JP7150294B2 - 射出成形容器 - Google Patents
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Description
このようなチューブ容器としては、所望形状の容器を容易に形成することができる等の点から、押出成形により製造されている。
しかしながら、特許文献1に記載の容器などの従来の容器は、実用に供する程度の射出成形性および耐ストクラ性が十分ではなかった。
本発明の構成例は以下のとおりである。
JIS K 7210に従い、190℃、21.18N荷重の条件下で測定されるメルトフローレートが0.5~5g/10分の範囲である、低密度ポリエチレン(B)35~90重量%(但し、ポリエチレン(A)および(B)の合計を100重量%とする。)と
を含む、射出成形容器。
[3] 前記ポリエチレン(B)のJIS K 7162に従い測定される引張弾性率が150~450MPaである、[1]または[2]に記載の射出成形容器。
前記頭部と胴部とが一体成形された射出成形チューブ容器である、[1]~[5]のいずれかに記載の射出成形容器。
[8]前記胴部の長さが10cm以上である、[6]または[7]に記載の射出成形容器。
本発明に係る射出成形容器(以下「本容器」ともいう。)は、JIS K 6922-1に従い、190℃、21.18N荷重の条件下で測定されるメルトフローレートが70~150g/10分である、低密度ポリエチレン(A)(以下「成分(A)」ともいう。)10~65重量%と、JIS K 7210に従い、190℃、21.18N荷重の条件下で測定されるメルトフローレートが0.5~5g/10分の範囲である、低密度ポリエチレン(B)(以下「成分(B)」ともいう。)35~90重量%(但し、成分(A)および(B)の合計を100重量%とする。)とを含む。
このように、MFRが特定の範囲にある2種類の低密度ポリエチレンを特定量で用いることで初めて、前記効果を奏する容器を得ることができる。
該射出成形チューブ容器は、通常、図1に示すように、肩部3および口部1からなる頭部と、該肩部3と連接した胴部2とを備えるチューブ容器である。
前記成分(A)~(B)を特定量で用いる、特に前記成分(A)を用いることで、このような厚さの射出成形チューブ容器を容易に形成することができ、また、胴部がこのような厚さであっても、柔軟性および耐ストクラ性に優れる射出成形チューブ容器を容易に得ることができる。
前記成分(A)~(B)を特定量で用いる、特に前記成分(A)を用いることで、このような長さの射出成形チューブ容器を容易に形成することができ、また、胴部がこのような長さであっても、柔軟性および耐ストクラ性に優れる射出成形チューブ容器を容易に得ることができる。
本容器は、JIS K 6922-1に従い測定されるメルトフローレート(190℃、21.18N)が70~150g/10分である低密度ポリエチレン(A)を含むことを特徴とする。
このような高MFRの低密度ポリエチレンを用いることで、射出成形性に優れ、胴部の厚みや長さが前記範囲にありながらも、柔軟性および耐ストクラ性に優れる射出成形チューブ容器を容易に得ることができる。
本容器に含まれる成分(A)は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
MFRが前記範囲にあると、射出成形性に優れる組成物が得られるため好ましい。具体的には、射出成形容器を作成する際の樹脂充填性が向上するため、所望形状の容器をより容易に形成することができ、成形条件の選択肢が増え、射出成形容器を作成する際の金型への負荷を低減することができる。
なお、合成の際に、エチレンとともに少量の酢酸ビニル、エチレンアクリレート等を用いた共重合体としてもよい。また、MFRは分子量調節剤である水素やメタン、エタン等の炭化水素を用いることによって調節することができる。
より具体的には、従来公知の方法で、前記バイオマスから得られる糖液やデンプンを、酵母等の微生物により発酵させてバイオエタノールを製造し、これを触媒存在下で加熱し、分子内脱水反応等により得られたエチレンおよび必要によりα-オレフィン(例:1-ブテン、1-ヘキセン)等をモノマーとして用い、化石燃料由来の低密度ポリエチレンの合成と同様に、慣用の触媒の存在下で(共)重合させることにより得られる、低密度ポリエチレンが挙げられる。共重合体としては、バイオマス由来のα-オレフィンの他に、低密度ポリエチレンの合成において一般に用いられる化石燃料由来のコモノマーを用いたものであってもよい。
柔軟性、射出成形性および耐ストクラ性により優れる容器を容易に得ることができる等の点から、成分(A)の含有量の下限は、好ましくは20重量%、より好ましくは30重量%、さらに好ましくは40重量%、特に好ましくは45重量%であり、成分(A)の含有量の上限は、好ましくは60重量%、より好ましくは55重量%である。
本容器は、JIS K 7210に従い測定されるMFR(190℃、21.18N)が0.5~5g/10分である低密度ポリエチレン(B)を含むことを特徴とする。
このような低MFRの低密度ポリエチレンを用いることで、柔軟性および耐ストクラ性に優れる容器を得ることができる。
本容器に含まれる成分(B)は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
バイオマス由来の成分(B)は、前述の方法等で合成して得てもよく、市販品を用いてもよい。
柔軟性、射出成形性および耐ストクラ性により優れる容器を容易に得ることができる等の点から、成分(B)の含有量の上限は、好ましくは80重量%、より好ましくは70重量%、さらに好ましくは60重量%、特に好ましくは55重量%であり、成分(B)の含有量の下限は、好ましくは40重量%、より好ましくは45重量%である。
本容器は、必要に応じて、前記成分(A)~(B)以外の他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で含んでいてもよい。
本容器は、これらの他の成分を、それぞれ1種単独で含んでもよく、2種以上を含んでもよい。
なお、用途により、また、意匠性などの点から、着色した容器が要求される場合があるが、この場合には、従来公知の着色剤を用いればよい。着色剤を含まない本容器は、内容物を視認可能とすることもできるし、着色剤により、所望の色に容易に着色することもできる。
本容器は、前記成分(A)~(B)および必要により前記他の成分を混合し、組成物を形成した後、または、組成物を形成しながら、該組成物を射出成形することで製造することが好ましい。
このような条件下で、前記形状の容器を射出成形できるということは、実用に供する程度の射出成形性を有するといえる。なお、前記組成物のMFRが1.0g/10分以上であれば、このような条件下で、前記形状の容器を射出成形できる。
本容器は、このような射出成形条件下でも、前記形状を有し、しかも、耐ストクラ性に優れるチューブ容器を容易に得ることができる。
一体成形することによって、前記頭部と胴部とを組み合わせる工程を省略することができ、複雑で煩雑な工程が不要で、コストを低減することができるとともに、異物が付着したり、前記頭部と胴部との溶着強度が低下するなどの品質低下が起こり難いため好ましい。
具体的には、口部、肩部および胴部を一体に形成可能な射出成形金型を用い、前記組成物を射出することで、一体成形された射出成形チューブ容器を得ることができる。
溶着方法としては、ホットエアー、超音波溶着、熱シール等の従来公知の溶着方法を制限なく採用することができる。
・LDPE1:密度(JIS K 6922-1);915kg/m3、MFR(JIS K 6922-1、190℃、21.18N);145g/10min、曲げ弾性率(JIS K 6922-2);90MPa
・LDPE2:密度(JIS K 7112);919kg/m3、MFR(JIS K 7210、190℃、21.18N);0.7g/10min、引張弾性率(JIS K 7162);215MPa
表1に記載の原料を表1に示す量で射出成形機に投入し、図1に示すようなチューブ容器を成形できる、口部、肩部および胴部を一体に形成可能な射出成形金型を用い、胴部の厚さが0.7mmであり、長さが14.5cmであるチューブ容器が得られるように、射出速度および射出温度(シリンダ温度)を調節して射出成形し、胴部の頭部側とは反対側の端を350℃で溶着することにより前記頭部と胴部とが一体成形された射出成形チューブ容器を得た。
なお、前記射出速度およびシリンダ温度は、それぞれ、10mm/sおよび10℃ずつ変化させていき、前記形状のチューブ容器を得ることができる、最低の射出速度およびシリンダ温度を記録した。結果を表1に示す。
チューブ容器の原料として、LDPE2のみを用いた場合(比較例2)、該原料の流動性が悪く、前記形状のチューブ容器を得ることはできなかった。
実施例および比較例で用いた原料(組成物)のMFRを、JIS K 7210に基づいて、190℃および荷重21.18Nの条件で測定した。結果を表1に示す。
前記チューブ容器を形成する際に、金型を約0.6秒で満たすのに必要な樹脂充填圧力(シリンダ内樹脂圧力)を、射出成形機内の圧力センサを用いて測定した。結果を表1に示す。
実施例および比較例で用いた原料(組成物)を、工業的にチューブ容器を成形する条件として最適な条件である、射出速度:50mm/s、および射出温度(シリンダ温度):230℃の条件で、厚さが0.7mmであり、長さが14.5cmであるチューブが得られるように射出成形した。
この際に、得られたチューブの長さが14.5cmに達した場合を「無し」(ショートショットの発生がない)と表記し、得られたチューブの長さが14.5cmに達しなかった場合を「有り」(ショートショットの発生がある)と表記した。結果を表1に示す。
得られたチューブ容器を用い、本発明に関係のない被検者10人によるスクイズ試験を行った。
具体的には、得られたチューブ容器を、内容物を押し出すように押しつぶした時に、押しつぶすことが容易か否かを被検者10人に判断してもらった。
実施例1~7および比較例1~5で得られたチューブ容器を用いた場合には、10人の被験者全てが押しつぶすことが容易であると感じた(「可」とも評価する。)。
実施例および比較例で得られたチューブ容器内に1%塩化ベンザルコニウム水溶液200mlを入れ、キャップをした後、2週間キャップを上にして、恒温槽(40℃、90%RH)中に立てた後、恒温槽から取り出して、チューブ容器の割れを目視に手確認した。10本のチューブ容器を用いて試験し、以下の評価基準に基づいて評価した。結果を表1に示す。
S:10本のチューブ容器のいずれにも割れは確認されなかった。
A:1~2本のチューブ容器に割れが確認された。
B:3~6本のチューブ容器に割れが確認された。
C:7~9本のチューブ容器に割れが確認された。
D:10本のチューブ容器の全てが割れた。
2:胴部
3:肩部
Claims (6)
- JIS K 6922-1に従い、190℃、21.18N荷重の条件下で測定されるメルトフローレートが70~150g/10分である、低密度ポリエチレン(A)10~65重量%と、
JIS K 7210に従い、190℃、21.18N荷重の条件下で測定されるメルトフローレートが0.5~5g/10分の範囲である、低密度ポリエチレン(B)35~90重量%(但し、ポリエチレン(A)および(B)の合計を100重量%とする。)と
を含む組成物から形成された射出成形容器であって、
前記組成物の、JIS K 7210(190℃、21.18N荷重)に基づいて測定したMFRが、1~50g/10分であり、
前記容器が、口部および肩部からなる頭部と、前記肩部と連接した胴部とを備えるチューブ容器であって、前記胴部の厚さが1.0mm以下である、
射出成形容器。 - 前記ポリエチレン(A)のJIS K 6922-2に従い測定される曲げ弾性率が50~200MPaである、請求項1に記載の射出成形容器。
- 前記ポリエチレン(B)のJIS K 7162に従い測定される引張弾性率が150~450MPaである、請求項1または2に記載の射出成形容器。
- 前記ポリエチレン(A)またはポリエチレン(B)が、バイオマス由来の低密度ポリエチレンである、請求項1~3のいずれか1項に記載の射出成形容器。
- 前記容器が、口部および肩部からなる頭部と、前記肩部と連接した胴部とを備えるチューブ容器であって、
前記頭部と胴部とが一体成形された射出成形チューブ容器である、請求項1~4のいずれか1項に記載の射出成形容器。 - 前記胴部の長さが10cm以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の射出成形容器。
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