JP7147674B2 - 検査用シール - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロ波を用いた画像診断に用いられる検査用シールに関する。
乳がんの検査方法として、マイクロ波を用いたマンモグラフィーが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。マイクロ波を用いたマンモグラフィーでは、検査対象である乳房を圧迫する必要がないため、被検者は検査時に痛みを感じることがない。また、マイクロ波を用いたマンモグラフィーではX線を用いないため、被検者が被爆しない。
マイクロ波を用いたマンモグラフィーでは、プローブによって乳房の全体をスキャンする。この際に、スキャン漏れが生じないように、座標グリッドが印字されたタトゥーシールが、乳房に貼り付けられる検査用シールとして用いられている。タトゥーシールは、粘着層と受像層とを備えている(例えば、特許文献2,3を参照)。受像層には、インクジェットプリンターなどを用いて座標グリッドが形成される。
国際公開第2017/057524号 特開2006-130865号公報 特開2000-160111号公報
ところで、マンモグラフィーの検査対象である乳房は、平坦な形状ではない。そのため、検査用シールには、検査用シールを乳房に貼り付けた場合に、乳房の形状に追従した変形が可能であることが求められる。検査用シールが十分な追従性を有していない場合には、検査用シールにしわが生じる。こうしたしわを取り除くためには、検査用シールの剥離と貼り付けとを繰り返し行う必要があり、これによって、マンモグラフィーによる検査の効率が低下してしまう。また、検査用シールには、乳房に対する貼り付けは可能である一方で、検査用シールの一部と他の一部とが接触したとしても、接触部分の剥離が可能であることが求められる。接触部分における剥離が困難である場合には、検査用シールの形状を整えるために時間を要するため、これによっても、マンモグラフィーによる検査の効率が低下してしまう。それゆえに、マンモグラフィーによる検査の効率を高める上で、検査を行う際に取り扱いやすい検査用シールが求められている。なお、こうした課題は、マンモグラフィー用のシールに限らず、マイクロ波を用いて人体における他の部位を画像診断する場合にも共通する。
本発明は、取り扱い性を向上可能とした検査用シールを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための検査用シールは、マイクロ波を用いた画像診断に用いられる検査用シールであって、ポリウレタン樹脂を含むベースフィルムと、前記ベースフィルムに積層された粘着層と、を備える。前記ベースフィルムと前記粘着層との積層体において、引張破断伸度が130%以上であり、かつ、100%伸び引張応力が10MPa以下であり、前記ベースフィルムの前記粘着層が形成される面とは反対側の面において、ステンレス鋼製の板に対する剥離強度が、3.5N/25mm以下である。
上記構成によれば、引張破断伸度が130%以上であり、かつ、100%伸び引張応力が10MPa以下であるため、ベースフィルムと粘着層との積層体を小さい力によって大きく引き伸ばすことが可能である。しかも、ベースフィルムの剥離強度が3.5N/25mm以下であることから、積層体の柔軟性を上述のように高く維持しつつも、積層体の一部と他の一部とが接触した場合に、接触部分を引き離す方向に力を作用させることによって、積層体内での接触を解除することが可能である。このように、ベースフィルムと粘着層との積層体を備える検査用シールによれば、積層体が有する柔軟性によって検査対象に追従した積層体の貼り付けが容易であり、かつ、積層体内での接触の解除も容易であることから、検査用シールの取り扱い性を高めることが可能である。
上記検査用シールにおいて、前記ポリウレタン樹脂は、エーテル系ポリウレタン樹脂、エステル系ポリウレタン樹脂、および、カーボネート系ポリウレタン樹脂から構成される群から選択される少なくとも1つを含んでもよい。上記構成によれば、高い柔軟性を有し、これによって検査対象に対する貼り付けが容易なベースフィルムを得ることが可能である。
上記検査用シールにおいて、前記ポリウレタン樹脂は、第1ポリウレタン樹脂および第2ポリウレタン樹脂を含み、前記第1ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が、前記第2ポリウレタン樹脂のガラス転移温度よりも低くてもよい。
上記構成によれば、ベースフィルムを形成するポリウレタン樹脂が、ガラス転移温度が互いに異なる2種のポリウレタン樹脂を含む。これにより、ベースフィルムにおいて、柔軟性と低い粘着性とを両立させることが可能になる。
上記検査用シールにおいて、前記第1ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が40℃であり、前記第2ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が90℃であってもよい。上記構成によれば、第1ポリウレタン樹脂のガラス転移温度と第2ポリウレタン樹脂のガラス転移温度との差が大きいため、ベースフィルムに柔軟性と低い粘着性との両方を発現させることが容易である。
上記検査用シールにおいて、前記第1ポリウレタン樹脂の第1質量(P1)に対する前記第2ポリウレタン樹脂の第2質量(P2)の比(P2/P1)が、1/25以上1/5以下であってもよい。
上記構成によれば、第1質量に対する第2質量の比が、1/25以上1/5以下であることにより、第1質量と第2質量との比によって、高い柔軟性を実現するための引張破断伸度および100%伸び引張応力と、低い粘着性を実現するための剥離強度とをベースフィルムに発現させることが可能である。
上記検査用シールにおいて、前記ベースフィルムにおける前記粘着層に接する面とは反対側の面に対して剥離可能に積層されたセパレートフィルムと、前記粘着層における前記ベースフィルムに接する面とは反対側の面に対して剥離可能に積層された保護フィルムと、をさらに備えてもよい。
上記構成によれば、ベースフィルムと粘着層との積層体がセパレートフィルムと保護フィルムとによって挟まれているため、セパレートフィルムと保護フィルムとが積層体から剥がされるまで、これらのフィルムによって積層体が清浄に保たれる。
本発明によれば、検査用シールの取り扱い性を向上することが可能である。
一実施形態における検査用シールの構造を示す断面図。 ベースフィルムの表面と対向する平面視における検査用シールの構造を示す平面図。 検査用シールが使用されるときの積層体の構造を示す断面図。 検査用シールの使用方法を説明するための模式図。
図1から図4を参照して、検査用シールの一実施形態を説明する。以下では、検査用シールの構成、検査用シールの使用方法、および、実施例を順に説明する。
[検査用シールの構成]
図1および図2を参照して、検査用シールの構成を説明する。検査用シールは、マイクロ波を用いた画像診断の一例であるマンモグラフィーに用いられるシールである。検査用シールは、マンモグラフィーにおいて、検査対象である乳房に貼り付けられるシールである。
図1が示すように、検査用シール10は、ベースフィルム11と、粘着層12とを備えている。ベースフィルム11は、ポリウレタン樹脂を含んでいる。粘着層12は、ベースフィルム11に積層されている。検査用シール10において、ベースフィルム11と粘着層12との積層体が、以下の2つの条件を満たす。
(条件1)引張破断伸度が130%以上である
(条件2)100%伸び引張応力が10MPa以下である
また、検査用シール10において、ベースフィルム11が、以下の条件を満たす。
(条件3)ベースフィルム11の粘着層12が形成される面とは反対側の面において、ステンレス鋼製の板に対する剥離強度が、3.5N/25mm以下である
検査用シール10によれば、積層体における引張破断伸度が130%以上であり、かつ、100%伸び引張応力が10MPa以下であるため、ベースフィルム11と粘着層12との積層体を小さい力によって大きく引き伸ばすことが可能である。しかも、ベースフィルム11の剥離強度が3.5N/25mm以下であることから、積層体の柔軟性を上述のように高く維持しつつも、積層体の一部と他の一部とが接触した場合に、接触部分を引き離す方向に力を作用させることによって、積層体内での接触を解除することが可能である。このように、積層体が有する柔軟性によって乳房に追従した積層体の貼り付けが容易であり、かつ、積層体内での接触の解除も容易であることから、検査用シール10の取り扱い性を高めることが可能である。
引張破断伸度は、JIS K7127:1999(ISO 527-3:1995)の「プラスチック-引張特性の試験方法-第3部:フィルム及びシートの試験条件」、および、JIS K7161-1:2014(ISO 527-1:2012)の「プラスチック-引張特性の求め方-第1部:通則」に準拠して算出される。測定対象物である試験片が降伏点を有しない場合には、JIS K7161-1:2014の3.7.2に定義された「引張破壊ひずみ」を引張破断伸度として算出する。一方で、試験片が降伏点を有する場合には、当該規格の3.8.1に定義される「引張破壊呼びひずみ」を引張破断伸度として算出する。なお、引張破壊ひずみは、当該規格の10「計算及び試験結果の表現」に記載された以下の式(1)によって算出される。また、引張破壊呼びひずみは、当該規格の10「計算及び試験結果の表現」に記載された以下の式(2)によって算出される。
ε=ΔL/L … 式(1)
ε=ε+ΔL/L … 式(2)
なお、式(1)において、εはひずみ(%)であり、Lは試験片の標線間距離(mm)であり、ΔLは試験片の標線間距離の増加量(mm)である。また、式(2)において、εは呼びひずみ(%)であり、εは降伏ひずみ(%)であり、Lは初めのつかみ具間距離(mm)であり、ΔLは降伏点からのつかみ具間距離の増加量(mm)である。
100%伸び引張応力は、JIS K7127:1999(ISO 527-3:1995)の「プラスチック-引張特性の試験方法-第3部:フィルム及びシートの試験条件」に準拠し、JIS K7161-1:2014(ISO 527-1:2012)の「プラスチック-引張特性の求め方-第1部:通則」の3.6.3に定義された「x%ひずみ引張応力」において、ひずみが規定の値(100%)に達したときの応力として算出される。なお、100%ひずみ引張応力は、当該規格の10「計算及び試験結果の表現」に記載された以下の式(3)によって算出される。
σ=F/A … 式(3)
なお、式(3)において、σは応力(MPa)であり、Fは測定した力(N)であり、Aは試験片の初めの断面積(mm)である。
剥離強度は、JIS Z0237:2009の「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準拠した方法によって測定される。剥離強度は、当該規格の10.4.1における「方法1:試験板に対する180°引きはがし粘着力」として測定される。
ベースフィルム11は、ポリウレタン樹脂によって形成されている。ポリウレタン樹脂は、エーテル系ポリウレタン樹脂、エステル系ポリウレタン樹脂、および、カーボネート系ポリウレタン樹脂から構成される群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。これにより、高い柔軟性を有し、検査対象に対する貼り付けが容易なベースフィルム11を得ることが可能である。
エーテル系ポリウレタン樹脂は、エーテル結合(‐O‐)を含むエーテル系ポリオールを用いて生成されたポリウレタン樹脂である。エステル系ポリウレタン樹脂は、エステル結合(‐COO‐)を含むエステル系ポリオールを用いて生成されたポリウレタン樹脂である。カーボネート系ポリウレタン樹脂は、カーボネート結合(‐OC(=O)O‐)を含むポリオールを用いて生成されたポリウレタン樹脂である。ベースフィルム11の厚さは、5μm以上30μm以下であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂は、第1ポリウレタン樹脂および第2ポリウレタン樹脂を含むことができる。第1ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が、第2ポリウレタン樹脂のガラス転移温度よりも低い。ベースフィルム11を形成するポリウレタン樹脂が、ガラス転移温度が互いに異なる2種のポリウレタン樹脂を含むことによって、ベースフィルム11において、柔軟性と低い粘着性とを両立させることが可能になる。ベースフィルム11を形成するポリウレタン樹脂のなかで、ガラス転移温度が低い第1ポリウレタン樹脂が、ベースフィルム11の柔軟性に主に寄与する傾向を有し、ガラス転移温度が高い第2ポリウレタン樹脂が、ベースフィルム11の低い粘着性に主に寄与する傾向を有する。
第1ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が40℃であり、第2ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が90℃であることが可能である。これにより、第1ポリウレタン樹脂のガラス転移温度と第2ポリウレタン樹脂のガラス転移温度との差が大きいため、ベースフィルムに柔軟性と低い粘着性との両方を発現させることが容易である。
検査用シール10は、室温すなわち20℃前後の温度に保たれた環境において使用されることが多い。この場合、第1ポリウレタン樹脂のガラス転移温度と環境の温度との差が小さく、かつ、第2ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が環境の温度よりも大幅に高い。これにより、第1ポリウレタン樹脂によってベースフィルムの柔軟性を高めつつ、第2ポリウレタン樹脂によってベースフィルムの粘着性を低めることが可能である。
第1ポリウレタン樹脂の第1質量(P1)に対する第2ポリウレタン樹脂の第2質量(P2)の比(P2/P1)が、1/25以上1/5以下であることが好ましい。これにより、第1質量と第2質量との比によって、高い柔軟性を実現するための引張破断伸度および100%伸び引張応力と、低い粘着性を実現するための剥離強度とをベースフィルム11に発現させることが可能である。
粘着層12は、合成樹脂製の粘着剤によって形成される。粘着層12は、ウレタン系粘着剤によって形成されることが好ましい。粘着層12がウレタン系粘着剤によって形成される場合には、粘着層12の厚さは、5μm以上25μm以下であることが好ましい。
本実施形態において、検査用シール10は、セパレートフィルム13と保護フィルム14とをさらに備える。セパレートフィルム13は、ベースフィルム11における粘着層12に接する面とは反対側の面に対して剥離可能に積層されている。保護フィルム14は、粘着層12におけるベースフィルム11に接する面とは反対側の面に対して剥離可能に積層されている。検査用シール10の使用時には、ベースフィルム11と粘着層12との積層体が被検者に貼り付けられる。ベースフィルム11と粘着層12との積層体がセパレートフィルム13と保護フィルム14とによって挟まれているため、セパレートフィルム13と保護フィルム14とが積層体から剥がされるまで、これらのフィルム13,14によって積層体が清浄に保たれる。
セパレートフィルム13、および、保護フィルム14は、透明または半透明な合成樹脂製のフィルムであることが好ましい。各フィルム13,14は、例えば、基材フィルムと、離型層とから形成されている。離型層は、基材フィルム上に積層されている。セパレートフィルム13の離型層が、ベースフィルム11に接している。また、保護フィルム14の離型層が、粘着層12に接している。基材フィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどであってよい。離型層は、例えば、シリコーン樹脂製の層であってよい。なお、各フィルム13,14は、基材フィルムのみから構成され、かつ、基材フィルムのなかで他の層と接する面に、剥離性を高める加工が施されていてもよい。
セパレートフィルム13の一部には、ハーフカット加工が施されてもよい。言い換えれば、セパレートフィルム13は、セパレートフィルム13の厚さ方向において、表面からセパレートフィルム13の厚さにおける途中まで延びる切れ込みを有してもよい。なお、セパレートフィルム13において、ベースフィルム11に接する面とは反対側の面が表面である。
セパレートフィルム13の硬度は、ベースフィルム11の硬度よりも高いことが好ましい。これにより、セパレートフィルム13の一部が他の一部と接触した場合に、接触部位が互いに粘着することが抑えられる。
ベースフィルム11は、乳房におけるスキャンの指標である座標グリッド15を有している。座標グリッド15は、ベースフィルム11において粘着層12に接する面に位置している。粘着層12は、座標グリッド15の全体を覆い、かつ、粘着層12において、ベースフィルム11に接する面とは反対側の面が略平坦面になる程度の厚さを有している。座標グリッド15は、粘着層12によって覆われることによって、検査用シール10の外表面を形成しない。そのため、座標グリッド15が検査用シール10から剥がれにくい。
ベースフィルム11と粘着層12との積層体のなかで、座標グリッド15を除く部分における全光線透過率は、50%以上であることが好ましい。全光線透過率は、JIS K7361-1:1997に規定されている。これにより、積層体を乳房に貼り付ける場合に、乳房に対する座標グリッド15の位置を目視によって確認しながら、乳房に対する積層体の位置を調整することが可能である。また、積層体の全光線透過率が50%以上であれば、ベースフィルム11と粘着層12とを乳房に貼り付けた後に、これらを介して乳房に位置するほくろやしみの位置を、目視やカメラによって特定することが可能である。乳房におけるほくろやしみの位置は変わらないため、乳房における病巣の位置を特定する上で、乳房におけるほくろやしみの位置は重要である。なお、検査用シール10のなかで、座標グリッド15を除く部分における上述の全光線透過率が、50%以下であってもよい。また、座標グリッド15における全光線透過率が、50%以上であってもよい。
図2が示すように、座標グリッド15は、複数のグリッド線15Aを含んでいる。各グリッド線15Aは、スキャン方向DSに沿って延び、かつ、複数のグリッド線15Aは、スキャン方向DSと直交する配列方向DAに沿って並んでいる。本実施形態において、紙面の左右方向がスキャン方向DSである。スキャン方向DSは、マンモグラフィーにおいて、医師または検査技師などの検査実施者が、プローブを用いて乳房をスキャンする方向である。また、本実施形態において、配列方向DAは、紙面の上下方向である。複数のグリッド線15Aにおいて、第1の色の第1グリッド線15A1と、第1の色とは異なる第2の色の第2グリッド線15A2とが交互に並んでいる。
第1グリッド線15A1は、例えば赤色であってよく、第2グリッド線15A2は、例えば青色であってよい。なお、第1グリッド線15A1の色である第1の色と、第2グリッド線15A2の色である第2の色とは、赤色と青色とに限らず、互いに異なる色であれば任意に設定することが可能である。
検査実施者が、スキャン方向DSに沿ってプローブをスキャンさせる際に、第1グリッド線15A1に沿ったスキャンと、第2グリッド線15A2に沿ったスキャンとを交互に行うことができる。これにより、検査実施者が、同じグリッド線15Aを複数回スキャンしたり、あるグリッド線15Aのスキャンを漏らしたりすることが抑えられる。
座標グリッド15は、配列方向DAに沿って延び、かつ、スキャン方向DSに沿って並ぶ複数のグリッド線15Bをさらに含んでいる。検査用シール10が広がる平面と対向する方向から見て、複数のグリッド線15Bは、上述した複数のグリッド線15Aとともに正方格子を形成している。各グリッド線15Bにおいて、第1区分15B1と第2区分15B2とが交互に並んでいる。配列方向DAにおいて、1本の第1グリッド線15A1と1本の第2グリッド線15A2とによって挟まれる区画ごとに、第1区分15B1と第2区分15B2とが区切られている。第1区分15B1は、第1グリッド線15A1と同様、第1の色を有している。第2区分15B2は、第2グリッド線15A2と同様、第2の色を有している。
座標グリッド15は、さらに位置標識15Cを含んでいる。位置標識15Cは、座標グリッド15上における位置を特定するために用いられる数字である。位置標識15Cは、例えば、スキャン方向DSに沿って並ぶ複数の数字を含んでいる。複数の数字は、配列方向DAにおいて、端に位置する第1グリッド線15A1よりも外側に位置している。各数字は、スキャン方向DSにおいて、2本のグリッド線15Bの間に位置するか、あるいは、端に位置するグリッド線15Bよりも外側に位置している。位置標識15Cは、例えば、配列方向DAに沿って並ぶ複数の数字を含んでいる。複数の数字は、スキャン方向DSにおいて、端に位置するグリッド線15Bよりも外側に位置している。各数字は、配列方向DAにおいて、2本のグリッド線15Aの間に位置している。なお、位置標識15Cは、複数の数字に限らず、例えば、複数の文字を含んでもよい。
座標グリッド15が位置標識15Cを含むため、検査実施者が位置標識15Cを参照することによって、検査の精度がさらに向上する可能性がある。また、乳房に病巣が発見された場合には、乳房における病巣の位置を特定するために、位置標識15Cを用いることができる。
座標グリッド15は、インキを用いてベースフィルム11に形成されている。座標グリッド15を形成するためのインキには、ベースフィルム11に対する印字が可能な任意のインキを用いることが可能である。
検査用シール10は、座標グリッド15における所定の位置を示す標識16をさらに備えている。本実施形態では、所定の位置は、座標グリッド15の中央部である。標識16は、座標グリッド15の中央部に位置する円状の点である。標識16の形状は、円状に限らず、任意に設定することが可能である。また、標識16は、互いに離間した複数の部分によって構成されてもよい。さらには、標識16は、座標グリッド15の中央部を示していれば、座標グリッド15の中央部からずれた位置に配置されてもよい。標識16は、座標グリッド15と同様、インキを用いてベースフィルム11に形成されている。
[検査用シールの使用方法]
図3および図4を参照して、検査用シール10の使用方法を説明する。
図3が示すように、検査用シール10を使用する際には、まず、使用者が、ベースフィルム11からセパレートフィルム13を剥がし、かつ、粘着層12から保護フィルム14を剥がす。なお、検査用シール10を使用する際には、セパレートフィルム13を保護フィルム14よりも先に剥がしてもよいし、保護フィルム14をセパレートフィルム13よりも先に剥がしてもよい。
図4が示すように、粘着層12を被検者Sの乳房Bに貼り付ける。このとき、検査用シール10の標識16が、乳頭部に重なるように検査用シール10を乳房Bに貼り付ける。本実施形態では、標識16は座標グリッド15の中心部に位置しているため、標識16と乳頭部とを重ねることによって、乳頭部の周方向の全体に座標グリッド15の一部を位置させることができる。これにより、座標グリッド15の案内によって、乳房Bの全体がスキャンされやすくなる。
ベースフィルム11と粘着層12との積層体を乳房Bに貼り付ける際には、積層体の縁を構成する4辺を外側に向けて引っ張った状態で、標識16の位置を乳頭部の位置に合わせる。次いで、積層体の上端から下端に向けて積層体を乳房Bに対して徐々に貼り付けることによって、積層体にしわが生じることが抑えられる。なお、積層体のなかで、乳頭部の上方に位置する辺が上端であり、乳頭部の下方に位置する辺が下端である。積層体にしわが生じた場合には、積層体のなかで、しわが生じた部分を乳房Bから剥離し、かつ、積層体を縁の外側に向けて引っ張る力を積層体に加えた状態で、積層体を乳房Bに貼り付ける。これにより、積層体に生じたしわを除去することが可能である。
上述したように、積層体は、条件1および条件2を満たすことから、積層体に作用させる力に対して積層体が引き伸ばされる量が大きい。そのため、積層体は、乳房Bが有する形状に対して高い追従性を有し、かつ、積層体にしわが生じにくい。しかも、ベースフィルム11が条件3を満たすことから、積層体を引き伸ばした際に、ベースフィルム11の一部と他の一部とが接触したり、粘着層12の一部と他の一部とが接触したりしても、当該接触を解除することが可能である。このように、ベースフィルム11と粘着層12との積層体は、高い柔軟性を有しながらも低い粘着性を有しているため、こうした積層体を備える検査用シール10によれば、マンモグラフィーによる検査の効率を高めることが可能である。
なお、積層体を乳房Bに貼り付ける際には、積層体を積層体の縁の外側に向けて引っ張ることが可能な治具を用いてもよい。また、上述したように、セパレートフィルム13にハーフカット加工が施されている場合には、保護フィルム14を粘着層12から剥がした後、セパレートフィルム13、ベースフィルム11、および、粘着層12から形成される積層体を乳房Bに貼り付けた後に、セパレートフィルム13をベースフィルム11から剥がしてもよい。この場合には、ベースフィルム11の表面が、高い硬度を有したセパレートフィルム13によって覆われているため、積層体内での粘着をより抑えることが可能である。
[実施例]
表1を参照して実施例および比較例を説明する。
[比較例1]
セパレートフィルムとして、離型層を有し、75μmの厚さを有したPETフィルム(東レフィルム加工(株)製、セラピールBX-9)(セラピールは登録商標)を準備した。そして、エーテル系ポリオールを含む水性ポリウレタン(三井化学(株)製、タケラックWS-6021)(タケラックは登録商標)をセパレートフィルムに塗工した後、乾燥させた。次いで、乾燥後の層を常温において2日間エージングさせることによって、10μmの厚さを有するベースフィルムを得た。
次いで、保護フィルムとして、離型層を有し、38μmの厚さを有したPETフィルム(東レフィルム加工(株)製、セラピールWZ)を準備した。ウレタン系粘着剤(トーヨーケム(株)製、SP-205)に1%の硬化剤(トーヨーケム(株)製、T-501B)を添加し、これらを攪拌して塗液を作成した。そして、保護フィルムに対して塗液をグラビア塗工によって塗布し、ウレタン系粘着剤を乾燥させた。これにより、厚さが20μmである粘着層を得た。そして、ベースフィルムと、粘着層とを貼り合わせることによって、積層体を得た。積層体を40℃の環境においてエージングさせることによって、比較例1の検査用シールを得た。
[実施例1]
第1ポリウレタン樹脂として、ガラス転移温度が40℃であり、エーテル系ポリオールを含む水性ポリウレタン(三井化学(株)製、タケラックWS-6021)を準備した。第2ポリウレタン樹脂として、ガラス転移温度が90℃であり、エーテル系ポリオールを含む水性ポリウレタン(三井化学(株)製、タケラックW-6020)を準備した。そして、第1ポリウレタン樹脂の質量に対する第2ポリウレタン樹脂の質量の比が、1/25であるように、第1ポリウレタン樹脂と第2ポリウレタン樹脂とを混合した。比較例1において、第1ポリウレタン樹脂と第2ポリウレタン樹脂とを混合したポリウレタン樹脂を用いた以外は、比較例1と同様の方法によって、実施例1の検査用シールを得た。
[実施例2]
実施例1において、第1ポリウレタン樹脂の質量に対する第2ポリウレタン樹脂の質量の比を1/12.5に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって、実施例2の検査用シールを得た。
[実施例3]
実施例1において、第1ポリウレタン樹脂の質量に対する第2ポリウレタン樹脂の質量の比を1/10に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって、実施例3の検査用シールを得た。
[実施例4]
実施例1において、第1ポリウレタン樹脂の質量に対する第2ポリウレタン樹脂の質量の比を1/5に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって、実施例4の検査用シールを得た。
[比較例2]
実施例1において、第1ポリウレタン樹脂の質量に対する第2ポリウレタン樹脂の質量の比を1/2に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって、比較例2の検査用シールを得た。
[比較例3]
実施例1において、第1ポリウレタン樹脂の質量と第2ポリウレタン樹脂の質量とを同一に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって、比較例3の検査用シールを得た。
[比較例4]
実施例1において、第1ポリウレタン樹脂の質量に対する第2ポリウレタン樹脂の質量の比を5/1に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって、比較例4の検査用シールを得た。
[比較例5]
実施例1において、第1ポリウレタン樹脂の質量に対する第2ポリウレタン樹脂の質量を10/1に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって、比較例5の検査用シールを得た。
[評価方法]
[引張破断伸度]
JIS K7127:1999(ISO 527-3:1995)の「プラスチック-引張特性の試験方法-第3部:フィルム及びシートの試験条件」、および、JIS K7161-1:2014(ISO 527-1:2012)の「プラスチック-引張特性の求め方-第1部:通則」に準拠する方法によって、引張破断伸度を測定した。引張破断伸度の測定に際して、検査用シールをダンベル形状(試験片タイプ5)に型抜きし、引張試験機((株)島津製作所製、AGS-X 5kN)を用いて引張破断強度を測定した。試験速度を300mm/minに設定し、標線間距離Lを25mmに設定し、初めのつかみ具間距離Lを80mmに設定した。試験片が降伏点を有しない場合には、引張破壊ひずみを引張破断伸度として算出した。一方で、試験片が降伏点を有する場合には、引張破壊呼びひずみを引張破断伸度として算出した。なお、引張破断伸度を測定する際には、ベースフィルムと粘着層とのみから形成される積層体に対して、測定を実施した。
[100%伸び引張応力]
引張破断伸度を測定するときと同様に、JIS K7127:1999(ISO 527-3:1995)の「プラスチック-引張特性の試験方法-第3部:フィルム及びシートの試験方法」に準拠し、試験片を準備した。そして、JIS K7161-1:2014(ISO 527-1:2012)の「プラスチック-引張特性の求め方-第1部:通則」に準拠して、ひずみが100%に達したときの応力として100%伸び引張応力を算出した。
[貼合適性]
乳癌触診訓練用モデル((株)タナック製)を用いて、検査用シールの貼合適性を評価した。モデルの乳房に検査用シールを貼り付け、検査用シールにしわが生じるか否かを以下の3段階で評価した。なお、以下の3段階のうち、評価が「○」または「△」である検査用シールが貼合適性を有する検査用シールである。
○ しわが生じない
△ 微細なしわが生じるが、検査には支障がない
× 検査に支障が生じる程度に大きいしわが生じる
[剥離強度]
JIS Z0237:2009の「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準拠した方法によって、剥離強度を測定した。剥離強度の測定には、卓上形精密万能試験機((株)島津製作所製、AGS-X 5kN)と、表面仕上げBAのSUS304の板とを用いた。検査用シールから25mmの幅を有した試験片を作成した。そして、ベースフィルムにおいて、粘着層が積層された面とは反対側の面をSUS板に接触させ、2kgのゴムローラーを用いてベースフィルムをSUS板に圧着させた。次いで、試験速度を300m/minに設定して、SUS板から試験片を180°剥離した。
[ハンドリング適性]
ベースフィルムと粘着層との積層体において、ベースフィルムの一部である第1部分と、他の一部である第2部分とを重ね合わせた後に、ベースフィルムが貼り付くか否かを以下の3段階で評価した。なお、以下の3段階のうち、評価が「○」または「△」である検査用シールがハンドリング適性を有する検査用シールである。
○ 第1部分と第2部分とが貼り付かない
△ 第1部分と第2部分とが貼り付くが、第1部分から第2部分を剥がしてもベースフィルムが破れない
× 1部分と第2部分とが貼り付き、第1部分から第2部分を剥がそうとするとベースフィルムが破れる
Figure 0007147674000001
[評価結果]
表1を参照して、各評価による結果を説明する。
表1が示すように、実施例1から実施例4の検査用シール、および、比較例1から比較例5の検査用シールの全てにおいて、引張破断伸度が130%以上であることが認められた。また、実施例1から実施例4の検査用シール、および、比較例1の検査用シールにおいて、100%伸び引張応力が10MPa以下であることが認められた。これに対して、比較例2から比較例5の検査用シールにおいて、100%伸び引張応力が10MPaよりも大きいことが認められた。また、貼合適性の評価において、実施例1から実施例3の検査用シール、および、比較例1の検査用シールにおける評価結果が「○」であり、試験例4の検査用シールにおける評価結果が「△」であり、比較例2から比較例5の検査用シールにおける評価結果が「×」であることが認められた。
このように、実施例1から実施例3の検査用シール、および、比較例1の検査用シールによれば、引張破断伸度が440%以上という高い値であり、かつ、100%伸び引張応力が4.2MPa以下という低い値であることによって、高い貼合適性が得られることが認められた。また、実施例4では、引張破断伸度が450%という高い値である一方で、100%伸び引張応力が、10MPa以下ではあるものの、実施例1から実施例3の検査用シール、および、比較例1の検査用シールに比べて高い値であるために、検査に支障がない程度のしわが積層体に認められた。これに対して、比較例2から比較例5の検査用シールでは、引張破断伸度は330%以上という高い値である一方で、100%伸び引張応力も10MPaを超える高い値であることが認められた。そのため、比較例2から比較例5の検査用シールでは、検査用シールを引き伸ばすためには大きな力が必要であるために、しわを生じさせないように積層体を乳房に貼り付けることが難しいといえる。
また、比較例1の検査用シールでは、剥離強度が3.6N/25mmという高い値であることによって、ベースフィルムの第1部分から第2部分を剥がそうとすると、ベースフィルムが破れることが認められた。一方で、実施例1から実施例4の検査用シール、および、比較例2から比較例5の検査用シールでは、剥離強度が2.2N/25mmという低い値であることによって、ベースフィルムの第1部分から第2部分を剥がすことが可能であることが認められた。
このように、引張破断伸度が130%以上であり、100%伸び引張り応力が10MPa以下であり、かつ、剥離強度が3.5N/25mm以下であることによって、検査用シールの貼合適性とハンドリング適性との両方が高められることが認められた。
また、表1に記載の結果から明らかなように、ベースフィルムを形成するためのポリウレタン樹脂は、ガラス転移温度が相対的に高い第2ポリウレタン樹脂の割合が高まるほど、剥離強度が低くなることによってハンドリング特性は高まる傾向を有する。しかしながら、ベースフィルムを形成するためのポリウレタン樹脂は、第2ポリウレタン樹脂の割合が高くなりすぎると、100%伸び引張応力が高まるために、貼合適性が低くなる傾向を有する。そして、第1ポリウレタン樹脂の質量(P1)に対する第2ポリウレタン樹脂の質量(P2)の比(P2/P1)が、1/25以上1/5以下であることによって、検査用シールの貼合適性とハンドリング特性との両方が高められる。
以上説明したように、検査用シールの一実施形態によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)引張破断伸度が130%以上であり、かつ、100%伸び引張応力が10MPa以下であるため、ベースフィルム11と粘着層12との積層体を小さい力によって大きく引き伸ばすことが可能である。しかも、ベースフィルム11の剥離強度が3.5N/25mm以下であることから、積層体の柔軟性を高く維持しつつも、積層体の一部と他の一部とが接触した場合に、接触部分を引き離す方向に力を作用させることによって、積層体内での接触を解除することが可能である。
(2)ポリウレタン樹脂が、エーテル系ポリウレタン樹脂、エステル系ポリウレタン樹脂、および、カーボネート系ポリウレタン樹脂から構成される群から選択される少なくとも1つを含むことによって、高い柔軟性を有し、これによって乳房Bに対する貼り付けが容易なベースフィルム11を得ることが可能である。
(3)ベースフィルム11を形成するポリウレタン樹脂が、ガラス転移温度が互いに異なる2種のポリウレタン樹脂を含むことにより、ベースフィルム11において、柔軟性と低い粘着性とを両立させることが可能になる。
(4)第1ポリウレタン樹脂のガラス転移温度と第2ポリウレタン樹脂のガラス転移温度との差が大きいことによって、ベースフィルム11に柔軟性と低い粘着性との両方を発現させることが容易である。
(5)第1質量に対する第2質量の比が、1/25以上1/5以下であることにより、第1質量と第2質量との比によって、高い柔軟性を実現するための引張破断伸度および100%伸び引張応力と、低い粘着性を実現するための剥離強度とをベースフィルム11に発現させることが可能である。
(6)ベースフィルム11と粘着層12との積層体がセパレートフィルム13と保護フィルム14とによって挟まれているため、セパレートフィルム13と保護フィルム14とが積層体から剥がされるまで、これらのフィルムによって積層体が清浄に保たれる。
なお、上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
[座標グリッド]
・座標グリッド15は、グリッド線15Bを有しなくてもよい。座標グリッド15は、少なくともグリッド線15Aを有していれば、プローブによるスキャンの方向を案内することはできる。すなわち、ベースフィルム11は、座標グリッド15に限らず、1つの方向に沿って延びるガイド線などのグリッドとは異なる形状を有した指標を有してもよい。
・座標グリッド15は、位置標識15Cを有しなくてもよい。座標グリッド15は、少なくともグリッド線15Aを有していれば、プローブによるスキャンの方向を案内することは可能である。
・全てのグリッド線15Aは、同一の色を有してもよい。この場合であっても、グリッド線15Aは、プローブによるスキャンの方向を案内することは可能である。
・ベースフィルム11が広がる平面と対向する平面視において、座標グリッド15は正方格子以外の形状を有してもよい。例えば、座標グリッド15は、互いに異なる直径を有した複数の同心円から構成されてもよい。言い換えれば、座標グリッド15は、極座標に対応するグリッドであってもよい。要は、座標グリッド15は、乳房Bに貼り付けられた状態で、プローブのスキャンを行う方向や位置を案内することが可能な形状を有していればよい。
・座標グリッド15は印刷によって形成されなくてもよい。例えば、座標グリッド15は、ベースフィルム11が有する凹部や凸部によって形成されてもよい。
[標識]
・標識16は省略されてもよい。この場合であっても、検査用シール10が座標グリッド15を有していれば、乳房Bに対する座標グリッド15の位置を調整することによって、乳頭部の周方向における全体がスキャンされるように、乳房Bに対してベースフィルム11および粘着層12を貼り付けることは可能である。
・標識16は、座標グリッド15と同様、印刷によって形成されなくてもよい。例えば、標識16は、ベースフィルム11が有する凹部や凸部によって形成されてもよい。
[粘着層]
・検査用シール10が含むベースフィルム11と粘着層12との積層体が上述した条件1から条件3を満たしていれば、粘着層12を形成するための粘着剤は、ウレタン系粘着剤以外の粘着剤でもよい。
[セパレートフィルム]
・セパレートフィルム13は省略されてもよい。この場合であっても、検査用シール10がベースフィルム11と粘着層12とを備え、かつ、条件1から条件3を満たしていれば、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
[保護フィルム]
・保護フィルム14は省略されてもよい。この場合であっても、検査用シール10がベースフィルム11と粘着層12とを備え、かつ、条件1から条件3を満たしていれば、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
[検査対象]
・検査対象は、乳房に限らず人体における他の部位でもよい。すなわち、検査用シール10は、マンモグラフィーに限らず他の画像診断に用いられてもよい。
10…検査用シール、11…ベースフィルム、12…粘着層、13…セパレートフィルム、14…保護フィルム、15…座標グリッド、15A,15B…グリッド線、15A1…第1グリッド線、15A2…第2グリッド線、15B1…第1区分、15B2…第2区分、15C…位置標識、16…標識。

Claims (6)

  1. マイクロ波を用いた画像診断に用いられる検査用シールであって、
    ポリウレタン樹脂を含むベースフィルムと、
    前記ベースフィルムに積層された粘着層と、を備え、
    前記ベースフィルムと前記粘着層との積層体において、引張破断伸度が130%以上であり、かつ、100%伸び引張応力が10MPa以下であり、
    前記ベースフィルムの前記粘着層が形成される面とは反対側の面において、ステンレス鋼製の板に対する剥離強度が、3.5N/25mm以下である
    検査用シール。
  2. 前記ポリウレタン樹脂は、エーテル系ポリウレタン樹脂、エステル系ポリウレタン樹脂、および、カーボネート系ポリウレタン樹脂から構成される群から選択される少なくとも1つを含む
    請求項1に記載の検査用シール。
  3. 前記ポリウレタン樹脂は、第1ポリウレタン樹脂および第2ポリウレタン樹脂を含み、前記第1ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が、前記第2ポリウレタン樹脂のガラス転移温度よりも低い
    請求項1または2に記載の検査用シール。
  4. 前記第1ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が40℃であり、
    前記第2ポリウレタン樹脂のガラス転移温度が90℃である
    請求項3に記載の検査用シール。
  5. 前記第1ポリウレタン樹脂の第1質量(P1)に対する前記第2ポリウレタン樹脂の第2質量(P2)の比(P2/P1)が、1/25以上1/5以下である
    請求項4に記載の検査用シール。
  6. 前記ベースフィルムにおける前記粘着層に接する面とは反対側の面に対して剥離可能に積層されたセパレートフィルムと、
    前記粘着層における前記ベースフィルムに接する面とは反対側の面に対して剥離可能に積層された保護フィルムと、をさらに備える
    請求項1から5のいずれか一項に記載の検査用シール。
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