JP7150779B2 - 偏光板複合体、及び画像表示装置 - Google Patents
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Description
〔1〕 直線偏光板と、1/2波長層と、活性エネルギー線硬化型接着剤を硬化させてなる第1接着層と、1/4波長層とをこの順に備え、
前記1/2波長層の進相軸と、前記直線偏光板の透過軸とのなす角度が10°以上20°以下であり、
前記第1接着層の波長589nmでの屈折率と、前記1/2波長層の波長589nmでの進相軸方向の屈折率との差の絶対値が0.05未満である、偏光板複合体。
〔2〕 前記第1接着層は、波長589nmでの屈折率が1.55未満である、〔1〕に記載の偏光板複合体。
〔3〕 前記1/4波長層は、波長589nmでの進相軸方向の屈折率と遅相軸方向の屈折率の平均値である面内平均屈折率が1.58未満である、〔1〕又は〔2〕に記載の偏光板複合体。
〔4〕 前記第1接着層の波長589nmでの屈折率と、前記1/4波長層の波長589nmでの進相軸方向の屈折率と遅相軸方向の屈折率の平均値である面内平均屈折率との差の絶対値が0.05未満である、〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の偏光板複合体。
〔5〕 円偏光板である、〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の偏光板複合体。
〔6〕 前記1/2波長層は、液晶層である位相差発現層を含む、〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の偏光板複合体。
〔7〕 前記1/4波長層は、液晶層である位相差発現層を含む、〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の偏光板複合体。
〔8〕 前記第1接着層は、厚みが5μm以下である、〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の偏光板複合体。
〔9〕 画像表示パネルと、前記画像表示パネルの視認側に配置された〔1〕~〔8〕のいずれか1項に記載の偏光板複合体とを含む、画像表示装置。
〔10〕 前記偏光板複合体は、前記直線偏光板が視認側に位置する向きで配置されている、〔9〕に記載の画像表示装置。
〔11〕 有機エレクトロルミネッセンス表示装置である、〔9〕又は〔10〕に記載の画像表示装置。
図1は、本発明の偏光板複合体の一例を模式的に示す概略断面図である。図1に示すように、偏光板複合体10は、直線偏光板13、第2接着層22、1/2波長層11、第1接着層21、1/4波長層12が順に積層されている。偏光板複合体10において、1/2波長層11の進相軸と直線偏光板13の透過軸とのなす角度が10°以上20°以下であり、好ましくは12°以上18°以下であり、さらに好ましくは約15°である。偏光板複合体10において、1/4波長層12の進相軸と直線偏光板13の透過軸とのなす角度が好ましくは70°以上80°以下であり、より好ましくは72°以上78°以下であり、さらに好ましくは約75°である。偏光板複合体10において、1/2波長層11の遅相軸と、1/4波長層12の遅相軸とのなす角度は、好ましくは55°以上65°以下であり、より好ましくは57°以上63°以下であり、さらに好ましくは約60°である。このような角度をなすように積層されていることにより、偏光板複合体10は、円偏光板として好適に用いることができる。
接着層21は、位相差を有さず、どの方向の屈折率であっても同じ値とみなすことができる。したがって、「屈折率n21」は、どの方向の屈折率であってもよい。
n11x,y=(n11x+n11y)/2 (1)
n11x,y,z=(n11x+n11y+n11z)/3 (2)
n12x,y=(n12x+n12y)/2 (3)
n12x,y,z=(n12x+n12y+n12z)/3 (4)
第1接着層21は、活性エネルギー線硬化型接着剤を硬化させてなる。第1接着層21の厚みは、0.1μm~50μmであることが好ましく、0.1μm~5μmであることがさらに好ましい。
X1=|n11y-n21| (5)
は0.05未満であり、好ましくは0.04以下である。第1接着層21と1/2波長層11が、屈折率について上記関係を満たすことにより、干渉ムラを抑制することができる。第1接着層21と1/2波長層11が、屈折率について上記関係を満たすようにするためには、例えば、第1接着層21の形成に用いる活性エネルギー線硬化型接着剤の組成を調整することにより、または1/2波長層11の形成に用いる液晶材料を調整することにより実現することができる。
X2=|n12x,y-n21| (6)
は好ましくは0.05未満であり、より好ましくは0.04以下である。第1接着層21と1/4波長層12が、屈折率について上記関係を満たすことにより、干渉ムラを抑制することができる。第1接着層21と1/4波長層12が、屈折率について上記関係を満たすようにするためには、例えば、第1接着層21の形成に用いる活性エネルギー線硬化型接着剤の組成を調整することにより、または1/4波長層11の形成に用いる液晶材料を調整することにより実現することができる。
3,4-エポキシシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン、
1,2-エポキシ-4-エポキシエチルシクロヘキサン、
1,2-エポキシ-1-メチル-4-(1-メチルエポキシエチル)シクロヘキサン、
3,4-エポキシシクロヘキシルメチル (メタ)アクリレート、
2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールと4-エポキシエチル-1,2-エポキシシクロヘキサンとの付加物、
エチレン ビス(3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、
オキシジエチレン ビス(3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、
1,4-シクロヘキサンジメチル ビス(3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、
3-(3,4-エポキシシクロヘキシルメトキシカルボニル)プロピル 3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレートなど。
1,4-ビス〔(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシメチル〕ベンゼン、
3-エチル-3-(2-エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、
ビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、
3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタン、
3-エチル-3-(シクロヘキシルオキシメチル)オキセタン、
フェノールノボラックオキセタン、
キシリレンビスオキセタン、
1,3-ビス〔(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ〕ベンゼンなど。
発生する化合物である。それが配合された接着剤に求められる接着強度及び硬化速度を与えるものであればよいが、例えば、芳香族ジアゾニウム塩;芳香族ヨードニウム塩や芳香族スルホニウム塩のようなオニウム塩;鉄-アレーン錯体などが挙げられる。これらのカチオン重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、異なる複数種を併用してもよい。
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ベンゼンジアゾニウム ヘキサフルオロボレートなど。
ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス(4-ノニルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェートなど。
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
トリフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジフェニル(4-フェニルチオフェニル)スルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4,4′-ビス(ジフェニルスルホニオ)ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、
4,4′-ビス〔ジ(β-ヒドロキシエトキシフェニル)スルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、
4,4′-ビス〔ジ(β-ヒドロキシエトキシフェニル)スルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、
7-〔ジ(p-トルイル)スルホニオ〕-2-イソプロピルチオキサントン ヘキサフルオロアンチモネート、
7-〔ジ(p-トルイル)スルホニオ〕-2-イソプロピルチオキサントン テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
4-フェニルカルボニル-4′-ジフェニルスルホニオジフェニルスルフィド ヘキサフルオロホスフェート、
4-(p-tert-ブチルフェニルカルボニル)-4′-ジフェニルスルホニオジフェニルスルフィド ヘキサフルオロアンチモネート、
4-(p-tert-ブチルフェニルカルボニル)-4′-ジ(p-トルイル)スルホニオ-ジフェニルスルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなど。
キシレン-シクロペンタジエニル鉄(II) ヘキサフルオロアンチモネート、
クメン-シクロペンタジエニル鉄(II) ヘキサフルオロホスフェート、 キシレン-シクロペンタジエニル鉄(II) トリス(トリフルオロメチルスルホニル)メタナイドなど。
商品名で、日本化薬(株)から販売されている“カヤラッド(登録商標)”シリーズ、ダウケミカル社から販売されている“サイラキュア UVI”シリーズ、サンアプロ(株)から販売されている光酸発生剤“CPI”シリーズ、みどり化学(株)から販売されている光酸発生剤“TAZ”、“BBI”及び“DTS”、(株)ADEKAから販売されている“アデカオプトマー”シリーズ、ローディア社から販売されている“RHODORSIL(登録商
標)” などが挙げられる。
ましくは1~15質量部である。その量があまり少ないと、硬化が不十分になり、接着剤層の機械強度や接着強度を低下させることがある。また、その量が多すぎると、接着剤層中のイオン性物質が増加することで接着剤層の吸湿性が高くなり、得られる偏光板の耐久性能を低下させることがある。
、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントンなどのチオキサントン誘導体やクマリン誘導体などが挙げられる。
化型接着剤を塗布面に塗布し、乾燥させることで、接着層が得られる。溶剤に溶解しない成分は、系中に分散した状態であればよい。
は0.01μm以上、また好ましくは4μm以下、さらに好ましくは3μm以下である。
プライマー層が厚すぎると、複合位相差板5の外観不良となりやすい。
が長くなりすぎ、1,000mW/cm2を超えると、光源から輻射される熱および組成物の重合時の発熱により、接着剤の構成材料の黄変を生じる可能性がある。なお、照射強度は、好ましくは光カチオン重合開始剤の活性化に有効な波長領域における強度であり、より好ましくは波長400nm以下の波長領域における強度であり、さらに好ましくは波長280~320nmの波長領域における強度である。このような光照射強度で1回あるいは複数回照射して、その積算光量を、好ましくは10mJ/cm2以上、さらに好ましく
は100~1,000mJ/cm2となるように設定する。上記接着剤への積算光量が10
mJ/cm2未満であると、重合開始剤由来の活性種の発生が十分でなく、接着剤の硬化
が不十分となる。一方でその積算光量が1,000mJ/cm2を超えると、照射時間が非常に長くなり、生産性向上には不利なものとなる。この際、使用する位相差層のフィルムの種類や接着剤種の組み合わせなどによって、どの波長領域(UVA(320~390nm)やUVB(280~320nm)など)での積算光量が必要かは異なる。
1/2波長層11及び1/4波長層12は、位相差発現層を少なとも一つ含むものであれば、位相差発現層のみからなるものであってもよいし、位相差発現層とともに他の層を含むものであってもよい。他の層としては、例えば、基材層、配向膜層、保護層等が挙げられる。なお、他の層は位相差の値には影響を及ぼさない。また、他の層の有無にかかわらず、本明細書において、位相差層の屈折率は位相差発現層の屈折率を意味する。
1/2波長層11は、入射光の電界振動方向(偏光面)にπ(=λ/2)の位相差を与えるものであり、直線偏光の向き(偏光方位)を変える機能を有している。また、円偏光の光を入射させると、円偏光の回転方向を反対回りにすることができる。
1/4波長層12は、入射光の電界振動方向(偏光面)にπ/2(=λ/4)の位相差
を与えるものであり、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(又は円偏光を直線偏光に)変換する機能を有している。
位相差層の位相差発現層が液晶層である場合について説明する。位相差層は、1/2波長層であってもよく、1/4波長層であってもよい。図2は、液晶層である位相差発現層と他の層とを含む位相差層の一例を模式的に示す概略断面図である。図2に示すように、位相差層30は、基材層31、配向層32、液晶層である位相差発現層33がこの順に積層されてなる。位相差層は、液晶層の位相差発現層33を含む構成であれば図2に示す位相差層30に限定されることはなく、位相差層30から基材層31が剥離されて配向層32と位相差発現層33のみからなる構成であってもよく、位相差層30から基材層31と配向層32が剥離されて液晶層の位相差発現層33のみからなる構成であってもよい。薄膜化の観点から、位相差層は、基材層31が剥離されている構成であることが好ましく、液晶層の位相差発現層33のみからなる構成がさらに好ましい。基材層31は、基材層31上に形成される配向層32、及び液晶層の位相差発現層33を支持する支持層として機能を有する。基材層31は、樹脂材料で形成されたフィルムであることが好ましい。
3を形成することができる。位相差発現層33の厚みは、0.5μm~10μmであることが好ましく、0.5~5μmであることがさらに好ましい。
重合性液晶化合物を含む組成物は、液晶化合物以外に、重合開始剤、重合性モノマー、界面活性剤、溶剤、密着改良剤、可塑剤、配向剤等が含まれていてもよい。重合性液晶化合物を含む組成物の塗布方法としては、ダイコーティング法等の公知の方法が挙げられる。重合性液晶化合物を含む組成物の硬化方法としては、活性エネルギー線(例えば紫外線)を照射する等の公知の方法が挙げられる。
位相差発現層が延伸フィルムである場合について説明する。延伸フィルムは通常、基材を延伸することで得られる。基材を延伸する方法としては、例えば、基材がロールに巻き取られているロール(巻き取り体)を準備し、かかる巻き取り体から、基材を連続的に巻き出し、巻き出された基材を加熱炉へと搬送する。加熱炉の設定温度は、基材のガラス転移温度近傍(℃)~[ガラス転移温度+100](℃)の範囲、好ましくは、ガラス転移温度近傍(℃)~[ガラス転移温度+50](℃)の範囲とする。当該加熱炉においては、基材の進行方向へ、又は進行方向と直交する方向へ延伸する際に、搬送方向や張力を調整し任意の角度に傾斜をつけて一軸又は二軸の熱延伸処理を行う。延伸の倍率は、通常1.1~6倍であり、好ましくは1.1~3.5倍である。
ル酸アルキルエステルの単独重合体や、メタクリル酸アルキルエステルとアクリル酸アルキルエステルとの共重合体などが挙げられる。メタクリル酸アルキルエステルとして具体的には、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレートなどが、またアクリル酸アルキルエステルとして具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレートなどがそれぞれ挙げられる。かかる(メタ)アクリル系樹脂には、汎用の(メタ)アクリル系樹脂として市販されているものが使用できる。(メタ)アクリル系樹脂として、耐衝撃(メタ)アクリル樹脂と呼ばれるものを使用してもよい。
られる。“テクノロイ S001”は、フィルムの形で販売されている。
を有する芳香族化合物に由来する構造単位の含有割合は、共重合体の全構造単位に対して、通常5~80モル%である。このような三元共重合体は、その製造において、高価な環状オレフィンの使用量を比較的少なくすることができるという利点がある。
直線偏光板13は、透過光より直線偏光を得る偏光機能を有するフィルムであればよい。当該フィルムとしては、吸収異方性を有する色素を吸着させた延伸フィルム、又は吸収異方性を有する色素を塗布したフィルムを偏光子として含むフィルム等が挙げられる。吸収異方性を有する色素としては、例えば、二色性色素が挙げられる。偏光子として用いられる、吸収異方性を有する色素を塗布したフィルムとしては、吸収異方性を有する色素を吸着させた延伸フィルム、あるいは、液晶性を有する二色性色素を含む組成物又は二色性色素と重合性液晶とを含む組成物を塗布して得られる液相層を有するフィルム等が挙げられる。
吸収異方性を有する色素を吸着させた延伸フィルムを偏光子として備える直線偏光板について説明する。偏光子である、吸収異方性を有する色素を吸着させた延伸フィルムは、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより、その二色性色素を吸着させる工程、及び二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程を有する、及びホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造される。かかる偏光子をそのまま直線偏光板として用いてもよく、またはかかる偏光子の少なくとも一方の面に透明保護フィルムを貼合したものを直線偏光板として用いてもよい。
液晶層を有するフィルムを偏光子として備える直線偏光板について説明する。偏光子として用いられる、吸収異方性を有する色素を塗布したフィルムとしては、液晶性を有する二色性色素を含む組成物、又は二色性色素と液晶化合物とを含む組成物を塗布して得られるフィルム等が挙げられる。当該フィルムは、単独で直線偏光板として用いてもよく、その片面又は両面に保護フィルムを有する構成で直線偏光板として用いてもよい。当該保護フィルムとしては、上記した延伸フィルムを偏光子として備える直線偏光板と同一のものが挙げられる。
第2接着層22は、例えば、粘着剤、水系接着剤、活性エネルギー線硬化型接着剤及びこれらの組み合わせから構成することができる。本明細書において、「第2接着層」との用語は、接着剤から構成される接着層のみでなく、粘着剤から構成される粘着層をも含むものとする。
偏光板複合体は、上記した以外の層を有していてもよい。例えば、光学補償用の位相差層を有していてもよく、第1接着層21及び第2接着層22以外の第3接着層を有していてもよい。第3接着層は、例えば、1/4波長層12の第1接着層21とは反対側の表面に設けられている粘着剤層であり、偏光板複合体を画像表示パネルに貼合させるために用いることができる。
図3(A)~(D)は、本発明の偏光板複合体の製造方法の一例を模式的に示す概略断面図である。図3(A)に示すような第1位相差発現層113、第1配向層112及び第1基材層111を含む1/2波長層11と、図3(B)に示すような第2位相差発現層123、第2配向層122及び第1基材層121を含む1/4波長層12とを第1接着層21を介して積層させて複合位相差板40を得る。複合位相差板40は、例えば、図3(C)に示すように、第1基材層111、第1配向層112、第1位相差発現層113、第1接着層21、第2位相差発現層123、第2配向層122、第2基材層121の順に積層された積層体である。その後、図3(D)に示すように、1/2波長層11側に、第2接着層22を介して直線偏光板13を積層させて偏光板複合体10を得る。
硬化させる方法が挙げられる。第1接着層21を構成する接着剤の塗工には、例えば、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーターなど、種々の塗工方式が利用できる。
円偏光板である偏光板複合体は、画像表示パネルの視認側に配置されて反射防止性能を付与する光学積層体として、さまざまな画像表示装置に用いることができる。画像表示装置とは、画像表示パネルを有する装置であり、発光源として発光素子または発光装置を含む。画像表示装置としては、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、無機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、タッチパネル表示装置、電子放出表示装置(例えば電場放出表示装置(FED)、表面電界放出表示装置(SED))、電子ペーパー(電子インクや電気泳動素子を用いた表示装置、プラズマ表示装置、投射型表示装置(例えばグレーティングライトバルブ(GLV)表示装置、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を有する表示装置)および圧電セラミックディスプレイなどが挙げられる。液晶表示装置は、透過型液晶表示装置、半透過型液晶表示装置、反射型液晶表示装置、直視型液晶表示装置および投写型液晶表示装置などのいずれをも含む。これらの画像表示装置は、2次元画像を表示する画像表示装置であってもよいし、3次元画像を表示する立体画像表示装置であってもよい。特に円偏光板である光学積層体は、屈曲部を有する画像表示パネルを備え得る有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置に有効に用いることができる。
以下に示す各成分を、表1に示す配合割合(単位は質量部)で混合した後、脱泡して、接着剤A~Fを調整した。なお、カチオン重合開始剤(B)は、50質量%プロピレンカーボネート溶液として配合し、表1はその固形分量で示した。
A-1:3',4'-エポキシシクロヘキシルメチル 3,4-エポキシシクロヘキサンカ
ルボキシレート(商品名:CEL2021P、(株)ダイセル製)
A-2:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(商品名:EXA-830CRP、DIC(株)製)
A-3:フルオレン型エポキシ樹脂(商品名:OGSOL EG-200、大阪ガスケ
ミカル(株)製)
A-4:DCPDM型エポキシ樹脂(商品名:EP-4088S、(株)ADEKA製)
A-5:ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(商品名:EX-211L、ナガセケムテックス(株)製)
A-6:ビフェニル型エポキシ樹脂(商品名:EX-142、ナガセケムテックス(株)製)
A-7:2-エチルヘキシルグリシジルエーテル(商品名:EX-121、ナガセケムテックス(株)製)
B:カチオン重合開始剤(商品名:CPI-100P、サンアプロ(株)製、50質量%溶液)
上記で調製した接着剤を、延伸ノルボルネン系樹脂フィルム〔日本ゼオン(株)製 “
ゼオノアフィルム”〕の片面に、バーコーター〔第一理化(株)製〕を用いて塗工し、紫外線照射装置〔フュージョンUVシステムズ(株)製〕で積算光量600mJ/cm2 (UV-B)で紫外線を照射し硬化物を得た。得られた硬化物の膜厚は約30μmであった。
得られた硬化物からノルボルネン系樹脂フィルムを剥離し、硬化物層の屈折率(589nm)を25℃環境下で多波長アッベ屈折計〔(株)アタゴ製“DR-M2”〕を用いて測定した。結果を表1に示す。
平均重合度約2,400、ケン化度99.9モル%以上で厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の純水に浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が0.02/2/100の水溶液に30℃で浸漬してヨウ素染色を行った(ヨウ素染色工程)。ヨウ素染色工程を経たポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の質量比が12/5/100の水溶液に、56.5℃で浸漬してホウ酸処理を行った(ホウ酸処理工程)。
透明樹脂基材に配向膜塗布液を塗布し乾燥することにより、λ/2配向処理をした。次いで、配向面に、ディスコチック液晶性化合物を含む塗布液を塗布し、加熱およびUV照射をして液晶化合物の配向を固定化することにより、透明樹脂基材上に厚み2μmの位相差発現層を有する1/2波長層を作製した。得られた1/2波長層の波長589nmにおける進相軸方向の屈折率n11yは1.50であり、遅相軸方向の屈折率n11xは1.62であり、厚み方向の屈折率n11zは1.62であった。3つの屈折率n11x、n11y、n11zより算出した3次元平均屈折率n11x、y、zは1.58、面内の2つの屈折率n11x、n11yより算出した面内平均屈折率はn11x、yは1.56であった。
透明樹脂基材に配向膜塗布液を塗布し乾燥することにより、λ/4配向処理をした。次いで、配向面に、棒状で重合性のネマチック液晶モノマーを含む塗布液を塗布し、屈折率異方性を保持した状態で固化することにより、透明樹脂基材上に厚み1μmの位相差発現層を有する1/4波長層を作製した。得られた1/4波長層の波長589nmにおける進相軸方向の屈折率n12yは1.49であり、遅相軸方向の屈折率n12xは1.60であり、厚み方向の屈折率n12zは1.49であった。3つの屈折率n12x、n12y、n12zより算出した3次元平均屈折率n12x、y、zは、1.53であり、面内の2つの屈折率n12x、n12yより算出した面内平均屈折率n12x、yは、1.55であった。
得られた1/4波長層の位相差発現層及び1/2波長層の位相差発現層にコロナ処理を施した。コロナ処理を施した1/4波長層の位相差発現層に、表1の接着剤Aを塗工し、コロナ処理を施した1/2波長層の位相差発現層側が対向するように1/2波長層を積層させてラミネーターで貼合し、積層体を得た。このとき1/2波長層の遅相軸と、1/4波長層の遅相軸とがなす角度が60°となるよう貼合した。
積層体の1/4波長層から、紫外線照射装置〔フュージョンUVシステムズ(株)製〕を用い、積算光量400mJ/cm2 (UV-B)で紫外線を照射し、接着剤を硬化させ、「1/4波長層」/第1接着層/「1/2波長層」の積層構造を有する複合位相差板を得た。なお、第1接着層の厚みは1.5μmであった。
得られた複合位相差板の1/2波長層の配向膜及び透明樹脂基材を剥離し、上記偏光板と1/2波長層の位相差発現層とをアクリル系粘着剤を用いて貼合した。なお、アクリル系粘着剤の膜厚(第2接着層の膜厚)は5μmであり、偏光板の透過軸と1/2波長層の進相軸とがなす角度(表1において「軸角度」とする)が15°であった。
次いで、1/4波長層側の配向膜及び透明樹脂基材を剥離し、偏光板/第2接着層/「1/2波長層」/第1接着層/「1/4波長層」の積層構造を有する偏光板複合体を得た。
第1接着層を形成する接着剤として接着剤Bを用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板複合体を作製した。
第1接着層を形成する接着剤として接着剤Cを用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板複合体を作製した。
第1接着層を形成する接着剤として接着剤Dを用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板複合体を作製した。
第1接着層を形成する接着剤として接着剤Eを用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板複合体を作製した。
第1接着剤を形成する接着剤として接着剤Fを用いたこと以外は実施例1と同様にして偏光板複合体を作製した。
偏光板の透過軸と1/2波長層の進相軸とがなす角度(表1において「軸角度」とする)が105°となるよう貼合したこと以外は実施例1と同様にして偏光板複合体を作製した。
(干渉ムラ評価方法)
実施例および比較例の偏光板複合体を、アクリル系粘着剤(膜厚25μm)を介してアルミ反射板に貼りつけ、3波長形蛍光灯下で目視観察し、以下の基準に基づいて評価した。評価結果を表2に示す。
A:干渉ムラが視認されない
B:干渉ムラがわずかに視認される
C:干渉ムラが視認される
Claims (9)
- 直線偏光板と、1/2波長層と、活性エネルギー線硬化型接着剤を硬化させてなる第1接着層と、1/4波長層とをこの順に備え、
前記1/2波長層の進相軸と、前記直線偏光板の透過軸とのなす角度が10°以上20°以下であり、
前記第1接着層の波長589nmでの屈折率と、前記1/2波長層の波長589nmでの進相軸方向の屈折率との差の絶対値が0.05未満であり、
前記第1接着層は、波長589nmでの屈折率が1.51以上1.54以下であり(波長532nmでの屈折率が1.55以上である接着層を除く)、
前記1/4波長層は、波長589nmでの進相軸方向の屈折率と遅相軸方向の屈折率の平均値である面内平均屈折率が1.58未満である、偏光板複合体。 - 前記第1接着層の波長589nmでの屈折率と、前記1/4波長層の波長589nmでの進相軸方向の屈折率と遅相軸方向の屈折率の平均値である面内平均屈折率との差の絶対値が0.05未満である、請求項1に記載の偏光板複合体。
- 円偏光板である、請求項1または2に記載の偏光板複合体。
- 前記1/2波長層は、液晶層である位相差発現層を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の偏光板複合体。
- 前記1/4波長層は、液晶層である位相差発現層を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の偏光板複合体。
- 前記第1接着層は、厚みが5μm以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の偏光板複合体。
- 画像表示パネルと、前記画像表示パネルの視認側に配置された請求項1~6のいずれか1項に記載の偏光板複合体とを含む、画像表示装置。
- 前記偏光板複合体は、前記直線偏光板が視認側に位置する向きで配置されている、請求項7に記載の画像表示装置。
- 有機エレクトロルミネッセンス表示装置である、請求項7又は8に記載の画像表示装置。
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