JP7148577B2 - 計時器用ムーブメントのためのバランスばね - Google Patents

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Description

本発明は、計時器用ムーブメントのバランスを装備するように意図されたバランスばねに関する。本発明は、さらに、このバランスばねを製造する方法に関する。
計時器のためのバランスばねの製造においては、以下のような制約を受けることがあり、これらは一見して相容れないように思えることが多い。すなわち、高降伏強度を得る必要があり、製造、特に、線引きや圧延の操作、を容易にする必要があり、疲労強度が優れている必要があり、長期間にわたってパフォーマンスレベルが安定している必要があり、断面が小さい必要がある。
また、バランスばねの製造においては、さらに、一貫したクロノメーター的性能レベルを確実にするために、温度補償の課題にも焦点が当てられる。これには、ゼロに近い熱弾性係数を得ることが必要である。
したがって、これらの点の少なくとも1つについて、特に、用いられる合金の機械的強度について、何らかの改善をすることができれば、大きな進展となる。
本発明は、特定の材料の選択に基づいて、新しいタイプの計時器用バランスばねを定めることを提案し、適切な製造方法を開発することを提案するものである。
このために、本発明は、ニオブとチタンの合金によって作られた計時器用バランスばねに関する。本発明によると、チタンの含有量は、1重量%以上(境界を含む)40重量%未満(境界を含まない)の範囲である。好ましくは、チタン含有量は、5重量%以上(境界を含む)から35重量%以上(境界を含む)の範囲であり、より好ましくは15重量%以上(境界を含む)から35重量%以上(境界を含む)の範囲であり、より好ましくは27重量%以上(境界を含む)から33重量%以上(境界を含む)の範囲である。残りは、ニオブ、及びH、C、N及び/又はOのような侵入型原子を含む不純物によって作られており、不純物の割合は、0.3重量%以下である。
本発明は、さらに、請求の範囲によって定められている、この計時器用バランスばねを製造する方法に関する。
添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことによって、本発明の他の特徴及び利点を明確に理解することができるであろう。
本発明に係るNb-Ti合金によって作られたバランスばねを示している。 純Nb、及びTiを30重量%含有する本発明に係るNb-Ti合金それぞれについて、20℃におけるヤング率に対して計算した、温度の関数としてのヤング率の進展を表す曲線を示している。
本発明は、ニオブとチタンを含有する二元タイプの合金によって作られる計時器用バランスばねに関する。
本発明によれば、この合金は、100重量%までの残りの量のニオブと、及び1重量%以上40重量%未満のチタンとを含有する。特に、この合金は、5~35重量%、好ましくは15~35重量%、より好ましくは27~33重量%の範囲のチタンを含有し、O、H、C、Fe、Ta、N、Ni、Si、Cu及びAlから選択される他の元素の微量成分であって、前記元素のそれぞれが全量の0~1600ppmの範囲であり、これらの微量元素の合計が0.3重量%以下であるものを含有する。すなわち、チタンとニオブの合計割合は、全量の99.7~100重量%の範囲である。
酸素の割合は、全量の0.10重量%以下であり、さらには全量の0.085重量%以下である。
タンタルの割合は、全量の0.10重量%以下である。
炭素の割合は、全量の0.04重量%以下であり、特に全量の0.020重量%以下であり、さらには全量の0.0175重量%以下である。
鉄の割合は、全量の0.03重量%以下であり、特に全量の0.025重量%以下であり、さらには全量の0.020重量%以下である。
窒素の割合は、全量の0.02重量%以下であり、特に全量の0.015重量%以下であり、さらには全量の0.0075重量%以下である。
水素の割合は、全量の0.01重量%以下であり、特に全量の0.0035重量%以下であり、さらには全量の0.0005重量%以下である。
ニッケルの割合は、全量の0.01重量%以下である。
ケイ素の割合は、全量の0.01重量%以下である。
ニッケルの割合は、全量の0.01重量%以下であり、特に全量の0.16重量%以下である。
銅の割合は、全量の0.01重量%以下であり、さらには全量の0.005重量%以下である。
アルミニウムの割合は、全量の0.01重量%以下である。
好ましいことに、このバランスばねは、体心立方β相の形態のニオブと、最密六方α相の形態のチタンを含有する二相の微細構造を有する。
このような微細構造を得るために、また、ばねの製造にしたがって、熱処理によってα相の一部を沈殿させなければならない。
チタン含有量が多いほど、熱処理によって沈殿させることができるα相の最大割合が高くなり、このことによって、高いチタン割合を追求する希望が与えられる。反対に、チタン含有量が多いほど、粒界においてα相の沈殿を得ることが難しい。Widmastattenの粒内のα-Tiタイプの沈殿物又は粒内のω相の沈殿物が出現すると、材料の変形を難しくしたり不可能にしたりし、したがって、バランスばねを作るためには適していない。このことは、合金に過剰な量のチタンを取り入れることは避けるべきであることを意味する。また、この合金をバランスばねに用いるには、このようなバランスばねを組み込んだ携行型時計の使用温度のばらつきにもかかわらず、タイミング性能の維持を確実にすることができる性質が必要である。したがって、合金の熱弾性係数、すなわち、TEC、は非常に重要である。CuBe又はニッケル-銀によって作られているバランスを用いてクロノメーター的発振器を形成するためには、±10ppm/℃のTECを達成しなければならない。合金のTECとバランスばねとバランスの膨張係数を関連づける式を以下に示す。
Figure 0007148577000001
変数M及びTはそれぞれ、レートと温度である。Eは、バランスばねのヤング率であり、この式ではE、β及びαは、℃-1で表されている。
CTは、発振器の熱係数、(1/E x dE/dT)は、バランスばね合金のTEC、βは、バランスの膨張係数、αは、バランスばねの膨張係数である。冷間圧延されたβ相合金は、非常に正であるTECを有し、非常に負であるTECを有するα相の沈殿は、二相合金のTECをゼロ近くにすることを可能にし、このことは特に有益である。しかし、上述したように、チタンの割合が高すぎると、脆弱相が形成されてしまう。チタンの割合が40重量%未満であることによって、求められる異なる性質の間の良好な妥協点を得る。また、合金中に存在するC、H、N、Oの間隙及び転位の間の相互作用、そして、α-チタンの沈殿物及び転位の間の相互作用も、TECに関して有益な役割を果たすと考えられる。温度の関数としての運動中の転位の設定は、バランスばねのヤング率を減少させ、このことは、β相の正の異常に対抗する。
この合金を用いて作られるバランスばねは、500MPa以上、特に、500~1000MPaの範囲、の降伏強度を有する。好ましいことに、このバランスばねは、120GPa以下、好ましくは110GPa以下の弾性率を有する。
本発明は、さらに、以下のステップを順次的に実行することを特徴とする計時器用バランスばねを製造する方法に関する。すなわち、
- ニオブとチタンを含有する合金、特に、100重量%までの残りの量のニオブと、
全量の1重量%以上かつ40重量%未満のチタンと、及び
O、H、C、Fe、Ta、N、Ni、Si、Cu及びAlから選択される他の元素の微量成分であって、前記元素のそれぞれが全量の0~1600ppmの範囲であり、これらの微量元素の合計が0.3重量%以下であるものと
を含有する合金、によって作られるブランクを作るステップである。
- 前記合金のチタンが実質的にβ相ニオブを含有する固溶体の形態となるように前記ブランクに対してβタイプのクエンチをするステップである。
- 前記合金に対して変形させてその後に熱処理をする手順を実行するステップである。ここで、用語「変形」は、線引き及び/又は圧延による変形を意味するものと理解することができる。線引きにおいては、必要に応じて、同じ手順又は異なる手順で、一又は複数の延伸板を用いることを必要とすることができる。線引きは、丸い断面を有するワイヤが得られるまで実行する。圧延は、線引きと同じ変形手順の間又は別の手順の間に実行することができる。好ましいことに、当該合金に対して行われる最後の変形手順は、圧延操作であり、好ましくは、ワインダスピンドルの入口断面に適合する矩形の輪郭を有するようにされる。これらの手順によって、降伏強さが500MPa以上であり、弾性率が120GPa以下、好ましくは110GPaであるようなβ相ニオブ及びα相チタンを含有する二相の微細構造が作られる。
- バランスばねを形成するように巻き、その後に最終的な熱処理を実行するステップである。
これらの組み合わさった変形-熱処理の手順において、各変形は、1~5の範囲の所与の変形率となるように行われ、この変形率は、伝統的な式2ln(d0/d)を満たし、ここで、d0は最後のβクエンチの直径であり、dは冷間圧延ワイヤの直径である。この一連の手順全体にわたる変形の全体的な累積は、1~14の範囲の合計変形率となる。組み合わさった変形-熱処理の手順はそれぞれ、各手順において、α相のTi沈殿熱処理を実行する。
変形及び熱処理手順の前のβクエンチは、溶解処理であり、その継続時間は、真空中で700~1000℃の範囲の温度で5分~2時間の範囲であり、この後に、ガス中で冷却する。
特に、このβクエンチは溶解処理であり、真空中で800℃で1時間持続し、その後にガス中で冷却する。
組み合わさった変形-熱処理手順を再び参照すると、熱処理は沈殿処理であり、その継続時間は、300~700℃の温度で1時間~200時間の範囲である。特に、継続時間は、400~600℃の温度で5時間~30時間の範囲である。
特に、本方法は、1~5回の組み合わさった変形-熱処理手順を実行する。
特に、第1の組み合わさった変形-熱処理手順は、少なくとも30%の断面減少を伴う第1の変形を実行する。
特に、組み合わさった変形-熱処理手順はそれぞれ、第1の変形を除いて、少なくとも25%の断面減少を伴う、2つの熱処理の間での変形を実行する。
特に、このような前記合金ブランクの作成の後であって変形-熱処理手順の前に、さらなるステップにおいて、銅、ニッケル、キュプロニッケル、キュプロマンガン、金、銀、ニッケル-リン(Ni-P)及びニッケル-ホウ素(Ni-B)などから選択される延性材料の表面層をブランクに加えて、変形中のワイヤ成形の操作を容易にする。また、変形-熱処理手順の後、又は巻きステップの後、延性材料の層は、特にエッチングによって、ワイヤから除去される。
1つの代替的実施形態において、延性材料の表面層は、バランスばねを形成するように堆積され、そのピッチは、細長材の厚みの倍数ではない。別の代替実施形態において、延性材料の表面層は、ピッチが変動するばねを形成するように堆積される。
このような状況で、特定の計時器用のアプリケーションにおいて、所与の時間においてワイヤ成形操作を容易にするために延性材料又は銅を加えて、10~500μmの厚みがワイヤに残り、このワイヤの最終直径が0.3~1mmとなるようにする。特にエッチングによって、ワイヤから延性材料又は銅の層が除去され、そして、平坦に圧延され、その後に、ワイヤは、巻きによってばね自体を実際に製造する。
このような延性材料又は銅を加えることは、ガルバニック又は機械的であることができる。機械的な場合、これは、延性材料又は銅のスリーブ又はチューブであり、これは、直径が大きいニオブ-チタン合金の棒体上にて調整され、そして、複合材料の棒体を変形させるいくつかのステップの間に薄くされる。
Nb-TiとCuの間に、拡散バリア層、例えば、Nbを加えて、材料の変形性に有害な金属間化合物の形成を防ぐことができる。この層の厚みは、直径0.1mmのワイヤ上における100nm~1μmの厚みに対応するように選択される。
層の除去は、特に、シアン化物ベース又は酸ベースの溶液、例えば、硝酸、を用いるエッチングによって実行することができる。
変形及び熱処理手順の適切な組み合わせによって、β相ニオブ及びα相チタンを含有し又はこれらによって構成している、極薄ラメラの二相の微細構造、特に、ナノメーター的微細構造、を得ることができる。この合金においては、少なくとも500MPaよりも大きいような非常に高い降伏強さと、80GPa~120GPaのオーダーの非常に低い弾性率が組み合わさっている。この性質の組み合わせは、バランスばねに適している。変形-熱処理手順の後に、合金はテクスチャー<110>を有する。また、この本発明に係るニオブ-チタン合金は、延性材料又は銅で容易に被覆され、このことは、その線引きによる変形を相当に容易にする。
また、本発明を実装するために選択された上述したタイプのニオブとチタンを含有する二元タイプの合金は、携行型時計のための通常の動作温度範囲において熱弾性係数が実質的にゼロであるような「Elinvar」の効果と同様の効果を発揮し、自己補償バランスばねの製造に適している。
特に、図2において、30重量%のTiを含有する本発明に係る純Nb及びNb-Ti合金についての温度に応じたヤング率(E(T)/E20°C)の変化を比較すると、2つの曲線がS字形になっており、Tiの存在がX軸及びY軸の両方に沿った曲線の極小値と極大値の差を著しく減少させるという注目すべき相違がある。特に、本発明に係る製造方法における合金中のTiの存在によって、曲線の極大値を減少させることによって曲線を滑らかにする傾向が発生する。本発明に係る合金を用いて極大値を低減させるこの好ましい効果は、以下の複数の要因に起因するものである。すなわち、
- βクエンチからの減少率に影響される合金の結晶学的テクスチャー
- 回復、又はさらには再結晶現象、を誘起する熱処理を介して調整される転位密度
- 転位と相互作用する間隙の密度
- α相Tiの割合
- 合金中の沈殿物の密度(体積単位あたりのα相Ti沈殿物の数)
1 バランスばね

Claims (15)

  1. 計時器用ムーブメントのバランスを装備するように意図されたバランスばね(1)であって、
    100重量%までの残りの量のニオブと、
    2733重量%の範囲のチタンと、及び
    O、H、C、Fe、Ta、N、Ni、Si、Cu及びAlから選択される他の元素の微量成分であって、前記元素のそれぞれが全量の0~1600ppmの範囲であり、これらの微量元素の合計が0.3重量%以下であるものと
    を含有するニオブとチタンの合金によって作られている
    ことを特徴とするバランスばね(1)。
  2. β相の形態のニオブとα相の形態のチタンを含有する二相の微細構造を有する
    ことを特徴とする請求項1記載のバランスばね(1)。
  3. 降伏強さが500MPa以上、弾性率が120GPa以下、好ましくは110GPa以下である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のバランスばね(1)。
  4. 計時器用ムーブメントのバランスを装備するように意図されたバランスばね(1)を製造する方法であって、
    100重量%までの残りの量のニオブと、
    2733重量%の範囲のチタンと、及び
    O、H、C、Fe、Ta、N、Ni、Si、Cu及びAlから選択される他の元素の微量成分であって、前記元素のそれぞれが全量の0~1600ppmの範囲であり、これらの微量元素の合計が0.3重量%以下であるものと
    を含有するニオブとチタンを含有する合金によって作られるブランクを作るステップと、
    前記合金のチタンが実質的にβ相ニオブを含有する固溶体の形態となるように前記ブランクに対してβタイプのクエンチをするステップと、
    前記合金に対して、変形させてその後に中間熱処理を実行する一連の手順を実行するステップと、
    前記バランスばね(1)を形成するように巻くステップと、及び
    最終的な熱処理を実行するステップと
    を順次的に実行することを特徴とする方法。
  5. 前記一連の手順における各手順における変形は、線引き及び/又は圧延によって行われる
    ことを特徴とする請求項に記載の方法。
  6. 前記一連の手順における最終的な手順における変形は、平坦な圧延によって実行する
    ことを特徴とする請求項に記載の方法。
  7. 前記一連の手順における各手順の変形は、1~5の範囲の所与の変形率となるように行い、
    前記一連の手順全体にわたる変形の全体的な累積は、1~14の範囲の合計変形率となる
    ことを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記βタイプのクエンチは、溶解処理であり、その継続時間が真空中で700~1000℃の範囲の温度で5分~2時間の範囲であり、この後に、ガス中で冷却するものである
    ことを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記βクエンチは溶解処理であり、真空中で800℃で1時間持続し、その後にガス中で冷却するものである
    ことを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記最終的な熱処理は、前記一連の手順における各手順の中間熱処理に加えて、α相Tiの沈殿処理であり、その継続時間は、300~700℃の温度で1時間~200時間の範囲である
    ことを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記一連の手順における各手順の中間熱処理に加えて、前記最終的な熱処理は、α相Tiの沈殿処理であり、その継続時間は、400~600℃の温度で5時間~30時間の範囲である
    ことを特徴とする請求項10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記一連の手順において、変形させてその後に中間熱処理を実行することを1~5回実行する
    ことを特徴とする請求項11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 変形させてその後に中間熱処理を実行する前記一連の手順の第1の手順は、少なくとも30%の断面減少を伴う第1の変形を実行する
    ことを特徴とする請求項12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 変形させてその後に中間熱処理を実行する前記一連の手順における各手順はそれぞれ、前記第1の手順を除いて、2つの中間熱処理の間にて、少なくとも25%の断面減少を伴う変形を実行する
    ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 前記ブランクを作るステップの後であって前記一連の手順を実行するステップの前に、銅、ニッケル、キュプロニッケル、キュプロマンガン、金、銀、ニッケル-リン(Ni-P)及びニッケル-ホウ素(Ni-B)から選択される延性材料の表面層を前記ブランクに加えてワイヤ成形操作を容易にし、
    前記巻くステップの前又は後に、エッチングによって前記延性材料の層を前記ワイヤから除去する
    ことを特徴とする請求項14のいずれか一項に記載の方法。
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