JP7150640B2 - 残存状態判定方法及び残存状態判定装置 - Google Patents
残存状態判定方法及び残存状態判定装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7150640B2 JP7150640B2 JP2019043437A JP2019043437A JP7150640B2 JP 7150640 B2 JP7150640 B2 JP 7150640B2 JP 2019043437 A JP2019043437 A JP 2019043437A JP 2019043437 A JP2019043437 A JP 2019043437A JP 7150640 B2 JP7150640 B2 JP 7150640B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wavelength range
- pickling
- color tone
- steel sheet
- light
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Description
図1は、当該表面状態判定装置が適用される熱延鋼板の酸洗ラインの例を示す模式図である。
図2は、上記表面状態判定装置100の構成を示す図であって、照射器1と、受光器2と、判定器3及び出力器4を備える。
照射器1としては、単波長でない光を照射できるものであればよいが、白色光を照射できるものが好ましい。
受光器2としては、例えばCCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサー等を用いることができる。
判定器3としては、演算機能を備える機器であればよく、例えばマイクロプロセッサーを有するコンピューター、専用に設計された演算回路を有するICなどを用いることができる。
出力器4としては、判定器3で算出した結果を外部に出力できる機器であればよく、例えば、ディスプレー、プリンター、音声出力器、回転灯などを用いることができる。また、外部の演算機能を有する機器に判定結果を格納してもよい。
当該表面状態判定によって判定される熱延鋼板Sとしては、特に限定されるものではないが、酸洗により表面の粒界酸化層が除去されるSi(ケイ素)含有高強度鋼板等が想定される。
以下、酸洗後の熱延鋼板の表面状態判定方法の各工程について詳説する。
照射工程S1では、照射器1から熱延鋼板Sの表面に光を照射する。照射器1から熱延鋼板Sに照射される光の入射角度(照射器1の光軸と熱延鋼板Sの法線とのなす角度)は、入射光の強度を大きくして反射光の輝度を大きくできるよう、小さいことが好ましい。
受光工程S2では、熱延鋼板Sの表面から発せられた照射器1の反射光を受光器2によって受光し、反射光の色調を測定する。
判定工程S3では、判定器3が受光工程S2で取得した上記反射光の色調の基準である色調指標を算出する。算出した上記色調指標と、酸洗条件ごとに設定された上記色調指標の閾値とを比較した結果を判定の指標とする。
上記第1波長範囲としては、上記反射光において、熱延鋼板Sの表面状態による変化が相対的に大きい波長範囲、例えば粒界酸化層の有無によって乱反射光の色調における面積割合が大きく変化する波長範囲を選択することが好ましい。また、第1波長範囲としては、熱延鋼板Sの熱輻射による誤差を防止するために、上限が1200nm以下であることが好ましく、1000nm以下であることがより好ましい。
上記第2波長範囲としては、上記第1波長範囲とは異なる波長範囲であり、赤色光波長、緑色光波長及び青色光波長を含む範囲とすることが好ましい。第1波長範囲と異なる範囲は、第2波長範囲が第1波長範囲を含んでもよいし、第2波長範囲が第1波長範囲と波長範囲が一部重なってもよいし、第2波長範囲が第1波長範囲と全く異なる波長範囲であってもよい。ただし、第2波長範囲が第1波長範囲に包含される場合は除かれる。これにより、判定工程で算出する上記第1波長範囲の輝度の上記第2波長範囲の輝度に対する比率は、例えば熱延鋼板Sの傾斜等による反射光全体の色調の変化を補償し、熱延鋼板Sによる反射光の色の変化を表す数値となる。なお、この第2波長範囲も、上記第1波長範囲と同様に、熱延鋼板Sの熱輻射による誤差を防止するために、上限が1200nm以下であることが好ましく、1000nm以下であることがより好ましい。
当該表面状態判定方法における色調指標とは、反射光の色調を数値化したものをいう。例えば、色調指標は第1波長範囲の第2波長範囲に対する比率である。
上記酸濃度、インヒビター濃度及び鉄イオン濃度の組み合わせは、酸の濃度、インヒビターの濃度及び鉄イオンの濃度のすべてが変化する場合、いずれか1つ又は2つが変化する場合を含む。酸洗条件としては、上記酸濃度、インヒビター濃度及び鉄イオン濃度の組み合わせの他に、例えば、酸液への浸漬時間や酸洗液温度などを含めてもよい。
当該表面状態判定方法における比率とは、例えば第1波長範囲が赤色光波長範囲又は青色光波長範囲であり、第2波長範囲が青色光波長、緑色光波長及び赤色光波長を含む波長範囲である場合、第2波長範囲をAとした場合の放射輝度L=∫AL(λ)dλに対する第2波長範囲に含まれる第1波長範囲をBとした場合の放射輝度L1=∫BL(λ)dλの比率(L1/L)である。上記式中、L(λ)は波長λにおける分光放射輝度を表す。実施の形態は上記に限られるものではない。例えば、特定の波長のみを透過させることができるバンドパスフィルタと輝度情報を取得できるセンサとの組み合わせによっても実施することができる。
酸洗に用いられる酸は、スケール層及び粒界酸化層の除去に通常用いられるものであれば特に限定されるものではない。使用される酸としては、例えば、塩酸、硝酸、リン酸、弗酸及び硫酸などの無機酸やシュウ酸及びクエン酸などの有機酸を適宜用いることができる。
当該表面状態判定方法におけるインヒビターとは、粒界酸化層が溶解した後の素地鋼板の溶解を抑制する作用を有する溶解抑制剤である。使用されるインヒビターとしては、例えば、第1級から第3級アミン、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素及びベンゾチアゾールなどを含有する各種公知のインヒビターを使用することができる。
当該表面状態判定方法における閾値とは、酸洗後の熱延鋼板の表面状態の良否を判断するための基準である。酸洗条件ごとに上記色調指標の閾値を設定することにより、酸洗条件にかかわらず一律に閾値を設定していた場合に比べ、実際の計測値に対し閾値を高めに設定できることにより鋼板の否判定の過検出を防止し、鋼板製品の歩留まりを向上することができる。
酸洗により熱延鋼板Sの表面のスケール層が酸洗液中の酸により溶解する。酸洗液中の酸によってスケール層が溶解すると、インヒビターの作用により地鉄が酸洗液中に溶解するのが抑制される。鉄イオン濃度が高いとインヒビターによる溶解抑制効果が薄れるように酸洗が促進される。最終的に酸洗液中の酸の作用により熱延鋼板Sの表面の粒界酸化層が除去される。
上記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
以下、色調指標の閾値を設定するための実験に基づき本発明を詳述するが、この実験の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
調製した酸洗液に熱延鋼板を浸漬した後、この鋼板を引き上げ、照射器から白色光を鋼板に照射し、その反射光を受光器で受光した。受光した反射光の色調指標を判定器で算出した。
No.2及びNo.3についても酸洗液成分の違い以外は、No.1と同様の手順で試験を行った。結果を表2及び図4に示す。
表2及び図4から酸洗液の酸洗条件が変化することによって、残存、除去直後及び過酸洗の各点で鋼板表面の色調が変化していることがわかる。
2 受光器
3 判定器
4 出力器
11 酸洗液
100 表面状態判定装置
A 酸洗槽
B ルーパ
C 冷間圧延装置
D 計測地点
S 熱延鋼板
Claims (4)
- 酸洗後の熱延鋼板における粒界酸化層の残存状態を判定する判定方法であって、
上記鋼板の表面に単波長でない光を照射する工程と、
上記鋼板の表面から発せられた上記照射の反射光を受光する工程と、
上記受光工程で得られた反射光に基づき上記残存状態を判定する工程と
を備え、
上記判定工程で、上記反射光の色調の指標である色調指標を算出し、上記熱延鋼板の酸洗条件ごとに設定された上記色調指標の閾値と算出した上記色調指標とを比較した結果から酸洗後の熱延鋼板における粒界酸化層の残存状態の良否を判定し、
上記色調指標が第1波長範囲の輝度の上記第1波長範囲とは異なる第2波長範囲の輝度に対する比率であり、
上記第1波長範囲が赤色光波長領域内又は青色光波長領域内であり、上記第2波長範囲が赤色光波長、緑色光波長及び青色光波長を含む残存状態判定方法。 - 上記酸洗条件が酸洗液中の酸濃度、インヒビター濃度及び鉄イオン濃度の組み合わせを含む請求項1に記載の残存状態判定方法。
- 上記酸洗に使用される酸洗液が、塩酸、硝酸、リン酸、弗酸及び硫酸よりなる群から選択される1種又は2種以上を含有する請求項1又は請求項2に記載の残存状態判定方法。
- 酸洗後の熱延鋼板における粒界酸化層の残存状態を判定する判定装置であって、
上記鋼板の表面に単波長でない光を照射する照射器と、
上記鋼板の表面から発せられた上記照射の反射光を受光する受光器と、
上記受光器で得られた反射光に基づき上記残存状態を判定する判定器と
を備え、
上記判定器が、上記反射光の色調の指標である色調指標を算出し、上記熱延鋼板の酸洗条件ごとに設定された上記色調指標の閾値と算出した上記色調指標とを比較した結果から酸洗後の熱延鋼板における粒界酸化層の残存状態の良否を判定し、
上記色調指標が第1波長範囲の輝度の上記第1波長範囲とは異なる第2波長範囲の輝度に対する比率であり、
上記第1波長範囲が赤色光波長領域内又は青色光波長領域内であり、上記第2波長範囲が赤色光波長、緑色光波長及び青色光波長を含む残存状態判定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019043437A JP7150640B2 (ja) | 2019-03-11 | 2019-03-11 | 残存状態判定方法及び残存状態判定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019043437A JP7150640B2 (ja) | 2019-03-11 | 2019-03-11 | 残存状態判定方法及び残存状態判定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020148471A JP2020148471A (ja) | 2020-09-17 |
JP7150640B2 true JP7150640B2 (ja) | 2022-10-11 |
Family
ID=72432233
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019043437A Active JP7150640B2 (ja) | 2019-03-11 | 2019-03-11 | 残存状態判定方法及び残存状態判定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7150640B2 (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006308308A (ja) | 2005-04-26 | 2006-11-09 | Univ Of Miyazaki | プラスチック表面診断方法およびプラスチック表面診断装置 |
JP2014174034A (ja) | 2013-03-11 | 2014-09-22 | Kurita Water Ind Ltd | 微細藻類の脂溶性成分含量の判断方法および微細藻類の培養方法 |
JP2014211414A (ja) | 2013-04-22 | 2014-11-13 | 新日鐵住金株式会社 | 表面状態判定装置、表面状態判定方法、表面状態判定システム及びプログラム |
JP2017083425A (ja) | 2016-07-19 | 2017-05-18 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 植物水分量評価装置及び植物水分量評価方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS51108636A (ja) * | 1975-03-11 | 1976-09-27 | Nippon Paint Co Ltd | Kinzokuseihinnosansenhoho |
JPS6046382A (ja) * | 1983-08-25 | 1985-03-13 | Kawasaki Steel Corp | ステンレス鋼の脱スケ−ル判定方法 |
JPS6236543A (ja) * | 1985-08-12 | 1987-02-17 | Kawasaki Steel Corp | 鋼板表面の清浄度測定方法 |
JP3475364B2 (ja) * | 1993-06-18 | 2003-12-08 | Jfeスチール株式会社 | 金属板の反射光輝度の受光角、方位角依存性測定方法及び装置 |
JPH09318766A (ja) * | 1996-05-27 | 1997-12-12 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 凍結検知システム |
-
2019
- 2019-03-11 JP JP2019043437A patent/JP7150640B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006308308A (ja) | 2005-04-26 | 2006-11-09 | Univ Of Miyazaki | プラスチック表面診断方法およびプラスチック表面診断装置 |
JP2014174034A (ja) | 2013-03-11 | 2014-09-22 | Kurita Water Ind Ltd | 微細藻類の脂溶性成分含量の判断方法および微細藻類の培養方法 |
JP2014211414A (ja) | 2013-04-22 | 2014-11-13 | 新日鐵住金株式会社 | 表面状態判定装置、表面状態判定方法、表面状態判定システム及びプログラム |
JP2017083425A (ja) | 2016-07-19 | 2017-05-18 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 植物水分量評価装置及び植物水分量評価方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020148471A (ja) | 2020-09-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6179680B1 (ja) | 表面状態監視装置及び表面状態監視方法 | |
RU2451772C2 (ru) | Установка и способ непрерывного травления стальных полос | |
JP7150640B2 (ja) | 残存状態判定方法及び残存状態判定装置 | |
JP2018146567A (ja) | 表面性状検査方法 | |
JP2017062181A (ja) | 表面疵検査装置及び表面疵検査方法 | |
KR101862310B1 (ko) | 얼룩결함 검사장치 및 얼룩결함 검사방법 | |
JP5904304B2 (ja) | 金属の欠陥検出方法 | |
WO2010004914A1 (ja) | 致命傷の検出方法 | |
KR101913413B1 (ko) | 열간 압연롤성 결함 검출방법 | |
Spinola et al. | Image processing for surface quality control in stainless steel production lines | |
JP5949690B2 (ja) | 評価方法及び評価装置 | |
CN114998354A (zh) | 基于图形滤波的钢带辊印检测方法 | |
JP6431643B1 (ja) | 金属板の表面欠陥検査方法および表面欠陥検査装置 | |
CN109055946B (zh) | 碳素钢和低合金钢切割面氧化层酸洗液及酸洗方法 | |
KR102407419B1 (ko) | 강판의 잔류 스케일 예측 시스템 | |
JPH0688794A (ja) | 脱スケ−ル,酸洗ステンレス鋼材の品質管理システム | |
JP2005211975A (ja) | ステンレス冷延鋼板の製造方法 | |
TWI609352B (zh) | 紙式檢測裝置之顏色辨識方法 | |
CN112864034B (zh) | 铝腐蚀的处理方法及系统 | |
JPS59107027A (ja) | 表面光沢に優れたフエライト系ステンレス鋼板の製造方法 | |
JP2006317274A (ja) | ステンレス鋼板の表面検査方法およびステンレス鋼板用表面検査装置 | |
JP2001066262A (ja) | 表面疵マーキング装置およびマーキング付き金属帯ならびにその製造方法 | |
JP2019054132A (ja) | 半導体ウェーハの評価方法 | |
JPS58172504A (ja) | 表面性状測定方法 | |
JP4559254B2 (ja) | 鋼材の白点性欠陥の評価方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211026 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220615 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220621 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220816 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220927 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220928 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7150640 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |