JP7147335B2 - Memsマイクロフォン - Google Patents

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本発明は、MEMSマイクロフォンに関する。
近年、MEMSマイクロフォンを含む超小型のマイクロフォンモジュールの需要が高まっている。たとえば下記特許文献1~3には、シリコン基板上に、エアギャップを介してメンブレンとバックプレートとが対向配置された構成のMEMSマイクロフォンが開示されている。このようなMEMSマイクロフォンでは、メンブレンとバックプレートとでキャパシタ構造が形成されており、音圧を受けてメンブレンが振動するとキャパシタ構造における容量が変化する。その容量変化が、ASICチップにおいて電気信号に変換されるとともに増幅処理される。
特開2011-055087号公報 特開2015-502693号公報 特開2007-295487号公報
発明者らは、MEMSマクロフォンのマイク感度に関する研究を進め、マイク感度をさらに高めることができる技術を新たに見出した。
本発明は、マイク感度の向上が図られたMEMSマイクロフォンを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るMEMSマイクロフォンは、貫通孔を有する基板と、基板の一方面側において貫通孔を覆うメンブレンと、基板の一方面側において貫通孔を覆い、かつ、メンブレンとエアギャップを介して対面するバックプレートと、メンブレンおよびバックプレートに設けられた一対の端子部とを備え、貫通孔の内側面が、断面視において、基板側に窪むように湾曲している。
上記MEMSマイクロフォンにおいては、基板の貫通孔が断面視において基板側に窪むように湾曲しており、それにより貫通孔の容積が増大している。このように貫通孔の容積が増大すると、貫通孔内の空気圧によるメンブレンの振動抵抗が低減して、その結果、マイク感度が向上する。
他の態様に係るMEMSマイクロフォンは、貫通孔は、断面視において、基板の一方面側における幅が他方面側における幅より狭い。
他の態様に係るMEMSマイクロフォンは、貫通孔が、基板の一方面側および他方面側において円形の開口を有し、基板の一方面側における直径が他方面側における直径より小さい。
他の態様に係るMEMSマイクロフォンは、貫通孔が、断面視において、基板の一方面側における幅より幅広であり、かつ、他方面側における幅より幅広である部分を有する。
他の態様に係るMEMSマイクロフォンは、貫通孔の内側面が多焦点球面である。この場合、マイク感度の向上と、貫通孔内部における反響の低減とを両立することができる。
本発明によれば、マイク感度の向上が図られたMEMSマイクロフォンが提供される。
図1は、一実施形態に係るマイクロフォンモジュールを示した概略断面図である。 図2は、図1に示したMEMSマイクロフォンの断面図である。 図3は、図2に示したMEMSマイクロフォンの平面図である。 図4の(a)~(c)は、図2に示したMEMSマイクロフォンを製造する際の各工程を示した図である。 図5の(a)~(c)は、図2に示したMEMSマイクロフォンを製造する際の各工程を示した図である。 図6は、基板の貫通孔を示した断面図である。 図2とは異なる態様のMEMSマイクロフォンを示した断面図である。 図8の(a)~(c)は、図7に示したMEMSマイクロフォンを製造する際の各工程を示した図である。 図9の(a)~(c)は、図7に示したMEMSマイクロフォンを製造する際の各工程を示した図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。
図1に示すように、実施形態に係るマイクロフォンモジュール1は、少なくともモジュール基板2と、制御回路チップ3(ASIC)と、キャップ6と、MEMSマイクロフォン10とを備えて構成されている。
モジュール基板2は、平板状の外形形状を有し、たとえばセラミック材料で構成されている。モジュール基板2は、単層構造であってもよく、内部配線を含む複数層構造であってもよい。モジュール基板2の一方面2aおよび他方面2bにはそれぞれ端子電極4、5が設けられており、端子電極4、5同士は図示しない貫通導体や内部配線を介して互いに接続されている。
MEMSマイクロフォン10は、モジュール基板2の一方面2a上に搭載されている。MEMSマイクロフォン10は、音圧を受けるとその一部が振動する構成を有しており、具体的には図2および図3に示す構造を有する。すなわち、MEMSマイクロフォン10は、少なくとも基板20と、メンブレン30と、バックプレート40と、一対の端子部50A、50Bとを備えて構成されている。
基板20は、矩形平板状の外形形状を有し、たとえばSiや石英ガラス(SiO)で構成されている。基板20の厚さは、一例として500μmである。基板20は、図3に示すように、平面視において略正方形状(一例として、1500μm×1500μm)を有することができる。基板20は、基板20の厚さ方向において貫通する貫通孔21を有する。貫通孔21は、平面視において、たとえば真円形状を有し、基板20の中央領域に設けられている。貫通孔21の断面形状については後述する。
メンブレン30は、ダイヤフラムとも呼ばれ、音圧によって振動する膜である。メンブレン30は、基板20の一方面側である上面20a側に位置しており、上面20aに直接重ねられている。メンブレン30は、基板20の貫通孔21全体を覆うように設けられている。メンブレン30は、複数層構造を有しており、本実施形態では2層構造を有する。
下側に位置するメンブレン30の第1層31は、絶縁体材料(本実施形態ではSiN)で構成されている。第1層31の厚さは、一例として200nmである。第1層31は、貫通孔21を含む基板20の上面20aの全面に亘って設けられている。上側に位置するメンブレン30の第2層32は、導電体材料(本実施形態ではCr)で構成されている。第2層32の厚さは、一例として100nmである。第2層32は、基板20の貫通孔21に対応する領域、および、貫通孔21の縁領域であって一対の端子部50A、50Bの一方(本実施形態では端子部50A)の形成領域に、一体的に設けられている。
基板20の貫通孔21をメンブレン30によって完全に塞ぐと、メンブレン30の上側と下側とで気圧差が生じ得る。このような気圧差を低減するため、本実施形態では、メンブレン30に小さな貫通孔33を設けている。メンブレン30に複数の貫通孔33を設けることもできる。
バックプレート40は、基板20の上面20a側に位置しており、かつ、メンブレン30の上側に位置している。バックプレート40は、メンブレン30同様、基板20の貫通孔21全体を覆うように設けられている。バックプレート40は、エアギャップGを介してメンブレン30と対面している。より詳しくは、バックプレート40の対向面40a(図2における下面)が、基板20の貫通孔21が形成された領域において、メンブレン30の対向面30a(図2における上面)と対面している。バックプレート40は、メンブレン30同様、複数層構造を有しており、本実施形態では2層構造を有する。
下側に位置するバックプレート40の第1層41は、導電体材料(本実施形態ではCr)で構成されている。第1層41の厚さは、一例として300nmである。上側に位置するバックプレート40の第2層42は、絶縁体材料(本実施形態ではSiN)で構成されている。第2層42の厚さは、一例として50nmである。バックプレート40の第1層41および第2層42は、基板20の貫通孔21に対応する領域、および、貫通孔21の縁領域であって一対の端子部50A、50Bの他方(本実施形態では端子部50B)の形成領域に、一体的に設けられている。バックプレート40の第2層42は、一対の端子部50A、50Bの形成領域には設けられておらず、一対の端子部50A、50Bの形成領域においてメンブレン30の第2層32およびバックプレート40の第1層41が露出している。バックプレート40は、複数の孔43を有する。複数の孔43は、図3に示すように、いずれもたとえば真円状の開口形状を有し、規則的に配置(本実施形態では千鳥配置)されていることが好ましい。
一対の端子部50A、50Bは、導電体材料で構成されており、本実施形態ではCuで構成されている。一対の端子部50A、50Bのうち、一方の端子部50Aは、貫通孔21の縁領域に設けられたメンブレン30の第2層32上に形成され、他方の端子部50Bは、貫通孔21の縁領域に設けられたバックプレート40の第1層41上に形成されている。
MEMSマイクロフォン10は、上述したとおり、メンブレン30が導電層として第2層32を有し、かつ、バックプレート40が導電層として第1層41を有する。そのため、MEMSマイクロフォン10では、メンブレン30とバックプレート40とで平行平板型のキャパシタ構造が形成されている。そして、メンブレン30が音圧により振動すると、メンブレン30とバックプレート40との間のエアギャップGの幅が変化し、キャパシタ構造における容量が変化する。MEMSマイクロフォン10は、その容量変化を一対の端子部50A、50Bから出力する静電容量型のマイクロフォンである。
制御回路チップ3は、MEMSマイクロフォン10に近接するようにして、モジュール基板2の一方面2a上に搭載されている。制御回路チップ3には、MEMSマイクロフォン10の一対の端子部50A、50Bから上述した容量変化が入力される。本実施形態では、制御回路チップ3とMEMSマイクロフォン10とはワイヤボンディングによって接続されている。制御回路チップ3は、MEMSマイクロフォン10のキャパシタ構造の容量変化を、アナログまたはデジタルの電気信号に変換する機能および増幅機能を有する。制御回路チップ3は、モジュール基板2の一方面2aに設けられた端子電極4に接続されており、制御回路チップ3の信号は端子電極4、5を介して外部に出力される。
キャップ6は、基板20の上面20a側に中空構造を形成している。具体的には、キャップ6は、基板20との間に空洞Hを画成しており、その空洞Hの内部にMEMSマイクロフォン10や制御回路チップ3が収容されている。本実施形態では、キャップ6は、金属材料で構成されたメタルキャップである。キャップ6には、外部と空洞Hとをつなぐサウンドホール6aが設けられている。
次に、上述したMEMSマイクロフォン10を製造する手順について、図4および図5を参照しつつ説明する。
MEMSマイクロフォン10を製造する際には、まず、図4(a)に示すように、貫通孔21が形成されていない平板状の基板20の上面20a上に、メンブレン30の第1層31および第2層32を順次成膜する。第1層31は、絶縁体材料(本実施形態ではSiN)のCVDにより形成される。第2層32は、導電体材料(本実施形態ではCr)のスパッタリングにより形成される。第1層31および第2層32は、図示しないフォトレジストおよびRIEによりパターニングされ得る。
次に、図4(b)に示すように、メンブレン30に貫通孔33を設ける。貫通孔33は、たとえば貫通孔33の領域に開口が設けられたフォトレジストを用いたRIEにより形成することができる。RIEに用いるガス種は、メンブレン30を構成する層の材料に応じて適宜選択される。
さらに、図4(c)に示すように、上述したエアギャップGとなるべき領域に犠牲層60を形成する。犠牲層60は、たとえばSiOのCVDにより形成される。犠牲層60の厚さは、一例として2μmである。犠牲層60は、図示しないフォトレジストおよびRIEによりパターニングされ得る。
続いて、図5(a)に示すように、バックプレート40の第1層41および第2層42を順次成膜する。第1層41は、導電体材料(本実施形態ではCr)のスパッタリングにより形成される。第2層42は、絶縁体材料(本実施形態ではSiN)のCVDにより形成される。第1層41および第2層42は、図示しないフォトレジストおよびRIEによりパターニングされ得る。
また、図5(b)に示すように、一対の端子部50A、50Bを形成する。具体的には、メンブレン30の第2層32上に端子部50Aを形成するとともに、バックプレート40の第1層41上に端子部50Bを形成する。端子部50A、50Bは、導電体材料(本実施形態ではCu)のスパッタリングにより形成される。端子部50A、50Bは、図示しないフォトレジストおよびRIEによりパターニングされ得る。
さらに、図5(c)に示すように、基板20に貫通孔21をエッチングにより形成する。貫通孔21は、バッファードフッ酸(BHF)を用いたウェットエッチングにより形成される。貫通孔21は、フッ化水素(HF)の蒸気を用いたドライエッチングにより形成することもできる。エッチングの際、基板20の上面20a全体がフォトレジスト等により被覆されるとともに、貫通孔21が形成される領域以外の下面20bがエッチング用マスクMによって被覆される。
このとき、基板20に貫通孔21をエッチングにより形成する際、図6に示すように断面視において貫通孔21の内側面21aが基板20側に窪んだ形状、より具体的には上面20a側における貫通孔21の円形開口の直径D1が下面20b側における貫通孔21の円形開口の直径D2より小さくなるように内側面21aが湾曲した形状となるエッチング条件およびエッチャントが選択される。本実施形態において、上面20a側における貫通孔21の円形開口の直径D1は800μmであり、下面20b側における貫通孔21の円形開口の直径D2は1200μmである。
エッチング条件の一つとして、下面20b側に設けられるマスクMの密着性が挙げられる。たとえばマスクMの密着性が高い場合には、エッチャントが基板20の下面20bとマスクMとの間に浸入する事態が抑制され、下面20b側における円形開口の縁の位置(図6の符号Pの位置)が拡がらず、その結果、下面20b側において窄まった形状の貫通孔21が得られる。また、エッチング条件の他の一つとして、上面20a側における基板20とメンブレン30との密着性が挙げられる。たとえばメンブレン30の密着性が高い場合には、エッチャントが基板20の上面20aとメンブレン30との間に浸入する事態が抑制され、上面20a側における円形開口の縁の位置(図6の符号Qの位置)が拡がらず、その結果、上面20a側において窄まった形状の貫通孔21が得られる。基板20に対するマスクMやメンブレン30の密着性は、基板20の各面に対するクリーニング処理(プラズマ処理やプリベイク処理等)により高めることができる。
また、エッチングのストッパ膜として、50nm厚さ程度のSiN層を、基板20の上面20a(メンブレン30の下側)に形成してもよい。このSiN層は、貫通孔21を形成した後、貫通孔21から露出した部分がエッチング除去され得る。そして、犠牲層60をエッチングにより除去する。犠牲層60は、バッファードフッ酸(BHF)を用いたウェットエッチングにより除去される。犠牲層60は、フッ化水素(HF)の蒸気を用いたドライエッチングにより除去することもできる。エッチングの際、犠牲層60が形成された領域以外の基板20の上面20aおよび下面20b全体は、フォトレジスト等によって被覆される。
以上で説明した手順により、上述したMEMSマイクロフォン10が製造される。
発明者らは、MEMSマイクロフォン10の基板20の貫通孔21が基板20側に窪むように湾曲することで貫通孔21の容積が増大し、貫通孔21内の空気圧によるメンブレン30の振動抵抗が低減して、その結果、マイク感度が向上することを新たに見出した。また、発明者らは、基板20の貫通孔21の内側面21aの湾曲が多焦点球面となっている場合には、焦点が散在し、貫通孔21の内部における反響が生じにくくなることで、マイク感度の向上と貫通孔21の内部における反響の低減とを両立できることを新たに見出した。貫通孔21がエッチング形成される際、エッチング用マスクMの開口部と最終的な貫通孔21の内側面21aとの各点との間に様々な距離があり、エッチング用マスクM側の基板20とメンブレン30側の基板20とでエッチング速度が異なるために、貫通孔21の内側面21aが多焦点球面となり得る。
基板20の貫通孔21では、図6に示すように、内側面21aが、断面視において基板20側に窪むように円弧状に湾曲している。より詳しくは、貫通孔21は、上面20a側における円形開口の直径D1が下面20b側における円形開口の直径D2より小さくなっている。さらに詳しくは、貫通孔21が、断面視において、基板の上面20a側における幅(すなわち直径D1)より幅広であり、かつ、下面20b側における幅(すなわち直径D2)より幅広である部分(図6における符号Rの高さ位置の部分)を有する。
特に、貫通孔21は、断面視において、基板20の上面20a側における幅(すなわち直径D1)が下面20b側における幅(すなわち直径D2)より狭くなるように設計されている。この場合、直径D1と直径D2の幅が同じ場合よりも、貫通孔内の容積Sが大きくなるため、通孔内の空気圧によるメンブレンの振動抵抗が減り、感度がよくなる。貫通孔内の体積を大きくするだけであれば、直径D2を大きくすればよいが、そうすると、MEMSマイクロフォン10のモジュール基板2への設置面積が小さくなり、MEMSマイクロフォンの固定の信頼性が低下してしまう。
MEMSマイクロフォン10では、メンブレン30とバックプレート40との上下位置を反対にして、基板20の上面20a上にバックプレート40を直接重ねた構成にすることができる。
上述した実施形態では、1つのバックプレート40を備えたMEMSマイクロフォン10について説明したが、図7に示すように、MEMSマイクロフォン10Aが2つのバックプレート40A、40Bを備える態様であってもよい。
MEMSマイクロフォン10Aにおいては、基板20上に、第1のバックプレート40A、メンブレン30、および、第2のバックプレート40Bが設けられている。MEMSマイクロフォン10Aにおける第1のバックプレート40Aおよびメンブレン30は、上述したMEMSマイクロフォン10におけるバックプレート40およびメンブレン30の構成および位置関係と同様である。MEMSマイクロフォン10Aは、主に、基板20とメンブレン30との間に第2のバックプレート40Bが介在する点においてMEMSマイクロフォン10と異なる。第2のバックプレート40Bは、第1のバックプレート40Aを上下逆さにした層構造を有する。すなわち、第2のバックプレート40Bでは、下側に位置する第2層42が絶縁体材料(本実施形態ではSiN)で構成されており、上側に位置する第1層41が導電体材料(本実施形態ではCr)で構成されている。そして、第2のバックプレート40Bの第1層41上に、端子部50Cが形成されている。
MEMSマイクロフォン10Aでは、メンブレン30は、エアギャップG1を介して第2のバックプレート40Bと対面しており、エアギャップG1を介して第1のバックプレート40Aと対面している。
MEMSマイクロフォン10Aでは、メンブレン30と、2つのバックプレート40A、40Bとで平行平板型のキャパシタ構造が2つ形成されている。そして、メンブレン30が音圧により振動すると、メンブレン30と第1のバックプレート40Aとの間のエアギャップGの幅が変化するとともに、メンブレン30と第2のバックプレート40Bとの間のエアギャップG1の幅が変化する。MEMSマイクロフォン10Aでは、エアギャップG1、G2の幅の変化に伴うキャパシタ構造の容量変化を、3つの端子部50A、50B、50Cから出力する。このようなMEMSマイクロフォン10Aによれば、上述したMEMSマイクロフォン10に比べて、高いSN比を実現することができる。
MEMSマイクロフォン10Aにおいても、基板20の貫通孔21の形状が、MEMSマイクロフォン10と同様であるため、MEMSマイクロフォン10の上述した効果と同様の効果を奏する。
次に、上述したMEMSマイクロフォン10Aを製造する手順について、図8および図9を参照しつつ説明する。
MEMSマイクロフォン10Aを製造する際には、まず、図8(a)に示すように、貫通孔21が形成されていない平板状の基板20の上面20a上に、第2のバックプレート40Bの第2層42および第1層41を順次形成する。第1層41は、金属材料(本実施形態ではCu)のスパッタリングにより形成される。第2層42は、絶縁体材料(本実施形態ではSiN)のCVDにより形成される。第1層41および第2層42は、図示しないフォトレジストおよびRIEによりパターニングされ得る。なお、表面平坦化のため、第2のバックプレート40Bが形成された領域の残余領域には絶縁体膜34が形成される。絶縁体膜34は、絶縁体材料(本実施形態ではSiN)のCVDにより形成される。絶縁体膜34についても、図示しないフォトレジストおよびRIEによりパターニングされ得る。
次に、図8(b)に示すように、第2のバックプレート40Bの各孔43が、絶縁体61(本実施形態ではSiO)で埋められる。絶縁体61は、SiOをCVDにより堆積させた後、CMPにより表面研磨することで得られる。
さらに、図8(c)に示すように、上述したエアギャップG1となるべき領域に犠牲層62を形成する。犠牲層62は、たとえばSiOのCVDにより形成される。犠牲層62の厚さは、一例として3μmである。犠牲層62は、図示しないフォトレジストおよびRIEによりパターニングされ得る。なお、表面平坦化のため、犠牲層62が形成された領域の残余領域には絶縁体膜35が形成される。絶縁体膜35は、絶縁体材料(本実施形態ではSiN)のCVDにより形成される。絶縁体膜35についても、図示しないフォトレジストおよびRIEによりパターニングされ得る。犠牲層62および絶縁体膜35の表面平坦化のため、犠牲層62および絶縁体膜35を形成した後、CMPにより表面研磨することができる。
そして、犠牲層62および絶縁体膜35の上に、メンブレン30および第1のバックプレート40Aを、MEMSマイクロフォン10のメンブレン30およびバックプレート40と同様に形成する。メンブレン30および第1のバックプレート40Aを形成した後は、図9(a)に示すように、端子部50A、50B、50Cが形成される領域のメンブレン30の第2層32およびバックプレート40A、40Bの第1層41を露出させる。
そして、図9(b)に示すように、各端子部50A、50B、50Cを形成する。具体的には、メンブレン30の第2層32上に端子部50Aを形成するとともに、バックプレート40A、40Bの第1層41上に端子部50B、50Cをそれぞれ形成する。端子部50Cは、端子部50A、50B同様、導電体材料(本実施形態ではCu)のスパッタリングにより形成される。端子部50A、50B、50Cは、図示しないフォトレジストおよびRIEによりパターニングされ得る。
さらに、図9(c)に示すように、基板20に貫通孔21をエッチングにより形成するとともに、犠牲層60、62および絶縁体61をエッチングにより除去する。エッチングの際、基板20の上面20a全体がフォトレジスト等により被覆されるとともに、貫通孔21が形成される領域以外の下面20bがエッチング用マスクMによって被覆される。このとき、MEMSマイクロフォン10を製造するときと同じように、基板20に貫通孔21をエッチングにより形成する際、図6に示すように断面視において貫通孔21の内側面21aが基板20側に窪んだ形状、より具体的には上面20a側における貫通孔21の円形開口の直径D1が下面20b側における貫通孔21の円形開口の直径D2より小さくなるように内側面21aが湾曲した形状となるエッチング条件およびエッチャントが選択される。犠牲層60、62および絶縁体61は、バッファードフッ酸(BHF)を用いたウェットエッチング、または、フッ化水素(HF)の蒸気を用いたドライエッチングにより除去され得る。
以上で説明した手順により、上述したMEMSマイクロフォン10Aが製造される。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されず、種々の変更をおこなうことができる。
たとえば、メンブレンは、金属層と絶縁体層とを含む2層構造に限らず、導体層や非導体層(半導体層、絶縁体層)を含む3層以上の複数層構造であってもよい。バックプレートについても、導体層や非導体層を含む3層以上の複数層構造であってもよい。メンブレンおよびバックプレートにおける導体層と非導体層との積層順序は、対向面に金属層が露出する限りにおいて、MEMSマイクロフォンに求める特性に応じて適宜変更することができる。
MEMSマイクロフォンのメンブレン、バックプレートおよび貫通孔の平面形状は、円形に限らず、多角形状であってもよく、角丸四角形であってもよい。
メンブレンとバックプレートとが接触して離れない現象(いわゆるスティッキング)を防止するため、バックプレートの対向面側に、メンブレンに向かって延びる突起を設けてもよい。
1…マイクロフォンモジュール、2…モジュール基板、3…制御回路チップ、6…キャップ、10、10A…MEMSマイクロフォン、20…基板、21…貫通孔、21a…内側面、30…メンブレン、31…第1層、32…第2層、40、40A、40B…バックプレート、41…第1層、42…第2層、50A、50B、50C…端子部、60、62…犠牲層、G、G1、G2…エアギャップ、H…空洞。

Claims (4)

  1. 石英ガラスで構成され、貫通孔を有する基板と、
    前記基板の一方面側において前記貫通孔を覆うメンブレンと、
    前記基板の一方面側において前記貫通孔を覆い、かつ、前記メンブレンとエアギャップを介して対面するバックプレートと、
    前記メンブレンおよび前記バックプレートに設けられた一対の端子部と
    を備え、
    前記貫通孔の内側面が、多焦点球面であり、断面視において、前記基板側に窪むように湾曲している、MEMSマイクロフォン。
  2. 前記貫通孔は、断面視において、前記基板の一方面側における幅が他方面側における幅より狭い、請求項1に記載のMEMSマイクロフォン。
  3. 前記貫通孔が、前記基板の一方面側および他方面側において円形の開口を有し、前記基板の一方面側における直径が他方面側における直径より小さい、請求項2に記載のMEMSマイクロフォン。
  4. 前記貫通孔が、断面視において、前記基板の一方面側における幅より幅広であり、かつ、他方面側における幅より幅広である部分を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のMEMSマイクロフォン。
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