JP7157445B2 - 逆止弁を含む配管の溶接方法 - Google Patents
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Description
このような流体制御装置にガスを供給するために、電磁弁や逆止弁やそれらを接続するステンレス配管からなる分配システムがしばしば用いられ、この分配システムの配管同士の接合には、省スペースの観点からTIG溶接等の溶接技術が用いられている。これらの配管を溶接する際には、配管の端面同士を密着するように当接させたのち、大気との接触による内面焼けを抑えるために、配管内の残留ガスをArガスなどのバックシールドガスに置換する。また、溶接箇所が内側へ変形するのを抑制するため、バックシールドガスで配管内の内圧を大気圧より高くして溶接を行っている(例えば特許文献1)。
前記第1の配管に、該配管から分岐して大気圧開放する分岐配管を設け、該分岐配管を閉止又は開度調節する第1の開度調節手段を接続するステップと、
前記第1の配管と第2の配管の端面同士を密着するように突き当てるステップと、
前記第1の配管にバックシールドガスを供給し、前記第1の開度調節手段により、前記第1及び第2の配管内の前記バックシールドガスの圧力を、前記逆止弁の開弁圧力より高い第1の圧力に設定し、前記逆止弁を開いて、該第1及び第2の配管内を前記バックシールドガスで置換するステップと、
前記第1の開度調節手段により、又は、前記第1の開度調節手段を前記分岐配管の開度調節する第2の開度調節手段に交換して該第2の開度調節手段により、前記分岐配管を開度調節して、前記第1及び第2の配管内のバックシールドガスの圧力を、大気圧より高く前記逆止弁の開弁圧力より低い第2の圧力に設定し、前記逆止弁を閉じた状態で、前記第1の配管と第2の配管とを溶接するステップと、を含むことを特徴とする。
また、溶接中は管内を大気圧より高い第2の圧力に設定して溶接を行うので、溶接箇所が内側へ変形するのを抑制できる。
また、溶接前に、管内のバックシールドガスの圧力を逆止弁の開弁圧力より高い第1の圧力に調整して逆止弁を開弁させるので、溶接する各管内がバックシールドガスで十分に置換され、内面焼けが防止できる。
まず、バックシールドガス(Arガス等)を供給源101から配管102a-1に供給し、開閉バルブ103を開いて、配管102a-2と逆止弁導入配管102bとの当接部分を通過して、逆止弁104に到達させる。
バックシールドガスは、また、配管102a-1の途中の分岐から配管102dにも導入され、内圧モニタリング装置110を経由して、大気圧開放されている。
このとき、逆止弁104は閉じたままで、バックシールドガスが通過しないので、溶接の熱による若干の圧力変動があっても、逆止弁のチャタリングが生ずることがなく、管内圧力は安定する。
このステップにおいて、逆止弁104の二次側を閉止することが望ましい。これにより、チャタリングの原因となるバックシールドガスの逆止弁104通過を、より確実に防ぐことができるからである。
この第2の圧力は、溶接時に溶接個所が内側へ変形することを抑制できる一定の内圧を生ずる圧力であることが好ましい。逆止弁104の開弁圧力(クラッキング圧力)以下でも、このような圧力を設定することは可能である。
但し、溶接するステップでは、分岐配管102dを開く必要があるので、このステップに用いる第1又は第2の開度調節手段として、閉止のみを目的とするプラグ等は用いられない。
また、内圧モニタリング装置110の接続に用いた分岐配管102dは、上記溶接後は除去しても良く、他の目的に利用しても良い。
図3は、開閉バルブ103の下流の配管102a-2と逆止弁導入配管102bとを、溶接により接合する場合を示す斜視図である。配管102a-2と逆止弁導入配管102bは共にステンレス配管である。
溶接する部分の上流側の配管系は、上流の配管102a-1と、その下流側端部に取り付けられたT型継手と、このT型継手により垂直方向に分岐する配管102dと、前記T型継手の下流に取り付けられた開閉バルブ103と配管102a-2から構成されている。なお、開閉バルブ103に隠れて見えないが、前記T型継手の二次側と開閉バルブ103の一次側の配管は、従来の溶接方法で事前に溶接されている。
一方、溶接する部分の下流側の配管系は、逆止弁導入配管102bと逆止弁104と、その二次側(下流側)に接続された配管102cとで構成されている。逆止弁104と配管102cも、従来の溶接方法で事前に溶接されている。
まず、配管102a-1の上流側をバックシールドガス(Arガス)の供給源(図示省略)に接続し、配管102dの下流に内圧モニタリング装置(図示省略)を接続する。次に、上記配管102a-2の端面と上記逆止弁導入配管102bの端面とを、密着するように突き当てる。
次いで、配管102a-1にバックシールとガスを導入するとともに、開閉バルブ103を開く。上記のように、内圧モニタリング装置(図示省略)の流量調整バルブ112により、管内圧力を、逆止弁104の開弁圧力より高い第1の圧力に設定して、逆止弁104を開き、バックシールドガスを流して管内を十分にバックシールドガスで置換する。
次いで、前記流量調整バルブ112により、管内圧力を、逆止弁104の開弁圧力より低く大気圧より高い第2の圧力に設定して逆止弁104を閉じ、この状態で、配管102a-2と、逆止弁導入配管102bとを溶接する。これにより、両配管は適切に接合される。
図4は、図3の接合部分に並行して、開閉バルブ103の下流の配管102a-1と逆止弁導入配管102bとを、溶接により接合する場合を示す斜視図である。
この場合、手前側の配管102a-1からバックシールドガスを導入し、手前側の分岐配管102dに内圧モニタリング装置(図示省略)を接続して、上記実施例と同様の手順で溶接により接合を行う。これにより、両配管は適切に接合される。
また、上記実施形態で溶接完了後、配管102dから内圧モニタリング装置110を取り外し、新たに配管等を接合してもよい。
102a :配管
102a-1:配管
102a-2:配管
102b :逆止弁導入配管
102c :配管
102d :配管(分岐配管)
103 :開閉バルブ
104 :逆止弁
110 :内圧モニタリング装置(開度調節手段)
111 :圧力計
112 :流量調整バルブ
201 :供給源
202a-1:配管
202a-2:配管
202b :配管
202c :配管
203 :開閉バルブ
204 :逆止弁
210 :内圧モニタリング装置
211 :圧力計
212 :流量調整バルブ
Claims (4)
- 上流側の配管である第1の配管と、逆止弁の一次側へ導入する配管である第2の配管とを溶接により接合する方法であって、
前記第1の配管に、該配管から分岐して大気圧開放する分岐配管を設け、該分岐配管を閉止又は開度調節する第1の開度調節手段を接続するステップと、
前記第1の配管と第2の配管の端面同士を密着するように突き当てるステップと、
前記第1の配管にバックシールドガスを供給し、前記第1の開度調節手段により前記分岐配管を閉止又は開度調節して、前記第1及び第2の配管内の前記バックシールドガスの圧力を、前記逆止弁の開弁圧力より高い第1の圧力に設定し、前記逆止弁を開いて、該第1及び第2の配管内を前記バックシールドガスで置換するステップと、
前記第1の開度調節手段により、又は、前記第1の開度調節手段を前記分岐配管の開度調節する第2の開度調節手段に交換して該第2開度調節手段により、前記分岐配管を開度調節して、前記第1及び第2の配管内のバックシールドガスの圧力を、大気圧より高く前記逆止弁の開弁圧力より低い第2の圧力に設定し、前記逆止弁を閉じた状態で、前記第1の配管と第2の配管とを溶接するステップと、を含むことを特徴とする、配管接合方法。 - 前記第1の配管と第2の配管とを溶接するステップは、前記逆止弁の二次側を閉止した状態で行うことを特徴とする、請求項1に記載の配管接合方法。
- 前記第1の配管の前記分岐と前記端面との間に、開閉バルブが設けられており、前記第1及び第2の配管内を前記バックシールドガスで置換するステップと、前記第1の配管と第2の配管とを溶接するステップとを、前記開閉バルブを開いた状態で行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の配管接合方法。
- 前記第2の圧力は、溶接箇所が内側へ変形するのを抑制できる圧力である、請求項1~3のいずれかに記載の配管接合方法。
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