本開示を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
実施の形態1.
図1は実施の形態1における通信中継装置が適用されるエレベーターシステムの構成図である。
図1のエレベーターシステムにおいて、昇降路1は、図示されない建物の各階を貫く。複数の乗場2は、建物の各階にそれぞれ設けられる。複数の乗場2の各々は、昇降路1に対向する。かご3は、昇降路1の内部に設けられる。巻上機4は、かご3を昇降し得るように、図示されない機械室に設けられる。なお、エレベーターシステムには、図示されない別のかご3aが設けられる。別のかご3aは、かご3と同じバンクに属する。
複数の乗場釦5は、複数の乗場2にそれぞれ設けられる。複数の乗場デジタル式インジケータ6は、複数の乗場2にそれぞれ設けられる。複数の乗場行先階表示器7は、複数の乗場2にそれぞれ設けられる。
かご操作盤8は、かご3の内部に設けられる。かご操作盤8は、複数のかご釦8aを備える。複数のかご釦8aは、かご3が停車するよう設定された階床に対応する。即ち、例えば、かご3が4階、9階および11階に停車するよう設定されている場合、当該4つの階に対応する4つのかご釦8aが設けられる。かご釦8aは、釦灯によって点灯および消灯し得る。
かごアナログ式インジケータ9は、かご3の内部に設けられる。かごデジタル式インジケータ10は、かご3の内部に設けられる。かご行先階表示器11は、かご3の内部に設けられる。かご行先階表示器11は、階管理値とインジコードとが対応付けられた階床テーブル情報を記憶する。インジコードは、建物の各階を一意に識別するコードである。即ち、インジコードは、各階の名称を一意に識別する。
制御装置12は、機械室に設けられる。制御装置12は、エレベーターシステムを全体的に制御し得る。制御装置12は、制御部12aを備える。例えば、制御部12aは、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とCPU(Central Processing Unit)とを備える。制御部12aは、乗場電送ケーブル13を介して、複数の乗場釦5の各々と複数の乗場デジタル式インジケータ6の各々と複数の乗場行先階表示器7の各々とに電気的に接続される。制御部12aは、かご電送ケーブル14を介して、かご操作盤8とかごアナログ式インジケータ9とかごデジタル式インジケータ10とかご行先階表示器11とに電気的に接続される。
連携装置である建物内制御装置15は、建物の内部に設けられる。ここで、連携装置は、かご3の呼びを作成する機能等のエレベーターシステムと連携してエレベーターシステムを利用する機能を有する装置である。連携装置であるロボット16は、建物内機器として、建物の内部に配置される。例えば、ロボット16は、警備ロボット、配送ロボット、等の建物の各階を巡回するロボットである。ロボット16は、建物内制御装置15と無線により通信し得る。なお、ロボット16は、建物内制御装置15と有線により通信してもよい。
通信中継装置17は、機械室に設けられる。なお、通信中継装置17は、昇降路1、かご3、建物の管理人室、等の建物の任意の場所に設けられてもよい。通信中継装置17は、制御装置12の制御部12aと電気的に接続される。通信中継装置17は、かご3に設けられた機器と制御部12aとのかご電送ケーブル14を介する通信を読むことができる。そのため、通信中継装置17は、かご3の状態を把握し得る。
通信中継装置17は、建物内制御装置15と有線または無線により通信し得る。通信中継装置17は、建物内制御装置15を介してロボット16と通信し得る。なお、通信中継装置17は、建物内制御装置15を介さずに、無線によってロボット16と通信してもよい。
エレベーターシステムが通常運転する時、かご3の内部の乗客は、かご操作盤8のうち目的とするかご釦8aを操作する。制御部12aは、かご操作盤8からの呼びとして、当該かご釦8aが押されていることを検知する。制御部12aは、当該かご釦8aに対応する行先階を登録するとともに、行先階情報を更新する。行先階情報は、呼びが登録されている階床の点灯情報と呼びが登録されていない階床の消灯情報とを含む。制御部12aは、行先階情報をかご操作盤8とかごアナログ式インジケータ9とかごデジタル式インジケータ10とかご行先階表示器11とに常に送信する。
かご操作盤8は、行先階情報に含まれる点灯情報および消灯情報に基づいて、複数のかご釦8aをそれぞれ点灯または消灯させる。具体的には、行先階情報には、建物の各階に対応する点灯情報または消灯情報が建物の最下階から上の階へ向かって順番に並んだ状態で含まれる。かご操作盤8は、行先階情報に含まれる点灯情報または消灯情報の順番に従って、物理的なかご釦8aの接続順にかご釦8aの点灯を指示する。その結果、複数のかご釦8aのうちの呼びが登録されているかご釦8aが点灯する。
かご行先階表示器11は、制御部12aから受信した行先階情報に基づいて、点灯情報によって点灯が指示されている階管理値を特定する。かご行先階表示器11は、階床テーブル情報に基づいて、特定した階管理値に対応するインジコードを取得する。かご行先階表示器11は、取得したインジコードに対応する階床の名称を、行先階の名称として画面に表示する。
その後、制御部12aは、かご3を行先階へ走行させる。この際、制御部12aは、かご3の位置を常に把握する。制御部12aは、かご電送ケーブル14を介してかご3の位置に対応するインジコードをかご3に設けられた機器に常に送信する。例えば、かごデジタル式インジケータ10は、かご3の現在位置として、当該インジコードに対応する階床の名称を表示する。なお、制御部12aは、かごアナログ式インジケータ9に対応するアナログインジコードも、同様に常に送信する。
ロボット16は、建物内制御装置15および通信中継装置17を介して、制御部12aに対して目的とする行先階への呼びを登録し得る。例えば、ロボット16は、自身が待機する階を行先階とする呼びを登録し得る。この際、ロボット16は、建物内制御装置15を介して通信中継装置17に対して目的とする階床の名称を通知する。通信中継装置17は、ロボット16から受信した目的とする階床の名称を示す呼びを作成し、制御部12aに送信する。このようにして、通信中継装置17は、ロボット16による行先階登録を実現する。ロボット16は、エレベーターシステムを利用する。
具体的には、通信中継装置17は、当該階床の名称と対応するインジコードを特定する。通信中継装置17は、インジコードと階管理値とが対応付けられたマップ情報を記憶している。階管理値は、かご3が停車する設定階に対応する階管理値である。通信中継装置17は、特定したインジコードに対応する階管理値を特定する。通信中継装置17は、かご操作盤8を模擬して特定した階管理値を示す呼びを制御部12aに送信する。制御部12aは、通信中継装置17からの呼びに含まれる階管理値に基づいて、かご操作盤8の当該階管理値に対応するかご釦8aが操作されたと判定する。そのため、制御部12aは、ロボット16が目的とする階床を行先階とする呼びを登録する。
また、通信中継装置17は、かご電送ケーブル14で電送される信号を読む(Readする)ことで、シリアル伝送などによって、複数のかご釦8aが点灯しているか消灯しているかの情報を取得する。この際、例えば、通信中継装置17は、複数のかご釦8aの点灯状態または消灯状態を階管理値に基づいて判断する。通信中継装置17は、かご電送ケーブル14で電送される信号を読むことで、かご3に設けられたかごアナログ式インジケータ9、かごデジタル式インジケータ10およびかご行先階表示器11の全てのインジコードについての情報を取得することができる。即ち、通信中継装置17は、かご操作盤8による行先階の登録状況と制御部12aからのインジコードとを常に把握し得る。
通信中継装置17は、建物内制御装置15を介して取得した情報をロボット16に通知する。例えば、通信中継装置17は、かご3の位置として階管理値をロボット16に通知する。ロボット16は、通信中継装置17が記憶するマップ情報の階管理値と階床の名称とが対応付けられた建物階床テーブルの情報を予め記憶する。例えば、ロボット16は、建物階床テーブルの情報に基づいて、かご3が現在存在する階床の名称を認識する。例えば、通信中継装置17は、建物階床テーブルの情報に基づいて、取得した階管理値に示される情報として、複数のかご釦8aの点灯状態または消灯状態を認識する。
ロボット16の待機する階にかご3が到着した場合、ロボット16は、通信中継装置17を介してその旨を認識する。ロボット16は、通信中継装置17を介してかご3の戸の戸開制御を実現する。
具体的には、ロボット16は、通信中継装置17に戸開指令を送信する。通信中継装置17は、当該戸開指令をシリアル伝送またはパラレル伝送によって、かご操作盤8に伝送する。かご操作盤8は、当該戸開指令に基づいて、かご操作盤8の戸開釦が操作された状態と同じ信号を制御部12aに送信する。
この際、通信中継装置17は、かご電送ケーブル14で電送される信号を読むことで、かご操作盤8の戸開釦または戸閉釦が操作されているか否かの情報を取得する。通信中継装置17は、戸開釦または戸閉釦の操作状態を示す情報をロボット16に送信する。例えば、ロボット16は、戸開釦の操作状態を確認する。ロボット16は、規定の時間だけ戸開指令を送信することで、かご3の戸が開いている状態を維持可能である。なお、ロボット16は、かご3の戸の戸閉制御についても、同様に実現可能である。
このように、連携装置である建物内制御装置15およびロボット16は、エレベーターシステムと連携して本来の業務動作を行う。具体的には、ロボット16は、警備ロボットである場合、エレベーターシステムと連携してかご3に乗車することで、本来の業務動作である各階の巡回を行う。通信中継装置17は、制御装置12の制御部12aと連携装置との間の通信を中継する。この際、通信中継装置17は、マップ情報を用いて、制御部12aで使用される通信データとロボット16で使用される通信データとのプロトコルの齟齬を解消する。
エレベーターシステムに据え付けられる前の通信中継装置17は、デフォルトのマップ情報を記憶している。既存のエレベーターシステムに対して建物内制御装置15とロボット16と通信中継装置17とが新たに据え付けられる場合、通信中継装置17は、デフォルトのマップ情報を当該かご3に対応する更新マップ情報に更新する。通信中継装置17は、建物に設けられたかご毎またはバンク毎に対応する更新マップ情報を作成する。この際、通信中継装置17は、作業員によってモード変更スイッチが操作されることで、自動更新モードによって更新マップ情報を作成する。自動更新モードにおいて、通信中継装置17は、更新のための呼びを制御部12aに自動で送信する。通信中継装置17は、自動で登録した呼びに基づくかご3およびかご操作盤8の動作に基づいて、更新マップ情報を作成する。
また、かご3の更新によってマップ情報の対応関係を書き換える必要が生じた場合、通信中継装置17のマップ情報が更新される必要がある。この場合、通信中継装置17は、作業員によってモード変更スイッチが操作されることで、手動更新モードによって更新マップ情報を作成する。この場合、作業員は、手動更新モードに対応する手順でかご操作盤8を操作する。通信中継装置17は、手動更新モードにおいて、かご3およびかご操作盤8の動作に基づいて更新マップ情報を作成する。
次に、図2を用いて、通信中継装置17のハードウェア構成の一例を説明する。
図2は実施の形態1における通信中継装置のハードウェア構成の一例を示す構成図である。
図2に示されるように、通信中継装置17は、ROM17aとRAM17bとEEPROM17c(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)とCPU17dとを備える。ROM17aは、通信中継装置17の各機能を実行するためのプログラムを記憶する。RAM17bは、テーブルの一時的な保管、通信パケットのデータの一時的な保管、処理に用いる一時的な変数の保管、等のワークのために、一時的に情報を記憶する。EEPROM17cは、更新マップ情報を記憶する。CPU17dは、ROM17aに記憶されたプログラムを実行することで、通信中継装置17の各機能を実現する。CPU17dは、制御装置12の制御部12a、建物内制御装置15、およびロボット16との通信の演算を処理する。
次に、図3を用いて、通信中継装置17を説明する。
図3は実施の形態1における通信中継装置が適用されるエレベーターシステムのブロック図である。
図3に示されるように、通信中継装置17は、記憶部20とコード取得部21と通知部22と呼び作成部23とかご釦検知部24とモード設定部25と階床設定部26とマップ更新部27と段違い補正部28とを備える。これらの各機能は、図2に示されたハードウェアによって実現される。
例えば、記憶部20は、図3には図示されないRAM17bを含む。記憶部20は、マップ情報とかご釦情報とを記憶する。なお、記憶部20は、各種の情報を一時的に記憶するRAMとして機能する。
コード取得部21は、制御装置12からかご3へ送信されるインジコードを取得する。
通知部22は、記憶部20が記憶するマップ情報とに基づいて、コード取得部21が取得したインジコードを対応する階管理値に変換する。通知部22は、かご3の位置の情報として、作成した階管理値を建物内制御装置15およびロボット16に通知する。
呼び作成部23は、ロボット16から階管理値に基づく呼びを作成する指令を受信した場合、当該呼びを作成し、制御装置12に送信する。
かご釦検知部24は、かご操作盤8に設けられた複数のかご釦8aが点灯または消灯のいずれの状態であるかを検知する。かご釦検知部24は、記憶部20が記憶するかご釦情報のかご釦テーブルに検知結果を反映する。
モード設定部25は、図示されないモード変更スイッチを含む。モード設定部25は、モード変更スイッチの操作に応じて、自動更新モード、手動更新モード、設定階床決定モード、および設定なしモードとを設定する。
階床設定部26は、自動更新モードにおいて呼びが登録される階床である設定階床を設定する。例えば、階床設定部26は、建物の最も下の階床から最も上の階床へ向かって各階床を設定階床に設定する。
マップ更新部27は、図3には図示されないEEROM17cを含む。マップ更新部27は、自動更新モードまたは手動更新モードの設定に基づいて、マップ情報を更新した更新マップ情報を作成する。マップ更新部27は、更新マップ情報を作成した場合、記憶部が記憶するマップ情報を更新マップ情報に更新する。
段違い補正部28は、段違い補正の動作を行う。例えば、段違い補正部28は、同一バンクに属するかご3と別のかご3とに対応する2つのマップ情報において、階管理値とインジケータとの対応関係が異なると判定した場合、段違い補正の動作を行う。例えば、第1かごであるかご3よりも、第2かごである別のかご3が第1かごよりも下の階床まで停止し得る場合に、段違い補正が必要となる段違いが発生し得る。
次に、図4から図6を用いて、通信中継装置17が管理する情報を説明する。
図4は実施の形態1における通信中継装置が適用される連携装置が記憶する情報の概要を示す図である。図5は実施の形態1における通信中継装置が記憶するマップ情報の概要を示す図である。図6は実施の形態1における通信中継装置が記憶するかご釦情報の概要を示す図である。
図4の(A)は、建物の構成の一例をテーブルの形式で示す。なお、通信中継装置17は、かご3をバンク単位で対応付ける。そのため、当該テーブルには、とあるバンクに属するかご3が示される。本例において、エレベーターシステムのとあるバンクには、A号機とB号機との2つのかご3が設置される。
テーブルにおいて、最も左側の列には、実際の階床の名称である「実階床名」が示される。例えば、本例において、最下階は、地下2階を示す「B2」である。左から2番目の列には、最下階から数えた階床の数である「階床数」が示される。例えば、本例において、実階床名「5」の「階床数」は、下から7番目の階を示す「7」である。左から3番目の列には、「A号機」のかご3が停止するよう設定されている階が示される。「○」は、A号機のかご3が停止する階である。「-」は、A号機のかご3が停止しない階である。例えば、A号機のかご3は、1階に停止する。A号機のかご3は、地下1階である「B1」に停止しない。左から4番目の列には、「B号機」のかご3が停止するよう設定されている階が、左から3番目の列と同様に示される。
図4の(B)は、ロボット16が記憶する建物階床テーブルの情報の一例をテーブルの形式で示す。建物階床テーブルの情報は、「実階床名」と「階管理値」とが対応付けられた情報である。図示されないが、「階管理値」は、通信中継装置17が記憶するマップ情報の「階管理値」と対応する。例えば、通信中継装置17は、定期的にまたはマップ情報を更新した後、当該「階管理値」をロボット16に送信する。ロボット16は、建物階床テーブルを更新する。
図5は、通信中継装置17が記憶するかご3のマップ情報の一例を示す。マップ情報は、階管理値とインジコードとがマップテーブルとして対応付けられた情報である。図5には、インジコードとしてデジタルインジコードが示される。例えば、デジタルインジコードは、16進数で表現される。例えば、かご管理値が「1」の階床に対応するインジコードは、「01」である。
図6は、通信中継装置17が記憶する、とあるかご3のかご釦情報の一例を示す。かご釦情報は、階管理値と「釦接続状態」とがかご釦テーブルとして対応付けられた情報である。左列には、階管理値が示される。右列には、「釦接続状態」が示される。「釦接続状態」は、かご3に設けられた複数のかご釦8aがいずれの階管理値と対応しているかを示す。「○」は、対応するかご釦8aが設けられている、即ち接続があることを示す。「-」は、対応するかご釦8aが設けられていない、即ち接続がないことを示す。例えば、本例におけるかご3には、階管理値「1」から「3」に対応するかご釦8aが設けられていない。このため、階管理値「1」から「3」に対応する「釦接続状態」は、いずれも「-」である。かご3には、階管理値「4」に対応するかご釦8aが設けられている。このため、階管理値「4」に対応する「釦接続状態」は、「○」である。
次に、図7と図8とを用いて、自動更新モードを説明する。
図7および図8は実施の形態1における通信中継装置の自動更新モードの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
本自動更新モードにおいて、通信中継装置17は、最下階から最上階まで自動でかご3を各階停止させ、更新マップ情報を作成する。フローチャートのスタート時点において、更新マップ情報は、マップ情報と同様のマップテーブルを有する情報である。
図7に示されるように、ステップS001において、作業員によって通信中継装置17のモード変更スイッチが、自動更新モードに設定される。通信中継装置17は、自動更新モードを開始する。自動更新モードにおいて、通信中継装置17は、「インデックス」、「消灯位置」および「階管理値書き込み」のそれぞれを変数として一時的に記憶する。
その後、ステップS002の動作が行われる。ステップS002において、通信中継装置17のマップ更新部27は、「インデックス」を「1」、「消灯位置」を空集合、および「階管理値書き込み」を「OFF」に設定する。マップ更新部27は、階床設定部26が設定した設定階床に基づいて、呼び作成部23に対してかご釦テーブルにおける最も下の位置の階管理値に対応する階の呼びを作成させる。
その後、ステップS003の動作が行われる。ステップS003において、マップ更新部27は、呼びを作成させた階床に対応するかご釦8aが点灯したか否かを判定する。
ステップS003で、対応するかご釦8aが点灯した場合、ステップS004の動作が行われる。ステップS004において、マップ更新部27は、かご3が走行を開始したか否かを判定する。
ステップS004で、かご3が走行を開始した場合、ステップS005の動作が行われる。ステップS005において、マップ更新部27は、かご3が停止し、かつ対応するかご釦8aが点灯した状態から消灯したか否かを判定する。
ステップS005で、かご3が停止し、かつかご釦8aが消灯した場合、ステップS006の動作が行われる。ステップS006において、マップ更新部27は、かご3が停止した時に制御部12aが送信したインジコードを第1コードとして取得し、一時的に記憶する。
その後、ステップS007の動作が行われる。ステップS007において、マップ更新部27は、「階管理値書き込み」の設定が「OFF」であるか否かを判定する。
ステップS007で、「階管理値書き込み」の設定が「OFF」である場合、ステップS008の動作が行われる。ステップS008において、マップ更新部27は、マップテーブルを走査し、記憶しているインジコードが合致する行があるか否かを判定する。
ステップS008で、合致する行がある場合、ステップS009の動作が行われる。ステップS009において、マップ更新部27は、「インデックス」を合致した位置に設定する。
その後、ステップS010の動作が行われる。ステップS010において、マップ更新部27は、「消灯位置」の集合が空であるか否か、即ち「消灯位置」がクリアされているか否かを判定する。
ステップS010で、「消灯位置」がクリアされていない場合、ステップS011の動作が行われる。ステップS011において、マップ更新部27は、「消灯位置」の集合に含まれる元の数が「インデックス」に設定されている値以上であるか否か、即ち「インデックス≦消灯位置の数」であるか否かを判定する。
ステップS011で、「インデックス≦消灯位置の数」である場合、ステップS012の動作が行われる。ステップS012において、マップ更新部27は、更新マップ情報のマップテーブルに行を挿入する。具体的には、マップ更新部27は、マップテーブルにおける階管理値の列とインジコードの列との最下位から「消灯位置の数-合致した行に記載された階管理値+1」即ち「消灯位置の数-合致した位置+1」の数だけ「-」を挿入する。
その後、ステップS013の動作が行われる。ステップS013において、マップ更新部27は、更新マップ情報のマップテーブルにおいて最新の「消灯位置」に対応する階管理値の行に「-」を挿入する。マップテーブルの階管理値の行における「-」は、階管理値が無いことを意味する。マップ更新部27は、「インデックス」の数値に「消灯位置」の数を加算する。
ステップS013の後、ステップS010で「消灯位置」がクリアされている場合、またはステップS011で「インデックス≦消灯位置の数」でない場合、ステップS014の動作が行われる。ステップS014において、マップ更新部27は、更新マップ情報のマップテーブルの階管理値の列において、「インデックス」に対応する行である最下位から「インデックス」の値だけ上がった行に「1」を挿入する。マップ更新部27は、「インデックス」の値に対応する行即ちマップテーブルのインジコードの列における「1」を挿入した行と同じ行に、取得したインジコードを書き込む。マップ更新部27は、挿入したインジコードを起点としてマップテーブルのインジコードの列を埋める。マップ更新部27は、「1」より上の行に「2」以降の連番となるように数字を書き込む。
その後、ステップS015の動作が行われる。ステップS015において、マップ更新部27は、「消灯位置」の集合の元を全て削除する、即ち「消灯位置」をクリアする。
その後、ステップS016の動作が行われる。ステップS016において、マップ更新部27は、「インデックス」の値に1を加える、即ち「インデックス」をインクリメントする。
その後、ステップS017の動作が行われる。ステップS017において、マップ更新部27は、呼び作成部23に対してかご釦テーブルにおける次の階の呼びを作成させる。
その後、ステップS018の動作が行われる。ステップS018において、マップ更新部27は、かご釦テーブルにおいて指せる行が存在する、かつ選択スイッチが自動更新モードのまま維持されているか否かを判定する。
ステップS018において、かご釦テーブルにおいて指せる行がこれ以上存在しない、または選択スイッチが自動更新モード以外のモードに戻されている場合、ステップS019の動作が行われる。ステップS019において、マップ更新部27は、第1の自動更新モードが成功したとみなし、第1の自動更新モードを終了する。
ステップS018で、かご釦テーブルにおいて指せる行が存在する、かつ選択スイッチが自動更新モードのまま維持されている場合、ステップS003以降の動作が行われる。
ステップS003で、対応するかご釦8aが点灯しない場合、即ち対応するかご釦8aが消灯している場合、ステップS020の動作が行われる。ステップS020において、マップ更新部27は、かご釦テーブルの当該かご釦8aに対応する階管理値を「消灯位置」の集合に一時的に加える、即ち、本ステップの「消灯位置」をRAMに一時的に記憶する。その後、ステップS016以降の動作が行われる。
ステップS007で、「階管理値書き込み」の設定が「OFF」でない、即ち「ON」である場合、ステップS021の動作が行われる。ステップS021において、マップ更新部27は、マップテーブルを走査し、記憶しているインジコードと合致する行があるか否かを判定する。
ステップS021で、合致する行がある場合、ステップS022の動作が行われる。ステップS022において、マップ更新部27は、「消灯位置」の集合が空であるか否か、即ち「消灯位置」がクリアされているか否かを判定する。
ステップS022で、「消灯位置」がクリアされている場合、ステップS016以降の動作が行われる。
ステップS021で合致する行が無い、またはステップS022で「消灯位置」がクリアされていない場合、ステップS023の動作が行われる。ステップS023において、マップ更新部27は、更新マップ情報のマップテーブルのインジコードの列における「インデックス」の値に対応する行に取得したインジコードを書き込む。
その後、ステップS024の動作が行われる。ステップS024において、マップ更新部27は、マップテーブルの階管理値の列において、ステップS023で書き込んだインジコードに対応する行よりも下の行に、「消灯位置」の数だけ「-」を順番に書き込む。なお、「消灯位置」が無い場合は、「-」が書き込まれない。
その後、ステップS025の動作が行われる。ステップS025において、マップ更新部27は、更新マップ情報のマップテーブルの階管理値の列において、最も下位の行から上の行へ向かって、「-」が書き込まれた行を除いて数字が「1」からの連番となるように階管理値の列に数字を書き込む。その後、ステップS015以降の動作が行われる。
ステップS004でかごが走行を開始しなかった場合、またはステップS005でかごが停止した状態で対応するかご釦8aが消灯しなかった場合、ステップS026の動作が行われる。ステップS026において、マップ更新部27は、第1の自動更新モードが失敗したとみなし、第1の自動更新モードを終了する。この場合、マップ更新部27は、マップ情報の更新を行わない。
次に、図9から図11を用いて、自動更新モードの動作における更新マップ情報のマップテーブルが作成される例を説明する。
図9から図11は実施の形態1における通信中継装置が行う自動更新モードの動作の例の概要を示す図である。
図9において、最も左側のテーブルは、本例における建物の構成を示すテーブルである。建物には、実階床として地下2階である「B2」から地上12階である「12」までの階床が存在する。階床数は、最も下の階から数えて14である。「1号機」であるかご3は、2階および7階から12階に停車する。「1号機」は、地下2階から地上1階、および3階から6階には停車しない。
左側から2番目のテーブルは、更新前のマップ情報であるデフォルトのマップテーブルである。本例では、通信中継装置17が据え付けられるケースを想定する。このため、通信中継装置17が記憶するマップ情報は、デフォルトのマップテーブルである。例えば、デフォルトのマップテーブルには、階管理値が1から128まで設定されている。
左側から3番目のテーブルは、通信中継装置17が記憶する「1号機」のかご3のかご釦テーブルである。かご釦テーブルの階管理値は、更新前のマップ情報の階管理値と同じである。本例において、「1号機」のかご3には、停止階である2階および7階から12階までのかご釦8aが接続されている。かご釦8aに対応する階管理値は、4および9から14である。
左側から4番目のテーブルは、通信中継装置17が作成する更新マップ情報のマップテーブルである。自動更新モードが開始する時、更新マップ情報のマップテーブルは、更新前のマップ情報のマップテーブルと同じ状態に設定される。
自動更新モードが開始すると、動作O001として、通信中継装置17は、「インデックス」が「1」、「消灯位置」が空集合、および「階管理値書き込み」が「OFF」に設定される。その後、通信中継装置17は、かご釦テーブルにおける最も下の位置の階管理値「1」に対応する階の呼びを作成する。
しかし、「1号機」において、階管理値「1」に対応するかご釦8aが接続されていない。このため、本例において当該呼びは登録されず、当該かご釦8aは点灯しない。この場合、通信中継装置17は、階管理値「1」を「消灯位置」の集合に加える。その後、通信中継装置17は、「インデックス」をインクリメントして「2」とし、階管理値「2」に対応する階の呼びを作成する。以降、通信中継装置17は、呼びが登録されるまで同様の動作を繰り返す。
図10には、階管理値「4」に相当する階の呼びが登録された後のかご釦テーブルと更新マップ情報のマップテーブルとが示される。動作O002として、通信中継装置17は、かご3が当該呼びの階に停止し、階管理値「4」に相当するかご釦8aが消灯したことを検知する。この際、「消灯位置」の集合には、{1,2,3}が含まれている。「階管理値書き込み」が「OFF」の状態で最初にかご釦8aが消灯した時における「消灯位置」の集合が、最も下の階からの第1区間に相当する。この時、本例において、制御部12aは、インジコード「02」を送信している。通信中継装置17は、インジコード「02」を第1コードとしてRAMに一時的に記憶する。
その後、動作O003として、通信中継装置17は、「階管理値書き込み」が「OFF」であることを確認する。通信中継装置17は、マップテーブルを走査してインジコード「02」に合致する行を探索する。本例において、通信中継装置17は、合致する行があると判定する。
その後、動作O004として、通信中継装置17は、マップテーブルの最下位の行から「消灯位置の数-合致した行に記載された階管理値+1」の数だけの行に「-」を挿入する。
その後、動作O005として、通信中継装置17は、最新の消灯位置に対応する階管理値の行に「-」を書き込む。
その後、動作O006として、通信中継装置17は、「インデックス」に対応する行の階管理値を「1」とし、対応する行に記憶したインジコード「02」を書き込む。
その後、動作O007として、通信中継装置17は、階管理値を「1」とした行より上の行の階管理値を「2」から始まり1ずつ増える連番となるように変更する。通信中継装置17は、「階管理値書き込み」を「ON」に設定する。
その後、動作O008として、通信中継装置17は、「消灯位置」をクリアし、インデックスに1を加算し、「インデックス」の値の階管理値に対応する階の呼びを作成する。
図11には、まだ呼びが作成することができる場合のかご釦テーブルと更新マップ情報のマップテーブルとが示される。ここで、図11には、同様の動作が繰り返された状態が示される。
動作O009として、通信中継装置17は、かご3が当該呼びの階に停止し、階管理値「9」に相当するかご釦8aが消灯したことを検知する。この際、「消灯位置」の集合には、{5,6,7,8}が含まれている。「階管理値書き込み」が「ON」の状態でかご釦8aが消灯した時における「消灯位置」の集合が、第2区間に相当する。通信中継装置17は、第1コードとして、当該階のインジコード「07」を記憶する。
動作O010として、通信中継装置17は、マップテーブルのインジコードの列において、「インデックス」の値に対応する行、かご釦8aが消灯したことを検知した階の値の行に、インジコード「07」を書き込む。
その後、動作O011として、通信中継装置17は、マップテーブルの階管理値の列において、動作O010で書き込んだ行より下の行に「消灯位置」の集合の数だけ階管理値なしを示す「-」を書き込む。即ち、通信中継装置17は、マップテーブルの階管理値の列において、実際に呼びが登録されなかった階である第2区間に属する階床に階管理値なしを登録する。
その後、動作O012として、通信中継装置17は、マップテーブルの階管理値の列において、管理階無しである「-」を除く行において、上の階を示す行へ向かって数字が「1」からの連番となるように階管理値の列に数字を書き込む。
その後、通信中継装置17は、「消灯位置」をクリアし、インデックスに1を加算し、「インデックス」の値の階管理値に対応する階の呼びを作成する。
以降も同様の動作が行われる。本例の場合、以降は、かご3が停止した階のインジコードがマップテーブルにおいて合致する。また、上の階に間が飛んでいる階が無いので、「消灯位置」が存在しないことになる。この場合、通信中継装置17は、「インデックス」の値をインクリメントした後、次の階に対応する呼びを作成する動作を繰り返す。かご釦テーブルにおける最も上の階までの呼びを作成した後、通信中継装置17は、自動更新モードを終了する。
なお、第1コードがマップ情報のマップテーブルに合致しない場合も、第1コードであるインジコードが対応する階管理値と共に更新マップ情報のマップテーブルに追加される。
次に、図12と図13とを用いて、手動更新モードを説明する。
図12および図13は実施の形態1における通信中継装置の手動更新モードの動作の概要を説明するためのフローチャートである。
例えば、手動更新モードは、デフォルトのマップ情報に対して異なる階のみを変更したい場合に実行される。具体的には、実際の階床またはインジコードにB1、M1、等のアルファベットを含む階が存在する場合、1階から15階のみを走行するシャトルエレベーターのかご3に適用したい場合、等の場合に手動更新モードが実行される。
図12に示されるように、ステップS101において、作業員によって通信中継装置17の選択スイッチが、手動更新モードに設定される。通信中継装置17は、手動更新モードを開始する。
その後、ステップS102の動作が行われる。ステップS102において、作業員は、第1登録階(from)となる階の呼びを登録する。例えば、作業員は、第1登録階に対応するかご釦8aを操作する。なお、作業員は、保守用端末から当該呼びを登録してもよい。ここで、通信中継装置17は、第1登録階の呼びが行われるまで待機する。
その後、ステップS103の動作が行われる。ステップS103において、マップ更新部27は、呼びに対応する階床に対応するかご釦8aが点灯したか否かを判定する。
ステップS103で対応するかご釦8aが点灯した場合、ステップS104の動作が行われる。ステップS104において、通信中継装置17のマップ更新部27は、かご3が走行を開始したか否かを判定する。
ステップS104で、かご3が走行を開始した場合、ステップS105の動作が行われる。ステップS105において、マップ更新部27は、かご3が停止し、かつ対応するかご釦8aが点灯した状態から消灯したか否かを判定する。
ステップS105で、かご3が停止し、かつかご釦8aが消灯した場合、ステップS106の動作が行われる。ステップS106において、マップ更新部27は、かご3が停止した時に制御部12aが送信したインジコードを取得し、一時的に記憶する。
その後、ステップS107の動作が行われる。ステップS107において、マップ更新部27は、かご釦テーブルにおいて点灯状態から消灯した行に対応する階管理値を「Index_from」として記憶する。
その後、ステップS108の動作が行われる。ステップS108において、マップ更新部27は、更新マップ情報のマップテーブルにおいて、記憶しているインジコードが合致する行が存在するか否かを判定する。
ステップS108で、合致する行がある場合、ステップS109の動作が行われる。ステップS109において、合致した行の階管理値をインデックスの「from」として記憶する。
その後、ステップS110の動作が行われる。ステップS110において、かご3の戸が開く。その後、かご3の戸が閉じる。
その後、ステップS111の動作が行われる。ステップS111において、作業員は、第2登録階(to)となる階の呼びを登録する。ここで、通信中継装置17は、第2登録階の呼びが行われるまで待機する。
その後、ステップS112の動作が行われる。ステップS112において、マップ更新部27は、呼びに対応する階床に対応するかご釦8aが点灯したか否かを判定する。
ステップS112で対応するかご釦8aが点灯した場合、ステップS113の動作が行われる。ステップS113において、通信中継装置17のマップ更新部27は、かご3が走行を開始したか否かを判定する。
ステップS113で、かご3が走行を開始した場合、ステップS114の動作が行われる。ステップS114において、マップ更新部27は、かご3が停止し、かつ対応するかご釦8aが点灯した状態から消灯したか否かを判定する。
ステップS114で、かご3が停止し、かつかご釦8aが消灯した場合、ステップS115の動作が行われる。ステップS115において、マップ更新部27は、第1登録階から第2登録階へ移動する間に制御部12aから受信していたインジコードの変化、即ちかご3が通過した階のインジコードをRAMに一時的に記憶する。
その後、ステップS116の動作が行われる。ステップS116において、マップ更新部27は、かご3が停止した時に制御部12aから受信していたインジコードを記憶する。マップ更新部27は、かご3が第2登録階で停止した時に点灯状態から消灯したかご釦8aのかご釦テーブルにおける階管理値の位置を「Index_to」として一時的に記憶する。
その後、ステップS117の動作が行われる。ステップS117において、マップ更新部27は、第1登録階から第2登録階への移動が下方向であったか否かを判定する。
ステップS117で、下方向である場合、ステップS118の動作が行われる。ステップS118において、マップ更新部27は、更新マップ情報のマップテーブルのインジコードの列において、第1登録階から第2登録階までのインジコードを一時的に記憶しているインジコードの変化に下方向へ上書きする。具体的には、マップ更新部27は、マップテーブルのインジコードの列において、「from」の値に対応する行から下方向に、インジコードの変化を上書きする。
その後、ステップS119の動作が行われる。ステップS119において、マップ更新部27は、「to」の値を算出して一時的にRAMに記憶する。具体的には、マップ更新部27は、「Index_from」の値と「Index_to」の値との差の絶対値を「from」の値から減算し、「to」の値とする。即ち、「to」の値を「from-|Index_from-Index_to|」の値として算出する。
ステップS117で、下方向でない場合、即ち移動が上方向であった場合、ステップS120の動作が行われる。ステップS120において、マップ更新部27は、更新マップ情報のマップテーブルのインジコードの列において、第1登録階から第2登録階までのインジコードを一時的に記憶しているインジコードの変化に上方向へ上書きする。具体的には、マップ更新部27は、マップテーブルのインジコードの列において、「from」の値に対応する行から上方向に、インジコードの変化を上書きする。
その後、ステップS121の動作が行われる。ステップS121において、マップ更新部27は、「to」の値を算出して一時的にRAMに記憶する。具体的には、マップ更新部27は、「Index_from」の値と「Index_to」の値との差の絶対値を「from」の値に加算し、「to」の値とする。即ち、「to」の値を「from+|Index_from-Index_to|」の値として算出する。
ステップS119の動作が行われた後またはステップS121の動作が行われた後、ステップS122の動作が行われる。ステップS122において、マップ更新部27は、かご釦テーブルの「Index_from」の値の行位置から「Index_to」の値の行位置までをチェックする。具体的には、マップ更新部27は、飛び階があるかをチェックする。マップ更新部27は、かご釦テーブルの「Index_from」の値の行位置から「Index_to」の値の行位置までの間に「-」が存在する場合、飛び階があると判定する。飛び階がある場合、更新マップ情報のマップテーブルにおけるインジコードの列において、当該飛び階に相当する位置である、「from」と「to」との間の行位置のインジコードを「-」と書き換える。この際、「from」と「to」との行位置は、「-」には書き換えられない。
その後、ステップS123の動作が行われる。ステップS123において、ここまでの動作が正常であるかを確認するために、マップ更新部27は、第1登録階から第2登録階の間に飛び階がない、かつ「Index_from」の値と「Index_to」の値との差の絶対値が、記憶するインジコードの変化の数より大きい即ち「|Index_from-Index_to|>インジコードの変化数」であるか否かを判定する。
ステップS123で、飛び階がなく、かつ「|Index_from-Index_to|>インジコードの変化数」である場合、マップ更新部27は、手動更新モードが失敗したとみなし、手動更新モードを終了する。これは、更新前のマップ情報が正確であることが確認されないため、または更新時のマップテーブルが不正確となる可能性があるためである。この場合、マップ更新部27は、マップ情報の更新を行わない。
ステップS123で、飛び階がある、または飛び階がないが「|Index_from-Index_to|>インジコードの変化数」でない場合、ステップS124の動作が行われる。ステップS124において、マップ更新部27は、最下階補正を行うため、「Index_to」の値と「to」の値との差の絶対値が0であるか否か、即ち「|Index_to-to|=0」であるか否かを判定する。
ステップS124で、「|Index_to-to|=0」でない場合、ステップS125の動作が行われる。ステップS125において、マップ更新部27は、更新マップ情報のマップテーブルの階管理値の列において、「to」の値に対応する位置に「|Index_to-to|」の値分の行を「-」として挿入する。
ステップS124で「|Index_to-to|=0」である場合、またはステップS125の動作が行われた場合、ステップS126の動作が行われる。ステップS126において、マップ更新部27は、かご釦テーブルの「Index_to」に相当する位置から最も下の位置までの接続状態を確認する。具体的には、マップ更新部27は、かご釦テーブルにおいて、「Index_to」の位置から最下位までに「-」が存在する場合、当該位置に対応するよう、マップテーブルの階管理値における「to」の位置から最下位までを「-」に書き換える。
その後、ステップS127の動作が行われる。ステップS127において、マップ更新部27は、マップテーブルの階管理値の列において、最下位から「-」を除く行について階管理値が「1」から始まる連番となるように書き換える。
その後、ステップS128において、マップ更新部27は、手動更新モードが成功したとみなし、手動更新モードを終了する。
なお、ステップS103で対応するかご釦8aが点灯しない場合、ステップS104でかご3が走行を開始しない場合、ステップS105でかご釦8aが消灯しない場合、ステップS108で合致する行がない場合、ステップS112で対応するかご釦8aが点灯しない場合、ステップS113でかご3が走行を開始しない場合、ステップS114でかご釦8aが消灯しない場合、マップ更新部27は、手動更新モードが失敗したとみなし、手動更新モードを終了する。これは、更新前のマップ情報が正確であることが確認されないため、または更新時のマップテーブルが不正確となる可能性があるためである。この場合、マップ更新部27は、マップ情報の更新を行わない。
次に、図14から図16を用いて、手動更新モードの動作における更新マップ情報のマップテーブルが作成される例を説明する。
図14から図16は実施の形態1における通信中継装置が行う手動更新モードの動作の例の概要を示す図である。
図14に示される例は、図9に示される例と建物の構成が同じである。
作業員は、通信中継装置17のモード変更スイッチを操作することで手動更新モードを開始する。まず、動作O101として、作業員は、fromとなる階の呼びを登録する。通信中継装置17は、かご3が停止した階のインジコード「07」を取得する。通信中継装置17は、かご釦テーブルに基づいて、「Index_from」に「9」を設定する。
その後、動作O102として、通信中継装置17は、更新マップ情報におけるインジコード「07」に合致する階管理値「7」を「from」に設定する。
図15に示されるように、その後、動作O103として、作業員は、toとなる階の呼びを登録する。通信中継装置17は、停止するまでのインジコード変化として複数のインジコード「{06,05,04,03,02}」を記憶する。通信中継装置17は、かご3が停止した階のインジコード「02」を取得する。通信中継装置17は、かご釦テーブルに基づいて、「Index_from」に「4」を設定する。
その後、動作O104として、通信中継装置17は、マップテーブルのインジコードの列において、インジコード変化を下方向に上書きする。通信中継装置17は、「from」と「Index_from」と「Index_from」とに基づいて、「to」を「2」と算出する。
その後、動作O105として、通信中継装置17は、かご釦テーブルに基づいて飛び階があると判定する。
図16に示されるように、動作O106において、通信中継装置17は、最下階の補正を行う。具体的には、通信中継装置17は、マップテーブルの最下位に「|Index_from-to|」の値である「2」行分だけ、「-」の行を挿入する。
その後、動作O107として、通信中継装置17は、かご釦テーブルの接続状態が「-」である行を参照し、マップテーブルの階管理値の列の当該行に「-」を書き込む。
その後、動作O108として、通信中継装置17は、マップテーブルの階管理値の列において、最下位から「-」を除く行について階管理値が「1」から始まる連番となるように書き換える。
その後、通信中継装置17は、手動更新モードを終了する。なお、通信中継装置17は、手動更新モードを終了せずに、新たな「from」および「to」の呼びを待機するようにしてもよい。この場合、作業員は、スイッチを操作することなく、連続的に手動更新モードを行うことができる。
次に、図17を用いて、通信中継装置17が行う段違い補正を説明する。
図17は実施の形態1における通信中継装置の段違い補正の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図17には、同一バンクに属する「A号機」のかご3と他のかご3である「B号機」のかご3との間で、停車階に設定されている階が異なる段違いの場合に段違い補正部28が行う補正の動作が示される。通信中継装置17は、A号機およびB号機にそれぞれ対応する2つのマップ情報を記憶する。例えば、通信中継装置17は、作業員からの操作によって段違い補正を開始する。
ステップS201において、通信中継装置17の段違い補正部28は、「インデックス」を「1」、変数「a」を「0」、および変数「b」を「0」に設定する。ここで、変数「a」は、A号機に対応する変数である。変数「b」は、B号機に対応する変数である。
その後、ステップS202の動作が行われる。ステップS202において、段違い補正部28は、A号機に対応する更新マップ情報のマップテーブルの階管理値の列において、「インデックス」に対応する行が「-」であるか否かを判定する。
ステップS202で、「インデックス」に対応する行が「-」である場合、ステップS203の動作が行われる。ステップS203において、段違い補正部28は、「a」をインクリメントする、即ち、変数「a」に1を加える。
ステップS202で「インデックス」に対応する行が「-」でない場合、またはステップS203の動作が行われた場合、ステップS204の動作が行われる。ステップS204において、段違い補正部28は、B号機に対応する更新マップ情報のマップテーブルの階管理値の列において、「インデックス」に対応する行が「-」であるか否かを判定する。
ステップS204で、「インデックス」に対応する行が「-」である場合、ステップS205の動作が行われる。ステップS205において、段違い補正部28は、「b」をインクリメントする、即ち、変数「b」に1を加える。
ステップS204で「インデックス」に対応する行が「-」でない場合、またはステップS205の動作が行われた場合、ステップS206の動作が行われる。ステップS206において、段違い補正部28は、第1マップ情報として、A号機に対応する更新マップ情報のマップテーブルの階管理値の列において、「インデックス」に対応する行の値に「a」の値を加算する。ただし、「インデックス」に対応する行が「-」である場合、段違い補正部28は、当該行に「a」の値を加えない。段違い補正部28は、B号機に対応する更新マップ情報のマップテーブルの階管理値の列において、「インデックス」に対応する行の値に「b」の値を加算する。ただし、「インデックス」に対応する行が「-」である場合、段違い補正部28は、当該行に「b」の値を加えない。
その後、ステップS207の動作が行われる。ステップS207において、段違い補正部28は、「インデックス」をインクリメントする。
その後、ステップS208の動作が行われる。ステップS208において、段違い補正部28は、マップテーブルにおいて「インデックス」に対応する行があるか否か、即ちそれ以上指せる場所が存在するか否かを判定する。
ステップS208で、マップテーブルにおいて「インデックス」に対応する行がある場合、段違い補正部28は、ステップS202以降の動作を繰り返す。
ステップS208で、マップテーブルにおいて「インデックス」に対応する行がない場合、段違い補正部28は、段違い補正の動作を終了する。
次に、図18から図22を用いて、手動更新モードの動作における更新マップ情報のマップテーブルが作成される例を説明する。
図18から図22は実施の形態1における通信中継装置が行う手動更新モードの動作の例の概要を示す図である。
図18において、最も左側のテーブルは、本例における建物の構成を示すテーブルである。建物には、同一バンクに属する第1かごである「A号機」のかご3と第2かごである「B号機」のかご3とが設けられている。「A号機」は、1階から5階に停車する。「B号機」は、地下2階から地上5階に停車する。
左側から3番目のテーブルは、「A号機」についてのマップテーブルである。当該マップテーブルは、通信中継装置17が記憶し、連携装置であるロボット16にも共有される。当該マップテーブルにおいて、「インジコード」の「01」は、「階管理値」の「1」に対応する。
左側から4番目のテーブルは、「B号機」についてのマップテーブルである。当該マップテーブルは、通信中継装置17が記憶し、連携装置であるロボット16にも共有される。当該マップテーブルにおいて、「インジコード」の「01」は、「階管理値」の「3」に対応する。
図18のように、同一バンクに属する2つのかご3に対応するマップテーブルにおいて、「インジコード」と「階管理値」との対応関係が互いに異なる場合、ロボット16は、通信中継装置17からの階管理値に基づいてもかご3の正確な階床位置を把握できなくなる恐れがある。これは、通信中継装置17が、バンク毎のかご3の位置として階管理値を送信する場合があるからである。このため、段違い補正の動作が行われる。
「A号機」のマップテーブルと「B号機」のマップテーブルとの段違いの数である段違い階床数は、2である。通信中継装置17の段違い補正部28は、段違い補正を行うことで、「A号機」の階管理値の各値に2を加えることで段違い補正を行う。
段違い補正の動作において、動作O201として、通信中継装置17は、「インデックス」を「1」、「a」を「0」、「b」を「0」に設定する。
図19では、動作O202として、通信中継装置17は、「a」をインクリメントして「1」とする。ただし、「A号機」の階管理値の1行目は「-」であるため、加算が行われない。通信中継装置17は、「インデックス」をインクリメントして「2」とする。この際、「b」は、「0」のままである。
図20では、動作O203として、通信中継装置17は、「a」をインクリメントして「2」とする。ただし、「A号機」の階管理値の2行目は「-」であるため、加算が行われない。通信中継装置17は、「インデックス」をインクリメントして「3」とする。この際、「b」は、「0」のままである。
図21では、動作O204として、通信中継装置17は、「インデックス」が「3」であるため、「A号機」の下から3行目の階管理値に「a」の数である「2」を加算し、「3」とする。この際の「a」の値が、段違い階床数に対応する。
以降、同様の動作が行われる。即ち、図22では、動作O205として、通信中継装置17は、「インデックス」をインクリメントする毎に、「A号機」の階管理値の値に順番に2を加えていく。マップテーブルにおいてそれ以上させる行が無くなった場合、通信中継装置17は、段違い補正の動作を終了する。
なお、段違い補正を行う上で比較するマップテーブルの数が2よりも多い場合でも、通信中継装置17は、同様の処理で段違い補正の動作を行うことができる。
以上で説明した実施の形態1によれば、エレベーターシステムは、連携装置である建物内制御装置15またはロボット16と制御装置12と通信中継装置17とを備える。通信中継装置17は、記憶部20とコード取得部21と通知部22とかご釦検知部24とマップ更新部27とを備える。マップ更新部27は、かご釦検知部24の検知結果とコード取得部21が取得したインジコードとに基づいて、更新マップ情報を作成する。このため、連携装置と制御装置12との間の通信を中継する装置において、中継時に情報の変換のために使用するマップ情報を更新することができる。また、据え付け時の負荷を軽減することができる。
また、通信中継装置17は、かご釦検知部24の検知結果として、かご釦8aが点灯した状態から消灯したことを検知した時に取得されたインジコードを更新マップ情報のための更新後の階管理値と対応付ける。このため、かご釦8aの接続状態に対応するマップ情報を作成することができる。
また、通信中継装置17は、階床設定部26と呼び作成部23とを更に備える。呼び作成部23は、自動更新モードにおいて、階床設定部26が設定した設定階床に基づいて更新のための呼びを作成する。このため、通信中継装置17は、マップ情報の更新を自動で行うことができる。例えば、エレベーターシステムに連携装置と通信中継装置17とを新たに据え付ける場合、従来であれば、各かご3に対応するマップ情報を手作業で作成しなければならなかった。本実施の形態の通信中継装置17によれば、マップ情報が更新マップ情報として自動で作成される。このため、作業員の作業量を削減することができる。また、早期に据え付け作業を完了することができる。
また、通信中継装置17は、自動更新モードとして、各階を停止階とする設定階床を設定する。通信中継装置17は、最も下の階の呼びを作成した後に、1つ上の階へ向かう呼びを順番に作成する。通信中継装置17は、かご釦8aが点灯状態から消灯した時に取得したインジコードである第1コードがマップ情報のマップテーブルに含まれているか否かを判定する。通信中継装置17は、第1コードがマップテーブルに含まれていないと判定した場合、マップテーブルに第1コードを追加し、階管理値を連続した順番に付与する。このため、更新前のマップ情報に含まれていないインジコードを含む更新マップ情報を作成することができる。
また、通信中継装置17は、自動更新モードにおいて、最も下の階床から点灯状態から最初に消灯したかご釦8aに対応する階床より下の階床までの第1区間を特定する。通信中継装置17は、第1区間に属する階床に対して、階管理値を付与しない「-」を設定する。このため、通信中継装置17は、かご釦8aの配置に対応した更新マップ情報を作成することができる。
また、通信中継装置17は、自動更新モードにおいて、かご釦8aが点灯した状態から最初に消灯した階床よりも上の階床のうち、呼びに対してかご釦8aが点灯しなかった階床を第2区間として、階管理値を付与しない設定とする。このため、飛び階が存在するかご3でも、更新マップ情報を作成することができる。
なお、通信中継装置17は、階床設定モードにおいて、設定階床を決定するためのかご3の運転を制御装置12に行わせてもよい。この場合、モード変更スイッチが操作されることで、モード設定部25は、設定階床決定モードを設定する。呼び作成部23は、建物における最も上の階床と最も下の階床との間を停止することなくかご3を走行させる呼びを作成し、制御装置12に送信する。制御装置12は、呼びに応じてかご3を走行させる。コード取得部21は、制御装置12が発信した複数の階床に対応する複数のインジコードを取得する。階床設定部26は、コード取得部21が取得した複数のインジコードのうち、最も下の階床から連続する階床に対応するインジコードの数である下側連続数を算出する。階床設定部26は、コード取得部21が取得した複数のインジコードのうち、最も上の階床から連続する階床に対応するインジコードの数である上側連続数を算出する。階床設定部26は、上側連続数と下側連続数とのうち、数が大きい方を判定する。階床設定部26は、上側連続数と下側連続数とのうち数が大きい方に対応する連続する階床を設定階床とみなす。例えば、自動更新モードにおいて、設定階床モードで設定された設定階床に基づいて、更新マップ情報が作成される。
階床設定モードでかご3が走行する際、かご3の速度が最高速度に達するまでの期間において、インジケータの表示飛びが発生する可能性がある。設定階床は、そのようなインジケータの表示飛びが発生しなかった区間を示す。このため、自動更新モードにおいて、より正確に更新マップ情報が作成されることができる。
また、通信中継装置17は、手動更新モードを実行する。手動更新モードにおいて、通信中継装置17は、作業者によって登録された第1登録階と第2登録階との間の階を階管理値を付与しない設定にする。その後、通信中継装置17は、連続して順番に階管理値を付与することで更新マップ情報を作成する。このため、例えば、作業員は、現在のマップ情報と異なる階床だけマップ情報を更新することができる。このため、マップ更新のための作業工程の柔軟性を向上することができる。
また、通信中継装置17は、第1マップ情報の段違い補正の動作を行う。このため、同一バンクに属する複数のかご3の停止が設定された階が異なる場合でも、自動的に段違い補正を行うことができる。
また、通信中継装置17は、モード変更スイッチを備える。このため、作業員は、容易に各モードを切り替えることができる。
なお、階床設定部26は、上側連続数と下側連続数とのうち数が小さい方に対応する連続する階床数ごとに停止階床が設定された設定階床を決定してもよい。通信中継装置17は、当該設定された階床数毎にかご3を停止させながら更新マップ情報を作成してもよい。