JP7150981B2 - イオン選択性電極及び電解質濃度測定装置 - Google Patents

イオン選択性電極及び電解質濃度測定装置 Download PDF

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Description

本開示は、イオン選択性電極及び電解質濃度測定装置に関する。
フロー型電解質濃度測定装置は、生化学自動分析装置、水質分析装置、土壌分析装置などに搭載され、血清や尿などの生体試料、環境水、土壌といった検体中のイオン濃度を高精度かつ高スループットで分析する。複数のイオン(ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、塩化物イオンなど)を同時に分析するため、検出するイオンに対応した複数のイオン選択性電極(ISE:Ion Selective Electrode)が電解質濃度測定センサとして電解質濃度測定装置に搭載される(特許文献1等)。
イオン選択性電極は、典型的には、電解質溶液、電解質溶液が封入され、被検液の流路を有する筐体、電解質溶液と被検液との間に設けられたイオン感応膜及びイオン感応膜に誘起された起電力を測定するための電極棒を備える。
筐体の材料としては、塩化ナトリウム水溶液などの電解質溶液を長期間安定に封入できることと、製造の容易性から、塩化ビニル樹脂が用いられている。イオン感応膜としては、例えばイオン選択性物質、可塑剤、ポリ塩化ビニル等をテトラヒドロフラン等の有機溶媒に溶解した後、膜状に成形することによって得られる高分子膜が用いられる。イオン感応膜は、テトラヒドロフラン等を使用した溶剤接着などの方法により筐体に固着される。
例えば特許文献2には、「被検液の流路を有する支持体上に固定されたイオン感応膜と、前記支持体と第1の筐体部材と第2の筐体部材によって構成された筐体と、前記筐体の一部に固定された電極棒と、前記筐体内に封入された電解質溶液と、からなるイオン選択性電極において、前記筐体の材質がポリ塩化ビニルを主成分とする塩化ビニル樹脂であり、かつ有機酸亜鉛塩及び有機酸金属塩(ただし、金属はカルシウム、マグネシウム、バリウム、カリウムからなる1種または複数)を含有することを特徴とするイオン選択性電極」が開示されている(同文献の請求項1参照)。
特開昭61-124864号公報 特開2016-180630号公報
しかしながら、特許文献2に記載のイオン選択性電極のように、筐体が塩化ビニル樹脂製である場合、感応膜の可塑剤が筐体へ移行し易く、感応膜の組成が経時的に変わり、電極性能が経時的に変化してしまう。電極性能が経時的に変化するため、従来のイオン選択性電極の保管寿命は一年程度であるが、より安定性を向上して保管寿命を延ばすことが求められる。
また、筐体の材料に関して、感応膜と筐体との接着性を重視するのであれば感応膜材料との親和性が高いほうがよく、一方で感応膜の可塑剤の移行性を低減するためには、感応膜材料との親和性が低いほうが良い。このようにトレードオフの関係にある感応膜の可塑剤の低移行性と、感応膜と筐体との接着性とを両立するような筐体の材料はこれまで見出されていなかった。
そこで、本開示は、イオン選択性電極の安定性及び感応膜と筐体との接着性を両立する技術を提供する。
本開示のイオン選択性電極は、イオン選択性物質、基材及び可塑剤を含む感応膜と、前記感応膜を収容する筐体と、を備え、前記筐体の材料は、溶解度パラメータ(SP値)が19.5~21.5である物質を含むことを特徴とする。
本開示に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、本開示の態様は、要素及び多様な要素の組み合わせ及び以降の詳細な記述と添付される特許請求の範囲の様態により達成され実現される。
本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本開示の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味に於いても限定するものではないことを理解する必要がある。
本開示によれば、イオン選択性電極の安定性及び感応膜と筐体との接着性を両立することができる。
上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
フロー型電解質濃度測定装置の一例を示す概略図。 イオン選択性電極の構成を示す概略図。 メチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂及び塩化ビニル樹脂の可塑剤(アジピン酸系)浸漬による重量変化を示すグラフ。 塩化ビニル樹脂を基準としたときのメチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂の重量相対変化率を示すグラフ。 溶解度パラメータ(SP値)の差異を示す模式図。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態について説明する。なお、添付図面は本開示の原理に則った具体的な実施形態を示しているが、これらは本開示の理解のためのものであり、決して本開示を限定的に解釈するために用いられるものではない。
<電解質濃度測定装置の構成>
図1は、フロー型の電解質濃度測定装置100の一例を示す概略図である。電解質濃度測定装置100は、検体中の陽イオン及び陰イオンを測定する装置であり、測定部180、記録演算部181、出力部182、制御部183及び入力部184を備える。
測定部180は、複数のイオン選択性電極101(イオン選択性電極101a~101c)、比較電極104、ピンチ弁105、真空吸引ノズル106、シッパーノズル107、希釈液供給ノズル108、内部標準液供給ノズル109、希釈槽110、廃液タンク111、真空ポンプ112、切替え弁121、内部標準液用シリンジ131、希釈液用シリンジ132、シッパーシリンジ133、内部標準液ボトル141、希釈液ボトル151、比較電極液ボトル161及び電位測定部171を備える。例えば、イオン選択性電極101aを塩素イオン電極とし、イオン選択性電極101bをカリウムイオン電極とし、イオン選択性電極101cをナトリウムイオン電極とすることができる。イオン選択性電極101の数は、測定対象となるイオン種の数に応じて変更することができる。また、イオン選択性電極101は全てのイオン種に適応可能である。
比較電極液ボトル161には比較電極液が収容されており、比較電極液はシッパーシリンジ133により比較電極104の流路に導入される。比較電極液として、例えば塩化カリウム水溶液などを用いることができる。内部標準液ボトル141には内部標準液が収容されており、内部標準液は内部標準液用シリンジ131及び内部標準液供給ノズル109により希釈槽110に分注され、イオン選択性電極101の流路に導入される。
検体は、図示しないサンプリング機構により希釈槽110に分注される。希釈液ボトル151には希釈液が収容されており、希釈液は希釈液用シリンジ132及び希釈液供給ノズル108により希釈槽110に分注されて検体と混合され、希釈液で希釈された検体がシッパーノズル107によりイオン選択性電極101の流路に導入される。
ピンチ弁105は、イオン選択性電極101の流路に導入された検体が希釈槽110側に逆流することを防止する。イオン選択性電極101における分析後、真空ポンプ112を駆動することにより、希釈槽110内の液体が真空吸引ノズル6から吸引され、廃液タンク111に廃棄される。
比較電極104に導入された比較電極液は、切替え弁121、真空ポンプ112及びシッパーシリンジ133を操作することにより廃液タンク111に廃棄される。
比較電極104と各イオン選択性電極101との電位差(起電力)は、イオン選択性電極101の流路に導入された液中の分析対象イオン濃度によって変化する。電位測定部171は、その起電力を測定して記録演算部181に測定結果を出力し、記録演算部181は、記録演算部181の測定結果に基づいてイオン濃度を算出する。電解質濃度測定装置100を用いたイオン濃度の測定方法としては、例えば特許文献1に記載の方法を採用することができる。
<イオン選択性電極の構成>
図2は、イオン選択性電極101の構成を示す概略図である。図2(a)はイオン選択性電極101の正面図であり、図2(b)は図2(a)のB矢視図であり、図2(c)は図2(a)のA-A断面図である。イオン選択性電極101は、筐体201、流路202、銀/塩化銀電極203、内部液204及び感応膜205を備える。流路202は、筐体201を水平方向に貫通し、内部を検体が流れる。内部液204には銀/塩化銀電極203が接触している。銀/塩化銀電極203は端子も兼ねている。内部液204としては、例えば塩化カリウムなどの電解質を含む溶液を用いることができる。
図2(c)に示すように、感応膜205は、流路202を流れる検体と接するように配置され、感応膜205を介して流路202と反対側には内部液204が充填される。流路202内の検体と内部液204とは、感応膜205を介して電気的に導通されている。感応膜205は、流路202を流れる検体からイオンを取り込み、内部液204に移動させる。このときに発生する起電力と比較電極104の電位との電位差によりイオン濃度を算出することができる。
なお、図2において流路202と電解質濃度測定装置100との接続箇所を簡略化して記載しているが、イオン選択性電極101を電解質濃度測定装置100に搭載した際に、流路202内を通る検体の流れを妨げず、液漏れしない構造であればよい。
感応膜205は、基材、イオン選択性物質及び可塑剤を含む。感応膜205は、アニオン排除剤又はカチオン排除剤など、感応膜205に添加される通常の添加剤を含んでいてもよい。
基材としては、それ自身がイオン交換性を有さず、イオン選択性物質、可塑剤及び各種添加剤を膜状に保持できる物質であればよく、典型的にはポリ塩化ビニルが用いられる。ポリ塩化ビニルの他に、基材として例えばポリ塩化ビニリデン、ポリアニリン、セルローストリアセテート、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、シリコーン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、エポキシ樹脂などを単独で、又はこれらを混合して用いてもよい。
イオン選択性物質は、特定のイオンと結合する物質であり、検出対象のイオン種に応じて選択される。検出対象のイオンがナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウムなどの陽イオンである場合は、例えばクラウンエーテル、バリノマイシン、カリックスアレーン、リン酸エステル、ノナクチンなどを用いることができる。検出対象のイオンが塩素、炭酸、チオシアン、硝酸、水酸、リン酸、硫酸、ヨウ素などの陰イオンである場合は、第四級アンモニウム塩などのイオン選択性物質を含む膜の他に、塩化銀、臭化銀などのハロゲン化銀やイオン交換膜を用いることができる。
可塑剤としては、用いる基材及びイオン選択性物質に応じて適宜選択でき、例えばアジピン酸ジオクチルやアジピン酸ジイソノニルなどのアジピン酸エステル類;フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチルなどのフタル酸エステル類;トリメリット酸トリオクチルなどのトリメリット酸エステル類;o-ニトロフェニルオクチルエーテルやo-ニトロフェニルデシルエーテルなどのo-ニトロフェニルアルキルエーテル類;トリスオクチルフォスフェート等のトリスアルキルフォスフェート類等を用いることができる。
筐体201及び感応膜205は、テトラヒドロフラン(THF)などの溶媒を用いた溶剤接着にて接着される。
筐体201は、典型的にはポリ塩化ビニルを主成分として含む塩化ビニル樹脂により形成されるが、上記のように、可塑剤が塩化ビニル樹脂へ移行し易く、電極性能が経時的に変化する虞があった。鋭意検討の結果、我々は、筐体201の材料としてメチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(MABS樹脂)を用いることで、上記課題が解決できることを見出した。
メチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂は、メチルメタクリレート(PMMA)とアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)との混合物又は共重合体である。メチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂は、耐衝撃性及び表面硬度に優れ、高い熱安定性及び高い成形性を有する。また、メチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂は吸湿性が極めて少ないため、電解質溶液である内部液204を吸収することなく収容することができる。
メチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂には、必要に応じて熱安定剤、光安定剤、着色剤などの各種添加剤が添加されていてもよい。
(可塑剤の移行試験)
筐体201の材料に対する可塑剤の移行度合の確認のため、JIS K7114:2001「プラスチック-液体薬品への浸せき効果を求める試験方法」に従い、MABSの試験片を作製し、浸漬試験を行った。試験片の大きさは60mm×60mm×1mmとし、浸漬温度は60℃、浸漬期間は最長1ヶ月、浸漬する可塑剤はアジピン酸系の可塑剤を使用した。試験片として、一般的に流通しているメチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂のうち、メーカーもしくは型番の異なる4種(MABS-1~MABS-4)と塩化ビニル樹脂(PVC)を用いた。
図3は、メチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂及び塩化ビニル樹脂の可塑剤(アジピン酸系)浸漬による重量変化を示すグラフである。塩化ビニル樹脂は1ヶ月間で0.45g増加したのに対して、MABS-1~MABS-4はいずれも1ヶ月間で0.1g以下の増加であった。
重量変化そのものは試験片の大きさ及び浸漬時間に依存する。したがって、試験片の大きさ及び浸漬時間に依存しないよう指標を一般化するため、塩化ビニル樹脂を基準としてMABS樹脂の重量相対変化率を算出した。
図4は、塩化ビニル樹脂を基準としたときのメチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂の重量相対変化率を示すグラフである。4種のMABS-1~MABS-4のいずれにおいても、塩化ビニル樹脂を基準としたときの重量相対変化率は40%以下であった。これは、アジピン酸系可塑剤のメチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂への移行量は、塩化ビニル樹脂に対して40%以下であることを示している。このように、メチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂は、塩化ビニル樹脂と比較して可塑剤の移行量が少なく、より長期安定性を有するイオン選択性電極を作製できることがわかる。
(感応膜の接着試験)
次に、接着溶媒としてテトラヒドロフランを用いた場合における筐体への感応膜の接着の可否を確認した。まず、筐体の材料としてメチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂を用いて、ナトリウムイオン選択性電極及びカリウムイオン選択性電極を作製した。テトラヒドロフランを使用して筐体と感応膜との接着作業を行ったところ、メチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂がテトラヒドロフランに適度に溶解して容易に接着でき、作業性に問題はなかった。
また、作製したナトリウムイオン選択性電極及びカリウムイオン選択性電極の流路に100kPaの空気圧を印加したところ、空気漏れは認められなかった。したがって、メチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂製の筐体は、テトラヒドロフランによる感応膜接着が可能であると判断した。このように、メチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂を筐体201の材料として用いた場合、塩化ビニル樹脂を使用した場合と同様に、感応膜の接着性を実現できることがわかる。
さらに、我々は筐体201の材料がイオン選択性電極101に適しているかどうかの判断指標として、溶解度パラメータが有用であることを発見した。
溶解度パラメータ(SP値)は、2成分系溶液の溶解度の目安となる値であり、2つの成分のSP値の差が小さいほど溶解度が大となることが経験的に知られている。
SP値には、Fedorsの溶解度パラメータ、Hildebrandの溶解度パラメータ、Hansenの溶解度パラメータなどがある。本開示における樹脂と可塑剤の移行性及び感応膜の接着性を判定するためのSP値としては、分散、分極、水素結合の3つのエネルギーパラメータから総合的に算出でき、より正確な溶解性が判定できるという観点から、Hildebrandの溶解度パラメータによるSP値を用いることがより好ましい。なお、溶解度パラメータ(SP値)の単位は(MPa)1/2を採用する。
表1に代表的な可塑剤の溶解度パラメータ(SP値)を示す。表1に示すように、これら可塑剤の溶解度パラメータ(SP値)は17.4~18.4である。
Figure 0007150981000001
また、H. Burrell, J. Brandrup, E. H. Immergut, “Polymer Handbook”, Interscience, New York (1966) によると、塩化ビニル樹脂の溶解度パラメータ(SP値)は19.19~19.34であり、テトラヒドロフランの溶解度パラメータ(SP値)は21.9であることが知られている。
ここで、Hansen球法により、4種のMABS-1~MABS-4の溶解度パラメータを測定した。具体的には、まず、対象となる試料を溶解度パラメータ既知の溶媒に混合し、溶解したか否かを判別した。次に、溶解性試験の結果を溶解度パラメータ(δD、δP、δH)の三次元空間にプロットした。次に、溶解した溶媒の座標を含み、溶解しなかった溶媒の座標を含まない球(Hansen球)を求めた。
溶解度パラメータの測定条件は、以下の通りとした。
試験温度:室温(22~25℃)
試験時間:24時間
MABS-1~MABS-4の溶解度パラメータは、表2に示す通り、20.6~21.1であった。
Figure 0007150981000002
図5は、アジピン酸系可塑剤、塩化ビニル樹脂、MABS樹脂及びテトラヒドロフランの溶解度パラメータ(SP値)を示す模式図である。図5に示すように、いずれの可塑剤を使用した感応膜においても、筐体201の材料としてMABS樹脂に限らず、溶解度パラメータ(SP値)が19.5~21.5の範囲にある物質を使用することで、塩化ビニル樹脂を筐体に使用する場合と比較して、可塑剤の移行量が少なく性能が安定したイオン選択性電極が得られることがわかる。筐体201の材料の溶解度パラメータは、条件に応じて、MABS樹脂の溶解度パラメータと同様に20.6~21.1とすることができる。
<技術的効果>
以上のように、本開示のイオン選択性電極は、筐体の材料として溶解度パラメータ(SP値)が19.5~21.5である物質、特にMABS樹脂を採用している。これにより、感応膜に含まれる可塑剤の移行を抑制でき、安定性及び筐体と感応膜との接着性を両立することができる。また、長寿命化により大量生産、大量ストックが可能となるため、高効率でイオン選択性電極を生産することができる。さらに、ユーザーにとっては、イオン選択性電極の寿命による交換の頻度や作業時間を低減することが可能となり、保守コストを削減できる。
<変形例>
本開示は、上述した実施形態に限定されるものでなく、様々な変形例を含んでいる。例えば、上述した実施形態は、本開示を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備える必要はない。また、ある実施形態の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることもできる。また、各実施形態の構成の一部について、他の実施形態の構成の一部を追加、削除又は置換することもできる。
100・・・電解質濃度測定装置、101・・・イオン選択性電極、104・・・比較電極、105・・・ピンチ弁、106・・・真空吸引ノズル、107・・・シッパーノズル、108・・・希釈液供給ノズル、109・・・内部標準液供給ノズル、110・・・希釈槽、111・・・廃液タンク、112・・・真空ポンプ、121・・・切替え弁、131・・・内部標準液用シリンジ、132・・・希釈液用シリンジ、133・・・シッパーシリンジ、141・・・内部標準液ボトル、151・・・希釈液ボトル、161・・・比較電極液ボトル、171・・・電位測定部、180・・・測定部、181・・・記録演算部、182・・・出力部、183・・・制御部、184・・・入力部、201・・・筐体、202・・・流路、203・・・銀/塩化銀電極、204・・・内部液、205・・・感応膜

Claims (5)

  1. イオン選択性物質、基材及びアジピン酸エステル類の可塑剤を含む感応膜と、
    前記感応膜を収容する筐体と、を備え、
    前記筐体の材料は、メチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂であることを特徴とするイオン選択性電極。
  2. 請求項に記載のイオン選択性電極であって、
    前記筐体及び前記感応膜は、前記筐体の内部で接着されることを特徴とするイオン選択性電極。
  3. 請求項に記載のイオン選択性電極であって、
    前記基材がポリ塩化ビニルであることを特徴とするイオン選択性電極。
  4. 請求項に記載のイオン選択性電極を備える電解質濃度測定装置。
  5. 請求項1に記載のイオン選択性電極であって、
    前記メチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂の溶解度パラメータ(SP値)が20.6~21.1であることを特徴とするイオン選択性電極。
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