本明細書に開示されたデバイスのための環境の一般的な理解、及びデバイスの詳細については、図面を参照されたい。図面では、同様の参照数字は、同様の要素を示す。
本明細書で使用されるように、「計量回路」という用語は、電力源と電力を受け取る負荷との間の電力線にインラインで接続された電気メータの端子間を流れるエネルギに基づいて、一つ以上の電力及び/又は電気エネルギ消費値を検出し、測定し、決定する、任意の好適な回路を指す。一つの一般的な構成では、電力網又は他の発電源が一組の端子に接続され、電力を受ける負荷が他の一組の端子に接続されている。電力線の電力は、電気メータを通って流れ、計量回路は、電圧及び電流を含むが必ずしもこれらに限定されない、電気信号の様々な形態を測定する。
本明細書で使用されるように、「停電」及び「電力遮断」という用語は互換的に使用され、電気メータに接続されている一つ以上の電力線を通じた電力の正常な供給が一時的に停止する事象を指す。停電及び遮断事象は、全ての電力が電力線を通って流れるのを停止する、又は、電力のレベルが負荷及び電気メータの正常な動作を妨げるレベルまで低下する、「ブラックアウト」とも呼ばれている。
図1は、電気メータ100に接続されている一つ以上の電力線を介した電力供給の電力遮断の継続時間を測定し、ネットワーク175を介して外部監視システム1000に負荷プロファイルデータを送信するように、構成されている電気メータ100を示す。電気メータ100は、メータベース120及び計量回路150を含み、これらは、電気メータのハウジングによって支持され、かつ少なくとも部分的に電気メータのハウジング内に収容されている。
メータベース120は、夫々、導体126A、126Aによって電気的に一緒に接続された2対の端子124A/128A、124B/128Bを含む。メータベース120において、端子124A、124B、128A、128Bの各々は、電力線に接続されているソケットと係合するように電気メータのハウジングから延びる、しばしば「ブレード」又は「スタブ」と呼ばれる、導電性部材から形成されている(ソケット及び電力線は図示せず)。端子の対124A/128A及び124B/128Bの各々は、エネルギ源から負荷に電力線を通過する電力の全てが、端子の対124A/128A及び124B/128Bを通過して負荷に至る電力線の導体とインラインで接続するように構成されている。端子の対124A/128A及び124B/128B、並びに電気導体126A及び126Bは、電気メータ100がソケットに接続されたときに、実質的に発電源と負荷との間で接続された電力線の一部となる。図1は、2つの導体を含む(、及び、図面に示されていない中性の導体を含むことが多い、)電力線とインラインで接続されるように構成された、2つの導体を有する2つの対の端子を図示しているが、別途の実施形態では、オプションとして、単一の導体のための一つの対の端子のみ、又は追加の導体を有する追加の対の端子を含み、三相電力線のような、2つ以上の導体を含む電力線の監視を可能にしている。
メータベース120は、夫々、電気導体126A、126Bに誘導的に結合された誘導コイル132A、132Bを含む。以下で更に詳細に説明するように、誘導コイル132A、132Bは、計量回路150内の電流センサ154A、154Bに電気的に接続されている。電気導体126A、126B内の交流(AC)電力信号は、計量回路150が電力線内の電流レベルを監視するのに使用する誘導コイル132A、132Bに夫々電流を誘導する。幾つかの実施形態では、誘導コイル132A及び132Bは、第2のセットのコイルが電流測定信号を生成する電流変圧器の、一つのセットのコイルを形成するので、誘導コイル132A及び132Bは、「コイル変圧器」とも呼ばれる。図1は、例示の目的で、コイル132A/132B及び電流センサ154A/154Bを描いているが、他の実施形態では、当該技術分野で別途知られている異なる電流検出装置を採用してもよい。
計量回路150を参照すると、電流センサ154A/154B、及び電圧センサ158が含まれる。計量回路150は、アナログ/デジタル変換器168、デジタル制御デバイス180、ネットワーク通信デバイス184、及びインメータ制御インタフェース188を更に含む。計量回路150は、電源196に接続された端子の対124A/128A及び124B/128Bを介して、電力線から動作のための電力を受け取る(明確化のために、接続は省略されている)。電源196は、例えば、端子で受信した交流電力から直流(DC)の電気出力電力を生成して電気メータ100のコンポーネントに電気的に供給するスイッチドキャパシタ電源又は他の適当な変換回路である。電源196は、電気メータ100の動作中に電力を必要とする計量回路150及びメータベース120のコンポーネントに電力を供給する。電源196は、電気メータ100に接続されている電力線を通る通常のAC電圧及び電流に対する電力遮断の間、制御デバイス180を動作させるための電力を供給するバッテリ198を更に含む。他の実施形態では、電気メータ100内のキャパシタ又は他のエネルギ貯蔵デバイスは、電力遮断の間、制御デバイス180、及び、電気メータ100内の任意の他のコンポーネントに電力を供給する。
計量回路150において、電流センサ154A/154Bは、それぞれ、誘導コイル132A及び132Bのうちの一つに接続されており、電流センサが、夫々、導体126A及び126B内の電流のレベルを監視することを可能にする。一つの実施形態では、電流センサ154A、154Bは夫々、コイルトランスフォーマ配置において対応する誘導コイル132A又は132Bに結合される第2のセットのコイルを含む。電流センサ154A及び154Bのコイルは、電気導体126A及び126Bの電流レベルに対応する電流を生成するが、但し、効率的な方法で電流を測定することを可能にするために大幅に減少した振幅であり、且つ、電流センサが、電気導体126A及び126Bの遥かに高い電流レベルからのガルバニック絶縁を有する状態ではある。電流センサ154A及び154Bは、制御デバイス180にデジタル電流レベル信号として提供されるように、ADC168に供給されるアナログ電流測定信号を生成するが、但し、アナログ電気メータでは、アナログ制御回路がアナログ電流測定信号を直接受信し得る。
計量回路150において、電圧センサ158は、電気導体126A及び126Bの両方に接続されている。電圧センサ158は、電力線を介して負荷に供給される電圧の代表的な波形を有するアナログ電圧測定信号を生成するように構成されている。電圧センサ158の出力は、制御デバイス180が電圧センサ158から、測定された電圧レベルのデジタル化表現を受信することを可能にするように、ADC168に接続される。一つの実施形態では、電圧センサ158は、測定された電圧波形を、ADC168に適した大きさに持ってくるための分圧回路を含む。電圧センサ158は、代替的に他の既知の形態をとってもよい。
電気メータ100において、制御デバイス180は、例えば、一つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路(ASIC)などを含む、デジタルロジックデバイスである。図1の実施形態では、制御デバイス180はまた、リアルタイムクロック(RTC)190及びメモリ192を含むか、又は、動作上接続されている。RTC190は、電気メータ100が電流センサ154A/154B及び電圧センサ158からの入力センサデータのサンプルを記録する時間を追跡する。以下に説明するように、制御デバイス180はまた、RTC190を使用して、幾つかの実施形態では電力遮断の継続時間に対応する、「バッテリ上の時間」事象の継続時間を測定する。メモリ192は、制御デバイス180が電気メータ100の他のコンポーネントと連携して電気メータ100を動作させるように実行する、プログラムされたソフトウェア又はファームウェア命令を記憶する、一つ以上のメモリデバイスを含む。メモリ192はまた、電気メータが所定の監視期間中に生成する「負荷プロファイル」レコードを記憶するが、これは、他の実施形態ではより長い又はより短い監視期間を使用することもあるが、典型的には、1分から1時間のオーダの継続時間である。負荷プロファイルは、典型的には、例えば、電力線に接続されている負荷の累積エネルギ消費量の測定、交流電力信号の電圧における周波数測定値の累積、AC電力信号の電圧におけるゼロクロス事象の累積、及び、電気メータ100が記録し、集中監視システムに報告する他の情報を含む、「チャネル」と呼ばれる、負荷プロファイル内の複数のデータフィールドを含む。幾つかの実施形態では、電気メータ100が監視期間中に電力遮断を経験した場合、電気メータ100は、監視が、予め定められた監視期間の全体のためではなく、部分的な監視期間のためにのみ発生したことを示す値を、負荷プロファイルに設定する。メモリ192は、NAND又はNORメモリデバイス又は他の適切なソリッドステートメモリのような、少なくとも一つの不揮発性メモリデバイスを使用して実装され、幾つかの実施形態では、メモリ192は、ランダムアクセスメモリ(RAM)のような揮発性メモリデバイスを含む。本明細書に記載された特定の機能に加えて、制御回路180はまた、電気メータの動作に一般的に関連する計量ルーチン、表示ルーチン、通信ルーチンを実行する。図1に描かれているように、制御デバイス180は、ADC168を介して直接又は間接的に、電流センサ154A及び154B、並びに電圧センサ158からの入力データを受信する。
計量回路150において、制御デバイス180は、電流センサ154A/154B及び電圧センサ158からの入力データを受信するために接続されていることに加えて、ネットワーク通信デバイス184及びインメータインタフェース188に操作上接続されている。なお、ネットワーク通信デバイス184及びインメータインタフェースは、いずれも出力デバイスの一例である。ネットワーク通信デバイス184は、例えば、電話網に結合するアナログモデム又はデジタル加入者回線(DSL)デバイス、有線網を介してデータを伝送するイーサネットトランシーバ、RS-232又はユニバーサルシリアルバス(USB)などのローカルシリアルバス出力、又は、外部監視システム1000に計測データを伝送する無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)又はワイドエリアネットワーク(WWAN)トランシーバのいずれか又は両方である。計量回路150において、インメータインタフェース188は、消費電力及び電力遮断データを取得するための、電気メータの手動読取及び手動検査を可能にする、視覚的、及び、場合によっては可聴の、出力デバイスを提供する。インメータインタフェースの例としては、機械的ゲージ、表示灯、LCD又はLED表示画面、警報ベル又はスピーカなどが、挙げられる。インメータインタフェースは、オプションとして、電気メータに物理的に存在している間に、オペレータが制御デバイス180にコマンドを送信することを可能にする制御入力を含む。計量回路150は、ネットワーク通信デバイス184とインメータインタフェース188の両方を含むが、電力遮断の継続時間を測定する電気メータの幾つかの実施形態では、ネットワーク通信デバイス184、又は、インメータインタフェース188のみを含み、両方の要素を含まない。例えば、幾つかの電気メータは、データネットワークを介してリモートシステムと通信する必要がなく、インメータインタフェース188のみを含み、他の電気メータは、メータデータを伝送するためにネットワーク通信デバイス184のみに依存し、インメータインタフェース188を含まない。
図1において、外部監視システム1000は、メモリ1008とネットワーク通信デバイス1012とに操作上接続されたプロセッサ1004を含む。外部監視システム10000において、プロセッサ1004は、ネットワーク175を介して電気メータ100内の対応するネットワーク通信デバイス184と通信するために、ネットワーク通信デバイス1012を使用して外部監視システム1000が受信する、負荷プロファイル情報を処理するように構成された、中央処理装置(CPU)又は他の適切なデジタル論理装置である。メモリ1008は、プロセッサ1004のためのプログラムされた命令、電気メータ100から受信した負荷プロファイルデータを記憶し、一連の所定の監視期間に亘って電気メータ100内で発生する可能性のある電力遮断の累積継続時間の記録を記憶する。図1には更に詳細には描かれていないが、幾つかの構成では、外部監視システム1000は、電気メータ100と同じ又は類似の構成を有する複数の電気メータから、負荷プロファイルデータを受信して処理する。
様々な構成において、外部監視システム1000は、例えば、電気メータ100を、幾つかの実施形態では、図1に明示的に示されていない他の電気メータを、監視するヘッドエンドユニットを含む。電力会社、サイトオーナ、又は他のエンティティは、電気メータ100内の電力遮断を監視するべく外部監視システム1000を操作し、SAIDIを計算して電力遮断を監視する。特に、外部監視システム1000は、累積周波数測定及び累積ゼロクロス測定のいずれか又は両方のためのチャネルを含む、負荷プロファイルを電気メータ100から周期的に受信する。外部監視システム1000は、累積周波数測定及び累積ゼロクロスチャネルに基づいて、所定の監視期間中に発生する可能性のある一つ以上の電力遮断の継続時間を判定する。更に、幾つかの構成では、外部監視システム1000は、ネットワーク通信デバイス184を介して、電気メータ100内の制御デバイス180にコマンドメッセージを伝送する。
動作中、電気メータ100は、累積周波数カウント及び累積ゼロクロスカウントのいずれか又は両方を特定するチャネルを含む負荷プロファイルデータを、ネットワーク175を介して外部監視システム1000に伝送する。以下でより詳細に説明するように、外部監視システム1000は、SAIDIを測定して、電力分配システムにおける他の監視動作を実行するために、電力遮断の継続時間の詳細な追跡を可能にするべく、電気メータ100が一つ以上の所定の監視期間中に経験する電力遮断の継続時間を特定し、SAIDIを測定して、電力分配システムにおける他の監視動作を実行する。電気メータ内の制御デバイス180は、任意に、電力遮断の継続時間を測定し、所定の監視期間(例えば、15分間の期間)の間に発生する任意の電力遮断の継続時間の合計の記録を記憶する。制御デバイス180はまた、1時間、1日、1週間、1ヶ月、又は1年の間に発生した電力遮断の総継続時間などの、一つ以上の監視期間に亘って発生した電力遮断の総継続時間のレポートを生成し、ネットワーク通信デバイス184を用いて監視サービスに送信する。電力遮断の期間を追跡するための電気メータ100の動作は、以下でさらに詳細に説明される。
図2は、電力遮断の継続時間を測定し、記録し、報告するための電気メータの動作のプロセス200を示している。以下の説明において、機能又は動作を実行するプロセス200への言及は、メータ内の制御デバイス、外部監視システム内のプロセッサ、又はそれらの組み合わせなどの、デジタル処理デバイスの動作を指し、電気メータ内の他のコンポーネントと関連して機能又は動作を実施する格納されたプログラム命令を実行することを指す。プロセス200は、図1の電気メータ100及び図4のグラフと関連して、以下に更に詳細に説明される。
プロセス200の間、制御デバイス180は、電圧センサ158を用いて電力線から供給される交流電力信号の電圧を監視し、予め定められた監視期間の間、周波数測定の累積値、ゼロクロス事象の総数の累積値、又はその両方の測定値を、記録する(ブロック204)。電気メータ100において、交流電力信号の電圧は、電力線から供給され、所定の監視期間中に電気メータ100の端子の対124A/128と124B/128Bとの間を、通過する。一つの実施形態では、ADC168は、AC正弦波信号の予想される周波数(例えば、50Hz又は60Hz)を超えるサンプリング周波数で、電圧センサ158から電圧値のデジタルサンプルを生成して、制御デバイス180が、AC正弦波信号の各周期の電圧波形における正負のピーク及びゼロクロス事象などの特徴を特定することを可能にする。ある特定の例では、ADC168は、例えば1KHz~20KHzの範囲のレートでデジタル電圧サンプルを生成して、正弦波AC電源信号の各サイクルにおける複数のサンプルを収集する。上述したように、所定の監視期間は、任意の適切な長さの時間、例えば、図2の例示的な実施形態で使用される15分間の期間であり、これにより、電気メータ100は、測定されたAC信号周波数の平均値又はAC電力信号内のゼロクロスの合計数を、生成することが可能になる。
一つの実施形態では、制御デバイス180は、交流電力信号の電圧波形における連続した正のピーク又は負のピークの間の時間差Tを特定して、交流電力信号の周波数を測定する。各ピークは、交流電力信号の電圧に対するADCからのデータの一連のサンプルが最大絶対値(正又は負)に達し、ゼロに戻り始めるときに発生し、制御デバイス180は、データサンプル間を任意に補間して、より正確に各ピークの時間を特定する。制御デバイス180は、各サイクルの周波数をG-1として特定し、信号の測定される周波数を、所定の監視期間に亘って測定される複数のサイクルの平均値とする。電気メータ100は、所定の監視期間中に負荷プロファイルの一部として交流電力信号の累積周波数測定の記録を生成し、周波数測定情報を、電気メータ100によって収集される追加データも含む負荷プロファイルの一つのチャネルとして、一定の間隔で外部監視システムに報告する。
図4は、50Hz又は60Hzなどの、所定の周波数における正弦波交流電力信号の予想周波数に対応する時間期間432、436、及び452を有する、例示の交流電力信号の電気電圧レベルの経時的なグラフ400を示す。別の構成では、電気メータ100は、交流電力信号の各周期におけるトラフ(負のピーク)間の時間に基づいて、同じ期間を測定する。大規模な電力網における交流電力信号の周波数は、一般に安定しており、通常の動作中には、交流信号の電圧レベルよりもはるかに小さい変動を経験するに過ぎない。動作中、制御デバイス180は、交流電力信号の周波数を所定のレート(例えば、一つの実施形態では毎秒4回の測定)で測定し、各所定の監視期間中にメモリ192に記憶されている負荷プロファイルの周波数チャネルに、すべての周波数測定値の累積を記憶する。図4はまた、追加のピークが存在しない交流電力信号の電力遮断444を描いている。制御デバイス180は、電力遮断444の間、周波数測定値を記録せず、殆どの実施形態では、電力遮断444の間は作動しない。電気メータ100は電力遮断後に再起動する。所定の監視期間中のすべての周波数測定値の累積値の合計は電力遮断のために予想よりも低いが、制御デバイス180は、追加の周波数測定値を記録し続ける。図4は単一の遮断444を描いているが、幾つかの状況では、電気メータ100は単一の監視期間中に複数の電力遮断を経験するのであり、本明細書に記載の実施形態は、一つ以上の電力遮断の累積継続時間を特定することができる。
別の構成では、制御デバイス180は、AC電源信号内で発生するゼロクロス事象の累積数のカウントを記録する。図4に描かれているように、ゼロクロス事象は、交流電力信号の電圧が正電圧から負電圧に、又は負電圧から正電圧に、遷移するときに発生し、制御デバイス180は、より正確に各ゼロクロスの時間を特定するために、データサンプル間を任意に補間する。この構成では、電気メータ100は、所定の監視期間中に負荷プロファイルの一部として交流電力信号の測定されたゼロクロス事象の記録を生成し、累積したゼロクロス事象の測定情報を、電気メータ100によって収集される追加のデータも含む負荷プロファイルの一つのチャネルとして、一定の間隔で外部監視システムに報告する。
図4は、交流電力信号の様々なサイクルの間に発生するゼロクロス404A/404B、408A/408B、412A/412B、及び416A/416Bを描いており、ここで、交流電力信号の各サイクルは、2つのゼロクロスを含む。制御デバイス180は、制御デバイス180がADC168から受信するデジタルセンサデータサンプル内の、測定された電圧値の正の値から負の値への遷移、又は負の値から正の値への遷移に基づいて、各ゼロクロス事象を特定する。制御デバイス180は、各所定の監視期間中に発生する測定されたゼロクロス事象の総数の累積値を記録する。図4に描かれているように、電力遮断期間444の間、AC信号はゼロクロスを生成せず、制御デバイス180は、典型的には電力遮断444の間に非アクティブ化され、電力遮断中にゼロクロス事象を記録しない。所定の監視期間の間、制御デバイス180は、電力遮断が発生したときに、交流電力信号の所定の周波数に基づく所定の期待値と比較して、減少したゼロクロスの数を記録する。
再び図2を参照すると、プロセス200は続いて、電気メータ100が、累積周波数及びゼロクロスカウントチャネルのいずれか又は両方を含む、記録された負荷プロファイルを、予め定められた監視期間のうちの一つ以上の間に、電力遮断の継続時間を、もしあれば、特定する外部監視システムに送信する(ブロック208)。電気メータ100は、ブロック204の処理を参照して上述したように、後続の監視期間中に監視を継続する。プロセス200の幾つかの実施形態では、外部監視システム1000は、負荷プロファイル内の累積周波数チャネル及び累積ゼロクロスカウントチャネルのうちの1つ又は両方に基づいて、電気メータ100が経験する任意の電力遮断の期間を特定する(ブロック210)。
一つの実施形態では、外部監視システム1000は、電気メータ100から受信した負荷プロファイルデータ中の累積周波数チャネルに基づいて、所定の監視期間のうちの少なくとも一つの間に発生する電力遮断の継続時間を特定する。例えば、交流電力信号の公称周波数が60Hzであり、電気メータ100が15分(900秒)の所定の監視期間に亘って毎秒4回の周波数測定値を記録するように構成されている場合、負荷プロファイルデータ中の累積周波数チャネルは、216,000((4)(60Hz)(900秒)=216,000)の予想される所定の累積周波数値を有している。記録された累積周波数測定値が予め定められた累積周波数値から逸脱している場合、外部監視システム1000のプロセッサ1004は、逸脱の大きさに基づいて電力遮断の継続時間を計算する。例えば、電気メータ100において生成される負荷プロファイルの周波数チャネルが213,120の値を生じる場合、外部システムは、電気メータ100が12秒ID=(900秒-(213120/216000)(900秒)=12秒)の合計継続時間IDを有する一つ以上の電力遮断を記録したことを特定する。繰り返しになるが、電力遮断の合計継続時間IDは、予め定められた監視期間の長さと同様に、累積周波数測定値を予め定められた累積周波数値で割った比率に基づいている。幾つかの構成では、外部監視システム1000のプロセッサ1004は、負荷プロファイルの部分的監視期間フラグをセットした場合に、電力遮断の継続時間を計算するに過ぎないが、このことは、電気メータ100が所定の監視期間中に少なくとも一つの停電の事象を検出したことを示すものである。この構成では、外部監視システムは、電気メータ100の通常の動作中に発生する可能性のある累積周波数カウントの小さい偏差を無視する。
別の構成では、外部監視システム1000は、電気メータ100から受信した負荷プロファイルデータ中の累積ゼロクロスカウントに基づいて、予め定められた監視期間のうちの少なくとも一つの間に発生する電力遮断の継続時間を特定する。上述のように、ゼロクロスチャネルは、電気メータ100が所定の監視期間中に検出するゼロクロス事象の累積数のデータパラメータを含む。外部監視システム1000のプロセッサ1004は、予め定められた監視期間中に発生すると予想される予想上のゼロクロス事象の予め定められた公称数からの、負荷プロファイルに記録されたゼロクロス事象の全体数の、偏差に基づいて、監視期間中に発生する一つ以上の電力遮断の全体継続時間を特定する。例えば、60Hzの周波数の交流電力信号と900秒の継続時間を有する監視期間が与えられると、予め定められた監視期間中に発生すると予想されるゼロクロス事象の予め定められた数の公称値Znomは、Znom=2(60Hz)(900秒)=10,800zcであり、ここで、Zcは「ゼロクロス」を表す。プロセッサ1004がゼロクロスチャネルのための所定の監視期間中にZcounted=10,656を測定する場合、外部監視システム1000のプロセッサ1004は、ゼロクロスの測定された累積値が、ID=900秒-(10,656zc/10,800zc)(900秒)=12秒である、合計継続時間IDを伴う、一つ以上の電力遮断に対応していることを特定する。繰り返しになるが、電力遮断の合計継続時間IDは、カウントされたゼロクロス事象をゼロクロス事象の予め定められた数で割った割合と、予め定められた監視期間の長さとに、基づいている。負荷プロファイルのゼロクロスチャネルにおける測定されたゼロクロス事象の数が、予め定められた監視期間中に発生すると予想されるゼロクロス事象の予め定められた公称数からのより大きい偏差を経験するにつれて、電力遮断の継続時間は増加する。幾つかの構成では、外部監視システム1000のプロセッサ1004は、負荷プロファイルの部分的監視期間フラグをセットした場合に、電力遮断の継続時間を計算するに過ぎないが、このことは、電気メータ100が所定の監視期間中に少なくとも一つの停電の事象を検出したことを示す。この構成では、外部監視システムは、電気メータ100の通常の動作中に発生する可能性のある累積ゼロクロスカウントの小さい偏差を無視する。
別の構成では、電気メータ100内の制御デバイス180は、負荷プロファイル内の累積周波数カウントチャネル及びゼロクロスチャネルのいずれか又は両方に基づいて、各所定の監視期間中の電力遮断の合計継続時間を特定する(ブロック212)。この実施形態では、制御デバイス180は、外部監視システム1000について上述したのと同様の方法で電力遮断の合計継続時間を特定し、制御デバイス180は、電力遮断の合計継続時間をメモリ1902に記憶する。幾つかの実施形態では、制御デバイス180は、各所定の監視期間中に発生する電力遮断の合計継続時間を示す別個のチャネルを含む負荷プロファイルデータを生成し、負荷プロファイルの一部として外部監視システム1000に電力遮断データを伝送する。更に、制御デバイス180は、所定の監視期間中に発生した電力遮断の総継続時間の合計値を、それより前の一つ以上の監視期間のためにメモリ192に記憶した合計値に加算したものなど、一連の監視期間に亘って発生した全ての電力遮断についての合計値を、記憶することができる。外部監視システム1000は、時間、日、月、週、年などの、より長い期間をカバーするSAIDI又は他の電力遮断監視計算を計算するためのプロセスの一部として、電力遮断の総継続時間を電気メータ100から要求することができ、制御デバイス180は、外部監視システム1000にデータを報告した後に、電力遮断の総継続時間の合計をリセットすることができる。幾つかの構成では、外部監視システム1000と電気メータ100の両方が、上述したように、電力遮断の総継続時間を特定する。
図3は、電力遮断の継続時間を測定し、記録し、報告する、電気メータの動作のためのプロセス300を描いている。以下の説明において、機能又は動作を実施するプロセス300への言及は、電気メータの他のコンポーネントと関連して機能又は動作を実施するべく、記憶されたプログラム命令を実行する制御デバイスの動作を指す。プロセス300は、図1の電気メータ100と関連して以下に更に詳細に説明される。
プロセス300の間、外部監視システム1000のプロセッサ1004、又は電気メータ100の制御デバイス180は、「タイムオンバッテリ」事象の継続時間に基づいて電力遮断の継続時間を測定する(ブロック3004)。用語「タイムオンバッテリ」とは、電源196がバッテリ198を使用して電気メータ100内のコンポーネントに電力を供給する、電気メータ100内の動作期間を指す。タイムオンバッテリは、電源196が電力遮断中に外部電力線から電力を受け取らないときに、又は、正常な動作には不十分に過ぎないレベルの電力のみ受けるときに、発生する。図1では、バッテリ198は、例示のために電源196と一体化されているように描かれているが、幾つかの実施形態では、バッテリ198は、バッテリ198が電力遮断中にはRTC190に電力を供給するに過ぎない実施形態を含めて、計量回路150に組み込まれている。
一つの実施形態では、電源196のバッテリ198は、電気メータ100の少なくとも制御デバイス180の動作を維持するための電力を供給し、電源196は、電力遮断の開始時に電気メータ100がバッテリ電力で動作していることを示す第1の信号を制御デバイス180に送信する。外部電力が回復した後、電源196は、電力遮断の終了時に電気メータ100が再び電力線からの外部電力を受けており、バッテリ198から供給される電力で動作していないことを示す第2の信号を制御デバイス180に送信する。制御デバイス180は、電源196からの第1のオンバッテリ信号を受信することと、電源196からの第2のオフバッテリ信号を受信することとの、時間上の差に基づいて、「タイムオンバッテリ」と電力遮断の継続時間とを特定する。
別の構成では、電源196のバッテリ198は、電力遮断中にシャットダウンする制御デバイス180の完全な動作のための電力を供給しない。その代わりに、バッテリ198は、電気メータ100の他のコンポーネントが動作していない間、RTC190の動作を維持するのに十分な電力を供給する。多くの実用的な実施形態では、バッテリ198は、数時間、数日、又は数週間続く可能性のある長時間の電力遮断に対してRTC190を動作させるための電力を供給することができる。電力遮断の終了後、制御デバイス180は、動作に戻り、タイムオンバッテリを、電力遮断の開始時にメモリ192の不揮発性部分内のイベントログに格納されているシャットダウンイベントに関連付けられたタイムスタンプと、電力遮断の終了時に制御デバイス180が読み出すRTC190の現在時刻との間の時間差として特定する。制御デバイス180は、電力遮断中に制御デバイス180が完全に動作しなくとも、タイムオンバッテリに基づいて電力遮断の継続時間を特定する。
プロセス300は、電気メータ100が通常の動作に戻った後に、制御デバイス180が、電力遮断の継続時間をメモリ192に記録するように、継続される(ブロック308)。一つの実施形態では、制御デバイス180は、電力遮断の開始又は終了を特定するタイムスタンプと関連付けて、各電力遮断の継続時間をメモリ192に記憶する。別の構成では、制御デバイス180は、一つ以上の電力遮断の継続時間の合計の、単一の記録をメモリ192に記憶し、最も最近の電力遮断の継続時間を、以前に記録された電力遮断の継続時間の合計に対応するメモリ192に記憶された値に加算する。
プロセス300は、電気メータ100が、測定されたタイムオンバッテリに基づいて、一つ以上の記録された電力遮断の継続時間の合計を示すチャネルを含む負荷プロファイルデータを、外部監視システム1000に伝送するまで、ブロック304~308の処理を参照して、上述のように、継続する(ブロック312)。一つの構成では、制御デバイス180は、ネットワーク通信デバイス184を使用して、メモリ192に記憶された電力遮断継続時間データをデータネットワークを介して外部監視システム1000に伝送する。別の構成では、制御デバイス180は、表示画面又はコンピュータ化されたメータリーダデバイスへの周辺接続を介して、電力遮断継続時間データを報告するように、インメータインタフェース188を操作する。幾つかの実施形態では、電気メータ100は、負荷プロファイルの一部として、定期的な間隔(例えば、各監視期間の後、毎時、毎日、毎週、毎月、毎年、等)で電力遮断継続時間データを伝送し、他の実施形態では、電気メータ100は、外部監視システム1000又はメータリーダからの要求に応答して、電力遮断継続時間データを伝送する。電力遮断の継続時間の合計を報告した後、電気メータ100は、メモリ1902内の内部電力遮断カウンタがあればリセットし、上述のようにプロセス200の動作を継続して、電気メータ100の動作の更なる電力遮断の継続時間を記録し得る。
本明細書に記載の実施形態は、電気メータ100のような、個々の電気メータが、短い電力遮断の継続時間さえも高レベルの精度で監視し、電力遮断の継続時間の合計を集中監視システムに報告することができるので、大規模な電力システムにおける電力遮断の事象の継続時間を監視する精度を向上させる。集中監視システムは、複数の電気メータからの電力遮断データを使用して、電力網の信頼性を監視し、先行技術のシステムよりも高い精度で電力網のSAIDIを特定する。
上記開示した及び他の特徴及び機能の変形、又はその代替は、好ましくは、他の多くの異なるシステム、アプリケーション又は方法に結合され得ることが、理解されるであろう。現在予測されていない、又は予期されていない様々な代替案、修正、変形、又は改良が、当技術分野に習熟した者によって為され得るものであり、これらはまた、以下の請求項によって包含されることが意図されている。