JP7160261B2 - 新規乳酸菌株、その菌株を用いた食品組成物、及びその菌体を含む発酵組成物 - Google Patents
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Description
こうした乳酸菌は、細菌の生物学的な分類上の特定の菌種を指すものではなく、一般的には、発酵によって糖類から多量の乳酸を産生し、かつ、悪臭の原因になるような腐敗物質を作らない細菌を「乳酸菌」という。具体的には、グラム陽性の桿菌又は球菌で、芽胞を作らず、運動性がなく、消費ブドウ糖に対して50%以上の乳酸を生成し、ナイアシン(ビタミンB3)必須要求性の菌が、乳酸菌と定義されている。
こうした乳酸菌は、上記のような食品の味や風味の向上を図る過程において、自然に又は意図的に選択、改良されてきた。そして、現在では、上述した発酵食品、発酵飲料のみならず、発酵肉の製造、醸造等でも使用され、さらには、サイレージの調製でも使用され、家畜飼料の品質向上にも活用されている。
また、上記のイソチオシアネート類が、酵素の作用を受けてジメチルサルファイトという揮発成分になると塩素臭に似た臭いとして感じられたり、分解されて揮発性成分であるジメチルジスルフィドやジメチルスルフィドが生成されたときに、濃度が高くなるにつれて、石油に似た異臭を出し始めたりすることが知られている(非特許文献2参照)。
さらに、メチルメルカプタンは、野菜フレーバーの原料としても使用し得るが、一方で、特有の硫黄臭があることから高濃度となると悪臭防止法の規制対象ともなっている。ジアセチルについても、高濃度になると、不快な発酵臭として感じられることが知られている(特許文献2参照)。
これらの技術はいずれも、香りを構成する成分のうち、不快臭の原因成分となるものを特定し、その成分の香りの中における含有量を減少させることによって、臭気を個別に低減させるという技術である。言いかえれば、植物を原料として乳酸発酵を行った場合に生じる、上述したような特有の不快臭を低減させるために、複数の香りの成分を調節すること、そしてその調節を、乳酸菌を使って行うことについては、全く考慮されていない。
このため、消費者によって嗜好性が大きく分かれる乳酸発酵によって得られる発酵組成物の風味や香りを調節できる乳酸菌に対する、強い社会的要請があった。
さらに、漬物業界では、機能性乳酸菌を添加したキムチの製品化が進んでおり、全日本漬物協同組合連合会が令和元年8月1日より「発酵漬物認定制度」を開始するなど、乳酸菌発酵漬物が耳目を集めている。
このため、多様な嗜好性を持つ現在の消費者に対し、それぞれの嗜好に合致した香気を有する発酵製品を提供することについての強い社会的要請があった。
ここで、上記発酵食品は、乳酸発酵によって直接得られる発酵食品の他、上記乳酸菌又はその培養物を配合した野菜、果実、穀物等の加工品であって、固体又は半固体のものを含む。乳酸発酵によって直接得られる発酵食品としては、例えば、鮒寿司、漬物、サワークラウト、各種ジャム、ヨーグルト、チーズ、発酵バター、発酵畜肉製品等を挙げることができる。ここで、上記漬物には、塩漬け、ぬか漬け、麹漬け等のほか、ピクルス等も含まれる。
発明の乳酸菌は、生菌体、死菌体、菌体組成物、若しくは発酵組成物、発酵ろ液、処理物等、種々の形態で各種の食品に配合又は適用することができ、配合する食品は特に限定されない。
本発明の発酵組成物を上記のような食品に配合又は適用することによって、こうした食品を健康食品又は保健機能食品としてもよい。これらの健康食品又は保健機能食品の形状は特に限定されず、例えば、タブレット、顆粒状、カプセル、ペレット状、粉末等の固形のものの他、液状、シロップ状、ペースト状等にしてもよい。
また、前記発酵組成物は、上述したいずれかの菌株を培養して得られた培養物から分離された発酵ろ液を含むものであることが好ましい。ここで、上記「発酵ろ液」とは、液体を多く含む原料を用いて発酵した後に、原料に含まれる固形分をろ過し、ろ液として得られる液体をいい、例えば、上記の発酵豆乳の製造時に濾別された発酵豆乳、上記ココナッツの固形胚乳の発酵後に濾別されるココナッツミルク等を挙げることができる。また、前記発酵組成物は、発酵食品であることが好ましい。
以上のようにして、乳酸発酵中に産生される香り成分の原因となる化合物の産生をコントロールできる乳酸菌を得ることができる。
また、アブラナ科以外の植物としては、胡瓜、茄子、米等を挙げることができる。
以上のような植物等を原料として、上記の乳酸菌を用いて乳酸発酵を行うことにより、多様な嗜好性を持つ現在の消費者に対し、それぞれの嗜好に合致した香気を有する発酵製品を提供することができる。
(1)乳酸菌の採取とサンプル調製
茨城県内で製造された漬物17点を入手し、これらをサンプルとして使用した。各サンプルの希釈系列を作成するために、滅菌食塩水(0.85%)を調製し、4.5mLずつ分注した。上記のサンプルを0.5gずつ採取し、4.5mLの滅菌食塩水(0.85%)を入れた試験管に入れて懸濁液とし、各サンプルの原液とした。各サンプルの原液から0.5mLをとって、滅菌食塩水を分注した新たな試験管に加え、この作業を順次繰り返して106希釈系列とした。
上記サンプルの希釈系列を、滅菌シャーレに100μLずつ入れ、ここに約20mLのMRS寒天培地を注いでよく混合して静置した。寒天が固まった後に、上記シャーレを嫌気ジャーに移し、脱酸素剤ととともに封入して30℃で48時間培養した。
培養終了後、各シャーレ内のコロニーを観察したところ、酸を生成する菌が見られ、86株を得た。
得られた86株から乳酸菌以外の菌を除くために、グラム染色、カタラーゼ試験を、以下の手順で行った。
(2-1)グラム染色試験
グラム染色は、常法に従って行い、赤く染色されたグラム陰性菌株を除外した。
カタラーゼ試験は、上記で得られた菌株を、5mLのMRS培養液に加えて培養し、これを卓上遠心機で遠心し(10,160 x g 3分)、上清を捨てた。沈殿した菌体に3%過酸化水素水を1mL加え、発泡の有無を肉眼で観察した。発泡した菌(カタラーゼ陽性菌)は、乳酸菌ではないため除外した。
(3-1)DNA抽出
菌株を一晩MRS培地中で培養し、滅菌水で6倍希釈後、遠心分離(10,160 x g 3分)にかけて採取した菌体から、InstaGene Matrix キット(Bio-Rad社)を使用しDNAを抽出した。
16SrDNA 遺伝子増幅のための PCR 反応は、プライマーとして下記表3に示す12F(TTGATCCTGGCTCAGG)、及び1540R(AAGGAGGTGATCCAGCC)を使用した。PCR用酵素として、LATaq DNA polymerase(宝酒造)を使用し、下記表2に示す組成のPCR反応液中でPCRを行った。PCRプログラムは、95℃で3 分熱変性後、(ステップ1)95℃で1分、(ステップ2)52℃で30秒、(ステップ3)72℃で1分を1サイクルとして、(ステップ1)~(ステップ3)を35サイクル行い、その後、伸長反応を72℃で5分行った。
得られたPCR産物をPCR purification キット(QIAGEN)を使用し附属の使用説明書に従って精製し、精製PCR産物を得た。
上記の精製PCR産物とテンプレートとして、シーケンス反応及びエタノール沈殿を行った。装置はGeneAmp 9700 thermal cyclerを使用した。シーケンス用試薬として、Genomlab Dyeterminator Cycle Sequencing with Quick Start kit(BECKMAN COULTER)を使用し、試薬附属の使用説明書に従って行った。プライマーは12F、1540Rを使用した。シーケンス反応は(ステップ1)96℃で20秒、(ステップ2)50℃で20秒、(ステップ3)60℃で4分を1サイクルとして、(ステップ1)~(ステップ3)を30サイクル行い、得られたシーケンス反応物を4℃で保存した。
配列の決定はCEQ8000(BECKMAN COULTER)を使用して行った。得られた配列をDNA Data Bank of Japan(DDBJ)の BLAST プログラムにより相同性解析により同定し、68株の乳酸菌を得た。
16SrDNA遺伝子配列の解析を行い、類似した菌種である「Lactbacillus属のplantarum、pentosus、paraplantarumのいずれかである」という結果が出た株について、Trrianiら及びBerthierらの方法(Trriani,S.,Felis,G.E.andDellaglio :Appl.Enviro; 及びBerthier,F .and Ehrlich,S.D.:Int.J.Sys. Bcteriol.,49,997(1999))に基づいて、下記の(i)~(iii)の手順で同定を行った。
(i)recA遺伝子増幅用PCR:下記表4に示す組成のPCR反応液を調製し、反応容量は20μLとした。上記(3-1)DNA抽出で抽出したDNAを鋳型とし、下記表5に示すプライマー(配列番号3~6)及びLATaq DNA polymeraseを使用して、GeneAmp 9700 thermal cyclerを用いて行った。
(iii)PCR産物の分析:上記のようにして得られたPCR産物を、2.0%アガロースゲル電気泳動(100V、20分)に供し、GRG500(バイオクラフト)を使用して、附属の使用説明書に従って染色後、FUSION SOLO 3S(Vilber-Lourmat)を用いてバンドを検出した。上記の候補株は、plantarumが300bpに、pentosusが200bpに、そしてparaplantarumが100bpにバンドが検出される。これに基づいていずれの株なのかを判定した。マーカーには、Gene Ladder 100(富士フィルム和光純薬(株))を使用した。
16SrDNA遺伝子配列の解析を行い、「Lactbacillus属のcurvatus又はsakeiのいずれか」という結果が出た株について、上述したBerthierらの方法に基づいて、下記の手順で同定を行った。
(i)recA遺伝子増幅の為のPCR反応:下記表6に示す組成のPCR反応液を調製し、反応容量は20μLとした。上記(3-1)DNA抽出で抽出したDNAを鋳型とし、上記表5に示すプライマー(配列番号3~6)及びLATaq DNA polymeraseを使用して、GeneAmp 9700 thermal cyclerを用いて行った。
(iv)PCR産物の分析:上記のようにして得られたPCR産物を、1.5%アガロースゲル電気泳動(100V、20分)に供し、GRG500(バイオクラフト)を使用して試薬附属の使用説明書に従って染色後、FUSION SOLO 3S(Vilber-Lourmat)を用いてバンドを検出した。3’Lb.sakeiのプライマーを使用して得られたPCR産物で200bpの位置にバンドが現れた場合には、その菌をLactbacillus sakeiと推定した。
上記実施例1で同定した菌株の中から下記の新規菌株5株を得て、下記の手順により、生育温度、耐塩性、及び糖資化性について標準株との特性の相違を検討した。
糖の資化性については、グリセロール、エリスリトール、D-アラビノース、L-アラビノース、D-リボース、D-キシロース、L-キシロース、D-アドニトール、メチル-βD-キシロピランシド、D-ガラクトース、D-グルコース、D-フルクトース、D-マンノース、L-ソルボース、L-ラムノース、ズルシトール、イノシトール、D-マンニトール、D-ソルビトール、メチル-αD-マンノピラノシド、メチル-αD-グルコピラノシド、N-アセチルグルコサミン、アミグダリン、アルブチン、エスカリン、サリシン、D-セルビオース、D-マルトース、D-ラクトース、D-メリビオース、D-サッカロース、D-トレハロース、イヌリン、D-メレジトース、D-ラフィノース、デンプン、グリコーゲン、キシリトール、ゲンチオビオース、D-ツラノース、D-リキソース、D-タガトース、D-フコース、L-フコース、D-アラビトール、L-アラビトール、グルコネート、2-ケトグルコネート、及び5-ケトグルコネートについて試験を行い、標準株と相違があるものについて下記表8に示した。
(1)白菜発酵漬の試作
次に、上記のようにして採取した乳酸菌を添加して、白菜発酵漬を試作した。白菜2kgに、食塩600g、酢酸10 mL、及び水2 Lを加え、重石をして10℃で4時間下漬をした。この工程は塩と酢との相乗効果による殺菌工程も兼ねている。流水中で30分脱塩し、その後、白菜の重量に対して食塩1%、酢酸ナトリウム0.5%、酵母エキス0.1%、水10%、及び乳酸菌を105 CFU/gとなるよう添加し、15℃で72時間発酵した。
発酵終了後、乳酸菌数を調べ、106 CFU/g以上に増殖していた乳酸菌7菌種47株を同定した。これらの菌株を使用した白菜発酵漬と、対照として試作ごとに作成した乳酸菌なしの白菜漬9個とを、以後の分析に使用した。対照(乳酸菌なし)の白菜漬けの一般生菌数は、いずれも103 CFU/g未満で、原料野菜由来の菌の影響は少ないと判断した。
次いで、GC‐O/MSによる香気成分の選抜を行った。GC/MSで揮発成分の分析を行ったが、においのある成分とは限らない。このため、GC/MSに「におい嗅ぎ」機能を付けたGC‐O/MSを使用した。この装置の模式図を図1に示す。「におい嗅ぎ」機能とは、カラムで分離した個々の成分をヒトの鼻で嗅ぐことができる機能で、ヒトの嗅覚でにおいの有無、及び質を評価できる機能である。GC/MSの分析条件を下記表9に示す条件で行った。
*2:各ピークの質量数とNISTライブラリとの照合のみ
a*:他1成分 *b:他8成分 *c:他4成分 *d:他5成分
事前検討で変化を感じることの多かった4種類の臭い(ヨーグルト香、浅漬け香、硫黄臭、白菜香)の香りを、上記のように作製した56個の漬物について、官能試験の経験者2名で評価した。次に、食味試験結果とGC/MSの結果とを比較し、香り有でピーク面積値が大きくなる成分を探索した。結果を下記の表11及び表12に示す。
(4)乳酸菌の選抜
以上のようにして、白菜漬けの香り成分と、GC/MSで検出された化合物との対応付けを行った。菌株ごとにGC/MSの分析結果の比較を行い、特徴的な香気成分変化が見られた5株を選抜した(表13参照)。
(1)白菜発酵漬物の製造
次に、上記のようにして採取した乳酸菌を添加して、下記の方法を用いて、上記の乳酸菌株ごとに2回ずつ白菜づけを作製した。対照として、試作ごとに同一の製造条件で乳酸菌添加なしの漬物も作成した。まず、白菜を4つ割りにした後、葉の隙間まで十分に水で洗った。その後、塩と酢との相乗効果による殺菌工程も兼ねて、白菜10kgに対し、食塩3kg、酢酸50mL、水10Lを加えて4時間下漬けした。下漬け終了後、流水で30分間脱塩した。上記のように脱塩処理した下漬け白菜に、食塩1%(w/w)、酢酸ナトリウム0.5%(w/w)、酵母エキス0.1%(w/w)、及び上記実施例1で得た乳酸菌を、それぞれ105 CFUになるよう添加して15℃で72時間発酵させた。発酵終了後の各試料中の乳酸菌数、及びpHは下記表14に示す通りであった。
上記5株からそれぞれ1gを試料として取り、香気成分の分析を上記表8に示す条件で行い、上記実施例2の結果を元に炭素数2~9の脂肪族アルデヒド、イソチオシアネート類、メチルメルカプタン、ジアセチル、及びジメチルトリスルフィドのGC/MSの検出値の比較を行った。結果を図2~図4に示す(n=2)。図中、縦軸は対照(乳酸菌非添加)のGC/MSの検出値を100としたときの各菌株から産生された各化合物の面積比を示す。
脂肪族アルデヒド(アセトアルデヒド、プロパナール及び2,4-ヘプタジエナール)の産生量を見ると、TS3株及びTS5株を用いた発酵では、対照と比べて検出値が2分の1未満まで減少しており、大幅に減少するという点で共通していた。特にアセトアルデヒドの減少幅が大きくなっていた(図2(A)参照)。これに対し、アセトアルデヒドとそれ以外の2つの脂肪族アルデヒドの産生量とを対比すると、明らかな相違が見られた。具体的には、T1株、TS2株及びTS4株を使用した発酵では、プロパナール及び2,4-ヘプタジエナールの産生量に大幅な増加が見られた(図2(B)及び(C)参照)。
(1)胡瓜発酵漬物の製造
次に、上記のようにして採取した乳酸菌を添加して、下記の方法を用いて、上記の乳酸菌株ごとに2回ずつ胡瓜の漬物を作製した。対照として、試作ごとに同一の製造条件で乳酸菌添加なしの漬物も作成した。まず、500gの胡瓜を水洗いし、85℃で10秒間茹でてブランチングした。次いで、胡瓜500gに対し、食塩13g、水150mL、及び上記実施例1で得た乳酸菌を、それぞれ105 CFUになるよう添加して15℃で72時間発酵させた。発酵終了後の各試料中の乳酸菌数、及びpHは下記表15に示す通りであった。
上記5株の香気成分の分析を、試料1gを用いて上記表8に示す条件で行い、上記実施例3と同様の基準で選抜した。結果を図5に示す(n=2)。図中、縦軸は対照(乳酸菌非添加)のGC/MSの検出値を100としたときの各菌株から産生された各化合物の面積比を示す。
脂肪族アルデヒド(アセトアルデヒド及び2,6-ノナジエナール)の産生量は、TS3株及びTS5株を使用した発酵では、対照と比べていずれの化合物の検出値も2分の1未満に減少していた。これに対し、TS1株及びTS2株を用いた発酵では、アセトアルデヒドの産生量に減少が見られたが、TS4株ではやや低下していた。2,6-ノナジエナールの産生量も同様の傾向を示した(図5(A)及び(B)参照)。
(1)発酵豆乳飲料の製造
次に、本願発明の乳酸菌が、漬物以外にも適応可能か否かを示すために、発酵豆乳飲料を製造した。
市販されている豆乳(商品名:豆腐もできます有機豆乳、有機丸大豆100%、(株)東京めいらく千葉工場、1L)を購入し、1試料あたり10mLを13mL容の滅菌チューブに入れた。この滅菌チューブ中に、上記実施例1で得られた各乳酸菌株を、106 CFUになるようそれぞれ添加して、30℃にて12時間静置にて発酵した。対照として、同一の製造条件で乳酸菌を添加しないサンプルも作製した(表16参照)。
上記5株の香気成分の分析を、試料1gを用いて上記表8に示す条件で行い、上記実施例3と同様の基準で分析する成分を選抜した。
結果を図6に示す(n=2)。図中、縦軸は対照(乳酸菌非添加)のGC/MSの検出値を100としたときの各菌株から産生された各化合物の面積比を示す。
脂肪族アルデヒド(アセトアルデヒド、プロパナール、2,4-ヘプタジエナール)の産生量は、いずれも、TS3株又はTS5株を使用した発酵では、対照と比べて検出値が2分の1未満に大きく減少していた。これに対し、TS1株を使用した発酵では増加が見られ、TS2株を使用した発酵ではやや減少が見られた。TS4を使用した発酵ではほぼ変化は見られなかった(図6(A)~(C)参照)。
配列番号2:プライマー1540Rのヌクレオチド酸配列
配列番号3:プライマーpREVのヌクレオチド配列
配列番号4:プライマーplanFのヌクレオチド配列
配列番号5:プライマーpentoFのヌクレオチド配列
配列番号6:プライマーparaFのヌクレオチド配列
配列番号7:Lb.sakeiの3’側の配列
配列番号8:Lb.curの3’側の配列
配列番号9:Lb.cur-sakeiの5’側の配列
Claims (8)
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター 受託番号NITE P-03179として寄託されている、新規乳酸菌ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)IBARAKI-TS1株。
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター 受託番号NITE P-03180として寄託されている、新規乳酸菌ラクトバチルス・ペントーサス(Lactobacillus pentosus)IBARAKI-TS2株。
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター 受託番号NITE P-03181として寄託されている、新規乳酸菌ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)IBARAKI-TS3株。
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター 受託番号NITE P-03182として寄託されている、新規乳酸菌ラクトバチルス・サケイ(Lactobacillus sakei)IBARAKI-TS4株。
- 独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター 受託番号NITE P-03183として寄託されている、新規乳酸菌ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)IBARAKI-TS5株。
- 請求項1~5のいずれかに記載の菌株を少なくとも1つ利用して得られることを特徴とする、発酵組成物。
- 前記菌株を培養して得られた培養物を含むことを特徴とする、請求項6に記載の発酵組成物。
- 前記培養物は、前記菌株を単独で又は混合して培養したものである、請求項7に記載の発酵組成物。
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漬物の発酵に由来する香りの研究(第6報) -乳酸菌の選抜と香気成分の探索-,茨城県産業技術イノベーションセンター研究報告,2018年,第46号,p. 17-20 |
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