JP7151958B2 - 逆流防止弁組立体 - Google Patents
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Description
シーリング弁としては、ダックビル弁、フラップ弁、スリット弁等が公知であるが、医療用カテーテルには、シリコーンゴムからなるダックビル弁が広く用いられている。例えば、特許文献1には、開口部を有する弁ハウジングと、開口部内に配設された弁部材とを備えたシーリング弁組立体が開示されている。また、特許文献2には、弁部材が直接カテーテルの内部に装着された逆流防止弁装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1のシーリング弁組立体は、弁部材の側壁に補強部材を設けてスリットが閉塞し易いようにした構造であり、弁ハウジングが弁部材の下端まで覆っている。このため、カテーテルの体表部の厚さは必然的に厚くなる。また、特許文献2に記載のシーリング機構では、カテーテル本体内壁には、ダックビル弁の側壁に当接して弁が常時閉じるように圧付与部材が設けられているため、体表部の厚さは必然的に厚くなる。
しかしながら、上記特許文献に記載の弁組立体や逆流防止弁装置では、厚さを薄くするという要求と装着が簡便であるという要求の両方を満たすという観点では満足できるものではない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、様々な種類のカテーテル、洗浄装置、内視鏡装置等に装着した場合に、逆流防止弁を有する部分の厚さを薄くすることが可能であり、装着が簡便な逆流防止弁組立体を提供することを目的とする。
本発明の逆流防止弁組立体10は、図1及び図3に示すように、上蓋20と、逆流防止弁30と、弁受け部材40とから構成される。そして、詳細は後述するが逆流防止弁30のフランジ部34(図3参照)が上蓋20と弁受け部材40とで挟持され、逆流防止弁30の本体部31(図3参照)が弁受け部材40の開口から下方に突出している。
スリット33は、通常は、図2に示すように、閉じた状態にあり、上蓋20の開口22から、栄養剤、薬剤等を供給するチューブを有する供給アダプタ(不図示)が挿入され、逆流防止弁30の下端31bに形成されたスリット33に押し込まれることによって、スリット33が開くものである。
以下、逆流防止弁組立体10の各構成要素について詳細に説明する。
上蓋20は、図4から図6に示すように、内腔22を有する円筒体21からなる。また、図3に示すように、円筒体21の内壁23に、栄養剤、薬剤等を供給するチューブを有する供給アダプタ(不図示)と嵌合する嵌合溝24を有する。
上蓋20は、成形し易さ、及び逆流防止弁組立体10を対象物に挿入する際に破損しないような強度を確保する観点から、アクリロニトリル、ブタジエン、及びスチレンの共重合体(ABS樹脂とも称される)からなることが好ましい。
逆流防止弁30は、図7から図10に示すように、上端31aには円形の開口32を有し下端31bにスリット33を有する本体部31とフランジ部34とからなる。
本体部31は、図9に示すように、図7における紙面両側(C-C断面方向)では、側面は垂直であって、一部円筒形状を有する。また、本体部31は、図8及び図10に示すように、フランジ部34から下端31bに向かって傾斜する2つの傾斜側壁35を有し、傾斜側壁35が、下端31bでスリット33の側壁36を構成することが好ましい。
2つの傾斜側壁35が成す角度θは、63°以上90°以下であることが好ましい。角度θは、75°以上85°以下がより好ましい。角度θが、63°以上90°以下であることにより、本体部31の高さh31(図9参照)を小さくすることできるうえ、特許文献1又は2に記載のように、圧付与部材を設けることなく、スリット33の繰り返し使用後においても、スリット33が戻り易いという効果を奏する。
7.0mm以上9.0mm以下であることがより好ましく、
傾斜側壁35の厚さt35は、供給用アダプタが挿入される際の押圧に対する耐久性の観点、及びスリット33の戻り易さの観点から、800μm以上1500μm以下であることが好ましく、900μm以上1200μm以下であることがより好ましい。
特に、2つの傾斜側壁35が成す角度θと、傾斜側壁35の厚さt35とを調整することにより、スリット33の戻りをさらに良好にすることができる。
弁受け部材40は、図11から図13に示すように、中央に開口42を有する環状平板41からなる。弁受け部材40は、図11及び図12に示すように、周縁に突起部43が設けられており、上蓋20の凹部外壁28が突起部43の内側に嵌ることによって、上蓋20と弁受け部材40とが係合する。本発明の逆流防止弁組立体10は、逆流防止弁30のフランジ部34が上蓋20と環状平板41とで挟持され、逆流防止弁30の本体部31が弁受け部材40の開口42から下方に突出するものである。
本実施形態のように、フランジ部34が、円形凹部25と弁受け部材40との間に形成される空隙27に収容され、かつ円形凹部25の上面26と環状平板41とで挟持されることが好ましい。
弁受け部材40は、成形し易さ、及び逆流防止弁組立体10を対象物に挿入する際に破損しないような強度を確保する観点から、アクリロニトリル、ブタジエン、及びスチレンの共重合体からなることが好ましい。
また、本発明の逆流防止弁組立体10は、上蓋20と、逆流防止弁30と、弁受け部材40とが一体となっているので、操作者はファネル部へ逆流防止弁組立体10を装着すればよく、操作が簡単である。
さらに、上蓋20と弁受け部材40とに対応する簡易な構造をファネル部に形成すればよいので、工程の簡略化が可能である。
本発明の逆流防止弁組立体10は、様々な医療用カテーテル、洗浄装置、内視鏡装置などに用いることができる。
以下に、本発明の逆流防止弁組立体を用いたカテーテルの一実施形態として、バルーンカテーテル50について図14及び図15を参照して説明する。
図14に示すように、バルーンカテーテル50は、ファネル部51とカテーテル本体部52とからなる。ファネル部51の頭部には、本発明の逆流防止弁組立体10が装着されている。カテーテル本体部52は、内部に第一ルーメン56及び第二ルーメン57を有する。逆流防止弁組立体10の開口に供給チューブアダプタ(不図示)が挿入されて、栄養剤、薬剤などをカテーテル本体部52の第一ルーメン56を通じて患者へ投入される。供給用チューブアダプタは、逆流防止弁組立体10の嵌合溝24で固定することが可能である。
20 上蓋
21 円筒体
22 内腔
23 内壁
24 嵌合部
25 円形凹部
26 上面
27 空隙
28 凹部外壁
30 逆流防止弁
31 本体部
31a (本体部の)上端
31b (本体部の)下端
32 開口
33 スリット
34 フランジ部
35 傾斜側壁
36 (スリットの)側壁
40 弁受け部材
41 環状平板
42 開口
43 突起部
50 バルーンカテーテル
d22 内腔の直径
d25 円形凹部の内径
d34 フランジ部の厚さ
h10 上蓋の上面から本体部の下端までの長さ
h25 円形方部の深さ
h31 本体部の高さ
t34 フランジ部の厚さ
t35 傾斜側壁の厚さ
Claims (7)
- 逆流防止弁を備える逆流防止弁組立体であって、
前記逆流防止弁組立体が、上蓋と、逆流防止弁と、弁受け部材とから構成され、
前記上蓋が内腔を有する円筒体からなり、前記円筒体の内壁に、供給用アダプタと嵌合する嵌合溝を有し、
前記逆流防止弁が、下端にスリットを有する本体部とフランジ部とからなり、
前記弁受け部材が、中央に開口を有する環状平板からなり、
前記逆流防止弁の前記フランジ部が前記上蓋と前記環状平板とで挟持され、前記逆流防止弁の前記本体部が前記弁受け部材の前記開口から下方に突出しており、
前記上蓋の前記円筒体の下端に、前記内腔の直径より大きく、前記フランジ部の外径より大きい内径を有し、かつ、前記逆流防止弁のフランジ部の厚さよりも小さい深さの円形凹部が形成されており、
前記フランジ部が、前記円形凹部と前記弁受け部材との間に形成される空隙に収容され、かつ前記円形凹部の上面と前記環状平板とで挟持されている逆流防止弁組立体。 - 前記逆流防止弁の前記本体部が、前記フランジ部から前記下端に向かって傾斜する2つの傾斜側壁を有し、該傾斜側壁が、前記下端で前記スリットの側壁を構成し、前記2つの傾斜側壁が成す角度が63°以上90°以下である請求項1記載の逆流防止弁組立体。
- 前記本体部の高さが、6.0mm以下である請求項1又は2記載の逆流防止弁組立体。
- 前記上蓋の上面から前記本体部の前記下端までの長さは、10.0mm以下である請求項1から3いずれか1項記載の逆流防止弁組立体。
- 前記上蓋及び前記弁受け部材が、アクリロニトリル、ブタジエン、及びスチレンの共重合体からなる請求項1から4いずれか1項記載の逆流防止弁組立体。
- 前記逆流防止弁が、硬度35以上55以下のシリコーンゴムからなる請求項1から5いずれか1項記載の逆流防止弁組立体。
- 前記上蓋の前記円筒体の内壁に、流体供給用アダプタと嵌合する嵌合溝を有する請求項1から6いずれか1項記載の逆流防止弁組立体。
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