以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。図1乃至図12は、第1の実施形態を示す。なお、本実施形態では、決済処理装置としてセルフチェックアウト装置を例に説明する。本実施形態のセルフチェックアウト装置は、セルフチェックアウト式の商品販売データ処理装置(POS端末)、あるいはセルフレジ装置とも呼ばれる。また本実施形態では、それぞれが異なるタグデータを記憶したRFIDタグがそれぞれに取り付けられた商品の決済を行うことを想定する。タグデータは、ユニークなタグコードと、オンまたはオフの2状態を取り得るフラグとを含む。RFIDタグは、タグデータの送信を要求する無線信号を受けて、記憶しているタグデータを無線送信する機能を備える。またRFIDタグは、フラグオンを要求する無線信号を受けて、記憶しているタグデータに含まれるフラグをオンする機能を備える。本実施形態では、タグデータに含まれるフラグを、決済が完了したか否かを識別するための決済フラグとして使用する。フラグは、RFIDタグが取り付けられた商品が店舗等に陳列されている状態においては、オフ状態とされる。
図1は本実施形態に係るセルフチェックアウト装置100を複数台、ここでは3台並べて配置した状態の外観を示す斜視図である。なお、セルフチェックアウト装置100は、1台を配置して使用することもでき、あるいは4台以上を並設して使用することもできる。3台のセルフチェックアウト装置100は、同一構成である。そのため、ここでは1台のセルフチェックアウト装置100の構成について説明し、他のセルフチェックアウト装置100の同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
セルフチェックアウト装置100は、筐体1、タッチパネル(表示部)2、カード読取部4、レシート発行口5を含む。筐体1は、それぞれ金属材料や樹脂材料からなる部材を組み合わせて、箱状に形成されてなる。筐体1の上面には、前面側に作業台6が配設されている。この作業台6の背面側の壁面には、モニタ台7が立設されている。このモニタ台7の上にはタッチパネル2が設置されている。
作業台6には、横方向に2つの載置部(第1の載置部6aと第2の載置部6b)が並設されている。第1の載置部6aと第2の載置部6bとの間には仕切り壁8が配設されている。また、第1の載置部6aの図1中で右側面には、右側壁部9aが配設されている。同様に、第2の載置部6bの図1中で左側面には、左側壁部9bが配設されている。そして、第1の載置部6aは、水平面10aと、仕切り壁8と、右側壁部9aと、モニタ台7の壁面との間に上面および前面が開口された第1の作業空間11aが形成されている。また、第2の載置部6bは、水平面10bと、仕切り壁8と、左側壁部9bと、モニタ台7の壁面との間に上面および前面が開口された第2の作業空間11bが形成されている。
第1の載置部6aには、第1の作業空間11aに、例えば登録前の商品を収納した例えば商品籠(第1の商品収納体)12を載置する。第2の載置部6bには、第2の作業空間11bに、例えば買い上げ商品(読取済み商品)を収納する買い物袋(第2の商品収納体)13を載置する。
さらに、第2の載置部6bには、モニタ台7の壁面の上部に左右一対のガイド棒14が前方に向けて突設されている。これらのガイド棒14は、水平方向に平行に配置されている。そして、両ガイド棒14間に複数の買い物袋13が架設されている。複数の買い物袋13は、折り畳み状態で第2の載置部6bの背面側に積層されている。そして、使用時には、最前方位置の買い物袋13が前方に引き出されることで拡開されるようになっている。
第1の載置部6aには、水平面10aと、モニタ台7の壁面とに第1RFIDアンテナ(第1の無線タグ読み取り部)15がそれぞれ装着されている。この第1RFIDアンテナ15は、商品籠12内の商品の識別情報を記憶した無線タグの情報を読み取る。
第2の載置部6bには、モニタ台7の壁面に第2RFIDアンテナ(第2の無線タグ読み取り部)16が装着されている。この第2RFIDアンテナ16は、買い物袋13に入れられる商品の無線タグの情報を読み取る。なお、仕切り壁8には、例えば金属板などの遮蔽板を設け、第1RFIDアンテナ15と第2RFIDアンテナ16との無線タグの読み取り領域を仕切る構成にしてもよい。
タッチパネル2は、筐体1の上部に固定されている。タッチパネル2は、任意の画像を表示する。タッチパネル2は、操作者による操作入力を受ける。さらに、タッチパネル2は、カード読取部4が設けられている。このカード読取部4は、非接触式のクレジットカードなどを取り扱い対象とする。レシート発行口5は、金属材料や樹脂材料からなり、例えば筐体1の正面の作業台6の下側に取り付けられる。レシート発行口5は、レシートを筐体1の外部へ排出するための開口である。
図2はセルフチェックアウト装置100のブロック図である。なお、図2において図1と同一の部位には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
セルフチェックアウト装置100はさらに、CPU(central processing unit)20、ROM(read-only memory)21、RAM(random-access memory)22、補助記憶ユニット23、時計ユニット24、タッチパネルコントローラ25、カードリーダ26、カードリーダコントローラ27、プリンタ28、プリンタコントローラ29、自動釣銭機30、釣銭機インターフェース31、第1タグリーダ32a、第2タグリーダ32b、通信デバイス33および入力ポート34を含む。これらのうちのCPU20、ROM21、RAM22、補助記憶ユニット23、時計ユニット24、タッチパネルコントローラ25、カードリーダコントローラ27、プリンタコントローラ29、釣銭機インターフェース31、通信デバイス33および入力ポート34は、バスライン35にそれぞれ接続されている。CPU20、ROM21、RAM22、補助記憶ユニット23、時計ユニット24、タッチパネルコントローラ25、カードリーダ26、カードリーダコントローラ27、プリンタ28、プリンタコントローラ29、釣銭機インターフェース31、通信デバイス33および入力ポート34は、典型的には筐体1の内部に設けられる。なお、自動釣銭機30は、通常は筐体1の外部に設けられている。そして、自動釣銭機30は、必要に応じて任意に筐体1の釣銭機インターフェース31を介して筐体1に外付けされる外付けユニットである。また、入力ポート34は、例えば筐体1に取り付けられた人感センサ36と、第1の載置部6aに載置された商品籠12の重量(商品籠12自体の重量と商品籠12内の商品の重量との和)を検出する重量センサ37とが接続されている。
CPU20、ROM21、RAM22および補助記憶ユニット23は、バスライン35により接続されてコンピュータを構成する。
CPU20は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。CPU20は、ROM21および補助記憶ユニット23に記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムに基づいて、セルフチェックアウト装置100としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
ROM21は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM21は、上記のオペレーティングシステムを記憶する。ROM21は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM21は、CPU20が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
RAM22は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM22は、CPU20が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM22は、CPU20が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。RAM22の記憶領域の一部は、タグリストエリア22aおよび書込リストエリア22bとして利用される。タグリストエリア22aは、決済の対象となる商品籠12内の商品について判定するために第1RFIDアンテナ15によってRFIDタグから読み取られたタグデータのリストである読み取りリストを記憶する。
図11は、タッチパネル2の画面に表示される読み取りリストの一例としての登録画面SC1を示す図である。登録画面SC1は、商品の一覧を表すための領域AR1と、ボタンB1とを含む。
登録画面SC1では、領域AR1に読取済みのタグデータを送信したRFIDタグが取り付けられた商品に関する、商品名、個数、単価、金額、消費税区分および商品のチェック欄41などを表している。ボタンB1は、例えば商品籠12から買い物袋13へ商品を1品づつ移動させる動作を開始する移動動作の開始や、決済の開始を要求するために顧客によりタッチされるGUI(graphical user interface)である。
図11の領域AR1では、12点の商品に関する情報を表しているが、これらは対応するタグデータが読み取られる毎に更新によって順次に追加して表示されてゆく。具体的には、登録画面は、最初のタグデータが読み取られる前には、商品に関する何らの情報も表していない。CPU20は、最初の受信タグデータに基づいて、商品名「商品A」に関する情報を表すように登録画面を更新する。CPU20は、2番目の受信タグデータに基づいて、商品名「商品B」に関する情報を表すように登録画面を更新する。CPU20は、同様な更新を繰り返すことによって、12点目の商品に関する受信タグデータに基づいて、図11に示す登録画面SC1へと更新する。かくして、登録画面は、タグデータの読み取りの進捗を表すように順次に更新されることとなる。このとき、チェック欄41が同時に作成される。このチェック欄41は、商品名と対応する位置に空白のセル41aが形成されている。
このチェック欄41は、初期時(商品籠12から買い物袋13へ商品を1品づつ移動させる動作の開始前)には例えばセル41a内は空白の状態で保持されている。そして、商品籠12から買い物袋13へ商品を1品づつ移動させる動作の開始後、第2RFIDアンテナ16によってRFIDタグから読み取られたタグデータに基づいてチェック欄41にレ点などのチェックが表示される。なお、チェック欄41なしで、登録画面に表示される商品の表示形式を変化させる構成にしてもよい。例えば、チェックできた商品の文字を黒色から赤色に変化させたり、反転表示することなどの表示形式を変化させてもよい。
書込リストエリア22bは、例えば第2RFIDアンテナ16によってRFIDタグから読み取られたタグデータに基づいて登録画面SC1の商品のチェック欄41にレ点などのチェックを表示させる処理のためにRFIDタグから読み取られたタグデータのリストである書込リストを記憶する。また図示は省略しているが、RAM22の記憶領域の一部は、商品リストエリアとして利用される。
補助記憶ユニット23は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット23は、例えばハードディスクドライブやSSD(solid state drive)などであり、CPU20が各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU20での処理によって生成されたデータを保存する。また補助記憶ユニット23は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
時計ユニット24は、定常的に計時動作を行い、日付および時刻を表した日時情報を生成する。
タッチパネルコントローラ25は、CPU20の制御の下にタッチパネル2での画像表示のための動作を制御する。またタッチパネルコントローラ25は、タッチパネル2でのユーザ操作に応じてタッチパネル2が出力する情報を、例えばRAM22を介してCPU20に与える。
カードリーダ26は、カードに記録されたカード情報を非接触式のカード読取部4によって読み取る。なお、カードとは、クレジットカード、デビットカードおよびプリペイドカードなどのような決済カード、あるいはポイントカードなどが含まれ得る。またカードリーダ26は、カードに情報を書き込む機能を有していても良い。
カードリーダコントローラ27は、CPU20の制御の下にカードリーダ26の動作を制御するとともに、カードリーダ26から出力されたカード情報を、RAM22を介してCPU20に与える。
プリンタ28は、例えばサーマルプリンタやドットインパクトプリンタなどであり、レシートを印刷する。プリンタ28は、レシートをレシート発行口5から排出する。
プリンタコントローラ29は、CPU20の制御の下にプリンタ28の動作を制御する。
図13に示すように自動釣銭機30は、硬貨投入口42、硬貨排出口43、紙幣投入口44、紙幣排出口45およびレシート発行口48を有する。硬貨投入口42は、硬貨を自動釣銭機30の筐体30aの内部に投入するための開口である。硬貨排出口43は、硬貨を筐体30aの外部に排出するための開口である。紙幣投入口44は、紙幣を筐体30aの内部に投入するための開口である。紙幣排出口45は、紙幣を筐体30aの外部に排出するための開口である。自動釣銭機30は、硬貨投入口42および紙幣投入口44から投入される硬貨および紙幣を収受し、必要に応じて釣銭としての硬貨および紙幣を硬貨排出口43および紙幣排出口45から排出する。
釣銭機インターフェース31は、CPU20の制御の下に自動釣銭機30の動作を制御する。
第1タグリーダ32aは、第1RFIDアンテナ15、送信回路および受信回路を含んだ周知の構成のものであって良い。第1タグリーダ32aは、タグ読取空間(第1の載置部6aの第1の作業空間11a)を読取範囲とし、このタグ読取空間の中に存在するRFIDタグからタグデータを読み取る。
第2タグリーダ32bは、第2RFIDアンテナ16、送信回路および受信回路を含んだ周知の構成のものであって良い。第2タグリーダ32bは、タグ読取空間(第2の載置部6bの第2の作業空間11b)を読取範囲とし、このタグ読取空間の中に存在するRFIDタグからタグデータを読み取る。
通信デバイス33は、LAN(local area network)やインターネットなどの通信ネットワーク200を介して、商品サーバ201や会員サーバ202などの他の装置と通信する。
ところで、ROM21または補助記憶ユニット23に記憶されるアプリケーションプログラムの1つは、後述する制御処理をCPU20に実行させるための制御プログラムである。制御プログラムは、典型的には、セルフチェックアウト装置100の譲渡の際にROM21または補助記憶ユニット23に記憶される。しかしながら、制御プログラムがROM21または補助記憶ユニット23に記憶されない状態でセルフチェックアウト装置100の譲渡が行われるとともに、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して制御プログラムが譲渡され、この制御プログラムが上記の別途に譲渡されたセルフチェックアウト装置100の補助記憶ユニット23に書き込まれても良い。
次に以上のように構成されたセルフチェックアウト装置100の動作について説明する。
図3、図4、図5および図6はCPU20による制御処理のフローチャートである。
CPU20は、ROM21または補助記憶ユニット23に記憶された制御プログラムに従って図3~6に示す制御処理を実行する。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
管理者により図示しない電源スイッチがオンされたことに応じてCPU20が起動されると、CPU20は図3~6に示す制御処理を開始する。
Act1において人感センサ36がONした状態が検出されるとセルフチェックアウト装置100の筐体1の前に顧客がいることが検出される。続いて、Act2においてタッチパネル2の画面をスタート画面とする処理が行われる。タッチパネル2のスタート画面は、セルフチェックアウト装置100を使用してチェックアウトの手続きをしようとする顧客に対する案内を表した画面などとして予め任意に用意される。
Act3においてCPU20は、メモリの初期化を行う。この初期化は、タグリストエリア22a、書込リストエリア22bおよび商品リストエリアをクリアする処理を含む。
図7は、RAM22に形成される主要なデータテーブルの一例を示す図である。
Act4においてCPU20は、重量センサ37からの検出データに基づいて第1の載置部6aに載置された商品籠12の重量(商品籠12自体の重量Gと商品籠12内の商品の重量との和)Wを読み込む。
Act5においてCPU20は、商品籠12の重量Wが商品籠12自体の重量Gよりも大きいか否かを確認する。CPU20は、W>Gではない場合はNOと判定し、Act4に戻る動作を繰り返す。
かくしてCPU20はAct5において、W>Gであることが確認されるのを待ち受ける。そしてCPU20は、W>Gであることが確認されたならばYESと判定し、Act6へと進む。
Act6においてCPU20は、第1タグリーダ32aをオンする。第1タグリーダ32aは起動されると、第1RFIDアンテナ15によって第1の載置部6aの第1の作業空間11aの商品籠12内の商品の識別情報を記憶した無線タグの情報を読み取る。このとき、商品籠12内に存在するRFIDタグからタグデータを一括して読み取る。そして読み取ったタグデータをCPU20に通知する。
その後、CPU20は、Act7へと進む。Act7においてCPU20は、第2タグリーダ32bをオンする。続いて、CPU20は、Act8へと進む。Act8においてCPU20は、タッチパネル2の画面に図11に示すチェック欄41付きの登録画面を表示する。
Act11においてCPU20は、タグデータの受信の有無を判断する。ここで、タグデータの受信有と判断するとCPU20は、Act12へと進む。続いてAct12においてCPU20は、第1タグリーダ32aからの受信の有無を判断する。Act12で、第1タグリーダ32aからの受信有と判断するとCPU20は、Act13へと進む。なお、Act12において受信無と判断するとCPU20は、図5に示すAct31へと進む。
また、Act13においてCPU20は、会員タグの受信の有無を判断する。ここで、会員タグの受信無と判断するとCPU20は、Act17へと進む。Act13において会員タグの受信有と判断するとCPU20は、Act14へと進む。
Act14においてCPU20は、MF=1かどうかを判断する。ここで、MF=1と判断する場合はAct11へと戻る。Act14においてMF=1と判断しない場合はAct15へと進む。Act15においてCPU20は、図7のデータテーブルに会員データを書き込み、Act16へと進む。Act16においてCPU20は、MF←1とし、Act11へと戻る。これにより、会員データが特定される。
Act17においてCPU20は、商品タグの受信の有無を判断する。ここで、商品タグの受信有と判断するとCPU20は、Act18へと進む。Act17において商品タグの受信無と判断するとCPU20は、Act11へと戻る。
Act18においてCPU20は、タグリストを検索する。続いて、次のAct19において同一データの有無を判断する。このAct19で、同一データの受信有と判断するとCPU20は、Act11へと戻る。Act19において同一データの受信無と判断するとCPU20は、Act20へと進む。
Act20においてCPU20は、商品データを書き込む。続いて、Act21においてCPU20は、CF←0とし、Act22へ進む。Act22においてCPU20は、M←M+1とし、Act23へ進む。ここで、Mは、一括読取り個数である。Act23においてCPU20は、登録画面を更新する。これにより図11に示す登録画面SC1が表示される。
次に、図5のAct31においてCPU20は、商品タグの有無を判断する。このAct31で、商品タグ有と判断するとCPU20は、Act32へと進む。Act31において商品タグ無と判断するとCPU20は、Act11へと戻る。
Act32においてCPU20は、第1タグリーダ32aをオフする。この時点で、第1RFIDアンテナ15による商品籠12内のタグデータを一括して読み取る動作が終了する。このとき、タッチパネル2の画面には、顧客に袋詰め作業の開始を指示する指示画面が表示される。これにより、顧客は、第2の載置部6bの買い物袋13を広げ、第1の載置部6aの商品籠12内の商品を1品ずつ第2の載置部6bの買い物袋13に挿入する袋詰め動作を開始する。この袋詰め動作時には、商品籠12から買い物袋13へ商品を1品づつ移動させる動作を行う。このとき商品を1品づつ移動させる毎に、第2RFIDアンテナ16によってRFIDタグから読み取られたタグデータに基づいて登録画面のチェック欄41の空白のセル41aにレ点などのチェックが表示される。
次に、Act33においてCPU20は、タグリストを検索する。続いて、次のAct34において同一データの有無を判断する。このAct34で、同一データの受信有と判断するとCPU20は、Act36へ進む。Act34において同一データの受信無と判断するとCPU20は、Act35へと進む。
Act35においてCPU20は、商品データを書き込む。続いて、Act36においてCPU20は、CF←1とし、Act37へ進む。Act37においてCPU20は、N←N+1とし、Act38へ進む。ここで、Nは、袋詰め個数である。Act38においてCPU20は、登録画面を更新する。
次に、Act39においてCPU20は、商品籠12の重量Wを読み込む。続いて、次のAct40においてCPU20は、WがG以下であるか否かを確認する。CPU20は、W≦Gではない場合はNOと判定し、Act41に進む。ここで、W≦Gであることが確認される場合はYESと判定し、Act42に進む。
Act41においてCPU20は、タグデータの受信の有無を判断する。ここで、タグデータの受信有と判断するとCPU20は、Act33へ戻り、Act33~Act41の処理を繰り返す。
また、Act42においてCPU20は、第2タグリーダ32bをオフする。続いて、次のAct51においてCPU20は、M>Nであるか否かを確認する。CPU20は、M>Nではない場合はNOと判定し、Act59に進む。ここで、M>Nであることが確認される場合はYESと判定し、Act52に進む。
Act52においてCPU20は、CF=0の商品リストを表示する。次に、Act53においてCPU20は、追加の有無を判断する。このAct53で、購入確認問合せ画面がタッチパネル2に表示される。図10は、購入確認問合せ画面の一例を示す。ここでは、第1RFIDアンテナ15による無線タグの読み取り領域と、第2RFIDアンテナ16による無線タグの読み取り領域でそれぞれチェックできなかった商品名と、「追加」ボタン46と、「削除」ボタン47とが表示される。
Act53においてCPU20は、追加の有無を判断する。ここで、追加有と判断するとCPU20は、Act54へと進む。Act54においてCPU20は、CF←1とし、Act55へ進む。Act55においてCPU20は、N←N+1とし、Act58へ進む。
また、Act53において追加無と判断するとCPU20は、Act56へと進む。Act56においてCPU20は、削除の有無を判断する。ここで、削除有と判断するとCPU20は、Act57へと進む。Act57においてCPU20は、商品データを削除し、Act58へ進む。
Act58においてCPU20は、確定の有無を判断する。このAct58で、確定無と判断するとCPU20は、Act52に戻る。Act58において確定有と判断するとCPU20は、Act59へ進む。
Act59においてCPU20は、MF=1かどうかを判断する。ここで、MF=1と判断する場合はAct60へ進む。このAct60においてCPU20は、会員決済処理を行い終了する。また、Act59においてMF=1と判断しない場合はAct61へと進む。このAct61においてCPU20は、非会員決済処理を行い終了する。
また、図8は、セルフチェックアウト装置100のタッチパネル2に表示されるカード問合せ画面の一例を示す図である。カード問合せ画面SC1は、図8に示すように、表示エリアR1、R2およびボタンB1、B2を含む。表示エリアR1は、会員カードの有無を問い合わせるメッセージを表示する。表示エリアR2は、使用可能な会員カードの画像を表示する。ボタンB1は、表示エリアR2に表示された会員カードを所持する買物客との商取引であることを指定するためのものである。ボタンB1は、表示エリアR2に表示された会員カードを所持しないとの商取引であることを指定するためのものである。
本実施形態において、商品を会員単価で購入できる会員サービスは、会員カードを所持する会員に対してのみ適用される。したがって、たとえ会員であっても会員カードを忘れた場合には、会員サービスを受けることができず、商品を通常単価で購入せざるを得ない。
そこでカード問合せ画面SC1は、買上商品の登録を申し出た買物客に対して、会員カードの有無を問い合わせる。そして、買物客が会員コードを提示した場合、ボタンB1にタッチするとともにその会員カードのデータをカードリーダ26によって読み取らせる。
これに対し、買物客が会員コードを提示しなかった場合には、ボタンB2にタッチする。
カード問合せ画面SC1を表示させた後、CPU20は、ボタンB1またはB2のいずれかがタッチされるのを待ち受ける(Act13)。ボタンB1がタッチされたことを検知した場合、CPU20は、会員による商取引であると判定する(Act13にてYES)。
この場合、CPU20は、会員テーブルの会員フラグを“1”にセットする(Act14)。またCPU20は、会員番号と累積ポイントとを会員テーブルに登録する。会員番号は、カードリーダ26によって会員カードから読み取られた情報である。累積ポイントは、その会員番号に関連付けられて会員データベースに保存されている情報である。
図9は、セルフチェックアウト装置100のタッチパネル2に表示される決済画面の一例を示す図である。決済画面SC5は、表示エリアR21、R22、R23およびボタンB21を含む。
表示エリアR21は、支払い方法の選択ボタンB41、B42、B43を表示する。表示エリアR22は、合計テーブル33bの合計個数と合計金額とを表示する。表示エリアR23は、会員テーブル31bの累積ポイントを表示する。ボタンB21は、従業員を呼び出すことを買物客が指定するためのものである。
ボタンB21がタッチされた場合、決済装置から決済情報送信元の商品登録装置に対して、LAN経由で呼出信号が送信される。この呼出信号を受信した商品登録装置においては、例えばタッチパネル2に呼出勧告画面が表示される。この呼出勧告画面には、呼出信号送信元の決済装置を示す情報が表示される。したがって従業員は、該当する決済装置を操作する買物客から呼び出しを受けたことを容易に知り得る。
選択ボタンB41は、現金支払いを選択する買物客がタッチするためのものである。選択ボタンB42は、クレジット支払いを選択する買物客がタッチするためのものである。
選択ボタンB43は、ポイント支払いを選択する買物客がタッチするためのものである。
すなわち第1の決済画面SC5は、現金支払い、クレジット支払いおよびポイント支払いの中からいずれかの支払い方法を買物客が選択するための画面である。
第1の決済画面SC5を確認した買物客は、表示エリアR21に表示される支払い方法の中からいずれか1つの方法を選択し、該当する選択ボタンB41、B42またはB43にタッチする。そして、その選択した支払い方法による代金支払い操作を決済装置に対して行う。
決済画面SC5を表示させたCPU20は、選択ボタンB41、B42またはB43がタッチされるのを待ち受ける。選択ボタンB41、B42またはB43がタッチされると、CPU20は、そのタッチされた選択ボタンB41、B42またはB43に対応する支払い方法が選択されたとみなす。CPU20は、その選択された支払い方法による決済処理を実行する。すなわち、選択ボタンB41がタッチされた場合には、CPU20は、現金支払いに対する決済処理を実行する。選択ボタンB42がタッチされた場合には、CPU20は、クレジット支払いに対する決済処理を実行する。選択ボタンB43がタッチされた場合には、CPU20は、会員テーブルの累積ポイントを使用したポイント支払いに対する決済処理を実行する。
これらの決済処理は、いずれも周知の処理なので、詳細な説明は省略する。因みに、会員フラグが“1”にセットされた会員取引であった場合、この決済処理において、例えば金額合計に応じてサービスポイントが算出される。このサービスポイントは、会員テーブルの会員番号とともにデータベースサーバに送信されて、会員データベースにて会員別に累積される。
図12は、セルフチェックアウト装置100のタッチパネル2に表示される決済確認画面の一例を示す図である。図12は、現金支払いに対する決済確認画面SC5の一例を示す。決済確認画面SC5は、表示エリアR13およびボタンB14、B15を含む。また決済確認画面SC5は、買物客に対する操作ガイダンスを表示するための表示エリアR11を含む。さらに決済確認画面SC5は、店員呼出ボタンB13を、決済画面SC4のものと同位置に表示する。
表示エリアR13は、合計金額と、自動釣銭機30への投入金額と、釣銭額とを表示する。ボタンB14は、領収書の発行を受けない買物客が決済の内容について確認したことを指定するためのものである。ボタンB15は、領収書の発行を受ける買物客が決済の内容について確認したことを指定するためのものである。以下の説明において、ボタンB14は精算ボタンB14と称し、ボタンB15は領収書ボタンB15と称する。そして表示エリアR11は、精算ボタンB14または領収書ボタンB15のいずれかのボタンにタッチすることを買物客に促すメッセージを表示する。
決済処理を終えると、CPU20は、プリンタ28を動作させて、レシートを発行する。そしてレシートを発行した後、CPU20は、それ以降の処理を前述と同様に繰り返す。
本実施形態のセルフチェックアウト装置100では、作業台6の第1の載置部6aに設けた第1RFIDアンテナ15と、第2の載置部6bに設けた第2RFIDアンテナ16と、買い上げ商品検知部であるCPU20とを具備する。第1の載置部6aには登録前の商品を収納した商品籠12を載置し、第2の載置部6bには買い上げ商品を収納する買い物袋13を載置する。そして、第1RFIDアンテナ15は、第1の載置部6aの商品籠12内の商品の識別情報を記憶した無線タグの情報を一括して読み取る。第2RFIDアンテナ16は、第1の載置部6aの商品籠12から第2の載置部6bの買い物袋13に1品ずつ挿入される商品の無線タグの情報を読み取る。さらに、売上商品検知部であるCPU20は、第1RFIDアンテナ15による読み取り情報と、第2RFIDアンテナ16による読み取り情報とから買い物袋13に収納された全ての買い上げ商品を検知する。これにより、例えば商品籠12内の商品が重なり、第1RFIDアンテナ15による読み取りから漏れた場合でも、第1の載置部6aの商品籠12から第2の載置部6bの買い物袋13に1品ずつ挿入する操作時に第2RFIDアンテナ16によって漏れなく買い上げ商品を読み取ることができる。したがって、タグリーダの通信範囲に複数の無線タグが存在する場合であっても、全ての商品を確実に検知することができる。
また、セルフチェックアウト装置100は、タッチパネル2を備え、このタッチパネル2に、第1RFIDアンテナ15による商品籠12内の商品の読み取りリストを表示している。さらに、タッチパネル2の登録画面は、第1の載置部6aの商品籠12内の決済の対象となる複数の商品について判定するために第1RFIDアンテナ15によってRFIDタグから一括して読み取られたタグデータのリストである読み取りリストと、チェック欄41とが同時に表示される。この読み取りリストは、第2RFIDアンテナ16による読み取り情報に基づいてチェック欄41にレ点を表示するなどのチェックを行うようにしている。そのため、顧客が商品籠12から買い物袋13に1品ずつ移動して挿入する作業毎にタッチパネル2の画面表示を目視するだけで商品の読み取りを確認できる。したがって、買い物袋13に挿入される買い上げ商品の見落としなどが生じる可能性を少なくできる。
なお、本実施形態では、第2の載置部6bに買い物袋13を配置した構成を示したが、この買い物袋13に替えて第2の商品籠を配置する構成にしてもよい。この第2の商品籠は、第1の載置部6aに商品籠12とは色や形が異なる構造にすることで決済前の商品籠12と識別が可能となる。また、RFIDタグ以外に電子タグを用いても、上記の実施形態と同様に実施が可能である。
さらに、本実施形態では、作業台6の上に商品籠12と買い物袋13とを配置しているが、作業台6の上にさらに作業スペースを広げる補助台などを設けてもよい。この場合は、例えば衣料品などの商品を折り畳むなどの作業を行う作業スペースを確保することができる。
さらに、本実施形態では人感センサ36によって顧客の存在を感知する構成にしているが、このとき同時に第1RFIDアンテナ15によって第2RFIDアンテナ16によって顧客が保持する会員カードを感知する構成にしてもよい。この場合は、セルフチェックアウト装置100の前に顧客が入った時点で、顧客がカード会員か、非会員かを識別することができる。そのため、タッチパネル2に表示される案内画面をカード会員か、非会員かで使い分けすることができる。そして、非会員の場合は、タッチパネル2に「いらっしゃいませ。」と表示し、カード会員の場合は、タッチパネル2に「毎度ありがとうございます。」と表示するなどと使い分けることができる。また、セルフチェックアウト装置100は、さらに、スキャナや、バーコードリーダや、タッチ入力の機能なども備えてもよい。
図13は、第2の実施形態のセルフチェックアウト装置100の概略構成を示す斜視図である。本実施形態は第1の実施形態の1台のセルフチェックアウト装置100の横に着脱可能に連結できる自動釣銭機30を連結し、並べて配置した例である。この場合は、現金を取り扱うセルフチェックアウト装置100を独立して配置することができる。
図14は、第3の実施形態のセルフチェックアウト装置300の全体の概略構成を示す斜視図である。本実施形態のセルフチェックアウト装置300は、第1の実施形態のセルフチェックアウト装置100の仕切り壁8を取り除いたものである。本実施形態のセルフチェックアウト装置300では、作業台6には、1つの平板上に決済前の商品籠12を載置する第1の載置部6aと買い物袋13を載置する第2の載置部6bとを並べて配置することができる。この場合も第1の実施形態のセルフチェックアウト装置100と同様の効果が得られる。
これらの実施形態によれば、タグリーダの通信範囲に複数の無線タグが存在する場合であっても、全ての商品を検知することができる決済処理装置を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]登録前の商品を収納した第1の商品収納体を載置する第1の載置部と読取済み商品を収納する第2の商品収納体を載置する第2の載置部とを有する作業台と、前記第1の載置部に装着され、前記第1の商品収納体内の商品の識別情報を記憶した無線タグの情報を読み取る第1の無線タグ読み取り部と、前記第2の載置部に装着され、前記第2の商品収納体に入れられる前記商品の前記無線タグの情報を読み取る第2の無線タグ読み取り部と、前記第1の無線タグ読み取り部による読み取り情報と、前記第2の無線タグ読み取り部による読み取り情報とから前記第2の商品収納体に収納された全ての読取済み商品を表示する表示部とを具備したことを特徴とする決済処理装置。
[2]前記第1の商品収納体は、第1の商品籠であり、前記第2の商品収納体は、読取済み商品を収納する買い物袋または第2の商品籠の少なくともいずれか一方である[1]に記載の決済処理装置。
[3]前記作業台は、前記第1の載置部と前記第2の載置部との間に前記無線タグの読み取り領域を仕切る仕切り壁を有する[1]に記載の決済処理装置。
[4]前記表示部は、前記第1の無線タグ読み取り部による前記第1の商品収納体内の前記商品の読み取りリストを表示し、前記読み取りリストは、前記商品のチェック欄を有し、前記第2の無線タグ読み取り部による読み取り情報に基づいて前記チェック欄のチェックを行う[1]に記載の決済処理装置。
[5]前記作業台は、現金支払い用の現金処理ユニットが着脱可能に連結可能である[1]に記載の決済処理装置。