JP7164120B2 - 低安定性飲料容器に対応した回転ロッドコンベヤ 並びにこれを具えた容器処理装置 - Google Patents
低安定性飲料容器に対応した回転ロッドコンベヤ 並びにこれを具えた容器処理装置 Download PDFInfo
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Description
このようなパストライザ等を具えた殺菌処理ラインでは、容器が一般的に縦長で安定性が低いことから、転倒等のおそれを回避するためコンベヤ装置に多くの工夫が施されている。
また、このような対策が採られていたとしても、容器搬送方向下流側で何らかの不具合が生じたときには、搬送ラインを停止させたり、少しずつ歩進的に移動させたりしなければならない事態が生じる。
このようなことからコンベヤ装置は、搬送ラインの全長を一基のコンベヤで形成するのではなく、搬送ラインを適宜の長さに分断したコンベヤ(これをユニットコンベヤと称する)を連続して構成されることがあり、例えば複数のユニットコンベヤを個々に制御し、全体の搬送ラインを分断制御する試みも成されている(例えば特許文献1参照)。
このような構成に因み、以下のような理由から理想的な搬送環境を得ることが難しいものであった。
まず第一の理由は、トップチェーンコンベヤが、全体としてベルト状であり、その駆動系、例えばドライブスプロケット、ターンスプロケット等を考慮すると最短の分断寸法(ユニットコンベヤの一単位の搬送方向寸法)は、概ね600mm以下には設定できず、これよりも細かい寸法での独立搬送・独立制御は、当然、行い得ない。
第二の理由は、トップチェーンコンベヤが全体としてベルト状であるため、その戻り部分たるリターン部分、すなわち実搬送作用面の下方が一定のスペースをとってしまう。
また第三の理由は、トップチェーンコンベヤの各要素リンクと軸とは、要素毎に摺動接合されており、その摩耗は避けられず、更に樹脂製の要素リンクの場合、温水、塩素等による素材の劣化も避けられないため、一定の稼働時間間隔でのメンテナンスや部品交換が必要となっており、この費用が過大な負担となっていた。
フレームに対し、適宜の長さを有する円形断面のロッド本体が複数本、並設状態に回転自在に支持され、
この並設された複数本のロッド本体の上面がコンベヤの搬送面を構成するとともに、
各ロッド本体は、それぞれが同じ向きに回転駆動され、
これによりロッド本体の上面に直に載せた、飲料容器である被搬送物を、ロッド本体の並設方向に搬送するように構成され、
更に前記ロッド本体が形成する搬送面は、搬送中の被搬送物が転倒しない見掛け平滑面として構成され、
且つ当該見掛け平滑面は、側面視、下方先端が直角を成す深さゲージを、隣接するロッド本体間に真っ直ぐ差し込んだ際、搬送面から深さゲージの先端までの深さ寸法が3.4mm~5.5mmに設定されていることを特徴として成るものである。
フレームに対し、適宜の長さを有する円形断面のロッド本体が複数本、並設状態に回転自在に支持され、
この並設された複数本のロッド本体の上面がコンベヤの搬送面を構成するとともに、
各ロッド本体は、それぞれが同じ向きに回転駆動され、
これによりロッド本体の上面に直に載せた、飲料容器である被搬送物を、ロッド本体の並設方向に搬送するように構成され、
更に前記ロッド本体が形成する搬送面は、搬送中の被搬送物が転倒しない見掛け平滑面として構成され、
且つ前記ロッド本体の配設ピッチ寸法は、ロッド本体の直径比で1.1~1.5の範囲に設定されることを特徴として成るものである。
前記ロッド本体の長さ寸法は、ロッド本体の直径比で50~2000の範囲に設定されることを特徴として成るものである。
前記各ロッド本体の直径は、3mm~20mmに設定されることを特徴として成るものである。
前記搬送面は、短寸の搬送方向寸法を有するユニットコンベヤを一単位とし、これを複数連続させることによって構成され、このユニットコンベヤは、搬送方向寸法が100mm~500mmに設定されることを特徴として成るものである。
前記並設されたロッド本体は、一端に回転駆動の入力端が設定された群に属するものと、他端に回転駆動の入力端が設定された群に属するものとが交互に設けられていることを特徴として成るものである。
前記一端に回転駆動の入力端が設定されたロッド本体の群と、他端に回転駆動の入力端が設定されたロッド本体の群とは、更に別々の駆動源によって駆動される二つの群に分けられることを特徴として成るものである。
前記請求項1から7のいずれか1項記載の、低安定性飲料容器に対応した回転ロッドコンベヤを、熱処理装置またはアキューム装置の搬送機器として適用したことを特徴として成るものである。
前記熱処理装置は、熱処理を行わない場合においてアキューム装置の作用を兼用するものであることを特徴として成るものである。
そしてこれら各請求項記載の発明を手段として前記課題の解決が図られる。
またロッド本体を並設して構成される搬送面たる見掛け平滑面は、深さゲージがロッド本体間に入り込む深さ寸法によって規定するため、搬送中の被搬送物が転倒しない見掛け平滑面を具体的に実現することができる。
また当該回転ロッドコンベヤをアキューム装置として適用した場合、複数のユニットコンベヤを連続させて搬送面を構成した場合には、細かく分断されたユニットコンベヤ毎に、搬送速度や搬送のON-OFFの制御が行え、被搬送物を搬送方向に対しほぼ直交状態に貯留して行くことができる。このため、より多くの被搬送物を当該回転ロッドコンベヤ上に貯留することができる。
なお本明細書に記載する「容器処理装置」とは、容器に加熱処理や冷却処理を行う熱処理装置と、容器を蓄積・待機処理するアキューム装置Aとを包含するものである。ここで熱処理装置の代表例としては、飲料を充填した容器を加熱・殺菌するパストライザPaが挙げられる。またアキューム装置Aの場合には、回転ロッドコンベヤ1上に容器を貯留するため、当該コンベヤをアキュームコンベヤと称することがある。
回転ロッドコンベヤ1の構成は、フレームFに対し(図3参照)、円形断面のロッド本体2が複数本、並設状態に回転自在に支持され、この並設された複数本のロッド本体2の上面がコンベヤの搬送面2Cを構成する。
各ロッド本体2は、それぞれが同じ向きに回転駆動され、これにより搬送面2C上の被搬送物Bを搬送するものである。なおロッド本体2の並設方向を搬送方向とし、ロッド本体2の軸方向を幅方向(コンベヤの幅方向)とするものである。
そして本発明の大きな特徴としては、細径のロッド本体2を適用し、これを密に併設して、例えば図5に示すような、互いに隣接するロッド本体頂部間で構成される「可支承ピッチ寸法」が極めて小さいコンベヤを構成し得るものである。なお、このような構成上、各ロッド本体2の間に形成される隙間は小さく、コンベヤの搬送面2Cは、搬送中、被搬送物Bを転倒させない見掛け上の平滑面を構成するものであり、この搬送面2Cを「見掛け平滑面」と称することがある。
見掛け平滑面とは、上述したように、搬送方向に並設されたロッド本体2が構成する搬送面2Cを指すものであり、具体的には一例として図8に示すように、側面から視て下方先端が直角を成す板状の深さゲージGを、隣接するロッド本体2の間に、上方から真っ直ぐに差し込んだ際、搬送面2Cから深さゲージGの先端までの深さ寸法が3.4mm~5.5mmに設定される搬送面2Cを指す。
なお、ロッド本体2の径寸法にもよるが、配設ピッチが広くなれば、ロッド本体2同士の間隙が大きくなるため、上記深さ寸法も大きくなる。従って、この深さ寸法が大き過ぎると、見掛け平面とは言えないものである。
一方、配設ピッチが狭くなれば、ロッド本体2同士の間隙が小さくなるため、上記深さ寸法も小さくなる。ただし、この深さ寸法が小さ過ぎると、ロッド本体2が密になり過ぎ、ロッド本体2同士が干渉してしまい、搬送面2Cを構成し得ない。このため本実施例では、搬送面2Cから深さゲージGの先端までの深さ寸法を上記の範囲に規定したものである。因みに、図8では深さゲージGに目盛り、つまり下方先端からの目盛り(mm単位)を付している。
また当然ながら、上記のように密に配置されたロッド本体2全てを回転駆動するに当たっては、その回転駆動機構5を構成する部材相互のスペース的な干渉を防止するための機構が求められる。
以下、このような構成を実現するための回転駆動機構5について説明する。
回転駆動機構5は、複数のロッド本体2を同じ向きに回転駆動させる機構であり、ここでは一例として図2~図4に示すように、スプロケット50及びチェーン51によって駆動が伝達される。すなわち回転駆動機構5は、フレームFに設けられた軸受3の外側に突出したロッド本体2の端部付近に設けられるスプロケット50と、このスプロケット50に巻回されるチェーン51とを具えて成り、駆動源(モータ)Mから入力される回転駆動力を各ロッド本体2に伝達するように構成される。
またロッド本体2は、例えば6m(6000mm)程度の長い軸方向寸法を有し得ることから、例えば図1(a)に示すように、ロッド本体2の撓みを防止すべく、ロッド本体2を下方から受ける樹脂製等の支持体6が、フレームF上に設けられるものであり、この支持体6は、例えばロッド本体2の長手方向において一例として五個所設けられる。ここで図1(c)等に記載されたロッド本体2に関する寸法は、あくまでも一例である。
因みに、各ロッド本体2を確実に回転駆動させるには、このものに設けられる各スプロケット50を通常、ロッド本体2よりも大きな径に形成することが求められ、本実施例においても上記図2に示すように、このような大小関係で構成されている。ここで本発明では、上述したようにロッド本体2の径が小さく、また配設ピッチも小さいことから、隣接するロッド本体2に設けられるスプロケット50は、一例として図2(c)に示すように、本図中の下端と上端とに交互に配置され、回転伝達が円滑に行えるように構成されている。
なお例外的に、次のロッド本体2に回転伝達する必要のないロッド本体2、すなわちロッド本体221、222、223、224には、それぞれスプロケットが一枚のみ設けられており、これを各々521a、522a、523a、524aとする。
一方、ロッド本体の他端(図2中では上端)に回転駆動の入力端が設定された左端駆動群2Lは、奇数番目のロッド本体201、203・・・223を構成要素とする。
ここで、上記駆動群を区別するための左右は、回転ロッドコンベヤ1の搬送方向から観た左右であり、これはスプロケット50(501~524)等についても同様に用いるものとする。
具体的には、例えば図2に示すように、右第一群2R1は駆動源M1によって駆動され、右第二群2R2は駆動源M2によって駆動されるものである。また左第一群2L1は駆動源M3によって駆動され、左第二群2L2は駆動源M4によって駆動されるものである。
なお、右端駆動群2Rに属するロッド本体2(または左端駆動群2Lに属するロッド本体2)を、更に別々の駆動源M1、M2(またはM3、M4)によって駆動することで、ロッド本体202に設けられたスプロケット502と、ロッド本体204に設けられたスプロケット504とを干渉させることなく、円滑に駆動することができる。すなわち、ロッド本体2よりも大きな径となるスプロケット50は、例えば図2(d)に示すように、側面視状態では重なり合って交差状態となるが、平面視状態では例えば図2(c)に示すように互い違い状態に配置され、これを別々の駆動源M1、M2で駆動することにより、スプロケット50(特にここでは502と504)を干渉させることなく、円滑に駆動することができる。
具体的には、四つ毎、つまり三つ置きのロッド本体2に設けられたスプロケット50の間にチェーン51が巻回されるものであり、例えば左第一群2L1では、一番目のロッド本体201に設けられるスプロケット501aと、五番目のロッド本体205に設けられるスプロケット505aとの間にチェーン51が巻回されている。また、この五番目のロッド本体205に設けられるもう一つのスプロケット505bと、九番目のロッド本体209に設けられるスプロケット509bとの間にチェーン51が巻回されている。更に、この九番目のロッド本体209に設けられるもう一つのスプロケット509aと、十三番目のロッド本体213に設けられるスプロケット513aとの間にチェーン51が巻回されており、順次、このようにして最終的に二十一番目のスプロケット521aを具えるロッド本体221まで回転駆動力が伝達される。
なお、左第二群2L2、右第一群2R1、右第二群2R2についても同様に、四つ毎、つまり三つ置きのロッド本体2に設けられたスプロケット50の間にチェーン51が巻回され、駆動源M(M4、M1、M2)から入力された回転駆動が、順次、各ロッド本体2へと伝達される構成となっている。
もちろん充分なテンションが得られるのであれば、例えば図4(b)に示すように下部スプロケット52を設けない構成とすることもできる。
まずロッド本体2の直径寸法は、3mm~20mmであり、特に本実施例では一例として図5に示すように10mmである。
またロッド本体2の配設ピッチ(寸法)は、ロッド本体2の直径比で1.1~1.5の範囲であり、特に本実施例では12mmである。因みに、本実施例の上記比(ロッド本体直径比)としては、1.2となる。
もちろん、その考え方自体はあったが、本発明ではこのユニットコンベヤ101~135の単位搬送長さを従来よりも格段に短寸化させたものである。具体的には従来600mm以下には設定できなかったものが、本発明では100mm~500mm程度に短寸化することができ(特に本実施例では後述するように約300mmに短寸化した)、これにより全体の搬送ラインたる回転ロッドコンベヤ1を、より細かく制御することができるものである。
この点、本発明では、例えば直径約10mm程の小径のロッド本体2を密に連接して搬送面2Cを構成するとともに、一基のユニットコンベヤ101~135の搬送方向寸法を300mm程に短寸化することができるため、一例として図14(b)に示すように、各ユニットコンベヤ101~135間に形成される谷間が極めて小さく、並設したロッド本体2によって構成される搬送面2Cは、極めてフラットに近い、ほぼ平滑な面として形成される。このため従来の搬送ラインで必要となっていた固定中継部材Cは必要なくなり(または極めて小さい中継部材で済み)、被搬送物Bの移送が、より一層、確実に行えるものである。
式(1):D50<4P-D2
D50:スプロケットの直径
D2 :ロッド本体の直径
P:ロッド本体の配設ピッチ寸法(可支承ピッチ寸法)
またロッド本体2として金属丸棒を用い、その長さ(コンベヤの幅方向長さ)Lを3897mmとした。因みに規格品の金属丸棒を用いる場合、最長6000mm程度のものが流通しているため、6m程度の長さのロッド本体2を形成することも可能である。
また、このようなことからロッド本体2の長さ寸法は、ロッド本体直径比で50~2000の範囲とされる。
すなわち本発明の回転ロッドコンベヤ1によれば、被搬送物Bとして搬送時の安定性が得にくい高さ200mm程・外形直径65mm程であって、接地部に五つの突起を有した、底部が花弁状のペットボトル、いわゆるペタロイド型のペットボトルであっても、これを転倒させることなく安定して搬送できることが本出願人によって確認されている。
また、被搬送物Bが直径20mm程のアンプル瓶であっても、これを転倒させることなく搬送できることも、本出願人によって確認されている。
なお、本実施例では、回転ロッドコンベヤ1の搬送速度は、300mm~1500mm/分(5mm~25mm/秒)とされ、このような運転のための駆動源M1~M4の出力は、数ワットのもので対応することができた。
まず図9(a)は、ペタロイド型のペットボトルの五つのペタロイド(接触面)の初期位置を図示している。ペタロイドは、ボトル底部に放射状に配設された五つの足のような突起であるため、一周の五等分である72度を更に十等分ずつ、つまり7.2度ずつ回転させた(ずらした)位相差で、被搬送物Bの初期位置を想定した。因みにペタロイドは、平滑な接地面に対しては、略矩形状を成す平面で接触するものである。このため断面円形状を成すロッド本体2に対しては、ペタロイドの矩形状平面(底面)と、ロッド本体2の頂部との交わり部分が接触点(接触線)となり、厳密には線接触となる。また、そのため本明細書に記載する「接触点」とは、被搬送物Bの底面がロッド本体2の頂部と接触する個所とも言える。
更に図9(c)は、上記初期位置から被搬送物Bが、ロッド本体2の配設ピッチの半分、つまりここでは6mmだけ搬送方向に移動(前進)した状態で、ロッド本体2との接触点を示したものである。ここで配設ピッチの半分の移動量(前進量)を想定したのは、例えば位相差0度のときロッド本体2の頂部に接触していた図9(b)の上部のペタロイドが、6mmの前進によってロッド本体2と非接触となり、最も接触点が少ない状況を想定したためである。なお、図9(c)における各位相差の被搬送物Bの様子から、被搬送物Bの位相差の状況(回転状況)によっては、ロッド本体2との接触点が二点(少なくとも二点以上)となることが分かった。ただし、この状態でも、上述したように搬送中の被搬送物Bが転倒しないことが本出願人によって確認されている。
被搬送物Bは、上記のように搬送中、搬送方向への移動や被搬送物自身の位相差(回転)などによってロッド本体2との接触位置が変化し、ロッド本体2と二点(二個所)しか接触しないことがあり得る。しかしながら、ペタロイドの底部は、丸みを帯びており、上記のように平面で搬送面2Cとなるロッド本体2と接触し、厳密には点接触ではなく、線接触となる。
このように複数のロッド本体2によって見掛け平滑面を構成した回転ロッドコンベヤ1にあっては、搬送中、被搬送物Bの接触点が二点となった場合でも、被搬送物Bが、転倒する傾きまで達しないことから平面搬送が可能となる。もちろん三点以上接触の場合には、被搬送物Bの傾きは搬送面2Cとほぼ同等となり、ほとんど傾くことなく、平面搬送が可能となる。
具体的には本発明の回転ロッドコンベヤ1を搬送機器として適用したパストライザPaは、一例として図1(b)・(c)に示すように構成される。また本発明の回転ロッドコンベヤ1を搬送機器として適用したアキューム装置Aは、一例として図13-1(a)・(b)に示すように構成される。更にまた、本発明の回転ロッドコンベヤ1を搬送機器として適用したウォーマー等の熱処理装置は、一例として図13-2(a)・(b)に示すように構成される。ここで特に図13-2(b)では、当該ウォーマーの熱処理を一時的に止めて、被搬送物Bをアキュームする制御の一例を併せて示している。これは熱処理装置の搬送機器たる回転ロッドコンベヤ1を、アキュームコンベヤとして兼用する形態である。このようにパストライザPaにおいても、熱処理を一時的に止めて、被搬送物Bをアキュームすることができる。
まず本発明の回転ロッドコンベヤ1は、各ユニットコンベヤ101~135の搬送方向寸法(搬送距離)を、100mm~500mmと極めて短寸に設定することができる。このため、搬送ラインたる回転ロッドコンベヤ1を、複数のユニットコンベヤ101~135を連接して構成し、各ユニットコンベヤ101~135を分断制御することにより、最小限のエリアで搬送・非搬送の選択や搬送速度の調整を行うことができる。この結果、回転ロッドコンベヤ1を、被搬送物Bを搬送面2C上で一時的に貯め置くアキューム装置Aの搬送機器とするような場合でも、短寸のユニットコンベヤ101~135毎に稼働状況を制御して、より細かな貯留状況を実現することができる。
例えばウォーマーの搬送機器である回転ロッドコンベヤ1は、当初、どのユニットコンベヤ101~135も5倍速で稼働しているとする。ここで回転ロッドコンベヤ1より下流の排出側で、何らかのトラブルにより被搬送物Bの移送が停止した場合には、一例として図13-2(b)に示すように、回転ロッドコンベヤ1において最も下流側に位置するユニットコンベヤ135を1倍速に落とす。この際、他のユニットコンベヤ101~134は、5倍速のまま、搬送速度を維持する。このような操作により最下流側のユニットコンベヤ135上に、被搬送物Bが徐々に貯留されて行く。
そして、最下流側のユニットコンベヤ135が、被搬送物Bでいっぱいになったら(センサーで検知したら)、次は、その直ぐ上流側のユニットコンベヤ134の速度を1倍速に落とす。
以下、このような操作を繰り返し行うことで、搬送寸法が短い下流側のユニットコンベヤ135から順次、被搬送物Bを貯留して行くことができる。
これに対し、本実施例では、上述したようにユニットコンベヤ101~135の搬送方向寸法を短寸化し、下流側のユニットコンベヤ135から順次、被搬送物Bを貯留して行くことができるため、一例として図10(b)に示すように、幅方向中央部の貯留量と、幅方向両端部の貯留量との差が生じ難く、搬送方向に対してほぼ直交線を描くように被搬送物Bを貯留して行くことができる。従って、本実施例では、より多くの量の被搬送物Bを搬送面2C上に貯留することができ、とりわけロッド本体2の長さ寸法(コンベヤの幅寸法)を6mの幅広状とした場合には、より一層、大量の被搬送物Bを搬送面2C上に貯留することができる。
因みに〔背景技術〕で述べた既存のトップチェーンコンベヤの場合、単位ユニットコンベヤ毎の搬送方向寸法は最短でも600mm程にしかできないため(図10(a)参照)、分断制御することのできるエリアをこれ以下とすることができなかった。また樹脂製の要素リンクの規格品の幅寸法は、強度上3500mm程度が限界であり(図10(a)参照)、本実施例で述べた6m(6000mm)は到底、実現することはできなかった。
また既存のトップチェーンコンベヤの場合、要素リンクと軸とは要素毎に摺動接合されているため、その摩耗は避けられず、更に樹脂製の要素リンクの場合、温水や塩素等による素材の劣化も避けられないため、一定の時間間隔でのメンテナンスや部品交換が必要となっており、このランニングコストが極めて過大なものとなっていた。もちろん、不要になった樹脂製の要素リンク等を廃棄するにあたっても、相応の処理費用が必要になっており、樹脂の廃棄物処理自体が、一層、大きな負担となっていた。
また、本発明の回転ロッドコンベヤ1を搬送機器として適用したパストライザPaであって、特にその後段にアキューム装置Aを設けていない場合であっても、上述したようにパストライザPaの温水R1や冷水R2の供給を一時的に停止させ、回転ロッドコンベヤ1をアキューム装置Aとして機能させることも可能である。すなわち、これはパストライザPaそのものを必要に応じてアキューム装置Aとして作用させる手法であり、この場合にも移動長の短いユニットコンベヤ101~135を複数連続させているため、状況に応じて各ユニットコンベヤ101~135を細かく分断制御することができる。
本発明は以上述べた実施例を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。
まず、上述した基本の実施例では、例えば上記図2に示すように、回転駆動機構5について左第一群2L1、左第二群2L2、右第一群2R1、右第二群2R2を各々二列のスプロケット50で構成した。しかしながら、回転駆動機構5は、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば図6に示すように、左第一群2L1、左第二群2L2、右第一群2R1、右第二群2R2を各々一列のスプロケット50で構成することが可能である(言わば簡素化)。具体的には、一端(図6中では下端)に回転駆動の入力端が設定された群に属するロッド本体2と、他端(図6中では上端)に回転駆動の入力端が設定された群に属するロッド本体2とが交互に設けられており、更に各群のロッド本体2は、別々の駆動源M1、M2(M3、M4)によって駆動される二つの群、例えば右第一群2R1、右第二群2R2(左第一群2L1、左第二群2L2)に分けられるものであり、且つこれらの群は、個々のロッド本体2に各々設けられるスプロケット50が、同一のチェーン51によって駆動されるものである。
より詳細には、四つ毎、つまり三つ置きのロッド本体2に設けられたスプロケット50の間にチェーン51が巻回されるものであり、例えば左第一群2L1では、六枚のスプロケット501、505、509・・・521に一本のチェーン51が巻回される。また左第二群2L2、右第一群2R1、右第二群2R2についても同様に、四つ毎のロッド本体2に設けられたスプロケット50間にチェーン51が巻回される。
またこの改変例では、基本の実施例で示した回転ロッドコンベヤ1のスプロケット50と同じ径のスプロケット50を用いることができ、スプロケット50の数は約半分で済むものである。
更に基本の実施例で示した回転ロッドコンベヤ1では二十四本のチェーン51を用いたが、この改変例ではチェーン51の数は四本で済むため、組み立てやメンテナンスを容易に行うことができる。
なお、この改変例では、一本のチェーン51によって六枚のスプロケット50を駆動するため、例えばチェーン51のリターン側にテンショナーを設けることにより、歯飛び防止を図ることが望ましい(図12-1(a)参照)。
また、この改変例においては、一例として図6(e)に示すように、右端駆動群2R(左端駆動群2L)を構成する二本のチェーン51をダブルチェーン51Wとすれば、一本のダブルチェーン51Wで駆動を伝達することができ、駆動源M1、M2も一基の駆動源Mで構成することができる。
そして、この改変例で示す回転ロッドコンベヤ1における搬送面2Cも、上記図2で示した基本の実施例の回転ロッドコンベヤ1における搬送面2Cと同様に、直径10mmのロッド本体2を、12mmピッチで配設して形成することができる。
この場合、右端駆動群2R、左端駆動群2Lそれぞれにおいて、各ロッド本体2に設けられるスプロケット50は一直線上に並ぶため、基本の実施例と同じ搬送面2Cを得るためには、スプロケット50の径を基本の実施例よりも小さく設定する必要がある。従って、この場合には、駆動源M1、M2は高出力のものが求められる。
また、この改変例では、例えばロッド本体2の直径寸法に対し、ロッド本体2の配設ピッチが比較的大きくとれ、各ロッド本体2のスプロケット50を、右端側または左端側のどちらかに寄せて位置させることができれば、図7(c)中の左端駆動群2L側のスプロケット50と、右端駆動群2R側のスプロケット50とが互い違いに配設されても、上述したダブルチェーン51Wを適用することで、回転駆動機構5をロッド本体2の右端側(または左端側)に集約させることができる。
なお、図11中の符号「56」は、回転駆動機構5たる駆動ユニットをロッド本体2に着脱自在とするカップリング(軸継手)である。
もちろん回転駆動機構5としては、必ずしもチェーン51(ローラーチェーン71)に限定されるものではなく、例えば図12-1(b)に示すように、タイミングベルト(歯付きベルト)72とプーリ73の組み合わせで、各ロッド本体2に回転を伝達することも可能である。
また、回転駆動機構5としては、例えば図12-2(a)に示すように、丸ベルト74を隣り合うロッド本体2に順次巻回し、隣接するロッド本体2に順次回転を伝達して行くことも可能である。更には図12-2(b)に示すように、互いに噛み合うウォーム75とウォームホイール76の組み合わせによって、各ロッド本体2に回転を伝達することも可能である。
101 ユニットコンベヤ(101~135)
2 ロッド本体(201~224)
2C 搬送面
2R 右端駆動群
2R1 右第一群
2R2 右第二群
2L 左端駆動群
2L1 左第一群
2L2 左第二群
3 軸受
5 回転駆動機構
50 スプロケット(501~524)
51 チェーン
51W ダブルチェーン
52 下部スプロケット
53 ベースフレーム
54 台座
56 カップリング
6 支持体
71 ローラーチェーン
72 タイミングベルト(歯付きベルト)
73 プーリ
74 丸ベルト
75 ウォーム
76 ウォームホイール
A アキューム装置
B 被搬送物
C 固定中継部材
F フレーム
G 深さゲージ
M 駆動源(モータ)(M1~M4)
Pa パストライザ
R1 温水
R2 冷水
Claims (9)
- フレームに対し、適宜の長さを有する円形断面のロッド本体が複数本、並設状態に回転自在に支持され、
この並設された複数本のロッド本体の上面がコンベヤの搬送面を構成するとともに、
各ロッド本体は、それぞれが同じ向きに回転駆動され、
これによりロッド本体の上面に直に載せた、飲料容器である被搬送物を、ロッド本体の並設方向に搬送するように構成され、
更に前記ロッド本体が形成する搬送面は、搬送中の被搬送物が転倒しない見掛け平滑面として構成され、
且つ当該見掛け平滑面は、側面視、下方先端が直角を成す深さゲージを、隣接するロッド本体間に真っ直ぐ差し込んだ際、搬送面から深さゲージの先端までの深さ寸法が3.4mm~5.5mmに設定されていることを特徴とする、低安定性飲料容器に対応した回転ロッドコンベヤ。
- フレームに対し、適宜の長さを有する円形断面のロッド本体が複数本、並設状態に回転自在に支持され、
この並設された複数本のロッド本体の上面がコンベヤの搬送面を構成するとともに、
各ロッド本体は、それぞれが同じ向きに回転駆動され、
これによりロッド本体の上面に直に載せた、飲料容器である被搬送物を、ロッド本体の並設方向に搬送するように構成され、
更に前記ロッド本体が形成する搬送面は、搬送中の被搬送物が転倒しない見掛け平滑面として構成され、
且つ前記ロッド本体の配設ピッチ寸法は、ロッド本体の直径比で1.1~1.5の範囲に設定されることを特徴とする、低安定性飲料容器に対応した回転ロッドコンベヤ。
- 前記ロッド本体の長さ寸法は、ロッド本体の直径比で50~2000の範囲に設定されることを特徴とする請求項1または2記載の、低安定性飲料容器に対応した回転ロッドコンベヤ。
- 前記各ロッド本体の直径は、3mm~20mmに設定されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の、低安定性飲料容器に対応した回転ロッドコンベヤ。
- 前記搬送面は、短寸の搬送方向寸法を有するユニットコンベヤを一単位とし、これを複数連続させることによって構成され、このユニットコンベヤは、搬送方向寸法が100mm~500mmに設定されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の、低安定性飲料容器に対応した回転ロッドコンベヤ。
- 前記並設されたロッド本体は、一端に回転駆動の入力端が設定された群に属するものと、他端に回転駆動の入力端が設定された群に属するものとが交互に設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の、低安定性飲料容器に対応した回転ロッドコンベヤ。
- 前記一端に回転駆動の入力端が設定されたロッド本体の群と、他端に回転駆動の入力端が設定されたロッド本体の群とは、更に別々の駆動源によって駆動される二つの群に分けられることを特徴とする請求項6記載の、低安定性飲料容器に対応した回転ロッドコンベヤ。
- 前記請求項1から7のいずれか1項記載の、低安定性飲料容器に対応した回転ロッドコンベヤを、熱処理装置またはアキューム装置の搬送機器として適用したことを特徴とする容器処理装置。
- 前記熱処理装置は、熱処理を行わない場合においてアキューム装置の作用を兼用するものであることを特徴とする請求項8記載の容器処理装置。
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