JP7164992B2 - 希ガス回収装置 - Google Patents

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Description

本発明は、希ガスに混入した不純物を除去し、希ガスを回収する希ガス回収装置および希ガス回収方法に関し、特にエキシマレーザー発振装置から排出された希ガスを回収する希ガス回収装置および希ガス回収方法に関する。
半導体の製造過程で使用される露光装置や液晶製造過程のアニール処理の光源としてエキシマレーザー発振装置が広く用いられている。このエキシマレーザー発振装置は、レーザーチャンバに例えばアルゴンガス(Ar)とフッ素ガス、クリプトンガス(Kr)とフッ素ガス、またはキセノンガス(Xe)とフッ素ガスを封入し、これらのガスを励起させ、励起状態となった分子のエネルギーが誘導放出されることによりレーザー光を発生させる。また、レーザーチャンバ内には、バッファガスとして希ガスが封入されている。このような希ガスの一例として、ネオンガス(Ne)が挙げられる。
しかし、エキシマレーザー発振装置は、極めて反応性の高いフッ素ガスを使用しており、さらにそのフッ素は放電励起された状態となるので、フッ素とレーザーチャンバの構成材料等との反応などにより、CF、SiF、HF、NF、C等のフッ素化合物(不純物)が生成される。さらに、大気成分であるN、O、CO、HO等(不純物)の混入も生じる。こうした不純物の生成や混入によりレーザー光が吸収されるなどして、レーザー出力が減少するため、このような不純物は、レーザーチャンバ内のガスと共に排出されていた。
しかしながら、バッファガスとして使用されるネオンガスは大量生産しづらく、高価である。更にスマートフォンの普及等による半導体需要の拡大により、ネオンガスの使用量が増加しており、ネオンガスの不足が危惧されている。そこで、従来からエキシマレーザー発振装置から排出された希ガスを回収し、希ガスに混入した不純物を除去することによって希ガスを回収し、再利用する運用がなされている。
しかし、PFC(パーフルオロカーボン)の代表的なガスであり、かつ難分解性ガスであるCFや大気混入成分の大半であるNは除去が困難であるため、回収した希ガスに残留し、再利用のたびに高濃度になる。その結果、再びレーザー出力が低下し、希ガスの純度や回収率が低下している。
エキシマレーザー発振装置から排出されるガスは、バッファガスとしての希ガスが大部分を構成している。一例として、レーザーチャンバには、95~99%のネオンガスと、1~5%のクリプトンガスと、0.1~0.5%のフッ素ガスが充填されている。エキシマレーザー発振装置から排出されるガスの大部分を構成する希ガスを高純度かつ高回収率で精製することにより希ガスの有効利用を図ることができる。
特開2010-92920号公報
そこで、本発明は、除去が困難なCFやNを始めとする不純物を完全除去し、希ガスを高純度かつ高回収率で精製することができる装置を提供することを目的とする。また、半導体工場や液晶製造工場に設置可能な小型化、かつ簡素化された希ガス回収装置の提供を目的とする。
上述した目的を達成するために、一態様では、エキシマレーザー発振装置で使用された希ガスに混入した不純物を除去し、前記希ガスを回収する希ガス回収装置であって、前記希ガスの流路を形成するガス移送管と、前記ガス移送管に接続されたフッ素化合物除去装置と、前記ガス移送管に接続され、前記フッ素化合物除去装置で発生した副生成物であるCO 、H O、NO を除去する副生成物除去装置と、前記ガス移送管に接続された酸素除去装置と、前記ガス移送管に接続された窒素除去装置と、前記ガス移送管に接続され、かつ前記希ガスの流れ方向に関して前記フッ素化合物除去装置の下流側に配置された第1熱交換器と、前記ガス移送管に接続され、かつ前記希ガスの流れ方向に関して前記窒素除去装置の下流側に配置された第2熱交換器を備え、前記フッ素化合物除去装置は、非晶質AlとCaOとの複合酸化物を少なくとも含むフッ素化合物分解処理剤と、前記フッ素化合物分解処理剤を囲むように配置されたフッ素化合物分解処理剤ヒーターとを備え、前記窒素除去装置は、ジルコニウム合金を少なくとも含む窒素除去剤と、前記窒素除去剤を囲むように配置された窒素除去剤ヒーターとを備えている希ガス回収装置である。
態様では、前記ガス移送管に接続され、かつ前記希ガスの流れ方向に関して、前記フッ素化合物除去装置、前記副生成物除去装置、前記酸素除去装置、および前記窒素除去装置の下流側に配置された貯留タンクと、前記ガス移送管に接続され、前記貯留タンク内の前記希ガスを昇圧する昇圧ポンプとを備えている。
一態様では、前記フッ素化合物分解処理剤ヒーターは、前記フッ素化合物分解処理剤を550℃~650℃の範囲内で加熱するように構成されている。
一態様では、前記窒素除去剤ヒーターは、前記窒素除去剤を370℃~430℃の範囲内で加熱するように構成されている。
一態様では、前記副生成物除去装置は、副生成物除去剤を備え、前記副生成物除去剤は、アルカリ剤と合成ゼオライトの組合せである。
一態様では、前記フッ素化合物除去装置は、前記フッ素化合物分解処理剤を保持するフッ素化合物反応槽と、前記希ガスの流れ方向に関して前記フッ素化合物反応槽の上流側に配置された蓋とをさらに備え、前記フッ素化合物反応槽は、その開口部に前記蓋と接続するためのフランジを有し、前記フッ素化合物除去装置は、前記フランジと前記蓋との間に配置されたシール部材をさらに備え、前記シール部材は、金属製のOリングである。
一態様では、前記フッ素化合物除去装置、前記副生成物除去装置、前記酸素除去装置、および前記窒素除去装置は、この順に前記ガス移送管によって直列に連結されている。
一態様では、エキシマレーザー発振装置から排出された希ガスをガス移送管に導きながら、前記ガス移送管内を流れる前記希ガス中に含まれる不純物を、フッ素化合物除去装置、副生成物除去装置、酸素除去装置、窒素除去装置によって除去し、前記不純物が除去された前記希ガスを、前記エキシマレーザー発振装置に戻す工程を含み、前記フッ素化合物除去装置によって前記不純物を除去する工程は、前記不純物を含んだ希ガスを、非晶質AlとCaOとの複合酸化物であるフッ素化合物分解処理剤に接触させながら前記フッ素化合物分解処理剤を加熱することによって、フッ素およびパーフルオロカーボンを含むフッ素化合物を除去する工程であり、前記窒素除去装置によって前記不純物を除去する工程は、前記不純物を含んだ希ガスを、ジルコニウム合金である窒素除去剤に接触させながら前記窒素除去剤を加熱することによって、窒素を除去する工程である希ガス回収方法である。
一態様では、前記フッ素化合物分解処理剤を加熱する工程は、550℃~650℃の範囲内で前記フッ素化合物分解処理剤を加熱する工程である。
一態様では、前記窒素除去剤を加熱する工程は、370℃~430℃の範囲内で前記窒素除去剤を加熱する工程である。
一態様では、前記副生成物除去装置によって前記不純物を除去する工程は、前記不純物を含んだ希ガスを、アルカリ剤と合成ゼオライトの組合せである副生成物除去剤に接触させることによって、二酸化炭素、水、二酸化窒素を除去する工程である。
一態様では、前記希ガス中に含まれる不純物を、前記フッ素化合物除去装置、前記副生成物除去装置、前記酸素除去装置、前記窒素除去装置によって除去する工程は、前記不純物を含んだ希ガスを、前記フッ素化合物除去装置、前記副生成物除去装置、前記酸素除去装置、前記窒素除去装置の順に移送し、前記不純物を前記フッ素化合物除去装置、前記副生成物除去装置、前記酸素除去装置、前記窒素除去装置によって除去する工程である。
希ガス回収装置は、エキシマレーザー発振装置で使用された希ガスに混入したCFなどのPFC(パーフルオロカーボン)や、Nを始めとする不純物を完全除去し、希ガスを高純度かつ高回収率で精製することができる。特に、フッ素化合物除去装置は、アルミナ(Al)の触媒作用により、約600℃と比較的低温でPFCなどのフッ素化合物を除去することができる。また、窒素除去装置は、窒素を含んだ希ガスを窒素除去剤に接触させながら窒素除去剤を加熱することによって、希ガスに混入した窒素を除去するため、希ガス回収装置を小型化、かつ簡素化することができる。
本発明の一実施形態に係る希ガス回収装置を示す模式図である。 フッ素化合物除去装置、および第1熱交換器の模式図である。 副生成物除去装置の模式図である。 酸素除去装置の模式図である。 窒素除去装置、および第2熱交換器の模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る希ガス回収装置を示す模式図である。図1に示すように、エキシマレーザー発振装置1は、レーザーチャンバ5を備えている。レーザーチャンバ5には、レーザー光の発生に寄与するガス(以下、レーザーガスという)と、レーザーガスを希釈するバッファガスが封入されている。本実施形態では、レーザーガスとしてフッ素とクリプトン、バッファガスとしてネオンが使用されている。フッ素は、フッ素供給ボンベ8からフッ素供給配管95を通じてレーザーチャンバ5に供給される。本明細書では、クリプトンとネオンを特に区別する必要がないときは、クリプトンおよびネオンを総称して希ガスと呼ぶ。
レーザーチャンバ5で使用された希ガスは、パーフルオロカーボン(PFC)を含むフッ素化合物や、フッ素ガス(F)等の不純物が混入した状態でレーザーチャンバ5から排出される。PFCの代表的なガスであり、かつ難分解性ガスであるCFは、レーザーチャンバ5内のシール部材であるフッ素ゴム製のOリングおよびレーザーチャンバ5内の放電管の絶縁材であるテフロン(登録商標)中のカーボン(C)とレーザーガスのフッ素(F)から生成される。このようなフッ素ゴムの一例としてバイトン(登録商標)が挙げられる。CFなどの不純物はレーザー光を吸収するなどしてレーザー出力が低下してしまう。そこで、この不純物は、希ガスと共にレーザーチャンバ5から排出される。
希ガス回収装置15は、第1循環配管83および第2循環配管85に接続されており、第1循環配管83および第2循環配管85を通じてレーザーチャンバ5に連通している。第1循環配管83および第2循環配管85は、希ガス回収装置15の外側を延びる配管である。希ガス回収装置15は、ガス移送管80を備えている。ガス移送管80は、希ガス回収装置15の内部を延びる配管である。ガス移送管80の一端は第1循環配管83に接続されており、他端は第2循環配管85に接続されている。ガス移送管80、第1循環配管83、および第2循環配管85は、レーザーチャンバ5と希ガス回収装置15との間で希ガスを循環させる希ガスの循環流路を形成する。
レーザーチャンバ5から排出された希ガスは、図1の矢印で示す方向に流れる。すなわち、レーザーチャンバ5から排出された希ガスは、第1循環配管83を通って希ガス回収装置15に導かれる。希ガスは、希ガス回収装置15を通過し、第2循環配管85を通って再びレーザーチャンバ5に戻される。希ガスに混入した不純物は、希ガス回収装置15によって除去され、不純物が除去された希ガスがレーザーチャンバ5に戻される。
希ガス回収装置15は、希ガス中に含まれるフッ素(F)およびPFCを含むフッ素化合物を除去するフッ素化合物除去装置20と、フッ素化合物除去装置20から排出された希ガスを冷却する第1熱交換器30と、フッ素化合物除去装置20で発生した副生成物を除去する副生成物除去装置21と、希ガス中に含まれる酸素を除去する酸素除去装置23と、希ガス中に含まれる窒素を除去する窒素除去装置27と、窒素除去装置27から排出された希ガスを冷却する第2熱交換器31と、不純物が除去された希ガスを溜める貯留タンク37と、貯留タンク37内の希ガスを昇圧する昇圧ポンプ33と、貯留タンク37内の圧力を測定するタンク圧力センサ43と、ガス移送管80内の圧力を測定する配管圧力センサ47と、第1循環配管83とフッ素化合物除去装置20との間に配置された開閉弁55と、貯留タンク37と第2循環配管85との間に配置された希ガス排出弁71と、貯留タンク37と希ガス排出弁71との間に配置された希ガス供給弁69と、貯留タンク37と希ガス排出弁71との間に配置された減圧弁110と、動作制御部100とを備えている。減圧弁110は、貯留タンク37からレーザーチャンバ5に供給される希ガスの圧力を一定に調整する弁である。
フッ素化合物除去装置20は、ガス移送管80に接続されており、ガス移送管80および第1循環配管83を通じてレーザーチャンバ5に連通している。第1熱交換器30は、希ガスの流れ方向に関してフッ素除去装置20の下流側(以下、単に下流側という)に配置されており、フッ素化合物除去装置20に接続されている。副生成物除去装置21は、第1熱交換器30の下流側に配置されている。副生成物除去装置21は、ガス移送管80に接続されており、ガス移送管80を通じて第1熱交換器30に連通している。酸素除去装置23は、副生成物除去装置21の下流側に配置されている。酸素除去装置23は、ガス移送管80に接続されており、ガス移送管80を通じて副生成物除去装置21に連通している。
昇圧ポンプ33は、酸素除去装置23の下流側に配置されている。昇圧ポンプ33は、ガス移送管80に接続されており、ガス移送管80を通じて酸素除去装置23に連通している。窒素除去装置27は、昇圧ポンプ33の下流側に配置されている。窒素除去装置27は、ガス移送管80に接続されており、ガス移送管80を通じて昇圧ポンプ33に連通している。第2熱交換器31は、窒素除去装置27の下流側に配置されており、窒素除去装置27に接続されている。貯留タンク37は、第2熱交換器31の下流側に配置されている。貯留タンク37は、ガス移送管80に接続されており、ガス移送管80を通じて第2熱交換器31に連通している。貯留タンク37は、さらに、ガス移送管80および第2循環配管85を通じてレーザーチャンバ5に連通している。フッ素化合物除去装置20、副生成物除去装置21、酸素除去装置23、および窒素除去装置27は、この順にガス移送管80によって直列に連結されている。
開閉弁55、配管圧力センサ47、タンク圧力センサ43、希ガス供給弁69、減圧弁110、および希ガス排出弁71はガス移送管80に取り付けられている。本実施形態では、開閉弁55および希ガス排出弁71は、手動で開閉される手動弁である。配管圧力センサ47は、開閉弁55とフッ素除去装置20との間に配置されている。タンク圧力センサ43および減圧弁110は、貯留タンク37と希ガス排出弁71との間に配置されている。タンク圧力センサ43は、貯留タンク37に取り付けられてもよい。
希ガス供給弁69は、動作制御部100に電気的に接続されており、動作制御部100は、希ガス供給弁69を開閉するように構成されている。希ガス供給弁69は、電磁弁または電動弁から構成される。希ガス供給弁69の開閉は、動作制御部100によって制御される。動作制御部100が希ガス供給弁69を開くと、貯留タンク37内の希ガスがガス移送管80および第2循環配管85を通ってレーザーチャンバ5に移送され、動作制御部100が希ガス供給弁69を閉じると、希ガスの移送が停止される。
以下、エキシマレーザー発振装置1から排出された希ガスの流れおよび希ガス回収装置15の動作を説明する。エキシマレーザー発振装置1から排出された希ガスが第1循環配管83を通ってガス移送管80に導かれ、ガス移送管80を通ってフッ素化合物除去装置20に移送される。開閉弁55は、通常運転時には開かれている。
レーザーチャンバ5や第1循環配管83等の構造上のわずかな隙間を通じて、大気からガス移送管80内にN、O、CO、HO等の不純物が混入することがある。第1循環配管83、第2循環配管85、およびガス移送管80は気密性が高いメタル・ガスケット式面シール継手で接続されている。しかし、大気混入を完全に防ぐことは難しい。希ガスは、これら大気成分(N、O、COなど)や、フッ素(F)や、PFCを含むフッ素化合物が混入した状態で、フッ素化合物除去装置20に移送される。
希ガス中に含まれる不純物であるPFCを含むフッ素化合物とレーザー光発生に寄与するフッ素(F)は、フッ素化合物除去装置20によって除去される。具体的には、フッ素とレーザーチャンバの構成材料等との反応によって希ガスに混入した、CF、SiF、HF、NF、C、SF等のフッ素化合物、レーザーガスとしてのフッ素(F)、および大気中に微量に含まれるCO、CH、Hがフッ素化合物除去装置20によって除去される。フッ素、フッ素化合物、およびCO等の大気混入成分は、フッ素化合物除去装置20内のフッ素化合物分解処理剤(後述する)と反応し、除去される。フッ素、フッ素化合物、およびCO等の大気混入成分が上述のフッ素化合物分解処理剤と反応する際、副生成物としてO、CO、HO、NO、NOが生成される。
本実施形態では、フッ素化合物除去装置20は、希ガスの流れ方向に関して各装置の中で最も上流側(以下、単に上流側という)に配置されている。有害ガスであるフッ素ガスやフッ素化合物ガスは、エキシマレーザー発振装置1から排出された後、フッ素化合物除去装置20によって速やかに除去される。フッ素(F)やフッ素化合物であるフッ化水素(HF)を、より早い段階で除去することにより、極めて反応性が高い有毒ガスの漏洩を防ぐことができる。
希ガスは、上述の副生成物や大気混入成分等の不純物を含んだ状態でフッ素化合物除去装置20から排出され、第1熱交換器30に移送される。不純物を含んだ希ガスは、第1熱交換器30を通過しながら冷却された後、副生成物除去装置21に移送される。希ガス中に含まれる不純物である大気混入成分や、フッ素化合物除去装置20で生成された副生成物は、副生成物除去装置21によって除去される。具体的には、フッ素化合物除去装置20による副生成物および大気混入成分であるCO、HO、NOが副生成物除去装置21によって除去される。CO、HO、NOは、副生成物除去装置21内の副生成物除去剤(後述する)によって除去される。
希ガスは、フッ素化合物除去装置20および副生成物除去装置21によって除去されなかった不純物を含んだ状態で副生成物除去装置21から排出され、酸素除去装置23に移送される。希ガスに混入した不純物は、酸素除去装置23によって除去される。具体的には、フッ素化合物除去装置20から排出された副生成物であるNOや、フッ素化合物除去装置20から排出された副生成物および大気混入成分であるOが酸素除去装置23によって除去される。NOやOは、酸素除去装置23内の酸素除去剤(後述する)と反応し、除去される。
希ガスは、酸素除去装置23から排出され、昇圧ポンプ33に移送される。希ガスは、昇圧ポンプ33によって昇圧され、窒素除去装置27に移送される。窒素除去装置27に移送された希ガスには、ガス移送管80内に侵入した大気に含まれる窒素(N)が不純物として混入していることがある。希ガスに混入した窒素は、窒素除去装置27によって除去される。窒素は、窒素除去装置27内の窒素除去剤(後述する)と反応し、除去される。
希ガスは、窒素除去装置27から排出され、第2熱交換器31に移送される。希ガスは、第2熱交換器31によって冷却された後、貯留タンク37に移送され、貯留タンク37内に溜められる。貯留タンク37内に溜められる希ガスは、フッ素化合物除去装置20、副生成物除去装置21、酸素除去装置23、窒素除去装置27によって不純物が完全に除去され、回収された希ガスである。
貯留タンク37内の希ガスは、昇圧ポンプ33によって昇圧される。昇圧ポンプ33の一例としてダイヤフラムポンプが挙げられる。昇圧ポンプ33に合成ゴム製(クロロプレンゴム)のダイヤフラムポンプを使用するとダイヤフラムを大気が透過する。そのため、繰り返し疲労強度に優れたベローズ用析出硬化型ステンレス鋼を使用したメタルベローズ(ダイヤフラム)ポンプを使用することが好ましい。
動作制御部100は、タンク圧力センサ43によって測定された貯留タンク37内の圧力を、予め定められた圧力設定値と比較し、貯留タンク37内の圧力が圧力設定値よりも大きいときに希ガス供給弁69を開く。一例として、エキシマレーザー発振装置1の動作中のレーザーチャンバ5内の圧力は0.2MPa~0.25MPa(ゲージ圧力)である。この場合、一例として、減圧弁110の圧力設定値は、0.35MPa~0.4MPa(ゲージ圧力)である。希ガス供給弁69を開くと、貯留タンク37内の希ガスがガス移送管80および第2循環配管85を通ってレーザーチャンバ5に供給され、希ガス供給弁69を閉じると、希ガスの供給が停止される。希ガス排出弁71は、通常運転時には開かれている。
希ガス回収装置15は、ガス移送管80を流れる希ガスの一部をダクトに放出するリリーフ弁60をさらに備えている。リリーフ弁60は、開閉弁55とフッ素化合物除去装置20との間を延びるガス移送管80に接続されたベント配管81に取り付けられている。ベント配管81は、ダクトに連通している。
リリーフ弁60は、動作制御部100に電気的に接続されており、動作制御部100は、リリーフ弁60を開閉するように構成されている。リリーフ弁60は、電磁弁、または電動弁から構成される。リリーフ弁60の開閉は、動作制御部100によって制御される。動作制御部100がリリーフ弁60を開くと、ガス移送管80を流れる希ガスの一部がベント配管81を通ってダクトに放出される。
動作制御部100は、配管圧力センサ47によって測定されたガス移送管80内の圧力を、予め定められた配管圧力しきい値と比較し、ガス移送管80内の圧力が配管圧力しきい値よりも大きいときにリリーフ弁60を開く。ガス移送管80を流れる希ガスの一部は、ベント配管81を通ってダクトに放出される。
希ガス回収装置15は、ベント配管81から分岐する分岐配管82と、分岐配管82に取り付けられた機械式リリーフ弁63とをさらに備えている。機械式リリーフ弁63とリリーフ弁60は並列に配置されている。分岐配管82もダクトに連通している。機械式リリーフ弁63は、ガス移送管80内の圧力が予め設定された値よりも大きいときに自動的に開くように構成されている。機械式リリーフ弁63は、リリーフ弁60または配管圧力センサ47が正常に作動しなくなったときに動作する予備弁として備えられている。
図2は、フッ素化合物除去装置20、および第1熱交換器30の模式図である。フッ素化合物除去装置20は、フッ素(F)やフッ素化合物(PFCなど)と反応するフッ素化合物分解処理剤121と、フッ素化合物分解処理剤121を保持するフッ素化合物反応槽125と、フッ素化合物分解処理剤121を加熱するフッ素化合物分解処理剤ヒーター123と、フッ素化合物反応槽125の開口部を閉じる蓋130と、フッ素化合物反応槽125内に希ガスを流入させる流入管131と、フッ素化合物反応槽125から希ガスを排出する排出管132と、流入バルブ140とを備えている。フッ素化合物分解処理剤121は、フッ素化合物反応槽125内に保持されており、フッ素化合物分解処理剤ヒーター123は、フッ素化合物反応槽125を囲むように配置されている。
フッ素化合物反応槽125は、その開口部に蓋130と接続するためのフランジ127を有している。蓋130は、フッ素化合物反応槽125の上流側に配置されている。蓋130とフランジ127は、複数のボルト133および複数のナット135によって締め付けられている。フッ素化合物除去装置20は、シール部材137をさらに備え、シール部材137は、蓋130とフランジ127との間に配置されている。シール部材137によってフッ素除去装置20内を流れる希ガスが蓋130とフランジ127との間から漏洩することが防止される。
流入管131は、蓋130に接続されており、流入バルブ140は、流入管131に取り付けられている。本実施形態では、流入バルブ140は手動で開閉される手動弁である。排出管132はフッ素化合物反応槽125の端面に接続されており、フッ素化合物分解処理剤121は、流入管131と排出管132との間に配置されている。
流入バルブ140は、通常運転時には開かれている。希ガスは流入管131を通ってフッ素化合物反応槽125内に流入し、フッ素化合物分解処理剤121に接触する。希ガスは図2の矢印で示す方向に流れる。希ガスは、フッ素化合物分解処理剤121に接触しながら、フッ素化合物分解処理剤121は、フッ素化合物分解処理剤ヒーター123によって550℃~650℃の範囲内で加熱される。本実施形態では、フッ素化合物分解処理剤121は600℃に加熱される。
希ガスに混入したフッ素やフッ素化合物は、加熱されたフッ素化合物分解処理剤121と反応し、除去される。本実施形態のフッ素化合物分解処理剤121は、非晶質AlとCaOとの複合酸化物を少なくとも含む。CFなどのPFC(パーフルオロカーボン)は熱化学的に安定であり、CとFの結合が強固で熱分解に1600℃を必要とする。しかし、本実施形態では、フッ素化合物分解処理剤121を構成するアルミナ(Al)の触媒作用によりPFCを600℃で分解することができる。このようにして、フッ素化合物除去装置20は、希ガスに混入したフッ素(F)やPFC等のフッ素化合物を完全に除去することができる。フッ素化合物除去装置20はさらに大気混入成分であるCO、CH、Hも除去することができる。
本実施形態では、シール部材137は、金属製の中空のOリングである。シール部材137に一般的な合成ゴム製のOリングを使用すると大気がOリングを透過することがある。また、上述のようにフッ素化合物分解処理剤121は、600℃に加熱されるが、合成ゴム製のOリングはフッ素化合物分解処理剤121の加熱に伴う温度上昇に耐えることができない。そこで、本実施形態では、耐熱性に優れ、大気を透過しない金属製の中空のOリングが使用されている。
また、フッ素化合物反応槽125は、600℃の高温や腐食性のフッ素等に曝されるため、フッ素化合物反応槽125の材料として耐熱性耐食性に優れたニッケル合金を使用することが好ましい。このようなニッケル合金の一例として、ハステロイ(登録商標)が挙げられる。
フッ素化合物分解処理剤121を通過した希ガスは、フッ素化合物反応槽125から排出管132を通って排出される。フッ素化合物反応槽125から排出された希ガスには、フッ素化合物等がフッ素化合物分解処理剤121と反応する際に生成された副生成物であるO、CO、HO、NO、NOや、大気混入成分としてのN、O2、CO等の不純物が混入される。
フッ素化合物除去装置20から排出された希ガスは、第1熱交換器30に移送される。第1熱交換器30は、希ガスを冷却する伝熱管143と、流出バルブ141とを備えている。第1熱交換器30は、空冷式の熱交換器であり、簡素な構成で希ガスを冷却することができる。フッ素化合物除去装置20から排出されるガスは高温であるため、機器の破損を招来することや、後述する合成ゼオライトで物理吸着したHOが脱離することがある。そのため、第1熱交換器30は、伝熱管143を蛇行状に長くした空冷式の熱交換器である。
流出バルブ141は、伝熱管143に取り付けられている。本実施形態では、流出バルブ141は手動で開閉される手動弁である。フッ素化合物除去装置20から排出された希ガスは、伝熱管143において、大気との間で熱交換されることによって冷却される。流出バルブ141は、通常運転時には開かれている。伝熱管143を通過した希ガス(冷却された希ガス)は第1熱交換器30から排出される。
図3は、副生成物除去装置21の模式図である。副生成物除去装置21は、フッ素化合物除去装置20で生成された副生成物と反応する副生成物除去剤151と、副生成物除去剤151を保持する副生成物反応槽155と、副生成物反応槽155の開口部を閉じる蓋160と、副生成物反応槽155内に希ガスを流入させる流入管161と、副生成物反応槽155から希ガスを排出する排出管162と、流入バルブ170と、流出バルブ171とを備えている。副生成物除去剤151は、副生成物反応槽155内に保持されている。
副生成物反応槽155は、その開口部に蓋160と接続するためのフランジ157を有している。蓋160は、副生成物反応槽155の上流側に配置されている。蓋160とフランジ157は、複数のボルト163および複数のナット165によって締め付けられている。副生成物除去装置21は、シール部材167をさらに備え、シール部材167は、蓋160とフランジ157との間に配置されている。シール部材167によって蓋160とフランジ157との間から大気の混入と希ガスの漏洩が防止される。本実施形態では、シール部材167は、金属製の中空のOリングである。
流入管161は、蓋160に接続されており、流入バルブ170は、流入管161に取り付けられている。排出管162は副生成物反応槽155の端面に接続されており、流出バルブ171は排出管162に取りつけられている。副生成物除去剤151は、流入管161と排出管162との間に配置されている。本実施形態では、流入バルブ170および流出バルブ171は手動で開閉される手動弁である。
流入バルブ170は通常運転時には開かれている。第1熱交換器30から排出された希ガスは流入管161を通って副生成物反応槽155内に流入する。希ガスは図3の矢印で示す方向に流れる。副生成物除去剤151は、アルカリ剤152と合成ゼオライト153の組み合わせである。アルカリ剤152は、合成ゼオライト153の上流側に配置されている。副生成物反応槽155内に流入した希ガスは、まずアルカリ剤152に接触する。希ガスがアルカリ剤152に接触することによって、希ガス中に混入したCOがアルカリ剤152と反応し、除去される。COがアルカリ剤152と反応する際、副生成物としてHOが生成される。このHOは、不純物として希ガスに混入する。アルカリ剤152の例としてアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物が挙げられる。
希ガスは、アルカリ剤152を通過した後、合成ゼオライト153に接触する。希ガスが合成ゼオライト153に接触することによって、希ガス中に混入したHOおよびNOが合成ゼオライト153に吸着され、除去される。このようにして、副生成物除去装置21は、希ガスに混入したCO、HO、NOを完全に除去することができる。
副生成物反応槽155は加熱されないため、副生成物反応槽155の材料としてニッケル合金を使用する必要はない。一例として、副生成物反応槽155の材料はステンレス鋼としてもよい。
流出バルブ171は、通常運転時には開かれている。合成ゼオライト153を通過した希ガスは、副生成物反応槽155から排出管162に流れ込み、副生成物除去装置21から排出される。副生成物除去装置21から排出される希ガスは、フッ素化合物等がフッ素化合物分解処理剤121と反応する際に生成されるO、NOや、大気混入成分であるN、Oが混入した希ガスである。
図4は、酸素除去装置23の模式図である。酸素除去装置23は、酸素や酸化物と反応する酸素除去剤181と、酸素除去剤181を保持する酸素反応槽185と、酸素反応槽185の開口部を閉じる蓋190と、酸素反応槽185内に希ガスを流入させる流入管191と、酸素反応槽185から希ガスを排出する排出管192と、流入バルブ200と、流出バルブ201とを備えている。酸素除去剤181は、酸素反応槽185内に保持されている。
酸素反応槽185は、その開口部に蓋190と接続するためのフランジ187を有している。蓋190は、酸素反応槽185の上流側に配置されている。蓋190とフランジ187は、複数のボルト193および複数のナット195によって締め付けられている。酸素除去装置23は、シール部材197をさらに備え、シール部材197は、蓋190とフランジ187との間に配置されている。シール部材197によって蓋190とフランジ187との間から大気の混入と希ガスの漏洩が防止される。本実施形態では、シール部材197は、金属製の中空のOリングである。
流入管191は、蓋190に接続されており、流入バルブ200は、流入管191に取り付けられている。排出管192は酸素反応槽185の端面に接続されており、流出バルブ201は排出管192に取りつけられている。酸素除去剤181は、流入管191と排出管192との間に配置されている。本実施形態では、流入バルブ200および流出バルブ201は手動で開閉される手動弁である。
流入バルブ200は通常運転時には開かれている。副生成物除去装置21から排出された希ガスは流入管191を通って酸素反応槽185内に流入し、酸素除去剤181に接触する。希ガスは図4の矢印で示す方向に流れる。希ガスが酸素除去剤181に接触することによって、希ガス中に混入したO、NOが酸素除去剤181と反応し、除去される。本実施形態では、酸素除去剤181は、予め還元処理された還元銅である。一実施形態では、酸素除去剤181は、予め還元処理された還元ニッケルとしてもよい。
このようにして、酸素除去装置23は、希ガスに混入したO、NOを完全に除去することができる。酸素反応槽185は加熱されないため、酸素反応槽185の材料としてニッケル合金を使用する必要はない。一例として、酸素反応槽185の材料はステンレス鋼としてもよい。
流出バルブ201は、通常運転時には開かれている。酸素除去剤181を通過した希ガスは、酸素反応槽185から排出管192に流れ込み、酸素除去装置23から排出される。大気から混入するNは、フッ素化合物除去装置20、副生成物除去装置21、酸素除去装置23では除去できないため、酸素除去装置23から排出される希ガスにはNが混入していることがある。
図5は、窒素除去装置27、および第2熱交換器31の模式図である。窒素除去装置27は、窒素と反応する窒素除去剤211と、窒素除去剤211を保持する窒素反応槽215と、窒素除去剤211を加熱する窒素除去剤ヒーター213と、窒素反応槽215の開口部を閉じる蓋220と、窒素反応槽215内に希ガスを流入させる流入管221と、窒素反応槽215から希ガスを排出する排出管222と、流入バルブ230とを備えている。窒素除去剤211は、窒素反応槽215内に保持されており、窒素除去剤ヒーター213は、窒素反応槽215を囲むように配置されている。
窒素反応槽215は、その開口部に蓋220と接続するためのフランジ217を有している。蓋220は、窒素反応槽215の上流側に配置されている。蓋220とフランジ217は、複数のボルト223および複数のナット225によって締め付けられている。窒素除去装置27は、シール部材227をさらに備え、シール部材227は、蓋220とフランジ217との間に配置されている。シール部材227によって蓋220とフランジ217との間から大気の混入と希ガスの漏洩が防止される。本実施形態では、シール部材227は、金属製の中空のOリングである。
流入管221は、蓋220に接続されており、流入バルブ230は、流入管221に取り付けられている。本実施形態では、流入バルブ230は手動で開閉される手動弁である。排出管222は窒素反応槽215の端面に接続されている。窒素除去剤211は、流入管221と排出管222との間に配置されている。
流入バルブ230は通常運転時には開かれている。希ガスは流入管221を通って窒素反応槽215内に流入し、窒素除去剤211に接触する。希ガスは図5の矢印で示す方向に流れる。希ガスは、窒素除去剤211に接触しながら、窒素除去剤211は、窒素除去剤ヒーター213によって370℃~430℃の範囲内で加熱される。本実施形態では、窒素除去剤211は400℃に加熱される。希ガスに混入した窒素は、加熱された窒素除去剤211と反応し、除去される。本実施形態の窒素除去剤211は、ジルコニウム合金を少なくとも含む。
窒素は不活性ガスのため、アルカリ剤や還元銅とは反応しない。また、合成ゼオライトの場合、窒素の分子径が小さいため(3.64Å)、窒素はゼオライトの細孔(5Å)に一旦は入り一時吸着されるが、合成ゼオライトとの親和力が弱いため、細孔から離脱する。そのため、窒素は合成ゼオライトに物理吸着されない。また、一般的な窒素除去方法である圧力変動吸着法(PSA法)による窒素除去の場合、加圧下で合成ゼオライトによる窒素吸着が可能であるが、装置が大型化・複雑化するという問題がある。
本実施形態では、窒素除去剤211としてのジルコニウム合金を400℃に加熱し、窒化ジルコニウムに反応固定させる。その結果、装置の小型化・簡素化が可能となる。このようにして、窒素除去装置27は、希ガスに混入した窒素を完全に除去することができる。窒素反応槽215は400℃に加熱されるが、窒素反応槽215の材料はステンレス鋼としてもよい。一例として、窒素反応槽215の材料はニッケル合金としてもよい。
窒素除去剤211を通過した希ガスは、窒素反応槽215から排出管222を通って排出される。窒素除去装置27から排出された希ガスは、第2熱交換器31に移送される。第2熱交換器31は、希ガスを冷却する伝熱管233と、流出バルブ231とを備えている。第2熱交換器31は、空冷式の熱交換器であり、簡素な構成で希ガスを冷却することができる。窒素除去装置27から排出されるガスは高温であるため、機器の破損を招来することがある。そのため、第2熱交換器31は、伝熱管233を蛇行状に長くした空冷式の熱交換器である。
流出バルブ231は、伝熱管233に取り付けられている。本実施形態では、流出バルブ231は手動で開閉される手動弁である。窒素除去装置27から排出された希ガスは、伝熱管233において、大気との間で熱交換されることによって冷却される。流出バルブ231は、通常運転時には開かれている。伝熱管233を通過した希ガス(冷却された希ガス)は第2熱交換器31から排出される。第2熱交換器31から排出される希ガスは、不純物が完全に除去された希ガスである。
以上のように、希ガス回収装置15は、エキシマレーザー発振装置1で使用された希ガスに混入したCFなどのPFC(パーフルオロカーボン)や、Nを始めとする不純物を完全除去し、希ガスを高純度かつ高回収率で精製することができる。特に、フッ素化合物除去装置20は、アルミナ(Al)の触媒作用により、約600℃と比較的低温でPFCなどのフッ素化合物を除去することができる。また、窒素除去装置27は、窒素を含んだ希ガスを窒素除去剤211に接触させながら窒素除去剤211を加熱することによって、希ガスに混入した窒素を除去するため、希ガス回収装置を小型化、かつ簡素化することができる。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1 エキシマレーザー発振装置
5 レーザーチャンバ
8 フッ素供給ボンベ
15 希ガス回収装置
20 フッ素化合物除去装置
21 副生成物除去装置
23 酸素除去装置
27 窒素除去装置
30 第1熱交換器
31 第2熱交換器
33 昇圧ポンプ
37 貯留タンク
43 タンク圧力センサ
47 配管圧力センサ
55 開閉弁
60 リリーフ弁
63 機械式リリーフ弁
69 希ガス供給弁
71 希ガス排出弁
80 ガス移送管
81 ベント配管
82 分岐配管
83 第1循環配管
85 第2循環配管
95 フッ素供給配管
100 動作制御部
110 減圧弁
121 フッ素化合物分解処理剤
123 フッ素化合物分解処理剤ヒーター
125 フッ素化合物反応槽
127 フランジ
130 蓋
131 流入管
132 排出管
133 ボルト
135 ナット
137 シール部材
140 流入バルブ
141 流出バルブ
143 伝熱管
151 副生成物除去剤
152 アルカリ剤
153 合成ゼオライト
155 副生成物反応槽
157 フランジ
160 蓋
161 流入管
162 排出管
163 ボルト
165 ナット
167 シール部材
170 流入バルブ
171 流出バルブ
181 酸素除去剤
185 酸素反応槽
187 フランジ
190 蓋
191 流入管
192 排出管
193 ボルト
195 ナット
197 シール部材
200 流入バルブ
201 流出バルブ
211 窒素除去剤
213 窒素除去剤ヒーター
215 窒素反応槽
217 フランジ
220 蓋
221 流入管
222 排出管
223 ボルト
225 ナット
227 シール部材
230 流入バルブ
231 流出バルブ
233 伝熱管

Claims (7)

  1. エキシマレーザー発振装置で使用された希ガスに混入した不純物を除去し、前記希ガスを回収する希ガス回収装置であって、
    前記希ガスの流路を形成するガス移送管と、
    前記ガス移送管に接続されたフッ素化合物除去装置と、
    前記ガス移送管に接続され、前記フッ素化合物除去装置で発生した副生成物であるCO 、H O、NO を除去する副生成物除去装置と、
    前記ガス移送管に接続された酸素除去装置と、
    前記ガス移送管に接続された窒素除去装置と、
    前記ガス移送管に接続され、かつ前記希ガスの流れ方向に関して前記フッ素化合物除去装置の下流側に配置された第1熱交換器と、
    前記ガス移送管に接続され、かつ前記希ガスの流れ方向に関して前記窒素除去装置の下流側に配置された第2熱交換器を備え、
    前記フッ素化合物除去装置は、非晶質AlとCaOとの複合酸化物を少なくとも含むフッ素化合物分解処理剤と、前記フッ素化合物分解処理剤を囲むように配置されたフッ素化合物分解処理剤ヒーターとを備え、
    前記窒素除去装置は、ジルコニウム合金を少なくとも含む窒素除去剤と、前記窒素除去剤を囲むように配置された窒素除去剤ヒーターとを備えている希ガス回収装置。
  2. 前記ガス移送管に接続され、かつ前記希ガスの流れ方向に関して、前記フッ素化合物除去装置、前記副生成物除去装置、前記酸素除去装置、および前記窒素除去装置の下流側に配置された貯留タンクと、
    前記ガス移送管に接続され、前記貯留タンク内の前記希ガスを昇圧する昇圧ポンプとを備えている、請求項1に記載の希ガス回収装置。
  3. 前記フッ素化合物分解処理剤ヒーターは、前記フッ素化合物分解処理剤を550℃~650℃の範囲内で加熱するように構成されている、請求項1または2に記載の希ガス回収装置。
  4. 前記窒素除去剤ヒーターは、前記窒素除去剤を370℃~430℃の範囲内で加熱するように構成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の希ガス回収装置。
  5. 前記副生成物除去装置は、副生成物除去剤を備え、
    前記副生成物除去剤は、アルカリ剤と合成ゼオライトの組合せである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の希ガス回収装置。
  6. 前記フッ素化合物除去装置は、
    前記フッ素化合物分解処理剤を保持するフッ素化合物反応槽と、
    前記希ガスの流れ方向に関して前記フッ素化合物反応槽の上流側に配置された蓋とをさらに備え、
    前記フッ素化合物反応槽は、その開口部に前記蓋と接続するためのフランジを有し、
    前記フッ素化合物除去装置は、前記フランジと前記蓋との間に配置されたシール部材をさらに備え、
    前記シール部材は、金属製のOリングである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の希ガス回収装置。
  7. 前記フッ素化合物除去装置、前記副生成物除去装置、前記酸素除去装置、および前記窒素除去装置は、この順に前記ガス移送管によって直列に連結されている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の希ガス回収装置。
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