JP7149829B2 - 車体構造 - Google Patents

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本発明は、自動車等の車両に適用される車体構造に関する。
従来、自動車等の車両の側面が対象物に衝突した場合、例えば、車両が路上の支柱等に側面衝突する所謂ポール衝突が生じた場合に、車体側部に設けた荷重伝達部材により衝突荷重を他の車体構造物に伝達・分散して、乗員を保護したり、車両に搭載したバッテリモジュールの破損を防止したりする車体構造が開発されている。
車両の側面衝突を考慮した車体構造として、例えば特許文献1には、車体の側部に、側面衝突時の衝突荷重を伝達するための荷重伝達部材であるアウトリガを設けた構造が記載されている。
この車体構造は、車体前後方向に延びる一対のフレーム部材と、一対のフレーム部材の間を車幅方向に延びる複数のクロスメンバと、一対のフレーム部材の車幅方向外側で車体前後方向に延びる一対のサイドシルと、フレーム部材とサイドシルとの間に複数配置されたアウトリガとを備えている。クロスメンバは、それぞれ、両端が一対のフレーム部材に連結されている。アウトリガは車幅方向に延びる板状の部材であって、各クロスメンバの車幅方向の両側にそれぞれ配置され、クロスメンバの延長線上に延びている。アウトリガの両端は、それぞれ、側部フレームとサイドシルとに結合されている。この車体構造では、アウトリガを介して車体側部のサイドシルに入力された衝突荷重をクロスメンバに伝達することができる。
特開2004-276904号公報
特許文献1に記載の車体構造では、衝突対象物がアウトリガと車幅方向で対向する位置に衝突した場合に、衝突荷重をアウトリガの長さ方向(すなわち、車幅方向)に沿って、その延長線上にあるクロスメンバに伝達することができ、高いエネルギー吸収効率を得ることができる。
しかしながら、車体前後方向に間隔をあけて並ぶ2つのアウトリガの間に衝突対象物が衝突した場合、前後方向で荷重入力位置とアウトリガの配置位置とがずれているため、クロスメンバへの荷重伝達が十分になされずにエネルギー吸収効率が低下し、乗員への負荷が大きくなってしまう。また、かかる事態を回避するために、クロスメンバやアウトリガの数量を増加させると、車体重量が増加してしまうという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、車両の側面衝突に関し、車体の重量増加を抑えながら、車体前後方向の広範囲で高いエネルギー吸収効率を得ることができる車体構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車幅方向に間隔をあけて配置され、車体前後方向に延びる一対のフレーム部材と、前記一対のフレーム部材に両端部が連結され、車幅方向に延びる複数のクロスメンバと、前記フレーム部材に固定された荷重伝達部材と、を備えた車体構造において、前記荷重伝達部材は、前記フレーム部材から車幅方向外側に突出して車体前後方向に延び、車体前後方向に間隔をあけて並ぶ前記複数のクロスメンバの前記フレーム部材への連結部に及ぶように設置されており、その表面に、前記複数のクロスメンバのそれぞれに対応して形成された第1の荷重伝達稜線部と、車体前後方向で隣り合う第1の荷重伝達稜線部の間に形成された第2の荷重伝達稜線部とを有し、前記第1の荷重伝達稜線部は、上面視で、車幅方向内側から外側へ向かうにつれて互いに離間する一対の直線状に形成され、車幅方向内側の内端部が、対応するクロスメンバと前記フレーム部材との連結部に該フレーム部材を介して又は介さずに突合せられており、前記第2の荷重伝達稜線部は、上面視で、車幅方向外側に向かって凸となる略円弧状であって、その両端部が、前記第1の荷重伝達稜線部の前記内端部と重なることを特徴とする。
この構成によれば、車体前後方向に延びる荷重伝達部材のいずれの箇所から衝突荷重が入力されても、この荷重を第1の荷重伝達稜線部及び/又は第2の荷重伝達稜線部を介してクロスメンバに伝達することができる。これにより、側面衝突に対し、車体前後方向の広範囲で高いエネルギー吸収効率を得ることができる。また、荷重伝達部材の表面に第1及び第2の荷重伝達稜線部を形成することにより衝突荷重を適切に伝達することができるので、車体構造全体の重量増加を抑えることができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車体構造において、前記第2の荷重伝達稜線部の車幅方向最外側の頂部は、前記第1の荷重伝達稜線部の車幅方向外側の外端部よりも車幅方向内側に位置することを特徴とする。
この構成によれば、車体前後方向で隣り合う第1の荷重伝達稜線部の間に入力された衝突荷重を第2の荷重伝達稜線部を介して2つのクロスメンバに伝達することができるため、高いエネルギー吸収効率を得ることができる。
また、請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の車体構造において、前記フレーム部材の閉断面内に配置された複数の壁部材を備え、前記第1の荷重伝達稜線部の前記内端部は、それぞれ、上面視で、対応するクロスメンバと前記フレーム部材との連結部と該フレーム部材を介して突合せられており、前記複数の壁部材は、それぞれ、上面視で、前記連結部と前記第1の荷重伝達稜線部の前記内端部とを繋ぐように車幅方向に延びていることを特徴とする。
この構成によれば、荷重伝達部材からフレーム部材を介してクロスメンバに伝達される衝突荷重を、フレーム部材内の壁部材を介して効率よく荷重伝達部材からクロスメンバへ伝達することができる。
また、請求項4に記載の発明では、請求項1~3のいずれか1項に記載の車体構造において前記荷重伝達部材は、閉断面を有することを特徴とする。
この構成によれば、側面衝突時に荷重伝達部材の変形を抑えて、荷重伝達部材に入力された衝突荷重を適切にクロスメンバに伝達することができる。
本発明に係る車体構造によれば、車両の側面衝突に関し、車体の重量増加を抑えながら、車体前後方向の広範囲で高いエネルギー吸収効率を得ることができる。
本発明の一実施形態である車体構造を示す斜視図。 車体構造の上面図。 図2のA-A線に沿う断面図。 図1のB-B線に沿う断面図。 (a)は図1のC-C線に沿う端面図、(b)は図1のD-D線に沿う端面図。 本発明に係る車体構造の別の実施形態を示す上面図。 本発明に係る車体構造のさらに別の実施形態を示す上面図。
図1は本発明の一実施形態である車体構造を示す斜視図であり、図2は車体構造の上面図であり、図3は図2のA-A線に沿う断面図である。本発明に係る車体構造10は自動車等の車両に適用され、本実施形態では、バッテリモジュールBTを搭載するバッテリ収容構造体20を備えた電気自動車に適用する車体構造10について説明する。なお、図1及び図2では、バッテリ収容構造体20と、これに固定される荷重伝達部材30とを記載し、図3に示すその他の車体構造物の記載を省略している。さらに、図1ではバッテリモジュールBTの記載を省略している。
各図において、矢印Frは車体前方側を示し、矢印Rrは車体後方側を示している。また、矢印Lは車体左方側を示し、矢印Rは車体右方側を示している。また、矢印Uは車体上方側を示し、矢印Dは車体下方側を示している。車体構造10は、自動車の車幅方向の中心を通って車両前後方向へ延びる中心線に対し、実質的に左右対称に構成されており、図示例では、車体構造10の左側部のみを示している。
車体構造10において、バッテリ収容構造体20は、車体前後方向に延びる左右一対のバッテリ用サイドフレーム(フレーム部材)22と、底部パネル21と、複数の下部クロスメンバ(クロスメンバ)24と、複数の上部クロスメンバ26と、バッテリモジュールBTとを備える。以下の説明では、バッテリ用サイドフレーム22を単に「サイドフレーム22」と称する。荷重伝達部材30は、サイドフレーム22に固定され、このサイドフレーム22から車幅方向外側に突出して車体前後方向(以下、単に「前後方向」とも称する)に延びている。この荷重伝達部材30は、表面に、直線状に延びる第1の荷重伝達稜線部と、略円弧状に延びる第2の荷重伝達稜線部とを有している。第1及び第2の荷重伝達稜線部は、後述するように、パネル部材を屈曲させた屈曲部により構成され、衝突荷重を伝達可能な線状に形成されている。
一対のサイドフレーム22は、車幅方向に間隔をあけて車体の左右に配置され、前後方向にほぼ平行に延びている。図3に示すように、サイドフレーム22は、断面が四角形の筒状の構造体であって、車幅方向内側に位置する内壁22aと、車幅方向外側に位置する外壁22bと、内壁22a及び外壁22bの上端を繋ぐ上壁22cと、内壁22a及び外壁22bの下端を繋ぐ底壁22dとを有する。
本実施形態では、サイドフレーム22が、内壁22a及び上壁22cを形成する断面略L字状の上部フレームパネル51と、外壁22b及び底壁22dを形成する断面略L字状の下部フレームパネル53とを有し、上部フレームパネル51及び下部フレームパネル53の両側縁部のフランジ部52,54を互いに接合することで閉断面が形成されている。
サイドフレーム22の内部には、閉断面の少なくとも一部を閉塞するように車幅方向に延びる壁部材23が配置されている。壁部材23の一端23aは、サイドフレーム22の内壁22aの内面と当接し、他端23bはサイドフレーム22の外壁22bの内面と当接している。図2に示すように、壁部材23は、各上部クロスメンバ26の前壁26a及び後壁26bの延長線上に位置するように、サイドフレーム22内に複数配置される。
底部パネル21は、略平面状のパネル部材によって形成されたバッテリモジュールBTを搭載する床面部であり、一対のサイドフレーム22の間に架設され、車体前後方向に略水平に延びている。
下部クロスメンバ24は、底部パネル21の上面に取付けられ、一対のサイドフレーム22の間を車幅方向に延びており、図1及び図2に示すように、車体前後方向に間隔をあけて複数配置されている。下部クロスメンバ24の車幅方向の両端部は、左右のサイドフレーム22の内壁22aに連結されている。図4に示すように、下部クロスメンバ24は、下方が開口した断面ハット状のパネルで形成されており、車体前方側に位置する前壁24aと、車体後方側に位置する後壁24bと、前壁24a及び後壁24bの上端を繋ぐ上壁24cと、底部パネル21に接合されるフランジ部24dとを有する。
上部クロスメンバ26は、各下部クロスメンバ24の上方にそれぞれ設置される。上部クロスメンバ26は、図1及び図2に示すように、一対のサイドフレーム22の間を車幅方向に延びており、その両端部が左右のサイドフレーム22の内壁22aに連結されている。
図4に示すように、本実施形態の上部クロスメンバ26は、断面四角形状であって、車体前方側に位置する前壁26aと、車体後方側に位置する後壁26bと、前壁26a及び後壁部26bの上端を繋ぐ上壁26cと、前壁26a及び後壁26bの下端を繋ぐ底壁26dとを有する。上部クロスメンバ24は、さらに、底壁26dから下方へ突出する円筒状の脚部25を有し、この脚部25は、上部クロスメンバ26の長さ方向に間隔をあけて複数設けられている。各脚部25は下部クロスメンバ24の上壁24cに固定されている。
バッテリモジュールBTは、電気自動車の動力源となるバッテリを内部に収納した筐体であり、本実施形態では、前後方向に間隔をあけて並ぶ複数の上部クロスメンバ24及び下部クロスメンバ26の間にそれぞれ配置されている。
車体構造10は、さらに、図3に示すように、前後方向に延びる左右一対のサイドシル14と、一対のサイドシル14に架設されたフロアパネル15と、一対のサイドシル14の間を車幅方向に延びるシートクロスメンバ16と、一対のサイドシル14よりも車幅方向内側で前後方向に延びる左右一対のフロア用サイドフレーム12とを備える。
一対のサイドシル14は、フロアパネル15の下部の車幅方向両側に位置して、前後方向に延びている。サイドシル14は、断面ハット状のインナパネル71及びアウタパネル73のそれぞれのフランジ部72,74を互いに接合することで閉断面を形成した筒状の構造体である。
フロアパネル15は、鋼板をプレス加工して形成された車両の床面部であり、バッテリ収容構造体20の上方にこれを覆うように配置され、車体前後方向に略水平に延びている。
シートクロスメンバ16は、フロアパネル15の上方に配置される。なお、図3では1つのシートクロスメンバ16のみを記載しているが、シートクロスメンバ16は前後方向に間隔をあけて複数設置される。シートクロスメンバ16は略四角形状の閉断面を有し、各シートクロスメンバ16の両端部は、サイドシル14のインナパネル71に連結されている。
一対のフロア用サイドフレーム12は、フロアパネル15の下部に取付けられており、一対のサイドシル14よりも車幅方向内側で車幅方向に間隔をあけて配置されている。サイドフレーム12は断面ハット状であって、フランジ部をフロアパネル15の下面に接合することで、実質的に閉断面を構成するように形成されている。フロア用サイドフレーム12の底壁12aは、サイドフレーム22の上壁22cと面接触した状態で、この上壁22cにロングボルト等の固定手段62を用いて固定されている。
荷重伝達部材30は、サイドフレーム22とサイドシル14との間に配置されており、図3に示すように、荷重伝達部材30の車幅方向内側の側縁部は、固定手段62によりサイドフレーム22の下面に固定され、車幅方向外側の側縁部は、ロングボルト等の固定手段66によりサイドシル14の下面に固定されている。さらに、荷重伝達部材30の上方には、サイドフレーム22とサイドシル14とを連結する連結部材29が配置されている。連結部材29は、断面L字状であって車体前後方向に延びており、L字状の一辺がサイドシル14のインナパネル71に接合され、L字状のもう一辺が、固定手段64によりサイドフレーム22のフランジ部53,54に固定されている。なお、図1及び図2では、連結部材29と、固定手段62,64,66であるロングボルトの記載を省略しており、これらロングボルトが挿入される各部材の貫通孔のみを記載し、固定手段62,64,66の位置を仮想線で示している。
図2に示すように、荷重伝達部材30は、サイドフレーム22から車幅方向外側に突出し、車体前後方向に延びており、さらに、前後方向に間隔をあけて並ぶ複数の下部クロスメンバ24及び複数の上部クロスメンバ26のサイドフレーム22への連結部24e,26eに及ぶように設置されている。本実施形態では、下部クロスメンバ24及び上部クロスメンバ26がそれぞれ前後方向に3つ並んでいるが、各クロスメンバ24,26の数は2つ以上であればよい。荷重伝達部材30はバッテリ収容構造体20の前後方向の全域に亘って延びていることが好ましい。
図1及び図2に示すように、荷重伝達部材30は、上面視で、車幅方向外側で車体前後方向に直線状に延びる外側縁30aと、車幅方向内側で車体前後方向に延びる内側縁30bと、外側縁30aと内側縁30bの前端を結ぶ前側縁30cと、外側縁30aと内側縁30bの後端を結ぶ後側縁30dとによって囲まれた比較的薄厚の部材である。内側縁30bには、車幅方向外側に凸となる略円弧状の切欠き部6が車体前後方向に複数(図示例では2つ)形成されており、この切欠き部6の間の突出部は、図3に示すように、固定手段62によりサイドフレーム22の底壁22dに固定される薄厚の固定部35を形成している。
本実施形態の荷重伝達部材30は、下部パネル31と上部パネル32とを有し、上部パネル32は、各下部クロスメンバ24に対応するように複数配置されている。
下部パネル31は、荷重伝達部材30の外側縁30a、内側縁30b、前側縁30c及び後側縁30dを形成する凹凸の少ない略平板状のパネル部材であり、パネル内に、このパネル部材の屈曲部である円弧状の稜線部5を有する。以下、この稜線部5を円弧状稜線部5と称する。
円弧状稜線部5は、切欠き部6とともに二重の円弧を形成するように切欠き部6の径方向外側に間隔をあけて形成されている。円弧状稜線部5は衝突荷重を伝達する円弧状の第2の荷重伝達稜線部を構成している。
各上部パネル32は、図1及び図5(a)(b)に示すように、下部パネル31の上面に接合され、下部パネル31とともに閉断面を形成するように凹凸状に屈曲している。具体的には、図5に示すように、上部パネル32は車体前方側から後方側に向かって順に、下部パネル31に接合されるフランジ部33a、フランジ部33aから上方に立ち上がる第1壁部32a、第1壁部32aの上端から屈曲して車体後方へ延びる第1頂面部32b、第1頂面部32bの後方端から屈曲して下方へ延びる第2壁部32c、第2壁部32の下端から屈曲して車体後方へ略水平に延びて下部パネル31に接合される底面部32d、底面部32dの後方端から上方へ立ち上がる第3壁部32e、第3壁部32eの上端から屈曲して車体後方へ延びる第2頂面部32f、第2頂面部32fの後方端から屈曲して下方へ延びる第4壁部32g、及び、第4壁部32gから屈曲して下部パネル31に接合されるフランジ部33bを有している。
図3及び図5(a)(b)に示すように、下部パネル31及び上部パネル32によって形成される閉断面は、車幅方向外側から内側に向かうにつれて断面積が広くなるように形成されることが好ましい。本実施形態では、車幅方向外側より内側の方が閉断面の高さが大きくなっている。
図1及び図2に示すように、上部パネル32の第1壁部32a及び第1頂面部32bの間の屈曲部と、第4壁部32g及び第2頂面部32fの間の屈曲部とは、上面視で、車幅方向内側から外側へ向かうにつれて互いに離間する一対の直線状の稜線部1A,1Bを形成している。以下、この稜線部1A,1Bを第1の直線状稜線部1A,1Bと称する。この第1の直線状稜線部1A,1Bは衝突荷重を伝達する第1の荷重伝達稜線部を構成している。
さらに、本実施形態では、図1、図2及び図5に示すように、上部パネル32の第1頂面部32b及び第2壁部32cの間の屈曲部と、第2頂面部32f及び第3壁部32eの間の屈曲部とが、上面視で、車幅方向内側から外側へ向かうにつれて互いに離間する一対の直線状の稜線部3A,3Bを形成している。以下、この稜線部3A,3Bを第2の直線状稜線部3A,3Bと称する。この第2の直線状稜線部3A,3Bは、自動車の側面衝突時に衝突荷重を上部クロスメンバ26に伝達する稜線を構成している。
次に、第1の荷重伝達稜線部である第1の直線状稜線部1A,1Bと、第2の荷重伝達稜線部である円弧状稜線部5との位置関係について説明する。
図2に示すように、上面視で、円弧状稜線部5の両端部5cは、車体前後方向で隣り合う第1の直線状稜線部1A,1Bの車幅方向内側の内端部1c(すなわち、車体前方の第1の直線状稜線部1Bと車体後方の第1の直線状稜線部1Aのそれぞれの内端部1c)と重なっている。
また、上面視で、円弧状稜線部5の車幅方向最外側の頂部5aは、第1の直線状稜線部1A,1Bの車幅方向外側の外端部1dよりも車幅方向内側に位置している。
次に、第1の荷重伝達稜線部及び第2の荷重伝達稜線部と、下部クロスメンバ24との位置関係について説明する。
図2に示すように、一対の第1の直線状稜線部1A,1Bのそれぞれ内端部1cは、上面視で、下部クロスメンバ24の前壁24a及び後壁24bのそれぞれのサイドフレーム22への連結部24eと、サイドフレーム22を介して(すなわち、上面視でサイドフレーム22の分だけ間をあけて)突き合わせられている。
また、上面視で、円弧状稜線部5の両端部5cは、下部クロスメンバ24の後壁24b及びこれと隣り合う下部クロスメンバ24の前壁24aのそれぞれのサイドフレーム22への連結部24eに、サイドフレーム22を介さずに(すなわち、上面視で連結部24eと両端部5cとが連続するように)突き合せられている。
また、一対の第2の直線状稜線部3A,3Bのそれぞれ車幅方向内側の内端部3cは、上面視で、上部クロスメンバ26の前壁26a及び後壁26bのそれぞれのサイドフレーム22への連結部26eとサイドフレーム22を介して(すなわち、上面視でサイドフレーム22の分だけ間をあけて)突き合わせられている。サイドフレーム22内の壁部材23は、上面視で、連結部26eと内端部1cとを繋ぐように車幅方向に延びている。
次に、上述した車体構造10の作用・効果について説明する。
車体構造10を備えた自動車が側面衝突して左側から衝突荷重を受ける、すなわち、図示例のサイドシル14及び荷重伝達部材30の外側縁30aに車幅方向内側への衝突荷重が入力されると、衝突荷重は荷重伝達部材30を介してサイドフレーム22に伝達される。
この際、衝突対象物が、下部クロスメンバ24及び上部クロスメンバ26の端部と車幅方向で対向する位置に衝突すると、荷重伝達部材30が衝突荷重により破壊・変形するとともに、衝突方向である車幅方向に沿って下部クロスメンバ24及び上部クロスメンバ26に衝突荷重が伝達される。これにより、非衝突側である自動車の右側部へ荷重を伝えてエネルギーを吸収することができ、高いエネルギー吸収効率を得ることができる。また、衝突時に荷重伝達部材30を破壊・変形させることで、衝突ストロークを確保することができる。その結果、乗員への負荷を低減するとともに、バッテリモジュールBTの破壊を防止することができる。
さらに、本実施形態では、第2の直線状稜線部3A,3Bに沿って衝突荷重を上部クロスメンバ26の前壁26a及び後壁26bに伝達することができるため、エネルギー吸収効率がより向上させることができ、さらに、サイドフレーム22内に壁部材23を配置することで、第2の直線状稜線部3A,3Bから上部クロスメンバ26への荷重伝達効率をより向上させることができる。
一方、衝突対象物が、前後方向で隣り合う下部クロスメンバ24及び上部クロスメンバ26の間に衝突した場合、荷重伝達部材30が衝突荷重により破壊・変形するとともに、これらのクロスメンバの間に位置する、車体前方側の第1の直線状稜線部1Bに沿って衝突荷重を車体前方側の下部クロスメンバ24の後壁24bに伝達することができ、車体後方側の第1の直線状稜線部1Aに沿って衝突荷重を車体後方側の下部クロスメンバ24の前壁24aに伝達することができる。これにより、前後方向で荷重入力位置と下部クロスメンバ24及び上部クロスメンバ26の配置位置とがずれていたとしても、高いエネルギー吸収効率を得ることができる。また、衝突時に荷重伝達部材30を破壊・変形させることで、衝突ストロークを確保することができる。その結果、乗員への負荷を低減するとともに、バッテリモジュールBTの破壊を防止することができる。
さらに、円弧状稜線部5に衝突荷重が入力されることにより、円弧状稜線部5に沿って衝突荷重を前後方向に並ぶ2つの下部クロスメンバ24及び2つの上部クロスメンバ26に伝達することで、エネルギー吸収効率をより向上させることができる。また、荷重を複数に分散させる構成とすることで、荷重伝達部材30自体の質量増加を抑えて、軽量化を図ることができる。さらに、荷重伝達部材30に切欠き部6を形成することで、より軽量化を図ることができる。
また、第1及び第2の直線状稜線部1A,1B及び3A,3Bの形成部において、荷重伝達部材30が閉断面を有することにより、潰れを抑制して衝突荷重を適切に下部クロスメンバ24及び上部クロスメンバ26に伝達させることができる。また、この閉断面は、車幅方向外側から内側に向かって面積が大きくなっているので、閉断面の面積が小さく潰れやすい車幅方向外側から内側へ順に潰すことができる。また、荷重伝達部材30において閉断面が形成されていない部位では、荷重伝達部材30の破壊を促して衝突ストロークを確保することできる。
次に、図6及び図7を用いて、本発明に係る車体構造10の別の実施形態について説明する。
図6に示す実施形態の車体構造10では、一対のサイドフレーム22の間に、車幅方向に延びる複数の下部クロスメンバ24が架設されており、上部クロスメンバ26は架設されていない。また、荷重伝達部材30は、1枚のパネル34で形成されており、閉断面を有していない。荷重伝達部材30の表面には、パネル34を屈曲して形成された、一対の直線状稜線部2A,2B及び円弧状稜線部7が形成されている。円弧状稜線部7は、荷重伝達部材30の内側縁30bに沿って形成されている。一対の直線状稜線部2A、2Bは、各下部クロスメンバ24に対応して形成される第1の荷重伝達稜線部を構成し、円弧状稜線部7は、上面視で第1の荷重伝達稜線部の間に形成される第2の荷重伝達部材を構成している。一対の直線状稜線部2A,2Bの内端部2cは、下部クロスメンバ24の前壁24a及び後壁24bのサイドフレーム22への連結部24eにサイドフレーム22を介して突き合せられている。また、上面視で、円弧状稜線部7の両端部は、直線状稜線部2A,2Bの内端部2cと重なっている。サイドフレーム22内には、上面視で、直線状稜線部2A,2Bの内端部2cと連結部27eとを繋ぐように車幅方向に延びる壁部材23が複数配置されている。
図6に示す車体構造10においても、側面衝突に対して、直線状稜線部2A,2B及び円弧状稜線部7によって衝突荷重を荷重伝達部材30から下部クロスメンバ24に適切に伝達することができ、荷重伝達部材30を軽量化して車体の重量増加を抑えることができる。
図7に示す実施形態の車体構造10では、円弧状稜線部7を形成している屈曲線が、上面視で、複数の直線を繋ぎ合わせて略円弧状となるように形成されている。また、サイドフレーム22内には、壁部材23が配置されていない。この車体構造10においても、側面衝突に対して、直線状稜線部2A,2B及び円弧状稜線部7によって衝突荷重を荷重伝達部材30から下部クロスメンバ24に適切に伝達することができ、荷重伝達部材30を軽量化して車体の重量増加を抑えることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、荷重伝達部材30は、サイドフレーム22に代えて、サイドシル14から車幅方向外側に突出するように、サイドシル14に固定してもよい。かかる場合には、荷重伝達部材30に入力された衝突荷重を一対のサイドシル22の間に配設された車幅方向に延びる複数のクロスメンバ(例えば、シートクロスメンバ16)にサイドシル14を介して伝達させることができる。
10 車体構造
14 サイドシル
16 シートクロスメンバ
20 バッテリ収容構造体
21 底部パネル
22 サイドフレーム(側部フレーム)
24 上部クロスメンバ
26 下部クロスメンバ(クロスメンバ)
30、37 荷重伝達部材
31 下部パネル
32 上部パネル
1A,1B 第1の直線状稜線部(第1の荷重伝達稜線部)
1c 内端部
1d 外端部
2A,2B 直線状稜線部(第1の荷重伝達稜線部)
2c 内端部
3A,3B 第2の直線状稜線部
5、7 円弧状稜線部(第2の荷重伝達稜線部)
5a 頂部
BT バッテリモジュール

Claims (4)

  1. 車幅方向に間隔をあけて配置され、車体前後方向に延びる一対のフレーム部材と、
    前記一対のフレーム部材に両端部が連結され、車幅方向に延びる複数のクロスメンバと、
    前記フレーム部材に固定された荷重伝達部材と、を備えた車体構造において、
    前記荷重伝達部材は、前記フレーム部材から車幅方向外側に突出して車体前後方向に延び、車体前後方向に間隔をあけて並ぶ前記複数のクロスメンバの前記フレーム部材への連結部に及ぶように設置されており、その表面に、前記複数のクロスメンバのそれぞれに対応して形成された第1の荷重伝達稜線部と、車体前後方向で隣り合う第1の荷重伝達稜線部の間に形成された第2の荷重伝達稜線部とを有し、
    前記第1の荷重伝達稜線部は、上面視で、車幅方向内側から外側へ向かうにつれて互いに離間する一対の直線状に形成され、車幅方向内側の内端部が、対応するクロスメンバと前記フレーム部材との連結部に該フレーム部材を介して又は介さずに突合せられており、
    前記第2の荷重伝達稜線部は、上面視で、車幅方向外側に向かって凸となる略円弧状であって、その両端部が、前記第1の荷重伝達稜線部の前記内端部と重なることを特徴とする車体構造。
  2. 前記第2の荷重伝達稜線部の車幅方向最外側の頂部は、前記第1の荷重伝達稜線部の車幅方向外側の外端部よりも車幅方向内側に位置することを特徴とする請求項1に記載の車体構造。
  3. 前記フレーム部材の閉断面内に配置された複数の壁部材を備え、
    前記第1の荷重伝達稜線部の前記内端部は、それぞれ、上面視で、対応するクロスメンバと前記フレーム部材との連結部と該フレーム部材を介して突合せられており、
    前記複数の壁部材は、それぞれ、上面視で、前記連結部と前記第1の荷重伝達稜線部の前記内端部とを繋ぐように車幅方向に延びていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車体構造。
  4. 前記荷重伝達部材は、閉断面を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の車体構造。
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