自体の弾性率を示すものである。試験判定は、滞留性に優れる点眼剤に必要とされる粘性係数、弾性係数を想定して、以下の通り設定した。
〇:粘性係数500,000Pa・s以上1,000,000Pa・s未満且つ弾性係数50,000Pa以上
△:粘性係数500,000Pa・s未満且つ弾性係数50,000Pa以上、又は粘性係数500,000Pa・s以上且つ弾性係数50,000Pa未満
×:粘性係数500,000Pa・s未満且つ弾性係数50,000Pa未満
実施例1~9及び比較例1~9に蛍光色素であるフルオロセインナトリウムを最終濃度0.05w/w%となるように添加した。それぞれの液20μLを、強制開瞼し重度のドライアイとした家兎に点眼し、結膜嚢におけるフルオレセインナトリウムの蛍光色をスリットランプで確認した。点眼後から時間測定を開始し、蛍光色が消失するまでの時間を計測した。これを3回繰り返し、平均値を滞留時間とした。滞留時間測定後、スリットランプを用いて家兎眼の角膜表面におけるBUT及び滞留時間について、以下の通りの判定を行った。
◎:瞬目後から均一な涙液層が破断し、ドライスポットが出現するまで10秒以上
○:瞬目後から均一な涙液層が破断し、ドライスポットが出現するまで5秒以上10秒未満
△:瞬目後から均一な涙液層が破断し、ドライスポットが出現するまで1秒以上5秒未満
×:瞬目後から均一な涙液層が破断し、ドライスポットが出現するまで1秒未満
◎:滞留時間が60分以上
〇:滞留時間が30分以上60分未満
△:滞留時間が10分以上30分未満
×:滞留時間が10分未満
200mLビーカーに共重合体(A1)2.5g、塩化ナトリウム1.0g、ホウ酸0.4g、ホウ砂0.02g、更に各成分が表2に記載の濃度になるように水を加え加熱攪拌した。加熱攪拌中の上記ビーカーに、共重合体(B1)2.5gを滴下することで点眼剤を製造し、実施例1とした。
表2及び表3に従い、実施例1と同様の手順で点眼剤を製造し、実施例2~9及び比較例1~9とした。
塩化カリウム:日医工株式会社
ホウ酸:小堺製薬株式会社製
ホウ砂:富士フイルム和光純薬株式会社製
水:健栄製薬株式会社製
Claims (1)
- 式(a)で表される構成単位及び式(b)で表される構成単位を含む共重合体(A)を0.01~5w/v%、式(c)で表される構成単位及び式(d)で表される構成単位を含む共重合体(B)を0.01~5w/v%、及びナトリウムイオン及びカリウムイオンから選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属イオンを総量として0.01~1.75モル/Lを含む点眼剤。
(ただし、前記共重合体(A)は、式中のa及びbの合計に対するbのモル比[{b/(a+b)}×100]が30~70であり、重量平均分子量は5,000~5,000,000である。また、前記共重合体(B)は、式中c及びdの合計に対するdのモル比[{d/(c+d)}×100]が30~70であり、重量平均分子量は5,000~5,000,000である。)
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