JP7151254B2 - 眼内レンズ挿入器具 - Google Patents

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Description

本開示は、眼内レンズを患者眼に挿入する眼内レンズ挿入器具に関するものである。
従来、白内障の手術方法の一つとして水晶体を摘出した後、水晶体の代わりに折り曲げ可能な軟性の眼内レンズを眼内に挿入する手法が一般的に用いられている。眼内レンズの眼内への挿入には、インジェクターと呼ばれる眼内レンズ挿入器具が用いられる。近年、予め眼内レンズが眼内レンズ挿入器具内に収容されているプリセットタイプの眼内レンズ挿入器具が多く用いられている。
そして、眼内レンズ挿入器具内を眼内レンズが円滑に移動可能となるように、眼内レンズを眼内へ挿入する前に、眼内レンズ挿入器具の内部に潤滑剤である粘弾性物質を充填している。この粘弾性物質の充填は、眼内レンズ挿入器具に設けられた注入口を介してシリンジ等の注入器を用いて行われる。
特開2016-49321号公報
しかしながら、特許文献1の眼内レンズ挿入器具は、その構成部品が白色半透明の同一材料で作られていること、及び、注入口が注入器の注入針を差し込むことができる程度の小さな孔であることから、注入口が非常に視認し難い。そのため、眼内レンズ挿入器具の内部への粘弾性物質の充填がうまくできなかったり、粘弾性物質の充填に時間がかかり、術者及び患者の負担が大きくなってしまうおそれがある。
そこで、本開示は、上記した問題点を解決するために、粘弾性物質を注入するための注入口の視認性を向上させることができる眼内レンズ挿入器具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本開示の一形態は、
光学部と、前記光学部の周囲から外側へ延びる少なくとも1つのループ形状の支持部とを備える眼内レンズを、棒状の押出部材により筒状の本体部の内部を進行させて眼内に挿入する眼内レンズ挿入器具において、
前記本体部は、
前記支持部を所定の方向に向けた状態で前記眼内レンズを設置する設置部と、
前記設置部の内部に粘弾性物質を注入針を介して注入するための注入口と、
前記注入口の周囲に形成された凸状のガイドとを有し、
前記ガイドの外周面は、前記ガイドの凸方向において基端から先端に向かって断面積が徐々に小さくなるように傾斜している
ことを特徴とする。
本開示の眼内レンズ挿入器具によれば、粘弾性物質を注入するための注入口の視認性を向上させることができる。
本実施形態の眼内レンズ挿入器具の外観斜視図である。 本実施形態の眼内レンズ挿入器具の外観側面図である。 図2のA-A断面図である。 眼内レンズの平面図である。 眼内レンズの側面図である。 天板部の平面図である。 図6のC-C断面図である。 注入口及びガイドの拡大図であり、(a)は平面図、(b)は図2のB-B断面図、(c)は図6のD-D断面図である。 注入口と設置部に設置された眼内レンズとの位置関係を示す図である。 プランジャーの外観斜視図である。 ガイドの見え方を示すための設置部付近における斜視図であり、(a)は右側後方斜め上から見た場合、(b)は後方斜め上から見た場合、(c)は左側後方斜め上から見た場合を示す図である。 ガイドの変形例を示す図である。
以下、本開示における典型的な実施形態について、図面に基づき詳細に説明する。まず、眼内レンズ挿入器具の全体構成について、図1~図3を参照しながら説明する。本実施形態の眼内レンズ挿入器具1は、変形可能な眼内レンズ100を眼内に送り出すために使用されるものである。なお、眼内レンズ100の構成については後述する。
眼内レンズ挿入器具1は、図1、図2に示すように、本体部10と、プランジャー12などから構成されている。本体部10は、挿入部20、設置部22などを備えている。本体部10は筒状であり、その内部に眼内レンズ100を小さく折り曲げるための構成(通路)が備わっている。プランジャー12は棒状の押出部材であり、眼内レンズ100を患者眼の眼内へと押し出すためのものである。このような眼内レンズ挿入器具1は、例えば、樹脂材料等を用いた射出成形などによって形成することができる。なお、眼内レンズ挿入器具1は、樹脂の削り出しによって形成してもよい。本実施形態の眼内レンズ挿入器具1は、白色半透明の樹脂材料(例えば、ポリプロピン)を用いて射出成形により製造されたものである。
挿入部20は、挿入部本体21(図3参照)と天板部30などを備えている。そして、挿入部20は、中空の筒形状に形成されている。この挿入部20は、図3の断面において、眼内レンズ100の押し出し方向の前方(図3の左方向)にて、先端20cに向かうにつれて内径が徐々に小さくなる通路20aを備えている。通路20aは、眼内レンズ100を押し出すための通路である。挿入部20の先端20cには、眼内レンズ100を外部に送出するための切欠き(ベベル)が形成されている。挿入部20を通過した眼内レンズ100は、挿入部20の内壁面20dに沿って小さく折り曲げられて、先端20cの切欠きから外部に送出され、眼内に挿入される。
設置部22は、挿入部20よりもプランジャー12の押し出し方向の後方(図3の右方向)の位置に形成されている。図3に示すように、設置部22は、その内部に通路22aを備えている。通路22aは、眼内レンズ100を押し出すための通路である。つまり設置部22は筒状であり、その内部に通路22aが形成されている。そして、通路22aには、プランジャー12による眼内レンズ100の押し出し開始前において眼内レンズ100が配置される。また、通路22aは、プランジャー12による眼内レンズ100の押し出し開始後において眼内レンズ100が移動する空間(隙間)である。
設置部22は、設置部本体24と、保持部材26と、保持部材28と、天板部30などを備えている。このような設置部22において、プランジャー12により押し出される前の眼内レンズ100が、設置部本体24の内部にて、保持部材26と保持部材28により保持されつつ設置される。
ここで、設置部22に設置される眼内レンズ100について、図4及び図5を参照しながら説明する。本実施形態の眼内レンズ挿入器具に設置される眼内レンズ100は、光学部110と一対の支持部である前方支持部112Aおよび後方支持部112Bとが、柔軟な素材で一体成形されたワンピースタイプの眼内レンズである。
光学部110は、患者眼に所定の屈折力を与える部分であり、円盤形状に形成されている。また、ループ形状の前方支持部112Aと後方支持部112Bは、光学部110の外周部分110aから外側に延びるように形成されている。そして、前方支持部112Aと後方支持部112Bは、光学部110の外周部分110aにて光学部110の中心を基準として点対称の位置に形成されている。
前方支持部112Aの根元部分116Aは、接続部分114Aを介して光学部110の外周部分110aに接続されている。前方支持部112Aの先端部分118Aは開放されている(つまり、先端部分118Aは自由端となっている)。また、後方支持部112Bの根元部分116Bは、接続部分114Bを介して光学部110の外周部分110aに接続されている。後方支持部112Bの先端部分118Bは開放されている。
そして、このような眼内レンズ100が設置される設置部22における天板部30は、挿入部20の一部も構成している。天板部30は、図2に示す状態において、挿入部20と設置部22における天側の位置に配置される蓋部材である。この天板部30には、図6に示すように、設置部22の内部に潤滑剤である粘弾性物質(例えば、ヒアルロン酸)を充填するための注入口50が設けられている。なお図6は、図2の紙面上側から天板部30を見た図に対応する。この注入口50の周囲には、図6の紙面手前方向に凸となる凸形状のガイド60が形成されている。つまり、ガイド60内に注入口50が位置している。本実施形態において、注入口50は、ガイド60のほぼ中央に位置している。なお、粘弾性物質は、眼内レンズ100を眼内に挿入する前に、粘弾性物質を充填したシリンジ等の注入器の注入針を注入口50に差し込むことにより、注入器から設置部22の内部に充填される。
注入口50は、図9に示すように、設置部22に設置された眼内レンズ100の前方支持部112Aの外側面よりも外側に位置している。そのため、粘弾性物質を設置部22の内部に注入する際、注入針が眼内レンズ100に接触することなく、粘弾性物質が注入される応力によって、前方支持部112Aを光学部110に近づく方向へ曲げることができる。これにより、眼内レンズ100が押し出される際に、前方支持部112Aが光学部110の外周部分の内側に折り曲げられる(畳まれる)動作(前方支持部112Aのタッキング)が安定して行われる。つまり、前方支持部112Aが意図しない方向へ折り曲げられることを抑制することができる。そして、注入口50の周囲にガイド60が設けられている。なお、ガイド60の詳細については後述する。
プランジャー12は、設置部22に設置された眼内レンズ100の光学部110の外周部分110aを押して挿入部20内で眼内レンズ100を小さく折り曲げながら、眼内レンズ100を挿入部20の先端20cから挿入部20の外部へ押し出す押出部材である。
本実施形態のプランジャー12は、図10に示すように、押圧部40と、軸基部42と、押出棒44と、先端部46などを備えている。押圧部40は、眼内レンズ挿入器具1を使用する術者に押圧される部分である。軸基部42は、押圧部40の先端側に接続される部分である。押出棒44は、軸基部42の先端側に接続される部分である。先端部46は、押出棒44の先端部分に形成される部分である。このような構成のプランジャー12は、本体部10の基端部10aから挿入部20の先端20cまで繋がる通路20aや通路22aの内部を、プランジャー12の軸方向に進退可能な状態で、本体部10の内部に挿入されている。
ここで、本実施形態の眼内レンズ挿入器具1は、白色半透明の樹脂部材で構成されており内部構造が見えることと、注入口50が注入器の注入針を差し込むことができる程度(直径0.5mm程度)の小さな孔であるため、注入口50を視認し難い。そのため、眼内レンズ挿入器具1の内部への粘弾性物質の充填がうまくできなかったり、粘弾性物質の充填に時間がかかってしまい、術者の負担が大きくなってしまうおそれがある。
そこで、本実施形態の眼内レンズ挿入器具1では、注入口50の視認性を向上させるために、注入口50を取り囲むようにガイド60を設け、そのガイド60の形状を工夫している。具体的には、図6及び図7に示すように、ガイド60は、注入口50の周囲に形成された天板部30の中で最も背が高い凸状部材である。このガイド60は、天板部30に一体形成されており、粘弾性物質を注入した後に取り外す必要がない。このようなガイド60の外周面61は、図8(a)に示すように、基端60aから先端60bに向かって外周面61における断面積が徐々に小さくなるように傾斜している。本実施形態では、ガイド60を図6の紙面手前側から見た場合、ガイド60は多角錐状(例えば、六角錐状)に形成されている。つまり、本実施形態のガイド60では、図8(b)に示すように、その横断面が多角形(本実施形態では六角形)となり、その多角形の面積(断面積)が基端60aから先端60bに向かって徐々に小さくなるように外周面61が傾斜している。言い換えると、本実施形態のガイド60は、図8(c)に示すように、基端60aから先端60bに向かって先細り形状となるように、その外周面61が傾斜している。そして、ガイド60の先端に、平面部63が形成されている。一方、ガイド60の内周面62は、注入口50に向かって内周面62における断面積が徐々に小さくなるすり鉢状(漏斗状)に形成されている。なお図8(c)に示す断面図では、注入口50が貫通していないように見えるが、注入口はクランク状に折り曲がりながら貫通している。
このように、本実施形態のガイド60は天板部30の中で最も背の高い部材であって、その外周面61が傾斜しているため、外周面61で光が反射するとともに、図7に一点鎖線で示すように、ガイド60の内部に入射した光が屈折し、屈折した光がガイド60を透過して外部へ出射され易い。そのため、ガイド60は、天板部30における他の部分よりも目立って(より明るく)見え易い。つまり、ガイド60は非常に認識しやすく視認性が良い。
そして、ガイド60を視認することができれば、ガイド60内に注入口50が位置するため、注入口50を容易に認識することができる。従って、ガイド60が眼内レンズ挿入器具1と同一樹脂材料(同一色:本実施形態では白色半透明)で一体的に形成されていても、ガイド60により注入口50の視認性を向上させることができる。
なお、ガイド60の外周面61をシボ加工してもよい。外周面61をシボ加工することにより、ガイド60の透明度が低くなるため、天板部30の他の部分との濃淡差が生じる。これにより、ガイド60は、天板部30の他の部分よりも目立って(より白く)見えるため、非常に認識しやすくなる。
また、本実施形態では、ガイド60が多角錐状に形成されているため、ガイド60の外壁に複数の平面が形成される。そのため、複数の平面で光が反射されるので、ガイド60がより光って見えるため視認性が一層向上する。なお、ガイドが円錐状の場合は、複数の面で光が反射されず、光は線(母線)上で反射されるため、多角錐状の場合に比べて視認性が劣ってしまう。また、天板部30が設けられる設置部22の内部における構成部品は、軸方向(図2だと紙面左右方向)へ延びる形状をなしているため、ガイド60が多角錐状であることにより、ガイド60は設置部22内の構成部品とは異なる角度を持つ異種部材であると認識されやすくなる。このことも、ガイド60の視認性の向上に寄与している。なお、本実施形態のガイド60は六角錐形状であるが、ガイド60は五角錐状や八角錐状など六角錐以外の多角錐状であってもよい。
ここで、本実施形態におけるガイド60の大きさ(基端の幅寸法5mm程度)では、ガイド60を多角錐状に形成する場合、六角錐状に形成することが好ましい。これにより、ガイド60を斜め上方から見た場合に、外周面における一平面の面積をできるだけ大きくしつつ、一度に認識可能な平面の数を多くすることができる、つまり最もガイド60の視認性を向上させることができる。なぜなら、ガイドが五角錐以下であると、一平面の面積は大きくなるが、一度に認識可能な平面の数が少なくなる一方、ガイドが七角錐以上であると、一度に認識可能な平面の数は増えるが、一平面の面積が小さくなるため、ガイドの視認性が低下するからである。
そして、ガイド60の先端60bに平面部63が形成されているので、注入口50を確認するために上面(図2だと紙面上側)からガイド60を見たとき、平面部63で光が反射して平面部63が最も光って見え易い。この平面部63のほぼ中央に注入口50が位置しているため、注入口50の位置をしっかりと認識することができる。つまり、注入口50の視認性が非常に良い。
続いて、上記した眼内レンズ挿入器具1に対して、粘弾性物質を充填する手順について説明する。まず、術者は、粘弾性物質が充填されたシリンジ等の注入器を把持する。そして、術者は、眼内レンズ挿入器具1の天板部30に設けられている注入口50を確認(視認)し、注入器の注入針を注入口50へ挿入する。
ここで、眼内レンズ挿入器具1は、白色半透明の同一材料で形成された部品で構成され、注入口50が直径0.5mm程度の非常に小さな孔であるため、術者は、注入口50を視認することはかなり困難である。そのため、眼内レンズ挿入器具1の内部への粘弾性物質の充填がうまくできなかったり、粘弾性物質の充填に時間がかかり、術者及び患者の負担が大きくなってしまうおそれがある。
そのため、本実施形態の眼内レンズ挿入器具1では、注入口50の周囲にガイド60を設けている。そして、術者は、注入口50を捜す際、図11(a)~(c)のいずれかに示すように、斜め上方から注入口50(ガイド60)を見るのが一般的である。図11(a)~(c)より明らかなように、本実施形態の眼内レンズ挿入器具1では、ガイド60が天板部30の中で最も背が高い部材であるため天板部30において目立っており、また、ガイド60が多角錐状をなしているためガイド60が光って見える。そのため、術者は、注入口50を捜す際、注入口50の周囲に存在するガイド60を容易に認識することができる。
そして、術者は、眼内レンズ挿入器具1を斜め上方から見てガイド60を認識すると、その後、図9に示すように、注入口50を確認すためにガイド60をほぼ真上から見る。
なお図9は、半透明な天板部30越しに眼内レンズ100が透けて見えている状態である。このとき、ガイド60の先端に平面部63が形成されているため、平面部63で光が反射して平面部63が最も光って見える。そして、平面部63の内側(ほぼ中央)に注入口50が位置しているので、注入口50をしっかりと認識することができる。つまり、注入口50の視認性が非常に良い。
このようにして、注入口50を認識すると、術者は、注入口50に注入器の注入針を挿入する。本実施形態のガイド60は、内周面62が注入口50に向かって、内周面62における断面積が徐々に小さくなるすり鉢状(漏斗状)になっている。そのため、術者は、注入口50に向けて注入器の注入針を移動させていくことにより、注入針の先端が内周面62に接触した後、注入針が内周面62に沿って注入口50へと誘導されるので、注入針を短時間で確実に注入口50へ挿入することができる。
注入口50に注入器の注入針を挿入した後、術者は、注入器に充填されている粘弾性物質を注入針の先端から排出し、眼内レンズ挿入器具1の内部に粘弾性物質を充填する。このとき、注入口50が設置部22に設置された眼内レンズ100の前方支持部112Aの外側面よりも外側に位置しているため、粘弾性物質が注入される応力により、前方支持部112Aが光学部110に近づく方向へ曲がる。これにより、眼内レンズ100が押し出される際、前方支持部112Aのタッキングが安定して行われる。そして、規定量の粘弾性物質が充填されると、術者は、注入口50から注入針を抜き出す。本実施形態の眼内レンズ挿入器具1では、注入口50及びガイド60は、天板部30に一体形成されているため、粘弾性物質の充填後に取り外す必要はないので、充填後すぐに、眼内レンズ100の挿入を行うことができる。
充填後、術者は、眼内レンズ挿入器具1を用いて眼内レンズ100を眼内へ挿入する。具体的に、術者は、眼組織に設けた切開創に、眼内レンズ挿入器具1の挿入部20を挿入する。その状態で、術者は、プランジャー12の押圧部40を先端側へ押し込む。これにより、眼内レンズ挿入器具1の内部にセットされていた眼内レンズ100が、プランジャー12により設置部22から挿入部20へと移動させられる。このとき、眼内レンズ100は、眼内レンズ挿入器具1内で折り畳まれながら挿入部20の先端20cへ移動していく。そして、眼内レンズ100は、挿入部20の先端20cの切欠きから眼内レンズ挿入器具1の外部へ押し出されて、眼内に射出される。
以上、説明したように、本実施形態の眼内レンズ挿入器具1では、注入口50の周囲に多角錐状のガイド60を設けているため、ガイド60を簡単に認識することができる。そして、ガイド60のほぼ中央に注入口50が位置するので、ガイド60を認識すれば、注入口50も認識することができる。
そして、ガイド60の先端60bに、平面部63が形成されているため、ガイド60を認識した後、上面からガイド60を見ると、平面部63で光が反射するため、平面部63が光って見える。これにより、平面部63のほぼ中央に位置する注入口50の位置をしっかりと認識することができる。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本開示を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、上記の実施形態では、ガイド60を多角錐状に形成しているが、外周面61が基端60aから先端60bに向かって断面積が徐々に小さくなるように傾斜していれば良いので、ガイド60を円錐状やレール状などに形成することもできる。また、上記実施形態では、ガイド60を六角錐状に形成したものを例示したが、六角錐以外の多角錐状に形成してもよい。
さらに、上記実施形態では、注入口50を設置部22に設置された眼内レンズ100の前方支持部112Aの外側面よりも外側に設けているが、注入口50を眼内レンズ100の後方支持部112Bの外側面よりも外側に設けてもよい。また上記実施形態では、眼内レンズ挿入器具の構成部品が白色半透明の同一材料で作られているとしているが、着色されていない部材にも本開示の技術を適用してもよい。
また、上記実施形態では、上面視にて、ガイド60は設置部22の内側に収まるような形状としているが、図12に示すように、注入針を誘導する誘導部65を設け、誘導部65を設置部22から外側へはみ出すような形状にしてもよい。これにより、ガイド(注入口)の視認性をより向上させることができる。
また、上記実施形態では、プリセットタイプの眼内レンズ挿入器具1を例示したが、使用現場で眼内レンズを眼内レンズ挿入器具に充填する非プリセットタイプの眼内レンズであっても本開示の技術を適用することができる。
1 眼内レンズ挿入器具
10 本体部
12 プランジャー
20 挿入部
22 設置部
30 天板部
50 注入口
60 ガイド
60a 基端
60b 先端
61 外周面
62 内周面
63 平面部
100 眼内レンズ
110 光学部
112A 前方支持部
112B 後方支持部

Claims (5)

  1. 光学部と、前記光学部の周囲から外側へ延びる少なくとも1つのループ形状の支持部とを備える眼内レンズを、棒状の押出部材により筒状の本体部の内部を進行させて眼内に挿入する眼内レンズ挿入器具において、
    前記本体部は、
    前記支持部を所定の方向に向けた状態で前記眼内レンズを設置する設置部と、
    前記設置部の内部に粘弾性物質を注入針を介して注入するための注入口と、
    前記注入口の周囲に形成された凸状のガイドとを有し、
    前記ガイドの外周面は、前記ガイドの凸方向において基端から先端に向かって断面積が徐々に小さくなるように傾斜している
    ことを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
  2. 請求項1に記載する眼内レンズ挿入器具において、
    前記ガイドは、多角錐状に形成されている
    ことを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する眼内レンズ挿入器具において、
    前記ガイドの先端に、平面部が形成されている
    ことを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
  4. 請求項1から請求項3に記載するいずれか1つの眼内レンズ挿入器具において、
    前記注入口は、前記設置部に設置された前記眼内レンズの前記ループ形状の支持部の外側面よりも外側に位置している
    ことを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
  5. 請求項1から請求項4に記載するいずれか1つの眼内レンズ挿入器具において、
    前記ガイドの外周面は、シボ加工されている
    ことを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
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