JP7161978B2 - 除染システム及び除染方法 - Google Patents

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本発明は、除染システム及び除染方法に関する。
無菌製剤(注射剤等)の工場等では、例えば、局所的に高い清浄度空間を形成するための設備としてクリーンブースが使用される。クリーンブースは例えば気流循環型クリーンブース(クローズドクリーンブース)である。クリーンブースでは、無菌性の維持、ロットの切り替え等により、除染が行われる。除染は、例えば過酸化水素を含むガス(過酸化水素含有ガス)のクリーンブースへの供給により行われる。
除染には、乾式除染及び湿式除染の2つの除染方式が知られている。乾式除染では、過酸化水素含有ガスがクリーンブースの内表面に接触することで、内表面の除染が行われる。湿式除染では、過酸化水素ガスをクリーンブースの内表面で凝縮させ、生成した過酸化水素の結露液(液体の過酸化水素)が内表面と接触することで、内表面の除染が行われる。
クリーンブースの除染に関する技術として、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、除染において過酸化水素蒸気の室内凝縮が生じるか否かを正確に判定できるようにすることが記載されている(例えば要約書参照)。
特開2011-244891号公報
特許文献1に記載の技術では、除染対象空間の内表面温度に基づいた除染方式そのものの決定は行われていない。即ち、実行される除染方式(乾式除染又は湿式除染)による除染時に、除染対象空間の内表面温度に基づいて除染条件等が設定されるに過ぎない(例えば特許文献1の段落0082、0091参照)。このため、特許文献1に記載の技術では、内表面での過酸化水素の凝縮が生じ難い。
一方で、過酸化水素含有ガスによる乾式除染では、除染対象空間の内表面に吸着した(相変化による再凝縮はしていない)過酸化水素分子と除染対象微生物との接触により内表面の除染が行われる。このため、凝縮により生じた高密度の過酸化水素(液体)による湿式除染と比べ、除染力は低い。そこで、高い除染力を目的として高濃度の過酸化水素ガスを用いた乾式除染を行えば、除染に伴う運転コスト(過酸化水素水量、除染後のエアレーション時間蔵増大によるファン運転電気量等)が増大する。
本発明は、運転コストを抑制しながら除染対象空間の内表面を十分に除染可能な除染システム及び除染方法を提供することを課題とする。
本発明は、過酸化水素との接触により除染対象空間の除染を行う除染装置と、前記除染装置の運転を制御する運転制御装置とを備え、前記運転制御装置は、前記除染対象空間の内表面温度を決定する表面温度決定部と、前記表面温度決定部により決定された前記除染対象空間の内表面温度のうち、最も高温の部分を検出する高温検出部と、前記高温検出部により検出された最も高温の部分の温度に基づいて、過酸化水素を含む除染ガスとの接触により前記除染対象空間の内表面の除染を行う乾式除染、又は、前記除染ガスの凝縮により生じた過酸化水素の結露液との接触により前記内表面の除染を行う湿式除染の何れかの除染方式を、前記除染ガスの露点温度をDP(℃)としたときに、前記内表面の温度がDP-2≦T≦DP+2を満たす基準温度T以上であれば前記乾式除染に決定し、前記内表面の温度が前記基準温度T未満であれば前記湿式除染に決定する除染方式決定部と、前記除染方式決定部により決定された除染方式となるように前記除染装置の運転を制御する制御部とを備える除染システムに関する。その他の解決手段は発明を実施するための形態において後記する。
本発明によれば、運転コストを抑制しながら除染対象空間の内表面を十分に除染可能な除染システム及び除染方法を提供できる。
第1実施形態の除染システムの系統図である。 第1実施形態の除染システムに備えられる運転制御装置のブロック図である。 乾式除染時における除染対象空間の内表面を示す模式図である。 湿式除染時における除染対象空間の内表面を示す模式図である。 湿式除染時における除染対象空間の内表面であって、局所的な高温部分を含む内表面を示す模式図である。 第1実施形態の除染方法を示すフローチャートである。 第2実施形態の除染システムに備えられる運転制御装置のブロック図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。ただし、本発明は以下の例に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変形して実施できる。また、複数の実施形態を組み合わせることもできる。同じ部材については同じ符号を付すものとし、重複する説明は省略するものとする。
図1は、第1実施形態の除染システム100の系統図である。図1には、除染システム100によって除染を行う除染対象空間10が併記される。まず、除染対象空間10について説明する。
除染対象空間10は、例えばクリーンブース1の内部に形成されるものである。クリーンブース1は、例えば気流循環型の閉鎖系クリーンブースである。クリーンブース1は、台16及び脚17により、作業室(図示しない)に設置される。クリーンブース1は、内部を気密にする筐体14を備える。筐体14には、除染対象空間10での作業を行うために、作業グローブ15が備えられる。クリーンブース1の内部には、下方が開口した箱体13が備えられる。
箱体13の上面には、箱体13の外部であって筐体14の内部から箱体13の内部に除染ガスG2(図1では図示しない。図3等参照)を供給する換気ユニット12が備えられる。除染ガスG2は、気化器105(後記する)から除染対象空間10に供給された過酸化水素含有ガスG1が除染対象空間10において拡散した気体である。除染ガスG2は、除染対象空間10の内表面を除染する除染剤である。
なお、本明細書において、除染対象空間10の内表面とは、除染対象空間10を臨む面を表す。内表面は、いずれも図示しないが例えば、クリーンブース1の壁面、箱体13の金属製壁面、箱体13の壁面に形成される窓ガラス、換気ユニット12の表面、作業グローブ15の表面等を含む。また、説明の便宜上、「内表面」を単に「表面」をいうことがあり、例えば、後記する「表面」温度決定部301は、除染対象空間10の「内表面」の温度を決定するものである。
換気ユニット12は、いずれも図示しないが、ファン、当該ファンを駆動するモータ、及びHEPAフィルタを備える。ファンの駆動により、筐体14の内部であって箱体13の外部の除染ガスG2は、HEPAフィルタを通り、箱体13の内部に供給される。箱体13の内部に供給された除染ガスG2は、箱体13の下方に形成された開口を通じ、再度筐体14の内部であって箱体13の外部に戻される。
除染対象空間10は、除染対象空間10の内表面温度分布を測定する温度分布測定装置18を備える。温度分布測定装置18は例えば赤外線カメラである。赤外線カメラにより、除染対象空間10の全体の内表面温度分布を容易に測定できる。測定精度を高める観点から、赤外線カメラの分解能は高いことが好ましい。温度分布測定装置18により測定された内表面温度分布は、後記する運転制御装置300に入力される。
温度分布測定装置18は例えば複数の温度計であってもよい。除染対象空間10の内表面の任意の位置に温度計を複数設置することで、除染対象空間10の内表面温度分布を測定できる。除染対象空間10の内表面全体の内表面温度分布を知る観点からは、内表面の全体に分散して複数の温度計を設置することが好ましい。
また、例えば、内表面温度分布を直接的に評価する温度分布測定装置18に代えて、除染対象空間10に設置される発熱源(ポンプ、モータ等)の運転状態(出力)に基づき発熱源の温度を決定する温度決定装置(図示しない)を用いてもよい。例えば、内表面温度は、発熱源の出力に応じて変化する発熱量の変化に起因して変化する。そこで、出力から発熱量を算出することで、発熱に起因する内表面の温度上昇を評価できる。これにより、発熱源の温度を間接的に決定できる。また、温度分布に代えて、最も高温になることが想定される部位表面に一つのみの温度計(温度測定装置)を設定し、最も高温の部分のみの表面温度に基づいて以下の制御を行ってもよい。
除染対象空間10は、除染対象空間10の空間情報を測定する空間情報測定装置110を備える。ここでいう空間情報は、除染対象空間10の過酸化水素濃度(過酸化水素ガス濃度)、湿度、及び空間温度を含む。特に、除染対象空間10には、除染ガスG2が充満する。このため、空間情報測定装置110により、除染ガスG2の過酸化水素濃度(過酸化水素ガス濃度)、湿度、及び温度を測定できる。測定された空間情報は、後記する運転制御装置300に入力され、除染ガスG2の露点温度が算出される。
空間情報測定装置110は、例えば、過酸化水素ガス濃度計、湿度計、及び温度計を含む。なお、本明細書において「湿度」は例えば相対湿度であるが、相対湿度と絶対湿度とは相互に換算できるため、本明細書における「湿度」は絶対湿度でもよい。
除染システム100は、過酸化水素との接触により除染対象空間10の除染を行う除染装置200と、除染装置200の運転を制御する運転制御装置300とを備える。ここでいう過酸化水素との接触とは、詳細は後記するが、気体の過酸化水素(除染ガスG2中の過酸化水素ガス)との接触、及び、液体の過酸化水素(除染ガスG2に含まれる過酸化水素ガスの凝縮により生じた過酸化水素の結露液)の双方を含む。
除染装置200は、三方弁101と、過酸化水素の分解触媒102と、除湿器103と、ファン104と、気化器105と、ポンプ106,113と、変圧調整器106aと、タンク107,112と、予熱器111とを備える。これらのうち、三方弁101と、分解触媒102と、除湿器103と、ファン104と、予熱器111と、気化器105とは、除染対象空間10の内外でガスが循環するように設置されたダクト(図示しない)に設置される。三方弁101と、分解触媒102と、除湿器103と、ファン104と、予熱器111と、気化器105とは、過酸化水素供給装置(図示しない)として、一つの装置内に内包されることがある。
三方弁101は、ガス流路を切り替えるものである。三方弁101の切り替えにより、除染ガスG2中の過酸化水素を分解する流路109aと、流路109aをバイパスする流路109bとが切り替えられる。
除染対象空間10の乾式除染時には、三方弁101は、主に分解触媒102及び除湿器103を備える流路109aにガスを流すように制御される。除染対象空間10では、気化器105(後記する)から供給された過酸化水素含有ガスG1に含まれる全ての過酸化水素が除染に使用される訳ではない。従って、未使用の過酸化水素を含む過酸化水素含有ガスG1及び除染ガスG2は、ダクトを通じて内外を循環する。除染対象空間10から排出された除染ガスG2は、まず、分解触媒102に供給される。分解触媒102では過酸化水素が分解され、水が生成する。生成した水は、後段の除湿器103により除湿される。過酸化水素を含まず乾燥したガスは、気化器105に供給される。
気化器105には、過酸化水素を溶解させた水(例えば過酸化水素水)を貯留するタンク107が接続される。このため、気化器105では、タンク107から供給された過酸化水素水が気化し、過酸化水素含有ガスG1が得られる。過酸化水素含有ガスG1は、ファン104の駆動により、除染対象空間10に供給される。なお、過酸化水素含有ガスG1の除染対象空間10での拡散により、除染ガスG2が生成する。
気化器105とタンク107との間には、除染ガスG2の過酸化水素濃度を制御するポンプ106(濃度制御装置)が設置される。ポンプ106の駆動制御により、過酸化水素含有ガスG1の過酸化水素濃度が制御される。これにより、除染対象空間10での過酸化水素含有ガスG1の拡散により生じた除染ガスG2の過酸化水素濃度が制御される。ポンプ106では、変圧調整器106a又はインバータ(図示しない)による回転周波数制御によって回転速度が制御される。変圧調整器106aの電圧制御による回転周波数制御により、タンク107から気化器105に供給される過酸化水素水の供給量が制御される。変圧調整器106aの回転制御は、後記する運転制御装置300によって行われる。
気化器105には、純水を貯留するタンク112が接続される。タンク112と気化器105との間には、除染対象空間10の湿度を調整するために、純水供給用のポンプ113が備えられる。ポンプ113の駆動により、タンク112の純水が気化器105に供給される。気化器105では純水が気化し、高湿度の過酸化水素含有ガスG1が得られる。
ポンプ113では、空間情報測定装置110により測定された空間情報(ここでは特に湿度)によって、オンオフが切り替えられる。具体的には、湿式除染時、過酸化水素水に含まれる水分の気化だけで所望の湿度が得られない場合には、ポンプ113が起動する。これにより、除染対象空間10が加湿され、除染対象空間10での湿式除染が行われる。なお、乾式除染時には、ポンプ113は駆動しない。
ファン104は、一定の回転速度で運転できる。従って、除染は、一定の風量で行うことができる。ただし、例えばファン104をインバータ制御し、例えば必要に応じて、ファン104の回転速度を制御し、風量を変更するようにしてもよい。即ち、幾つかの実施形態では、除染システム100は、過酸化水素を含むガス(例えば過酸化水素含有ガスG1)の除染対象空間10への供給風量を制御するファン104(風量制御装置)を備えることができる。ファン104を備えることで、例えば、湿式除染から乾式除染に素早く移行したい場合には、風量を大きくすることで、除染対象空間10の湿度を素早く低下できる。乾式除染から湿式除染に移行する場合も同様にできる。また、ファン104の制御によって過酸化水素含有ガスG1の除染対象空間10での拡散を促進し、且つ除染対象空間10の内表面に吹き付けられる風量を増やすことで、除染効率を高めることができる。
除染対象空間10では、除染ガスG2の過酸化水素濃度が高いほど、除染力が高い。そこで、除染ガスG2中の過酸化水素ガス濃度は、除染対象空間10において過酸化水素の飽和蒸気圧に近い分圧となる濃度にすることが好ましい。そこで、気化器105の前段に予熱器111が備えられる。予熱器111によりファン104から供給されるガスの温度を上げることで、飽和蒸気圧は高められ、気化器105における過酸化水素含有ガスG1中の過酸化水素量を高めることができる。除染対象空間10での過酸化水素含有ガスG1の拡散により生じた除染ガスG2の過酸化水素量を増加できる。
一方で、三方弁101は、除染対象空間10の湿式除染時には、主に分解触媒102及び除湿器103を迂回する流路109bにガスを流すように制御される。これにより、除染対象空間10から排出された除染ガスG2は、分解触媒102により過酸化水素を分解することなく、気化器105に供給される。気化器105では、上記のように過酸化水素水が気化し、得られた過酸化水素含有ガスG1は、除染対象空間10に供給される。従って、除染対象空間10の湿式除染時には、抜き出した除染ガスG2の過酸化水素濃度よりも高濃度且つ高湿度の過酸化水素含有ガスG1が、除染対象空間10に供給される。除染対象空間10では、露点温度よりも低温、高湿度の部分で過酸化水素の凝集が生じる。凝集により生じた過酸化水素の結露液により、内表面の除染が行われる。
なお、三方弁101は、それぞれの除染方式での除染中、空間情報測定装置110により測定される湿度が設定湿度になるように切り替えられてもよい。例えば、湿式除染中、除染対象空間10の湿度が設定湿度を超えた場合、ポンプ113の停止とともに流路109aに切り替えることで、除湿を行うことができる。これにより、それぞれの除染方式での除染を継続しながら、除染対象空間10の湿度を低下できる。
三方弁101による流路109a,109bの切り替えは、三方弁101に接続されたモータ101aの駆動により行われる。モータ101aの駆動制御は、後記する運転制御装置300によって行われる。
運転制御装置300について、図2を参照しながら説明する。
図2は、第1実施形態の除染システム100に備えられる運転制御装置300のブロック図である。図2には、除染対象空間10及び除染装置200が併記される。運転制御装置300は、除染対象空間10の内表面温度に基づいて、除染対象空間10を乾式除染又は湿式除染のいずれかの除染方式で除染するように除染装置200を制御するものである。ここでいう乾式除染は、過酸化水素を含む除染ガスG2との接触により除染対象空間10の内表面の除染を行うものである。湿式除染は、除染ガスG2の凝縮により生じた過酸化水素の結露液との接触により、除染対象空間10の内表面の除染を行うものである。本実施形態では、運転制御装置300は、一例として、除染対象空間10の内表面温度と除染ガスG2の露点温度とに基づいて、除染方式を決定する。そして、運転制御装置300は、決定した除染方式で除染を行うように、過酸化水素含有ガスG1の湿度を制御する。
運転制御装置300は、表面温度決定部301と、高温検出部302と、露点温度決定部304と、除染方式決定部305と、供給条件推算決定部306と、制御部307とを備える。
表面温度決定部301は、除染対象空間10の内表面温度を決定するものである。決定された内表面温度に基づき、後記する高温検出部302は最高温度を決定する。また、決定された内表面温度に基づき、後記する低温検出部303は最低温度を決定する。除染対象空間10の内表面温度は、例えば温度分布測定装置18により決定できる。決定した内表面温度と、空間情報に基づき決定された露点温度とに基づき、除染ガスG2が内表面と接触した際に、当該内表面で過酸化水素ガスの凝縮が生じるか否かを判断できる。ここで、除染時の除染ガスG2の挙動について、図3~図5を参照しながら説明する。
図3は、乾式除染時における除染対象空間10の内表面を示す模式図である。図3には、除染対象空間10の内表面の一例として、モータ(図示しない)を内蔵する換気ユニット12の表面が図示される。後記する図4及び図5においても同様である。乾式除染時、除染対象空間10に供給される比較的高濃度(例えば数千ppm以上)の過酸化水素ガスを含む過酸化水素含有ガスG1(図3では図示しない。図1参照)は、筐体14内で拡散し、例えば数百ppmの過酸化水素ガスを含む除染ガスG2となる。このため、除染ガスG2の露点温度が除染対象空間10の内表面最低温度以上になり、かつ除染ガスG2の湿度が除染ガスG2の過酸化水素濃度における飽和水蒸気量よりも少なくなるように、過酸化水素含有ガスG1での過酸化水素濃度等が設定される。
換気ユニット12の表面には、除染ガスG2により構成される気体の層21が形成される。層21での気体の過酸化水素濃度は、通常は、除染ガスG2の過酸化水素濃度と同程度かそれ以上である。層21に含まれる過酸化水素ガス分子により、換気ユニット12の表面(除染対象空間10の内表面)が除染される。
図4は、湿式除染時における除染対象空間10の内表面を示す模式図である。湿式除染時、除染ガスG2の過酸化水素ガス成分が換気ユニット12の表面で凝縮し、過酸化水素の結露液である層22が換気ユニット12の表面に生成する。このため、除染ガスG2の露点温度が除染対象空間10の内表面温度以下になり、かつ除染ガスG2の湿度が除染ガスG2の過酸化水素濃度における飽和水蒸気量よりも多くなるように、過酸化水素含有ガスG1での過酸化水素濃度等が設定される。層22に含まれる液体の過酸化水素により、換気ユニット12の表面(除染対象空間10の内表面)が除染される。
気体の層21と液体の層22とでは、過酸化水素の密度が大きく異なる。具体的には、液体の層22における過酸化水素の密度は、気体の層21における過酸化水素の密度よりも大きい。このため、層22に含まれる液体の過酸化水素の物質量は、層21に含まれる過酸化水素ガスの物質量よりも多くなる。従って、湿式除染時に除染ガスG2から層22に移行する過酸化水素は、乾式除染時に除染ガスG2から層21に移行する過酸化水素よりも多くなる。この結果、例えば同じ過酸化水素濃度の過酸化水素含有ガスG1が除染対象空間10に供給された場合、湿式除染時での除染ガスG2の過酸化水素濃度は、乾式除染時での除染ガスG2の過酸化水素濃度よりも低くなる。なお、湿式除染時での気体の過酸化水素濃度は、通常は、過酸化水素の飽和蒸気圧となる濃度である。
図5は、湿式除染時における除染対象空間10の内表面であって局所的高温部分12bを含む内表面を示す模式図である。上記の図4及び図5では、換気ユニット12の表面は均一な温度になっていた。しかし、図5に示す模式図では、他の部分と比べて局所的に高温の部分が含まれている。具体的には、換気ユニット12の表面は、除染ガスG2の露点温度未満(例えば20℃)の通常温度部分12aと、過酸化水素含有ガスG1の露点温度以上(例えば30℃)の局所的高温部分12bとを含む。局所的高温部分12bは、例えば、換気ユニット12に内蔵される発熱源(例えばモータ。図示しない)近くに存在する部分である。局所的高温部分12bでは、例えば発熱源からの発熱により、通常温度部分12aの温度よりも高温になっている。
局所的高温部分12bを含む内表面全体に除染ガスG2が接触すると、通常温度部分12aでは、上記の図4を参照して説明した場合と同様に、液体の過酸化水素を含む層22が生成する。この結果、除染ガスG2の過酸化水素濃度は、通常は、過酸化水素の飽和蒸気圧となる濃度にまで低下する。
一方で、局所的高温部分12bの温度は、除染ガスG2の露点温度よりも高いため、液体の過酸化水素を含む層22は生成しない。このため、局所的高温部分12bでは、気体の過酸化水素を含む層21が生成する。ただし、除染ガスG2の過酸化水素濃度は、通常温度部分12aでの層22の生成により、層22が存在しない場合(即ち層21のみが存在する場合)の除染ガスG2の過酸化水素濃度よりも低い。このため、図5に示す層21での気体の過酸化水素濃度は、乾式除染時に形成される層21(図3参照)での気体の過酸化水素濃度よりも低くなる。
このため、局所的高温部分12bでは、除染に使用される気体の過酸化水素が不足し、過酸化水素による除染が不十分になり易い。この場合、除染対象空間10に供給される過酸化水素含有ガスG1の過酸化水素濃度を上げれば、局所的高温部分12bでの層21の気体の過酸化水素濃度を高めることができる。しかし、このようにすると、通常温度部分12aでの層22に含まれる液体の過酸化水素濃度が過度に増大し、運転コストが増大する。そこで、本実施形態では、以下で説明するように、除染対象空間10の内表面温度に基づき、乾式除染又は湿式除染の何れかの除染方式が決定される。このとき、除染対象空間10の湿度が、選択した除染方式に基いた設定湿度に制御される。このようにすることで、運転コストを抑制しながら除染対象空間10の内表面を十分に除染できる。
図2に戻って、高温検出部302は、表面温度決定部301により決定された除染対象空間10の内表面温度のうち、最も高温の部分(最高温度の部分)を検出するものである。本実施形態では、除染対象空間10の湿度を、選択した除染方式に基いた設定湿度に制御しつつ、検出された最高温度の部分の温度に基づき、後記する除染方式決定部305が除染方式を決定するようになっている。このようにすることで、最も凝縮が生じ難い最高温度の部分であっても、乾式除染又は湿式除染の自動選択により運転コストを抑制しながら十分に除染できる。
低温検出部303は、表面温度決定部301により決定された除染対象空間10の内表面温度のうち、最も低温の部分(最低温度の部分)を検出するものである。低温検出部303により検出された最低温度は、後記する除染方式決定部305による除染方式決定の際に使用される。
露点温度決定部304は、空間情報測定装置110により測定された空間情報に基づいて、除染対象空間10に充満する除染ガスG2の露点温度を決定(推算)するものである。決定された露点温度は、除染方式決定部305に入力される。露点温度は、例えば、除染対象空間10の過酸化水素濃度、湿度、及び空間温度、即ち、除染ガスG2の過酸化水素濃度、湿度、及び温度を用いたシミュレーションにより、決定できる。
除染方式決定部305は、乾式除染又は湿式除染の何れかの除染方式を、除染対象空間10の内表面温度(本実施形態では最高温度であるがこれに限られない)に基づいて決定するものである。除染対象空間10の内表面温度に基づいて除染方式を決定することで、運転コストを抑制しながら十分な除染を行うことができる。
除染方式決定部305は、除染対象空間10の内表面温度(本実施形態では最高温度)が基準温度以上であれば、設定湿度を除染ガスG2の過酸化水素ガス濃度における飽和水蒸気量以下に自動設定して、除染方式を乾式除染に決定する。一方で、除染方式決定部305は、除染対象空間10の内表面温度(本実施形態では最低温度)が基準温度未満であれば、設定湿度を除染ガスG2の過酸化水素ガス濃度における飽和水蒸気量以上に自動設定して、除染方式を湿式除染に決定する。このようにすることで、客観的な指標により除染方式を決定できる。なお、後記する制御部307は、ここで設定された設定湿度になるように、除染装置200の三方弁101及びポンプ113(いずれも図1参照)を制御する。
基準温度T(℃)は、除染対象空間10の湿度が任意の値である場合に、除染ガスG2の過酸化水素ガス濃度における露点温度をDP(℃)としたときに、DP-2≦T≦DP+2を満たす温度である。露点温度をDPは、除染ガスG2を冷却した際に、過酸化水素ガスの凝縮により過酸化水素の結露液が生じる温度である。このような範囲に基準温度Tを設定することで、基準温度Tを除染ガスG2の露点温度付近に設定できる。また、基準温度に基づく上記判定と、設定湿度への自動制御と、除染ガスG2の過酸化水素ガス濃度での露点温度とに基づき、過酸化水素ガスの凝縮の有無を判断できる。
上記のように、除染方式決定部305は、高温検出部302により検出された最も高温の部分の温度に基づいて、除染方式を決定する。これにより、過酸化水素ガスの凝集が最も生じ難い局所的高温部分12b(図5参照)が存在していても、乾式除染又は湿式除染を選択して実施することにより、除染対象空間10の内表面全体を十分、かつ、少ない過酸化水素水量で除染できる。
なお、内表面のうち、最も高温の部分以外の部分全体が例えば基準温度以上の場合には、除染対象空間10の設定湿度を除染ガスG2の過酸化水素ガス濃度における飽和水蒸気量以下に自動制御することで、内表面全体で過酸化水素の凝縮は生じない(図3参照)。このため、乾式除染の除染方式により、内表面全体を十分に除染できる。
供給条件推算決定部306は、除染方式決定部305により決定された除染方式で除染可能な除染条件を推算及び決定するものである。除染条件は、除染対象空間10に供給される過酸化水素含有ガスG1への過酸化水素水供給量、過酸化水素含有ガスG1の温度、過酸化水素含有ガスG1の湿度、除染ガスG2の過酸化水素濃度、除染ガスG2の温度、除染ガスG2の湿度のうちの少なくとも一つの除染条件を含む。供給条件推算決定部306を備えることで、乾式除染時の除染対象空間10での意図しない凝縮、及び、湿式除染時の除染対象空間10での意図しない非凝縮を抑制できる。
例えば、除染方式決定部305が除染方式を乾式除染と決定した場合、供給条件推算決定部306は、除染ガスG2の露点温度が除染対象空間10の内表面温度未満となるように、上記除染条件を推算して決定する。具体的には、除染ガスG2の露点温度が除染対象空間10の内表面温度未満となるように除染条件が決定される。
本実施形態では、あくまで一例として、除染ガスG2の湿度を設定湿度にできるように、過酸化水素含有ガスG1の湿度が推算及び決定され制御される。従って、本実施形態では、除染条件は、過酸化水素含有ガスG1の湿度、及び、除染ガスG2の湿度を含む。ただし、除染条件は湿度に限られず、供給条件推算決定部306は、除染ガスG2の過酸化水素濃度、温度及び湿度が設定値になるように、過酸化水素含有ガスG1への過酸化水素供給量、温度、及び湿度を推算及び決定してもよい。
制御部307は、除染方式決定部305により決定された除染方式となるように除染装置200の運転を制御するものである。例えば、除染方式決定部305が除染方式を乾式除染に決定した場合、制御部307は、主に分解触媒102及び除湿器103を備える流路109aにガスを流すように、三方弁101のモータ101a(図1参照)を制御する。また、以下のようにして、制御部307は、過酸化水素含有ガスG1の湿度を、除染ガスG2の湿度が設定湿度になるように、制御する。
まず、上記供給条件推算決定部306により推算された湿度になるように、制御部307はポンプ113を駆動する。ポンプ113の駆動開始により、気化器105への供給純水量が制御され、初期駆動が開始される。初期駆動開始後には、空間情報測定装置110により測定される湿度が設定湿度となるように、ポンプ113のフィードバック制御が行われる。即ち、測定値が設定湿度よりも低い場合、制御部307はポンプ113を駆動する。これにより、湿分を高めた過酸化水素含有ガスG1が筐体14に供給される。また、測定値が設定湿度よりも高い場合、制御部307はポンプ113の駆動を停止する。このようにすることで、除染ガスG2の露点温度を、除染方式決定部305により決定された除染方式(ここでは乾式除染)で除染可能な露点温度にできる。
制御部307は、インバータ104a及び変圧調整器106aの制御により、例えば過酸化水素の供給量(過酸化水素含有ガスG1の過酸化水素濃度)を制御してもよい。この場合、制御部307は、過酸化水素含有ガスG1の過酸化水素濃度を調整することができる。なお、過酸化水素の供給量制御は、空間情報測定装置110を用いたフィードバック制御を行うことができる。
制御部307は、例えば過酸化水素含有ガスG1の温度を制御してもよい。過酸化水素含有ガスG1の温度制御は、例えば、気化器105とクリーンブース1との間に設けられ、過酸化水素含有ガスG1の温度を調整する温度調整装置(図示しない)又は予熱器111の制御によって行うことができる。温度は、通常、除染対象空間10内の温度(即ち除染ガスG2の温度)よりも数十℃高めに制御される。
一方で、除染方式決定部305が除染方式を湿式除染に決定した場合、制御部307は、分解触媒102及び除湿器103を迂回する流路109bにガスを流すように、三方弁101のモータ101a(図1参照)を制御する。そして、制御部307は、上記乾式除染の場合と同様にして、空間情報測定装置110により測定される湿度が設定湿度となるように、ポンプ113のフィードバック制御を行う。このようにすることで、除染ガスG2の露点温度を、除染方式決定部305により決定された除染方式(ここでは湿式除染)で除染可能な露点温度にできる。
制御部307は、上記乾式除染の場合と同様に、例えば過酸化水素の供給量(過酸化水素含有ガスG1の過酸化水素濃度)を制御してもよい。さらに、制御部307は、上記乾式除染の場合と同様に、例えば温度(過酸化水素含有ガスG1の温度)を制御してもよい。
幾つかの実施形態では、制御部307は、表面温度決定部301により決定された内表面温度に基づき、ポンプ106(濃度制御装置)を制御する。このようにすることで、除染対象空間10に供給される過酸化水素含有ガスG1の過酸化水素ガス濃度を、除染方式に適した過酸化水素濃度に調整できる。
具体的には、制御部307は、除染対象空間10の内表面温度が高いほど、過酸化水素濃度を上昇するようにポンプ106(濃度制御装置)を制御する。一方で、制御部307は、除染対象空間10の内表面温度が低いほど、過酸化水素濃度を低下するようにポンプ106(濃度制御装置)を制御する。このようにすることで、内表面温度が低い湿式除染時には過酸化水素の凝縮によって高濃度の液体過酸化水素で除染できるとともに、内表面温度が高い乾式除染時には高濃度の過酸化水素を含む除染ガスG2によって十分に除染できる。
運転制御装置300は、いずれも図示しないが、CPUと、ROMと、RAMと、HDDと、I/Fとを備える。そして、ROMに記録されたプログラムがCPUによって実行されることで、運転制御装置300が具現化される。後記する運転制御装置300Aについても同様である。
図6は、第1実施形態の除染方法を示すフローチャートである。図6に示す除染方法は、図1に示す除染システム100において図2に示す運転制御装置300によって実行できる。そこで、図6の説明は、図1及び図2を参照しながら行う。
第1実施形態の除染方法は、過酸化水素との接触により除染対象空間10の除染を行う除染ステップS2と、除染ステップS2を行う除染装置200の運転を制御する運転制御ステップS1とを含む。運転制御ステップS1は、表面温度決定ステップS11と、高温検出ステップS12と、低温検出ステップS13と、露点温度決定ステップS14と、除染方式決定ステップS15と、供給条件推算決定ステップS16と、制御ステップS17とを含む。
表面温度決定ステップS11は、除染対象空間10の内表面温度を決定するものである。表面温度決定ステップS11は、表面温度決定部301によって実行できる。高温検出ステップS12は、表面温度決定ステップS11により決定された除染対象空間10の内表面温度のうち、最も高温の部分(最高温度の部分)を検出するものである。高温検出ステップS12は、高温検出部302によって実行できる。低温検出ステップS13は、表面温度決定ステップS11により決定された除染対象空間10の内表面温度のうち、最も低温の部分(最低温度の部分)を検出するものである。低温検出ステップS13は、低温検出部303によって実行できる。露点温度決定ステップS14は、除染対象空間10の空間情報に基づき除染ガスG2の露点温度を決定するものである。露点温度決定ステップS14は、露点温度決定部304によって実行できる。
除染方式決定ステップS15は、乾式除染又は湿式除染の何れかの除染方式を、内表面温度に基づいて決定するものである。除染方式決定ステップS15は、除染方式決定部305によって実行できる。供給条件推算決定ステップS16は、除染方式決定ステップS15により決定された除染方式で除染可能な上記除染条件を決定するものである。供給条件推算決定ステップS16は、供給条件推算決定部306によって実行できる。制御ステップS17は、除染方式決定ステップS15により決定された除染方式となるように除染装置200の運転を制御するものである。制御ステップS17は、制御部307によって実行できる。
以上の除染システム100及び除染方法によれば、除染対象空間10での表面温度に基づき、乾式除染又は湿式除染の何れかの除染方式が決定される。このとき、除染対象空間10の空間情報が測定され、除染対象空間10の湿度(即ち除染ガスG2の湿度)は、選択した除染方式に基いた設定湿度に制御される。このようにすることで、運転コストを抑制しながら除染対象空間10の内表面を十分に除染できる。
図7は、第2実施形態の除染システム(図示しない)に備えられる運転制御装置300Aのブロック図である。図1に示した除染システム100では、内表面温度に基づいて決定された除染方式により、除染対象空間10の除染が行われていた。従って、除染対象空間10は、除染開始から除染終了まで、同じ除染方式で除染されていた。しかし、図7に示す運転制御装置300Aにより実行される除染は、除染対象空間10の内表面温度に基づき、除染中に除染方式を切り替えて行うようになっている。
運転制御装置300Aは、運転制御装置300の各部に加えて、表面温度監視部308と、除染方式切替部309とを備える。表面温度監視部308は、制御部307による除染方式の制御開始後、乾式除染又は湿式除染の何れか一方の除染方式での除染中に除染対象空間10の内表面温度を監視するものである。
除染方式切替部309は、表面温度監視部308によって監視された内表面温度に基づき決定された除染方式が実行中の除染方式から変わったときに、実行する除染方式を変更後の除染方式に切り替えるものである。即ち、第2実施形態では、除染中においても、表面温度監視部308によって監視された内表面温度に基づき、上記運転制御装置300と同様に除染方式が決定される。除染方式の決定は、例えば、数分おきに行うことができる。例えば内表面温度の変化により除染方式が実行中の除染方式から変わったとき、除染方式切替部309は、制御部307を通じて、実行する除染方式を変更後の除染方式に切り替えるようになっている。
除染開始時には過酸化水素の凝縮が生じるような内表面温度のために湿式除染とした場合であっても、例えば発熱源からの発熱量が増加することで、除染対象空間10の内表面温度が、凝縮が生じない内表面温度にまで上昇することがある。そこで、このような場合には、除染方式を湿式除染から乾式除染に変更することで、除染対象空間10の内表面を十分に除染することができる。一方で、除染開始時には局所的高温部分12b(図5参照)の存在により乾式除染とした場合であっても、例えば発熱源からの発熱停止(例えばモータの駆動停止等)により局所的高温部分12bの温度が低下し、凝縮が生じる内表面温度にまで低下することがある。そこで、このような場合には、除染方式を乾式除染から湿式除染に変更することで、除染対象空間10の内表面を十分に除染することができる。
1 クリーンブース
10 除染対象空間
100 除染システム
101 三方弁
101a モータ
102 分解触媒
103 除湿器
104 ファン(風量制御装置)
105 気化器
106 ポンプ(濃度制御装置)
107 タンク
109a 流路
109b 流路
110 空間情報測定装置
111 予熱器
112 タンク
113 ポンプ
12 換気ユニット
12a 通常温度部分
12b 局所的高温部分
13 箱体
14 筐体
15 作業グローブ
16 台
17 脚
18 温度分布測定装置
200 除染装置
21 層
22 層
300 運転制御装置
301 表面温度決定部
302 高温検出部
303 低温検出部
304 露点温度決定部
305 除染方式決定部
306 供給条件推算決定部
307 制御部
308 表面温度監視部
309 除染方式切替部
G1 過酸化水素含有ガス
G2 除染ガス
S1 運転制御ステップ
S11 表面温度決定ステップ
S12 高温検出ステップ
S13 低温検出ステップ
S14 露点温度決定ステップ
S15 除染方式決定ステップ
S16 供給条件推算決定ステップ
S17 制御ステップ
S2 除染ステップ

Claims (7)

  1. 過酸化水素との接触により除染対象空間の除染を行う除染装置と、
    前記除染装置の運転を制御する運転制御装置とを備え、
    前記運転制御装置は、
    前記除染対象空間の内表面温度を決定する表面温度決定部と、
    前記表面温度決定部により決定された前記除染対象空間の内表面温度のうち、最も高温の部分を検出する高温検出部と、
    前記高温検出部により検出された最も高温の部分の温度に基づいて、過酸化水素を含む除染ガスとの接触により前記除染対象空間の内表面の除染を行う乾式除染、又は、前記除染ガスの凝縮により生じた過酸化水素の結露液との接触により前記内表面の除染を行う湿式除染の何れかの除染方式を、前記除染ガスの露点温度をDP(℃)としたときに、前記内表面の温度がDP-2≦T≦DP+2を満たす基準温度T以上であれば前記乾式除染に決定し、前記内表面の温度が前記基準温度T未満であれば前記湿式除染に決定する除染方式決定部と、
    前記除染方式決定部により決定された除染方式となるように前記除染装置の運転を制御する制御部とを備える
    除染システム。
  2. 前記運転制御装置は、
    前記除染方式決定部により決定された除染方式で除染可能な除染条件である、
    前記除染対象空間に供給される過酸化水素含有ガスへの過酸化水素水供給量、
    前記過酸化水素含有ガスの温度、
    前記過酸化水素含有ガスの湿度、
    前記除染ガスの過酸化水素濃度、
    前記除染ガスの温度、
    前記除染ガスの湿度、
    のうちの少なくとも一つの除染条件を推算及び決定する供給条件推算決定部を備える
    請求項に記載の除染システム。
  3. 前記除染装置は、前記除染ガスの過酸化水素濃度を制御する濃度制御装置を備え、
    前記制御部は、前記表面温度決定部により決定された内表面温度に基づき、前記濃度制御装置を制御する
    請求項1又は2に記載の除染システム。
  4. 前記制御部は、前記乾式除染及び前記湿式除染の何れにおいても、
    前記内表面温度が高いほど前記過酸化水素濃度を上昇するように前記濃度制御装置を制御し、
    前記内表面温度が低いほど前記過酸化水素濃度を低下するように前記濃度制御装置を制御する
    請求項に記載の除染システム。
  5. 過酸化水素を含むガスの前記除染対象空間への供給風量を制御する風量制御装置を備える
    請求項1~の何れか1項に記載の除染システム。
  6. 前記運転制御装置は、
    前記乾式除染又は前記湿式除染の何れか一方の除染方式での除染中に前記内表面温度を監視する表面温度監視部と、
    前記表面温度監視部によって監視された内表面温度に基づき決定された除染方式が実行中の除染方式から変わったときに、実行する除染方式を変更後の除染方式に切り替える除染方式切替部とを備える
    請求項1~の何れか1項に記載の除染システム。
  7. 過酸化水素との接触により除染対象空間の除染を行う除染ステップと、
    前記除染ステップを行う除染装置の運転を制御する運転制御ステップとを含み、
    前記運転制御ステップは、
    前記除染対象空間の内表面温度を決定する表面温度決定ステップと、
    前記表面温度決定ステップにより決定された前記除染対象空間の内表面温度のうち、最も高温の部分を検出する高温検出ステップと、
    前記高温検出ステップにより検出された最も高温の部分の温度に基づいて、過酸化水素を含む除染ガスとの接触により前記除染対象空間の内表面の除染を行う乾式除染、又は、前記除染ガスに含まれる過酸化水素ガスの前記内表面での凝縮により生じた過酸化水素の結露液との接触により前記内表面の除染を行う湿式除染の何れかの除染方式を、前記除染ガスの露点温度をDP(℃)としたときに、前記内表面の温度がDP-2≦T≦DP+2を満たす基準温度T以上であれば前記乾式除染に決定し、前記内表面の温度が前記基準温度T未満であれば前記湿式除染に決定する除染方式決定ステップと、
    前記除染方式決定ステップにより決定された除染方式となるように前記除染装置の運転を制御する制御ステップとを含む
    除染方法。
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