JP7153131B2 - 培養装置の性能を検証する方法 - Google Patents
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Description
現代のバイオ治療薬(biotherapeutics)は、癌、糖尿病、または関節リウマチのような複雑な多因子疾患の治療において高まる需要に応えている。ほとんどのバイオ治療薬は、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞のような確立された哺乳動物細胞株または大腸菌(Escherichia coli:E.coli)のようなよく特徴づけられた細菌株で産生される。
- 組換え異種ポリペプチド、好ましくは抗体を発現する細胞クローンの培養中に取得したプロセスデータを、同じ組換え異種ポリペプチドを発現する同じ細胞に対して生成された代謝モデルを使用してフィッティングするステップ、および
- 得られたフィットが未加工データに対して10%を超えるオフセットを示す場合に、培養が問題による影響を受けていると判定するステップ;
あるいは以下の第2の一連のステップ:
- 細胞クローンの培養のプロセスデータを受け取るステップであって、該細胞クローンが前記細胞に対して異種のポリペプチド、好ましくは抗体を産生するステップ、
- 前記細胞に対して確立された代謝モデルを使用してデータをフィッティングし、統計的相関法、好ましくはピアソンのカイ二乗検定によって決定されたカイ2(χ2とも表記される)値によってそのフィットを特徴づけるステップ、および
- カイ2値が5よりも大きい場合に、問題による影響を受けているとプロセスデータを特定するステップ
のいずれかを含む。
定義
本明細書において使用される「フラックス解析」という用語は、生化学的化学量論的反応および経路の数学的検査を意味する。
以下のモデルの生成の説明は、単に本発明を実施するために有用な方法の記述を提供するために提供されていることが明確に指摘されている。これは、本発明を例示するために行われるものであって、本発明を制限するためではない。モデル構築のための多数の異なる方法およびアプローチは、当業者に公知であり、本発明による方法においても同様に適用することができる。
Popp,O.ら(Biotechnol.Bioeng.113(2016)2005-2019;また、参照により本明細書に援用される同文献中で引用された参考文献)に報告されたようなアプローチが、本発明による方法で使用されるモデルを生成するための例示的な方法として次に行われる。これは以下に要約され、実施例の項でより詳細に概説される。
機構的代謝モデリングは以下の場合に有用であり得る:
- 高産生クローンの効率的かつ迅速な選択/評価、
- 培地組成、供給体制、およびプロセスパラメータの調節/最適化による体積力価の増加、
- 培地組成、供給体制、およびプロセスパラメータの調節/最適化による生成物の質の向上、および/または
- 高スループットデータおよび圧縮の、読み取りおよび解釈可能な形式への統合。
- 培養実行中の技術的な問題、例えば、プローブのシャットダウン、センサドリフト、パイプの詰まり、インプロセス制御解析エラー、オフライン解析エラー、培地調製の問題などの特定、
および/または
- プロセス制御における前処理/データ一貫性のチェック。
(Ruffieux,P-A.ら,J.Biotechnol.63(1998)85-95参照)。
- 細胞クローンを選択/評価する、
- 培地組成、供給体制、およびプロセスパラメータの調節/最適化により細胞クローンの体積力価を増加させる、
- 培地組成、供給体制、およびプロセスパラメータの調節/最適化により生成物の質を向上させる、
- 培養の実行またはインプロセス制御分析中の技術的問題を特定する、
- プロセス制御における前処理/データ一貫性をチェックする
ための方法を含む。
- 場合により、哺乳動物細胞クローンまたは細菌細胞クローン(組換え異種ポリペプチドを発現)の代謝モデルを提供するステップ、
- 場合により、組換え異種ポリペプチドを発現している哺乳動物細胞クローンまたは細菌細胞クローンの培養のためのプロセスデータを取得するステップ、
- 組換え異種ポリペプチドを発現している哺乳動物細胞クローンまたは細菌細胞クローンの培養中に取得したプロセスデータを、同じ組換え異種ポリペプチドを発現している同じ哺乳動物細胞または細菌細胞に対して生成された代謝モデルを使用してフィッティングするステップ、および
- モデル化されたフィットが未加工データに対して10%を超えるオフセットを示す場合に、培養が問題による影響を受けていると判定するステップ。
- 細胞クローン培養のプロセスデータを受け取るステップであって、細胞クローンが前記細胞に対して異種のポリペプチドを生成するステップ、および
- 前記細胞に対して確立された代謝モデルを使用してデータをフィッティングし、完全フィットを表す値1を用いる統計的相関法によって、好ましくはピアソンのカイ二乗検定によって決定されたカイ2値によって、フィットを特徴づけるステップであって、
これにより、相関値(カイ2値)が5よりも大きい場合に、プロセスデータが問題による影響を受けているステップ。
a)同じ異種ポリペプチドを生成する多数の(単離されたまたは単一の)細胞クローンを別々に培養し、それにより培養中に時間的なプロセスデータが記録されるステップ、
b)同じ細胞に対して作製された代謝モデル(場合により同じ組換え異種ポリペプチドを発現する)を使用して、各クローンのステップa)で取得したプロセスデータを個別にフィッティングし、それにより、すべてのクローンに同じモデルが使用されるステップ、
c)前記代謝モデルにおいてステップa)で取得した前記培養のプロセスデータに対してステップb)で得られたフィットが(i)未加工データに対して10%を上回るオフセットを示すか、または(ii)フィットに対する、統計的相関法で決定された相関値、好ましくはピアソンのカイ二乗検定によって決定されたカイ2値が5以上であり、値1が完全フィットである場合に、ステップa)の多数の培養のうちのある培養が問題による影響を受けていると決定するステップ、
d)ステップc)で決定されるように培養で問題があった細胞クローンを用いて、ステップa)からc)を繰り返すか、
または
ステップc)で決定されるように培養で問題のあるクローンがない場合、多数のクローンの中から、(i)最大の力価、および/または(ii)生成物の質、および/または(iii)代謝性能指標値の組合せの中での最大スコアを有するクローンを選択するステップ(実施例4参照)。
a)異種ポリペプチドを生成または分泌する哺乳動物細胞または細菌細胞を培養条件の第1のセットで培養し、それにより、培養中に時間的なプロセスデータが記録されるステップ、
b)同じ哺乳動物細胞または細菌細胞に対して作製された代謝モデル(場合により、生成された同じ組換え異種ポリペプチドを発現する)を使用して、ステップa)で取得したプロセスデータをフィッティングするステップ、
c)前記代謝モデルにおいてステップa)で取得した前記培養のプロセスデータに対してステップb)で得られたフィットが(i)未加工データに対して10%を上回るオフセットを示すか、または(ii)フィットに対する、統計的相関法で決定された相関値、好ましくはピアソンのカイ二乗検定によって決定されたカイ2値が5以上であり、値1が完全フィットである場合に、ステップa)の培養が問題による影響を受けていると決定するステップ、
d)i)ステップc)で決定されるように培養に問題があった場合には、培養条件の第1のセットを用いてステップa)からc)を繰り返すステップ
または
ii)ステップc)で決定されるように培養に問題がなかった場合には、培養条件の第1のセットとは異なる培養条件の第2のセットを用いてステップa)からc)を繰り返すステップ
e)i)培養条件の第2のセットで得られた(i)力価、および/または(ii)生成物の質、および/または(iii)代謝性能指標値の組合せのスコアが、培養条件の第1のセットで得られた(i)力価、および/または(ii)生成物の質、および/または(iii)代謝性能指標値の組合せのスコアと比較して改善されていない場合に、第1の培養条件の同じセットと、以前に使用されたどんな培養条件のセットとも異なる(すなわち、それは前記第1および前記第2の培養条件のセットとも、以前の方法で使用された他のすべての培養条件のセットとも異なる)第2の培養条件の新しいセットを用いてステップa)からd)を繰り返すか、
または
ii)培養条件の第2のセットで得られた(i)力価、および/または(ii)生成物の質、および/または(iii)代謝性能指標値の組合せのスコアが、培養条件の第1のセットで得られた(i)力価、および/または(ii)生成物の質、および/または(iii)代謝性能指標値の組合せのスコアと比較して改善されている場合に、培養条件の第2のセットを改善された培養条件として特定するステップ。
[式中、
Oiは、bin iの実験によって決定された頻度(すなわち、カウント)を意味し
Eiは、帰無仮説によって主張されたbin iのモデル化された頻度を意味する]。
[式中、
Fは、分析対象の分布の累積分布関数を意味し
Yuは、クラスiの上限を意味し、
Ylは、クラスiの下限を意味し、かつ
Nは、データポイントの数を意味する]。
生成物の定量化、代謝物およびアミノ酸分析:
発酵ブロス中の生成物力価、代謝産物およびアミノ酸濃度の定量化のために、細胞を遠心分離によって取り除いた。グルコース、乳酸、およびアンモニウムの濃度は、Cedex Bio HTバイオプロセスアナライザー(Roche Diagnostics GmbH、マンハイム)を使用して、特定の検定を使用して測定した。無細胞上清は、その後のタンパク質定量化またはアミノ酸分析のために、それぞれ0.2μmまたは3kDa膜で滅菌フィルタにかけた。生成物力価は、以前に記載されたPoros A HPLC法によって定量化した[Zeckら、2012]。発酵上清中のアミノ酸レベルは、Agilent RRLC 1200システム(Agilent Technologies,サンタクララ)および蛍光検出器を使用して社内の方法によって測定した。
細胞タンパク質含有量の抽出には、Mem-PER(商標)Plus Membrane Protein Extractionキット(Thermo Scientific,ダルムシュタット)およびCedex HiResアナライザーを適用した。第1のステップでは、Cedex HiResアナライザーを使用して特定量の生細胞を収集し、ファルコンチューブに移した。次に、同封の浮遊哺乳動物細胞用Mem-PER(商標)取扱説明書(取扱説明書番号89842、Thermo Scientific、ダルムシュタット)のプロトコール2に従って、細胞タンパク質を抽出した。タンパク質を抽出し、1.5mLチューブに収集した後、Bradford Coomassie(登録商標)PlusTMアッセイキットおよびマイクロプレート手順A(取扱説明書第23236、Thermo Scientific、ダルムシュタット)を使用して、タンパク質濃度を測定した。この場合、通常のBSAタンパク質標準の代わりに、独自のCHO宿主細胞タンパク質標準を使用して、所与サンプルの測定されたCHOタンパク質と、独自の宿主細胞タンパク質混合物から作成した標準曲線との間の公平性を利用した。
平均細胞質量の決定には、まずCedex HiResアナライザー(Roche Diagnostics GmbH、マンハイム、ドイツ)機を使用して所与サンプルの細胞濃度を決定する。さらに、Cedex HiRes装置により、細胞直径(装置内の細胞体積の計算に使用)、細胞生存度および凝集速度のような形態学的パラメータを得る。
m細胞全体=m細胞バイオマス+m水
酸素取り込み速度OURの決定には、動力学的方法を適用した。動力学的方法はよく知られた標準的手順であり、一般に液内細胞培養の酸素消費量に基づく。発酵中、バイオリアクター内の溶存酸素濃度(クラーク電極で測定)は定義された値に調整されているため、溶存酸素の時間的変化は0と見なすことができる。
5つの区画(サイトゾル、ミトコンドリア、ER、ゴルジ体、バイオリアクター)を含むゲノムベースのCHOネットワークモデルが、確立された手順に従って、データベースおよび一次文献を含む公開情報源から構築された[Sheikhら,Biotechnol.Prog.21(2005)112-121;Selvarasuら,Mol.Biosyst.6(2010)152-161;Oberhardtら,Mol.Syst.Biol.5(2009)320]。中心代謝経路(解糖、クエン酸回路、ペントースリン酸経路、呼吸鎖)に加えて、モデルは、主要なバイオマス構成要素(タンパク質、脂質、RNA、DNA、および炭水化物)の生合成、C1代謝、およびアミノ酸分解経路を説明する。調査した組換えタンパク質生成物について、組換えタンパク質のアミノ酸組成および代表的なグリコシル化構造(生成物分子あたり2つのシアル酸付加された(sialilated)二分岐グリカン)を説明する、対応する一組の生成物形成反応を定式化した。結果として得られたモデルは、654の反応、583の代謝物を含み、266のORFを表した。バイオマス組成は、CHO細胞またはマウス細胞株に関する以前の研究に匹敵するものが選択された(例えば、Altamiranoら,Biotechnol.Prog.17(2001)1032-1041;Bonariusら,Biotechnol.Bioeng.50(1996)299-318;Selvarasuら,Biotechnol.Bioeng.109(2012)1415-1429)。下記の表6および7を参照されたい。
代謝物データ、プロセスデータ、および細胞内フラックス分布のピアソン相関とスピアマン相関の計算は、統計ソフトウェアR v2.13.2、Statsパッケージ[R Core Team、2013]、JMP(SAS、Marlow)、およびQlucore(Qlucore AB、Lund)を使用して実行された。多重検定のp値の補正は、FDR<0.05で、または示される通りに、偽発見率(FDR)を制御するために、BenjaminiおよびHochbergの方法[BenjaminiおよびHochberg,1995]を使用して実行された。各培養の複合選択スコアは、以下のように計算された:複合スコアCSは、カテゴリースコア(CASi)の加重和として定義された。
ここで、
である。重み係数は、所与の選択プロセスに応じて選択された。各カテゴリースコアCASiは、カテゴリーに含まれる個々の指標(INDi,j)の加重平均として指定された。
この場合も、
である。各指標INDi,jは、所与性能の尺度PMスケーリングのスケーリングされた時間加重平均として決定された:
上記の重み係数について記載したのと同じ制限が
に適用され、
である。
性能測定値PMi,jは、非負の値のみを想定して定義され、
および
は、それぞれすべてのクローンおよびすべての時間点での性能測定値の最大値と最小値を表す。スケーリングされた性能指標および重み係数をこのように選択すると、複合スコアCSの達成可能な値は0から1の範囲になる。後者の値は、1つのクローンが、すべての指標およびこの指標がゼロ以外の重みを受けるすべての時間点について、最大の指標値を示した場合にのみ想定される。
最終的な力価を考慮する際には、生成物形成カテゴリーのスコアをw生成物形成=1、それ以外のカテゴリーiについてはwi=0とした。生成物力価は唯一の能動的基準であるため、生成物形成(ProductFormation)カテゴリー内での重み付けは
となるが、
、および
となる。スケーリングされた性能の尺度の場合、これは、
となり、i=「生成物形成(ProductFormation)」であり、j=「代謝フェーズでの最大力価」である。高い力価値が好ましいため、スケーリングされた性能の尺度は、次式から計算される。
組換えCHOクローンの比較と代謝性能指標によるランキング
クローン比較実験のために、同じモノクローナルIgG4抗体を発現している10の組換えCHO-K1クローン(CL4~CL13)を使用した。異なる生成物の比較研究のために、上記と同じモノクローナルIgG4抗体を発現しているさらなるクローンCL14と、モノクローナルIgG1抗体を発現している他の2つの生成クローン(CL2およびCL3)を使用した。組換えCHO-K1クローンは、シードトレインおよびその後の流加実験のために、タンパク質を含まない、化学的に定義された独自の培地で培養した。シードトレイン培養は、設定点が7%CO2および37℃に制御された加湿インキュベーターを使用して振盪フラスコで実行した。クローンは3~4日ごとに分割した。すべての実験で、実験開始までの培養(21日)で同じ年齢のクローンを使用した。流加クローン比較実験では、CL4からCL13を、タンパク質を含まない化学的に定義された独自のベース培地を使用して、500mL振盪フラスコ内の230mL培地で13日間培養した。2つのタンパク質を含まない化学的に定義された独自のフィード培地(フィードAおよびフィードB)を、3日目(フィードA、1日あたり開始培養量の3%)または6日目(フィードB、1日あたり開始培養量の2%)以降に毎日補充した。完全に制御されたクローン培養流加実験は、2Lの小規模バイオリアクター(Sartorius Stedim、Goettingen)で、前記と同じタンパク質を含まない化学的に定義された独自のベースおよびフィード培地を使用して14日間実行された。生成のようなプロセスでは、同じ2つのタンパク質を含まない化学的に定義された独自のフィード培地(フィードAおよびフィードB)を、3日目(フィードA、1日あたり開始培養量の2%)または6日目(フィードB、1日あたり開始培養量の2%)から14日目まで毎日補充した。すべての培養実験は3回繰り返して行った。生細胞および総細胞密度および細胞直径の分析には、自動化されたCedex HiResシステム(Roche Diagnostics GmbH、マンハイム)を使用した。生細胞密度および総細胞密度は、製造業者の説明書に従ってトリパンブルー排除染色法を使用して識別した。発酵ブロス中の生成物力価、代謝産物およびアミノ酸濃度は、以前に記載されているように定量化されたZeckら、2012)。
組換えCHOクローン培養のための異なる発酵スケールの比較
代謝フラックス解析アプローチは、高スループット使用のための自動化されたCHO細胞性能分析を確立するために適用された。この目的のために、さまざまなモノクローナル抗体を発現する、さまざまな規模で実施された培養を危うくする(compromising)豊富なデータセットを利用し、必要に応じて精選した(表3参照)。パイプラインの設計に使用された方法には、ゲノム規模の代謝ネットワークモデリング、プロセスフェーズの特定、代謝フラックス解析、およびクローン性能指標の分析が含まれていた。実行された統計解析には、縮小χ2検定、相互検証、および反復分析が含まれていた。解析の結果、データセットの変換および変形エラーを解決し、χ2検定の許容ウィンドウを決定することができた。さらに、宿主細胞のタンパク質および酸素取り込み測定の形で追加の測定パラメータを考慮に入れた場合の影響を分析した。
OURおよびHCP測定によるCHOクローン性能分析
この目的のために、追加の測定値を含めることの影響、HCPおよびOURデータセットを表す培養のサブセットを分析した(表3参照)。ここで、どちらの場合も、追加データを考慮すると、χ2を増やすことにより、実験から取得した情報量が改善されることが見出された。詳細には、宿主細胞タンパク質(13%ポイント増加)および酸素取り込み速度(25%ポイント増加)の測定値を考慮すると、CHO発酵の情報量の有意な増加が得られた(表9参照)。
乳酸代謝型の異なるCHOクローンの代謝表現型の解析
乳酸はCHO培養の最も顕著な副生成物であり、それにより、培養ブロス中の濃度レベルおよび細胞特異的な形成および消費速度はプロセス制御分析において発酵として日常的に分析されている。CHOクローン開発評価プロセスの最終候補は、多くの場合、同じまたは関連するCHO親細胞および/またはプールに由来する。それでも、代謝型(培養における代謝表現型)は大きく異なる可能性がある。
Claims (11)
- 哺乳動物細胞または細菌細胞の培養中に取得したプロセスデータが問題による影響を受けているかどうかを判定するための方法であって、
- 組換え異種ポリペプチドを発現している前記哺乳動物細胞または細菌細胞の前記培養中に取得した前記プロセスデータを、同じ組換え異種ポリペプチドを発現している同じ哺乳動物細胞または細菌細胞に対して生成された代謝モデルを使用してフィッティングするステップと、
- (i)モデル化されたフィットが未加工データに対して10%を上回るオフセットを示すか
または
(ii)モデル化されたフィットのピアソンのカイ二乗検定によって決定されたカイ2値が5よりも大きい
場合に、前記培養が問題による影響を受けていると決定するステップと
を含む、前記方法。 - 異種ポリペプチドを発現している細胞を選択するための方法であって、
a)同じ異種ポリペプチドを生成する多数の哺乳動物細胞クローンまたは細菌細胞クローンを別々に培養し、それにより前記培養中に時間的なプロセスデータが記録されるステップと、
b)同じ哺乳動物細胞または細菌細胞に対して生成された同じ代謝モデルを使用して、ステップa)で取得した各クローンの前記プロセスデータを個別にフィッティングするステップと、
c)前記代謝モデルにおいてステップa)で取得した前記培養の前記プロセスデータに対してステップb)で得られたフィットが(i)未加工データに対して10%を上回るオフセットを示すか、または(ii)前記フィットに対するピアソンのカイ二乗検定によって決定された前記カイ2値が5以上である場合に、ステップa)の培養が問題による影響を受けていると決定するステップと、
d)ステップc)で決定されるように前記培養で問題があった前記クローンを用いてステップa)からc)を繰り返すステップか、
または
ステップc)で決定されるように前記培養で問題のあるクローンがない場合、(i)最大の力価、および/または(ii)最高レベルの意図される生成物の品質特性(複数可)、および/または(iii)代謝性能指標において好ましい代謝表現型/最大ラングを有する異種ポリペプチドを発現している細胞として前記多数のクローンの中から前記クローンを選択するステップと
を含む、前記方法。 - 前記フィットに対するピアソンのカイ二乗検定によって決定されたカイ2値が、1以上である、請求項1~2のいずれか一項に記載の方法。
- 前記細胞が、(i)CHO細胞である哺乳動物細胞、および/または(ii)大腸菌(E.coli)である細菌細胞である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記異種ポリペプチドが抗体である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記プロセスデータが、少なくとも15のプロセスパラメータの時間的な値を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記プロセスデータが、少なくとも12のオンラインプロセスパラメータと少なくとも28のオフラインプロセスパラメータの時間的な値を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
- 前記プロセスデータが、各プロセスパラメータに対して少なくとも6つの時間的な値を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
- - 前記代謝モデルが、ゲノムベースの代謝モデルであり、かつ/または
- 前記代謝モデルが、5つの区画であるサイトゾル、ミトコンドリア、小胞体、ゴルジ体およびバイオリアクターを含み、かつ/または
- 前記代謝モデルが、解糖、クエン酸回路、ペントースリン酸経路、および呼吸鎖の中心代謝経路と、主要なバイオマス構成要素のタンパク質、脂質、RNA、DNA、および炭水化物の生合成と、C1代謝と、アミノ酸分解経路と、を含む、
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。 - 前記代謝モデルが、少なくとも600の反応、500の代謝物および250の遺伝子を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
- 前記問題が技術的な問題である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
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