JP7165359B2 - ヘルメット用音響装置 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 令和2年6月18日付けで提出された新規性の喪失の例外証明書提出書で提出された全件。
本発明はヘルメット用音響装置に関する。より詳細にはアダプターを介してヘルメットに取り付けられて使用されるヘルメット用音響装置に関する。
近年、ヘルメットをしたままで、音響を聞けるようにした装置が求められている。この場合、安全性等の観点から、ヘッドホン等で両耳を塞がず、外部からの音も聞けるようにする必要性が求められる。
この必要性を満たすものとして、例えば、携帯電話等の携帯端末からの無線通信によりエキサイターに駆動信号が入力され、エキサイターが入力された駆動信号に応じて動作され、音響振動の出力が行われ、出力された音響振動はエキサイターからヘルメットに伝達され、ヘルメット内部で音響が使用者に伝達されるという構成が提案されている。
従来のこれらの構成を有するヘルメット用音響装置として、非特許文献1にて開示されたものがある。この音響装置はヘルメットの曲線に対して筐体自体が湾曲可能に構成されているので、ユーザーのヘルメットの背面に、音響装置の取り付け面である裏面全面を取り付け用テープで取り付けて密着固定する構造になっている。そして、スマホ等の携帯端末とBluetooth(登録商標)接続することにより、ヘルメットをした状態で、音響装置から伝達された音響を楽しむことができるように構成されている。
また、これらのヘルメット用音響装置として、特許文献1にて開示されたものがある。このヘルメット用音響装置は、ヘルメットの背面に着脱自在に構成され、一つの箱型の筐体と、箱型の筐体の左右端部それぞれに、大略有天筒状のハウジングを箱型の筐体に対して揺動自在に備えている。それぞれのハウジング内部には駆動装置(エキサイター)を有し、駆動装置の振動部が、ハウジングの開口部から出没自在に突出している。箱型の筐体の略中央部には、ヘルメット用音響装置をヘルメットに取り付けるための取り付け部を有している。
箱型の筐体の取り付け部により、ヘルメット用音響装置をヘルメットに取り付けると、ハウジングの開口部はヘルメットに固着される。ハウジングがヘルメットに固着されることにより、駆動装置はハウジング内に収納されて雨や外力から保護されるとともに、駆動装置の振動部はヘルメットに接触する。駆動装置を駆動すると、その音響振動は振動部によりヘルメットに伝達され、使用者はヘルメットから音響を聴取可能となる。ここで、この音響機器に備えられたエキサイターの数は、左右に1つずつ、合計2つである。
また、これらのヘルメット用音響装置として、特許文献2にて開示されたものがある。このヘルメット用音響装置は、加振型音響発生器(エキサイター)であって、磁気回路とボイスコイルとが収納されたケースに、ヘルメットの外周曲面に密着する形状を有する凹曲面が設けられている。凹曲面はベース板表面に設けられており、ベース板はボイスコイルの一端部に嵌め込まれ一体となっている。ケース内には永久磁石を含む磁気回路が固定され、ケース内面に固定されたダンパーによりボイスコイルは保持されている。
ここで、加振型音響発生器をヘルメットに固定するときに、凹曲面を両面接着テープ等でヘルメットに密着固定すれば、十分な固定強度が得られ、十分な音楽特性が得られる。
また、野外使用、天候等を考慮し、より信頼性を高めるため、加振型音響発生器をヘルメットに固定するのにブラケットを使用することができる。加振型音響発生器はこのブラケットに取り付けられていて、ブラケットはヘルメットに強固に取り付けられる構成を有している。
HeadwaveTAGManual.pdf、[令和2年5月10日検索]、インターネット〈URL:https://www.headwave.de/download/HeadwaveTAGManual.pdf〉
特開2005-248392号公報 特開2008-236637号公報
しかしながら、非特許文献1に記載の技術では、音響装置の裏面全面を取り付け用テープで取り付けてヘルメットに密着固定する必要があった。そして、ヘルメットとの間に、浮きや隙間があったりして密着固定が不十分であると、音響振動の伝達が阻害され、ヘルメット内の音響において、音が割れたり、音量が下がったり、特定の周波数が伝わらなくなったりするという不都合があった。また、音響装置はヘルメットから簡単には取り外せないため、充電するときには、ヘルメットに取り付けてある状態で音響装置を充電する必要があるという不都合があった。
また、特許文献1に記載の技術では、音響装置は箱型の筐体と筐体に対して揺動自在に構成された左右のハウジングという3つの部分から構成されており、筐体構造が複雑な構成であるという不都合があった。また、このような筐体構造のため、音響装置のヘルメット表面からの出っ張り高さが高いという不都合があった。そして、ハウジングの開口部をヘルメットに固着する必要があり、取り付け部にはヘルメットからの高さを調整できるようする機構等が必要であるという不都合があった。
また、特許文献2に記載の技術では、加振型音響発生器をヘルメットに固定において、凹曲面をヘルメットに密着固定する場合、凹曲面はヘルメットの外周曲面に密着する形状とされている。そうすると、いろいろな大きさのヘルメットに対応が困難であるという不都合があった。
また、凹曲面をヘルメットに両面接着テープ等で密着固定して取り付けた場合は、加振型音響発生器本来の使い方であり、加振型音響発生器は中空に保持され、十分な固定強度が得られ、十分な音楽特性が得られる。このとき、凹曲面の一体となっているボイスコイルは、ダンパーにより加振型音響発生器のケースと接続されており、ケースに固定された永久磁石を含む磁気回路を中空に保持している。しかしながら、ヘルメットは通常屋外で使用されるものであり、そのときに受ける振動や衝撃は、質量の大きい永久磁石にかかり、結局ダンパーの部分でその衝撃等を受けることになってしまうという不都合があった。
そして、ブラケットを用いて取り付けた場合は、加振型音響発生器をヘルメットに強固に取り付けられる。ここで、加振型音響発生器はこのブラケットに取り付けられているので、永久磁石を含む磁気回路はブラケットに固定されていることになる。そうすると、加振型音響発生器でヘルメットを振動させて音響を発生させたときに、その振動がブラケットを介して回り込んで磁気回路を振動させてしまうことになり、音響の音質に悪い影響を与えてしまうという不都合があった。
本発明の目的は、いろいろな大きさのヘルメットに対応して着脱可能に装着できて、ヘルメットをしたままで音響を楽しむことができるヘルメット用音響装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。
本発明は、ヘルメットに着脱自在に取り付けられるヘルメット用音響装置に関する。
そして、ヘルメット用音響装置は、一つの箱型の筐体と、筐体の左右の端部近傍にそれぞれ設けられた、駆動信号に応じて動作されヘルメットに音響振動を伝達するとともにヘルメットにそれぞれ対向して保持されるエキサイターとヘルメットに取り付けられた係合部を有するアダプターに装着される装着部と、を有し、それぞれの装着部に装着されたアダプターは、筐体に対して回動可能に構成されており、それぞれのアダプターの回動中心は、左右のエキサイターの中心軸の近傍にあって、ヘルメットの表面から所定の高さを有し、互いに略平行な関係にあることを特徴とする。
また、それぞれのエキサイターは筐体から突出し出没自在に構成された音響伝達部を有し、ヘルメットにヘルメット用音響装置を装着することによって、音響伝達部が筐体から突出した状態でヘルメットに当接し、それぞれのエキサイターからヘルメットに音響振動が伝達されるよう構成されていることを特徴とする。
また、それぞれのエキサイターは、筐体に対して揺動自在に構成され、ヘルメット用音響装置がヘルメットに装着された状態で、音響伝達部の頂部に設けられた当接面が当接するヘルメットの面の略法線方向に、それぞれのエキサイターの中心軸が位置するよう構成されていることを特徴とする。
また、それぞれのエキサイターの背面は、筐体内面から突起した複数の突起部により保持されているクッションが当接され、エキサイターはクッションにより揺動自在に保持されていることを特徴とする。
また、クッションが、低反発弾性フォームにより構成されていることを特徴とする。
また、それぞれの音響伝達部は筐体に設けられた穴部から突出するよう構成され、音響伝達部の突出した部分と穴部は、可撓性のカバー部によって水密に覆われ、それぞれの音響伝達部はカバー部を介してヘルメットに当接するよう構成されていることを特徴とする。
また、それぞれの音響伝達部は筐体に設けられた穴部から突出するよう構成され、音響伝達部の当接面の周辺部と穴部は、可撓性のカバー部によって水密に覆われ、それぞれの音響伝達部の当接面がヘルメットに直接当接するよう構成されていることを特徴とする。
それぞれの装着部は、回動中心を中心として回動して係合部に脱着自在に係合し略U字状のレバー部を有する回動係合部を有していることを特徴とする。
そして、それぞれの装着部は、略U字状のガイド穴部と、ガイド穴の開口部を開閉自在にロックするロック部と、ロック部のロックを解除するロック解除部を有しており、それぞれのアダプターには、係合部としてガイド穴部に対応する係合軸を有していて、それぞれの装着部に装着されたアダプターは、係合軸を回動中心として、筐体に対して回動可能に構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、上述の特徴を有することから、下記に示すことが可能となる。
ヘルメットに着脱自在に取り付けられるヘルメット用音響装置であって、ヘルメット用音響装置は、一つの箱型の筐体と、筐体の左右の端部近傍にそれぞれ設けられた、駆動信号に応じて動作されヘルメットに音響振動を伝達するとともにヘルメットにそれぞれ対向して保持されるエキサイターとヘルメットに取り付けられた係合部を有するアダプターに装着される装着部と、を有し、それぞれの装着部に装着されたアダプターは、筐体に対して回動可能に構成されており、それぞれのアダプターの回動中心は、左右のエキサイターの中心軸の近傍にあって、ヘルメットの表面から所定の高さを有し、互いに略平行な関係にあるので、ヘルメット用音響装置はいろいろな大きさのヘルメットに対応して着脱可能に装着できて、ヘルメットをしたままで音響を楽しむことができるものとなる。
また、それぞれのエキサイターは筐体から突出し出没自在に構成された音響伝達部を有し、ヘルメットにヘルメット用音響装置を装着することによって、音響伝達部が筐体から突出した状態でヘルメットに当接し、それぞれのエキサイターからヘルメットに音響振動が伝達されるよう構成されているので、いろいろな大きさのヘルメットにヘルメット用音響装置を装着するだけで、音響伝達部をヘルメットに簡単に確実に密接させて、音響振動を伝達させることができる。
また、それぞれのエキサイターは、筐体に対して揺動自在に構成され、ヘルメット用音響装置がヘルメットに装着された状態で、音響伝達部の頂部に設けられた当接面が当接するヘルメットの面の略法線方向に、それぞれのエキサイターの中心軸が位置するよう構成されているので、音響振動の伝達にロスが少なく、効率よくヘルメットに伝達させることができる。
また、それぞれのエキサイターの背面は、筐体内面から突起した複数の突起部により保持されているクッションが当接され、エキサイターはクッションにより揺動自在に保持されているので、ヘルメットに固定されている筐体を介して回り込む振動がエキサイターに到達するのを減少させることができて、良い音質の音響を楽しむことが可能となる。
また、クッションが低反発弾性フォームにより構成されており、低反発弾性フォームの粘性により、回り込んでくる振動等を吸収してエキサイターに到達するのをさらに減少させるので、より良い音質の音響を楽しむことが可能となる。
また、それぞれの音響伝達部は筐体に設けられた穴部から突出するよう構成され、音響伝達部の突出した部分と穴部は、可撓性のカバー部によって水密に覆われ、それぞれの音響伝達部はカバー部を介してヘルメットに当接するよう構成されているので、穴部からの埃や水等の侵入を防止するするとともに、エキサイターからの音響振動を可撓性のカバー部を介してヘルメットに伝達することができる。
また、それぞれの音響伝達部は筐体に設けられた穴部から突出するよう構成され、音響伝達部の当接面の周辺部と穴部は、可撓性のカバー部によって水密に覆われ、それぞれの音響伝達部の当接面がヘルメットに直接当接するよう構成されているので、穴部からの埃や水等の侵入を防止するとともに、エキサイターからの音響振動を直接的にヘルメットに伝達することができる。
また、それぞれの装着部は、回動中心を中心として回動して係合部に脱着自在に係合し略U字状のレバー部を有する回動係合部を有しているので、ヘルメットに対してヘルメット用音響装置を容易に着脱することができる。
そして、それぞれの装着部は、略U字状のガイド穴部と、ガイド穴の開口部を開閉自在にロックするロック部と、ロック部のロックを解除するロック解除部を有しており、それぞれのアダプターには、係合部としてガイド穴部に対応する係合軸を有していて、それぞれの装着部に装着されたアダプターは、係合軸を回動中心として、筐体に対して回動可能に構成されているので、ヘルメットに対してヘルメット用音響装置を容易に着脱することができる。
本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の構成を示す分解図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の使用例を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の使用例を示し、(A)はヘルメット用音響装置をヘルメットから外した状態、(B)はヘルメットに装着した状態を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の使用例を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の構成を示し、(A)はヘルメットに装着時の状態における正面側から見た斜視図、(B)は同じく背面側から見た斜視図、(C)は同じく正面図、(D)は同じく上面図、(E)は同じく右側面図、(F)は同じく背面図、(G)は同じく下面図、(H)はヘルメットから外した状態における正面側から見た斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の一部と、取り付けアダプターの構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の要部の構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の要部の構成を示し、(A)は要部と取り付けアダプターとの関係を示す部分断面図であり、(B)は要部の組み合わせを示す部分断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置とヘルメットにとの関連を示し、(A)は第1の大きさのヘルメットに装着した状態、(B)は第2の大きさのヘルメットに装着した状態を示す上面図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の要部の構成を示す分解図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の要部を示し、(A)はヘルメットに装着していない状態を示す断面図、(B)はヘルメットに装着している状態を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置とヘルメットにとの関連を示し、(A)は第1の大きさのヘルメットに装着した状態、(B)は第2の大きさのヘルメットに装着した状態を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るヘルメット用音響装置の要部の構成を示し、(A)は要部の第2の構成であり、(B)は要部の第3の構成であり、(C)は要部の第4の構成を示す模式的な斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係るヘルメット用音響装置の構成を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るヘルメット用音響装置の構成を示す斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るヘルメット用音響装置の要部と、取り付けアダプターとの関連を示す模式図である。 本発明の第4の実施形態に係るヘルメット用音響装置の要部を示す部分断面図である。 本発明の第5の実施形態に係るヘルメット用音響装置と振動板との関連を示し、(A)は振動板を折り畳んだ状態、(B)は振動板を開き、ヘルメット用音響装置を 外してある状態、(C)はヘルメット用音響装置を装着して使用している状態を示す斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
なお、以下の説明においては、使用者がヘルメット用音響装置を背面に装着したヘルメットを頭部に付けた状態での、使用者側から見た状態で、ヘルメット用音響装置の前後方向、上下方向、左右方向を示し、ヘルメットのある方向を前(前面)方向、その反対の方向を後(背面)方向と呼ぶこととする。
但し、以下に示す前後、上下、左右の方向は、説明の便宜上示すものであり、本技術はこれらの方向に限定して適用されることはない。
(第1の実施形態)
図1乃至図14を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
まず、図1及び図2を用いて、ヘルメット用音響装置1(ヘルメット用音響装置)の構成について、説明する。
図1は、ヘルメット用音響装置1と取り付けアダプター500(アダプター)とを示しており、ヘルメット用音響装置1の一方の端部には、取り付けアダプター500が装着された状態を示し、他方の端部には取り付けアダプター500を外された状態を示す斜視図である。図2は、ヘルメット用音響装置1と取り付けアダプター500との構成を示す分解図である。
図1に示すように、ヘルメット用音響装置1は湾曲し左右に細長いケース本体10(筐体)と、その両端部近傍に回動自在に取り付けられた略Uの字状をした取り付けレバー20、20(装着部)(回動係合部)を有している。ケース本体10と取り付けレバー20、20は硬質の樹脂からできている。ケース本体10の両端部近傍前面には、エキサイターカバー30(カバー部)30が前面側に突出している。
図1に示すように、取り付けアダプター500は左右の2つからなり、硬質の樹脂でできている。それぞれの取り付けアダプター500は開口穴部510を有する略平板で略リング状の形状をなし、前面側は概略ヘルメットの曲面に対応するように略球面状の一部に形成されたヘルメット取り付け面部520を備えている。また、取り付けアダプター500の上下には背面方向に突出した音響装置装着部530、530が設けられている。取り付けアダプター500は両面粘着接着テープ600を介してヘルメットHに固定される。なお、ヘルメットHにはいろいろな大きさのものがあり、ヘルメット取り付け面部520の球面とのずれが生ずることになるが、そのずれはわずかであり、また両面粘着接着テープ600の厚さ等によりそのずれは吸収されるという構成となっている。
図2に示すように、ケース本体10は前ケース40と後ケース50を有し、前ケース40と後ケース50の合わせ目には無端状のO(オー)リング等のブッシング11が配され、ケース本体10として防水性を保つように構成されている。前ケース40両端部近傍にはエキサイター用開口穴41、41(穴部)が設けられ、エキサイター用開口穴41、41はエキサイターカバー30、30により水密にカバーされており、ケース本体10として防水構造を構成する。エキサイターカバー30は中空の略円錐台形状をなし、ウレタンゴムやエラストマー等の可撓性のある材料でできている。
図2に示すように、ケース本体10の内部の両端近傍には音響駆動部60、60がヘルメットHにそれぞれ対向するように収納されている。音響駆動部60、60の前面側はエキサイターカバー30、30の内面にそれぞれ当接し、背面側は背面側クッション70、70(クッション)を介して、後ケース50内面から突出して形成された複数のリブの形状をした背面側突起51、51(複数の突起部)にそれぞれ当接している。ここでは、背面側クッション70として低反発弾性フォームを用いている。また、ケース本体10の内部中央部には、音響駆動部60を駆動したり、通信を行ったりすること等を行う回路基板81やバッテリー82、図示されないスイッチやコネクター端子等を含む回路電源部80が収納されている。
図2に示すように、取り付けレバー20は、両端にレバー保持部21、21とこれらを連結する略U字状の連結レバー部22を有している。レバー保持部21、21の内面中央には内向きに互いに対向するよう形成された突起状のレバー回動軸23、23が設けられている。
図2に示すように、後ケース50の両端近傍の上下の側面には、レバー回動軸23、23が回動自在に嵌合する円筒状のレバー軸受け52、52が、上下方向に突出するようにそれぞれ設けられている。取り付けレバー20は、レバー保持部21、21を外側に広げることにより、ケース本体10から取り外すことができるように構成されている。なおここで、レバー軸受け52、52の円筒の外側の外周面であるレバー軸受け外周面53、53は前方方向に開放されている。そして、後述するように、ヘルメット用音響装置1をヘルメットHに装着状態で、レバー軸受け外周面53、53は音響装置装着部530、530の頂部と当接する構成となっている。
次に、図3乃至図5を用いて、ヘルメット用音響装置1をどのように使用するかについて説明する。
図3は、ヘルメット用音響装置1を背面に装着したヘルメットHを頭部に付けた使用者Uが、ヘルメット用音響装置1からの音響を楽しんでいる状況を示すものである。図3に示すように、ヘルメット用音響装置1はスマートフォン等の携帯端末SとBluetooth(登録商標)等の無線接続が可能に構成されている。使用者Uは携帯端末Sを操作して、ヘルメット用音響装置1に音響信号を送ったり、ヘルメット用音響装置1をコントロールしたりすることができる。
図4(A)および(B)は、取り付けアダプター500、500が固定されているヘルメットHに、ヘルメット用音響装置1をどのように取り付けるかを示す図である。図4(A)はヘルメット用音響装置1をヘルメットHに取り付ける前または外されたところであり、取り付けレバー20の連結レバー部22、22は背面側に跳ね上げられている。また、図4(B)は取り付けられたところであり、連結レバー部22、22はヘルメットHに沿った位置まで倒されている。
図4(B)に示すように、ヘルメット用音響装置1はヘルメットHに、左右の取り付けアダプター500、500の2か所で係合するように取り付けられている。ここで、この係合の一方が何らかの理由で外れたとしても、他方が係合されていることにより、ヘルメット用音響装置1は、すぐにはヘルメットHから外れないという効果を有している。
図5は、ヘルメット用音響装置1を使用者UがどのようにヘルメットHに装着するかを示している。頭部から外した状態のヘルメットHにヘルメット用音響装置1を装着するのは、もちろん簡単に可能であるが、図5のように、ヘルメットHを頭部につけたまま、手探りでヘルメット用音響装置1を装着することもできる。両手でヘルメット用音響装置1を持ち、取り付けアダプター500の位置に合わせ、取り付けレバー20を回動して倒せば、取り付けが簡単に完了する。取り外しも、取り付けレバー20を逆方向に回動して跳ね上げれば、取り外しが簡単に完了する。なお、装着時にどのようにヘルメット用音響装置1ガイドをされ装着されるかについては、後述する。
図6は、ヘルメット用音響装置1の外形の詳細を示したものであり、図6(A)乃至図6(G)は連結レバー部22、22をヘルメットH側に倒した状態の、それぞれ、前面からの斜面図、背面からの斜面図、正面図、上面図、右側面図、背面図、下面図を示している。また、図6(H)は連結レバー部22、22を背面側に跳ね上げた状態の、前面からの斜面図を示している。ここで、図6(E)として右側面図を示したが、左側面図も同様の形状をしている。
図6(G)に示すように、ケース本体10の下面には操作接続部90が設けられていて、図2で説明した回路電源部80の図示されないスイッチやコネクター端子等の操作や接続等ができるように構成されている。すなわち、操作接続部90にはUSB充電端子91、電源操作ボタン92、外音を拾うための外音マイク93、有線の通話用マイクを接続するためのマイク端子94等が設けられている。ここで、USB充電端子91とマイク端子94には端子カバー蓋95、95で閉じられ、水等の侵入を防いでいる。また、外音マイク93も防水構造となっている。なお、本発明のヘルメット用音響装置1は、外音マイク93で拾った外音の大きさにより、自動的に音量を変える機能を有している。
図6(C)乃至図6(G)に示すように、操作接続部90の部分を除き、本実施形態のヘルメット用音響装置1は、概略左右対称、そして概略上下対称に構成されている。そのため、必要に応じ、本体を回転させ上下を逆さにして、取り付けアダプター500、500に装着することができるように構成されている。
次に、図7乃至図10を用いて、ヘルメット用音響装置1と取り付けアダプター500との装着について説明する。
図7は、ヘルメット用音響装置1に設けられた取り付けアダプター500に取り付けられる部分と、取り付けアダプター500の詳細を示している。
図7に示すように、エキサイターカバー30の上下の方向には、円弧リブ状に前ケース40から前方に突出したガイド突起42、42が設けられている。また、ガイドリブ42、42の少し端部側の上下には、背面側に突出したレバー外れ止めリブ43、43が設けられている。また、後ケース50の端部には、端部方向に突出したレバーロック部54が設けられている。なお図7では、ケース本体10の一端部の形状のみ示しているが、他端の形状も同様である。
図7に示すように、取り付けアダプター500の上下の音響装置装着部530、530の端部には、それぞれ上下方向に突出した係合ガイド突起531.531が設けられている。また、音響装置装着部530、530の頂部は、係合ガイド突起531、531の背面と連続する平滑な曲面である頂部ガイド面532、532が形成されている。そして、後述するように、ヘルメット用音響装置1をヘルメットHに装着した状態で、頂部ガイド面532、532はレバー軸受け外周面53、53と当接する構成となっている。
図7に示すように、係合ガイド突起531.531の内周側には、ヘルメット取り付け面部520から背面方向に突出するガイド突起受け521、521が設けられている。ガイド突起受け521、521は開口穴部510の縁に沿うような形のリブ形状をしており、リブの背面方向の端部が、ガイド突起42、42の円弧と略合致するような円弧状に凹んで形成されている。
それでは、図7を用いて、ヘルメット用音響装置1をヘルメットHに装着するときに、どのようにガイドがされるのかについて説明する。
図7に示すように、ヘルメット用音響装置1を取り付けアダプター500に近寄せていくと、ガイド突起42、42が音響装置装着部530、530の内周面側でガイドされ上下方向の位置が規制される。そして更に近寄せると、ガイド突起42、42の円弧面がガイド突起受け521、521の円弧状に凹んだ部分にガイドされ、左右方向の位置も規制され、所定の位置に収まる。ここで、取り付けレバー20、20をヘルメットH側に倒して回動すれば、ヘルメット用音響装置1のヘルメットへの装着が完了することになる。
図8は取り付けレバー20の詳細を示す斜視図である。
図8に示すように、略U字状の連結レバー部22の内面中央に、内面方向に突出した略リブ状のレバーロック係止部24が形成されている。これは、レバーロック部54に係止させるためのものである。また、連結レバー部22のレバー保持部21、21との付け根部分の内面側には、リブが形成され、このリブと連結レバー部22内面との間に溝状のレバー外れ止め溝25、25が形成されている。これは、レバー外れ止めリブ43と係合させるためのものである。いずれも、詳しくは後述する。
図8に示すように、取り付けレバー20のレバー保持部21の内面側には、中央部のレバー回動軸23を囲むように、略螺旋階段状の段差を有する円筒状の壁が形成されている。階段状に段差は円周の約三分の一ずつ高くなっていて、円筒状の壁がない部分の係合ガイド取り込み部26、中間の高さの壁のある部分の係合ガイド突起係合部27を形成している。すなわち、ヘルメット用音響装置1をヘルメットHに取り付けたとき、係合ガイド突起531は係合ガイド取り込み部26からレバー保持部21内面側に取り込まれる。そして、取り付けレバー20を回動させ係止状態にされたとき、係合ガイド突起531は係合ガイド突起係合部27に係合されることになる。
それでは、図9(A)及び図9(B)を用いて、ヘルメット用音響装置1をヘルメットHに装着したときの連結レバー部22と係合ガイド突起531の係合について、詳しく説明する。ここで、図9(A)は図4(B)におけるA-A方向の部分断面であって、係合ガイド突起531が係合ガイド突起係合部27に係合されている状態を示している。また、図9(B)は図4(B)におけるB-B方向の部分断面であって、図9(B)はレバーロック係止部24が係止されている部分を示している。
図9(A)に示すように、係合ガイド突起531の断面は、2つの円弧面に挟まれた略紡錘型をしている。係合ガイド突起531のヘルメットHの方向である前面側の円弧面は、係合ガイド突起係合部27の内面に当接している。一方、係合ガイド突起531の背面の円弧面に連続する頂部ガイド面532は、前述したレバー軸受け外周面53と当接している。ここで、係合ガイド突起係合部27の内面は円周面の一部で、レバー軸受け外周面53も同心の円周面の一部であることから、取り付けアダプター500はヘルメット用音響装置1に対して、回動可能に構成されていることになる。そして、取り付けレバー20の回動中心と取り付けアダプター500の回動中心とは、同一となることが分かる。
図9(B)に示すように、レバーロック係止部24はレバーロック部54により、しっかりと係止されロックされる。同時に、図8に示すレバー外れ止め溝25、25はレバー外れ止めリブ43、43に係合する。このようにして、ロック状態では、取り付けレバー20を広げても、取り付けレバー20を外せないようになっており、不用意に取り付けレバー20を外せないように構成されている。同時に、レバーロック係止部24とレバー外れ止め溝25、25の3点で、取り付けレバー20はケース本体10にしっかりと保持されることになるので、ケース本体10に対してガタのない構成となる。すなわち、取り付けレバー20の不要な振動により、音響を楽しむのを阻害されないような構成となっている。
なお、図9(B)に示す前ケース40と後ケース50の合わせ目の黒い塗りつぶしの部分は押し潰されたブッシング11であって、ケース本体10を水密状態に保持している。
図10(A)及び図10(B)はいろいろな大きさのヘルメットにヘルメット用音響装置1を装着した状態を示している。図10(A)は所定の半径R1の略球面を有するヘルメットH1にヘルメット用音響装置1を装着した場合で、図10(B)はR1より小さい半径R2の場合を示す上面側から見た図である。
図10(A)の場合も、図10(B)の場合も、2つの取り付けアダプター500、500は、それぞれのヘルメットの曲面に合わせて回動し、ヘルメット用音響装置1に対してそれぞれ所定の角度を持つことになり、ヘルメットH1とヘルメットH2に対応が可能となる。
以上のような構成により、ヘルメット用音響装置1はいろいろな大きさの曲面を持つヘルメットに対応して装着が可能となる。
図10(A)及び図10(B)に示すように、左右の取り付けアダプター500、500は紙面に対して垂直な線をそれぞれの回動中心としている。すなわち、アダプター500、500の回動中心は、互いに平行な関係にあり、ヘルメット用音響装置1に対して回動可能に構成されていることになる。
ここで、アダプター500、500の回動中心は、厳密に平行でなくてもよい。例えば、だんだん近付いてくるような2本の線やだんだん離れてくるような2本の線による回動中心であるような、略平行な関係であってもよい。図10(A)及び図10(B)に示すような状態において、左右の取り付けアダプター500、500が回動可能な程度であれば、十分に機能するものである。すなわち、略平行な関係というのは、このような厳密には平行ではない関係も含まれるものとする。
次に、図11乃至図14を用いて、音響駆動部60とその保持構造について説明する。図11は音響駆動部60の詳細とその背面の保持構造を示す分解図である。
図11に示すように、音響駆動部60はエキサイター61(エキサイター)と音響伝達部65を有している。エキサイター61は、接触面を振動させて音を出す振動子であり、磁気回路部62と筒状のボイスコイル部63、信号入力端子部64を有している。筒状のボイスコイル部63の周囲に位置して大きな鍔状の構成を有する磁気回路部62は金属ケースの中に永久磁石等の磁気回路を備えている。ボイスコイル部63は金属ケースに固定されたベローズ等により接続され、前後に振動自在に取り付けられたボイスコイルを有している。
ここで、信号入力端子部64には回路基板81からの図示されない音響信号ケーブルが結合され、音響駆動信号が入力され、この音響駆動信号がボイスコイル部63に入力される。信号入力端子部64からの音響駆動信号がボイスコイル部63に入力されると、音響駆動信号によりボイスコイル部63に磁界が発生し駆動して振動を開始する。磁気回路部62は永久磁石を備え大きな質量を有しているので、ボイスコイル部63が振動をして、音響振動としてヘルメットHに伝達される。ところで、このヘルメットHに伝達された音響振動が、ヘルメットHに固定されているヘルメット用音響装置1を介して回り込み、磁気回路部62にその振動が伝達されたときには、音響の音質に悪い影響を与えてしまうということを、本願の発明者は確認している。
図11に示すように、音響伝達部65は中空の略円錐台形をなし先端の頂部は略平面状に構成される伝達面部66を有する伝達部67と、後端に形成された鍔状のボイスコイル接続部68を有し、硬質樹脂から形成されている。ボイスコイル接続部68を両面テープ等でボイスコイル部63に固定することで、ボイスコイル部63からの音響振動は、音響伝達部65を介して、ヘルメットHに伝達される。なお、音響伝達部65の材質は、ここでは硬質樹脂としたが、真鍮やアルミニウム等の金属製としてもよい。音響伝達部65の材質によって、音響の音質はいろいろ変わるものであるからである。
図11に示すように、音響駆動部60の背面部には背面側クッション70が両面テープ等で固定され、さらに背面側クッション70は後ケース50内面に形成された背面側突起51に両面テープ等で固定される。この構成は、音響振動によるヘルメットHの振動を、磁気回路部62に伝えにくくするためのものである。ボイスコイル部63が振動し、ヘルメットHに音響が発生するが、ヘルメットHに固定されたヘルメット用音響装置1を介して回り込んだ振動が磁気回路部62に伝わるのを防ぐことにより、音響の音質を向上させることができる。
ここで、背面側クッション70としてはスポンジ材や通常の反発力を持つフォーム材等のクッション材も使用できるが、本実施形態では前述したように、低反発弾性フォームを用いている。これは発明者が実際に聴き比べをした結果、音響の音質を更に向上させることが分かったためである。この理由としては、低反発弾性フォームは粘性を上げたフォームであり衝撃吸収性も有しており、回り込んでくる振動や衝撃を吸収して、エキサイターに到達するのをさらに減少させていることが考えられる。また、低反発弾性フォームは、保持するものの動きや形にフィットしながら、形状が変化するので、音響駆動部60を過度に抑え込むことなく保持が可能であるのも、理由の一つと考えられる。なお、低反発弾性フォームは、外力を除けば、ゆっくりと元の状態に戻る性質を有している。
図12(A)および図12(B)は、音響駆動部60の軸心を含む上下方向の面で切って側面方向から見た断面図である。図12(A)は、ヘルメット用音響装置1がヘルメットHに装着されていないときの状況であり、図12(B)は装着されたときの状況を示している。
ここで、図12(A)においては、ヘルメット用音響装置1に取り付けアダプター500は取り付けてあり、また、ヘルメットHの表面の位置を仮想線で示している。これは、エキサイターカバー30の突出の状況を、取り付けアダプター500や仮想線との比較において示すためである。
なお、図12(A)に示すように、エキサイター61の軸心を対称軸として、各部は上下方向に対称に構成されている。
図12(A)に示すように、音響駆動部60の前方側はエキサイターカバー30の内面に当接し、背面側は背面側クッション70に当接し、背面側クッション70は背面側突起51に保持されている。すなわち、音響駆動部60は、エキサイターカバー30の内面と背面側クッション70により挟まれるようにされて保持されている。なおここで、エキサイターカバー30の頂部の面は、ヘルメットH表面の位置の仮想線を越えて突出していることが分かる。
図12(B)に示すように、ヘルメットHに取り付けられると、エキサイターカバー30がヘルメットHの表面により押され、背面側クッション70が撓むことにより、音響駆動部60は少し後退し保持される。このように磁気回路部62は、ケース本体10に側面が接触することなく中空に保持されているので、ヘルメットHに固定されたヘルメット用音響装置1から回り込んだ振動が伝わりにくく、良い音質の音響を得ることが可能となる。
ところで、図12(A)に示すように、エキサイター61の軸心と取り付けレバー20の回動中心は、同一平面上に位置するよう構成されている。取り付けレバー20の回動中心は、取り付けアダプター500の回動中心と同一であるので、エキサイター61の軸心と取り付けアダプター500の回動中心も、同一平面上に位置することになる。
ここで、エキサイター61の軸心と取り付けアダプター500の回動中心の左右の位置(紙面に対して前後の位置)は、同一でなくて、左右にずれていてもよい。左右の位置がずれている場合でも、エキサイター61の中心軸の近傍であって、背面側クッション70の撓み方が追随する範囲であれば、十分に機能するからである。
また、図12(B)に示すように、ヘルメット用音響装置1がヘルメットHに装着されているときにおいて、取り付けレバー20の回動中心、すなわち、取り付けアダプター500の回動中心は、ヘルメットHの表面から所定の高さを有していることが分かる。
以上より、取り付けアダプター500の回動中心は、左右のエキサイター61の中心軸の近傍にあって、ヘルメットHの表面から所定の高さを有しているということになる。また、前述したように、アダプター500、500の回動中心は互いに略平行な関係にあるので、それぞれの取り付けアダプター500、500の回動中心は、左右のエキサイター61、61の中心軸の近傍にあって、ヘルメットHの表面から所定の高さを有し、互いに略平行な関係にあるということになる。
図13(A)及び図10(B)は、いろいろな大きさのヘルメットにヘルメット用音響装置1を取り付けた状態を示している。図10(A)は所定の半径R1の略球面を有するヘルメットH1にヘルメット用音響装置1を装着した場合で、図10(B)はR1より小さい半径R2の場合を示す上面側から見た図である。
図13(A)及び図10(B)に示すように、エキサイターカバー30を介しての音響伝達部65(音響伝達部)が、前ケース40から突出したままヘルメットHに当接するよう構成されている。そのため、いろいろな大きさのヘルメットにヘルメット用音響装置を装着するだけで、音響伝達部65をヘルメットに簡単に確実に当接させて、音響振動を伝達させることができる。
また、図13(A)に示すように、ヘルメットH1にヘルメット用音響装置1を取りつけたとき、音響駆動部60の伝達面部66はエキサイターカバー30を介してヘルメットH1に当接する。エキサイターカバー30と背面側クッション70はどちらも撓むので、ヘルメットH1の表面の当接面に対して、エキサイターカバー30の頂部の面を介しての伝達面部66(当接面)が沿うような形になるように、音響駆動部60が揺動する。すなわち、音響駆動部60の軸はヘルメットH1の当接面に略垂直な状態、すなわち当接面の略法線方向に位置するような形に、音響駆動部60は保持される。また、図13(B)に示すように、R1より小さい半径R2の場合にも、ヘルメットH2の当接面に略垂直な状態、当接面の略法線方向に、音響駆動部60の軸は位置されることになる。
すなわち、伝達面部66がヘルメットH表面に沿う形となるので、音響振動の伝達にロスが少なく、ヘルメットHに効率よく伝達できることになり、より良い音響を得ることができる。
なお、ヘルメットHの表面は球面であるし、平面の伝達面部66では厳密には隙間が生ずることになるが、ヘルメットHの当接面はわずかでありほぼ平面であるので、問題ないレベルとなる。また、エキサイターカバー30の弾性でも隙間の吸収が可能である。もちろん、伝達面部66を平面でなく、わずかな凹面としてもよいことは勿論である。
図14は音響駆動部60の背面の壁に設けられた突起の形を示す模式図であり、図14(A)乃至(C)により、さまざまな形が考えらえることを示している。すなわち、図11に示す背面側クッション70が当接する背面側突起51(複数の突起部)は、後ケース50内面から突出した左右に長い板状の複数のリブを示したが、これに限定されない。
図14(A)に示すように、リブを同心円状に形成してもよい。また、図14(B)に示すように、板状のリブの先端部を波型状やギザギザ形に形成してもよい。この場合、背面側クッション70に当接する部分がより小さくなる効果が考えられる。さらにまた、図14(C)に示すように、複数の円柱状のものとしてもよい。この場合、先端部を尖らすように構成してもよい。
なお、背面側突起51の形状は、ここに示した形状に限定されるものではない。例えば、左右に長い板状の複数のリブと上下に長い板状の複数のリブを組み合わせた格子状のリブ等でもよい。
いずれにせよ、背面側クッション70に保持する背面側突起51の当接部を小さくすることにより、ヘルメットHからの回り込んだ振動の伝達を抑えることができて、音響の音質を向上させることができる。
なお、本実施形態では、ヘルメット用音響装置1はヘルメットHの背面に装着されるものとして説明されているが、これに限定されない。例えば、ヘルメットHの頂部(頭の天辺)等に、必要に応じて装着してもよいことは、勿論である。
またなお、本実施形態では、取り付けアダプター500をヘルメットHに固定するのに、両面粘着接着テープ600を用いたが、これに限定されない。例えば、リベットやビス等を用いてもよい。すなわち、取り付けアダプター500とヘルメットHが一体となるように構成できればよいことは、勿論である。
またなお、本実施形態では、ケース本体10がヘルメットHの曲面に沿って湾曲しているが、これに限定されない。左右の音響駆動部60をヘルメットHの表面に対向するように保持されればよいのであって、ケース本体10を横長の矩形のケースを途中で浅いV字状に1か所折り曲げたような形でも良いし、2か所折り曲げたような形等でもよいことは勿論である。ただし、本実施形態で説明したように、ケース本体10がヘルメットHの曲面に沿って湾曲している形であれば、ヘルメットHから出っ張る部分が少なくなり、好ましい。
またなお、音響駆動部60はエキサイター61と音響伝達部65を有していると説明したが、これに限定されない。エキサイター61と音響伝達部65が一体に構成されていてもよい。すなわち、ボイスコイル部63が音響伝達部65と一体に形成されていて、ボイスコイル部63からの音響振動が、そのままヘルメットHに伝達されるように構成しても、よいことは勿論である。
またなお、エキサイター61を、磁気回路部62とボイスコイル部63、信号入力端子部64を有していて、接触面を振動させて音を出す振動子と説明したが、これに限定されない。信号入力端子部64はなくてもよいし、この場合、回路基板81からの図示されない音響信号ケーブルを、ボイスコイル部63に直接結合すればよい。また、磁気回路部62とボイスコイル部63を有さず、例えば圧電素子を用いて接触面を振動させて音を出す振動子でもよいことは勿論である。
またなお、図12(A)において、エキサイター61の軸心を対称軸として、各部は上下方向に対称に構成されていると説明したが、これに限定されない。エキサイター61がヘルメット表面に対して対向している位置であれば、エキサイター61の位置が、対称軸から上方または下方にずれていてもよいことは勿論である。
またなお、ヘルメット用音響装置1がヘルメットHに装着されていないときにおいて、音響駆動部60は、エキサイターカバー30の内面と背面側クッション70により挟まれるようにされて保持されていると説明したが、これに限定されない。ここで例えば音響駆動部60の前部が前ケース40の一部に当接するように構成してもよい。この場合、前ケース40の一部と背面側クッション70との間で音響駆動部60が挟まれるようにして保持されるという構成なる。ただし、本実施形態で説明したように、音響駆動部60は、エキサイターカバー30の内面と背面側クッション70により挟まれるようにされて保持されている構成の方が、簡単な構成であり、好ましい。
(第2の実施形態)
図15を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、ヘルメット用音響装置1は、左右の両端近傍にそれぞれ音響駆動部60を収納するケース本体10と取り付けレバー20を有しており、同様の機能を有する。以下、第1の実施形態と同じ部分は同一符号を付し、説明を省略し、異なっている部分のみを説明する。
図15は、ヘルメット用音響装置1と取り付けアダプター500とを示している。
図15に示すように、ケース本体10の中央部には上下方向に幅が広がっている膨出部12が形成されている。また、連結レバー部22は角のある略U字形をしている。
ここで、膨出部12は上方向、下方向の一方だけに形成されていてもよいし、右方向、左方向の一方に偏って形成されていてもよい。また、背面方向に膨出していてもよい。すなわち、ケース本体10は左右対称、または上下対称の形に構成されている必要はないが、取り付け上、左右両端近傍の取り付け部は左右対称であることが、好ましい。
図15に示すように、取り付けアダプター500は、第1の実施形態と同様に、左右2つからなり、それぞれ上下方向の部分に同様の音響装置装着部530が形成されている。それぞれのヘルメット取り付け面部520は切り欠き穴部540を有する略平板で角のある略U字形の形状をしている。ヘルメット取り付け面部520は、第1の実施形態と同様に、概略ヘルメットの球面に対応する略球面状の一部に形成されている。すなわち、取り付けアダプター500の形状は、第1または第2の実施形態のようなリング型である必要はなく、いろいろな形状にすることができる。
なお、本実施形態の説明の中で特に示さなかった構成は、第1の実施形態と同様であるので、第1の実施形態と同様の作用効果を有しているということは、言うまでもない。
(第3の実施形態)
図16及び図17を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。
図16は、第3の実施形態のヘルメット用音響装置1を示す斜視図であり、図17は、第1の実施形態とは別構造のヘルメット取り付け構造の構成を模式的に示しており、図16のC-C方向の部分断面の概略図を含む模式図である。
以下、第1の実施形態と同じ部分は同一符号を付し、説明を省略し、異なっている部分のみを説明する。
図16に示すように、本実施形態のヘルメット用音響装置1は、第1の実施形態と同様に、ヘルメット用音響装置1は左右の両端近傍にそれぞれ音響駆動部60を収納するケース本体10を有している。ケース本体10の左右の端部近傍で、それぞれの上下の側面部には、取り付けレバー20の代わりに、押しボタン式取り付け機構100(装着部)が設けられている。
図17に示すように、押しボタン式取り付け機構100は、取り付け機構ケース110とスライド板120、そして図示されないバネ等の付勢手段を有している。スライド板120は、取り付け機構ケース110に設けられた2つのガイドボス111により、取り付け機構ケース110内を左右方向に往動自在に構成されており、図示されない付勢手段により、左方向に付勢されている。スライド板120は、左端に取り付け機構ケース110側面から突出した押しボタン部121と、下側にロック爪部122を有し、ロック爪部122の前方側に第1の傾斜部123、後方側に第2の傾斜部124が設けられている。
図16に示すように、取り付け機構ケース110の前面には、略凸の字型の開口部であるガイド軸挿入穴112を有し、ガイド軸挿入穴112は幅の狭い第1の挿入穴部113とガイド軸挿入穴112に連続する幅広の第2の挿入穴部114とを有している。
図17に示すように、取り付け機構ケース110の内部には、第1の挿入穴部113に連続して、前後方向に長い、略U字形をしたガイド穴115(ガイド穴部)が設けられており、ガイド穴115の開口部は、ロック爪部122(ロック部)により塞がれている。
図16及び図17に示すように、取り付けアダプター500は、第1の実施形態と同様に、略ドーナツ形をなし、図示されない両面テープ等により、ヘルメットHに固定される。ここで、音響装置装着部530の構成は異なっており、音響装置装着部530の端部からは短い円柱状のガイド軸550がそれぞれ上下方向に向かって突出している。
図17に示すように、ヘルメット用音響装置1を取り付けアダプター500に装着すると、ガイド軸550はガイド軸挿入穴112より挿入される。ガイド穴115の開口部はロック爪部122により塞がれているが、ガイド軸550により第1の傾斜部123が押圧されて、スライド板120は付勢手段に抗しながらスライドし、右側に移動される。そして、ガイド軸550がガイド穴115底部に到達したときには、スライド板120が付勢手段により再び左に移動し、ガイド軸550がロック爪部122によりロックされた状態となる。このとき、第2の傾斜部124がガイド軸550側面に圧接されるので、ガイド軸550はガイド穴115内で、ガタなく保持されることになる。すなわち、ヘルメット用音響装置1を取り付けアダプター500、500に押し付けるだけで、簡単に取り付けをすることができる。
図17に示すように、ヘルメット用音響装置1を取り付けアダプター500から外すためには、押しボタン部121(ロック解除部)を右方向に押圧する。そうすると、スライド板120は付勢手段に抗しながら右方向にスライドし、ロック爪部122が右に移動し、ガイド穴115の開口部は開放されロックが解除する。この状態で、ヘルメット用音響装置1を持ち上げれば、アダプター500から外すことができる。
ここで、押しボタン式取り付け機構100は合計4か所に設けられているので、これらを同時にロック解除しないと外れない構成となっていて、不用意に外れないようにした構成となっている。
なお、ヘルメット用音響装置1が背面に装着されたヘルメットHを頭部に付けたままで外す場合には、左右の手を後方に回して、それぞれの2本の指で押しボタン部121を同時に押圧することにより、簡単に外すことができる。ヘルメットHを頭部から外した状態でヘルメット用音響装置1を外すのは、同様に行えばよく、もちろん簡単である。
図16に示すように、第2の挿入穴部114の幅は、ガイド軸550が設けられている音響装置装着部530の幅よりも広く設定されており、この隙間の分だけ、音響装置装着部530は回動可能となる。そうすると、取り付けアダプター500はガイド軸550を回動中心として、ヘルメット用音響装置1に対して、回動可能な状態となる。なお、第2の挿入穴部114の幅を広げることにより、回動角度を広げたりすることができるのは、勿論である。
以上のような構成により、第1の実施形態と同様、本実施形態のヘルメット用音響装置1も、いろいろな大きさのヘルメットに対応して着脱可能に装着が可能となる。
なお、図16に示すように、押しボタン式取り付け機構100はケース本体10に対して、外側から取り付け可能に構成されており、水密なケース本体10の防水性は、維持される構成となっている。
なお、本実施形態の説明の中で特に示さなかった構成は、第1の実施形態と同様であるので、第1の実施形態と同様の作用効果を有しているということは、言うまでもない。
(第4の実施形態)
図18を参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。
図18は、第4の実施形態の音響駆動部60とエキサイターカバー30を示す部分断面図であり、これ以外の部分の記載はないが、他の部分は、第1の実施形態と同様の構成を有しているものとする。
以下、第1の実施形態と同じ部分は同一符号を付し、説明を省略し、異なっている部分のみを説明する。
図18に示すように、音響駆動部60の音響伝達部65(音響伝達部)とエキサイターカバー30(カバー部)は、第1の実施形態とは異なった構成を有している。第1の実施形態では、音響伝達部65の伝達面部66は、エキサイターカバー30により水密に塞がれ、エキサイターカバー30を介してヘルメットHの表面と当接していた。この第2の実施形態では、エキサイターカバー30中央部に開口されたカバー開口部31が設けられており、伝達面部66がカバー開口部31を塞ぐような形で、直接外面に表出している。
図18に示すように、伝達面部66の表面よりも、これに連続するエキサイターカバー30の頂部の面の方が、わずかに外側に出っ張っている。これは、ヘルメットHに取り付けたときに、エキサイターカバー30がその弾性によりわずかに沈み、伝達面部66の表面およびエキサイターカバー30頂部の表面の両方の面(当接面)が、ヘルメットHの表面に当接される構成となるようにするためのものである。
図18に示すように、カバー開口部31の背面方向に向かって円筒状の開口部内壁32が立設されており、また、伝達面部66の外周部は溝状の外周溝部69が形成されている。そして、音響駆動部60とエキサイターカバー30を組み立てると、開口部内壁32が外周溝部69に圧入され、水密構造が形成される。
以上のような構成としたことから、第4の実施形態では、音響駆動部60を揺動可能に保持し水密構造を維持したまま、エキサイターカバー30を介さずに、音響駆動部60からの音響をヘルメットHに伝達することを可能となる。すなわち、第4の実施形態では、より力強い音質の音響を、ヘルメットHをしたままで楽しむことができるものとなる。
ここで、本実施形態ではエキサイターカバー30の表面の方が、伝達面部66の表面よりもわずかに外側に出っ張っているが、伝達面部66の表面がエキサイターカバー30表面よりも外側に出っ張る構成としてもよい。この場合、伝達面部66(当接面)のみがヘルメットHに当接することになり、エキサイター61で発生した音響振動は伝達面部66からより直接的に、ヘルメットHに伝達することとなる。この場合、伝達面部66によってヘルメットHの表面の一部を叩くことになるので、ヘルメットH表面の塗装の剥がれのおそれが生ずる。これを防止するため、ヘルメットHの表面または伝達面部66に塗装剥がれ防止用の薄いフィルム状等の保護パッチを貼ることが好ましい。
(第5の実施形態)
図19(A)乃至図19(C)を参照して、本発明の第5の実施形態について説明する。
この実施形態は、第1の実施形態のヘルメット用音響装置1をヘルメットHではなく、振動板200に取り付けて音響を楽しむことができるようにした実施形態を示すものである。ここで、ヘルメットH以外の装着対象物に装着される音響装置であっても、ヘルメットHに装着可能であれば、ヘルメット用音響装置1に含まれるものとする。
図19(A)は、振動板200を折り畳んだ状態、図19(B)は、振動板200を広げ、ヘルメット用音響装置1を取り付けている状態、図19(C)音響を楽しんでいる状態を示す斜視図である。
図19(A)及び図19(B)に示すように、本実施形態の振動板200は、2枚の振動板半体210、210とこれらを折り畳み可能に連結する蝶番部220、220及び下部の蝶番部220に回動可能に取り付けられた脚部230を有している。振動板半体210は、振動板200を開いた状態で、左右の中央部に位置する略ヘルメットHの曲面の一部を有する略円弧面を持つ音響装置装着面211、211と、その外側に位置する略円弧面からなる音響発生面212、212を有している。2枚の振動板半体210、210はここでは硬質の樹脂から構成されている。ここで、音響装置装着面だけでも音響は発生するが、音響発生面を音響装置装着面に一体に連続させたことで、より大きな音量の音響が得ることができる。また、音響発生面212、212はここでは略円弧面となっているが、平面であってもよい。
図19(B)に示すように、音響装置装着面211、211表面には、所定位置に取り付けアダプター500、500を固定されており、ヘルメット用音響装置1をこの取り付けアダプター500、500に装着することができる。そして、脚部230を回動させれば、振動板200を自立させることができるように構成されている。
図19(C)に示すように、ヘルメット用音響装置1を操作して音響振動を発生させることにより、音響振動は振動板200に伝達され、使用者Uは音響を楽しむことが可能となる。ここで、音響は音響発生面212、212だけでなく、音響装置装着面211、211からも音響が発生することは勿論である。
以上述べたように、振動板200を用意することにより、使用者Uは、ヘルメット用音響装置1をヘルメットHに付けているときは勿論、室内や旅先でも音響を楽しむことが可能となる。特に旅先等では、振動板200が折り畳み可能に構成されているので、持ち運びに便利であり、また、信号ケーブル等も不要であり使い勝手が良い。
なお、蝶番部220、220は、それぞれの振動板半体210、210と一体に構成しても良い。脚部230は、折れにくくするため、ポリプロピレン(PP)等の柔軟性のある樹脂から構成されることが好ましい。また、脚部230は、ここでは振動板200の下部中央に設けたが、振動板半体210、210の下部に、それぞれ設けるようにしてもよい。この場合、脚部230を略逆T字形や略逆V字型として、それぞれ回動可能に構成してもよい。いずれにせよ、脚部230を有することから自立可能となり、振動板200の使い勝手が向上する。
またなお、図19(C)のようにヘルメット用音響装置1を取り付けた場合は、発生する音響の左右が逆転してしまうことになる。この場合、音響信号を伝える携帯端末Sを操作して左右の音を反転させてもよいし、ヘルメット用音響装置1を上下反転して取り付けることによって左右の音を反転させてもよい。
またなお、図19(C)のようなヘルメット用音響装置1が振動板200に隠れて見えない方向からではなくて、図19(B)のようなヘルメット用音響装置1が見える方向の方から、音響を楽しむことは可能である。この場合、音響の左右逆転は起こらないことになる。
またなお、振動板半体210の材質を硬質の樹脂としたが、これに限定されず、例えば合板やパーティクルボード等の木質材料やボール紙や段ボール等の紙材料を曲面加工等して用いても良いことは勿論である。
本実施形態で述べた振動板200は、次のように表現することもできる。
ヘルメット用音響装置を装着可能な振動板であって、ヘルメット用音響装置は、一つの箱型の筐体と、筐体の左右の端部それぞれに設けられた、駆動信号に応じて動作されヘルメットに音響を伝達するエキサイターとヘルメットに取り付けられた係合部を有するアダプターに装着される装着部とを有していて、振動板には、ヘルメットの曲面に概略対応する音響装置装着面を有し、音響装置装着面にアダプターを固定することにより、ヘルメット用音響装置の装着部を装着可能とした振動板。
そして、続けて次のように表現することもできる。
振動板は、音響装置装着面の外側に、音響装置装着面に連続した音響発生面を有していること。
また、振動板は、略中央部で折り畳み可能に構成されていること。
また、振動板は、略中央部下部に脚部を有し、自立可能に構成されていること。
そして、振動板は、左右下部にそれぞれ脚部を有し、自立可能に構成されていること。
本発明のヘルメット用音響装置は、前述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した実施の形態においては、ヘルメット用音響装置の装着対象物を、ヘルメットや振動板について説明しているが、これに限定されず、例えば、自動二輪車のカウルや自動車の凸面部を有するダッシュボード等、プレジャーボート等の船舶の凸面状に形成された外装パネル等に装着してもよい。
H ヘルメット
U 使用者
S 携帯端末
1 ヘルメット用音響装置
10 ケース本体
20 取り付けレバー
30 エキサイターカバー
40 前ケース
50 後ケース
60 音響駆動部
61 エキサイター
65 音響伝達部
66 伝達面部
70 背面側クッション
80 回路電源部
90 操作接続部
100 押しボタン式取り付け機構
110 取り付け機構ケース
120 スライド板
121 押しボタン部
200 振動板
210 振動板半体
211 音響装置装着面
212 音響発生面
220 蝶番部
230 脚部
500 取り付けアダプター
510 開口穴部
520 ヘルメット取り付け面部
530 音響装置取り付け部
531 係合ガイド突起
540 切り欠き穴部
550 ガイド軸
600 両面粘着接着テープ

Claims (9)

  1. ヘルメットに着脱自在に取り付けられるヘルメット用音響装置であって、
    前記ヘルメット用音響装置は、一つの箱型の筐体と、前記筐体の左右の端部近傍にそれぞれ設けられた、駆動信号に応じて動作され前記ヘルメットに音響振動を伝達するとともに前記ヘルメットにそれぞれ対向して保持されるエキサイターと前記ヘルメットに取り付けられた係合部を有するアダプターに装着される装着部と、を有し、
    それぞれの前記装着部に装着された前記アダプターは、前記筐体に対して回動可能に構成されており、
    それぞれの前記アダプターの回動中心は、左右の前記エキサイターの中心軸の近傍にあって、前記ヘルメットの表面から所定の高さを有し、互いに略平行な関係にある
    ことを特徴とするヘルメット用音響装置。
  2. それぞれの前記エキサイターは前記筐体から突出し出没自在に構成された音響伝達部を有し、前記ヘルメットに前記ヘルメット用音響装置を装着することによって、前記音響伝達部が前記筐体から突出した状態で前記ヘルメットに当接し、それぞれの前記エキサイターから前記ヘルメットに音響振動が伝達されるよう構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のヘルメット用音響装置。
  3. それぞれの前記エキサイターは、前記筐体に対して揺動自在に構成され、
    前記ヘルメット用音響装置が前記ヘルメットに装着された状態で、前記音響伝達部の頂部に設けられた当接面が当接する前記ヘルメットの面の略法線方向に、それぞれの前記エキサイターの中心軸が位置するよう構成されている
    ことを特徴とする請求項2記載のヘルメット用音響装置。
  4. それぞれの前記エキサイターの背面は、前記筐体内面から突起した複数の突起部により保持されているクッションが当接され、
    前記エキサイターは前記クッションにより揺動自在に保持されている
    ことを特徴とする請求項2又は3記載のヘルメット用音響装置。
  5. 前記クッションが、低反発弾性フォームにより構成されている
    ことを特徴とする請求項4記載のヘルメット用音響装置。
  6. それぞれの前記音響伝達部は前記筐体に設けられた穴部から突出するよう構成され、前記音響伝達部の突出した部分と前記穴部は、可撓性のカバー部によって水密に覆われ、
    それぞれの前記音響伝達部は前記カバー部を介して前記ヘルメットに当接するよう構成されている
    ことを特徴とする請求項2乃至5記載のヘルメット用音響装置。
  7. それぞれの前記音響伝達部は前記筐体に設けられた穴部から突出するよう構成され、前記音響伝達部の当接面の周辺部と前記穴部は、可撓性のカバー部によって水密に覆われ、
    それぞれの前記音響伝達部の当接面が前記ヘルメットに直接当接するよう構成されている
    ことを特徴とする請求項3乃至5記載のヘルメット用音響装置。
  8. それぞれの前記装着部は、前記回動中心を中心として回動して前記係合部に脱着自在に係合し略U字状のレバー部を有する回動係合部を有している
    ことを特徴とする請求項1乃至7記載のヘルメット用音響装置。
  9. それぞれの前記装着部は、略U字状のガイド穴部と、前記ガイド穴部の開口部を開閉自在にロックするロック部と、前記ロック部のロックを解除するロック解除部を有しており、
    それぞれの前記アダプターには、係合部として前記ガイド穴部に対応する係合軸を有していて、
    それぞれの前記装着部に装着された前記アダプターは、前記係合軸を前記回動中心として、前記筐体に対して回動可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至7記載のヘルメット用音響装置。
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