以下に、本開示に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて新たな実施形態を構築することは当初から想定されている。また、以下の実施例では、図面において同一構成に同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本開示の一実施形態に係るHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)1の概略構成図である。図1に示すように、HEMS1は、その中核をなす表示部付制御装置(以下、単に制御装置という)10、情報発信機器の一例としての分電盤30、無線ルータ50、サーバ73、及び複数のセンサ装置としての複数の開閉センサ(以下、単にセンサという)60を備える。
制御装置10は、各センサ60と無線信号の送受信を行う第1通信部11(図2参照)を有し、各センサ60と双方向の信号のやり取りを行う。制御装置10は、センサ情報通信装置の一例であり、本実施例ではセンサ情報管理システムに一致する。また、制御装置10は、無線ルータ50を介してインターネットクラウド上のサーバ73と信号の送受信を行う第2通信部12(図2参照)を有し、サーバ73と双方向の信号のやり取りを行う。また、制御装置10は、分電盤30と無線信号の送受信を行う第3通信部13(図2参照)を有し、分電盤30とも双方向の信号のやり取りを行う。
図示しないが、制御装置10は、例えば、水道メータやガスメータからの信号も受信する。制御装置10は、信号のやり取りで取得した各機器に関する情報を、第2通信部を介して、例えば、LANケーブル71又は無線LAN、無線ルータ50、及びインターネット72を経由してクラウド上のサーバ73に出力する。そして、情報を受けたサーバ73が、受信情報に基づく報知情報を情報端末74に出力することで、外出中の人が、住戸内の各機器の情報を知ることができるようになっている。
第1及び第3通信部11,13は、例えば、アンテナ等で構成される。また、第2通信部12は、例えば、制御装置10をLANケーブル71に接続するための端子、又は、制御装置10において無線ルータ50と無線通信するための無線通信部で構成される。第2通信部12は、制御装置10の出力部を構成すると共に、サーバ73等の外部機器からの情報を取得する取得部を構成する。また、情報端末74は、例えば、モバイルパソコン、スマートホン、又はコントロールビューワ等で構成される。
図2(a)は、HEMS1の制御装置10において本開示内容に関連する構成を示すブロック図であり、図2(b)は、分電盤30において本開示内容に関連する構成を示すブロック図である。また、図(c)は、センサ60において本開示内容に関連する構成を示すブロック図である。
図2(a)に示すように、制御装置10は、上述の第1乃至第3通信部11~13に加えて、制御部14、記憶部15、及び表示部16を備える。制御部14は、例えば、マイクロコンピュータによって好適に構成され、CPU(Central Processing Unit)を含む。また、記憶部15は、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリで構成される第1記憶部17と、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリで構成される第2記憶部18を有する。CPUは、記憶部に予め記憶されたプログラム等を読み出して実行する。また、第1記憶部17は、制御プロラムや所定の閾値等を予め記憶する。また、第2記憶部18は、読み出したプログラムや処理データを一時的に記憶する。また、表示部16は、液晶パネルや有機ELパネル等で構成される。
次に、分電盤30、制御装置10、及びセンサ60について順番に詳細な説明を行う。分電盤30は、常時給電される機器の一例である。分電盤30には、例えば、電柱のトランスから、高圧及び低圧電線からなる2本の電圧線(図示せず)が、電力メータ(図示せず)を経て電気的に接続される。分電盤30は、1つの主開閉器(漏電用ブレーカ)、複数の分岐開閉器、及び複数の分岐回路を含む。上記2本の電圧線は、主開閉器を経由して、各分岐開閉器に電気的に接続される。各分岐開閉器は、対応する1つの分岐回路に電気的に接続される。各分岐回路は、対応する分岐開閉器から1以上のコンセントに至る配線を含む。各分岐開閉器は、過電流遮断器を有し、対応する分岐回路に過電流が流れた際に分岐回路に電圧が印加されることを遮断し、分岐回路の末端までの配線を保護する。
各分岐回路には、1以上の機器が分岐回路に含まれるコンセントを介して電気的に接続される。各分岐回路には、電力測定器(図示せず)が設置される。電力測定器は、分岐回路に繋がる1以上の機器が消費した消費電力及び消費電力量を測定し、消費電力及び消費電力量の情報を含む信号が、各電力測定器から有線又は無線を介して制御装置10に出力される。1以上の機器には、例えば、1以上のエアコン76、エコキュート(給湯器)77、炊飯器、電子レンジ、蒸気調理器、照明装置、IHクッキングヒーター、及び電気自動車やプラグインハイブリッド自動車の充電器のうちの1以上の機器が含まれてもよく、それ以外の機器が含まれてもよい。
分電盤30は、太陽電池モジュール78や燃料電池に接続されてもよい。より詳しくは、太陽電池モジュール78で生成された直流電力は、パワーコンディショナーで交流電力に変換された後、分電盤30に送られてもよい。そして、分電盤30は、受けた交流電力を、住戸内の各部屋に送ったり、余った電気を電力会社の電力網へ送ってもよい。また、燃料電池で生成された電力も、太陽電池モジュール78で生成された電力と同様に分電盤30に送られてもよい。また、分電盤30は、太陽電池モジュール78や燃料電池に関する情報、例えば、生成された電力情報を制御装置10に送信してもよい。
図2(b)に示すように、分電盤30は、第1通信部31、第2通信部32、分電盤制御部33、及び分電盤記憶部34を備える。第1通信部31は、アンテナ等で構成され、各センサ60との通信を行うために設けられる。また、第2通信部32は、アンテナ等で構成され、制御装置10との双方向の通信を行うために設けられる。第1通信部31は、センサ60に信号を送信する機能を有してもよいが、センサ60からの信号を受信する機能のみを有してもよい。第1通信部31を用いた通信については、後で図6を用いて詳しく説明する。
次に、制御装置10について説明する。制御装置10は、主に、エネルギーの可視化と、各機器の自動制御の2つの役割を担う。エネルギーの可視化については、例えば、次のように実行してもよい。詳しくは、制御装置10の制御部14は、分電盤30、水道メータ、ガスメータからの信号により、電気・ガス・水道の使用量をリアルタイムに算出してもよい。また、制御部14は、電気料金を、家全体、又は分岐回路ごとに算出し、算出した電気料金を表示部16に表示させてもよい。また、制御部14は、家全体の電力収支、電気料金の目安や、太陽光発電システムおよび燃料電池の発電状況についても表示部16に表示させてもよい。なお、表示部16に追加するか又は表示部16の替わりに、他の表示部をインターホンシステムにおいて住戸内に設置される親機に設けてもよい。
また、自動制御については、例えば次のように実行してもよい。エアコン76を例に説明すると、エアコン76では、スイッチを入れてから30分後に、冷房なら28℃、暖房なら20℃の省エネ温度に自動で変更してもよい。またエアコン76の運転中に、外気温が28℃(冷房時。暖房時は20℃)になったら、表示部16や、テレビなどの他の表示装置にメッセージを表示し、エアコン76の無駄遣いを防いでもよい。
さらに、大量に電気を使用している際に、消費電力の高いIHクッキングヒーターを使った場合は、制御装置10は、住まい全体の電気使用量に応じて、IHクッキングヒーターの火力を自動で調節し、分電盤30のブレーカが落ちるのを防いでもよい。また、制御装置10による制御によって、エコキュート77を、昼間に太陽電池モジュール78で作った余剰電力や燃料電池で発電の際に生じる熱によって自動で沸き増ししてもよい。
最後に、センサ60に関連する事項の説明を行う。制御装置10は、センサ60から窓の状態を表す信号を受信する。したがって、制御装置10は、例えば、窓が開いている状態でエアコン76が稼働していることを認識でき、その場合、エアコン76が稼働しているのに窓が開いている旨のメッセージを、表示部16やテレビなどの他の表示装置に表示してもよい。
各センサ60は、電池からの電力で駆動する。複数のセンサ60は、窓の開閉を検知する1以上のセンサを含んでもよく、1以上のドアの開閉を検知するセンサを含んでもよい。以下では、センサ60が窓の開閉を検知するセンサである場合を例に説明を行う。図3は、センサ60が取り付けられた窓構造の一部の斜視図である。図3に示すように、窓構造65は、内側サッシ61、外側サッシ62、内側窓63、及び外側窓64を備える。また、センサ60は、センサ本体67と、磁石68を有する。センサ本体67は、磁力検出部67aを外側窓64の内面64aに向けた状態で、内側サッシ61の幅方向一方側の側面61aに固定される。また、磁石68は、外側窓64の内面64aに固定され、窓が閉まっている状態で磁力検出部67aに内面64aの法線方向に対向する。
センサ本体67の磁力検出部67aは、リードスイッチを含む。リードスイッチは、2つのリードを有する。窓が閉まって、外部磁場がリードに加わると、各リードの相対した自由端が、互いに吸収し合って接触し、回路が閉じて回路に電流が流れる。他方、窓が開いて、外部磁場が消去されると、リードの弾性により回路が開かれて、電流が回路を流れない。センサ60は、回路に電流が流れている否かを判定することで窓の開閉を検出し、窓の状態を表す信号を制御装置10に出力する。
図2(c)に示すように、センサ本体67は、アンテナ等で構成される第1通信部51、アンテナ等で構成される第2通信部52、センサ制御部53、及びセンサ記憶部54を備える。第1通信部51は、制御装置10から信号を受信し、制御装置10へ窓の状態を表す信号を出力するために設けられる。また、センサ記憶部54は、センサ60の信号出力を制御するソフトウエアや、第1通信部51を介して制御装置10から受けた情報を記憶する。なお、第2通信部52は、分電盤30との通信のために用いられる。第2通信部52は、受信機能を有してもよいが、送信機能のみを有してもよい。第2通信部52を用いた通信については、後で図6を用いて詳しく説明する。
図4は、制御装置10の稼働状態、制御装置10の第2記憶部(揮発性メモリ)18の記憶状態、制御装置10の第1記憶部(不揮発性メモリ)17の記憶状態、及びセンサ記憶部54の記憶状態との関係を時系列的に示すタイムチャートである。
上述のように、各センサ60は、電池の電力により駆動する。センサ60は、窓の開閉状態に変化があった場合には、その都度、窓の状態を表す信号を出力する。一方、窓の開閉状態に変化がない場合には、センサ60は、所定時間毎(例えば、8時間毎)にしか窓の状態を表す信号を出力しない。このようにして、電池の電力消費を抑制して電池寿命を長くしている。
図4に示す例では、時刻t0に窓の開閉があり、窓の状態を表す信号が、制御装置10に出力されている。この窓の状態を表す窓状態情報は、制御装置10の第2記憶部18に一時的に記憶され、その記憶情報に基づいて制御装置10からサーバ73経由で情報端末74に出力される。図4に示された時刻t0における情報の保存に示すように、本実施例では、センサ60からの通常の出力に基づく窓状態情報を第1記憶部17に記憶しない。このようして、高価なフラッシュメモリ等で構成される第1記憶部17へのデータの保存を抑制し、不揮発性メモリの損傷を抑制している。
また、図4に示す例では、時刻t1に、制御装置10がサーバ73からファームアップ情報を受信している。ファームアップ情報とは、制御装置10を駆動するためのソフトウエアのバージョンアップ情報である。ファームアップ情報は、ファームアップを開始する時刻情報と、それに要する時間情報を含む。制御装置10はファームアップされている最中(再起動中)に動作不能(不定状態)になり、各機器の自動制御等を実行できなくなる。
サーバ73がファームアップ情報を制御装置10に出力すると、そのファームアップ情報が、第2記憶部18に記憶され、更には、そのファームアップ情報が、第2記憶部18から第1記憶部17にバックアップされる。また、制御装置10は、ファームアップ情報を各センサ60に出力し、各センサ60の記憶部は、ファームアップ情報を記憶する。各センサ60は、ファームアップ情報を受けると、窓の状態を検出し、窓の状態を表す信号を、制御装置10に送り返す。制御装置10は、ファームアップが実行される前に、各センサ60から受けた窓状態情報を揮発性メモリに記憶し、更には、その窓状態情報を揮発性メモリから不揮発性メモリにバックアップする。
図4に示す例では、ファームアップは、時刻t1より後に、時刻t2から時刻t3にかけて実行される。ファームアップが時刻t3に完了すると、制御装置10は、不揮発性メモリに記憶されている窓状態情報を読み出し、その窓状態情報を、サーバ73を介して情報端末74に出力する。窓状態情報が第1記憶部17から読みだされた後、その窓状態情報は、第1記憶部17から消去される。
上述のように、ファームアップを開始する時刻情報と、それに要する時間情報は、各センサ60の記憶部に記憶されている。各センサ60は、それらの情報に基づいて、ファームアップ完了後から短い時間が経過しただけの時刻t4に窓の状態を検出し、窓の状態を表す信号を、制御装置10に送信する。また、制御装置10は、その信号に含まれる窓状態情報を、サーバ73を介して情報端末74に出力する。各センサ60は、その後は、通常通り、開閉状態に変化があった場合には、その都度、窓の状態を表す信号を出力し、開閉状態に変化がない場合には、所定時間毎(例えば、8時間毎)に窓の状態を表す信号を出力する。本実施例では、ファームアップが実行された際には、センサが、ファームアップ完了後から短い時間が経過しただけの時刻t4に窓状態情報を含む信号を出力する。よって、ユーザが、ファームアップ完了後からあまり時間が経過していない時刻t4のセンサ情報を知ることができて好ましい。
なお、図4に示す例とは異なり、ファームアップ情報と窓状態情報の少なくとも一方は、第2記憶部(揮発性メモリ)に記憶されず、第1記憶部(不揮発性メモリ)のみに記憶されてもよい。また、ファームアップの最中には、サーバ73が、情報端末74に時刻t1における窓状態情報を出力してもよく、情報端末74が、時刻t1における窓状態情報を報知してもよい。又は、ファームアップの最中には、情報端末74は、サーバ73からの情報に基づいて制御装置10が再起動中である旨の報知を行ってもよい。
次に、制御装置10の典型的な制御について説明する。図5は、制御装置10が窓の開閉状態に関する情報を情報端末74に報知させる制御を行う際の処理手続の一例を示すフローチャートである。
センサ60を窓に適切にセットして、センサ60と制御装置10との双方向の信号のやり取りが可能になると制御がスタートする。制御がスタートすると、ステップS1で、制御装置10が、サーバ73からファームアップ情報を受けたか否かを判定する。ステップS1で否定判定されると、ステップS2に移行して、制御装置10がセンサ60から情報を受けたか否かを判定する。ステップS2で否定判定されると、ステップS1以下が繰り返され、ステップS2で肯定判定されると、ステップS10に移行する。ステップS10では、センサ60が発信した発信情報に基づくセンサ情報を第2記憶部18に一時的に記憶し、制御装置10が、その記憶情報に基づいてセンサ情報に基づく情報をサーバ73経由で情報端末74に出力する。その後、制御がリターンとなって、ステップS1以下が繰り返される。
他方、ステップS1で肯定判定されると、ステップS3に移行し、制御装置10が、センサ60に窓の状態に関する情報の提供を要求すると共に、ファームアップの実行予定時間を通知する。その後のステップS4では、制御装置10が、センサ60からの情報を受信する待機状態となり、続く、ステップS5では、制御装置10が、センサから情報を受信したか否かを判定する。ステップS5で否定判定されると、ステップS4が繰り返され、ステップS5で肯定判定されると、ステップS6に移行する。
ステップS6では、センサ情報の第2記憶部18への記憶と、第2記憶部18に記憶された情報の第1記憶部17へのバックアップが実行される。ステップS6の後のステップS7では、制御装置10が、ファームアップ処理が完了したか否かを判定する。ステップS7で否定判定されると、ステップS7が再度実行される。他方、ステップS7で肯定判定されてファームアップ処理が完了すると、ステップS8に移行して、制御装置10が、第1記憶部17に保存されているセンサ情報を読み出して、読み出したセンサ情報をサーバ73に出力する。また、サーバ73は、送信されたセンサ情報を情報端末74に送信し、ユーザがセンサ情報を認識できるようになる。
ステップS8の後のステップS9では、制御装置10が、センサ60からの信号を受信したか否かを判定する。ステップS3で、ファームアップの実行予定時間がセンサ60に通知されているので、センサ60は、ファームアップ完了後から長時間経過しないうちに窓の最新の開閉状態を制御装置10に送信できる。ステップS9で否定判定されるとステップS9を再度繰り返し、ステップS9で肯定判定されると、上述のステップS10を実行する。
図5では、制御装置10が、ファームアップの実行時間を事前に認識している場合の再起動処理について説明した。しかし、制御装置10のコンセントが誤って抜かれる等した場合、事前通知がない再起動処理が実行されることになる。次に、制御装置10がそのような再起動処理を行った場合に有効に対処できるセンサ60の制御について説明する。図6は、センサ60のセンサ制御部53が窓の開閉状態に関する情報を出力する制御を行う際の処理手続の一例を示すフローチャートである。
図6を参照して、センサ60を窓に適切にセットして、センサ60と制御装置10との双方向の信号のやり取りが可能になると制御がスタートする。制御がスタートすると、ステップS11で、センサ制御部53が、内蔵のタイマを用いて計時を開始し、ステップS12に移行する。ステップS12では、センサ制御部53が、制御装置10からファームアップ予定時間の情報を受けたか否かを判定する。
ステップS12で肯定判定されると、ステップS13に移行する。ステップS13では、計時の終了と第1通信部51(図2(c)参照)を用いた開閉状態の発信を実行する。また、その後に、センサ制御部53が、ファームアップ予定時間の情報に基づいて算出した算出時刻に窓の状態(以下、開閉状態という)を表す信号を制御装置10に向けて第1通信部51に送信させる。算出時刻は、ファームアップ完了時間から所定時間(例えば、5分)経過後の時刻である。
ステップS13が完了すると制御がリターンとなってステップS11以下が繰り返される。他方、ステップS12で否定判定されると、ステップS14に移行して、センサ制御部53が、センサ60が開閉状態の変動を検知したか否かを判定する。
ステップS14で肯定判定されると、ステップS15に移行して、センサ制御部53が、計時を終了させると共に、開閉状態を制御装置10に向けて第1通信部51に送信させる。ステップS15の後のステップS16では、センサ制御部53が、制御装置10から開閉状態の情報を受信した旨の送信完了信号を受けたか否かを判定する。ステップS16で肯定判定されると、制御がリターンとなって、ステップS11以下が繰り返される。
他方、ステップS16で否定判定されると、ステップS17に移行して、センサ60が、開閉状態を表す信号を、分電盤30等の常時給電の機器を含む複数の機器にマルチキャストする。このマルチキャストは、第2通信部52(図2(c)参照)を用いて実行され、分電盤30は、マルチキャストで送信された開閉状態を表す信号を第1通信部31(図2(b)参照)を介して受信する。その後、ステップS18で、所定時間(例えば、10分から1時間)の待機動作を実行した後、制御がリターンとなって、ステップS11以下が繰り返される。
また、ステップS14で否定判定されると、ステップS19に移行し、計時が開始してから所定時間(例えば、8時間)経過したか否かが判定される。ステップS19で否定判定されると、ステップS12以下が繰り返され、ステップS19で肯定判定されると、ステップS15以下が繰り返される。
制御装置10のコンセントが誤って抜かれる等した場合の再起動処理において、センサ60が、その発信信号が制御装置10に届かないことが原因で、頻繁に信号を発信することになると、電池の電力の消耗が激しくなって、電池寿命が短くなる。これに対し、図6に示す例では、センサ60が検知した開閉状態を、常時給電の分電盤30の分電盤記憶部34(図2(b)参照)に記憶できる。よって、制御装置10が再起動した後に、分電盤30が、自らの情報と、分電盤記憶部34に記憶されている開閉状態の情報を、第2通信部32を用いて制御装置10に出力できる。その結果、センサ60は、1回のマルチキャストの送信を行うだけよく、センサ60を駆動する電池の劣化を抑制できる。
以上の説明より明らかなように、制御装置(センサ情報通信装置、センサ情報管理システム)10は、センサ60と通信する第1通信部11と、センサ60が発信した発信情報に基づくセンサ情報を記憶する不揮発性の第1記憶部17を備える。なお、上記センサ情報は、受信情報と一致してもよく、受信情報を加工して作成された情報でもよい。また、制御装置10は、再起動処理後に、第1記憶部17に記憶されたセンサ情報の読み出しに関係する制御を行う制御部14を備える。
したがって、再起動処理後に、センサ60と制御装置10の状態合わせを行う必要がなく、第1記憶部17に記憶されたセンサ情報を読み出すことができる。よって、センサ情報を迅速に獲得できて、再起動時におけるセンサ情報の不定状態の期間を短縮できるので、利便性を向上でき、ユーザに不安感を与えることも抑制できる。
また、制御装置10は、情報を出力する第2通信部(出力部)12を備えてもよく、制御部14が、再起動処理後に、センサ情報、及びセンサ情報に基づく情報のうちの少なくとも一方を第2通信部12に出力させてもよい。
上記構成によれば、センサ情報、及びセンサ情報に基づく情報のうちの少なくとも一方を、外部に発信でき、広範囲な領域で取得できるようになる。よって、例えば、外出中のユーザが、それらの情報のうちの少なくとも一方をより迅速に取得可能になる。
また、制御装置10は、情報を取得する第2通信部(取得部)12を備えてもよい。また、図4を用いて説明したように、センサ60との通信が可能な状態であって、第2通信部12が、再起動を実行する再起動情報を含む情報を取得していない場合に、第1記憶部17が、センサ情報を記憶しなくてもよい。また、センサ60との通信が可能な状態であって、第2通信部12が、再起動情報を含む情報を取得した場合に、第1記憶部17が、再起動が実行される前にセンサ情報を記憶してもよい。
センサが、多数存在する場合、多数の信号が、制御装置10に出力される。したがって、全ての出力を、高価なフラッシュメモリ等で構成される第1記憶部17に記憶すると、高価な第1記憶部17が傷みやすい。これに対し、上記構成によれば、制御装置10が再起動情報を含む情報を取得しない限り、センサ情報が第1記憶部17に記憶されることがない。よって、第1記憶部17の傷みを抑制しながら、再起動後のセンサ情報の迅速な取得を実現できる。
また、制御装置10は、センサ60から受信した情報を記憶する揮発性の第2記憶部を備えてもよい。また、第1記憶部17及び第2記憶部18の少なくとも一方は、センサ情報、及びセンサ情報に基づく情報のうちの少なくとも一方を記憶してもよい。
上記構成によれば、不揮発性の第1記憶部17に加えて揮発性の第2記憶部18を備えるので、記憶情報を、その記憶情報の属性に基づいて相応しい記憶部に保存できる。
また、制御装置10は、情報を取得する取得部を備えてもよい。そして、第2通信部(取得部)12が、再起動を実行する再起動情報を含む情報を取得していない場合に、第1記憶部17が、第2記憶部18に記憶されているセンサ情報を記憶しなくてもよい。また、第2通信部12が、再起動情報を含む情報を取得した場合に、第1記憶部17が、再起動が実行される前に、第2記憶部18に記憶されているセンサ情報を記憶してもよい。
上記構成によれば、制御装置10が再起動して不定状態になる際に、センサ情報が、電源が落ちても記憶状態が消失しない不揮発性の第1記憶部17に記憶される。したがって、制御装置10の再起動直前のセンサ情報を再起動中も保持でき、その保持されたセンサ情報を再起動後にサーバ73側に送信できる。
また、制御装置10が再起動して不定状態になることを事前に認識した場合のみ、センサ情報が第1記憶部17に記憶される。よって、高価な第1記憶部17へのデータの保存を抑制でき、第1記憶部17の損傷を抑制できる。
また、制御装置10が、ソフトウエアの更新に関する情報を取得する第2通信部(取得部)12を備えてもよい。また、第2通信部12がソフトウエアの更新に関する更新情報を取得したとき、第1通信部11が、更新情報に基づく情報、及びセンサ60による情報発信を要求する情報の少なくとも一方をセンサ60に送信してもよい。
上記構成によれば、センサ60が、制御装置10から更新情報に基づく情報、及びセンサ60による情報発信を要求する情報の少なくとも一方を受ける。したがって、センサ60が、更新情報に基づく情報を受けた場合、開閉状態の情報を、その情報に基づいて制御装置10にソフトウエアの更新前に発信できる。又は、センサ60による情報発信を要求する情報を受けた場合にも、開閉状態の情報を制御装置10に発信できる。よって、いずれの信号を受けた場合にも、制御装置10は、ソフトウエアの更新前直前のセンサ情報を取得でき、そのセンサ情報を第1記憶部17に記憶できる。
また、更新情報に基づく情報は、センサ60による情報発信の禁止期間と、ソフトウエアの更新タイミングの少なくとも一方に関する情報を含んでもよい。
上記構成によれば、センサ60が、ソフトウエアの更新の完了後に直ぐに開閉状態の情報を制御装置10に発信できる。よって、例えば、ソフトウエアの更新時に開閉状態が変化した場合でも、間違った開閉情報が制御装置10に長期にわたって持続して保存されることがなく、間違った開閉情報をソフトウエアの更新後に直ぐに最新の開閉状態に更新できる。
また、制御装置10は、センサ60との通信を行う第1通信部11と、自装置のソフトウエアの更新に関する情報を受信する第2通信部12を備えてもよい。また、第1通信部11は、第2通信部12がソフトウエアの更新に関する情報を取得したとき、ソフトウエアの更新に関する情報をセンサ60に送信してもよい。
上記構成によれば、制御装置10のソフトウエア更新時を回避した制御装置10とセンサ60の通信が可能になり、効率的な通信を実現できる。
また、分電盤(情報発信機器)30は、センサ60との通信を行う第1通信部31と、センサ60との通信が可能な制御装置10と通信する第2通信部32を備えてもよい。そして、制御装置10の通信が不能になった後に通信が再開した場合において、第2通信部32がセンサ60から受信した受信情報に基づくセンサ検知情報を制御装置10に送信してもよい。
センサが制御装置としか通信できない仕様では、制御装置の通信が不能になった場合、センサが開閉状態の情報を頻繁に制御装置に発信する状況が起こり得る。そして、このような状況が起こると、センサに電力を供給する電池が、電力を早期に消耗して好ましくない。これに対し、本構成によれば、制御装置10の通信が不能になった場合、常時給電の分電盤30がセンサ60から開閉状態の情報を受信でき、その情報を分電盤30の分電盤記憶部34(図2(b)参照)に保存できる。よって、センサ60が開閉状態の情報を頻繁に制御装置10に発信する動作を回避でき、センサ60に電力を供給する電池の電力消耗を抑制できる。
なお、本開示は、上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲において種々の改良や変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、制御装置10が出力部を有し、制御装置10が第1記憶部17に記憶したセンサ情報に基づく情報を第2通信部(出力部)12を用いて外部機器に出力する場合について説明した。しかし、センサ情報通信装置は、出力部を有さなくてもよく、センサ装置から受信した受信情報に基づくセンサ情報を自身の表示部のみに表示する構成でもよい。
また、制御装置10が、センサ60との通信が可能な状態であって、制御装置10の第2通信部(取得部)12が、再起動を実行する再起動情報を含む情報を取得していない場合に、不揮発性の第1記憶部17が、センサ情報を記憶しない場合について説明した。しかし、センサ情報通信装置が、センサ装置との通信が可能な状態であって、制御装置の取得部が、再起動を実行する再起動情報を含む情報を取得していない場合に、不揮発性の第1記憶部が、センサ情報を記憶してもよい。
また、第2通信部(取得部)12が、再起動を実行する再起動情報を含む情報を取得していない場合に、第1記憶部17が、第2記憶部18に記憶されているセンサ情報を記憶しない場合について説明した。また、それに加えて、第2通信部12が、再起動情報を含む情報を取得した場合に、第1記憶部17が、再起動が実行される前に、第2記憶部18に記憶されているセンサ情報を記憶する場合について説明した。しかし、第1記憶部は、第2記憶部を介さずにセンサ情報を記憶してもよく、例えば、第2記憶部は、存在しなくてもよい。
また、制御装置10が、ソフトウエアの更新に関する情報を取得する第2通信部(取得部)12を備える場合について説明した。また、それに加えて、第2通信部12がソフトウエアの更新に関する更新情報を取得したとき、第1通信部11が、更新情報に基づく情報、及びセンサ60による情報発信を要求する情報の少なくとも一方をセンサ60に送信する場合について説明した。しかし、センサ情報通信装置は、センサ装置からの情報を受信できる一方、センサ装置に情報を送信できなくてもよい。詳しくは、センサ情報通信装置は、ソフトウエアの更新に関する情報を取得すると、ソフトウエアの更新に関する情報を取得する前に取得した開閉状態の情報を第1記憶部に記憶する構成でもよい。
また、センサ情報通信装置が、HEMS1に含まれる制御装置10である場合について説明した。しかし、センサ情報通信装置は、インターホンシステムに含まれると共に住戸に設置される親機や副親機であってもよい。
また、センサ60が、開閉状態の情報を、複数の機器にマルチキャストする場合について説明した。しかし、センサ60は、開閉状態の情報をセンサ情報通信装置のみに送信する構成でもよい。
また、制御装置10が、ファームアップ情報を受けることで再起動を事前に認識する場合について説明した。しかし、上述の動作を、センサ情報通信装置が何らかの異常を検知して安全のために再起動を遂行する場合に実行してもよい。
また、情報発信機器が、分電盤30である場合について説明した。しかし、情報発信装置は、分電盤30以外の如何なる常時給電される機器であってもよく、常時給電されない機器であってもよい。
また、センサ情報通信装置である制御装置10が、センサ情報送信システムに一致する場合について説明した。より詳しくは、制御装置10が、センサ60と通信する第1通信部11と、センサ60が発信した発信情報に基づくセンサ情報を記憶する不揮発性の第1記憶部17を備える場合について説明した。また、制御装置10が、再起動処理後に、第1記憶部17に記憶されたセンサ情報の読み出しに関係する制御を行う制御部14と、情報を出力する第2通信部(出力部)12と、情報を取得する第2通信部(取得部)12を備える場合について説明した。しかし、センサ情報通信装置は、センサ情報送信システムに一致しなくてもよい。例えば、センサ装置と通信する通信部、センサ情報を記憶する不揮発性の第1記憶部、第1記憶部に記憶されたセンサ情報の読み出しに関係する制御を行う制御部、情報を出力する出力部、及び情報を取得する取得部は、複数の装置に分散して配置されてもよい。そして、センサ情報送信システムが、上記複数の装置を含む構成でもよい。
更には、次の条件を満たすセンサ情報管理方法及びセンサ情報管理プログラムを用いてもよい。詳しくは、そのセンサ情報管理方法は、センサ装置が発信した発信情報に基づくセンサ情報を不揮発性の第1記憶部に記憶させるステップと、再起動処理後に、第1記憶部に記憶されたセンサ情報の読み出しに関係する動作を実行するステップを含む。また、そのセンサ情報管理プログラムは、センサ装置が発信した発信情報に基づくセンサ情報を不揮発性の第1記憶部に記憶させる処理と、再起動処理後に、第1記憶部に記憶されたセンサ情報の読み出しに関係する動作を実行する処理と、をコンピュータに実行させる。なお、再起動処理が実行される装置は、第1記憶部を含む装置であってもよく、センサ情報管理システムに含まれるそれ以外の装置であってもよい。
これらのセンサ情報管理方法やセンサ情報管理プログラムを用いれば、再起動時におけるセンサ情報の不定状態の期間を短縮でき、利便性を向上できる。
また、次の条件を満たすセンサ情報通信方法及びセンサ情報通信プログラムを用いてもよい。詳しくは、そのセンサ情報通信方法は、ソフトウエアの更新に関する情報を通信により取得したとき、ソフトウエアの更新に関する情報をセンサ装置に送信するステップを含む。また、そのセンサ情報通信プログラムは、ソフトウエアの更新に関する情報を通信により取得したとき、ソフトウエアの更新に関する情報をセンサ装置に送信する処理を、コンピュータに実行させる。
これらのセンサ情報通信方法やセンサ情報通信プログラムを用いれば、ソフトウエアの更新時を回避したセンサ装置との通信を実行でき、センサ装置との効率的な通信を実現できる。
また、次の条件を満たす情報発信方法及び情報発信プログラムを用いてもよい。詳しくは、その情報発信方法は、情報発信機器がセンサ装置から情報を受信するステップと、センサ情報通信装置の通信が不能になった後に通信が再開した場合において、情報発信機器がセンサ装置から受信した受信情報に基づくセンサ検知情報をセンサ情報通信装置に送信するステップを含んでもよい。また、その情報発信プログラムは、センサ装置から情報を受信する処理と、センサ情報通信装置の通信が不能になった後に通信が再開した場合において、センサ装置から受信した受信情報に基づくセンサ検知情報をセンサ情報通信装置に送信する処置を、コンピュータに実行させる。
これらの情報発信方法及び情報発信プログラムを用いれば、センサ装置が検知した検知情報に基づく検知情報を、例えば常時給電される情報発信機器を経由して迂回させてセンサ情報通信装置に送信できる。したがって、検知情報を一旦、情報発信機器の記憶部に保存できるため、検知情報の送信先であるセンサ情報通信装置が不定状態になったとしても、センサ装置が頻繁に検知情報を発信しなくてもよくなる。よって、センサ装置を駆動する電池の消耗を抑制でき、電池寿命を長くできる。