JP7157757B2 - マルチエンジンベイを制御する方法、マルチエンジンベイのための制御システム、及び、マルチエンジンベイ - Google Patents

マルチエンジンベイを制御する方法、マルチエンジンベイのための制御システム、及び、マルチエンジンベイ Download PDF

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Description

本発明は、マルチエンジンベイ(multi-engine bay)内のエンジンを制御することと、これらのエンジンの状態を監視することとに関する。マルチエンジンベイは、本明細書では、互いに合算される力を発生させることが可能であるように構成されている複数のエンジンを備える、推進アセンブリとして定義される。さらに特に、本発明は、エンジンが反動エンジンであり、且つ、したがってベイが複数のロケットエンジンによって構成される状況に対して適用される。
マルチエンジンベイでは、各エンジンの状態が、エンジンが使用されてきた時間の長さと、エンジンが動作時に受けてきた応力とに応じて、漸進的に劣化する。この劣化の結果として、エンジン故障の危険性と、したがってベイ故障の危険性とが、このエンジンの動作段階中に漸進的に増大する。
したがって、本発明の第1の目的が、許容可能であるレベルにベイの故障の危険性が抑制されることを可能にする、マルチエンジンベイを制御する方法を提案することである。
この目的は、
a)ベイが所望のスラストを供給するように、且つ、各エンジンがそのエンジンに関する1組の動作限界(operating limit)にしたがって作動させられるように、ベイを制御する段階と、
b)エンジンの各々に関する損傷レベル(level of damage)を周期的に評価する段階と、
c)エンジンの各々に関して、各エンジンの損傷レベルが予め決められた値を超えるか否かを周期的に評価する段階と、
d)「損傷」エンジンと呼称されるエンジンの損傷レベルが、予め決められた値を超える場合に、損傷エンジンの損傷率が予め決められた最大エンジン損傷率よりも小さいように、損傷エンジンの少なくとも1つの動作制約条件(「動作限界」とも呼称される)を変更する段階とが行われる、マルチエンジンベイを制御する方法によって実現される。
この場合に、エンジンの損傷レベルは、エンジン故障の確率を表している情報である。
段階a)~段階d)は、通常は、1つ又は複数のコンピュータを使用して行われる。
段階c)中に、複数のエンジンが損傷していることが検出される場合に、段階d)において、少なくとも1つの動作限界がエンジンの各々に関して変更される。その限界値を超えるとエンジンが損傷していると見なされる限界値、即ち、実際には、エンジンの最大損傷率が、エンジンすべてに関して同一の値を使用する代わりに、各エンジンに関して個別的に定義されてもよい。
動作制約条件又は動作限界は、エンジンを制御するために使用される変数空間のサブセットを定義する表現であり、このサブセット内に、当該のエンジンに適用されるコマンドが含まれることが必要とされる。言い換えると、したがって、エンジンを制御するための動作限界を課すことが、エンジンに伝送される(又は、そのエンジン自体の制御ユニットを有するそのエンジンに関するそのエンジンの制御ユニットに伝送される)コマンドの値が、このように定義されるサブセットの範囲内にとどまる形に、エンジンが制御されるようにエンジンを制約する。
動作限界は、通常は、特に、エンジンを制御するために使用される変数空間のサブセットを定義する、関係又は式、特に、不等式、採用随意にベクトル不等式の形で表現される。これらの変数は、エンジンの状態変数であり、特に、例えばアクチュエーター位置のようなエンジンの制御変数としうる。動作限界は、採用随意に、時間の関数であってもよい。
例えば、動作限界に関する式に関係しうるこれらの変数は、ターボポンプの回転速度、ターボポンプからの出口圧力、燃焼ガス温度、又は、熱交換器からの出口における温度等としうる。
上述した本発明の方法では、各エンジンの損傷レベルが周期的に評価される。エンジンの損傷レベルが予め決められた値を超えた直後に、そのエンジンの損傷率(rate of damage)を減少させるために、是正処置が起動される。エンジンの損傷レベルが比較的に緩慢にのみ変化するように、即ち、そのエンジンに対して一時的緩和処置が適用されなかった場合に比べてより遅い速度でそのエンジンが劣化するように、そのエンジンが動作させられる形に、1つ又は複数の動作限界が変更される。
したがって、本発明の方法は、エンジンのいずれもが迅速に劣化することなしにベイが使用され続けることを可能にする。したがって、且つ、有利に、ベイの信頼性が非常に緩慢にのみ低減し、及び、ベイの信頼性の損失が可能な限り阻止される。
例えば、動作限界を変更することは、エンジンに関する最大スラスト値を減少させること、エンジンによって受け入れられることが可能な最大混合比を減少させること等を含みうる。
段階d)において動作限界を変更することは、任意の方法で行われてもよく、即ち、1つ又は複数の動作限界を加えること及び/又は取り除くこと、及び/又は、1つ又は複数の動作限界を変更すること等によって行われうる。
エンジンの1つ又は複数の動作限界に対する変更と、したがってベイに対する変更とが、エンジンに対して加えられる制御において、及び、したがってベイに対して加えられる制御において計算に入れられる(制御段階a)。
本発明の方法を行う際には、エンジンの動作限界のセットがそれから変更される予め決められた損傷値が、特に、時間の関数としてエンジンに関する損傷曲線(又は、エンジン故障の確率を示す曲線)の関数として決定されうる。
当然であるが、時間の関数としてのエンジンの状態に対する損傷が、エンジンが被る応力に応じて、様々な形で変化しうる。しかし、エンジンは中程度の制御値又は公称制御値で動作させられることが多く、又は、実際には、エンジンは、予め決められたフライトプランに準拠するように動作させられうる。したがって、エンジンの動作限界がそれから変更される損傷レベルを決定するために、公称動作するエンジンに関する、又は、フライトプランによって予想される仕方で動作するエンジンに関する、時間の関数としての損傷の変化を示す曲線が、一般的に使用される。
その次に、エンジンの1つ又は複数の動作限界が段階d)においてそれから変更される予め決められた損傷レベルを、エンジンの損傷率が予め決められた閾値を超える値に設定することができ、この閾値より上ではエンジンが迅速に劣化する。この閾値は、時間の関数として損傷がどのように変化するかを示す曲線に基づいて選択される。
エンジンの動作限界がそれから変更される予め決められた値は、さらに、損傷レベルの関数として、例えば、損傷レベルに到達し終わる前の特定の(予め決められた)時間の長さの関数として決定されてもよい。
その後に行われる1つ又は複数の動作限界に対する変更(段階d))が、エンジンの最大の損傷率を予め決められた値よりも低く維持するように選択される。
したがって、段階c)で変更された動作限界が計算に入れられる場合には、その後で、段階d)の前に計算に入れられた無変更の動作限界に基づいてエンジンが制御される場合にそのエンジンが劣化したであろう速度よりも遅い速度で、そのエンジンが劣化することが生じさせられる。
上述したように、エンジンの損傷レベルは、エンジン故障の確率を表している情報である。
この損傷レベルは、単にエンジントラブルに関係する情報ではなく、又は、さらには、単にエンジンの軽微な機能不全(例えば出力低下)に関係する情報ではない。
この損傷レベルは、通常はエンジンの動作履歴の関数としての、エンジン故障の確率の推定値を提供する情報(一般的に、連続的であって、二進法ではない)である。
損傷レベルは、エンジンの主構成要素の損傷レベルから計算されてもよい。したがって、例えば、エンジンの損傷レベルは、エンジンのサブシステムのそれぞれの損傷レベルの最大値の関数として計算されてもよい。エンジンのすべてが反動エンジンである場合には、その損傷レベルは、特に、主燃焼室の損傷と、エンジンの推進剤供給ターボポンプの損傷とのそれぞれのレベルの関数として計算されてもよい。
例えば、損傷レベルは、実験によって、及び/又は、1つ又は複数の測定値の間の学習因果関係と、エンジンのサブシステムの劣化又はエンジン自体の劣化のレベルとに基づいて、測定されてもよい。この劣化は、フライト毎に累積する。エンジンに対して行われるメンテナンス作業中に採取される測定値を使用して、先行するフライトに関する記憶が保存されてもよい。
エンジンの損傷レベルは、特に、エンジン又はエンジンのサブシステムの損傷率から積分法によって求められてもよい。
例えば、エンジンのサブシステムの場合に、損傷率は、
1)ターボ機関に関しては、例えば、個々の周波数範囲に関して蓄積又は加重された、ターボ機関の振動エネルギーの関数である値、及び/又は、任意の他の適切なパラメーターの関数である値、
2)アクチュエーターに関しては、消費された電力の値、又は、この値を積分する関数、及び/又は、
3)燃焼室に関しては、「過剰」値、即ち、燃焼室内の推進剤の混合率に関する予め決められた上限を超える値、又は、実際には、この「過剰」値を積分する関数
であってよい。
さらに、ターボ機関においては、ターボ機関のポンプによって供給される出力がターボ機関の回転の速度に密接に関連付けられているということがよく知られている。ポンプによって供給される出力を増大させること、又は、このターボ機関の回転速度を増大させることが、ターボ機関の振動エネルギーの増大を生じさせ、したがって、そのターボ機関の損傷率の増大を生じさせる。
したがって、本発明によって、(エンジンが損傷していると考えられる時に)マルチエンジンベイ内におけるエンジンのターボ機関の限界回転速度を減少させることが、当該のターボ機関に関するこの制限速度の制約によって、マルチエンジンベイを制御することを結果的にもたらす。このことが、ポンプの出力を減少させ、したがってポンプの振動のレベルを減少させることを通常は必要とする形で、マルチエンジンベイを制御することと、これによって当該エンジンの損傷率を低下させることを結果的にもたらす。
同じようにして、特定の値(例えば、アクチュエーター)によって、所定位置にバルブを保持するために必要とされる保持電流が、そのバルブに対して加えられる油圧トルクを表している。そのバルブの損傷率が、そのバルブに加えられるトルクの値に確実に関連付けられる。
したがって、本発明によって、マルチエンジンベイ内のエンジンの動作限界を変更することと、バルブの位置保持電流の最大値を減少させることによって損傷したバルブを有することとが、バルブの位置保持電流が減少させられることを通常は必要とし且つバルブに対して加えられるトルクが減少させられることを必要とする仕方で、マルチエンジンベイを制御することを結果的にもたらす。このことが、バルブがその一部分を形成するエンジンの損傷率を減少させることを結果的にもたらす。
最後に、燃焼室内においては、燃焼室に対する損傷率を減少させ、且つ、したがって、その燃焼室がその一部分を形成するエンジンに対する損傷率を減少させるために、燃焼室内において受け入れ可能である混合比の最大値を減少させることが可能である。
一実施態様では、各エンジン毎に、段階b)において、エンジンの損傷レベルが、より以前の時点におけるそのエンジンの少なくとも1つの損傷レベルの関数として評価される。例えば、損傷レベルが、時点t-1における損傷レベルと、これに加えて、以前に計算に入れられた時点t-1と考慮中の時点tとの間に生じさせられる追加的な損傷の推定値とから、計算されてもよい。損傷レベルは、各々の時間間隔内で生じる追加的な損傷を積分することによって計算される。時点t-1と時点tとの間のエンジンの摩耗を表す追加的な損傷値が、スラスト、及び/又は、振動、圧力、温度等の関数であってもよい。
本発明の第2の目的は、マルチエンジンベイの故障のリスクを許容可能であるレベルに抑制しながらそのマルチエンジンベイを制御する働きをする、マルチエンジンベイのための制御システムを提案することである。
この目的は、同様にマルチエンジンベイのための制御システムによって実現され、この制御システムは、
a)マルチエンジンベイが所望のスラストを供給するように、且つ、各エンジンがそのエンジンの1組の動作限界にしたがって動作させられるように、マルチエンジンベイを制御するために適している制御ユニットと、
b)エンジン各々に関する損傷レベルを周期的に評価するように構成されているエンジン正常性評価ユニット(engine health evaluation unit)と、
c)エンジンの損傷レベルが予め決められた値を超えるか否かを周期的に評価し、及び、「損傷」エンジンと呼称されるエンジンの損傷レベルが予め決められた値を上回る場合に、損傷エンジンの損傷率がその損傷エンジンの予め決められた最大損傷率よりも小さいように、その損傷エンジンの少なくとも1つの動作レベルを変更するように構成されている動作限界更新ユニットとを備える。
一実施態様では、動作限界更新ユニットは、損傷エンジンの最大スラストを減少させることによって、損傷エンジンの上記少なくとも1つの動作限界を変更するように構成されている。
このシステムは、特に、次の2つの実施態様の一方又は他方によって実現されうる。
「ボトムアップ型(bottom-up)」実施態様と呼称される第1の実施態様では、制御システムは、各エンジン毎のためのエンジンコンピュータを有し、及び、動作限界更新ユニットは、各々のエンジンコンピュータ内に、動作限界更新モジュールを備え、この動作限界更新モジュールは、
予め決められた値をエンジンの損傷レベルが超えるか否かを周期的に評価し、
予め決められた値をエンジンの損傷レベルが超える場合に、予め決められた損傷エンジンの最大損傷率よりもその損傷エンジンの損傷率が小さいように、損傷エンジンの少なくとも1つの動作限界を変更し、
その損傷エンジンの上記少なくとも1つの動作限界に適用される変更を制御ユニットに知らせるように構成されており、
その制御ユニットは、1つ又は複数の損傷エンジンに関する上記少なくとも1つの動作限界に対して適用される上記変更を計算に入れながら、ベイを制御するように構成されている。
この実施態様では、動作限界更新ユニットの機能は、エンジンコンピュータ内で行われる。
「トップダウン型(top-down)」と呼称される第2の好ましい実施態様では、制御システムは、中央コンピュータと、各エンジン毎のためのエンジンコンピュータとを有する。さらに、
各エンジンコンピュータ内において、エンジン正常性評価ユニットは、エンジンの各々に関する損傷レベルを周期的に評価するように構成されているエンジン健全性評価モジュールを備え、
中央コンピュータ内において、動作限界更新ユニットは動作限界更新モジュールを備え、この動作限界更新モジュールは、
個々のエンジン健全性評価モジュールによって通信されるその個々のエンジンのそれぞれの損傷レベルに基づいて、予め決められた値を各エンジンの損傷レベルが超えるか否かを、エンジンの各々に関して評価するように、
損傷レベルが予め決められた値を超える「損傷エンジン」と呼称される各々のエンジンに関して、その損傷エンジンの損傷率が、予め決められた損傷エンジンの最大損傷率よりも小さいように、その損傷エンジンの少なくとも1つの動作限界を変更するように、及び、
1つ又は複数の損傷エンジンの上記少なくとも1つの動作限界に適用される変更を制御ユニットに知らせるように構成されており、
制御ユニットは、1つ又は複数の損傷エンジンに関する上記少なくとも1つの動作限界に適用される上記変更を計算に入れながら、ベイを制御するように構成されている。
この実施態様では、上記実施態様と違って、動作限界更新ユニットの機能は、中央コンピュータ内で行われる。
本発明は、さらに、上記定義の通りの制御システムを含むマルチエンジンベイも提供する。
本発明は、非限定的な具体例として示されている実施形態の以下の詳細な説明を理解する時に適切に理解されることが可能であり、及び、本発明の利点がより適切に明らかになる。この説明は添付図面を参照する。
「トップダウン型」実施形態と呼称される、本発明の第1の実施形態におけるマルチエンジンベイの略側面図である。 「ボトムアップ型」実施形態と呼称される、本発明の第2の実施形態におけるマルチエンジンベイの略側面図である。 様々なスラスト値に関するエンジンに対する損傷の変化を、図1に示されているベイの1つのエンジンに関して示すグラフである。 図1に示されているベイの1つのエンジンに関して、本発明がそのエンジンを制御するために使用されるか否かに対応する、エンジンに関する時間の関数としての損傷の変化とドリフトとを示す。 一実施形態における本発明の方法の諸段階を示す流れ図である。
以下では、マルチエンジンベイ10を、図1と図2とをそれぞれに参照して、2つの互いにわずかに異なる実施形態において説明する。
両方の実施形態では、マルチエンジンベイ10は、それぞれに20A、20B、…、20Jと参照番号が付与されており、且つ、エンジン20として集合的に参照番号が付与されている、10つのエンジンを備える(図1には5つのエンジンだけが示されている)。
このベイは、さらに、2つの推進剤タンクと、推進剤を分配して加圧する回路と、様々な追加の装置部品(図示されていない)とを有する。
これらのエンジンの各々は、ノズル(ノズル24A、24B、…、24J)から上流に各々が配置されている燃焼室(燃焼室22A、22B、…、22J)を備えるロケットエンジンである。参照番号22、24は、それぞれに、燃焼室とノズルとを集合的に示すために使用されている。
ベイ10は、制御システム30によって制御される。
制御システム30は、中央コンピュータ31と、10つのエンジンコンピュータ34A、34B、…、34Jを備える。
エンジンの動作と制御とに関する情報を交換するエンジンコンピュータ34A、34B、…、34Jと中央コンピュータ31は、データ伝送バス36によって互いに接続されている。
制御システム30は、3つの機能ユニット、即ち、ベイの全体的制御のための制御ユニット32と、エンジン正常性評価ユニット38と、動作限界を更新するためのユニット40とを備える。制御ユニット30は、さらに、各々のエンジンの動作の制御のために、エンジン制御ユニット42を備える。制御ユニット32と、エンジン正常性評価ユニット38と、動作限界更新ユニット40は、制御システム30内で実行される機能モジュールである。
制御ユニット32は、個々のエンジン20に伝送されるためのコマンドを計算するユニットである。例えば、これらのコマンドは、特に、エンジンが特定の時点に供給することが求められているスラストの値によって構成されてもよい。
各々のエンジンにおいて、且つ、制御ユニット32から受け取られるコマンドに基づいて、エンジンコンピュータ34は、個々のアクチュエーターの動作限界を計算に入れながら、エンジンのアクチュエーターの各々に伝送されるべきコマンド(調節可能なバルブが開かれなければならない度合いを決定するコマンド等)を計算し、及び、このエンジンコンピュータ34は、これらのコマンドをアクチュエーターに伝送する。
制御システム30のユニットによって行われる計算のすべては、エンジンに対する制御の連続性を確実なものにするように、周期的にリアルタイムで行われる。
制御ユニット32は、ランチャーのために必要とされる合計スラストFをベイが供給するように、且つ、各エンジンがそのエンジンに適用可能である1組の動作限界に準拠して動作させられるように、ベイのためのコマンドを計算する。
これと同時に、ベイが動作中である間に、エンジン正常性評価ユニット38は、エンジン各々の健全性の状態、即ち、エンジン各々の劣化の状態、及び、より概括的にはベイの劣化の状態を連続的に(即ち、周期的に)評価する。特に、エンジン正常性評価ユニット38は、エンジン各々の損傷ENDOを各時間ステップ毎に周期的に評価する。損傷ENDOの値は、動作限界更新ユニット40に伝送される。
動作限界更新ユニット40(以下では、簡明にするために「ユニット40」と呼称される)は、各エンジンに関する予め決められた値に対して、各エンジンの損傷を比較するように構成されている。
特定のエンジンに関して、その損傷が、最大の許容可能な損傷レベルであるように選択されている予め決められた値を超える場合には、ユニット40は、その損傷エンジンが損傷させられている比率が、エンジン損傷の予め決められた最大率dENDO/dt_maxよりも小さいように、そのエンジンの動作限界の少なくとも1つを変更する。
変更された動作限界の値は制御ユニット32に伝送され、この制御ユニット32は、そのエンジンに適用されるべきコマンドを決定するために、この変更された動作限界を計算に入れる。
制御システム30の機能ユニットの各々は、概ね一定不変である2つの計算サイクルの間の時間ステップサイズを用いて、循環的に且つ反復的に、リアルタイムで、その機能ユニットに割り当てられている計算ステップを行う。
各サイクル毎に、制御ユニット32が、エンジン20の制御ユニット34に伝送されなければならないコマンド(例えば、スラストセットポイント(thrust setpoint))を計算する。エンジン正常性評価ユニット38が、個々のエンジン20の損傷のそれぞれのレベルを計算する。ユニット40は、各エンジン20の損傷ENDOを最大許容可能損傷値ENDO_Sと比較し、及び、この値が超えられる時に、1つ又は複数の当該エンジンの動作限界の1つ又は複数を変更する。
図5に要約されているように、行われる方法は、したがって、
a)所望のスラストを供給するようにベイが制御され、及び、各エンジンは、そのエンジンに関して指定された1組の動作限界に準拠する形でベイが動作させられる段階と、
b)各エンジンの損傷レベルENDOが周期的に評価される段階と、
c)各エンジンに関して、そのエンジンの損傷レベルENDOが予め決められた値ENDO_Sを超えるか否かが周期的に検出される段階と、
d)エンジンの損傷が予め決められた値ENDO_Sを超える場合に、そのエンジンは損傷していると見なされ、及び、その損傷エンジンの損傷率dENDO/dtが予め決められたエンジン最大損傷率dENDO/dt_maxよりも小さいように、その損傷エンジンの動作限界の少なくとも1つが変更される段階とを含む。
ユニット32、38、40、40(この場合にユニット40は段階c)と段階d)の両方を行う)によってそれぞれに行われる動作を含む段階a)、b)、c)、d)の各々は、周期的に行われる必要があるが、これらの段階は任意の順序で行われてよい。
具体例として示されている、本発明の2つの実施形態の特徴を以下で説明する。
トップダウン型アーキテクチャー
第1の実施形態(図1)では、電子制御システム30は、段階d)において動作限界に対する変更が「集中化した(centralized)」形で行われるので、「トップダウン型」と呼ばれる動作を示している。
この実施形態では、エンジン正常性評価ユニット38は、エンジンコンピュータ34内に組み込まれているソフトウェアモジュールによって構成されている。ベイ10が動作中である間に、各エンジンに関して、エンジン健全性評価モジュールは、エンジンの損傷レベルENDOを周期的に評価する。その次に、エンジン健全性評価モジュールは、損傷レベルを表示するフラグをコンピュータ31に送る。
動作限界更新ユニット40は、中央コンピュータ31内に組み込まれているソフトウェアモジュール40によって主として構成されている。
各エンジンに関してエンジン健全性モジュールから受け取られたENDOフラグに基づいて、ユニット40は、エンジンの損傷レベルENDOが予め決められた値ENDO_Sを超えるか否かを評価する。
この比較を行う時に、ユニット40が、エンジンが損傷していることを検出する場合に、ユニット40は、そのエンジンの信頼性を保証するために、エンジンの動作限界の1つ又は複数を変更する。この具体例では、動作限界を変更するユニット40は、エンジンの動作点を低下させること、即ち、そのエンジンの最大公称スラストを低減させることにある。本発明においては、この変更は、損傷エンジンの損傷率が、予め決められたエンジン最大損傷率(dENDO/dt_max)よりも低く保たれるように行われる。
その次に、ユニット40は、最大公称スラスト値を制御ユニット32に伝送する。
制御ユニット32は、基本的に、中央コンピュータ31内に組み込まれているソフトウェアモジュール32によって構成されている。動作限界更新ユニット40から受け取られる変更された動作限界の関数として、制御ユニット32は、所望の値に全スラストを維持するために、個々のエンジンによって給送されるべきそれぞれのスラスト値を計算する。制御ユニット32は、エンジンコンピュータ34に対して、このように決定されたそれぞれのスラスト値を送る。
エンジンコンピュータ34内において、及び、受け取られたスラスト値の関数として、エンジン制御ユニット42は、個々のエンジン20をそれぞれに制御するように作用する。
「ボトムアップ型」アーキテクチャー
以下では、第2の実施形態(図2)における、電子制御システム30のアーキテクチャーを説明する。この実施形態は、次で説明する相違点を除いて、第1の実施形態と同じである。
この実施形態では、上述したように、エンジン正常性評価ユニット38は、エンジンコンピュータ34内に組み込まれているソフトウェアモジュール32によって構成されている。ベイ10が動作中である間に、各エンジンに関して、エンジン健全性評価モジュール38は、そのエンジンの損傷レベルENDOを周期的に評価する。
動作限界更新ユニット40は、上記実施形態とは対照的に、エンジンコンピュータ34内に配置されているソフトウェアモジュール(同じく参照番号40で示されている)で基本的に構成されている。
したがって、この実施形態では、各エンジンにおいて、損傷フラグENDOが、エンジン健全性評価モジュール38によって、エンジンコンピュータ34内の動作限界更新モジュール40に送られる。
そのエンジンの損傷ENDOが予め決められた値ENDO_Sを超える場合には、動作限界更新モジュール40は、損傷エンジンの損傷率dENDO/dtが予め決められたエンジンの最大損傷率(dENDO/dt_max)よりも低いように、そのエンジンの動作限界の少なくとも1つを変更する。
その次に、モジュール40は、
エンジンの最大スラスト値が制限され終わっていることを表示する第1のフラグ「Flag 1」と、
エンジンの新たな最大スラスト値を表示する第2のフラグ「Flag 2」とを制御ユニット32に伝送する。
採用随意に、第2のフラグは、効率のレベルの形態で表現されてもよく、即ち、第2のフラグによって伝送される値は、単に、モジュール40によって決定される、計算に入れられるべき最大スラスト値と、エンジンが完全な動作状態にある時のそのエンジンの公称最大スラストを定義する初期最大スラスト値との間の比率である。したがって、効率のレベルは、そのエンジンの公称(又は、初期)動作限界(そのエンジンの公称最大スラスト)によって除算した、そのエンジンの変更された動作限界(そのエンジンの実際の最大スラスト)の間の比率を表す。
上述したように、制御ユニット32は、個々のエンジンの動作限界に対して行われた変更を計算に入れながら、ベイを制御するように構成されている。
制御システム30の動作は、本発明によるベイ10を制御する方法の実施の具体例からより適切に理解されることが可能である。
最初に、エンジン20の健全性の状態が劣化させられるプロセスを、図3を参照して説明する。
図3は、エンジン20の損傷レベルENDOがどのように時間の関数として変化するかを示す、曲線S(S1、S2、S3)の形の図である。この図では、損傷レベルENDOは縦座標軸に沿ってプロットされており、及び、時間は横座標軸に沿ってプロットされている。損傷の時間微分レベルdENDO/dtは、「損傷率」と呼称されている。
マルチエンジンベイ10が使用される時には、各エンジンの損傷レベルENDOは、曲線Sにしたがって、時間の経過に応じて増大する。
各エンジン20に関して、そのエンジンに加えられる応力の関数として、即ち、そのエンジンが出力することが求められるスラストの関数として、損傷レベルENDOが増大する。したがって、最も応力がかけられている(即ち、最大のスラストを出力する)エンジンの損傷率(dENDO/dt)が、より少ない応力がかけられているエンジンの損傷率よりも高い。曲線Sは、エンジンの要求されたスラストの様々な値に関する損傷レベルENDOの変化を示す。曲線S1は最大スラストに対応し、及び、曲線S3は最小スラストに対応する。
これらの曲線の各々は、損傷レベルENDOが値ENDO_Sに達するまで連続する第1の期間を表し、及び、この第1の期間中は、損傷レベルENDOは比較的緩慢に増大する。
したがって、エンジン20に関しては、損傷レベルがこの損傷レベルENDO_Sよりも低い限り、信頼性が優れており、及び、故障の確率ENDOは非常に低いままである。
この期間中は、エンジンに対する最も最近のメンテナンス作業をした時点からの測定された、そのエンジンが使用されてきた持続時間tに比例している形で、損傷レベルENDOが全体的に増大する。(当然であるが、損傷レベルENDOは、エンジンが実際に被る応力をより詳細に計算に入れることによって、そのエンジンに関してより正確に計算されうる。)
損傷レベルが値ENDO_Sを超えると、且つ、第2の期間中に、損傷レベルENDOは、はるかにより迅速に増大し始める。この損傷レベルENDO_Sから、そのエンジンは損傷していると見なされる。
したがって、曲線Sは、2つの期間を区別する働きをし、即ち、故障の確率がその期間中は非常に低い状態のままであり、及び、時間の関数として非常に緩慢に増大する第1の期間(ENDO<ENDO_S)と、エンジンがその期間中にはるかに迅速に劣化する(単位時間当たりの損傷の増加の速度が高い)第2の期間(ENDO>ENDO_S)とを区別する働きをする。
損傷率(dENDO/dt)は、第2の期間中においては、エンジンに要求されるスラストが小さい時に、これに対応する形で、より小さい。したがって、第2の期間中は、曲線S3の勾配は、曲線S2の勾配よりも小さく、及び、曲線S1の勾配よりも遙かに小さい。
この例では、曲線S3に対応し且つ曲線S3の第2の部分(t>T3)内で生じる、スラストに関するそのエンジンの損傷率が、ロケットによって行われなければならないミッションの場合に、許容可能である損傷率であるということが理解される。
したがって、曲線S3に対応するスラストよりもそのスラストが大きくはないようにエンジンを抑制することによって、そのエンジンの損傷率が、許容可能であると見なされている予め決められた値(dENDO/dt_max)よりも低い(又は、最悪でもこの値に等しい)ことを確実なものにする役割を果たす(これは、曲線S3を有する第2の期間中のそのエンジンの損傷率である)。
本発明は、この特性を次のように利用する。エンジンが損傷しており、そのエンジンの損傷レベルが予め決められた値ENDO_Sを超えているということが観察された直後に(即ち、そのエンジンが第2の期間中に動作を開始した直後に)、そのエンジンの1つ又は複数の動作限界が変更され(この例では、そのエンジンに要求される可能性がある最大スラストが低減させられ)、したがって、そのエンジンは、最大許容可能損傷率(dENDO/dt_max)であると見なされている損傷率よりもそのエンジンの損傷率が小さい(スラストコマンドに関する)動作点において動作させられる。
したがって、この具体例では、そのエンジンに対する損傷レベルが値ENDO_Sに達することが観察された直後に、そのエンジンに要求される可能性がある最大スラストが、そのエンジンの最大スラストを曲線S3に対応するスラストに設定することによって低減させられる。この時点から、そのエンジンのために計算されるスラストは必然的にその最大スラストよりも小さい。したがって、この時点から、そのエンジンに要求されるスラストは、曲線S3に対応し且つ比較的低い損傷率をもたらすスラストよりも低い。したがって、この時点から、そのエンジンの損傷率はdENDO/dt_maxよりも低い状態のままである。
この作用は、エンジンに要求されるスラストを直接的に減少させることによっては行われず、エンジンの動作限界(即ち、エンジンの最大スラストのための限界値)に対して変化を加えることによって行われる。当然であるが、例えばポンプの最大回転速度等のような、任意の他の動作限界が選択されることも可能である。
動作限界に対する変更、又は、動作制約条件に対する変更は、モジュール40によって決定され、及び、その次に、ベイ制御ユニット(モジュール32)によって計算に入れられ、これによって、通常は、そのエンジンからのスラストの低減を結果的に生じさせる。
ベイから得られる動作が図4に示されている。
ここで想定されているシナリオは、当該エンジンに応じてそのエンジンに対してメンテナンスが多かれ少なかれ最近において行われ終わっているエンジン20をマルチエンジンベイ10が有する、再使用可能なランチャーのシナリオである。したがって、飛行中の特定の時点において、そのエンジンは、それぞれの故障確率TA、TB、…,TJを呈する。
その目的は、ミッションの持続時間全体にわたって、エンジン各々の損傷レベル(故障確率)を可能な限り低いレベルに保つことである。個々のエンジンの故障確率は、曲線S上の点の形で、図4に示されている。
図4は、特定のエンジン20における、且つ、2つの互いに異なるシナリオにおける、損傷レベルENDOと損傷レベルの時間微分dENDO/dtとのそれぞれにおける変動を、曲線S、S'、C、C’の形で示している。
この両方のシナリオでは、検討中のエンジン20の損傷レベルENDOは、第1の期間L1の終わりに時点TSにおいて値ENDO_Sに達する。
第1のシナリオ(曲線S、曲線C)では、本発明は行われず、一方、第2のシナリオ(曲線S’、曲線C’)では、当該エンジン20の動作限界の少なくとも1つを変更することによって、即ち、そのエンジンに要求される可能性がある最大スラストを低減させることによって、本発明が行われる。
第1のシナリオでは、時点TSにおいては処置が開始されないので、エンジンは第2の動作期間L2に移行する。
この第2の動作期間L2(t>TS)中に、第1の想定されたシナリオでは、当該エンジン20は、その最大スラストで使用される。そのエンジンの損傷レベルは迅速に増大し、及び、その損傷率はdENDO/dt_max(曲線C)よりも大きい。
これとは反対に、第2のシナリオでは、当該エンジン20の損傷レベルが値ENDO_Sに達し終わっていることが検出された直後に、このエンジンに要求される可能性がある最大スラスト値を低減させることによって動作限界が変更される。
この変更は、このエンジンの損傷率の低下をもたらし、このことは、値dENDO/dt_maxに対応する図4の一点鎖線の下方に曲線C’が位置するということによって表されている。したがって、このことは、ミッションの終了時の損傷レベルが、動作限界が変更されなかった場合に生じていたはずである損傷レベルよりも小さいように、このミッションが継続されることを可能にする。
時点TSにおいて損傷していることが検出されたエンジン20の動作限界に対する変更、即ち、エンジン20の最大スラストを低減させることは、このエンジンに関するコマンドを再計算させるようにベイの制御ユニット32に強制する。これらのコマンドは、このエンジンに関する最大スラストのための変更された値を計算に入れながら、再計算される。エンジン20に関してこのように再計算されたコマンドは、このエンジンの動作限界に対する変化によって変更されても又は変更されなくてもよい。
エンジン20に関する動作限界の変更の結果として、時点TS後のそのエンジンの損傷率dENDO/dtは、必然的に、動作限界(特に、エンジンの最大スラスト)が変更されなかった場合のその損傷率dENDO/dtに比べて、より低い。
したがって、段階c)においてエンジン20の動作限界を変更することは、検討中のエンジンの劣化率の減少を結果的にもたらし、及び、したがって、そのベイの中の他のエンジンの劣化率を増大させる原因となる可能性がある。しかし、他のエンジンがより低い損傷レベルを有するので、これらのエンジンの劣化率は、有利なことに、より低く、及び、したがって、採用される方策が、ベイの全体的損傷の増大を減少させる役割を果たし、即ち、時間の関数として増大する、エンジンを損失する危険性を減少させる役割を果たす。
エンジンの損傷率が低減させられるようにエンジンの1つ又は複数の動作限界を変更するために、様々な方策が採用されてもよい(即ち、様々な変更が動作限界に加えられてもよい)。反動エンジンの動作限界の個数を考慮すると、動作限界のすべてを本明細書に列挙することは不可能である。
エンジンの損傷率を減少させるための主要な方策は、エンジンによって供給されることがある最大スラストを単に減少させることである。こうした状況においては、エンジンの動作限界のすべては、そのエンジンを制御するために、計算に入れられる最大スラスト値を減少させることによって変更される。
別の方策では、エンジンのための最大混合比を減少させうる。混合比の値は、特に、燃焼室内の燃焼ガスが到達する温度を決定する。この温度が高ければ高いほど、燃焼室の劣化がより迅速であり、即ち、エンジンに対する損傷率がより高い。
別の方策では、推進剤の一方及び/又は他方がエンジンに給送される最大率を低減させうる。これらの比率を低減させることは、1つ又は複数の推進剤給送ターボポンプの最高回転速度を減少させる役割を果たし、及び、したがって、ターボポンプの損傷率を低減させ、及び、したがって、エンジンの損傷率を低減させる役割を果たす。

Claims (9)

  1. マルチエンジンベイ(10)を制御する方法において、
    前記方法は、
    a)前記マルチエンジンベイが所望のスラストを供給するように、且つ、各エンジンがそのエンジンに関する1組の動作限界にしたがって作動させられるように、前記マルチエンジンベイを制御する段階と、
    b)前記エンジンの各々に関する損傷レベル(ENDO)を周期的に評価し、前記エンジンの前記損傷レベルは、前記エンジンの故障の確率を表している情報である、段階と、
    c)前記エンジンの各々に関して、前記エンジンの各々の前記損傷レベル(ENDO)が予め決められた値(ENDO_S)を超えるか否かを周期的に評価する段階と、
    d)「損傷」エンジンと呼称されるエンジンの前記損傷レベルが、予め決められた値を超える場合に、前記損傷エンジンの損傷率(dENDO/dt)が予め決められた前記損傷エンジンの最大損傷率(dENDO/dt_max)よりも小さいように、前記損傷エンジンの少なくとも1つの動作制約条件を変更する段階とが行われる、制御方法。
  2. 前記エンジンの1つ又は複数の前記動作限界に対する変更は、前記エンジンの最大スラスト値を低減させることを含む、請求項1に記載の制御方法。
  3. エンジンの前記損傷レベルは、前記エンジンのサブシステムのそれぞれの損傷レベルの最大値の関数として計算される、請求項1又は2に記載の制御方法。
  4. エンジンの各々に関して、前記段階b)において、前記エンジンの前記損傷レベルは、より早期の時点における前記エンジンの少なくも1つの損傷レベルの関数として評価される、請求項1~3のいずれか1項に記載の制御方法。
  5. マルチエンジンベイのための制御システム(30)において、
    前記制御システム(30)は、
    a)前記マルチエンジンベイが所望のスラストを供給するように、且つ、各エンジンがそのエンジンの1組の動作限界にしたがって動作させられるように、前記マルチエンジンベイを制御するために適している制御ユニット(32)と、
    b)前記エンジンの各々に関する損傷レベル(ENDO)を周期的に評価するように構成されており、且つ、エンジンの前記損傷レベルがエンジン故障の確率を表している情報である、エンジン正常性評価ユニット(38)と、
    c)各エンジンに関して、前記エンジンの前記損傷レベルが予め決められた値(ENDO_S)を超えるか否かを周期的に評価し、及び、「損傷」エンジンと呼称されるエンジンの損傷レベルが予め決められた値を超える場合に、前記損傷エンジンの損傷率(dENDO/dt)が予め決められたエンジンの最大損傷率(dENDO/dt_max)よりも小さいように、前記損傷エンジンの少なくとも1つの動作レベルを変更するように構成されている動作限界更新ユニット(40)とを備える、ことを特徴とするマルチエンジンベイのための制御システム。
  6. 前記動作限界更新ユニット(40)は、前記損傷エンジンの最大スラストを低減させることによって前記損傷エンジンの前記少なくとも1つの動作限界を変更するように構成されている、請求項5に記載のマルチエンジンベイのための制御システム。
  7. 前記制御システム(30)は、各エンジン毎のためのエンジンコンピュータ(34)を備え、
    前記動作限界更新ユニット(40)は、各々の前記エンジンコンピュータ(34)内に、動作限界更新モジュール(40)を備え、前記動作限界更新モジュール(40)は、
    予め決められた値(ENDO_S)を前記エンジンの前記損傷レベルが超えるか否かを周期的に評価し、
    前記予め決められた値を前記エンジンの前記損傷レベルが超える場合に、予め決められたエンジン最大損傷率(dENDO/dt_max)よりも前記損傷エンジンの損傷率(dENDO/dt)が小さいように、前記損傷エンジンの少なくとも1つの動作限界を変更し、
    前記損傷エンジンの前記少なくとも1つの動作限界に適用される変更を制御ユニット(32)に知らせるように構成されており、
    前記制御ユニット(32)は、1つ又は複数の損傷エンジンに関する前記少なくとも1つの動作限界に対して適用される前記変更を計算に入れながら、前記マルチエンジンベイを制御するように構成されている、請求項5又は6に記載のマルチエンジンベイのための制御システム。
  8. 前記制御システムは、中央コンピュータ(31)と、前記エンジンの各々のためのエンジンコンピュータ(34)とを有し、さらに、
    各エンジンコンピュータ(34)内において、前記エンジン正常性評価ユニット(38)が、前記エンジンの各々に関する損傷レベル(ENDO)を周期的に評価するように構成されているエンジン健全性評価モジュールを備え、
    前記動作限界更新ユニット(40)は、前記中央コンピュータ(31)内において、動作限界更新モジュール(40)を備え、前記動作限界更新モジュール(40)は、
    その前記エンジン健全性評価モジュールによって通信される個々のエンジンのそれぞれの損傷レベルに基づいて、予め決められた値(ENDO_S)をそのエンジンの損傷レベルが超えるか否かを、前記エンジンの各々に関して評価するように、
    前記損傷レベルが予め決められた値を超える「損傷」エンジンと呼称される各々のエンジンに関して、前記損傷エンジンの損傷率(dENDO/dt)が、前記予め決められたエンジン最大損傷率(dENDO/dt_max)よりも小さいように、前記損傷エンジンの少なくとも1つの動作限界を変更するように、及び、
    前記1つ又は複数の損傷エンジンの前記少なくとも1つの動作限界に適用される前記変更を前記制御ユニット(32)に知らせるように構成されており、
    前記制御ユニット(32)は、前記1つ又は複数の損傷エンジンに関する前記少なくとも1つの動作限界に適用される前記変更を計算に入れながら、前記マルチエンジンベイ(10)を制御するように構成されている、請求項5又は6に記載のマルチエンジンベイのための制御システム。
  9. 請求項5~8のいずれか1項に記載の制御システムを含むマルチエンジンベイ(10)。
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