以下、本実施形態について説明する。図1は、仕分けシステムの概要を示す図、図2は、払出しシュート近傍の構成を示す図である。仕分けシステム10は、仕分けコンベヤ装置11、送込みコンベヤ装置12,13、及び複数の払出しシュート14を有する。仕分けコンベヤ装置11は、送込みコンベヤ装置12,13から受け渡された物品100を搬送ルートに沿って搬送させた後、複数の払出しシュート14のいずれかに払い出す。
仕分けコンベヤ装置11は、ストレートコンベヤ装置やカーブコンベヤ装置などの複数台のコンベヤ装置を有し、複数のコンベヤ装置が物品100の搬送経路が無端状となるように配置した構成である。仕分けコンベヤ装置11に使用されるコンベヤ装置としては、例えばスラットコンベヤ装置が挙げられる。
詳細については図示を省略するが、スラットコンベヤ装置20は、物品100の搬送方向の上流端と下流端にそれぞれ回転自在に左右一対のスプロケットを配置し、これら上流端と下流端の左右一対のスプロケットにそれぞれ左右一対の駆動チェーンを張設し、左右の駆動チェーン間に渡って、物品100を下方から支持する複数のスラット21を備えた構成で、前記駆動チェーンを駆動することによって、スラット21を搬送方向へ移動させながら、物品100を搬送するものである。
スラットコンベヤ装置20が有する複数のスラット21は、スライドシュー22と呼ばれる送出手段を各々備える。スライドシュー22は、スラット21の長手方向に移動可能となるように、2枚のスラット21の間に外嵌される。スライドシュー22は、搬送面をなすスラット21の下方に設置される案内部23又は案内部24に沿って、自身の下方に延びるピン部を倣い作動させて移動する。スライドシュー22は、複数の払出しシュート14の各々に対応して設けられた分岐案内部25のいずれかに案内されることで、スラット21の長手方向に沿って移動する。スライドシュー22の両側面22a,22bは、物品100を押圧する押圧面として機能する。スライドシュー22の両側面22a,22bを押圧面22a,22bと称する。なお、押圧面22a,22bは、搬送方向(図2中A方向)に対して角度θ(例えばθ=20°)傾斜している。
ここで、案内部23と各分岐案内部25の上流側端部との分岐部分には、スライドシュー22が有する磁性体22cに吸着作用を及ぼす吸引装置26が設けられる。吸引装置26は、例えば2つの永久磁石と、2つの永久磁石の間に設けられた電磁石から構成される。吸引装置26は、電磁石への電流の給電時に電磁石の吸着作用を発生させ、スライドシュー22の磁性体22cを分岐案内部25に沿って移動させる。つまり、スライドシュー22が、案内部24側に移動する。スライドシュー22の磁性体22cが分岐案内部25に沿って移動させると、スラット21に保持された物品100がスライドシュー22によってスラット21の長手方向に押し出され、払出しシュート14に払い出される。物品100を払出しシュートに向けて払い出す際に用いるスライドシューの数は、例えば搬送する物品100の大きさ(最大長)に合わせて設定される。
一方、電磁石に電流の給電が実施されていないときは電磁石の吸着作用は発生しないので、スライドシュー22の磁性体22cは、分岐案内部25に沿って移動することはなく、案内部23に沿って移動する。したがって、スライドシュー22は、スラット21の所定位置に保持されたままとなる。
なお、図2においては、払出しシュートを物品100の搬送方向(図2中A方向)に対して左側(図2において、スラットコンベヤ装置20の下方側)に配置しているため、分岐案内部25は案内部23から案内部24に向けて延出され、また、吸引装置26は、案内部23から分岐する分岐案内部25の上流側端部に配置されている。しかしながら、払出しシュート14が配置される位置は、物品100の搬送方向に対して左側だけでなく、右側に配置している場合もある。この場合、分岐案内部25は、案内部24から案内部23に向けて延出され、また、吸引装置26は、案内部24から分岐する分岐案内部25の上流側端部に配置することが好ましい。
本実施形態では、仕分けコンベヤ装置11として、スラットコンベヤ装置20を例に挙げて説明するが、スラットコンベヤ装置20の他に、複数のローラを回転させながら物品100を搬送するローラコンベヤ装置、テールプーリ及びヘッドプーリの各々に無端ベルトを巻き掛け、無端ベルトの走行により物品100を搬送するベルトコンベヤなどを用いることも可能である。例えばローラコンベヤ装置を用いる場合には、ローラコンベヤ装置が有する複数のローラの各々にスライドシューを外嵌し、スライドシューをローラの軸方向に移動させることで、物品100を払出しシュート14に払い出す構成としてもよいし、ダイバータの回動により物品100を払出しシュート14に払い出す構成としてもよい。また、ベルトコンベヤ装置の場合には、無端ベルトを走行させる構成を有することから、スライドシューの構成ではなく、一般的なダイバータの回動により物品100を払出しシュート14に払い出す構成とすればよい。さらに、搬送台車を複数台連結し、搬送台車上にクロスベルトである台車走行方向に直交する方向に走行するベルトコンベヤ装置を載置する、クロスベルトソータ装置であってもよい。
スラットコンベヤ装置20と払出しシュート14との間には、振分け機構30が設けられる。この振分け機構30は、後述する制御装置38と組み合わせることで、請求項に記載の振分け装置に相当する。振分け機構30は、一例として4本のモータローラ31,32,33,34を有する。4本のモータローラ31,32,33,34は、各ローラの回転軸を物品100の搬送方向に沿って配置される。4本のモータローラ31,32,33,34のうち、2本のモータローラ(請求項の第1回転ローラ対に相当)31,32は、スラットコンベヤ装置20側に、且つこれらモータローラ31,32の回転軸が同軸となるように配置される。また、残りの2本のモータローラ(請求項の第2回転ローラ対に相当)33,34は、払出しシュート14側で、且つこれらモータローラ33,34の回転軸が同軸となるように配置される。なお、払出しシュート14側に配置される2本のモータローラ33,34は、スラットコンベヤ装置20側に配置される2本のモータローラ31,32に対して、物品100の搬送方向において、所定量下流側にずれた位置に配置される。なお、図示は省略するが、4本のモータローラ31,32,33,34は、スラットコンベヤ装置20と払出しシュート14との間に配置される保持部材にブラケットを介して個別に軸支される。
以下、スラットコンベヤ装置20側に配置される2本のモータローラ31,32のうち、物品100の搬送方向における上流側に配置されるモータローラ31を第1モータローラ31、物品100の搬送方向における下流側に位置するモータローラ32を第2モータローラ32と称する。また、払出しシュート14側に配置される2本のモータローラ33,34のうち、物品100の搬送方向における上流側に配置するモータローラ33を第3モータローラ33、物品100の搬送方向における下流側に配置するモータローラ34を第4モータローラ34と称する。
図3は、仕分けシステム10の電気的構成の一例を示す機能ブロック図である。なお、図3においては、仕分けコンベヤ装置11及び送込みコンベヤ装置12,13の電気的構成については省略し、物品100を払出しシュート14に払い出す際の構成について記載している。仕分けシステム10は、仕分けコンベヤ装置11、送込みコンベヤ装置12,13、振分け機構30の第1モータローラ31、第2モータローラ32、第3モータローラ33、第4モータローラ34、仕分け情報取得部35、入力情報取得部36、位置情報取得部37及び制御装置38を有する。
仕分け情報取得部35は、例えば送込みコンベヤ装置12,13の各々に設けられ、物品100に貼付されたバーコードなどの識別子を仕分け情報として取得するバーコードリーダ35a,35bが挙げられる。なお、仕分け情報には、物品100の大きさや、配送先の情報などが挙げられる。
入力情報取得部36は、物品100を払い出すときの、払出しシュート14における仕分領域(図2中、払出しシュート14の幅方向における右側の領域、中央の領域又は左側の領域)を入力情報として取得する。入力情報取得部36としては、一例として、払出しシュート14の近傍に設置される操作ボタン36aや、メークアップ作業を行う作業者が保持するマイク36bなどが挙げられる。入力情報取得部36が操作ボタン36aの場合、入力情報取得部36は、払出しシュート14における複数の仕分領域の各々に合わせた数の操作ボタンを有する。つまり、入力情報取得部36が操作ボタン36aの場合には、仕分領域に合わせた操作ボタン36aを操作することで、入力情報が取得される。また、入力情報取得部36がマイク36bの場合、マイク36bは作業者が発した音声を入力情報として取得する。ここで、払出しシュート14に設定される仕分領域のうち、払出しシュート14の幅方向における右側(搬送方向の上流側)に設定される仕分領域を第1仕分領域D1、払出しシュート14の幅方向における中央に設定される仕分領域を第2仕分領域D2、払出しシュート14の幅方向における左側(搬送方向の下流側)に設定される仕分領域を第3仕分領域D3とする。
位置情報取得部37は、例えば払出しシュート14近傍でメークアップ作業を実施する作業者の位置情報を取得する。位置情報取得部37は、例えばレーザスキャナ37a,37b,37cなどの検知エリア内の障害物(人)の位置が割り出せる三次元情報取得装置である。これらレーザスキャナ37a,37b,37cは、払出しシュート14における物品100の払出し方向の下流側端部に配置される。なお、レーザスキャナ37aは、払出しシュート14の幅方向において、物品100の搬送方向における上流側端部に配置され、図2中符号E1で示される領域を検出領域(以下、第1検出領域)とする。また、レーザスキャナ37bは、払出しシュート14の幅方向における中央部に配置され、図2中符号E2で示される領域を検出領域(以下、第2検出領域)とする。さらに、レーザスキャナ37cは、払出しシュート14の幅方向において、物品100の搬送方向における下流側端部に配置され、図2中符号E3で示される領域を検出領域(以下、第3検出領域)とする。
本実施形態では、仕分け情報取得部35、入力情報取得部36及び位置情報取得部37の構成を全て有する仕分けシステム10としているが、仕分けシステム10においては、仕分け情報取得部35、入力情報取得部36又は位置情報取得部37のいずれか1つの取得部を有するものであればよい。
制御装置38は、スラットコンベヤ装置20、送込みコンベヤ12,13の駆動制御や、第1モータローラ31に内蔵されたモータ31a、第2モータローラ32に内蔵されたモータ32a、第3モータローラ33に内蔵されたモータ33a、第4モータローラ34に内蔵されたモータ34aへの給電を行うことで、各モータローラの駆動制御を行う。なお、制御装置38は、物品100の大きさ、物品100の配送先、配送エリア及び払い出す払出しシュートの位置をまとめたテーブルデータを記憶部38aに記憶している。これにより、物品100に貼付されたシールや物品100の外周面に印刷されたバーコードを読み取ることで、物品100を目的の払出しシュート14に払い出すことができる。
次に、第1モータローラ31、第2モータローラ32、第3モータローラ33および第4モータローラ34の駆動制御に基づく、払出しシュート14における物品100の払出位置について説明する。なお、図4において、各モータローラにおいては、物品100を払出しシュート14に送り出す方向に回転する(例えば第1モータローラ31が図4中G方向に回転する)場合を正回転、また、その逆方向に回転する(図4中H方向に回転する)場合を逆回転と称する。なお、第2モータローラ32、第3モータローラ33及び第4モータローラ34の各モータローラも同様に、第1モータローラ31が、図4中G方向に回転する第1モータローラ31と同一方向に回転する場合を正回転、図4中H方向に回転する第1モータローラ31と同一方向に回転する場合を逆回転とする。
以下、物品100を払出しシュート14に送り出す場合について説明する。
物品100が大きな物品の場合、物品100はスライドシュー22により払出しシュートに向けて押圧される過程で、第1モータローラ31、第3モータローラ33、第2モータローラ32及び第4モータローラ34の順で乗り上げる。
ここで、モータローラが正回転する場合、モータローラの回転速度は、スライドシュー22に押圧される物品100の速度よりも速くなればなるほど仕分けコンベヤ装置11の搬送方向における下流側の領域に払い出され、モータローラが停止すると、仕分けコンベヤ装置11の搬送方向における上流側の領域に払い出されることがわかっている。
図5(a)に示すように、例えば第1モータローラ31、第2モータローラ32、第3モータローラ33及び第4モータローラ34が正回転で、且つ回転速度がスライドシュー22の移動速度よりも速い場合、これら第1モータローラ31、第2モータローラ32、第3モータローラ33及び第4モータローラ34に乗り上げた物品100は、正回転する第1モータローラ31、第2モータローラ32、第3モータローラ33及び第4モータローラ34によって引き込まれる。したがって、物品100は、仕分けコンベヤ装置11における物品100の搬送方向の力F1と、第1モータローラ31に引き込まれる際に働く力f1、第2モータローラ32に引き込まれる際に働く力f2、第3モータローラ33に引き込まれる際に働く力f3及び第4モータローラ34に引き込まれる際に働く力f4の合力F2との作用により移動する。このとき、物品100は、払出しシュート14の第3仕分領域D3に払い出される。
図5(b)に示すように、第3モータローラ33、第4モータローラ34のみが正回転し、且つ回転速度がスライドシュー22の移動速度よりも速い場合、物品100は、第1モータローラ31及び第2モータローラ32から、物品100を送り出す方向とは逆方向に力f1’、f2’が物品100に作用する。なお、第1モータローラ31及び第2モータローラ32から物品100が受ける力f1’、f2’は、動摩擦力である。同時に、第3モータローラ33、第4モータローラ34によって引き込まれる際の力f3及びf4が作用する。このとき、例えば第1モータローラ31、第2モータローラ32、第3モータローラ33及び第4モータローラ34が正回転する時に比べて、払出しシュート14に向けて送り出す力F2’は小さくなる。その結果、物品100は、払出しシュート14の第2仕分領域D2に払い出される。
図5(c)に示すように、第1モータローラ31、第2モータローラ32が逆回転し、第3モータローラ33、第4モータローラ34が正回転する場合で、且つ第3モータローラ33、第4モータローラ34の回転速度がスライドシュー22の移動速度よりも速い場合、物品100は、第1モータローラ31及び第2モータローラ32から、物品100を送り出す方向とは逆方向に力f1”、f2”が物品100に作用する。このとき、なお、第1モータローラ31及び第2モータローラ32から物品100が受ける力f1’、f2’は、これらモータローラが逆回転することで発生する回転力の他に、動摩擦力が挙げられる。一方で、第3モータローラ33や第4モータローラ34により引き込まれるので、物品100は、第3モータローラ33及び第4モータローラ34から、物品100を送り出す方向の力f3,f4が作用する。第1モータローラ31、第2モータローラ32が停止し、第3モータローラ33及び第4モータローラ34が正回転する時に比べて、払出しシュート14に向けて送り出す力F2”は小さくなる。その結果、物品100は払出しシュート14の第1仕分領域D1に払い出される。
一方、物品100が小さな物品の場合、図6(a)に示すように、例えば第1モータローラ31、第2モータローラ32、第3モータローラ33及び第4モータローラ34が正回転で、且つ回転速度がスライドシュー22の移動速度よりも速い場合、物品100は、第2モータローラ32及び第4モータローラ34に乗り上げる。このとき、物品100は、仕分けコンベヤ装置11における物品100の搬送方向の力F1と、第2モータローラ32に引き込まれる際に働く力f2、第4モータローラ34に引き込まれる際に働く力f4の合力F3との作用により移動する。このとき、物品100は、払出しシュート14の第3仕分領域D3に払い出される。
図6(b)に示すように、第3モータローラ33、第4モータローラ34のみが正回転し、且つ回転速度がスライドシュー22の移動速度よりも速い場合、物品100は、第2モータローラ32から、物品100を送り出す方向とは逆方向に力f2’が物品100に作用する。なお、第2モータローラ32から物品100が受ける力f2’は、動摩擦力である。同時に、第4モータローラ34によって引き込まれる際の力f4が作用する。このとき、例えば第1モータローラ31、第2モータローラ32、第3モータローラ33及び第4モータローラ34が正回転する時に比べて、払出しシュート14に向けて送り出す力F3’は小さくなる。その結果、物品100は、払出しシュート14の第2仕分領域D2又は第3仕分領域D3の境界近傍に払い出される。
図6(c)に示すように、第1モータローラ31、第2モータローラ32が逆回転し、第3モータローラ33、第4モータローラ34が正回転する場合で、且つ第3モータローラ33、第4モータローラ34の回転速度がスライドシュー22の移動速度よりも速い場合、物品100は、第2モータローラ32から、物品100を送り出す方向とは逆方向に力f2”の作用を受ける。このとき、第2モータローラ32から物品100が受ける力f2”は、第2モータローラ32が逆回転することで発生する回転力の他に、動摩擦力が挙げられる。一方、物品100は、第4モータローラ34により引き込まれるので、物品100には第4モータローラ34から、物品100を送り出す方向の力f4の作用を受ける。この場合、第1モータローラ31、第2モータローラ32が停止し、第3モータローラ33及び第4モータローラ34が正回転する時に比べて、払出しシュート14に向けて送り出す力F3”は小さくなる。その結果、物品100は払出しシュート14の第2仕分領域D2に払い出される。
<第1実施形態>
物品100の配送エリアに基づいて、物品100を払い出す場合について、第1実施形態として説明する。以下、図7のフローチャートを用いて説明する。なお、配送先が第1の配送エリアとなる物品100を払い出す領域を第1仕分領域D1、配送先が第1の配送エリアとは異なる第2の配送エリアとなる物品100を払い出す領域を第3仕分領域D3とし、第1及び第2の配送エリアの双方の物品100を払い出す領域を第2仕分領域D2とする。
ステップS101は、仕分け情報を取得する処理である。上述したように、仕分け情報取得部35は、送込みコンベヤ装置12又は送込みコンベヤ装置13のいずれかにより送り出される物品100に付与されるバーコードの情報を読み取る。そして、仕分け情報取得部35は、バーコードの情報を制御装置38に送信する。
ステップS102は、物品の大きさを特定する処理である。制御装置38は、仕分け情報取得部35により読み取られたバーコードの情報から、物品100の大きさを特定する。
ステップS103は、物品の仕分け位置を設定する処理である。制御装置38は、仕分け情報取得部35により読み取られたバーコードの情報から得られる配送先の住所に基づいて、配送先の住所が含まれる配送エリアを特定する。そして、制御装置38は、特定した配送エリアに対応付けられた払出しシュート14を、物品100を払い出す払出しシュート14として設定する。最後に、制御装置38は、ステップS102により特定した物品100の大きさの情報から、払出しシュート14の仕分領域のうち、実際に物品100を払い出す仕分領域を設定する。
ステップS104は、仕分けコンベヤにより物品100が目的の位置まで搬送されたか否かを判定する処理である。例えば物品100を払い出す払出しシュート14の位置から吸引装置26までの位置は予め固定された位置にある。したがって、ステップS104では、制御装置38は、吸引装置26が設けられた位置を目的の位置として設定し、物品100が、吸引装置26が設けられた位置まで搬送されたか否かを判定する。なお、ステップS104の判定処理の具体例として、吸引装置26が設けられた位置まで搬送された物品100を検出するセンサを仕分けコンベヤに設け、制御装置38は、該センサの検出信号の有無によりステップS104の判定処理を行えばよい。例えばセンサにより物品100が検出されたときには、制御装置38は、仕分けコンベヤにより物品100が目的の位置まで搬送されたと判断し、ステップS104の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS105に進む。一方、例えばセンサにより物品100が検出されないときには、制御装置38は、仕分けコンベヤにより物品100が目的の位置まで搬送されていないと判断し、ステップS104の判定処理の結果をNoとする。この場合、制御装置38は、ステップS104の判定処理の結果がYesとなるまでステップS104の判定処理を繰り返し実行する。
ステップS105は、吸引装置を駆動(通電)する処理である。制御装置38は、吸引装置26に通電を行うことで、電磁石によるスライドシュー22の磁性体22cを吸引する。これにより、スライドシュー22の磁性体22cが吸引装置26に吸引され、分岐案内部25に案内される。したがって、スライドシュー22がスラット21に沿って移動する。
ステップS106は、配送先を含む配送エリアが第1の配送エリアであるか否かを判定する処理である。ステップS103により、物品100の配送先及び該配送先を含む配送エリアが特定されている。配送先が第1の配送エリアである場合、制御装置38はステップS106の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS107に進む。一方、配送先が第1の配送エリアではなく、第2の配送エリアである場合、制御装置38は、ステップS106の判定処理の結果をNoとする。この場合、ステップS112に進む。
ステップS107は、払い出す物品が大きい物品であるか否かを判定する処理である。ステップS102の処理により、物品100の大きさが特定されている。制御装置38は、物品100の大きさに基づいて、ステップS107の判定処理を実行する。物品100が大きい物品であれば、制御装置38はステップS107の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS108に進む。一方、物品100が小さい物品であれば、制御装置38はステップS107の判定処理の結果をNoとする。この場合、ステップS111に進む。
ステップS108は、振分け機構を第1制御により駆動する処理である。第1制御とは、例えば振分け機構30が有する第1モータローラ31及び第2モータローラ32を逆回転、第3モータローラ33及び第4モータローラ34を正回転させる制御である。制御装置38は、振分け機構30が有する第1モータローラ31及び第2モータローラ32の各モータに給電を行い、これらモータローラを逆回転させる。同時に、制御装置38は、振分け機構30が有する第3モータローラ33及び第4モータローラ34の各モータに給電を行い、これらモータローラを正回転させる。これにより、スライドシュー22に押し出される物品100が、振分け機構30の各モータローラに乗り上げた後、払出しシュート14の第1仕分領域D1に払い出される。
ステップS109は、一定時間経過したか否かを判定する処理である。制御装置38は、振分け機構30を駆動してからの経過時間を計測している。振分け機構30を駆動してから一定時間経過している場合には、制御装置38は、ステップS109の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS110に進む。振分け機構30を駆動してから一定時間経過していない場合には、制御装置38は、ステップS109の判定処理の結果をNoとする。この場合、制御装置38は、ステップS109の判定処理の結果がYesとなるまで、ステップS109の処理を繰り返し実行する。なお、上述した一定時間とは、例えばスライドシュー22により押し出される物品100が払出しシュート14に到達するまでの時間である。なお、この時間は、予め実験やシミュレーションなどの結果に基づいて設定される。
ステップS110は、振分け機構の駆動を停止させる処理である。制御装置38は、振分け機構30が有する第1モータローラ31、第2モータローラ32、第3モータローラ33及び第4モータローラの各モータローラに対する給電を停止する。これにより、第1モータローラ31、第2モータローラ32、第3モータローラ33及び第4モータローラの各モータローラの回転が停止する。
上述したステップS107の判定処理の結果がNoとなる場合、ステップS111に進む。
ステップS111は、振分け機構を第2制御により駆動する処理である。第2制御とは、例えば振分け機構30が有する第1モータローラ31及び第2モータローラ32を停止、第3モータローラ33及び第4モータローラ34を正回転させる制御である。制御装置38は、振分け機構30が有する第3モータローラ33及び第4モータローラ34の各モータに給電を行い、これらモータローラ33,34を正回転させる。この場合も、物品100は、振分け機構30の各モータローラに乗り上げた後、払出しシュート14の第2仕分領域D2に払い出される。
このステップS111の処理が実行されると、制御装置38は、ステップS109以降の処理を実行する。つまり、制御装置38は、一定時間後に、振分け機構30の駆動を停止させる。
上述したステップS106の判定処理の結果がNoとなる場合、ステップS112に進む。
ステップS112は、払い出す物品が大きい物品であるか否かを判定する処理である。なお、この処理は、ステップS107と同様の処理である。制御装置38は、物品100の大きさに基づいて、ステップS112の判定処理を実行する。物品100が大きい物品であれば、制御装置38はステップS112の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS113に進む。一方、物品が小さい物品であれば、制御装置38は、ステップS112の判定処理の結果をNoとする。この場合、ステップS114に進む。
ステップS113は、振分け機構を第3制御により駆動する処理である。第3制御とは、例えば振分け機構30が有する第1モータローラ31、第2モータローラ32、第3モータローラ33及び第4モータローラ34の全てのモータローラを正回転させる制御である。制御装置38は、振分け機構30が有する第1モータローラ31、第2モータローラ32、第3モータローラ33及び第4モータローラ34に給電を行い、第1モータローラ31、第2モータローラ32、第3モータローラ33及び第4モータローラ34を正回転させる。この場合、物品100は、振分け機構30の各モータローラに乗り上げた後、払出しシュート14の第3仕分領域D3に払い出される。
ステップS114は、振分け機構を第2制御にて駆動させる処理である。制御装置38は、振分け機構30が有する第3モータローラ33及び第4モータローラ34に給電を行い、第3モータローラ33及び第4モータローラ34を正回転させる。この場合、物品100は、振分け機構30の各モータローラに乗り上げた後、払出しシュート14の第2仕分領域D2に払い出される。
したがって、配送先が第1の配送エリアとなる物品100が大きい物品の場合、物品100は、第1仕分領域D1に払い出され、小さい物品の場合、物品100は第2仕分領域D2に払い出される。同様に、配送先が第2の配送エリアとなる物品100が大きい物品の場合、第3仕分領域D3に払い出され、小さい物品の場合、第2仕分領域D2に払い出される。これによれば、配送先や物品の大きさに応じて、適切に物品を振り分けながら払い出すことができる。その結果、作業者は、払出領域毎に滞留する物品を用いて、メークアップ作業を行うことができ、メークアップ作業の効率化を図ることが可能となる。
<第2実施形態>
操作ボタンの入力やマイクによる音声の入力などの入力情報に基づいて、物品100を払い出す場合について、第2実施形態として説明する。図8のフローチャートの説明において、第1実施形態における処理(図7に示すフローチャートの処理)と同一の処理については、その詳細な説明を省略する。
ステップS201は、仕分け情報を取得する処理である。このステップS201の処理は、ステップS101の処理と同一の処理である。
ステップS202は、物品の大きさを特定する処理である。このステップS202の処理は、ステップS102の処理と同一の処理である。
ステップS203は、物品の仕分け位置を設定する処理である。このステップS203の処理は、ステップS103の処理と同一の処理である。
ステップS204は、仕分けコンベヤにより物品100が目的の位置まで搬送されたか否かを判定する処理である。このステップS204の処理は、ステップS104の処理と同一の処理である。仕分けコンベヤにより物品100が目的の位置まで搬送されたときには、制御装置38は、ステップS204の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS205に進む。一方、仕分けコンベヤにより物品100が目的の位置まで搬送されていないときには、制御装置38は、ステップS204の判定処理の結果をNoとする。この場合、制御装置38は、ステップS204の判定処理の結果がYesとなるまでステップS204の判定処理を繰り返し実行する。
ステップS205は、吸引装置を駆動(通電)する処理である。このステップS305の処理は、ステップS105の処理と同一の処理である。
ステップS206は、仕分領域の指示があるか否かを判定する処理である。作業者は、払出しシュート14の各仕分領域を観察して、作業者が物品100を払い出す仕分領域を、操作ボタン36aによる入力操作やマイク36bによる音声の入力により指示する。したがって、制御装置38には、これら入力による入力情報が入力され、記憶部38aに記憶される。ここで、制御装置38の記憶部38aに入力情報が記憶されていれば、制御装置38は、ステップS206の判定結果をYesとする。この場合、ステップS207に進む。一方、制御装置38の記憶部38aに入力情報が記憶されていない場合には、制御装置38は、ステップS206の判定結果をNoとする。この場合、ステップS214に進む。
ステップS207は、物品を払い出す領域が第1仕分領域であるか否かを判定する処理である。入力情報が物品100を第1仕分領域D1に払い出すことを指示する情報であれば、制御装置38は、ステップS206の判定結果をYesとする。この場合、ステップS208に進む。一方、入力情報が第1仕分領域D1に払い出すことを指示する情報でない、言い換えれば第2仕分領域D2や第3仕分領域D3に払い出すことを指示する情報である場合、制御装置38は、ステップS207の判定結果をNoとする。この場合、ステップS211に進む。
ステップS208は、振分け機構を第1制御により駆動する処理である。制御装置38は、振分け機構30が有する第1モータローラ31及び第2モータローラ32の各モータに給電を行い、これらモータローラを逆回転させる。同時に、制御装置38は、振分け機構30が有する第3モータローラ33及び第4モータローラ34の各モータに給電を行い、これらモータローラを正回転させる。この場合、スライドシュー22に押し出される物品100が、振分け機構30の各モータローラに乗り上げた後、払出しシュート14に払い出される。この場合、物品100は、第1仕分領域D1に払い出される。
ステップS209は、一定時間経過したか否かを判定する処理である。なお、ステップS209の処理は、ステップS109の処理と同一の処理である。振分け機構30を駆動してから一定時間経過している場合には、制御装置38は、ステップS209の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS210に進む。振分け機構30を駆動してから一定時間経過していない場合には、制御装置38は、ステップS209の判定処理の結果をNoとする。この場合、制御装置38は、ステップS209の判定処理の結果がYesとなるまで、ステップS209の処理を繰り返し実行する。
ステップS210は、振分け機構の駆動を停止する処理である。なお、ステップS210の処理は、ステップS110の処理と同一の処理である。
ステップS207の判定処理の結果がNoとなる場合、ステップS211に進む。
ステップS211は、物品100を払い出す領域が第2仕分領域であるか否か処理である。入力情報が物品100を第2仕分領域D2に払い出すことを指示する情報であれば、制御装置38は、ステップS211の判定結果をYesとする。この場合、ステップS212に進む。一方、入力情報が物品100を第2仕分領域D2に払い出すことを指示する情報でない、言い換えれば、物品100を第3仕分領域D3に払い出すことを指示する情報であれば、制御装置38は、ステップS211の判定結果をNoとする。この場合、ステップS213に進む。
ステップS212は、振分け機構を第2制御により駆動する処理である。制御装置38は、振分け機構30が有する第3モータローラ33及び第4モータローラ34に給電を行い、第3モータローラ33及び第4モータローラ34を正回転させる。この場合、物品100は、振分け機構30の各モータローラに乗り上げた後、払出しシュート14の第2仕分領域D2に払い出される。なお、ステップS212の処理が実行されると、ステップS209以降の処理が実施される。
ステップS213は、振分け機構を第3制御により駆動する処理である。制御装置38は、第1モータローラ31、第2モータローラ32、第3モータローラ33及び第4モータローラ34の全てのモータローラに給電を行う。これにより、第1モータローラ31、第2モータローラ32が正回転する。したがって、物品100は、振分け機構30の各モータローラに乗り上げた後、払出しシュート14の第3仕分領域D3に払い出される。なお、ステップS213の処理が実行されると、ステップS209以降の処理が実施される。
上述したステップS206の判定処理の結果がNoとなる場合、ステップS214に進む。
ステップS214は、仕分け情報に基づいて振分け機構を駆動する処理である。このステップS214の処理が実行される場合、制御装置38は、入力情報を取得していない場合である。この場合、制御装置38は、仕分け情報に基づいて振分け機構30を駆動する。なお、ここで示す仕分け情報とは、物品の大きさ、物品100の配送先及び物品の配送先が含まれる配送エリアの情報である。この場合、制御装置38は、仕分け情報に基づいて振分け機構30が有する各モータローラの回転制御を行って、物品100を払出しシュート14の第1仕分領域D1、第2仕分領域D2又は第3仕分領域D3のいずれかに払い出す。なお、ステップS214の処理の具体例としては、例えば図7に示すフローチャートのステップS106からステップS114の処理が挙げられる。
したがって、作業者の入力指示があれば、その入力指示に従って、払出しシュート14の各仕分領域のいずれかに払い出される。したがって、払出しシュート14の各仕分領域に滞留する物品の状態を確認しながら、物品を振り分けながら払い出すことができるので、特定の仕分領域に物品の払い出しが偏ることはなく、均等に物品を払い出すことができる。したがって、払出しシュートの数が少なくとも効率的に物品を払い出すことが可能となる。
なお、第2実施形態では、作業者の指示に基づく入力情報に基づいて振分け機構30を駆動させているが、例えば、払出しシュート14の所定位置にマイクなどの集音手段を複数配置し、作業者が発する音声を複数の集音手段にて取得して、作業者の位置を特定することも可能である。この場合には、作業者が発する音声に基づいた入力情報と、作業者の位置情報とに基づいて、振分け機構を駆動させることができる。この場合、作業者が発する音声が入力情報として有効か否か、言い換えれば物品の仕分領域の指示であるか否かを判定する。例えば作業者が発する音声が物品の仕分領域の指示であれば、該指示に基づいて、振分け機構を駆動させる。一方、作業者が発する音声が物品の仕分領域の指示でない場合には、作業者が発する音声から得られる、作業者の位置情報に基づいて、振分け機構を駆動させる。
<第3実施形態>
作業者の位置に基づいて、物品100を払い出す場合について、第3実施形態として説明する。図9のフローチャートの説明において、第1実施形態における処理(図7に示すフローチャートの処理)と同一の処理については、その詳細な説明を省略する。
ステップS301は、仕分け情報を取得する処理である。このステップS301の処理は、ステップS101の処理と同一の処理である。
ステップS302は、物品の大きさを特定する処理である。このステップS302の処理は、ステップS102の処理と同一の処理である。
ステップS303は、物品の仕分け位置を設定する処理である。このステップS303の処理は、ステップS103の処理と同一の処理である。
ステップS304は、仕分けコンベヤにより物品100が目的の位置まで搬送されたか否かを判定する処理である。このステップS304の処理は、ステップS104の処理と同一の処理である。仕分けコンベヤにより物品100が目的の位置まで搬送されたときには、制御装置38は、ステップS304の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS305に進む。一方、仕分けコンベヤにより物品100が目的の位置まで搬送されていないときには、制御装置38は、ステップS304の判定処理の結果をNoとする。この場合、制御装置38は、ステップS304の判定処理の結果がYesとなるまでステップS304の判定処理を繰り返し実行する。
ステップS305は、吸引装置を駆動(通電)する処理である。このステップS305の処理は、ステップS105の処理と同一の処理である。
ステップS306は、作業者を検出する処理である。制御装置38は、位置情報取得部37が有するレーザスキャナ37a、37b、37cを作動させ、作業者の検出を行う。レーザスキャナ37a、37b、37cによる検出情報は、制御装置38に入力される。
ステップS307は、作業者の位置が第1検出領域であるか否かを判定する処理である。ステップS306において、作業者が検出されている。作業者が第1検出領域E1で検出されている場合、制御装置38は、ステップS307の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS308に進む。作業者が第1検出領域E1で検出されていない場合、制御装置38は、ステップS307の判定処理の結果をNoとする。この場合、ステップS311に進む。
ステップS308は、振分け機構を第1制御により駆動する処理である。振分け機構を第1制御により駆動させる処理である。制御装置38は、振分け機構30が有する第1モータローラ31及び第2モータローラ32の各モータに給電を行い、これらモータローラを逆回転させる。同時に、制御装置38は、振分け機構30が有する第3モータローラ33及び第4モータローラ34の各モータに給電を行い、これらモータローラを正回転させる。この場合、スライドシュー22に押し出される物品100が、振分け機構30の各モータローラに乗り上げた後、払出しシュート14に払い出される。この場合、物品100は、第1仕分領域D1に払い出される。
ステップS309は、一定時間経過したか否かを判定する処理である。なお、ステップS309の処理は、ステップS109の処理と同一の処理である。振分け機構30を駆動してから一定時間経過している場合には、制御装置38は、ステップS309の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS310に進む。振分け機構30を駆動してから一定時間経過していない場合には、制御装置38は、ステップS309の判定処理の結果をNoとする。この場合、制御装置38は、ステップS309の判定処理の結果がYesとなるまで、ステップS309の処理を繰り返し実行する。
ステップS310は、振分け機構の駆動を停止する処理である。なお、ステップS310の処理は、ステップS110の処理と同一の処理である。
ステップS307の判定処理の結果がNoとなる場合、ステップS311に進む。
ステップS311は、作業者の位置が第2検出領域であるか否かを判定する処理である。ステップS306において、作業者が検出されている。作業者が第2検出領域E2で検出されている場合、制御装置38は、ステップS311の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS312に進む。作業者が第2検出領域E2で検出されていない場合、制御装置38は、ステップS311の判定処理の結果をNoとする。この場合、ステップS313に進む。
ステップS312は、振分け機構を第2制御により駆動する処理である。制御装置38は、振分け機構30が有する第3モータローラ33及び第4モータローラ34に給電を行い、第3モータローラ33及び第4モータローラ34を正回転させる。この場合、物品100は、振分け機構30の各モータローラに乗り上げた後、払出しシュート14の第2仕分領域D2に払い出される。なお、ステップS312の処理が実行されると、ステップS309以降の処理が実施される。
ステップS313は、作業者の位置が第3検出領域であるか否かを判定する処理である。ステップS306において、作業者が検出されている。作業者が第3検出領域E3で検出されている場合、制御装置38は、ステップS313の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS314に進む。作業者が第3検出領域E3で検出されていない場合、制御装置38は、ステップS313の判定処理の結果をNoとする。この場合、ステップS315に進む。
ステップS314は、振分け機構を第3制御により駆動する処理である。制御装置38は、第1モータローラ31、第2モータローラ32、第3モータローラ33及び第4モータローラ34の全てのモータローラに給電を行う。これにより、第1モータローラ31、第2モータローラ32が正回転する。したがって、物品100は、振分け機構30の各モータローラに乗り上げた後、払出しシュート14の第3仕分領域D3に払い出される。なお、ステップS314の処理が実行されると、ステップS309以降の処理が実施される。
上述したステップS313の判定処理の結果がNoとなる場合、言い換えれば、作業者が、第1検出領域E1、第2検出領域E2及び第3検出領域E3の全ての領域で検出されない場合、ステップS315の処理が実行される。
ステップS315は、仕分け情報に基づいて振分け機構を駆動する処理である。制御装置38は、仕分け情報に基づいて振分け機構30を駆動する。なお、ここで示す仕分け情報とは、物品の大きさ、物品100の配送先及び物品の配送先が含まれる配送エリアの情報である。この場合、制御装置38は、仕分け情報に基づいて振分け機構30が有する各モータローラの回転制御を行って、物品100を払出しシュート14の第1仕分領域D1、第2仕分領域D2又は第3仕分領域D3のいずれかに払い出す。なお、ステップS214の処理の具体例としては、例えば図7に示すフローチャートのステップS106からステップS114の処理が挙げられる。
第3実施形態では、作業者の位置に基づいて、払出しシュート14の各仕分領域のいずれかに払い出される。言い換えれば、作業者がメークアップ作業をしている位置に基づいて物品が仕分領域に払い出される。したがって、メークアップ作業を行う領域に合わせて、作業者は、物品を対応する仕分領域から持ち運ぶことで、該仕分領域に滞留する物品の量が減少するので、物品を滞留させるスペースが生じる。その結果、物品の払い出しが偏ることがなくなり、効率的に物品を払い出すことが可能となる。
本実施形態では、振分け機構30の第3モータローラ33及び第4モータローラ34を正回転させる一方で、第1モータローラ31、第2モータローラ32を正回転、停止、又は逆回転させることで、物品100を払い出す領域を振り分けている。しかしながら、これらモータローラの回転方向を制御する他に、回転時の回転速度を制御することも可能である。
また、振分け機構30の第3モータローラ33及び第4モータローラ34を正回転させる一方で、第1モータローラ31、第2モータローラ32を正回転、停止、又は逆回転させているが、正回転、停止、逆回転させるモータローラは、第1モータローラ31、第2モータローラ32の組み合わせに限定する必要はなく、第1モータローラ31、第3モータローラ33の組み合わせであってもよい。
このように、第1から第3実施形態によれば、仕分けコンベヤから払い出される払出しシュートと仕分けコンベヤとの間に本発明の振分け装置を割り込ませるだけで、払出しシュート全幅を有効に利用できる。また上記の構成により、仕分けコンベヤから払い出される物品の振り分けに対して自由度を高め、メークアップ作業の作業効率の低下や滞留する搬送物の積層による搬送物の損傷を防止することができる。