物流における近代化・合理化は、生産・販売面のそれに比較すると立ち遅れていたが、
近年、必要な時に必要な物品を手にしたいという要望が、産業界だけでなく一般消費者でも強くなり、急速な物流合理化、すなわち、物流革命が起こりつつある。このため、パレチゼーション、コンテナリゼーションによるユニット・ロード・システム、立体倉庫の自動化等が推進されている。
特に、コンピュータを用いて集約された膨大な入出荷及び在庫情報等に基づいて、様々な制御システムが、コンベヤ、リフト、周辺装置等を効率的に連動させ、物品等を整理、保管すると共に、仕分けすることができる立体自動倉庫は、収容量、空間利用効率、人員削減、作業環境改善等の総合的な物流効率という観点から注目され、日夜進歩している。
このような立体自動倉庫は、一般的に、入出庫部と、格納部と、移載手段から構成され、各種移載手段によって、格納部及び入出庫部における物品等の自在な往復移動が可能であり、物品等が、格納部に搬入、保管、整理、仕分けされ、搬出される。
格納部における物品等の自在な往復移動は、物品等を移載可能な伸縮アーム等を備えたクレーンや走行台車等の様々な機構により行われる。また、入出庫部における物品等の自在な往復移動は、コンベヤ等が主体で行われ、そのコンベヤ等には、方向変換、一時貯留(アキュムレーション)、速度制御、正逆搬送、及び、停止等の様々な機構が、必要に応じて備えられている。そして、入出庫部と格納部との物品等の往復移動も、これらの移載手段を介して行われるが、新たな移載手段が設けられる場合もある。
格納部は、碁盤目状に区画された格納棚が(物品等の出し入れ可能な)格納面の反対面で隣接して1組の格納棚を形成し、この一組の格納棚が格納面で所定の空間を隔てて並置されており、その空間に物品等の移載手段が配置された格納設備が構成単位となり所定の数だけ配設されている場合が、空間の利用効率が高く一般的であるが、限定されるものではない。例えば、碁盤目状に区画された格納棚が格納面で所定の空間を隔てて並置されており、その空間に物品等の移載手段が配置された格納設備が構成単位となって所定の数だけ配設されているような場合もある(特許文献3)。また、格納部が、必ずしも碁盤目状に区画された格納棚に限定されることはなく、コンベヤ、リフト、周辺装置等を効率的に連動させ、物品等を整理、保管すると共に、仕分けすることができる構造となっていればよい。
そして、上記移載手段の違いによって様々な立体自動倉庫が開発されている。例えば、図1に示す立体自動倉庫おいては、移載手段(1)4がスタッカクレーンで、空間3に配置されたレール45、46、その上を走行するクレーンマスト41が備えられたクレーン台車42、及び、そのクレーンマスト41に付設された物品等を出し入れ可能な伸縮アーム44を備えた物品載置台43から構成され、格納面の反対面で隣接する1組の格納棚が所定の空間3を隔てて並置された格納部1に配備されている(特許文献1)。この移載手段(1)4により、格納棚の水平(X軸)方向及び垂直(Y軸)方向に物品等の自在な往復移動が可能となっている。
また、図2に示す立体自動倉庫おいては、移載手段(2)5が、Y軸方向の各段に設けられた走行レール52、その上を往復運動する物品等を出し入れ可能な(図示していない)伸縮アームを備えた走行台車51、物品等を移載可能な物品等載置搬送台54を昇降自在に付設した昇降機53、昇降機53の近傍の格納棚に付設される仮置き搬送台55から構成され、図1と同様の格納部1に配備されている(特許文献2)。この場合、走行台車51が格納棚のX軸方向への物品等の自在な往復移動を、物品等載置搬送台54を付設した昇降機53がY軸方向の物品等の自在な往復移動をそれぞれ担い、仮置き搬送台55が走行台車51と物品等載置搬送台54との間に介在し、XY軸方向への物品等の自在な往復移動を可能としている。
立体自動倉庫は、図1及び2の構成に限定されず、コンピュータを用いて集約された膨大な入出荷及び在庫情報等に基づいて、様々な制御システムが、コンベヤ、リフト、周辺装置等を効率的に連動させ、物品等を整理、保管すると共に、仕分けすることができる様々な構成が稼働している。
特に、図2に示した立体自動倉庫は、その他の立体自動倉庫と比較すれば、収納量、物流効率、空間利用効率、設備コスト、人員削減、作業環境改善等を含めた総合的な物流効率に優れているため、更なる改良が施されつつある。例えば、設備費用及び設置空間を抑制したまま収納量を増大させるため、昇降機構を対称の中心として格納棚を直列に配備したタンデム方式の立体倉庫(特許文献4)や、格納面の反対側で隣接する格納棚間の横断(Z軸)方向への物品等の移載を可能とした横断搬送方式の立体自動倉庫(特許文献5)等が提案されている。
特に、横断搬送方式の立体自動倉庫では、格納部内において、極めて短い経路で物品等を整理、仕分けして保管できるので、予め設定された順序通りに出庫させることが可能となり、物品等の入出庫作業の自動化が促進される。例えば、図2において、格納棚Lnと隣り合う格納棚Rn-1との間に段差等の物品が移動するための障害を設けなければ、通路3nを走行している走行台車51nの伸縮アームを利用したPLnからPRn-1への物品等のZ軸方向への水平移動が可能である。この動作を用いて、格納棚Rn-1のPRn-1の位置に移動してきた物品等は、左側の通路3n-1を走行する走行台車51n-1の伸縮アームを介して、その通路3n-1の反対側の格納棚Ln-1のPLn-1の位置に移され、格納棚LnのPLnは、格納棚Ln-1のPLn-1の位置まで配置が変更され得る。これは、走行台車51以外の移載手段(2)5を用いることなく、XZ軸方向への物品等の自在な移動が可能であることを意味し、例えば、PLnの位置にある物品が注文されて出庫処理を行う場合、予め物品等をPLnの位置からPLn-1の位置まで移動させておけるので、予め決められた順番どおりに出庫する順立て出庫の集約作業を容易に行なえる。
このような立体自動倉庫内の集約作業が行えるようになると、予め設定された順序通りに出庫させる順出し機能を活用して、注文先に出庫する際の時間調整や仕分けするためのコンベヤが不要となると共に、出庫処理能力が大幅に向上する。そのため、立体自動倉庫の付帯設備として、立体自動倉庫の入出庫部の近くに、物品等の品種別、送付先方面別、顧客別等の分類といった仕分け作業、更には、格納部内の物品等の再配置、整理・整頓、処分等の処理作業を効率的に行うことができるシステムが必要となってきた。
このようなシステムとして、出庫部に供給されてきた物品等の仕分け作業及び処理作業を、作業者又はロボット等(以下、「作業者」という。)が実質的に移動することなく効率的に行うことができる具体例を図3に示す。
図3は、(図示されていない)格納部に物品等を入出庫する搬送コンベヤ24、入庫コンベヤ21、及び、出庫コンベヤ22から構成される入出庫部2に、収納容器提示コンベヤ23を設置すると共に、集品空容器搬送コンベヤ81及び集品空容器供給コンベヤ82から成る集品空容器搬入部8と集品容器搬出コンベヤ101及び集品容器搬送コンベヤ102から成る集品容器搬出部10との間に、集品空容器提示部9を設置し、収納容器提示コンベヤ23と集品空容器提示部9とに隣接するように作業者11を配置したシステムである。このシステムにより、作業者11が移動することなく、出庫コンベヤ22から収納容器提示コンベヤ23に搬送されてきた収納容器61に入っている物品等を集品空容器7に仕分けし、集品容器71として集品容器搬出部10から出庫することができるようになる。一方、収納容器61は、物品等が残っている場合は、入庫コンベヤ21を経由して、格納部に再配置され、物品等が残っていない場合は、入庫コンベヤ21及び(図示されていない)格納部に物品等を入出庫する搬送コンベヤ24を経由して処分される。
更に、このシステムを、図4に示す平面図、及び、図5に示す図4の切断線Iで紙面に垂直に切断した断面図を用いて具体的に説明する。入出庫物品等搬送コンベヤ24から入庫された物品等は、格納部1における格納棚L及びRに保管される。注文が入ると、予め決められた順番どおりに出庫する順立て出庫できるように、例えば、格納棚Rn+1の指定された場所に整理された後、走行台車51n+1、仮置き搬送台55Rn+1、及び、昇降機53n+1に付設されている物品等載置搬送台54n+1を経由して、物品等が入った収納容器61n+1が、出庫コンベヤ22n+1から収納容器提示コンベヤ23n+1に搬送される。それと同時に、集品空容器7n+1が集品空容器搬送コンベヤ81から集品空容器供給コンベヤ82n+1を経由して集品空容器提示部9n+1に搬送され、そこで、作業者11n+1によって、収納容器61n+1の物品Eが集品空容器7n+1に移載される。そして、物品Eが入った集品容器71n+1が、集品容器搬出コンベヤ101n+1を経由して集品容器搬送コンベヤ102で搬出される。一方、物品Eが集品空容器7n+1に移載されて空となった収納空容器6n+1は、入出庫物品等搬送コンベヤ24を経由して搬出されるが、物品Eが残っている収納容器61n+1は、入庫コンベヤ21n+1を経由して格納部に再配置される。図5では、n列とn+1列に関連するコンベヤ及び物品等が重なっているため、上記集品空容器提示部9n+1で行われていることが、集品空容器提示部9nとして描かれているが、図4と照らし合わせて見ることによって、立体的に物流を理解することができる。
このようなシステムの入庫から出庫及び出荷に至る物流の全貌を描いた概要図を図6に示す。このシステムによれば、立体自動倉庫の格納部内において保管されている物品等が、格納部内で出荷順に再配置され、順立て出庫の集約作業が行われるので、ピッキングステーションGTPにおいて、例えば、物品等の品種別及び顧客別等の分類といった仕分けを伴う出庫作業が効率的に行われ、更に、荷合せによって送付先方面別に集約されて梱包・出荷できる。更には、出庫された物品等が、格納部内で再配置、整理・整頓、処分等の処理作業を効率的に行うことが可能である。
しかし、このようなシステムにも、更に新たな問題を内在している。すなわち、格納棚の移載手段4又は5が物品等を搬送する所定の能力を確保して立体自動倉庫の容量を高めるためには、単位移載手段あたりの格納棚の水平長手方向の長さ及び垂直方向の高さが限定されるため、格納棚L、R、及び、移載手段4又は5から構成される格納設備は、並列に配置するしかなく、格納部の占有する空間の形状の自由度が低いという問題がある。逆に言えば、格納棚の水平長手方向の長さ及び垂直方向の高さを拡張すると、移載手段4又は5の物品等を搬送する能力が急速に低下するため、物流能率が極めて悪くなるという問題が生じる。その問題を解決するためには、格納棚と比較してはるかに高価な移載手段の能力を高める必要がある。
従って、立体自動倉庫の設置空間の形状の自由度を高め、立体自動倉庫のどのような立地条件にも対応することができる上、入庫から出庫及び出荷までの物流効率が高い物流システムが求められている。
本発明は、入出庫部と、格納部と、移載手段とから構成され、物品等を、格納部に保管、整理、又は、仕分けすることができる立体倉庫に付設される簡便なピッキングステーションによって、物品等の効率的で自動化された出庫及び出荷処理が行える物流システムにおいて、その設置空間の形状の自由度を高め、どのような立地条件にも対応することができる上、入庫から出庫及び出荷までの物流効率が高い物流システムを提供することを目的としている。
本発明は、水平長手及び垂直方向に碁盤目状に配列してなる物品等の格納棚が、移載手段を配設する所定の空間を隔てて対峙して配置され、その空間に格納棚の水平長手方向に物品等の往復移動並びに格納棚及び格納棚の一端に取り付けられた仮置き搬送台との間で物品等の移載が可能である走行台車が配備され、その空間内で仮置き搬送台に隣接して垂直方向に物品等の往復移動が可能である物品等載置搬送台を備えた昇降手段が配設され、格納棚の他端に物品等の入出庫部が備えられた立体自動倉庫が、昇降手段を点対称の対称点として、又は、昇降手段の列を線対称の対称軸として、その両側に直列に配設されており、入出庫部に物品等収納容器提示機構を連接し、その収納容器提示機構に連設するように集品容器提示機構を内設した集品容器搬送機構を配備することによって、設置空間の形状の自由度を高め、どのような立地条件にも対応可能な物流システムを構成できることを見出すと共に、昇降手段を移載手段の走行空間外に設置することによって、入庫から出庫及び出荷までの物流効率がより高くなることを見出し本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、水平長手及び垂直方向に碁盤目状に配列してなる格納棚が並列に配置されて構成される格納部と、その格納棚の物品等を出し入れ可能な格納面の水平長手方向に走行し、物品等を自在に出し入れすることができる移載手段と、その移載手段が格納棚の格納面において往復移動できる走行空間と、物品等を垂直方向に往復移動するための物品等載置搬送手段が付設された昇降手段と、物品等載置搬送手段と移載手段とを媒介する仮置き搬送手段と、物品等の入出庫部とを備えた立体自動倉庫において、格納棚の一端に入出庫部が付設され、その格納棚の他端に仮置き搬送手段が連接されており、その仮置き搬送手段に物品等載置搬送手段が隣接するように昇降手段が走行空間に併設され、昇降手段を点対称の対称点として、又は、昇降手段の列を線対称の対称軸として、仮置き搬送手段、格納棚、移載手段、走行空間、及び、入出庫部が直列に配設され、その入出庫部に入出庫搬送手段とその入出庫搬送手段に連接する物品等提示機構が付設されると共に、物品等提示機構に連設するように集品容器提示機構を物品等提示機構ごとに内設した集品容器搬送機構が配備されたことを特徴とする物流システムである。
更に、本発明は、格納棚に保管された物品等の出庫可能なピッキングステーションの幅を広げ、出庫作業の自由度を高めることにより、入庫から出庫及び出荷までの物流効率をより高める物流システムとして、水平長手及び垂直方向に碁盤目状に配列してなる格納棚が並列に配置されて構成される格納部と、その格納棚の物品等を出し入れ可能な格納面の水平長手方向に走行し、物品等を自在に出し入れすることができる移載手段と、その移載手段が格納棚の格納面において往復移動できる走行空間と、物品等を垂直方向に往復移動するための物品等載置搬送手段が付設された昇降手段と、物品等載置搬送手段と移載手段とを媒介する仮置き搬送手段と、物品等の入出庫部とを備えた立体自動倉庫において、格納棚の一端に入出庫部が付設され、その格納棚の他端に仮置き搬送手段が連接されており、その仮置き搬送手段に物品等載置搬送手段が隣接するように昇降手段が走行空間外に併設され、昇降手段を点対称の対称点として、又は、昇降手段の列を線対称の対称軸として、仮置き搬送手段、格納棚、移載手段、走行空間、及び、入出庫部が直列に配設され、その入出庫部に入出庫搬送手段とその入出庫搬送手段に連接する物品等提示機構が付設されると共に、物品等提示機構に連設するように集品容器提示機構を物品等提示機構ごとに内設した集品容器搬送機構が配備されたことを特徴とする物流システムを提供するものである。
そして、本発明は、このような設備を簡略化し、設備コストを低減する物流システムとして、水平長手及び垂直方向に碁盤目状に配列してなる格納棚が並列に配置されて構成される格納部と、その格納棚の物品等を出し入れ可能な格納面の水平長手方向に走行し、物品等を自在に出し入れすることができる移載手段と、その移載手段が格納棚の格納面において往復移動できる走行空間と、物品等を垂直方向に往復移動するための物品等載置搬送手段が付設された昇降手段と、物品等の入出庫部とを備えた立体自動倉庫において、格納棚の一端に入出庫部が付設され、その格納棚の他端に物品等載置搬送手段が隣接するように昇降手段が走行空間外に併設され、昇降手段を点対称の対称点として、又は、昇降手段の列を線対称の対称軸として、格納棚、移載手段、走行空間、及び、入出庫部が直列に配設され、その入出庫部に入出庫搬送手段とその入出庫搬送手段に連接する物品等提示機構が付設されると共に、物品等提示機構に連設するように集品容器提示機構を物品等提示機構ごとに内設した集品容器搬送機構が配備されたことを特徴とする物流システムを提供するものである。
つまり、本発明の物流システムの特徴は、昇降手段の両端に、移載手段、移載手段の走行空間、格納棚、入出庫部、並びに、入出庫部に付設される物品等提示機構及び集品容器提示機構を直列に配備することによって、移載手段の搬送能力を低下させることなく、格納容量の拡大に対応できるだけでなく、物流システムの設置空間の形状の自由度を高め、どのような立地条件にも対応することができる上、入庫から出庫及び出荷までの物流効率が高い物流システムの構築を可能にした点にある。以下、本発明を構成する手段及び機構等をより具体的に説明し、本発明を明確にする。
まず、本発明の物品等収納容器提示機構は、入出庫部において、格納棚から物品等を出庫する搬送手段と格納棚に物品等を入庫する搬送手段が、搬送手段で連結されることによって形成される。これらの各搬送手段は、コンベヤであることが好ましく、コンベヤが交差又は連結され、物品等の分岐及び合流を実行する必要がある箇所には、搬送方向を変換する各種方向変換機構を備えている。例えば、方向変換機構を備えた装置として、コンベヤに昇降式及び/又は回転式のローラ、ベルト、及び、ホイール等の方向変換させる機能部品を備えた装置、コンベヤ自体が回転する機能部品を備えた装置、コンベヤの側面に物品等の方向変換させる機能部品を備えた装置等が適用されるが、搬送装置で分岐及び合流搬送が可能な一般的な装置を全て使用することが可能である。特に、直角に分岐及び合流可能な搬送装置が好ましい。
また、上記搬送手段は、入出庫部の一部を形成し、物品等の処理、例えば、物品等を品種別、送付先方面別、顧客別等に分ける仕分け、保管庫内の物品等の再配置、整理、処分等を行うための搬送手段であるため、必要に応じ、一時貯留機構(アキュムレーションコンベヤ)、速度制御機構、正逆搬送機構、分岐搬送機構、合流搬送機構、及び、停止機構の少なくとも一つ以上の機構を有するコンベヤで構成されているものが好ましい。
本発明の集品容器搬送機構は、集品容器提示機構が内設された搬送手段であって、その集品容器提示機構が物品等収納容器提示機構に連設するように物品等収納容器提示機構ごとに配備されている。ここで、連設とは、作業者が実質的に移動することなく、物品等収納容器提示機構に供給されてきた物品等を取り出し、その取り出した物品等を出荷容器に投入又は処理しうることが可能である位置に配設されることを意味する。そして、この集品容器搬送機構は、集品容器を搬入する搬送手段と、集品容器に物品等が投入又は処理された集品容器を搬出する搬送手段とが接続されて形成される。ただし、集品容器を搬入する搬送手段と集品容器に物品等が投入又は処理された集品容器を搬出する搬送手段とを共有化することによって、設備を簡略化し、設備の占有面積を低減することもできる。
このような集品容器搬送機構は、集品容器提示機構ごとに、例えば、ガイドランプ及びデジタル表示器等が付設されており、ガイドランプが点灯している位置の出荷容器に、物品等収納容器提示機構に供給されてきた物品等をデジタル表示器が指示する数だけ投入し、投入完了ボタンを押す一連の作業を繰り返すようなデジタルピッキングシステムであることが好ましい。
更に、この集品容器搬送機構についても、品種別、送付先方面別、顧客別等に分ける仕分けを行うための搬送手段であるため、必要に応じ、一時貯留機構(アキュムレーションコンベヤ)、速度制御機構、正逆搬送機構、分岐搬送機構、合流搬送機構、及び、停止機構の少なくとも一つ以上の機構を有するコンベヤで構成されているものが好ましい。
このような物品等収納容器提示機構及び集品容器搬送機構が、入出庫物品等搬送手段から入庫された物品等が、予め決められた順番どおりに出庫する順立て出庫できるように格納部の格納棚に整理された立体自動倉庫に付設されると、物品等の品種別、送付先方面別、顧客別等の分類といった仕分け及び出庫作業の効率化を図ることができる。具体的に表現すれば、物品等収納容器提示機構に供給されてきた仕分けされた物品等が、作業者が実質的に移動することなく、物品等収納容器提示機構に供給されてきた物品等を取り出し、その取り出した物品等を集品容器に投入することによって更に仕分けされ、予め決められた順番通りに荷分け及び出荷工程に順次搬送される。
一方、本発明の物品等収納容器提示機構は、そこで収納容器内の物品等が取り出され、収納容器内に物品等が残った場合、格納部内に収納容器を再配置又は整理・整頓するために再入庫する、或いは、収納容器を処分するために格納部から出庫する等の処理作業も効率的に行うことが可能である。もちろん、収納容器内に物品等がなくなった場合には、収納容器を処分するために格納部から出庫することが可能である。
以上、本発明の物流システムは、入庫から出庫及び出荷までの高い物流効率を低下することなく、物流システムの設置空間の形状の自由度を高め、どのような立地条件にも対応することができる。
更に、昇降手段の両端に、移載手段、移載手段の走行空間、格納棚、入出庫部、並びに、入出庫部に付設される物品等提示機構及び集品容器提示機構を直列に配備するという本発明の特徴は、昇降手段の機構及び配置により、物流システムの設置空間の形状の自由度を高め、どのような立地条件にも対応することができるという効果以外に、新たな効果をもたらすことができる。
すなわち、水平長手及び垂直方向に碁盤目状に配列してなる格納棚が並列に配置されて構成される格納部と、その格納棚の物品等を出し入れ可能な格納面の水平長手方向に走行し、物品等を自在に出し入れすることができる移載手段と、その移載手段が格納棚の格納面において往復移動できる走行空間と、物品等を垂直方向に往復移動するための物品等載置搬送手段が付設された昇降手段と、物品等載置搬送手段と移載手段とを媒介する仮置き搬送手段と、物品等の入出庫部とを備えた立体自動倉庫において、格納棚の一端に入出庫部が付設され、その格納棚の他端に仮置き搬送手段が連接されており、その仮置き搬送手段に物品等載置搬送手段が隣接するように昇降手段が走行空間に併設され、昇降手段を点対称の対称点として、又は、昇降手段の列を線対称の対称軸として、仮置き搬送手段、格納棚、移載手段、走行空間、及び、入出庫部が直列に配設され、その入出庫部に入出庫搬送手段とその入出庫搬送手段に連接する物品等提示機構が付設されると共に、物品等提示機構に連設するように集品容器提示機構を物品等提示機構ごとに内設した集品容器搬送機構が配備された物流システムの場合には、物品等提示機構が付設された格納棚に保管又は整理された物品等しか、集品容器提示機構を介して出庫することができないが、仮置き搬送手段に物品等載置搬送手段が隣接するように昇降手段を走行空間外に併設すると、格納面の水平長手方向に走行する移載手段が、昇降手段を線対称の対称軸としてその両側に直列に配置された格納棚に亘って移動可能となるため、直列に配置された格納棚の両側の物品等提示機構に、直列に配置された格納棚の全領域に保管又は整理された物品等を供給することができる。従って、出庫作業の自由度が高まり、物流の効率が向上する。
更に、このような昇降手段を用いると、昇降手段に付設された物品等載置搬送台に、走行する移載手段から直接物品等を移載することができ、仮置き搬送手段が不要になる。これは、仮置き搬送台を経由することなく物品等を搬送でき、設備を簡略化できるという効果がある。
このように、格納面の水平長手方向に走行する移載手段の走行空間外に設置することが可能な昇降手段は、昇降手段を構成する上下方向ガイド部を、格納棚を構成する梁、支柱、棚板、及び、走行する移載手段のレール等に緊結し、上下方向ガイド部に付設される駆動手段で、この駆動手段を介して接続される物品等載置搬送手段を昇降させる機構とすることによって具現化される。すなわち、昇降手段における上下方向ガイドを支えるマストの役割を、格納棚を構成する梁、支柱、棚板、及び、走行する移載手段のレール等に担わせることによって、物品等載置搬送手段を付設した昇降手段を格納面の水平長手方向に走行する移載手段の走行空間外に設置することが可能となる。
なお、このような物流は、従来の一般的な方法、すなわち、膨大な入荷、出荷、及び、在庫データを保有する中央情報システムに基づいた様々な制御システムによって制御され、コンベヤ、昇降機、ピッキング、周辺装置等の一連の動作が連動して行われる。
本発明により、昇降手段の両端に、移載手段、移載手段の走行空間、格納棚、入出庫部、並びに、入出庫部に付設される物品等提示機構及び集品容器提示機構が直列に配備され、物流システムの設置空間の形状の自由度を高め、どのような立地条件にも対応することができる上、格納棚に対する昇降手段の数量を半減することができ、入庫から出庫及び出荷までの物流効率が高い物流システムを構築することが可能となる。更に、昇降手段を移載手段の走行空間外に配置することによって、直列に配置された格納棚の両側の物品等提示機構に、直列に配置された格納棚の全領域に保管又は整理された物品等を供給することができ、出庫作業の自由度及び物流の効率が向上する。また、昇降手段に付設された物品等載置搬送台に、走行する移載手段から直接物品等を移載することができ、仮置き搬送手段が不要になるので、設備を更に簡略化できるという効果もある。
以下、本発明を、図面に示した一実施形態を用いてより詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能であり、特許請求の範囲に記載した技術思想によってのみ限定されるものである。
図7は、本発明の第一の特徴示す、ピッキングシステムを有する立体自動倉庫を直列に配設した物流システムの入庫から出庫及び出荷までの工程概要図である。図6に示した物流システムにおいて、昇降手段53を格納棚L、Rの他端に移設し、昇降手段53の列を線対称の対称軸として、格納棚L、R、ピッキングステーションGTP、集品空容器搬入部8、集品容器搬出部10、荷合せ部12、及び、梱包・13を配備した物流システムである。
このように、格納棚が直列に並べ、その入出庫部にピッキングステーションGTPを付設することによって、移載手段4、5の能力を維持したまま、格納容量の拡大に対応できるだけでなく、物流システムの設置空間の形状の自由度を高め、どのような立地条件にも対応することができる上、入庫から出庫及び出荷までの物流効率が高い物流システムの構築することが可能となる。この高い物流効率は、格納棚への物品等の再配置及びピッキングステーションGTPの設置による出庫効率の向上によるものであり、次のように物流が形成される。まず、入出庫物品等搬送コンベヤ24から格納棚L、Rに入庫された物品等が投入された収納容器は、注文が入ると、予め決められた順番どおりに出庫する順立て出庫できるように整理され、格納棚L、Rから収納容器が取り出された後、出庫コンベヤ22を経由して、収納容器提示コンベヤ23と集品空容器搬入部8から集品空容器が供給される集品空容器提示部9とで構成されるピッキングステーションGTP、例えば、GTP-1において、収納容器から集品空容器に必要な数量だけに移載される。そして、この物品等が移載された集品容器は、集品容器搬出部10を経由して、荷合せ部12、梱包・出荷部13に搬送され出荷される。従って、格納棚への入庫から送付先への出荷までがほぼ完全に自動化されている。
この物品等の流れは、膨大な入荷、出荷、及び、在庫データを保有する中央情報システムに基づいた様々な制御システムによって制御され、コンベヤ、昇降機、ピッキング、周辺装置等の一連の動作が連動して行われる自動化システムによって具現化されるものである。なお、移載手段は、物品等の出し入れや移動を可能とする伸縮アーム等を備えた、図1に示すようなスタッカクレーン型の移載手段4、又は、図2に示すような走行台車型の移載手段5のいずれも適用でき、スタッカクレーン型の移載手段4の場合には、昇降機53は不要である。
一方、必要な数量だけの物品等が取り出された収納容器に物品等が残っている場合は、入庫コンベヤ21を経由して格納棚L、Rに再配置或いは整理されるか、入出庫コンベヤ24を経由して処分される。もちろん、収納容器に物品等が残っていない場合は、入出庫コンベヤ24を経由して処分される。
図8は、図2に示すような走行台車型の移載手段5を具体例として用い、請求項1に包摂される本発明の一実施形態に係る、走行台車51の配設空間3に配備された昇降機53を点対称の対称点として、仮置き搬送台55を一端に備えた格納棚L、R、並びに、その入出庫部2に、収納容器提示コンベヤ23、収納容器提示コンベヤ23に連設した集品空容器提示部9、集品空容器提示部9と連接した集品空容器搬送コンベヤ81と集品空容器供給コンベヤ82とから成る集品空容器搬入部8、及び、集品容器搬出コンベヤ101と集品容器搬送コンベヤ102とから成る集品容器搬出部10を付設した物流システムを直列に配備した物流システムの平面模式図を示す。
XY軸方向に碁盤目状に配列してなる物品等を格納するRn列の格納棚とLn列の格納棚とが、移載手段の配設空間3nを介して対面し、一つの立体自動倉庫のユニットを形成しており、このユニットが、複数Z軸方向に並ぶと共に、昇降機53の列を線対称の対称軸として直列に配備されており、ここでは、その一部を表記した。更に、背面で隣接するRn-1列の格納棚とLn列の格納棚の間には、物品等の水平移動を妨げるものはない。
X軸方向の物品等の移動手段は、走行レール52上を自在に走行する物品等を自在に出し入れ可能な、例えば、伸縮アーム部を有する走行台車51であり、Y軸方向の物品等の移動手段は、物品等載置搬送台54を備えた昇降機53で構成されており、物品等載置搬送台54と走行台車51との物品等の移動を媒介するための仮置き搬送台55が格納棚の端に設けられている。通常、仮置き搬送台55は、例えば、仮置き搬送台55Rn-r及び55Ln-lが入庫専用、仮置き搬送台55Rn-l及び55Ln-rが出庫専用というように、物品等が一方向に流れるようになっている。更に、背面で隣接するRn-1列とLn列の格納棚間は、伸縮アームによって物品等の水平移動が可能であり、これら全体で格納棚のXYZ軸方向の自在な物品等の往復移動が可能な移載手段を構成している。
入出庫部2は、物品等の格納棚への入出庫を担う物品等入出庫コンベヤ24、格納棚R-r及びL-lに付設される入庫コンベヤ21と格納棚R-l及びL-rに付設される出庫コンベヤ22、そして、入庫コンベヤ21と出庫コンベヤ22とが接続して形成される収納容器提示コンベヤ23から構成されている。更に、入出庫部2には、集品空容器提示部9が、収納容器提示コンベヤ23に連設され、集品空容器提示部9と連接した集品空容器搬送コンベヤ81と集品空容器供給コンベヤ82とから成る集品空容器搬入部8、及び、集品容器搬出コンベヤ101と集品容器搬送コンベヤ102とから成る集品容器搬出部10が付設されている。これらのコンベヤの交差するところにおいては、直角に方向変換可能なコンベヤに昇降式ローラの方向変換機能部品を備えた方向変換機構付き搬送台を配備しており、それぞれのコンベヤは、少なくとも一時貯留機構及び停止機構を備えている。また、集品空容器提示部には、デジタル表示器が備えられており、その表示器は、少なくとも、物品等の処理数を指示したり、処理の完了を伝達する機能を有している。以下同様である。
このような図8に示す物流システムにおける物品等の流れの一例を、昇降機53の右側について説明すると、次のようになる。この場合も、仮置き搬送台55について、仮置き搬送台55Rn-r及び55Ln-lが入庫専用、仮置き搬送台55Rn-l及び55Ln-rが出庫専用となっているものとする。例えば、入出庫コンベヤ24-rから入庫された物品等が入っている収納容器61n-rは、入庫コンベヤ21n-rから格納棚Rn-r又はLn-rに保管され、注文が入ると、予め決められた順番どおりに出庫する順立て出庫できるように整理された後、仮置き搬送台55L
n
-r、昇降機53nに付設された物品等載置搬送台54Lnを経て、出庫コンベヤ22n-rから収納容器提示コンベヤ23n-rに供給される。ここで、作業員11n-rが、集品空容器搬送コンベヤ81-r、集品空容器供給コンベヤ82n-rから集品空容器提示部9n-rに供給される集品空容器7n-rに、収納容器61n-rの物品等を移載する。その後、集品容器71n-rは集品容器搬出コンベヤ101n-r、集品容器搬送コンベヤ102n-rを経て、荷合せ部12に搬送され、梱包・出荷部13から出荷される。一方、物品等が移載された集品空容器6n-rは、入出庫コンベヤ24-rから処理されるが、集品容器61n-rに物品等が残っている場合は、入庫コンベヤ21n-rを経由して格納棚Rn-r又はLn-rに再配置される。そして、昇降機53nの列の左側についても同様の物品等の流れが形成される。
更に、図8の物流システムの平面模式図の切断線Iにおいて紙面に垂直に切断した断面模式図である図9、及び、図8の平面模式図と図9の断面模式図を合成した図10を用いて、より具体的に物品等の流れを説明する。ここで、図9の断面模式図は、紙面の関係上、仮置き搬送台55を一端に備えた格納棚L、Rの入出庫部2に付設した、収納容器提示コンベヤ23、収納容器提示コンベヤ23に連設した集品空容器提示部9、集品空容器搬送コンベヤ81と集品容器空供給コンベヤ82から成る集品空容器搬入部8、及び、集品容器搬出コンベヤ101と搬送コンベヤ102から成る集品容器搬出部10を格納棚L、Rの階下に描いたが、これに限定されるものではない。以下同様である。また、図10は、図8及び9に示した物流システムについて、昇降機53付近における格納棚L、R並びに入庫コンベヤ21及び出庫コンベヤ22の平面図と、昇降機53付近の断面図とを組み合わせた模式図である。
例えば、入出庫コンベヤ24-rから入庫された物品Aが入っている収納容器61n-rは、入庫コンベヤ21n-rから格納棚Rn-r又はLn-rに保管され、注文が入ることによって、収納容器61n-rが最上階の格納棚Rn-rのA1の位置に再配置される(以下、このように物品Aに下付けされた数字は、収納容器61n-r及び集品容器71n-rの位置及び流れの順序を示し、この場合のように、格納棚Rn-rのA1の位置にある収納容器61n-rを収納容器Rn-r[A1]と示す。)。走行台車51n-rが、収納容器Rn-r[A1]を仮置き搬送台55Ln-rに移載した収納容器55Ln-r[A2]は、昇降機53nに付設された物品等載置搬送台54Lnに移載され、収納容器54Ln[A3]が最下階に搬送される。最下階に搬送された収納容器54Ln[A4]は、出庫コンベヤ22n-rに移載された後、収納容器22n-r[A5]が収納容器提示コンベヤ23n-rに供給される。ここで、作業員11n-rが、集品空容器搬送コンベヤ81-rから集品空容器供給コンベヤ82n-rを経て集品空容器提示部9n-rに供給される集品空容器7n-rに、収納容器61n-rの物品Aを移載して、集品容器71n-rとなる。この集品容器9n-r[A6]は、集品容器搬出コンベヤ101n-rから集品容器搬送コンベヤ102n-rを経て、集品容器102n-r[A7]が荷合せ部12に搬送され、梱包・出荷部13から出荷される。一方、物品等が移載された集品空容器6n-rは、入出庫コンベヤ24-rから処理されるが、集品容器61n-rに物品等が残っている場合は、入庫コンベヤ21n-rによって、21n-r[A]を経由して格納棚Rn-r又はLn-rに再配置される。そして、昇降機53nの列の左側についても、物品Bを用いて同様の流れが示されている。
図11は、本発明の一実施形態に係る、図8の集品空容器搬送コンベヤ81と集品容器搬送コンベヤ102とを兼用することとによって一体化させた物流システムの平面模式図で、図12は、図11の切断線IIで紙面に垂直に切断し、仮置き搬送台55を一端に備えた格納棚L,Rの入出庫部2に付設した、収納容器提示コンベヤ23、収納容器提示コンベヤ23に連設した集品空容器提示部9、集品空容器・集品容器搬送コンベヤ81&102、集品空容器供給コンベヤ82、及び、集品容器搬出コンベヤ101を格納棚L、Rの階下に描いた断面模式図である。そして、図13は、図11及び12から、昇降機53付近における格納棚L、R並びに入庫コンベヤ21及び出庫コンベヤ22の平面図と、昇降機53付近の断面図とを組み合わせた模式図である。
図から明らかなように、この実施形態は、搬送コンベヤを削減でき、より経済的な物流システムとすることができて好ましく、図8~10に示した物品等の流れは、集品空容器7及び集品容器71の搬送以外は基本的には変わらない。例えば、入出庫コンベヤ24-rから入庫された物品Aが入っている収納容器61n-rは、入庫コンベヤ21n-rから格納棚Rn-r又はLn-rに保管され、注文が入ることによって、最上階の格納棚Rn-rのA1の位置、すなわち、収納容器61n-rが収納容器Rn-r[A1]に再配置される。走行台車51n-rが、収納容器Rn-r[A1]を仮置き搬送台55Ln-rに移載した収納容器55Ln-r[A2]は、昇降機53nに付設された物品等載置搬送台54Lnに移載され、収納容器54Ln[A3]が最下階に搬送される。最下階に搬送された収納容器54Ln[A4]は、出庫コンベヤ22n-rに移載された後、収納容器22n-r[A5]が収納容器提示コンベヤ23n-rに供給される。ここで、作業員11n-rが、集品空容器・集品容器搬送コンベヤ81-r&102-rから集品空容器供給コンベヤ82n-rを経て集品空容器提示部9n-rに供給される集品空容器7n-rに、収納容器61n-rの物品Aを移載して、集品容器71n-rとなる。この集品容器9n-r[A6]は、集品容器搬出コンベヤ101n-rから集品空容器・集品容器搬送コンベヤ81-r&102-rを経て、集品容器81-r&102n-r[A7]が荷合せ部12に搬送され、梱包・出荷部13から出荷される。一方、物品等が移載された集品空容器6n-rは、入出庫コンベヤ24-rから処理されるが、集品容器61n-rに物品等が残っている場合は、入庫コンベヤ21n-rによって、21n-r[A]を経由して格納棚Rn-r又はLn-rに再配置される。そして、昇降機53nの列の左側についても、物品Bを用いて同様の流れが示されている。
図8~10及び図11~13の一実施形態では、一般的な物流ループを形成するように、仮置き搬送台55は、仮置き搬送台55Rn-r及び55Ln-lが入庫専用、仮置き搬送台55Rn-l及び55Ln-rが出庫専用としているが、これに限定されるものではない。例えば、仮置き搬送台55Rn-r及び55Ln-lに出庫も可能と設定することも、仮置き搬送台55Rn-r、55Rn-l、55Ln-r、及び、55Ln-lのいずれも入出庫可能と設定することもできる。このように設定すると、収納容器Ln-r[A1]は、仮置き搬送台55Rn-r、昇降機53nに付設された物品等載置搬送台54Rn、出庫コンベヤ22n-l、収納容器提示コンベヤ23n-l、集品空容器提示部9n-lを経由して、荷合せ部12、出荷・梱包部13に搬送することが可能となる。すなわち、昇降機53の右側の格納棚R-r、L-rに保管されている物品等を昇降機53の左側のピッキングステーションGTPで処理することが可能となり、物流の自由度が高まる。
更に、図14は、本発明の一実施形態に係る、図2の立体自動倉庫において、走行台車51の配設空間3に配備された昇降機53の列を線対称の対称軸として、仮置き搬送台55を一端に備えた格納棚L、R、並びに、その入出庫部2に、収納容器提示コンベヤ23、収納容器提示コンベヤ23に連設した集品空容器提示部9、集品空容器提示部9と連接した集品空容器・集品容器搬送コンベヤ81&102、集品空容器供給コンベヤ82、及び、集品容器搬出コンベヤ101を付設した物流システムを直列に配備した物流システムの平面模式図であり、図15は、図14の切断線IIIで紙面に垂直に切断し、仮置き搬送台55を一端に備えた格納棚L、Rの入出庫部2に付設した、収納容器提示コンベヤ23、収納容器提示コンベヤ23に連設した集品空容器提示部9、集品空容器・集品容器搬送コンベヤ81&102、集品空容器供給コンベヤ82、及び、集品容器搬出コンベヤ101を格納棚の階下に描いた断面模式図である。そして、図16は、図14及び15から、昇降機53付近における、格納棚L、R並びに入庫コンベヤ21及び出庫コンベヤ22の平面図と、昇降機53付近の断面図とを組み合わせた模式図である。
図14~16に描かれたように、図8~13同様、X軸方向の物品等の移動手段は、走行レール52上を自在に走行する物品等を自在に出し入れ可能な、例えば、伸縮アーム部を有する走行台車51であり、Y軸方向の物品等の移動手段は、物品等載置搬送台54を備えた昇降機53で構成されており、物品等載置搬送台54と走行台車51との物品等の移動を媒介するための仮置き搬送台55が格納棚の端に設けられている。更に、背面で隣接するRn-1列とLn列の格納棚間は、伸縮アームによって物品等の水平移動が可能であり、これら全体で格納棚のXYZ軸方向の自在な物品等の往復移動が可能な移載手段を構成している。しかし、図8~13の一実施形態において、仮置き搬送台55は、例えば、仮置き搬送台55Rn-r及び55Ln-lが入庫専用、仮置き搬送台55Rn-l及び55Ln-rが出庫専用としているのに対し、図14~16の一実施形態では、仮置き搬送台55Ln-r及び55Ln-lが出庫専用、仮置き搬送台55Rn-r及び55Rn-lが入庫専用としており、格納棚Lnに出庫コンベヤ22nを、格納棚Rnに入庫コンベヤ21nを連接し、昇降機53nに付設される物品等載置搬送台54nに必ず正逆搬送機構を備えることに特徴がある。
この特徴に基づき、物品等の流れは、例えば、入出庫コンベヤ24-lから入庫された物品Aが入っている収納容器61n-rは、入庫コンベヤ21n-lから格納棚Rn-l又はLn-lに保管され、注文が入ることによって、収納容器61n-rが、最上階の格納棚Ln-lのA1の位置、すなわち、収納容器Ln-l[A1]に再配置される。走行台車51n-lが、収納容器Ln-l[A1]を仮置き搬送台55Ln-lに移載した収納容器55Ln-l[A2]は、昇降機53nに付設された物品等載置搬送台54Lnに移載され、収納容器54Ln[A3]が最下階に搬送される。最下階に搬送された収納容器54Ln[A4]は、出庫コンベヤ22n-rに移載された後、収納容器22n-r[A5]が収納容器提示コンベヤ23n-rに供給される。ここで、作業員11n-rが、集品空容器・集品容器搬送コンベヤ81-r&102-rから集品空容器供給コンベヤ82n-rを経て集品空容器提示部9n-rに供給される集品空容器7n-rに、収納容器61n-rの物品Aを移載して、集品容器71n-rとなる。この集品容器9n-r[A6]は、集品容器搬出コンベヤ101n-rから集品空容器・集品容器搬送コンベヤ81-r&102-rを経て、集品容器81-r&102-r[A7]が荷合せ部12に搬送され、梱包・出荷部13から出荷される。一方、物品等が移載された集品空容器6n-rは、入出庫コンベヤ24-rから処理されるが、集品容器61n-rに物品等が残っている場合は、入庫コンベヤ21n-rによって、21n-r[A]を経由して格納棚Rn又はLnに再配置される。そして、昇降機53nの列の右側の物品Bについても同様の流れが示されている。
このように、図14~16の一実施形態では、段落0056に記載した物品等の流れにおいて、最下階に搬送された収納容器54Ln[A4]は、出庫コンベヤ22n-lに移載されてもよく、昇降機53の左側の格納棚R-l、L-lに保管されている物品等を昇降機53の左右のピッキングステーションGTPで処理することが可能となり、物流の自由度が高まる。
図17は、本発明の第二の特徴示す、ピッキングシステムを有する立体自動倉庫を直列に配設した物流システムの入庫から出庫及び出荷までの工程概要図である。本発明は、図7に示した物流システムにおいて、昇降手段53を移載手段の配設空間3外に配備することを特徴とし、図17では、例えば、格納棚L、Rの空間内に移設し、昇降手段53の列を線対称の対称軸として、格納棚L、R、ピッキングステーションGTP、集品空容器搬入部8、集品容器搬出部10、荷合せ部12、及び、梱包・13を配備した物流システムである。
このように、昇降手段53を移載手段の配設空間3外に設けることは、移載手段4、5が、その配設空間3に面する水平長手方向の全ての格納棚に対して、物品等の移載が可能となり、格納棚を直列に並べ、その入出庫部にピッキングステーションGTPを付設することによってもたらされる効果以上に、高い物流効率を実現することが可能となる。この移載手段の自在な移動に伴う効果を、図18~20の模式図を用いて具体的に説明する。
図18は、図2に示すような走行台車型の移載手段5を具体例として用い、請求項2に包摂される本発明の一実施形態に係る、走行台車51の配設空間3外に配備された昇降機53を点対称の対称点として、仮置き搬送台55を一端に備えた格納棚L、R、並びに、格納棚L、Rの入出庫部2に、収納容器提示コンベヤ23、収納容器提示コンベヤ23に連設した集品空容器提示部9、集品空容器提示部9と連接した集品空容器・集品容器搬送コンベヤ81&102、集品空容器供給コンベヤ82、及び、集品容器搬出コンベヤ101を付設した物流システムを直列に配備した物流システムの平面模式図であり、図19は、図18の切断線IVで紙面に垂直に切断し、仮置き搬送台55を一端に備えた格納棚L、Rの入出庫部2に付設した、収納容器提示コンベヤ23、収納容器提示コンベヤ23に連設した集品空容器提示部9、集品空容器・集品容器搬送コンベヤ81&102、集品空容器供給コンベヤ82、及び、集品容器搬出コンベヤ101を格納棚L、Rの階下に描いた断面模式図である。そして、図20は、図18及び19から、昇降機53付近における格納棚L、R並びに入庫コンベヤ21及び出庫コンベヤ22の平面図と、昇降機53付近の断面図とを組み合わせた模式図である。
図8~13同様、X軸方向の物品等の移動手段は、走行レール52上を自在に走行する物品等を自在に出し入れ可能な、例えば、伸縮アーム部を有する走行台車51であり、Y軸方向の物品等の移動手段は、物品等載置搬送台54を備えた昇降機53で構成されており、物品等載置搬送台54と走行台車51との物品等の移動を媒介するための仮置き搬送台55が格納棚の端に設けられている。更に、背面で隣接するRn-1列とLn列の格納棚間は、伸縮アームによって物品等の水平移動が可能であり、これら全体で格納棚のXYZ軸方向の自在な物品等の往復移動が可能な移載手段を構成している。通常、仮置き搬送台55は、図8~13同様、例えば、仮置き搬送台55Rn-r及び55Ln-lが入庫専用、仮置き搬送台55Rn-l及び55Ln-rが出庫専用というように、物品等が一方向に流れるようになっているが、昇降機53が、走行台車51の配設空間3外に配備されることによって、次に示すような物品等の流れが実現する。
例えば、入出庫コンベヤ24-lから入庫された物品Aが入っている収納容器61n-rは、入庫コンベヤ21n-lから格納棚Rn-l又はLn-lに保管され、注文が入ることによって、収納容器61n-rが、最上階の格納棚Rn-lのA1の位置、すなわち、収納容器Rn-l[A1]に再配置される。走行台車51n-lが、収納容器Rn-l[A1]を仮置き搬送台55Ln-rに移載した収納容器55Ln-r[A2]は、昇降機53nに付設された物品等載置搬送台54Lnに移載され、収納容器54Ln[A3]が最下階に搬送される。最下階に搬送された収納容器54Ln[A4]は、出庫コンベヤ22n-rに移載された後、収納容器22n-r[A5]が収納容器提示コンベヤ23n-rに供給される。ここで、作業員11n-rが、集品空容器・集品容器搬送コンベヤ81-r&102-rから集品空容器供給コンベヤ82n-rを経て集品空容器提示部9n-rに供給される集品空容器7n-rに、収納容器61n-rの物品Aを移載して、集品容器71n-rとなる。この集品容器9n-r[A6]は、集品容器搬出コンベヤ101n-rから集品空容器・集品容器搬送コンベヤ81-r&102-rを経て、集品容器81-r&102-r[A7]が荷合せ部12に搬送され、梱包・出荷部13から出荷される。一方、物品等が移載された集品空容器6n-rは、入出庫コンベヤ24-rから処理されるが、集品容器61n-rに物品等が残っている場合は、入庫コンベヤ21n-rによって、集品容器21n-r[A]を経由して格納棚Rn又はLnに再配置される。そして、昇降機53nの列の右側の物品Bについても同様の流れが示されている。
このように、昇降機53を走行台車51の配設空間3外に配備することによって、走行台車が、その配設空間3に面する水平長手方向の全ての格納棚に対して、物品等の移載が可能となり、例えば、仮置き搬送台55Rn-r及び55Ln-lが入庫専用、55Rn-l及び55Ln-rが出庫専用というように、物品等が一方向に流れるように設定しても、昇降機53の列を中心線として、左右どちらの格納棚に保管されている物品等も、左右どちらのピッキングステーションGTPで処理することができ、物流効率が顕著に高められる。
更に、昇降機53を走行台車51の配設空間3外に配備することによって、仮置き搬送台55が不要となる。図21~23は、請求項3に包摂される本発明の一実施形態に係る物流システムの模式図である。図21は、図2の立体自動倉庫において、走行台車51の配設空間3外に配備された昇降機53の列を線対称の対称軸として、格納棚L、R、並びに、格納棚L、Rの入出庫部2に、収納容器提示コンベヤ23、収納容器提示コンベヤ23に連設した集品空容器提示部9、集品空容器提示部9と連接した集品空容器・集品容器搬送コンベヤ81&102、集品空容器供給コンベヤ82、及び、集品容器搬出コンベヤ101を付設した物流システムを直列に配備した物流システムの平面模式図であり、図22は、図21の切断線Vで紙面に垂直に切断し、格納棚L、Rの入出庫部2に付設した、収納容器提示コンベヤ23、収納容器提示コンベヤ23に連設した集品空容器提示部9、集品空容器・集品容器搬送コンベヤ81&102、集品空容器供給コンベヤ82、及び、集品容器搬出コンベヤ101を格納棚の階下に描いた断面模式図である。そして、図23は、図21及び22から、昇降機53付近における、格納棚L、R並びに入庫コンベヤ21及び出庫コンベヤ22の平面図と、昇降機53付近の断面図とを組み合わせた模式図である。
ここで、格納棚L、Rの空間に配備された昇降機53は、上下方向ガイドを支えるマストの役割を、格納棚を構成する梁、支柱、及び、棚板に担わせることによって薄型化されたものである。
図21~23から明らかなように、昇降機53が走行台車51の配設空間3になく、走行台車が配設空間3を自在に往復運動できるため、例えば、伸縮アームを有する走行台車51と昇降機53との間で物品等の移載が可能となり、仮置き搬送台を不要とすることができる。そして、ここでは、格納棚Lnに出庫コンベヤ22nを、格納棚Rnに入庫コンベヤ21nを連接し、昇降機53nに付設される物品等載置搬送台54nに必ず正逆搬送機構を備えた例を示し、この物流システムにおける物品等の流れを説明する。
例えば、入出庫コンベヤ24-lから入庫された物品Aが入っている収納容器61n-rは、入庫コンベヤ21n-lから格納棚Rn又はLnに保管され、注文が入ることによって、収納容器61n-rが、最上階の格納棚Ln-lのA1の位置、すなわち、収納容器Ln-l[A1]に再配置される。走行台車51n-lが、収納容器Ln-l[A1]を昇降機53nに付設された物品等載置搬送台54Lnに移載され、収納容器54Ln[A2]が最下階に搬送される。最下階に搬送された収納容器54Ln[A3]は、出庫コンベヤ22n-rに移載された後、収納容器22n-r[A4]が収納容器提示コンベヤ23n-rに供給される。ここで、作業員11n-rが、集品空容器・集品容器搬送コンベヤ81-r&102-rから集品空容器供給コンベヤ82n-rを経て集品空容器提示部9n-rに供給される集品空容器7n-rに、収納容器61n-rの物品Aを移載して、集品容器71n-rとなる。この集品容器9n-r[A5]は、集品容器搬出コンベヤ101n-rから集品空容器・集品容器搬送コンベヤ81-r&102-rを経て、集品容器81-r&102-r[A6]が荷合せ部12に搬送され、梱包・出荷部13から出荷される。一方、物品等が移載された集品空容器6n-rは、入出庫コンベヤ24-rから処理されるが、集品容器61n-rに物品等が残っている場合は、入庫コンベヤ21n-rによって、集品容器21n-r[A]を経由して格納棚Rn又はLnに再配置される。
このような物品等の流れは、一例で、これに限定されるものではない。例えば、最下階に搬送された収納容器54Ln[A3]は、出庫コンベヤ22n-lに移載され、昇降機53の列を中心として、左側のピッキングステーションGTPで処理することもできる。また、入庫コンベヤ21と出庫コンベヤ22とを入れ替えることもできるし、図18同様に、入庫コンベヤ21-lと出庫コンベヤ22-lとを入れ替えると共に、それに付随する搬送コンベヤを入れ替えることも可能である。
更に、本発明の物流システムの設計の自由度は、二次元的に実現できるだけでなく、3次元的にも可能である。図24は、本発明の一実施形態に係る、図18の格納部を二階建てにした物流システムの断面模式図であるが、これに限定されるものではなく、本発明の実施形態の全てについて同様の拡張を図ることができる。
図24では、立体自動倉庫の格納容量を増強させる例として、格納棚を二階建てにした例を示したが、これに限定されるものではない。天井が低い場合には、格納棚を分割して、二階建てにすることもできるし、更なる格納容量の増強のため、三階建て以上とすることも可能である。また、紙面の関係上、仮置き搬送台55を一端に備えた格納棚L、Rの入出庫部2に付設した、収納容器提示コンベヤ23、収納容器提示コンベヤ23に連設した集品空容器提示部9、集品空容器・集品容器搬送コンベヤ81&102、集品空容器供給コンベヤ82、及び、集品容器搬出コンベヤ101を格納棚L、Rの階下に配備した例を描いているが、これに限定されるものではなく、二次元的にも三次元的にも自由に配備することができる。
以上、一実施形態を示すことによって、本発明を具体的に説明したが、本発明がこれらの実施形態によって限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術思想によってのみ限定されるものである。