JP7156307B2 - 光学ガラス、光学部材および光学機器 - Google Patents

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Description

本発明は、光学ガラス、光学部材および光学機器に関する。
ウェアラブル機器、例えばプロジェクター付きメガネ、眼鏡型やゴーグル型ディスプレイ、仮想現実拡張現実表示装置、虚像表示装置などに用いられる光学ガラスとしては、装置全体の重量を減量するためにガラスの板厚を薄板化した際に高強度であることが求められる。高強度化の方法としては、強度の高い組成を用いたりガラスを化学強化したりする方法等が挙げられる。
また、このようなウェアラブル機器では、映像エンジンで生成された映像をガラス等の透明体に導光させて眼球に導くことがあるが、その場合、外界が明るいと映像が見にくくなってしまう。そのため、外界の明るさに合わせて透過率を変えられる調光部材を、上記光学ガラス(石英ガラスやBK7(ホウケイ酸ガラス))と組み合わせる技術が知られている(例えば、特許文献1および2参照)。
このような調光部材と光学ガラスとを組み合わせて得られる光学機器は、外界の明るさに応じて光の透過率を変動させ、映像等を見やすい明るさに調節することができる。これにより、使用環境の制限をなくし、より幅広い環境での使用を可能としている。このとき、調光部材のうち、透過条件における透過率が高いものとしてエレクトロクロミックを利用した調光部材が知られている。
特許第6145966号公報 特開2015-177405号公報
しかしながら、このエレクトロクロミックを利用した調光部材は、通電状態により透過率を変動させることが可能であるが、遮光時に青みがかった色を呈することが多い。
そして、この調光部材と組み合わせる強度の高い光学ガラス(保護ガラス)としては、着色の少ないガラスを用いることが一般的である。上記石英ガラスやBK7は紫外域から赤外域までの広い波長域で透過率が高く、可視域全域の透過率も80%以上という透明性を有している。そのため、この光学ガラスを上記調光部材と組み合わせてウェアラブル機器とした際に、ウェアラブル機器を通して見た映像は青みがかった色になり、自然な色にならず、映像の色再現性を低下させてしまうことが課題となっている。
また、ウェアラブル機器に用いられる光学ガラスとしては、画像の広角化、高輝度・高コントラスト化、導光特性向上、回折格子の加工容易性などの面から、高屈折率であることが求められる。
本発明は、上述のような課題を解消するためになされ、高屈折率なガラスであって、調光部材と組み合わせた際にその色味を改善し、ウェアラブル機器の部材として好適な光学ガラス、その光学ガラスを用いた光学部材および光学機器の提供を目的とする。
本発明の光学ガラスは、屈折率が1.55以上であり、CIELab表示における、A光源下での色度b*がb*≧4.8を満たすことを特徴とする。
また、本発明の他の光学ガラスは、屈折率が1.55以上であり、CIELab表示における、A光源下での色度a*の絶対値に対するb*の比(b*/|a*|)がb*/|a*|≧0.55であり、かつb*≧0.1を満たすことを特徴とする。
本発明の光学部材は、本発明の光学ガラスと調光部材とを重ねた構成を有することを特徴とする。
また、本発明の光学機器は、本発明の光学部材を用いたことを特徴とする。
本発明の光学ガラスは、屈折率が1.55以上であることからウェアラブル機器に用いる光学ガラスとして好適であり、かつ、その色度b*を所定の特性とすることで、調光部材と組み合わせた構成とし、それらの構成を通して外界を見た際に、自然な色味の観察を可能とする。
したがって、この光学ガラスを用いることで、調光部材と組み合わせた光学部材および光学機器は、ウェアラブル機器とした際に、映像の色味再現性を向上させた製品とできる。
本発明の光学部材の概略構成を示した図である。 本発明の光学部材をヘッドマウントディスプレイに適用したときの構成および機能を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態における光学ガラスの色度について、色度図における色度範囲を示した図である。 本実施例および比較例で得られた光学部材の色度について、色度図にプロットした一部拡大図である。
以下、本発明の光学ガラス、光学部材および光学機器の実施形態について説明する。
[光学ガラス]
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態である光学ガラスは1.55以上の高い屈折率(n)を有する。屈折率(n)が1.55以上であるので、本実施形態の光学ガラスは、ウェアラブル機器に用いる光学ガラスとして画像の広角化、高輝度・高コントラスト化、導光特性向上、回折格子の加工容易性などの面で好適である。また車載用カメラ、ロボット用視覚センサーなどの用途に用いられる小型で撮像画角の広い撮像ガラスレンズとしては、より小型で広い範囲を撮影するために好適である。この屈折率(n)は好ましくは、1.60以上であり、より好ましくは1.65以上、さらに好ましくは1.68以上、さらに好ましくは1.70以上、さらに好ましくは1.72以上、さらに好ましくは1.74以上、さらに好ましくは1.76以上、さらに好ましくは1.78以上、特に好ましくは1.80以上である。
一方、本実施形態の光学ガラスの屈折率(n)は、好ましくは2.0以下である。屈折率(n)が、2.0以下であることで、密度が低くなりやすいため強度が向上しやすく、また失透温度が低くなりやすいため好ましい製造特性を得やすい。この屈折率(n)は好ましくは、1.95以下であり、より好ましくは1.90以下、さらに好ましくは1.85以下、よりさらに好ましくは1.81以下である。
また、本実施形態の光学ガラスは、波長450nm、550nm、650nmおよび750nmにおける光透過率がすべて70%以上であることが好ましい。光透過率が70%以上であるので、本実施形態の光学ガラスは、ウェアラブル機器に用いる光学ガラスとして画像の高輝度・高コントラスト化、導光特性向上などの面で好適である。この光透過率は好ましくは、75%以上であり、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは82%以上、特に好ましくは85%以上である。
なお、本明細書における光透過率は、光学ガラスについて、分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製 U-4100)にて測定される値である。
本実施形態の光学ガラスは、CIELab表示におけるA光源下での色度b*がb*≧4.8を満たす。このように該光学ガラスの色度b*が上記関係を満たすことで、後述する調光部材と重ねた際に、観察される色味を改善することができる。すなわち、後述する、光学ガラスと調光部材を重ねた構成である光学部材は、その調光部材の遮光時におけるCIELab表示におけるA光源下での色度a*、b*がともに0に近づき、この光学部材を通して映像等を見たときの色味が自然な色味となる。
なお、本明細書におけるCIELab表示は、国際照明委員会(CIE)で規格化されたCIE 1976(L*a*b*)色空間(CIELAB)である。本願においては、A光源における明度(L*)、A光源における反射光の色度(a*、b*)をいう。
この光学ガラスの色度b*は、b*≧4.8である。この色度b*がb*≧4.8を満たすことで、調光部材を遮光(着色)状態としたとき、光学ガラスと調光部材とを重ねた構成である光学部材を通して映像等を見たときの色味が自然な色味に近づく。好ましくはb*≧5であり、より好ましくはb*≧5.5であり、さらに好ましくはb*≧6であり、さらに好ましくはb*≧7であり、さらに好ましくはb*≧8であり、特に好ましくはb*≧10である。
また、この光学ガラスの色度b*はb*≦15が好ましい。この色度b*がb*≦15を満たすことで、調光部材を遮光(着色)状態としたとき、光学ガラスと調光部材とを重ねた構成である光学部材を通して映像等を見たときの色味が自然な色味に近づく。この光学ガラスの色度b*は、好ましくはb*≦14であり、より好ましくはb*≦13であり、さらに好ましくはb*≦12であり、特に好ましくはb*≦11である。
本実施形態の光学ガラスは、後述する調光部材と重ねて用いられるものであり、このように重ねて用いることで、上記観察される映像等の色味が自然な色味として認識できる。
さらに、本実施形態の光学ガラスは、製造の容易さ、強度を向上させるなどの観点から、以下の特性を有していることが好ましい。
本実施形態の光学ガラスのTgは、800℃以下が好ましい。本実施形態の光学ガラスを、上記した範囲のTgとすると、プレス成型およびリドロー成形における成形性が良好である。このTgは、より好ましくは760℃以下であり、さらに好ましくは720℃以下、さらにより好ましくは680℃以下、特に好ましくは640℃以下である。
また、本実施形態の光学ガラスのTgは、500℃以上が好ましい。本実施形態の光学ガラスを、上記した範囲のTgとすると、高温プロセスにガラスを使用した際にたわみ等がおさえられる。このTgは、より好ましくは520℃以上であり、さらに好ましくは540℃以上、さらにより好ましくは560℃以上、特に好ましくは580℃以上である。
この光学ガラスのTgは、例えば、熱膨張法等の公知の方法によって求めることができる。
本実施形態の光学ガラスのヤング率(E)は、60GPa以上が好ましい。このような特性を有すると、薄いガラス板としてウェアラブル機器に用いた際や、レンズとして車載用カメラ、ロボット用視覚センサーなどに用いられた場合に、たわみが少ないという利点がある。
ガラスのたわみ量を少なくする観点で、このEは、より好ましくは70GPa以上であり、さらに好ましくは80GPa以上、よりさらに好ましくは85GPa以上、特に好ましくは90GPa以上である。また、本実施形態の光学ガラスのヤング率(E)は、140GPa以下が好ましい。このような特性を有すると、ガラスをローラー等で搬送する際のたわみ量が少なくなり,ガラスの割れ等のトラブルを減らすことができる。ガラスを割れにくくするという観点では、このEは、より好ましくは120GPa以下であり、さらに好ましくは100GPa以下、よりさらに好ましくは95GPa以下、特に好ましくは90GPa以下である。
また、本実施形態の光学ガラスの50~350℃における熱膨張係数(α)は、50(×10-7/K)以上が好ましい。本実施形態の光学ガラスは、上記した範囲のαとすると、周辺部材との膨張マッチングが良好である。このαは、より好ましくは60(×10-7/K)以上であり、さらに好ましくは70(×10-7/K)以上であり、さらにより好ましくは80(×10-7/K)以上であり、特に好ましくは90(×10-7/K)以上である。
また、本実施形態の光学ガラスのαは、150(×10-7/K)以下が好ましい。本実施形態の光学ガラスは、上記した範囲のαとすると、冷却時の割れを起こりにくくすることができる。このαは、より好ましくは120(×10-7/K)以上であり、さらに好ましくは110(×10-7/K)以下であり、さらにより好ましくは100(×10-7/K)以下であり、特に好ましくは95(×10-7/K)以下である。
本実施形態の光学ガラスは、厚さが0.01mm以上のガラス板であることが好ましい。厚さが0.01mm以上であれば、光学ガラスの自重によるたわみを抑えられる。この厚さは、より好ましくは0.1mm以上であり、さらに好ましくは0.3mm以上であり、よりさらに好ましくは0.5mm以上、特に好ましくは0.7mm以上である。一方で厚さが2.0mm以下であれば、光学部材全体を軽量化することが容易になる。この厚さは、より好ましくは1.5mm以下であり、さらに好ましくは1.0mm以下であり、よりさらに好ましくは0.8mm以下、特に好ましくは0.6mm以下である。
本実施形態の光学ガラスはガラス板の形状であることが好ましく、ガラス板である場合においては、その一の主表面の面積は、8cm以上が好ましい。この面積が8cm以上であれば、多数の光学素子を配置でき生産性が向上する。この面積はより好ましくは30cm以上であり、さらに好ましくは170cm以上であり、よりさらに好ましくは300cm以上であり、特に好ましくは1000cm以上である。一方で面積が6500cm以下であればガラス板の取り扱いが容易になり、ガラス板の取り扱い時や加工時の破損を抑制できる。この面積はより好ましくは4500cm以下であり、さらに好ましくは4000cm以下であり、よりさらに好ましくは3000cm以下であり、特に好ましくは2000cm以下である。
また、本実施形態の光学ガラスの一の主表面の表面粗さRaは、2nm以下が好ましい。この範囲のRaとすると、一の主表面にインプリント技術等を用いて所望形状のナノ構造を形成でき、また所望の導光特性が得られる。このRaは、より好ましくは1.7nm以下であり、さらに好ましくは1.4nm以下、さらにより好ましくは1.2nm以下、特に好ましくは1.0nm以下である。ここで、表面粗さRaは、JIS B0601(2001年)で定義された算術平均粗さである。本明細書では、10μm×10μmの異なる3つのエリアを、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した結果を平均した値である。
[ガラス成分]
次に、本実施形態の光学ガラスが含有し得る各成分の組成範囲の一実施形態について詳細に説明する。本明細書において、各成分の含有量は、特に断りのない限り、酸化物基準のガラス母組成の全質量に対する質量%で示す。ここでガラス母組成は、SbおよびSnOを除いた成分である。
本実施形態の光学ガラスにおける高屈折率かつ光透過率が良好であって、さらに溶解性が高いという特性を満たす母組成としては、例えば、酸化物基準の質量%表示で、ガラス形成成分として、SiO、BおよびPからなる群から選ばれる少なくとも1種を5~80質量%、修飾酸化物としてMgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、LiO、NaO、KO、CsO、Ln(LnはY、La、Gd、YbおよびLuからなる群から選ばれる少なくとも1種である。)からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を合計で5~70質量%、中間酸化物としてAl、TiO、ZrO、WO、Bi、TeO、Ta、Nbからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を合計で0~50質量%、を含有する組成が挙げられる。
このような光学ガラスの組成としては、具体的には、(1)La-B系、(2)SiO系、(3)P系の光学ガラスが挙げられる。なお、ガラス組成における含有量の説明で、単に「%」「ppm」との表記は、特に説明をしている場合を除き「質量%」「質量ppm」を意味する。
(1)La-B系としては、例えば、母組成の合計を100%としたとき、Laを5~70%、Bを5~70%含有するガラスが例示できる。
La成分を5%以上含有することで、所望の高屈折率にでき、且つ分散を小さく(アッベ数を大きく)できる。従って、La成分の含有量は、好ましくは10%、より好ましくは15%、さらに好ましくは20%、さらに好ましくは30%を下限とする。
他方で、La成分の含有量を70%以下にすることで、ガラスの溶融性の低下を抑えられ、ガラスの耐失透性を高められる。従って、La成分の含有量は、好ましくは60%、より好ましくは50%、さらに好ましくは40%、さらに好ましくは30%を上限とする。
は、ガラス形成成分であり、Bの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、5~70%が好ましい。
成分を5%以上含有することで、ガラスの耐失透性を高められ、且つガラスの分散を小さくできる。従って、B成分の含有量は、好ましくは10%、より好ましくは20%、さらに好ましくは35%を下限とする。
他方で、B成分の含有量を70%以下にすることで、より大きな屈折率を得易くでき、化学的耐久性の悪化を抑えられる。従って、B成分の含有量は、好ましくは60%、より好ましくは50%、さらに好ましくは40%、さらに好ましくは30%を上限とする。
MgOは任意成分である。MgOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~20%が好ましい。MgO成分を含有することで、ガラスの機械的強度を向上できる。MgOの含有量は、より好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは3%以上であり、さらに好ましくは5%以上であり、特に好ましくは8%以上である。MgOの含有量が20%以下であれば失透温度を低くし、好ましい製造特性が得られる。MgOの含有量は、より好ましくは15%以下であり、さらに好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは5%以下であり、特に好ましくは3%以下である。
CaOは任意成分である。CaOの含有量は、母組成の合計100%としたとき、0~30%が好ましい。CaO成分を含有することで、ガラスの化学的耐久性を向上できる。CaOの含有量は、より好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは3%以上であり、さらに好ましくは5%以上であり、特に好ましくは10%以上である。CaOの含有量が30%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。CaOの含有量は、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、さらに好ましくは10%以下であり、特に好ましくは5%以下である。
SrOは任意成分である。SrOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~30%が好ましい。SrO成分を含有することで、ガラスの屈折率を向上できる。SrOの含有量は、より好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは3%以上であり、さらに好ましくは5%以上であり、特に好ましくは10%以上である。SrOの含有量が30%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。SrOの含有量は、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、さらに好ましくは10%以下であり、特に好ましくは5%以下である。
BaOは任意成分である。BaOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~40%が好ましい。BaO成分を含有することで、ガラスの屈折率を向上できる。BaOの含有量は、より好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは3%以上であり、さらに好ましくは5%以上であり、特に好ましくは10%以上である。BaOの含有量が40%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。BaOの含有量は、より好ましくは30%以下であり、さらに好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
ZnOは任意成分である。ZnOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~30%が好ましい。ZnO成分を含有することで、ガラスの屈折率を向上できる。ZnOの含有量は、より好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは3%以上であり、さらに好ましくは5%以上であり、特に好ましくは10%以上である。ZnOの含有量が30%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。ZnOの含有量は、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、さらに好ましくは10%以下であり、特に好ましくは5%以下である。
LiOは任意成分である。LiOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~15%が好ましい。LiOを含有させると、強度(Kc)およびクラック耐性(CIL)を向上できる。LiOの含有量は、より好ましくは0.5%以上であり、さらに好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは3%以上であり、特に好ましくは5%以上である。一方、LiOの含有量が15%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。LiOの含有量は好ましくは10%以下であり、より好ましくは7%以下であり、さらに好ましくは5%以下であり、特に好ましくは4%以下である。
NaOは任意成分である。NaOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~20%である。NaOの含有量が20%以下であれば良好なクラック耐性が得られる。NaOの含有量は、好ましくは15%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは7%以下であり、特に好ましくは5%以下である。本実施形態の光学ガラスがNaOを含有する場合、失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られ、その含有量は、好ましくは0.5%以上であり、より好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは2%以上であり、特に好ましくは3%以上である。
Oは任意成分である。KOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~20%である。KOの含有量が20%以下であれば良好なクラック耐性が得られる。KOの含有量は、好ましくは15%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは7%以下である。本実施形態の光学ガラスがKOを含有する場合、失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。その含有量は、好ましくは0.5%以上であり、より好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは2%以上であり、特に好ましくは3%以上である。
また、本実施形態の光学ガラスにおいては、任意成分としてアルカリ金属成分(LiO+NaO+KO)を含有できる。LiO+NaO+KOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~20%である。LiO+NaO+KOが2%以上であれば、ガラスの粘性がlogη=2となる温度Tが低くなり易く、溶解温度が低くなり着色を抑えられる。LiO+NaO+KOは、好ましくは4%以上であり、より好ましくは6%以上であり、さらに好ましくは8%以上であり、特に好ましくは10%以上である。また、LiO+NaO+KOの含有量を20%以下にすることで失透温度を下げ好ましい製造特性が得られる。LiO+NaO+KOの含有量は、好ましくは15%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは8%以下であり、特に好ましくは6%以下である。
本実施形態の光学ガラスにおいて、アルカリ金属成分(LiO、NaO、KO)のなかでも、LiOは、ガラスの強度を向上させる成分であるが、その量が多いとTが低くなり易く失透し易くなる。そこで、本実施形態の光学ガラスでは、酸化物基準の質量%による比の値で、LiO/(LiO+NaO+KO)は0.45以下が好ましい。LiO/(LiO+NaO+KO)を0.45以下とすることで、Tが高くなりやすく、失透し難くなりガラスの易成形性が向上する。LiO/(LiO+NaO+KO)は、より好ましくは0.4以下であり、さらに好ましくは0.35以下であり、特に好ましくは0.3以下である。
CsOは任意成分である。CsOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~20%である。CsOの含有量が0%超であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。本実施形態の光学ガラスがCsOを含有する場合、その含有量は、好ましくは0.5%以上であり、より好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは2%以上であり、特に好ましくは3%以上である。一方、CsOの含有量が20%以下であれば良好なクラック耐性が得られる。CsOの含有量は、好ましくは15%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは7%以下である。
Ln(LnはY、La、Gd、YbおよびLuからなる群から選ばれる少なくとも1種である。)は任意成分である。Lnの合量としての含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~55%である。Lnを含有させると、ガラスの屈折率を向上できる。Lnの合量としての含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは10%以上であり、特に好ましくは15%以上である。
また、Lnの含有量が55%以下であれば失透温度を低くできる上、原料コストを下げられる。そのため、合量としての含有量は、好ましくは55%以下であり、より好ましくは25%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
Alは任意成分である。Alの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~55%以下である。Alを含有させると、ガラスの強度を高めるとともにガラスの安定性を向上できる。Alの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは3%以上であり、さらに好ましくは5%以上であり、特に好ましくは8%以上である。
また、Alの含有量が55%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。Alの含有量は、好ましくは15%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは8%以下であり、特に好ましくは5%以下である。
TiOは任意成分である。TiOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~55%である。TiOを含有させると、ガラスの屈折率を高めるとともにガラスの安定性を向上できる。また、TiOはガラスを着色させる成分であり、b*を増大させ、好ましい色度を得るために含有することができる。TiOの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは10%以上であり、特に好ましくは15%以上である。
また、TiOの含有量が55%以下であれば失透温度が低くなり、ガラスの着色を抑えられる。TiOの含有量は、好ましくは35%以下であり、より好ましくは25%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
ZrOは任意成分である。ZrOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~55%である。ZrOを含有させると、ガラスの屈折率を高めるとともに化学耐久性を向上できる。ZrOの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは10%以上であり、特に好ましくは15%以上である。
また、ZrOの含有量が55%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。ZrOの含有量は、好ましくは30%以下であり、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
WOは任意成分である。WOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~55%である。WOを含有させると、ガラスの屈折率を向上できる。また、WOはガラスを着色させる成分であり、b*を増大させ、好ましい色度を得るために含有することができる。WOの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは3%以上であり、さらに好ましくは5%以上であり、特に好ましくは10%以上である。
また、WOの含有量が55%以下であれば失透温度が低くなり、ガラスの着色を抑えられる。WOの含有量は、好ましくは30%以下であり、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
Biは任意成分である。Biの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~55%である。Biを含有させる、ガラスの屈折率を向上できる。また、Biはガラスを着色させる成分であり、a*とb*をともに増大させ、好ましい色度を得るために含有することができる。Biの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは10%以上である。
また、Biの含有量が55%以下であれば失透温度が低くなり、ガラスの着色を抑えられる。Biの含有量は、好ましくは35%以下であり、より好ましくは25%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
TeOは任意成分である。TeOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~30%である。TeOを含有させると、ガラスの屈折率を向上できる。TeOの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは10%以上であり、特に好ましくは15%以上である。
また、TeOの含有量が55%以下であれば失透温度を低くできる上、原料コストを下げられる。TeOの含有量は、好ましくは30%以下であり、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
Taは任意成分である。Taの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~30%である。Taを含有させると、ガラスの屈折率を向上できる。Taの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは10%以上であり、特に好ましくは15%以上である。
また、Taの含有量が30%以下であれば失透温度を低くできる上、原料コストを下げられる。Taの含有量は、好ましくは25%以下であり、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
Nbは任意成分である。Nbの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~55%である。Nbを含有させると、ガラスの屈折率を向上できる。また、Nbはガラスを着色させる成分であり、b*を増大させ、好ましい色度を得るために含有することができる。Nbの含有量は、好ましくは5%以上であり、より好ましくは10%以上であり、さらに好ましくは15%以上であり、特に好ましくは30%以上である。
また、Nbの含有量が55%以下であれば失透温度を低くできる上、原料コストを下げられる。Nbの含有量は、好ましくは35%以下であり、より好ましくは25%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
(2)SiO系としては、例えば、SiOを10~70%含有し、高屈折率成分としてNb、Ta、LiO、SrO、BaO、TiO、ZrO、WO、Bi、TeOおよびLn(LnはY、La、Gd、YbおよびLuからなる群から選ばれる少なくとも1種である。)からなる群から選ばれる少なくとも1種を1%以上含有するガラスが例示できる。
SiOは、ガラス形成成分である。SiOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、10~70%である。SiOの含有量が10%以上で、ガラスの粘性がlogη=2となる温度Tを好ましい範囲にし、ガラスに高い強度とクラック耐性を付与し、ガラスの安定性および化学的耐久性を向上できる。SiOの含有量は、好ましくは15%以上であり、より好ましくは20%以上であり、さらに好ましくは25%以上である。一方、SiOの含有量が70%以下で、高い屈折率を得るための成分を含有できる。SiOの含有量は、好ましくは60%以下であり、より好ましくは50%以下であり、さらに好ましくは40%以下である。
Nbは、任意成分である。Nbの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、5%以上とすることでガラスの屈折率を高めるとともに、アッベ数(v)を小さくできる。また、Nbはガラスを着色させる成分であり、b*を増大させ、好ましい色度を得るために含有することができる。Nbの含有量は、より好ましくは15%以上であり、さらに好ましくは25%以上であり、特に好ましくは30%以上である。
また、Nbの含有量が70%以下であれば失透温度を低くできる上、原料コストを下げられる。Nbの含有量は、好ましくは60%以下であり、より好ましくは55%以下であり、さらに好ましくは50%以下である。
Taは任意成分である。Taの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~30%である。Taの含有量は、1%以上とすることで屈折率を向上できる。Taの含有量は、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは10%以上であり、特に好ましくは15%以上である。
また、Taの含有量が30%以下であれば失透温度を低くできる上、原料コストを下げられる。Taの含有量は、好ましくは25%以下であり、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
また、本実施形態の光学ガラスにおいては、任意成分としてアルカリ金属成分(LiO+NaO+KO)を含有できる。LiO+NaO+KOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~20%である。LiO+NaO+KOが2%以上であれば、Tが低くなり易く、溶解温度が低くなり着色を抑えられる。LiO+NaO+KOの含有量は、好ましくは4%以上であり、より好ましくは6%以上であり、さらに好ましくは8%以上であり、特に好ましくは10%以上である。また、LiO+NaO+KOの含有量を20%以下にすることで失透温度を下げ、好ましい製造特性が得られる。LiO+NaO+KOの含有量は、好ましくは15%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは8%以下であり、特に好ましくは6%以下である。
本実施形態の光学ガラスにおいて、アルカリ金属成分(LiO、NaO、KO)のなかでも、LiOは、ガラスの強度を向上させる成分であるが、その量が多いとTが低くなり易く失透し易くなる。そこで、本実施形態の光学ガラスでは、酸化物基準の質量%による比の値で、LiO/(LiO+NaO+KO)は0.45以下が好ましい。LiO/(LiO+NaO+KO)を0.45以下とすることで、Tが高くなりやすく、失透し難くなりガラスの易成形性が向上する。LiO/(LiO+NaO+KO)は、より好ましくは0.4以下であり、さらに好ましくは0.35以下であり、特に好ましくは0.3以下である。
LiOは任意成分である。LiOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~15%が好ましい。LiOを含有させると、強度(Kc)およびクラック耐性(CIL)を向上できる。LiOの含有量は、より好ましくは0.5%以上であり、さらに好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは3%以上であり、特に好ましくは5%以上である。一方、LiOの含有量が15%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。LiOの含有量は、好ましくは10%以下であり、より好ましくは7%以下であり、さらに好ましくは5%以下であり、特に好ましくは4%以下である。
SrOは任意成分である。SrOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~30%が好ましい。SrO成分を含有することで、ガラスの屈折率を向上させることができる。SrOの含有量は、より好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは3%以上であり、さらに好ましくは5%以上であり、特に好ましくは10%以上である。この含有量が30%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。SrOの含有量は、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、さらに好ましくは10%以下であり、特に好ましくは5%以下である。
BaOは任意成分である。BaOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~50%が好ましい。BaO成分を含有することで、ガラスの屈折率を向上させることができる。より好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは3%以上であり、さらに好ましくは5%以上であり、特に好ましくは10%以上である。この含有量が50%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。BaOの含有量は、より好ましくは35%以下であり、さらに好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
TiOは任意成分である。TiOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~55%である。TiOを含有させると、ガラスの屈折率を向上させ、ガラスの安定性を向上できる。また、TiOはガラスを着色させる成分であり、b*を増大させ、好ましい色度を得るために含有することができる。TiOの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは10%以上であり、特に好ましくは15%以上である。
また、TiOの含有量が55%以下であれば失透温度が低くなり、ガラスの着色を抑えられる。TiOの含有量は、好ましくは35%以下であり、より好ましくは25%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
ZrOは任意成分である。ZrOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~55%である。ZrOを含有させると、ガラスの屈折率を向上させ、化学耐久性を向上できる。ZrOの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは10%以上であり、特に好ましくは15%以上である。
また、ZrOの含有量が55%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。ZrOの含有量は、好ましくは30%以下であり、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
WOは任意成分である。WOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~55%である。WOを含有させると、ガラスの屈折率を向上できる。また、WOはガラスを着色させる成分であり、b*を増大させ、好ましい色度を得るために含有することができる。WOの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは3%以上であり、さらに好ましくは5%以上であり、特に好ましくは10%以上である。
また、WOの含有量が55%以下であれば失透温度が低くなり、ガラスの着色を抑えられる。WOの含有量は、好ましくは30%以下であり、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
Biは任意成分である。Biの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~55%である。Biを含有させると、ガラスの屈折率を向上できる。また、Biはガラスを着色させる成分であり、a*とb*をともに増大させ、好ましい色度を得るために含有することができる。Biの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは5%以上であり、特に好ましくは10%以上である。
また、Biの含有量が55%以下であれば失透温度が低くなり、ガラスの着色を抑えられる。Biの含有量は、好ましくは35%以下であり、より好ましくは25%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
TeOは任意成分である。TeOの含有量は、母組成の合計を100%としたとき、0~30%である。TeOを含有させると、ガラスの屈折率を向上できる。TeOの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは10%以上であり、特に好ましくは15%以上である。
また、TeOの含有量が55%以下であれば失透温度を低くできる上、原料コストを下げられる。TeOの含有量は、好ましくは30%以下であり、より好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
Ln(LnはY、La、Gd、Yb、およびLuからなる群から選ばれる1種以上である。)を含有することで、ガラスの屈折率を向上できる。Lnの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは3%以上であり、さらに好ましくは5%以上であり、特に好ましくは10%以上である。一方、Lnの含有量が、母組成の合計を100%としたとき、55%以下であれば失透温度が低くなり、好ましい製造特性が得られる。Lnの含有量は、合計で、好ましくは35%以下であり、さらに好ましくは20%以下であり、特に好ましくは15%以下である。
(3)P系としては、例えば、Pを10~70質量%含有し、高屈折率成分としてNb、Ta、LiO、SrO、BaO、TiO、ZrO、WO、Bi、TeOおよびLn(LnはY、La、Gd、YbおよびLuからなる群から選ばれる少なくとも1種である。)からなる群から選ばれる少なくとも1種を1%以上含有するガラスが例示できる。
はガラスを構成するガラス形成成分であり、ガラスに製造可能な安定性を持たせ、ガラス転移温度と液相温度を小さくする作用が大きい。しかし、Pの含有量が、母組成の合計を100%としたとき、10%未満であると十分な効果が得られない。Pの含有量は、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上、特に好ましくは40%以上である。また、Pの含有量が70%以下であれば、良好な化学的耐久性が得られる。Pの含有量は、好ましくは65%以下、より好ましくは60%以下、さらに好ましくは55%以下、特に好ましくは50%以下である。
なお、高屈折率成分については、上記(2)SiOと同一であるため、説明は省略する。
そして、本実施形態の光学ガラスにおいては、該光学ガラスが上記した色度b*を満たすように、上記母組成中に着色成分を配合させることもできる。このとき用いられる着色成分としては、Fe、Cr、Ni、Pt等の元素が挙げられ、これらの元素は単体、イオン、酸化物等の化合物、として含有される。
Feはガラスを着色させる成分であり、b*を増大させ、好ましい色度を得るために含有することができる。Feの含有量は、好ましくは2質量ppm以上、より好ましくは5質量ppm以上、さらに好ましくは10質量ppm以上、さらに好ましくは30質量ppm以上、特に好ましくは50質量ppm以上である。一方で、Feの含有量を500質量ppm以下とすることで、ウェアラブル機器の使用時に可視光の吸収が抑えられ、内部透過率が向上する。Feの含有量は、好ましくは300質量ppm以下、より好ましくは250質量ppm以下、さらに好ましくは200質量ppm以下、さらに好ましくは100質量ppm以下、さらに好ましくは50質量ppm以下、特に好ましくは30質量ppm以下である。
Crはガラスを着色させる成分であり、a*とb*をともに増大させ、好ましい色度を得るために含有することができる。Crの含有量は、好ましくは0.3質量ppm以上、より好ましくは0.5質量ppm以上、さらに好ましくは1質量ppm以上、さらに好ましくは3質量ppm以上、特に好ましくは5質量ppm以上である。一方で、Crの含有量を50質量ppm以下とすることで、ウェアラブル機器の使用時に可視光の吸収が抑えられ、内部透過率が向上する。Crの含有量は、好ましくは30質量ppm以下、より好ましくは25質量ppm以下、さらに好ましくは20質量ppm以下、さらに好ましくは10質量ppm以下、さらに好ましくは5質量ppm以下、特に好ましくは3質量ppm以下である。
Niはガラスを着色させる成分であり、b*を増大させ、好ましい色度を得るために含有することができる。Niの含有量は、好ましくは0.3質量ppm以上、より好ましくは0.5質量ppm以上、さらに好ましくは1質量ppm以上、さらに好ましくは3質量ppm以上、特に好ましくは5質量ppm以上である。一方で、Niの含有量を50質量ppm以下とすることで、ウェアラブル機器の使用時に可視光の吸収が抑えられ、内部透過率が向上する。Niの含有量は、好ましくは30質量ppm以下、より好ましくは25質量ppm以下、さらに好ましくは20質量ppm以下、さらに好ましくは10質量ppm以下、さらに好ましくは5質量ppm以下、特に好ましくは3質量ppm以下である。
Ptはガラスを着色させる成分であり、b*を増大させ、好ましい色度を得るために含有することができる。このPtの含有量は、好ましくは0.3質量ppm以上、より好ましくは0.5質量ppm以上、さらに好ましくは1質量ppm以上、さらに好ましくは3質量ppm以上、特に好ましくは5質量ppm以上である。一方でPtの含有量を10質量ppm以下とすることで、ウェアラブル機器の使用時に可視光の吸収が抑えられ、内部透過率が向上する。Ptの含有量は、好ましくは30質量ppm以下、より好ましくは25質量ppm以下、さらに好ましくは20質量ppm以下、さらに好ましくは10質量ppm以下、さらに好ましくは5質量ppm以下、特に好ましくは3質量ppm以下である。
さらに本実施形態の光学ガラスには、SbおよびSnOのうちの少なくとも一つが含有されることが好ましい。これらは必須の成分ではないが、屈折率特性の調整、溶融性の向上、着色の抑制、透過率の向上、清澄、化学的耐久性の向上などの目的で添加できる。これらの成分を含有させる場合、それらの含有量は、合計で、好ましくは5%以下であり、より好ましくは3%以下であり、さらに好ましくは1%以下であり、特に好ましくは0.5%以下である。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態である光学ガラスは、1.55以上の高い屈折率(n)を有する点で第1の実施形態の光学ガラスと同一の特性を有し、その色度に関する特性が以下に説明する点で若干異なる。なお、色度に関して第1の実施形態とは異なる観点で規定しているが、これらの実施形態においては重複するガラスが多く含まれる。
そして、光学ガラスの色度a*、b*がこのような特性を満たすことで、後述する調光部材と重ねた際に、観察される色味を改善することができる。すなわち、後述する、光学ガラスと調光部材を重ねた構成である光学部材は、その調光部材の遮光時におけるCIELab表示におけるA光源下での色度a*、b*がともに0に近づき、この光学部材を通して映像等を見たときの色味が自然な色味となる。
本実施形態における色度は、光学ガラスの色度a*の絶対値に対するb*の比(b*/|a*|)が、b*/|a*|≧0.55を満たすものである。この比が、b*/|a*|≧0.55を満たすことで、調光部材を遮光(着色)状態としたとき、光学ガラスと調光部材とを重ねた構成である光学部材を通して映像等を見たときの色味が自然な色味に近づく。この比は、好ましくはb*/|a*|≧0.60であり、より好ましくはb*/|a*|≧0.70であり、さらに好ましくはb*/|a*|≧0.80であり、特に好ましくはb*/|a*|≧1.00である。また、上記関係に加えて、b*≧0.1を満たすことが好ましい。
なお、光学ガラスの色度に関し、上記関係を満たす領域を示す色度図を図3に示した。
上記説明した色度図における領域を満たすことで、調光部材を遮光(着色)状態としたとき、光学ガラスと調光部材とを重ねた構成である光学部材を通して映像等を見たときの色味が特定の色味に偏ることなく、また周囲の景色等を見た時の明度の減少を抑えることができる。
この第2の実施形態においては、その他の物性や形状特性やガラス組成については、第1の実施形態と同様に説明できる。なお、上記色度特性を満たすために、Fe、NiまたはPtを含むことが好ましい。このFe、Ni、Ptの含有量の合計は、好ましくは0.3質量ppm以上、より好ましくは0.5質量ppm以上、さらに好ましくは1質量ppm以上、さらに好ましくは3質量ppm以上、特に好ましくは5質量ppm以上である。一方でFe、Ni、Ptの含有量の合計を10質量ppm以下とすることで、ウェアラブル機器の使用時に可視光の吸収が抑えられ、内部透過率が向上する。
[光学ガラスおよびガラス成形体の製造方法]
上記実施形態の光学ガラスは、例えば以下のように製造される。
すなわち、まず、上記所定のガラス組成となるように原料を秤量し、均一に混合する。得られた原料混合物を、連続溶解炉に投入し、バーナーにより加熱して原料混合物を溶解し、脱泡、撹拌などにより均質化した後、連続溶解炉から流出させ、冷却し、固化させて本実施形態の光学ガラスが得られる。
この光学ガラスは、溶融したガラスをフロート法、フュージョン法、ロールアウト法といった公知の成型方法によって板状に成形することでガラス板とできる。また、例えばリヒートプレス成形や精密プレス成形等の手段を用いて、ガラス成形体を作製できる。すなわち、光学ガラスからモールドプレス成形用のレンズプリフォームを作製し、このレンズプリフォームに対してリヒートプレス成形を行った後で研磨加工を行ってガラス成形体を作製したり、例えば研磨加工を行って作製したレンズプリフォームに対して精密プレス成形を行ってガラス成形体を作製したりできる。なお、ガラス成形体を作製する手段は、これらの手段に限定されない。
また、溶融方法についても、上記連続溶融法が適しているが、それ以外にも、従来公知の方法により光学ガラスとしてもよい。例えば、原料を混合して得た混合物を白金坩堝、石英坩堝またはアルミナ坩堝に投入して粗溶融し、その後、金坩堝、白金坩堝、白金合金坩堝、強化白金坩堝またはイリジウム坩堝に入れて1200~1400℃の温度範囲で2~10時間溶融し、脱泡、撹拌などにより均質化して泡切れ等を行った後、金型に鋳込んで徐冷して、光学ガラスが得られる。
このようにして作製されるガラス板やガラス成形体のような光学部材は、様々な光学素子に有用であるが、その中でも特に、(1)ウェアラブル機器、例えばプロジェクター付きメガネ、眼鏡型やゴーグル型ディスプレイ、仮想現実拡張現実表示装置、虚像表示装置などに使われる導光体、フィルターやレンズ等、(2)車載用カメラ、ロボット用視覚センサーに使われるレンズやカバーガラス等に好適に用いられる。車載用カメラのような過酷な環境に曝される用途であっても好適に用いられる。また、有機EL用ガラス基板,ウエハーレベルレンズアレイ用基板、レンズユニット用基板、エッチング法によるレンズ形成基板、光導波路といった用途にも好適に用いられる。
以上説明した本実施形態の光学ガラスは高屈折率かつ所定の色度を有し、調光部材と組合わせて用いるウェアラブル機器、車載用、ロボット搭載用、の光学ガラスとして好適である。
(第3の実施形態)
[光学部材]
本実施形態の光学部材は、上記説明した本実施形態の光学ガラスに、調光部材を重ねた構成として得られる部材である。このようにして得られる光学部材は、例えば、図1に示したように、光学ガラス11に調光部材12を積層した光学部材10が挙げられる。このように光学ガラス11と調光部材12とを重ねることで、この光学部材10における光の透過率を任意に調節することができる。すなわち、調光部材12の光の透過率を調節することにより、光学部材全体の透過率を任意に変動できる。なお、図1は積層した構成を示しているが、光学ガラス11と調光部材12とを離間させて配置することもできる。
以下、ここで用いられる調光部材12について説明する。なお、光学ガラス11は既に上記で説明しているため省略する。
〈調光部材〉
本実施形態の調光部材12は、遮光時にCIELab表示におけるA光源下での色度b*がb*<0を満たすガラスである。遮光時のb*がこの関係を満たすことで、調光部材12と上記光学ガラス11とを重ねて得られる光学部材10は、その遮光時でのCIELab表示におけるA光源下での色度a*、b*が、調光部材12単独の場合よりも、ともに0に近づくものとなる。そのため、この光学部材10により映像を見たときの色味が自然な色味となる。この調光部材12の色度b*は、好ましくはb*<-1であり、より好ましくはb*<-2であり、さらに好ましくはb*<-4であり、特に好ましくはb*<-6である。
また、この調光部材12の色度b*はb*>-15が好ましい。この色度b*がb*>-15を満たすことで、調光部材12を遮光(着色)状態としたとき、上記光学ガラス11と調光部材12とを重ねた構成である光学部材10により映像等を見たときの色味が自然な色味に近づく。この調光部材12の色度b*は、好ましくはb*>-10であり、より好ましくはb*>-8.0であり、さらに好ましくはb*>-7.0であり、特に好ましくはb*>-6.0である。
また、本実施形態における調光部材は、第1基板、および、第1基板と対向する第2基板、第1基板および第2基板のそれぞれに設けられた第1電極および第2電極、並びに、第1基板と第2基板との間に封止された光透過制御材料層、から成る形態とすることができる。
このような調光部材12としては、遮光時に上記色度b*に関する関係を満たす公知の調光部材12が好ましい。
この公知の調光部材は、例えば、第1の基板と、この第1の基板と対向する第2の基板と、第1の基板と第2の基板との間に封止された光透過制御材料層を備えて構成されるものが例示できる。
調光部材は、光透過制御材料層として(1)液晶材料層、(2)無機エレクトロルミネッセンス材料層、(3)帯電した多数の電気泳動粒子および電気泳動粒子とは異なる色の分散媒から構成された電気泳動分散液層、(4)金属(例えば、銀粒子)の可逆的な酸化還元反応によって発生する電着・解離現象を応用した電着方式(エレクトロデポジション・電界析出)材料層、(5)酸化還元反応によって発生する物質の色変化を応用したエレクトロクロミック材料層、(6)エレクトロウェッティング現象によって光透過率を制御するエレクトロウェッティング材料層、等が例示できる。
ここで、(2)無機エレクトロルミネッセンス材料層を用いる場合、光透過制御材料層を構成する材料として、有機系、タングステン系等が挙げられる。このような調光部材は遮光時に青みがかった色調となる。このような調光部材12としては、例えば、Gentex社Automatic-dimming mirror、MagnaMirror社EC Glass (auto-dimming)、SAGE社SageGlass、 Kinestral社Hailoが挙げられる。
ここで、上記光学部材にあっては、観察者側から、光学ガラス、調光部材の順に配することが好ましいが、調光部材、光学ガラスの順に配してもよい。
本実施形態の光学部材10は、上記の光学ガラス11と調光部材12と重ねて用いられるものであり、このように重ねて用いることで、遮光(着色)状態としたときの観察される映像等の色味が自然な色味として認識できる。
本実施形態の光学部材10は、光学ガラス11と調光部材12とを重ねた構成(光学部材10)の色度をa*、b*としたとき、|a*|≦3.1であることが好ましい。この範囲とすることで、光学部材10により観察される映像等の色味が自然に近い色となる。この色度a*構造の色度は、好ましくは|a*|≦2.9であり、より好ましくは|a*|≦2.7であり、さらに好ましくは|a*|≦2.5であり、特に好ましくは|a*|≦2.4である。
本実施形態の光学部材10は、|b*|≦4.9であることが好ましい。この範囲とすることで、光学部材10により観察される映像等の色味が自然に近い色となる。この光学部材10の色度は、好ましくは|b*|≦4.6であり、より好ましくは|b*|≦4.3であり、さらに好ましくは|b*|≦4であり、特に好ましくは|b*|≦3.5である。
また、本実施形態の光学部材10は、その色度a*、b*が、次の関係式(1)
Figure 0007156307000001
を満たすことが好ましい。この範囲とすることで、この構造を通して外界を見たときの外界の色が自然な色となる。この色度の関係式(1)は、好ましくは5.7以下であり、より好ましくは5.5以下であり、さらに好ましくは5以下であり、特に好ましくは4以下である。
また、この色度の関係式(1)は、0.1以上が好ましい。色度の関係式(1)を0.1以上とすることで、紫外線が目に与える影響を低減することができる。この色度の関係式(1)は、好ましくは0.3以上であり、より好ましくは0.5以上であり、特に好ましくは1.0以上である。
本実施形態の光学部材は、調光部材の遮光時にCIELab表示におけるA光源下での色度が、a*=10,b*=10である点1、a*=10,b*=-10である点2、a*=-10,b*=-10である点3、a*=-10,b*=10である点4、で囲まれる領域に含まれることが好ましい。光学部材の色度をこの4点で囲まれる領域とすることにより、上記光学ガラス11と調光部材12とを重ねた構成である光学部材10により映像等を見たときの色味が自然な色味に近づく。点1は(a*=5,b*=5)がより好ましく、(a*=5,b*=2.5)がさらに好ましい。点2は(a*=5,b*=-5)がより好ましい。点3は(a*=-5,b*=-5)がより好ましく、(a*=-2.5,b*=-5)がさらに好ましい。点4は(a*=-5,b*=5)がより好ましく、(a*=-2.5,b*=-2.5)がさらに好ましい。図4では4点を結んでできる四角が正方形となる領域を示しているが、(a*=0,b*=0)を囲むように4点を選択することもできる。
なお、図1においては、光学ガラス11と調光部材12とは、同一の大きさのものをそれぞれ積層した例を示しているが、光学ガラス11に対して、その一部に調光部材12を設けたり、調光部材12に対して、その一部に光学ガラス12を設けたり、してもよい。
本実施形態の調光部材に使用する第1基板と第2基板を構成する材料として、具体的には、ソーダライムガラス、白板ガラス等の透明なガラス基板や、プラスチック基板、プラスチック・シート、プラスチック・フィルムを挙げることができる。ここで、プラスチックとして、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、酢酸セルロース等のセルロースエステル、ポリフッ化ビニリデンあるいはポリテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体等のフッ素ポリマー、ポリオキシメチレン等のポリエーテル、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、メチルペンテンポリマー等のポリオレフィン、ポリアミドイミドあるいはポリエーテルイミド等のポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン、テトラアセチルセルロース、ブロム化フェノキシ、ポリアリレート、ポリスルフォン等を挙げることができる。プラスチック・シート、プラスチック・フィルムは、容易に曲がらない剛性を有していてもよいし、可撓性を有していてもよい。第1基板および第2基板を透明なプラスチック基板から構成する場合、基板内面に無機材料あるいは有機材料から成るバリア層を形成しておいてもよい。
本実施形態の調光部材の第1基板と第2基板は、厚さが0.01mm以上であることが好ましい。厚さが0.01mm以上であれば、調光部材の取り扱い時や加工時の破損を抑制できる。また、光学ガラスの自重によるたわみを抑えられる。この厚さは、より好ましくは0.1mm以上であり、さらに好ましくは0.3mm以上であり、よりさらに好ましくは0.5mm以上、特に好ましくは0.7mm以上である。一方で厚さが2.0mm以下であれば、調光により透過状態と着色状態とをそれぞれ良好に変動させることができる。この厚さは、より好ましくは1.5mm以下であり、さらに好ましくは1.0mm以下であり、よりさらに好ましくは0.8mm以下、特に好ましくは0.6mm以下である。
(第4の実施形態)
[光学機器]
本実施形態の光学機器は、本実施形態の光学部材を用いたものである。
この光学機器としては、上記した(1)ウェアラブル機器、例えばプロジェクター付きメガネ、眼鏡型やゴーグル型ディスプレイ、仮想現実拡張現実表示装置、虚像表示装置、に使用されるディスプレイ、フィルターやレンズ等、(2)車載用カメラ、ロボット用視覚センサー等に使用されるレンズやカバーガラス等が挙げられる。
ウェアラブル機器の1例として、図2には光学部材10をヘッドマウントディスプレイやゴーグル型ディスプレイに適用し得る光学機器20の概略構成を示した。この光学機器20は、光学ガラス11と調光部材12とを重ね合わせている点は図1に示した光学部材10と同様であるが、ここでは映像を表示するための表示素子21と、表示素子21に表示された映像を、調光部材12を経由して光学ガラス11に入射させ、光学ガラス11内部において上記入射された映像を全反射させ、光学機器20を装着した者の瞳にまで伝搬させる伝搬手段22と、を有する。
表示素子21は、映像を表示するための素子であって、ここで表示される映像は、調光部材12を経由して光学ガラス11に入射させる。このとき、表示素子21はバックライトを有していてもよい。
光学ガラス11に入射した映像は、伝搬手段22により光学ガラス11内を全反射させながら所定の位置まで伝搬させるように回折させ、さらに、所定の位置にまで伝搬された映像を、光学機器20を装着した者の瞳に向かって回折させるように配置される。
このとき、屋外等の明るい環境の場合、外光が強いため、映像が見にくくなる場合がある。その場合、本実施形態の光学機器20においては、調光部材12を遮光状態として外光の影響を抑制し、画像を見やすくできる。その際、さらに、上記説明したように光学ガラス11と調光部材12とを通して感じる色味が改善されているので、本来の色味に近い映像を見ることができる。
なお、調光部材12の光の透過状態は、使用者が任意に調整してもよいし、センサ等により外光の強さを感知して自動で調整してもよいし、それらを組み合わせてもよい。
原料として酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、フッ化物、水酸化物、メタリン酸化合物等の通常の光学ガラスに使用される高純度原料を選定して使用した。
秤量した原料を均一に混合し、白金容器内に入れて、約1400℃で約5時間溶融、清澄、撹拌後、およそ650℃に予熱した縦50mm×横100mmの長方形のモールドに鋳込み後、約1℃/分で徐冷して、所定の板厚の実施例1~28、比較例1の光学ガラスを得た。
なお、実施例1~5、7~8、14、22は、SiOとNbを主成分とするSi-Nb系母ガラス、実施例6、11、15~17、20、23~25はSiOとTiOを主成分とするSi-Ti系母ガラス、実施例9、10、18、19はLaとBを主成分とするLa-B系母ガラス、実施例12、13、21はPを主成分とするP系母ガラス、実施例26~28はBiを主成分とするBi系母ガラス、比較例1は、SiOとAlを主成分とするSi-Al系母ガラス、とした。また、色度の調整のため、母ガラスの構成成分の合計を100質量%としたとき、着色成分となる元素として、Fe、Cr、Ni、Ptを表1~4に示したように含有させた。
次いで、得られた光学ガラスをGentex-PPG社:Alteos(登録商標) Interactive Window Systemsの調光部材(be*=-5.2)と重ねあわせて、実施例1~28および比較例1それぞれについて光学部材を得た。
[特性]
上記で得られた光学ガラスについて、ガラス転移点(Tg)、熱膨張係数(α)、ヤング率(E)、屈折率(n)、透過率、色度、を次のように測定した。また、光学部材について色度を次のように測定した。得られた結果を表1~4に併せて示した。
ガラス転移温度(Tg):示差熱膨張計(TMA)を用いて測定した値であり、JIS R3103-3(2001年)により求めた。
熱膨張係数(α):示差熱膨張計(TMA)を用いて30~350℃の範囲における線熱膨張係数測定し、JIS R3102(1995年)により30~350℃の範囲における平均線熱膨張係数を求めた。
ヤング率(E):20mm×20mm×1mmの板状のサンプルについて、超音波精密板厚計(OLYMPAS社製、MODEL 38DL PLUS)を用いて測定を行った(単位:GPa)。
屈折率(n):サンプルのガラスを一辺が30mm、厚さが10mmの三角形状プリズムに加工し、屈折率計(Kalnew社製、機器名:KPR-2000)により測定した。
透過率:光学ガラスを実施例に記載の厚みを持つ板状に加工し、両表面を鏡面研磨したサンプルについて、分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製 U-4100)にて測定した。
色度:色度として国際照明委員会(CIE)で規格化されたCIE 1976(L*a*b*)色空間(CIELAB)を用い、A光源における明度(L*)、A光源における反射光の色度(a*、b*)を測定した(JIS Z 8781-4(2013))。
Figure 0007156307000002
Figure 0007156307000003
Figure 0007156307000004
Figure 0007156307000005
実施例1~28の光学ガラスは、いずれも、屈折率(n)が1.55以上と高屈折率である。また、これら光学ガラスは、その色度b*が4.8以上またはb*/|a*|が0.55以上であり、ウェアラブル機器や車載用カメラやロボット用視覚に用いられる光学部材として好適である。さらに、実施例1~26の光学ガラスは、調光部材と重ねあわせて得られた光学部材の色度|b*|が4.9以下で、かつa*とb*で示す関係式(1)の値が5.9以下となっている。そのため、ウェアラブル機器や車載用カメラやロボット用視覚に用いられる光学部材として好適である。
一方、比較例である比較例1の光学ガラスは、その色度b*が4.8未満およびb*/|a*|が0.55未満であるため、光学部材としたときの色度|b*|が4.9超であり、上記用途の光学部材としては、自然な色味の認識が難しくなる。
さらに、実施例および比較例におけるA光源下における色度a*とb*の関係をプロットしたグラフを図4に示しているが、実施例の光学ガラスにおいては、いずれも所定の範囲を満たしている。
以上より、本実施例の光学部材は、高屈折率の光学ガラスを有するとともに、その色度b*が所定の範囲を満たすものであり、ウェアラブル機器、車載用、ロボット搭載用、等の光学部材として好適である。
10…光学部材、11…光学ガラス、12…調光部材、20…光学機器、21…表示素子、22…伝搬手段。

Claims (10)

  1. 屈折率が1.55以上であり、CIELab表示における、A光源下での色度bがb≧4.8を満たし、
    波長450nm、550nm、650nmおよび750nmにおける光透過率がすべて70%以上であることを特徴とする光学ガラス。
  2. 屈折率が1.55以上であり、CIELab表示における、A光源下での色度aの絶対値に対するbの比(b/|a|)がb/|a|≧0.55であり、かつb≧0.1を満たすことを特徴とする光学ガラス。
  3. 請求項1または2に記載の光学ガラスと調光部材とを重ねた構成を有することを特徴とする光学部材。
  4. 前記調光部材の遮光時のCIELab表示におけるA光源下での色度beがbe<0となる請求項に記載の光学部材。
  5. 前記調光部材の遮光時に、前記光学部材のCIELab表示におけるA光源下での色度acが、|ac|≦3.1を満たす請求項3または4に記載の光学部材。
  6. 前記調光部材の遮光時に、前記光学部材のCIELab表示におけるA光源下での色度bcが|bc|≦4.9を満たす請求項3または4に記載の光学部材。
  7. 前記調光部材の遮光時に、前記光学部材のCIELab表示におけるA光源下での色度ac、bcが次の関係式(1)、
    Figure 0007156307000006

    を満たす請求項3~6のいずれか1項に記載の光学部材。
  8. 前記調光部材の遮光時に、前記光学部材のCIELab表示におけるA光源下での色度が、ac=10,bc=10である点1、ac=10,bc=-10である点2、ac=-10,bc=-10である点3、ac=-10,bc=10である点4、で囲まれる領域に含まれる請求項3~7のいずれか1項に記載の光学部材。
  9. 請求項3~8のいずれか1項に記載の光学部材を用いたことを特徴とする光学機器。
  10. 前記光学部材がヘッドマウントディスプレイとして用いられる請求項に記載の光学機器。
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