JP7168236B2 - 日本語学習教材における促音のローマ字表記方法、及びこの表記方法を用いた日本語学習用教材並びに日本語学習用装置 - Google Patents
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Description
さらに、一般的には日本語をローマ字で表示したものも日本語であるが、本明細書では説明の都合により、原則として、漢字、ひらがな文字、カタカナ文字で記載された文字及び音声として発声されたものを「日本語」と称し、ローマ字で表記された日本語は「ローマ字表記」または「ローマ字による表記」と称して、特に指摘した場合を除き、本明細書で使用する「日本語」とは区別して用いるものとする。
日本語を外国語として学習する場合、学習者は一般的にこのような訓令式またはヘボン式ローマ字表記の学習教材を使用して日本語の発声を学んでいる。
これにより、より促音の実際の発音に近いローマ字表記となり、日本語学習者にとって、促音の発声の習得が容易となる。
前記変換部は、前記入力部から促音が入力されたときに、該促音のローマ字表記を請求項1から4のいずれか1項に記載の日本語教材における促音のローマ字表記方法によって促音をローマ字表記に変換することを特徴とする。
このような日本語教材または日本語学習装置を使用することにより、より効率的に日本語の促音の発声について学習するとことができる。
また、日本語表記についても、本願発明の日本語表記を用いて促音部分を日本語の母音で表記することができる。これにより、従来の促音の日本語の促音表記の“っ”がなくなるために、促音の発音が、”つ“に関連するとの誤解を生じることがなくなる。
促音の表記は、平安時代末期(12世紀)に表記法の概要が確立している。
「英語」では以下に示すように、子音+母音+子音で一般的には構成されている。
(例)
英:Top 1syllable
日:トップ [ト・ッ・プ] 3音
英:That 1syllable
日:ザット[ザ・ッ・ト] 3音
英:Went 1syllable
日:ウェント[ウ・エ・ン・ト] 4音
(i)T(子音)の口の形・音の位置を作る。そして”phonics”による文字と発音に基づき、音(声)を 発声する。日本語には馴染薄い“摩擦音””破裂音”等が発声される。
(ii)次に、母音“o”を発声する。
(iii)最後に、Pの子音の口の形。舌や唇の形をつくりPの子音で終わる。
ただし、最後の子音は口・舌・唇等の形はつくるがそのままストップされ音(声)の無いまま終わるケースが多い。
以上の合計で 1Syllable ≒1音(音節)の発声とされている。これは、子音+母音+子音は途切れることなく連続的に繋がり一音となるという仕組みによるものである。
しかし、この現在一般的に用いられて促音の表記は、促音の実際の発音(発声)と整合していないため、日本語を母国後としない日本語学習者にとっては促音の学習上の障害となる。
すなわち、音節の観点から説明すると、Appleは2音節発音で、実際に発音に近い音をカタカナで表記すればアップルではなくて、“アポォー”となる。
Cotton は cot・tonの2音節発音であり、カタカナ表記は“コットン”でなくより近いのは“コォツゥン”
Batterは bat・bater で2音節発音であり、“バッター”ではなくより近いのは“バラー”である。
上記した英語の発音は、日本語のカタカナ表記の発音であるアップル、コットン、バターとは全く異なっており、英語における子音が2つ重なった部分の発音は促音とは一致していないことがわかる。
日本語で促音を小さな「っ」と表記する前は、「む」と表記された歴史もあるようであるが、そもそも“促音”を小さな「っ」と表記することが、発声の観点から適切なのであろうか。
カタカナやひらがなは、発音する音をそのまま表す“表音文字”である。したがって、日本語の初学者である外国人は、“っ”と表記されていると、促音が“つまる音”であると教えられてそれを頭で理解していたとしても、潜在的に“つ”に近い音を発生するものと勘違いされやすいと思われる。したがって、少なくともローマ字の促音表記は、できるだけ実際の発音に近い音に対応する文字により表現することが、初学者にとって促音の発声を理解しやすくなるものと解される。
促音を音としてとらえるためには、わかりやすいゆっくりした「会話」を観察することが有用である。これにより、促音がどのように発声されているか、どのような“音”が一番促音に近いかをより具体的かつ正確とらえることができる。しかし、促音部分をゆっくりと発声することは日常会話では存在しない。一方、促音がゆっくりした発声が行われる例として、日常会話よりも昭和時代の歌謡曲で表現されていることが多く、歌の中からリズムを伴って探ってみると、促音がどのような音に近いがわかりやすい。
(例)「だって わかって欲しいのと」の歌詞の促音部分(2か所)を傾聴すると、
「だ・ぁ・て・わ・か・ぁ・ぁ・て・ほしいのと」 と発せられている。
すなわち、促音部分は「っ」でなく「ぁ」と発音されている。
(例)「きっと帰ってくるんだと」の促音部分(2か所)は、
「き・ぃ・と・か・え・ぇ・て・く・る・ん・だ・と」と発せられている。
すなわち、各促音の直前の音「だ」、「か」、「き」、「く」の母音である「あ」、「あ」、「い」、「え」が、後続する促音部分の“音”として繰り返されている。言い換えると、促音」は直前の音の母音をもう一度繰り返す事により基本的に成り立っているのであり、促音表記としては、直前の音の母音を繰り返して表記するのが一番近い音になると考えられる。
表記すると、以下のようになる。
(例)
あった = あぁた あァた = aata
あっち = あぁち あァち = aati
促音は一般的には1モーラと解されている。しかし、上記の例の「あぁ」、「あァ」は「促音の前の音(あ)+(ぁ)0.5モーラ」すなわち、「1モーラ+0.5モーラ」、又は「0.5モーラ + 0.5モーラ」くらいの時間スピードで発声されていると解すると促音の発音に近くなることがわかる(歌でゆっくり発声する場合は別)。
以上から、母音を中心とした日本語の発声で子音を重視する発声の外国語話者が表記したローマ字を母音中心に改めることが日本語会話学習者について正しく日本語を理解し習得することになる。
「だって」は従来「datte」と表示されていたものを、ローマ字表記を「daate」とする。日本語表記も「だぁて」とした方が、より促音に近い日本語表記になるので、促音を「っ」と表記するよりも促音の発音に対する誤解が生じにくいので、日本語学習者にとって促音の発音がわかり易いものとなり、より好ましい。
同様に、「たった」は従来「tatta 」と表示されていたものが、「taata 」とし、「たぁた」と表記する。「もっと」は 従来の表記「 motto」を、「 mooto 」及び「もぉと」と表記する。「切手」は従来表記「kitte」を、「kiite」及び「きぃて」と表記する。
したがって、促音表記においても、このような表記を併用することができる。例えば、本願発明において、促音部の前の音の母音を大文字にした上で、促音部を小文字にすることや、ヘボン式表記を併用することにより表記することが、より促音の発音をわかり易くすることができる。
図1は、「切手」、「あっさり」、「学校」、「雑誌」、「石鹸」を用いて、従来の促音表記と、本発明の一実施形態に係る促音表記を例示したものである。それぞれの用語について、従来のひらがなの促音表記とローマ字の促音表記、及び本発明のローマ字による促音表記とひらがなの促音表記を例示している。本発明の促音のローマ字表記とひらがな表記においては、促音「「っ」直前の文字の母音が、続けて表示された「二重母音文字表記」となっている。
「学校」は「GAAKO」、ひらがなでは「がぁこう」と表記する。
「雑誌」は、「ZAASI」、「ざぁし」であり、ヘボン式ではローマ字表記が「ZAASH」となる。「石鹸」は「SEEKEN」、「せぇけん」と表記する。
なお、図に示していないが、「SEEKENN」と「ん」を「NN」と表記してもよい。また、日本語表記では、「切手」を「きぃて」と二重母音の後ろのかな文字を小さな「ぃ」とすることにより、促音であることを示すことが好ましい。なお、図1の第1の実施形態では、すべて大文字によるローマ字表記を示しているが、次に説明する第2の実施形態を除き、すべて小文字のローマ字表記としても良い。
図1との違いは、本発明による促音のローマ字表記において、促音部分の二重母音文字表記において、後ろの母音文字が小文字となっている点である。
例えば、「切手」では、「KIiTT」と表記し、「「あっさり」は、「AaSARI」、学校」は「GAaKO」と表記する。「雑誌」は、「ZAaSI],又はヘボン式では「ZAaSHI」となり、「石鹸」は「SEeKEN」と表記する。
図1及び図2との違いは、本発明のローマ字表記では、二重母音文字表記の後にクォーテーションマーク「’」が付されている点である。例えば、「切手」は「KII‘TE」、「あっさり」は「AA’SARI」と表記する。他の文字も同様である。なお、図示していないが、例えば「KIi’TE」のように、第2の実施形態の表記方法にクォーテーションマークを付しても良い。また、「kii’te」とクォーテーションマーク以外をすべて小文字で表記しても良い。さらに、二重の母音文字表記の後ろに、他の符号を付して、促音であることを強調するようにしても良い。
なお、文字読取部(30)または音声入力部30cからの入力の場合には、これらの入力を仮名文字またはローマ字に変換する変換部を、主制御部13内または個別に設けて、入力データを仮名文字またはローマ字に変換した後に、変換部11に出力する。
11 制御部
15 変換部
16 ローマ字変換部
17 促音変換部
17a 促音検知部
17b 母音等確定部
30 入力部
35 出力部
Claims (6)
- 促音及び促音以外を含む日本語を、漢字、ひらがな及び/又はカタカナで入力する入力部と、
前記入力部から入力された促音以外の日本語を訓令式ローマ字、ヘボン式ローマ字またはその他のローマ字に変換する変換部と、
前記変換部から出力された文字を出力する出力部と、を備える日本語学習装置であって、
前記変換部は、前記入力部から促音を含む日本語が入力されたときに、前記促音の直前の音の母音を表すローマ字の直後に、該母音と同じローマ字を連続させることにより、二重の母音文字として変換する日本語学習装置。 - 前記入力部は文字読取部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の日本語学習装置。
- 促音及び促音以外を含む日本語を、音声で入力する音声入力部と、
前記音声入力部から入力された促音以外の日本語を訓令式ローマ字、ヘボン式ローマ字またはその他のローマ字に変換する変換部と、
前記変換部から出力された文字を出力する出力部と、を備える日本語学習装置であって、
前記変換部は、前記音声入力部から促音を含む日本語が音声入力されたときに、前記促音の直前の音の母音を表すローマ字の直後に、該母音と同じローマ字を連続させることにより、二重の母音文字として変換する日本語学習装置。 - 前記二重の母音文字において、前の母音の文字を大文字とし、後の母音の文字を小文字とするように、前記変換部が変換を行う、請求項1~3のいずれか1項に記載の日本語学習装置。
- 前記二重の母音文字の直後に、クォーテーションマークを付すように前記変換部が変換を行う、請求項1~3のいずれか1項に記載の日本語学習装置。
- 前記出力部は、前記変換部から出力された文字を印刷する印刷出力部、画面への表示を行う表示出力部、及び/又は音声により出力する音声出力部を備えることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の日本語学習装置。
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