JP7160621B2 - 含微量金属架橋セパレータ - Google Patents

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Description

本発明は、蓄電デバイス用セパレータに関する。
微多孔膜は、種々の物質の分離又は選択透過分離膜、及び隔離材等として広く用いられており、その用途例としては、精密ろ過膜、燃料電池用、コンデンサー用セパレータ、又は機能材を孔の中に充填させて新たな機能を発現させるための機能膜の母材、電池用セパレータ等が挙げられる。中でも、ポリオレフィン製微多孔膜は、ノート型パーソナルコンピュータ又は携帯電話、デジタルカメラ等に広く使用されているリチウムイオン電池用セパレータとして好適に使用されている。その中で、電池安全性を確保するために、セパレータは、シャットダウン機能の発動と破膜温度の向上の両立が求められている。例えば、特許文献1には、リチウムイオン電池用セパレータの必須成分であるポリオレフィン樹脂の高次物性が調整されたことが記述されている。また、特許文献2に示されるとおり、セパレータは、特定の結晶化度とゲル分率領域では、電池内部の短絡による発熱をシャットダウン機能で抑制する一方、電池セル内で部分的に高温部位が発生しても破膜しない(170℃以上でのブレイクダウン)性能を有することで、電池の安全性を確保できることが知られている。特許文献1,2について、より詳細には、ポリオレフィン製セパレータ内にシラン架橋部(ゲル化構造)を構築することで、高温破膜性を発現できることが実験的に分かってきた。さらに、近年、電気自動車へのリチウムイオン電池の搭載が進み、電池サイズの大面積化とともに、従来のモバイルデバイスと比べ、圧倒的に長期の使用時の安定性、及び圧倒的に多いサイクル回数での良好なサイクル特性が求められている。
特開平9-216964号公報 国際公開第97/44839号 特開平11-144700号公報 特開平11-172036号公報 特開2001-176484号公報 特開2000-319441号公報 特開2017-203145号公報
近年、モバイルデバイス搭載用途又は車載用リチウムイオン二次電池の高出力化と高エネルギー密度化が進んでいる一方、電池セルの小型化と長期使用時の安定なサイクル放充電性能が求められている。そのため、使用されるセパレータとして薄膜(例えば15μm以下)で高品位(例えば、物性均一性があり、かつ樹脂凝集物がない)なものが必要とされている。さらに、上記の性能に加えて、電池安全性の水準についても、以前より厳格となっており、特許文献1,2にも記載されるように、シャットダウン機能と高温破膜性が求められており、安定生産が可能なセパレータ用樹脂組成物と製造方法の開発が期待されている。また、長期使用時でもセパレータが劣化せずに、前記シャットダウン機能と高温破膜性を両立し、かつ良好な電池サイクル特性を長期間に亘って確保することが期待されている。
例えば、特許文献3に記載の方法では、押出工程時に架橋触媒マスターバッチを用いることで、押出機内でシラン変性ポリエチレンの架橋反応を進行させるが、樹脂凝集物の発生も見られ、セパレータの物性均一性を低下させる。この方法に対して、特許文献4,5,6に記載の方法は、可塑剤抽出工程又はシランゲル架橋工程を設けたり、樹脂膜のゲル分率を制御したり、未架橋の樹脂を熱水に通して成形してから脱水したりすることで対策している。また、特許文献7には、ポリオレフィン微多孔膜のゲル分率、貯蔵弾性率、熱機械分析(TMA)による最大収縮率、及び電子スピン共鳴法により測定されるラジカル量を調整することによって、低熱収縮性、低流動性及び耐メルトダウン性に優れた耐熱性樹脂微多孔膜を提供することが提案されている。
しかしながら、特許文献4に示す方法はシラン架橋反応を十分に進行させることができず、高温耐破膜性を得ることが難しい。特許文献3,4に記載の可塑剤抽出工程では、スズ(II)系架橋触媒を使用するため、架橋反応を進行できるが、後に架橋触媒の残留が懸念されている。
特許文献7に記載の耐熱性樹脂微多孔膜は、乾式で多孔化された膜に対して光重合性塗工液を塗工することにより得られるものにすぎない。また、特許文献7の実施例5では、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどの低分子量シランカップリング剤を多孔膜に添加するが、仮に低分子量シランカップリング剤を湿式多孔化法に用いると、低分子量シランカップリング剤は、多孔化のための可塑剤と反応又は結合し易いため、多孔膜の樹脂とは結合しないことが予想される。
さらに、特許文献3~7に記載されるようなセパレータを用いた電池は、サイクル特性が悪く、また長期使用時に、電池内で予期できない副反応を誘発し、電池安全性の低下が懸念される。また、シャットダウン機能と高温破膜性を得るために、上記に示すように、シラン架橋方法には問題があると同時に、シラングラフトポリオレフィンのみでは、セパレータにとって最も重要な多孔質体構造を構築することできないため、樹脂混合組成物の開発も欠かせない。
本発明は、上記問題点に鑑みて、セパレータの長期安定性、シャットダウン機能及び高温破膜性を確保するだけでなく、蓄電デバイスの長期サイクル特性も確保することを目的とする。
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、蓄電デバイス用セパレータに含まれる特定の原子の量を制御することによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
シラングラフト変性ポリオレフィン及び超高分子量ポリオレフィンを含む微多孔膜を含む蓄電デバイス用セパレータであって、スカンジウム、バナジウム、銅、亜鉛、ジルコニウム、パラジウム、ガリウム、スズ、チタン、鉄、ニッケル又は鉛を原子換算の合計量で0.10ppm以上200ppm以下含む蓄電デバイス用セパレータ。
[2]
シラングラフト変性ポリオレフィン及び超高分子量ポリオレフィンを含む微多孔膜を含む蓄電デバイス用セパレータであって、亜鉛又はスズを原子換算の合計量で0.10ppm以上200ppm以下含む蓄電デバイス用セパレータ。
本発明によれば、長期安定性、シャットダウン機能及び高温破膜性を有する微多孔膜を含む蓄電デバイス用セパレータを得ることができ、またそのセパレータを含む蓄電デバイスの長期サイクル試験においても安定性及び安全性を確保することができる。
図1は、実施例1で得られたセパレータのTMAグラフである。 図2は、実施例1で得られたセパレータを用いた電池の釘突刺安全試験時の発熱グラフである。 図3は、実施例1で得られたセパレータを用いた電池の釘突刺安全試験時の電圧低下グラフである。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施の形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〔蓄電デバイス〕
本実施の形態に係るセパレータは、蓄電デバイスにおいて使用されることができる。蓄電デバイスは、正極と、負極と、正負極間に配置された本実施の形態に係るセパレータと、所望により電解液とを備える。蓄電デバイスとしては、具体的には、リチウム電池、リチウム二次電池、リチウムイオン二次電池、ナトリウム二次電池、ナトリウムイオン二次電池、マグネシウム二次電池、マグネシウムイオン二次電池、カルシウム二次電池、カルシウムイオン二次電池、アルミニウム二次電池、アルミニウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、レドックスフロー電池、リチウム硫黄電池、リチウム空気電池、亜鉛空気電池などが挙げられる。これらの中でも、実用性の観点から、リチウム電池、リチウム二次電池、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、又はリチウムイオンキャパシタが好ましく、リチウム電池又はリチウムイオン二次電池がより好ましい。
〔リチウムイオン二次電池〕
リチウムイオン二次電池は、正極として、コバルト酸リチウム、リチウムコバルト複合酸化物等のリチウム遷移金属酸化物、負極として、グラファイト、黒鉛等の炭素材料、そして電解液として、電解質溶液を使用した蓄電池であることができる。電解液は、エチレンカーボネード(PC)、ジメチルカーボネード(DMC)、エチルメチルカーボネード(EMC)もしくはそれらの混合溶媒などでよく、電解質は、LiPF、LiBF、LiN(SOCF、LiSOCF等のフッ素(F)含有リチウム塩、また、LiBC(LiBOB)などの電解質がよい。
リチウムイオン二次電池の充電・放電の時には、イオン化したリチウムが電極間を往復する。また、電極間の接触を抑制しながら、前記イオン化したリチウムが、電極間の移動を比較的高速に行う必要があるため、電極間にリチウムイオン電池用セパレータ(以下、単に「セパレータ」ともいう)と呼ばれる部品が用いられている。
〔蓄電デバイスの製造方法〕
蓄電デバイスの製造方法は、以下の工程;
(ア)正極と、本実施の形態に係る方法により製造された蓄電デバイス用セパレータと、負極とを積層し、かつ/又は捲回して、積層体又は捲回体を得る工程;
(イ)積層体又は捲回体を外装体に入れる工程;
(ウ)外装体に電解液を注ぐ工程;及び
(エ)正極と前記負極にリード端子を接続する工程;
を含む。工程(ア)~(エ)は、本実施の形態に係る方法により製造された蓄電デバイス用セパレータを使用することを除いて、本技術分野において既知の方法により行われることができ、また工程(ア)~(エ)においては、本技術分野において既知の正極、負極、電解液及び外装体が使用されることができる。
工程(ウ)で使用される電解液は、外装体内に含まれる蓄電デバイス用セパレータの架橋反応を促進する観点から、酸性溶液及び/又は塩基性溶液であることが好ましく、その電解質は、LiPF、LiBF、LiN(SOCF、LiSOCF等のフッ素(F)含有リチウム塩、また、LiBC(LiBOB)などの電解質がよい。
〔セパレータ〕
ポリエチレン(PE)などのポリオレフィン樹脂を含むセパレータは、絶縁性とリチウムイオン透過性が必要なため、一般的には、多孔質体構造を有する絶縁材料である紙、ポリオレフィン製不織布又は樹脂製微多孔膜などから形成される。特に、リチウムイオン電池においては、セパレータの耐酸化還元劣化および緻密で均一な多孔質構造を構築できるポリオレフィン製微多孔膜が優れている。
本実施の形態に係るセパレータに含まれる微多孔膜は、シラングラフト変性ポリオレフィン及び超高分子量ポリオレフィンを含む。また、本実施の形態に係るセパレータは、スカンジウム、バナジウム、銅、亜鉛、ジルコニウム、パラジウム、ガリウム、スズ、チタン、鉄、ニッケル又は鉛を原子換算の合計量で0.10ppm以上200ppm以下の範囲内で含む。従来は粘弾性の観点からゲルマニウム、スズ、鉛、Pdなどの元素は、セパレータを構成する微多孔膜に存在しないことが好ましいと考えられていたのに対して、本実施の形態では、少量でSn、Zn又はPdなどを微多孔膜に存在させることにより長期サイクル安定性及び安全性を確保できることを見出した。長期サイクル安定性及び安全性をさらに向上させるという観点から、セパレータ中のスカンジウム、バナジウム、銅、亜鉛、ジルコニウム、パラジウム、ガリウム、スズ、チタン、鉄、ニッケル又は鉛の含有量は、原子換算の合計量として、0.35~190.90ppm又は0.75~180.90ppmの範囲内であることが好ましい。
本発明の別の実施の形態に係るセパレータ中の亜鉛又はスズの含有量は、長期サイクル安定性及び安全性を向上させるという観点から、原子換算の合計量で0.10ppm以上200ppm以下の範囲内であり、原子換算の合計量で0.10~190.10ppm又は0.20~180.10ppmの範囲内であることが好ましい。
セパレータ中のスカンジウム、バナジウム、銅、亜鉛、ジルコニウム、パラジウム、ガリウム、スズ、チタン、鉄、ニッケル又は鉛の含有量は、例えば、後述される微多孔膜の製造方法における水洗乾燥工程などにより調整されることができる。
複数のシラングラフト同士が結合したシロキサン結合架橋部は、長期間に亘って使用される際に、蓄電デバイス内で分解した電解質により生成したフッ酸(HF)、又はHFによって電解液(炭酸エチレンなど)又は添加剤が二次分解した有機ラジカルにより、求核置換され、架橋部の開結合反応が進行し、アルコキシドが生成し、架橋度が低下することが実験により分かった。さらに、アルコキシドなどを起点とし、電解液の分解が促進され、電解液の連鎖オリゴマー反応が起こり、セパレータ内部の目詰まりが顕著に誘発されることによって、サイクル特性が大きく低下する傾向がある。しかしながら、本実施の形態では、遷移金属種イオンを限られた量で含有するセパレータは、このシロキサン結合において触媒の役割を担い、シロキサン結合の開結合を抑制し、長期使用時でもセパレータの架橋度の低下を抑制し、良いシャットダウン特性と破膜特性の両立を保持できる。したがって、本実施の形態のように限られた量の遷移金属種イオンがセパレータ内に含まれた場合は、長期間に亘って蓄電デバイスのサイクル性能を悪化させることはない。
〔微多孔膜の特性〕
以下の微多孔膜の特性は、蓄電デバイス用セパレータが平膜の場合であるが、蓄電デバイス用セパレータが積層体である場合には積層体から微多孔膜以外の層を除いてから測定されることができる。
本実施の形態に用いられるポリオレフィン製微多孔膜の気孔率は、好ましくは20%以上であり、より好ましくは30%以上であり、さらに好ましくは32%以上又は35%以上である。微多孔膜の気孔率が20%以上であることにより、リチウムイオンの急速な移動に対する追従性がより向上する傾向にある。一方、微多孔膜の気孔率は、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下、さらに好ましくは50%以下である。微多孔膜の気孔率が90%以下であることにより、膜強度がより向上し、自己放電がより抑制される傾向にある。微多孔膜の気孔率は、実施例に記載の方法により測定することができる。
微多孔膜の透気度は、好ましくは1秒以上であり、より好ましくは50秒以上であり、さらに好ましくは55秒以上、よりさらに好ましくは70秒以上、90秒以上、又は110秒以上である。微多孔膜の透気度が1秒以上であることにより、膜厚と気孔率と平均孔径のバランスがより向上する傾向にある。また、微多孔膜の透気度は、好ましくは400秒以下であり、より好ましくは300秒以下であり、さらに好ましくは270秒以下である。微多孔膜の透気度が400秒以下であることにより、イオン透過性がより向上する傾向にある。微多孔膜の透気度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
微多孔膜の引張強度は、MD及びTD(MDと直交する方向、膜幅方向)の両方向において、それぞれ、好ましくは1000kgf/cm以上であり、より好ましくは1050kgf/cm以上であり、さらに好ましくは1100kgf/cm以上である。引張強度が1000kgf/cm以上であることにより、スリット又は蓄電デバイス捲回時での破断がより抑制されるか、蓄電デバイス内の異物等による短絡がより抑制される傾向にある。一方、微多孔膜の引張強度は、好ましくは5000kgf/cm以下であり、より好ましくは4500kgf/cm以下であり、さらに好ましくは4000kgf/cm以下である。微多孔膜の引張強度が5000kgf/cm以下であることにより、加熱試験時に微多孔膜が早期に緩和して収縮力が弱まり、結果として安全性が高まる傾向にある。
微多孔膜の膜厚は、好ましくは1.0μm以上であり、より好ましくは2.0μm以上であり、さらに好ましくは3.0μm以上、4.0μm以上又は5.5μm以上である。微多孔膜の膜厚が1.0μm以上であることにより、膜強度がより向上する傾向にある。また、微多孔膜の膜厚は、好ましくは500μm以下であり、より好ましくは100μm以下であり、さらに好ましくは80μm以下、22μm以下又は19μm以下である。微多孔膜の膜厚が500μm以下であることにより、イオン透過性がより向上する傾向にある。微多孔膜の膜厚は実施例に記載の方法により測定することができる。
微多孔膜が近年の比較的高容量のリチウムイオン二次電池に使用されるセパレータである場合、微多孔膜の膜厚は、好ましくは25μm以下であり、より好ましくは22μm以下又は20μm以下であり、さらに好ましくは18μm以下であり、特に好ましくは16μm以下である。この場合、微多孔膜の膜厚が25μm以下であることにより、透過性がより向上する傾向にある。この場合、微多孔膜の膜厚の下限値は、1.0μm以上、3.0μm以上、4.0μm以上、又は5.5μm以上でよい。
蓄電デバイス用セパレータの長期安定性と蓄電デバイスの長期サイクル安定性及び安全性の観点から、微多孔膜は、その熱機械分析(TMA)測定時に、融解破膜温度が、好ましくは180℃~220℃、より好ましくは180℃~200℃であることが好ましい。また、TMAにより測定される融解破膜温度が180℃~220℃である微多孔膜を含むセパレータも本発明の一態様である。
[微多孔膜の製造方法]
本実施の形態に係る微多孔膜は、例えば、以下の工程:
(1)シート成形工程;
(2)延伸工程;
(3)多孔体形成工程;
(4)熱処理工程;
(5)親和性処理工程;
(6)架橋処理工程;及び
(7)水洗乾燥工程
を含む方法により製造されることができる。
所望により、微多孔膜の製造方法は、シート成形工程(1)前の混錬工程、及び/又は水洗乾燥工程(7)後の捲回工程を含んでよい。
〔混練工程〕
混練工程は、シラングラフト変性ポリオレフィンと、その他のポリオレフィンとを混練して混練物を得る工程である。
(ポリオレフィン)
混練工程において用いられるポリオレフィンとしては、特に限定されないが、例えば、エチレン若しくはプロピレンのホモ重合体、又はエチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、及びノルボルネンから成る群より選ばれる少なくとも2つのモノマーから形成される共重合体などが挙げられる。この中でも、孔が閉塞せずに、より高温で熱固定(「HS」と略記することがある)が行えるという観点から、高密度ポリエチレン(ホモポリマー)、低密度ポリエチレンが好ましく、高密度ポリエチレン(ホモポリマー)がより好ましい。なお、ポリオレフィンは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
混錬工程中に、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)をシラングラフト変性ポリオレフィンと併用することが好ましい。一般に、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)の重量平均分子量は、1,000,000以上であることが知られている。
また、混錬工程では、重量平均分子量が1,000,000未満のポリオレフィンを含む(ポリオレフィン全体に対し、好ましくは40質量%以上、より好ましくは80質量%以上の割合で含む)ポリオレフィン組成物を用いることが好ましい。重量平均分子量が1,000,000未満のポリオレフィンを用いることにより、蓄電デバイスの加熱試験等において早期にポリマーの収縮の緩和が起き、特に加熱安全性試験において安全性を保ち易い傾向にある。なお、重量平均分子量が1,000,000未満のポリオレフィンを用いる場合を、1,000,000以上のポリオレフィンを用いる場合と比較すると、得られる微多孔膜の厚み方向の弾性率が小さくなる傾向にあるため、比較的にコアの凹凸が転写され易い微多孔膜が得られる。
また、微多孔膜全体の重量平均分子量は、好ましくは100,000以上1,200,000以下であり、より好ましくは150,000以上800,000以下である。
混練工程において用いられるポリオレフィン組成物には、脱水縮合触媒、可塑剤、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、防曇剤、着色顔料等の公知の添加剤を含んでいてもよい。
(シラングラフト変性ポリオレフィン)
シラングラフト変性ポリオレフィンは、主鎖がポリオレフィンであり、その主鎖にアルコキシシリルをグラフトとする構造で構成されている。なお、前記アルコキシシリルに置換したアルコキシドは、特に限定されていないが、例えば、メトキシド、エトキシド、ブトキシドなどが挙げられる。また、主鎖とグラフト間は共有結合で繋いでおり、アルキル、エーテル、グリコールやエステルなどの構造が挙げられる。本実施の形態に係るセパレータの製造プロセスを考慮すると、シラングラフト変性ポリオレフィンは、後述される架橋処理工程の前の段階では、炭素に対するケイ素の割合(Si/C)が、0.2~1.8%であることが好ましく、0.5~1.7%であることがより好ましい。
好ましいシラングラフト変性ポリオレフィンは、密度が0.90~0.96g/cmであり、かつ190℃でのメルトフローレート(MFR)が、0.2~5g/分である。
(脱水縮合触媒)
アルコキシリル基は水による加水分解反応を経て、シロキサン結合を形成する。しかしながら、その反応速度が遅いため、多くの場合は、有機金属含有触媒を用いて縮合反応を促進できる。有機金属含有触媒の金属は、例えば、スカンジウム、バナジウム、銅、亜鉛、ジルコニウム、パラジウム、ガリウム、スズ、チタン、鉄、ニッケル及び鉛から成る群から選択される少なくとも1つでよい。有機金属含有触媒は特にジ-ブチルスズ-ジ-ラウレート、ジ-ブチルスズ-ジ-アセテート、ジ-ブチルスズ-ジ-オクトエートなどとして挙げられ、Weijら(F. W. van. der. Weij: Macromol. Chem., 181, 2541, 1980.)によって提唱された反応機構で反応速度を圧倒的に促進できることが知られているが、近年では、有機スズによる環境、人体への健康被害を避けるために、銅又はチタンのキレート錯体のルイス機能を利用して、有機塩基と組み合わせることによって、有機スズ錯体と同様にアルコキシシリル基同士のシロキサン結合を形成する反応を促進できることが知られている。
(マスターバッチ樹脂)
前記脱水縮合触媒はアルコキシシリル基含有樹脂のシロキサン結合形成反応の触媒としても機能することが知られている。本明細書では、押出機を用いた樹脂混練工程を有する連続プロセスで前記脱水縮合触媒(有機金属含有触媒)をアルコキシシリル基含有樹脂又は他の混練樹脂へ事前に添加し、コンパウンドした物をマスターバッチ樹脂と呼ぶ。
(可塑剤)
上記可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、沸点以下の温度でポリオレフィンと均一な溶液を形成し得る有機化合物が挙げられる。より具体的には、デカリン、キシレン、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、デシルアルコール、ノニルアルコール、ジフェニルエーテル、n-デカン、n-ドデカン、パラフィン油等が挙げられる。これらの中でも、パラフィン油、ジオクチルフタレートが好ましい。可塑剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
可塑剤の割合は特に限定されないが、得られる微多孔膜の気孔率の観点から、ポリオレフィンとシラングラフトポリオレフィンは必要に応じて合計質量に対して20質量%以上が好ましく、溶融混練時の粘度の観点から90質量%以下が好ましい。
〔シート成形工程(押出工程)〕
シート成形工程は、得られた混練物、又はシラングラフト変性ポリオレフィンと超高分子量ポリオレフィンと可塑剤の混合物を押出し、冷却固化させ、シート状に成型加工してシートを得る工程である。シート成形の方法としては、特に限定されないが、例えば、溶融混練し押出された溶融物を、圧縮冷却により固化させる方法が挙げられる。冷却方法としては、冷風や冷却水等の冷却媒体に直接接触させる方法、冷媒で冷却したロールやプレス機に接触させる方法等が挙げられるが、冷媒で冷却したロールやプレス機に接触させる方法が、膜厚制御性が優れる点で好ましい。
セパレータ中の樹脂凝集物又は内部最大発熱速度の観点から、シート成形工程ではシラングラフト変性ポリオレフィンと超高分子量ポリエチレンの質量比(シラングラフト変性ポリオレフィンの質量/超高分子量ポリエチレンの質量)が、0.05/0.95~0.40/0.60であることが好ましく、より好ましくは0.06/0.94~0.38/0.62である。
150℃以下の低温シャットダウン性と180~220℃の高温での耐破膜性を有しながら蓄電デバイス破壊時の熱暴走を抑制して安全性を向上させるという観点から、シート成形工程ではシラングラフト変性ポリオレフィンが、そのシラングラフト変性ポリオレフィンを架橋する脱水縮合触媒をシート成形工程前から含有するマスターバッチ樹脂ではないことが好ましい。
また、シート成形工程で使用されるシラングラフト変性ポリオレフィンがマスターバッチ樹脂である場合には、後述される水洗乾燥工程によって、スカンジウム、バナジウム、銅、亜鉛、ジルコニウム、パラジウム、ガリウム、スズ、チタン、鉄、ニッケル又は鉛の含有量が原子換算の合計量で0.10ppm以上200ppm以下の範囲内に制御されることが好ましく、亜鉛又はスズの含有量が原子換算の合計量で0.10ppm以上200ppm以下の範囲内に制御されることがより好ましい。
〔延伸工程〕
延伸工程は、得られたシートから、必要に応じて可塑剤や無機材を抽出し、更にシートを一軸以上の方向へ延伸する工程である。シートの延伸方法としては、ロール延伸機によるMD一軸延伸、テンターによるTD一軸延伸、ロール延伸機とテンター、又はテンターとテンターとの組み合わせによる逐次二軸延伸、同時二軸テンター又はインフレーション成形による同時二軸延伸等が挙げられる。より均一な膜を得るという観点からは、同時二軸延伸が好ましい。
トータルの面倍率は、膜厚の均一性、引張伸度と気孔率と平均孔径のバランスの観点から、好ましくは8倍以上であり、より好ましくは15倍以上であり、さらに好ましくは20倍以上又は30倍以上である。トータルの面倍率が8倍以上であることにより、高強度で厚み分布が良好のものが得られ易くなる傾向にある。また、この面倍率は、破断防止などの観点から、250倍以下でよい。
〔多孔体形成工程(抽出工程)〕
多孔体形成工程は、延伸工程後の延伸物から可塑剤を抽出して、延伸物を多孔化する工程である。
可塑剤の抽出方法としては、特に限定されないが、例えば、延伸物を抽出溶媒に浸漬する方法、延伸物に抽出溶媒をシャワーする方法等が挙げられる。抽出溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィンに対して貧溶媒であり、且つ、可塑剤又は無機材に対しては良溶媒であり、沸点がポリオレフィンの融点よりも低いものが好ましい。このような抽出溶媒としては、特に限定されないが、例えば、n-ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;塩化メチレン、1,1,1-トリクロロエタン、フルオロカーボン系等ハロゲン化炭化水素類;エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;アセトン、2-ブタノン等のケトン類;アルカリ水等が挙げられる。抽出溶媒は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
〔熱処理工程〕
熱処理工程は、延伸工程の後、さらに必要に応じてシートから可塑剤を抽出し、更に熱処理を行い、微多孔膜を得る工程である。
熱処理の方法としては、特に限定されないが、例えば、テンター又はロール延伸機を利用して、延伸及び緩和操作等を行う熱固定方法が挙げられる。緩和操作とは、膜の機械方向(MD)及び/又は幅方向(TD)へ、所定の温度及び緩和率で行う縮小操作のことをいう。緩和率とは、緩和操作後の膜のMD寸法を操作前の膜のMD寸法で除した値、又は緩和操作後のTD寸法を操作前の膜のTD寸法で除した値、又はMDとTD双方を緩和した場合は、MDの緩和率とTDの緩和率を乗じた値のことである。
本実施の形態では、親和性処理工程と架橋処理工程に適した熱処理多孔体を得るという観点から、多孔体のTDに延伸及び緩和を行うことが好ましい。
〔親和性処理工程〕
親和性処理工程は、水とポリオレフィン間の濡れ性を向上するため、熱処理工程で得られた微多孔膜を、水と有機物に両親媒性のある有機溶媒に浸漬する工程である。親和性処理された多孔体の内部には両親媒性有機溶媒が配置され、液体との親和性を増大し、例えば架橋処理工程の際に、架橋反応を促進する材料又は触媒との親和性も増大することがある。
使用される有機溶媒は、特に限定されないが、例えば、アルコール類、アセトン、炭酸エチレン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。また、浸漬する方法は、熱処理多孔体を有機溶媒に浸漬させる方法、熱処理多孔体に有機溶媒をシャワーする方法等が挙げられる。
〔架橋処理工程〕
架橋処理工程は、前記親和性処理工程で得られた微多孔膜内に含まれているアルコキシシリル基をシロキサン結合へ反応(架橋反応)させる工程である。
架橋処理工程では、親和性処理多孔体を、有機金属含有触媒と水の混合物に接触させるか、又は塩基溶液若しくは酸溶液に浸漬させ、シラン脱水縮合反応を行ってオリゴシロキサン結合を形成する。
熱水用パイプなどの一般的な成形品ではSn系触媒を押出工程時に押出機に投入するのに対して、蓄電デバイス用セパレータの製造プロセスではシート成形工程中の押出機内でシラン架橋が促進されると、ゲル化部分が生産不良を招き、かつ後工程である延伸工程においてシラン架橋ポリオレフィンの延伸が困難になる。したがって、延伸工程、熱処理工程及び親和性処理工程の後に、シラン架橋処理を行って、シラン架橋部によってセパレータの耐熱性、形状維持性及び耐破膜性を確保することが好ましい。
有機金属含有触媒の金属は、例えば、スカンジウム、バナジウム、銅、亜鉛、ジルコニウム、パラジウム、ガリウム、スズ、チタン、鉄、ニッケル及び鉛から成る群から選択される少なくとも1つでよく、中でもスズ、亜鉛、又はパラジウムが好ましく、スズ又は亜鉛がより好ましい。触媒として使用可能な有機スズ錯体は、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、酢酸第一スズ、カプリル酸第一スズなどでよい。
塩基溶液は、pHが7を超え、例えば、水酸化アルカリ金属類、水酸化アルカリ土類金属類、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属のリン酸塩、アンモニア、アミン化合物などを含んでよい。これらの中でも、蓄電デバイスの安全性とシラン架橋性の観点から、水酸化アルカリ金属類又は水酸化アルカリ土類金属類が好ましく、水酸化アルカリ金属類がより好ましく、水酸化ナトリウムがさらに好ましい。
酸溶液は、pHが7未満であり、例えば、無機酸、有機酸などを含んでよい。好ましい酸は、塩酸、硫酸、カルボン酸類、又はリン酸類である。
架橋処理工程は、蓄電デバイス破壊時の熱暴走反応を抑制して安全性を向上させるという観点から、親和性処理多孔体を塩基溶液又は酸溶液に浸漬させることにより行われることが好ましい。
親和性処理多孔体を塩基溶液に浸漬させる場合には、長期サイクル安定性及び安全性をさらに向上させるという観点から、塩基溶液の温度が20℃~100℃であることが好ましく、かつ/又は塩基溶液のpHが8~14であることが好ましい。pH調整に使用する試薬は、特に限定されていないが、水酸化アルカリ金属類、水酸化アルカリ土類金属類などあげられる。同様の観点から、アルカリ水溶液は、エチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、ピリジンなどのアミン化合物を含まないことが好ましい。
親和性処理多孔体を酸溶液に浸漬させる場合には、理論に拘束されることを望まないが、酸は、シラン架橋ポリオレフィンのSi-O結合を切断するというよりも、シラン架橋ポリオレフィンのSi-O結合の形成を触媒的に促進するように働くことが推察される。
親和性処理多孔体を有機金属含有触媒と水との混合物に接触させる場合には、微多孔膜の非晶質部分を制御して長期サイクル安定性及び安全性を確保するという観点から、最終的に得られる微多孔膜のスカンジウム、バナジウム、銅、亜鉛、ジルコニウム、パラジウム、ガリウム、スズ、チタン、鉄、ニッケル又は鉛の含有量が、原子換算の合計量で0.10ppm以上200ppm以下の範囲内になるように調整することが好ましく、微多孔膜の亜鉛又はスズの含有量が原子換算の合計量で0.10ppm以上200ppm以下の範囲内になるように調整することがより好ましい。微多孔膜のスカンジウム、バナジウム、銅、亜鉛、ジルコニウム、パラジウム、ガリウム、スズ又は鉛の含有量は、例えば、後述される水洗乾燥工程などにより調整されることができる。このような限定した範囲の含金属量により、多孔膜の架橋構造の分解を抑制し、安全性を確保すると同時に、電池サイクル特性が良い性能を示すことが分かった。過剰に金属が蓄電デバイス用セパレータに含まれた場合では、溶出イオンが正極内へ侵入し、Liを貯蔵する金属クラスタの構造を変化させ、正極全体に電気的な欠陥点を生み、サイクル性能を悪化させることが本発明者により明らかになった。
〔水洗乾燥工程〕
水洗乾燥工程は前記架橋処理工程で得られた微多孔膜を水洗し、乾燥させる工程である。水洗乾燥工程の好ましい条件は、水温が20~100℃であり、かつ/又は洗浄水のpHが6~8である。例えば、20~100℃の温度で微多孔膜内をpH6~8の水へ置換した後に、乾燥することができる。乾燥方法は、特に限定されないが、加熱ロールでの搬送、熱風の吹きつけ、又は赤外線ヒータを用いた加熱乾燥などが挙げられる。
〔捲回工程〕
捲回工程は、得られた微多孔膜を、必要に応じてスリットして、所定のコアへ捲回する工程である。
上記で説明された各種の工程を含む方法により得られたセパレータは、蓄電デバイスに、特にリチウム電池又はリチウムイオン二次電池に利用されることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施の形態をより具体的に説明するが、本実施の形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の物性は以下の方法により測定した。
(1)重量平均分子量
Waters社製 ALC/GPC 150C型(商標)を用い、標準ポリスチレンを以下の条件で測定して較正曲線を作成した。また、下記各ポリマーについても同様の条件でクロマトグラムを測定し、較正曲線に基づいて、下記方法により各ポリマーの重量平均分子量を算出した。
カラム :東ソー製 GMH-HT(商標)2本+GMH-HTL(商標)2本
移動相 :o-ジクロロベンゼン
検出器 :示差屈折計
流速 :1.0ml/min
カラム温度:140℃
試料濃度 :0.1wt%
(ポリエチレンの重量平均分子量)
得られた較正曲線における各分子量成分に0.43(ポリエチレンのQファクター/ポリスチレンのQファクター=17.7/41.3)を乗じることによりポリエチレン換算の分子量分布曲線を得て、重量平均分子量を算出した。
(樹脂組成物の重量平均分子量)
最も質量分率の大きいポリオレフィンのQファクター値を用い、その他はポリエチレンの場合と同様にして重量平均分子量を算出した。
(2)粘度平均分子量(Mv)
ASTM-D4020に基づき、デカリン溶媒における135℃での極限粘度[η]を求めた。ポリエチレンのMvを次式により算出した。
[η]=6.77×10-4Mv0.67
(3)メルトマスフローレイト(MFR)(g/10min)
東洋精機製メルトマスフローレイト測定機(メルトインデックサF-F01)を用いて、190℃及び加重2.16kgの条件下、10分間で押出された樹脂物の重量をMFR値として定めた。
(4)膜厚(μm)
東洋精機製の微小測厚器、KBM(商標)用いて、室温23±2℃及び相対湿度60%で微多孔膜の膜厚を測定した。具体的には、TD方向全幅に亘って、ほぼ等間隔に5点の膜厚を測定し、それらの平均値を得た。
(5)気孔率(%)
10cm×10cm角の試料を微多孔膜から切り取り、その体積(cm)と質量(g)を求め、それらと密度(g/cm)より、次式を用いて気孔率を計算した。なお、混合組成物の密度は、用いた原料の各々の密度と混合比より計算して求められる値を用いた。
気孔率(%)=(体積-質量/混合組成物の密度)/体積×100
(6)透気度(sec/100cm
JIS P-8117(2009年)に準拠し、東洋精器(株)製のガーレー式透気度
計、G-B2(商標)により試料の透気度を測定した。
(7)セパレータ中樹脂凝集物の定量化
セパレータ中樹脂凝集物は、後述される実施例と比較例の製膜工程を経て得られたセパレータを透過型光学顕微鏡で観察したときに、縦100μm×横100μm以上の面積を有し、かつ光が透過しない領域として定義されるものである。透過型光学顕微鏡による観察において、セパレータ面積1000m当たりの樹脂凝集物の個数を測定した。
(8)電池破壊安全性試験
電池破壊安全性試験は、4.5Vまで充電した電池に鉄釘を20mm/secの速度で打ち込み、貫通させて、内部短絡を起こす試験である。本試験は、内部短絡による電池の電圧低下の時間変化挙動および内部短絡による電池表面温度上昇挙動を測定することで、内部短絡時の現象を明らかにできる。また、内部短絡時にセパレータの不十分なシャットダウン機能や低温での破膜により、電池の急激な発熱が生じる場合があり、それに伴い、電解液が発火し、電池が発煙及び/又は爆発することがある。
(電池破壊安全性試験に用いられる電池の作製)
a.正極の作製
正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物LiCoOを92.2質量%、導電材としてリン片状グラファイトとアセチレンブラックをそれぞれ2.3質量%、及びバインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)3.2質量%をN-メチルピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の片面にダイコーターで塗布し、130℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形した。このとき、正極の活物質塗布量は250g/m、活物質嵩密度は3.00g/cmになるように調整した。
b.負極の作製
負極活物質として人造グラファイト96.9質量%、及びバインダーとしてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩1.4質量%とスチレン-ブタジエン共重合体ラテックス1.7質量%を精製水中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを負極集電体となる厚さ12μmの銅箔の片面にダイコーターで塗布し、120℃で3分間乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形した。このとき、負極の活物質塗布量は106g/m、活物質嵩密度は1.35g/cmになるように調整した。
c.非水電解液の調製
エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:2(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiPFを濃度1.0mol/Lとなるように溶解させて調製した。
d.電池組立
セパレータを横(TD)方向60mm、縦(MD)方向1000mmに切出し、セパレータに対して、九十九折し、正極と負極を交互にセパレータ間(正極12枚、負極13枚)に重ねる。なお、正極は30mm×50mm、負極は32mm×52mmの面積の物を使用した。この九十九折した積層体をラミ袋へ入れた後、上記c.で得られた非水電解液を注入して密閉した。室温にて1日放置した後、25℃雰囲気下、3mA(0.5C)の電流値で電池電圧4.2Vまで充電し、到達後4.2Vを保持するようにして電流値を3mAから絞り始めるという方法で、合計6時間、電池作製後の最初の充電を行った。続いて、3mA(0.5C)の電流値で電池電圧3.0Vまで放電した。
(最大発熱速度)
得られた電池へ鉄釘を貫通させた後、電池表面温度は熱電対を用いて、300秒間に亘って測定した温度変化グラフから、1sec当たりに昇温変化が最も大きかった時の速度を最大発熱速度と定めた。
(電圧低下時間)
得られた電池へ鉄釘を貫通させた後、4.5Vから3Vまでの電圧低下に要した時間を電圧低下時間(3V低下時間)として定めた。
(9)サイクル特性評価およびその電池の作製方法
上記項目「(8)電池破壊安全性試験」に用いられる電池の作製方法のa.~c.と同じ方法に従って、ただし組立は下記d.によりサイクル特性評価用電池を作製した。
d.電池組立
セパレータを直径18mm、正極及び負極を直径16mmの円形に切り出し、正極と負極の活物質面が対向するよう、正極、セパレータ、負極の順に重ね、蓋付きステンレス金属製容器に収納した。容器と蓋とは絶縁されており、容器は負極の銅箔と、蓋は正極のアルミニウム箔と接していた。この容器内に、上記項目「(8)電池破壊安全性試験」のc.において得られた非水電解液を注入して密閉した。室温にて1日放置した後、25℃雰囲気下、3mA(0.5C)の電流値で電池電圧4.2Vまで充電し、到達後4.2Vを保持するようにして電流値を3mAから絞り始めるという方法で、合計6時間、電池作製後の最初の充電を行った。続いて、3mA(0.5C)の電流値で電池電圧3.0Vまで放電した。
得られた電池の充放電は、60℃雰囲気下で600サイクル実施した。充電は6.0mA(1.0C)の電流値で電池電圧4.2Vまで充電し、到達後4.2Vを保持するようにして電流値を6.0mAから絞り始めるという方法で、合計3時間充電した。放電は6.0mA(1.0C)の電流値で電池電圧3.0Vまで放電した。600サイクル目の放電容量と1サイクル目の放電容量から、容量維持率を算出した。容量維持率が高い場合、良好なサイクル特性を有するものと評価した。
(10)TMA破膜温度
上記サイクル試験において600回のサイクルで使用された電池の解体後に、セパレータ(微多孔膜)のみを取り出し、エタノール、アセトン、真空乾燥の順に処理されたセパレータをサンプルとして用いて、セパレータのTMA破膜温度測定を行い、長期使用時のセパレータ破膜特性を評価する。島津製作所製TMA50(商標)の定長モードを用いて環境温度を25℃~250℃に亘って変化させ、荷重が完全開放される瞬間の温度をTMA破膜温度と定める。
具体的には、MD方向を測定する際に、TD方向5mm、MD方向50mmの微多孔膜を採取し、専用プローブにMD方向の両端をチャックし、チャック間距離を30mmに、初期1.0g荷重させ、試験片が搭載した炉を昇温し、荷重が0gに示した温度をTMA破膜温度とした。
TD方向を測定する際には、TD方向50mm、MD方向5mmの微多孔膜を採収し、上記と同様な操作を行う。
(11)押出安定性
押出工程時に被押出ポリオレフィン組成物の状態を観察して、以下の基準により評価した。
〇(良好):押出機の電流値変動が、300秒の平均値において、±0.5A以内である。
×(不良):押出機の電流値変動が、300秒の平均値において、±0.5Aを超える。
(12)金属含有量
誘導結合プラズマ(ICP)発光分析装置を用いて試料中に含まれるSn原子、Zn原子、Ti原子、Cu原子、Fe原子、Ni原子などの質量割合を測定した。
[シラングラフト変性ポリオレフィンの製法]
シラングラフト変性ポリオレフィンに用いる原料ポリオレフィンは、粘度平均分子量(Mv)が10万以上かつ100万以下であり、重量平均分子量(Mw)が3万以上かつ92万以下、そして数平均分子量は1万以上かつ15万以下でよく、プロピレン又はブテン共重合αオレフィンでもよい。原料ポリエチレンを押出機で溶融混練しながら、有機過酸化物(ジ-t-ブチルパーオキサイド)を添加し、αオレフィンのポリマー鎖内でラジカルを発生させた後、トリメトキシアルコキシド置換ビニルシランを注液し、付加反応により、αオレフィンポリマーへアルコキシシリル基を導入し、シラングラフト構造を形成させる。また、同時に系中のラジカル濃度を調整するために、酸化防止剤(ペンタエリトリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-テトラ-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート])を適量添加し、αオレフィン内の鎖状連鎖反応(ゲル化)を抑制する。得られたシラングラフトポリオレフィン溶融樹脂を水中で冷却し、ペレット加工を行った後、80℃で2日加熱乾燥し、水分又は未反応のトリメトキシアルコキシド置換ビニルシランを除く。なお、未反応のトリメトキシアルコキシド置換ビニルシランのペレット中の残留濃度は、10~1500ppm程度である。
上記の製法により得られたシラングラフト変性ポリエチレンを表1~3において「シラン変性ポリエチレン(B)」として示す。
[製膜例]
(シート成型工程)
重量平均分子量が2,000,000のホモポリマーのポリエチレン(超高分子量ポリエチレン(A))79.2質量%に、粘度平均分子量20,000のポリオレフィンを原料とし、トリメトキシアルコキシド置換ビニルシランによって変性反応で得られるMFRが0.4g/分のシラングラフトポリエチレン(シラン変性ポリエチレン(B))19.8質量%(以上より(A)と(B)の樹脂組成はそれぞれ0.8および0.2)、酸化防止剤としてペンタエリスリチル-テトラキス-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を1質量%添加し、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、混合物を得た。得られた混合物を、二軸押出機へ窒素雰囲気下でフィーダーにより供給した。また、流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10-5/s)を押出機シリンダーにプランジャーポンプにより注入した。
押出機内で混合物と流動パラフィンを溶融混練し、押し出されるポリオレフィン組成物中に占める流動パラフィン量比が質量70%となるように(即ち、ポリマー濃度が30質量%となるように)、フィーダー及びポンプを調整した。溶融混練条件は、設定温度230℃、スクリュー回転数240rpm、及び吐出量18kg/hであった。
続いて、溶融混練物を、T-ダイを経て表面温度25℃に制御された冷却ロール上に押出しキャストすることにより、原反膜厚1400μmのゲルシート(シート状成型体)を得た。
(延伸工程)
次に、ゲルシートを同時二軸テンター延伸機に導き、二軸延伸を行い、延伸物を得た。設定延伸条件は、MD倍率7.0倍、TD倍率6.0倍(即ち、7×6倍)、二軸延伸温度125℃とした。
(多孔体形成工程)
次に、延伸後のゲルシートをメチルエチルケトン槽に導き、メチルエチルケトン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽出除去し、その後メチルエチルケトンを乾燥除去し、多孔体を得た。
(熱処理工程)
次に、熱固定(HS)を行なうべく多孔体をTDテンターに導き、熱固定温度125℃、延伸倍率1.8倍でHSを行い、その後、TD方向へ0.5倍の緩和操作(即ち、HS緩和率が0.5倍)を行った。
(親和性処理工程)
さらに、熱処理多孔体をエタノール浴中(親和性処理槽)に導き60秒間浸漬しつつ滞留し、熱処理多孔体の親和性処理を行い、親和性処理多孔体を得た。
(架橋処理工程)
さらに、親和性処理多孔体を25%苛性ソーダ水溶液中(架橋処理槽)に導き60秒間浸漬しつつ滞留し、親和性処理多孔体の架橋処理を行い、架橋処理多孔体を得た。
(水洗乾燥工程)
さらに、架橋処理多孔体を水中(水洗処理槽)に導き60秒間浸漬しつつ滞留し、架橋処理多孔体を水洗した。これを搬送式乾燥機へ導き、120℃で60秒間の条件で乾燥して微多孔膜を得た。
その後、得られた微多孔膜について、端部を裁断し、幅1,100mm、長さ5,000mのマザーロールとして巻き取った。
[実施例1~11、比較例1~5]
表1~3に記載されるように、成分AとBの量比及び架橋方式・条件を変更したこと以外は、上記の製膜例と同様の操作を行って、表1~3に示す微多孔膜を得た。得られた微多孔膜について、上記評価方法に従って各種の評価を行って、評価結果も表1~3に示した。
実施例1で得られたセパレータについては、TMAグラフ(図1)と、電池の釘突刺安全試験時の発熱グラフ(図2)及び電圧低下グラフ(図3)とを作成した。
Figure 0007160621000001
Figure 0007160621000002
Figure 0007160621000003
表1~3中の用語「架橋反応のタイミング」は、シラン架橋反応が、上記で説明された(1)シート成形工程、(2)延伸工程、(3)多孔体形成工程、(4)熱処理工程、(5)親和性処理工程、(6)架橋処理工程、及び(7)水洗乾燥工程のいずれかで行われたことを示すものである。
表1~3中の用語「樹脂組成」は、シラングラフト変性ポリオレフィンと超高分子量ポリエチレンの合計量に対する比率を示すものである。
表1~3中の用語「方式」は、シラン架橋反応の方法を示し、それによって、アルカリ処理、酸処理、熱水処理、又は脱水縮合触媒による方式に分類される。
表1~3中の用語「架橋反応のタイミング」は、シラン架橋反応が、上記で説明された(1)シート成形工程、(2)延伸工程、(3)多孔体形成工程、(4)熱処理工程、(5)親和性処理工程、(6)架橋処理工程、及び(7)水洗乾燥工程のいずれかで行われたことを示すものである。
なお、実施例4において25%苛性ソーダ水溶液に変えて10%塩酸溶液を用い、比較例2においては、製膜例における架橋処理工程において25%苛性ソーダ水溶液中への浸漬に替えて2.5kg/mスチーム処理槽を用いて行った。さらに、比較例3、4においては表3中記載のタイミングにて架橋反応を行い、架橋処理工程は省略した。
なお、実施例11では、上記製造例に対して、水洗時間を60秒から10分に変更して金属イオン量を調節した。
表1~3中の用語「試薬」は、製膜例における架橋処理工程において用いる試薬を示す。
表1~3中の用語「温度」は、架橋反応のタイミングに表記された行程中の温度を示す。
表1~3中の用語「架橋処理槽のpH」、「水洗処理槽のpH」とは、各槽中のpHを示し、例えば「7~12」とは槽入り口付近から出口付近においてpHが幅を持って分布していることを示す。
表1~3中の「シラン変性ポリエチレン(B)」は、密度が0.95g/cmであり、かつ190℃でのメルトフローレート(MFR)が0.4g/分であるシラン変性ポリエチレンである。

Claims (2)

  1. シラングラフト変性ポリオレフィン及び超高分子量ポリオレフィンを含む微多孔膜を含む蓄電デバイス用セパレータであって、前記微多孔膜が銅、亜鉛、スズ、チタン、鉄又はニッケルを原子換算の合計量で0.10ppm以上200ppm以下含む蓄電デバイス用セパレータ。
  2. シラングラフト変性ポリオレフィン及び超高分子量ポリオレフィンを含む微多孔膜を含む蓄電デバイス用セパレータであって、前記微多孔膜が亜鉛又はスズを原子換算の合計量で0.10ppm以上200ppm以下含む蓄電デバイス用セパレータ。
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