JP7146818B2 - 軌道道床を締め固めるための方法および装置 - Google Patents

軌道道床を締め固めるための方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、対向して位置しており、突固め過程に際して振動を加えられて軌道道床中に降下されると共に締込み運動でもって互いに接近する2つの突固めツールを有する突固めユニットを用いて軌道道床を締め固めるための方法に関する。さらに本発明は、この方法を実施するための装置に関する。
バラスト軌道を有する鉄道路線は、軌道位置の定期的な修正を必要とし、この場合は一般に、道床突固め機もしくはスイッチマルチプルタイタンパまたはユニバーサルマルチプルタイタンパが使用される。軌道を巡回してまたは連続して走行可能なこのような機械は通常、測定システム、こう上/整正ユニットおよび突固めユニットを有している。こう上/整正ユニットにより、所定の位置への軌道こう上が行われる。この新たな位置を固定するために、突固めユニットに設けられた突固めツールにより、バラストが両側から軌道の各まくらぎの下に突き固められると共に締め固められる。
バラストの状態(新規位置、耐用期間の開始、耐用期間の終了)に応じて、または劣化速度に応じて、引き続く固化に基づき軌道が所望の最終的な位置を占めるように、軌道位置は相応に過剰修正されている。この場合、固化は場合により道床安定作業車を用いた安定化に基づき行われ、いずれにしろ引き続く列車運行荷重の調整に基づき行われる。
軌道のまくらぎを突き固めるための突固めユニットに関しては、様々な構成形式が知られている。例えばオーストリア国特許発明第350097号明細書が開示する突固めユニットでは、回転する偏心体軸に振動を伝達する液圧式の締込み駆動装置が枢着されている。オーストリア国特許発明第339358号明細書から公知の突固めユニットは、組み合わされた機能において締込み駆動装置および励振機として働く液圧駆動装置を備えている。
オーストリア国特許発明第515801号明細書は、突固めユニットにより軌道道床を締め固めるための方法を説明しており、この場合は道床硬度に関する質の数値を示そうとしている。このために、締込み距離に応じて締込みシリンダの締込み力が検出され、そこから導出されたエネルギ消費量を介して特性値が規定される。しかしながら、これらの特性値にはあまり有効性がない。なぜならば、系内で失われる無視し得ないエネルギ量が全く考慮されていないからである。さらに、突固め過程中に実際にバラスト内に導入される総エネルギも、道床状態の確実な判定を可能にするものではない。
本発明の根底を成す課題は、冒頭で述べた形式の方法および装置に対し、従来技術と比べて改良点を提供することにある。
この課題は、本発明に基づき、請求項1記載の方法および請求項13記載の装置によって解決される。本発明の有利な構成は、各従属請求項に記載されている。
本方法は、突固めユニットに配置されたセンサを用いて、少なくとも1つの突固めツールに関して1回の振動サイクル中に突固めツールに作用する力の特性線を、突固めツールが進んだ距離にわたって検出し、そこから少なくとも1つの特性値を導出し、この特性値を用いて、突固め過程および/または軌道道床状態の評価を行う、という点で優れている。このようにして、突固めツールの力・変位特性線(仕事量線図)を検出し、そこから有効な特性値を導出するために、突固めユニットを、使用動作中に測定装置として利用する。
具体的には、締固めの作業過程が、バラストの荷重・変形特性およびその変化を現場で測定するために、測定手順として用いられる。リアルタイムで測定値を分析しかつ少なくとも1つの特性値を生成することにより、バラストの質および締固めを、既に締固め過程の最中にオンラインで判定することができる。これに対し、次いで締固めおよび修正された軌道位置のプロセスパラメータを常に合わせておくことができる。例えば、道床の質の評価から、軌道位置の過剰修正に関する設定値を導出することができる。
さらに有利なのは、特性値が突固めユニットの制御用パラメータとして設定される場合である。これにより達成される、突固め過程の自動化された適合は、変化する道床状態に対する迅速な対応を可能にする。例えば、設定されたバラスト突固め度が達成されるまで、複数回の締込み過程を自動的に行うことができる。
本発明の有利な構成は、バラスト状態または道床の締固め状態を評価するために、第1の特性値として、振動サイクル中に突固めツールに作用する最大力を導出することを想定している。この第1の特性値は、バラストは突固めツールに対して限定的な力(反力)のみを加えることができるに過ぎないことを考慮したものである。最大力は、一方では調べられる振動サイクルが突固め過程のどの段階に位置するのかに左右され、他方ではバラスト状態に左右される。よって、第1の特性値は、バラスト状態(新しいバラストは、より高い抵抗をもたらす)と締固め状態(締固め過程における増大)の両方に関して有効な指標である。
有意な改良では、検出された力・変位特性線から道床の締固め状態を評価するために、第2の特性値として、振動サイクル中に生じる振動振幅を導出する。振幅測定のために、絶対座標および/または相対座標における動的な突固めツール運動の反転ポイント(動的な振動距離)を求めることができる。この場合に考慮されるのは、締込み運動も、動的な突固めツール運動も、構造に基づき、もっぱら距離制御のみが行われているわけではないという点である。
さらに、道床のバラスト状態を評価するために、振動サイクル中に突固めツールとバラストとの間の接触突入ならびに突固めツールとバラストとの間の接触損失を求め、そこから第3の特性値を導出すると、有利である。締込み段階では、突固めツールの顕著な非対称負荷が生じ、この場合、締込み運動により、バラストの加工方向は、突き固めようとするまくらぎの方に向けられている。この場合、接触突入点の位置および接触損失点の位置は、バラスト状態に左右される。したがって、力・変位特性線において、接触ありの区分および接触無しの区分は、バラストの質に関する適切な指標を形成している。
力・変位特性線の別の有利な評価は、第4の特性値として、突固めツールの負荷段階中の特性線の傾きを導出することを想定している。仕事量線図の荷重円弧における仕事量線のこの傾きは、荷重に対する剛性として、バラストの支持力に関する情報を提供するものであり、バラスト締固め中に上昇し、締固めの証明として利用される。
有利には、バラスト状態を評価するために、第5の特性値として、突固めツールの荷重軽減段階中の特性線の傾きも導出する。この場合、仕事量線図の荷重軽減円弧における仕事量線の傾きが、荷重軽減に対する剛性と見なされる。新しいバラストは、荷重軽減時に部分的に弾性的な特性を示し、突固めツールの後退運動に際して突固めツールと共に、接触損失に至るまで弾性的に戻る。これに対して、古いバラストは、ほとんど弾性的に反応しない。したがって、荷重軽減に対する剛性は、バラスト状態に関する適切な指標である。
利用率を求めるためには、検出した特性線から第6の特性値として、突固めツールにより成し遂げられた変形仕事量を導出すると、有利である。この場合、この変形仕事量は、仕事量線によって取り囲まれた面積に相当する。変形仕事量は、バラストの締固め、押退け、流動等を生じさせるためにバラスト中に伝達される、突固めユニットの駆動装置の仕事量である。この第6の特性でもって、軌道突固めの効果を簡単に最適化することができる。
別の改良は、道床の全体剛性を求めるために、第7の特性値として、特性線の全体傾きを導出することを想定している。道床内への突入段階において、突固めツールは双方向に作用する。なぜなら、突固めツールは、締込み運動が行われないことにより、突固めツールの背面側においても地中に動的な力を導入するからである。この両側作用形式に基づき、荷重および荷重軽減に対する剛性の物理的な意味はなくなり、全体剛性は、仕事量線の傾きによって表される。
この場合、全体傾きを、例えば最小二乗法に基づき、検出された特性線の線形回帰により求めると、有利である。
本発明による方法の1つの改良では、突固めツールに作用する力の特性線を、突固め過程の複数回の振動サイクル中に突固めツールが進んだ距離にわたって検出し、振動サイクルのそれぞれについて特性値毎に1つの値を求め、求めた特性値の特性線または複数の特性値特性線を用いて評価過程を行う。利用される特性値に応じて、特性値特性線からバラスト状態および/または締固め状態を簡単に推量することができる。
さらに、1つの軌道箇所において複数回の締込み過程が実施されると有利であり、この場合、道床の締固め状態を評価するために、各締込み過程について特性値毎に、1回の振動サイクル中の値を求めるか、または特性値毎に、複数回の振動サイクル中の特性値特性線を求め、設定した締固め状態が達成されない場合には、引き続き締込み過程を実施する。この場合、特性値または特性値特性線は、連続する複数回の締込み過程の間の明らかな差を示す。
本方法の1つの追加的な改良は、軌道に沿った複数の異なる箇所における複数回の突固め過程について、1回の振動サイクル中の各1つの特性値を求めるか、または複数回の振動サイクル中の特性値特性線を求め、これに基づき締固め結果および/または道床の状態の三次元的な進展の評価を行うことを想定している。複数回の突固め過程にわたる複数の特性値の、より包括的な特性線は、軌道の均一性、バラスト状態および締固め結果に関する情報をもたらす。
上記の方法のうちの1つを実施するための本発明による装置は、突固めユニットを有しており、突固めユニットは、対向して位置する2つの突固めツールを備えており、これらの突固めツールは、それぞれ旋回アームを介して締込み駆動装置と旋回駆動装置とに連結されており、少なくとも1つの旋回アームおよび/または対応配置された突固めツールに、突固めツールが進んだ距離にわたり突固めツールに作用する力の特性線を検出するための複数のセンサが配置されており、センサの測定信号は、評価装置に供給され、評価装置は、特性線から導出される特性値を求めるように構成されている。
この場合、突固めツールホルダ内に少なくとも1つの力測定センサが配置されていると有利である。つまり、力測定センサは、不都合な影響から防護されており、突固めツールに作用する力を高精度で測定する。この場合、突固めツールの曲がりは簡単に相殺される。追加的に、突固めツールの変位検出用に、加速度センサまたは変位センサが配置されている。
以下、添付の図面を参照して本発明を例示的に説明する。
突固めユニットの概略図である。 突固めツールおよび旋回アームをセンサと共に示す概略図である。 新しい道床における力・変位特性線(仕事量線図)を示す概略図である。 古い道床における力・変位特性線を示す概略図である。 道床内に突入した場合の力・変位特性線を示す概略図である。 新しい道床における複数の振動サイクルに関する力・変位特性線の3D線図を示す概略図である。 古い道床における複数の振動サイクルに関する力・変位特性線の3D線図を示す概略図である。 図6に示した3D線図の断面を示す概略図である。 図7に示した3D線図の断面を示す概略図である。 2つの締込み過程における最大力の特性線を示す概略図である。 2つの締込み過程における、荷重に対する剛性の特性線を示す概略図である。 2つの締込み過程における、荷重軽減に対する剛性の特性線を示す概略図である。 2つの締込み過程における、接触突入点の位置の特性線を示す概略図である。 2つの締込み過程における、接触損失点の位置の特性線を示す概略図である。 新しい道床における最大力の特性線を示す概略図である。 新しい道床における、荷重に対する剛性の特性線を示す概略図である。 新しい道床における、荷重軽減に対する剛性の特性線を示す概略図である。 古い道床における最大力の特性線を示す概略図である。 古い道床における、荷重に対する剛性の特性線を示す概略図である。 古い道床における、荷重軽減に対する剛性の特性線を示す概略図である。
図1には、まくらぎ2、レール3および締結手段4から成り、道床5に支持された軌きょうを備えた軌道1が示されている。軌道1の、加工しようとする箇所6には、突固めユニット7が位置決めされている。この突固めユニット7は、対向して位置する2つの突固めツール8(突固めピッケル)を有しており、突固めツール8は突固め過程9中に、突き固めようとするまくらぎ2を抱きかかえる。この場合、1つのまくらぎ2に沿って、通常各二対の突固めツールを備えた四対の旋回アームが配置されている。
各突固めツールは、旋回アーム10を介して締込み駆動装置11と振動駆動装置12とに連結されている。振動13は、例えば回転する偏心体軸によって生じる。偏心体軸ケーシングは回転駆動装置と共に、降下可能なツール支持体14に取り付けられており、ツール支持体14には2つの旋回アーム10も枢着されている。これに対して代替的に、各枢着部には振動駆動装置12が配置されていてもよい。このような配置(図示せず)の場合には、突固めツール8は楕円軌道に沿って動く。
各旋回アーム10は2アーム式のレバーとして働き、この場合、下側のレバーアームにおいて突固めツールホルダ15内に、付属の突固めツール8が取り付けられている。上側のレバーアームは、液圧シリンダとして形成された締込み駆動装置11を介して振動駆動装置12に連結されている。
軌道1を突き固める際には、まず軌きょうを持ち上げ、これにより、まくらぎ2の下に中空空間16を形成する。突固めユニット7を、加工しようとする箇所6においてまくらぎ2の上方に位置決めし、振動駆動装置12を介して突固めツール8に振動13を加える。具体的には、発生させた振動13が、ペンチ状に動くことができる突固めツール8の迅速な開閉を、小さな振幅で生じさせる(震動)。このときはまだ、バラスト17との接触は生じていない。
本来の突固め過程9は、複数の段階に分かれている。第1段階では、ツール支持体14を突固めツール8と共に、まくらぎ2の隣に位置するまくらぎ間隔内へ降下させる。各突固めツール8は鉛直に道床5内に突入し、このとき振動13または動的な運動が、バラスト17の押退けを容易にする。
なお、降下している最中に、第2段階において締込み運動18が始まり、各突固めツール8は、まくらぎ2に向かって動く。降下は所定の突入深さで終了し、締込み運動18は継続される。締込み運動18中に、突固めツール8によりバラスト17はまくらぎ2の下側に突き固められ、締め固められると共に、場合によっては側方に押し退けられる。この場合は、主にバラスト移動に用いられる締込み運動18に、さらに振動13が重畳される(約35Hzの震動)。バラスト17のこの動的な締固めに際しては、いわゆるバラスト流動が惹起される恐れもある。
各突固めツール8がまくらぎ2に接触する前に、第3段階において運動の逆転が始まる。ツール支持体14を突固めツール8と共に上方に向かって移動させ、戻し運動19(逆方向での締込み運動)が、ペンチ状に対向して位置する各突固めツール8を開放させる。
突固めツールホルダ15内には、力測定センサ20が配置されている。代替的に、複数のセンサ(抵抗線ひずみゲージ)が、測定用に設けられた突固めツール8の軸部に配置されていてもよい。これにより、バラスト17に対する水平方向の接触力21が検出される(図2)。さらに、旋回アーム10には複数の加速度センサ22が装備されている(機械タイプに応じて、旋回アーム10毎に1つまたは2つの加速度センサ22が使用される)。変位測定センサ24(例えばレーザセンサ)により、絶対締込み距離23が測定される。道床突固め機は、複数の突固めユニット7を有していることが多い。この場合、有利にはこれらのユニット7それぞれに、センサ20,22,24が装備されている。
センサ20,22,24により検出された測定信号25は、評価装置26に供給される。この評価装置26は、測定信号25を処理するように構成されており、これにより、観察される突固めツール8に作用する力を、突固めツールが進んだ距離にわたって検出することができる。具体的には、この場合、水平方向の接触力21が振動距離27にわたり、力・変位特性線28(仕事量線図)として求められる。
動的な振動距離27を特定するために、まず加速度センサ22の振動距離が、加速度信号の二重積分により求められる。既知の幾何学的な関係を介して、突固めツール(ピッケル板)の自由端部における振動距離27が特定される。
突固めツール8の軸部における力測定に基づき、断面力(モーメント、垂直方向力、横方向力)が特定される。これに基づき、評価装置26が水平方向の接触力21を算出する。この接触力21は、バラスト17が押しずらされたことに対するバラスト17の反力に相当する。測定された力を用いて、突固めツール8の撓みを簡単に補正することができる。求められた突固めツールの動きを用いてさらに、突固めツール8の質量慣性力の補正が行われる。
このセンサ信号評価の結果が、締込み過程の個々の振動サイクル29に関する力・変位特性線28である。突固めツールの動きと接触力21との間のこの関係は、続いてバラスト17または道床5の締固め過程と状態とを評価するために用いられる。
1回の振動サイクル29に関する例示的な力・変位特性線28が、図3~図5に示されている。ここでは、横座標に振動距離27が示されており、縦座標に接触力21が示されている。力・変位特性線28自体は、仕事量線30の形態で示されている。この仕事量線図は、測定時の支配的な条件を明確に推量することを可能にする、複数の識別特徴を有している。特に、各作業段階(降下、締込みまたは戻し)、締固め状態およびバラスト状態(砕かれたばかりの新しいバラストまたは汚れて丸くなった古いバラスト)を推量することができる。図3には、鋭い縁部と高い歯列とを有する新しいバラストに関する仕事量線図が示されている。図4には、丸くなった縁部、低い歯列、高度な締固めおよび高い割合の微粒子を有する古いバラストに関する仕事量線図が示されている。仕事量線図の識別特徴(特性値)は、新バラスト、耐用期間が僅かなバラストおよび耐用期間が経過したか終了したバラスト等の、複数の状態カテゴリへの自動化された分類を可能にする。
特性値として利用可能な識別特徴は、最大力31、振動振幅32、前方の反転ポイント33、後方の反転ポイント34、接触突入点35、接触損失点36、負荷段階中の仕事量線30の傾き37(荷重に対する剛性)、荷重軽減段階中の仕事量線30の傾き38(荷重軽減に対する剛性)、仕事量線の全体傾き39、および仕事量線30によって取り囲まれた面積としての、成し遂げられた変形仕事量40である。これらの特性値31~40の特定には、相対振動距離27の代わりに、絶対締込み距離23も利用することができる。
作業に組み込まれた測定および特性値特定と、これに基づくバラスト状態の評価とは、突固め過程9のプロセスパラメータの連続的な質管理および最適化を可能にする。バラスト17の状態は、2つの極値、すなわち砕石から成る新しいバラストと、技術的な耐用年数が終了した古いバラストとに基づき評価可能である。バラストの質、荷重、環境による影響および地下状況に応じて、バラスト状態は全ての中間段階を通り、この場合、軌道保守対策時に、バラストの選別またはバラストの混合が行われてもよい。具体的には、新しいバラスト17はきれいであり、鋭い縁部を有しておりかつ所定の粒径分布を有していると規定することができる。これに対して、古いバラスト17は汚れており、丸くなった縁部を有しており、かつ汚れ、摩耗、粒粉砕および地下から出る微粒子によって変化した粒径分布を有している。
さらに、作業に組み込まれたバラスト剛性の算出およびこれに基づく締固め状態の評価は、突固め過程9のプロセスパラメータの連続的な質管理および最適化を可能にする。バラスト17の締固め状態は、固有のバラスト特性に基づき評価することができる。ばらで流し込まれるバラストは緩く支持されていると共に、大きな孔体積ならびに低い支持力を有している。荷重が加えられると、比較的大きな、大抵は不可逆的な変形が生じる。このような、締め固められていないバラストの剛性は低い。これに対して、締め固められたバラストは密に支持されていると共に、小さな孔体積を有している。締固めにより、変形は予め十分に除去されており、そのため荷重が加えられた状態では、僅かな変形が生じるだけに過ぎない。これらの変形は大部分が弾性的、つまり可逆的である。締め固められたバラストは、大きな剛性を有している。
1回の振動サイクル29の規定された特性値31~40は、バラスト状態および締固め過程に関する説明が簡単に成されるように、突固め過程9を特徴付ける。このために特性値31~40または仕事量線図は、所定の出力装置に表示されるか、または予め規定された評価パターンでもって補正される。個々の特性値31~40は、突固めユニット7の制御用のパラメータとして予め規定することができる。このために、データが評価装置26から機械制御装置41に引き渡される。
以下の例示的な関連事項の説明では、力・変位特性線28の解釈が単純化されて行われる。より良い理解のために、既存のクロスリファレンスについては検討しない。むしろ、特性値31~40と、最も明白な相互関係を有する評価可能な機構との結びつきが強調される。
最大力31は、バラスト状態と締固め状態の両方に関する1つの適切な指標である。振動振幅32は、動的な突固めツールの動きの反転ポイント33,34により特定されている。バラスト17の抵抗が増大するにつれて、振動振幅32は僅かに減少するため、この第2の特性値は、締固め状態に関する1つの適切な指標である。
接触突入点35および接触損失点36は、力・変位特性線28において、突固めツール8とバラスト17との間の摩擦結合的な接触を有する区分を、接触無しの区分から切り離している。仕事量線図からは、突固めツール8が前進運動時にバラスト17にぶつかり、接触力21が最大値31まで上昇し、その後再び低下することが明白である。なぜならば、突固めツール8は前方の反転ポイント33に到達し、かつ再び後退運動し始めるからである。この後退運動において、突固めツール8は作業方向に押圧されたバラスト17との接触を失い、残りの後退運動を、無視し得る力作用でもって実施する。後方の反転ポイント34において方向転換した後に初めて、突固めツール8は再びバラストと接触するために、再び作業方向に動く。図3および図4では、接触点35,36の位置がバラスト状態に関連していることが明らかである。よって、バラストの質に関する指標としては、接触の線および接触損失の線の位置が利用可能である。
バラスト17の荷重に対する剛性は、力と付随する変形との間の関係であり、力・変位特性線28では、荷重円弧における仕事量線30の傾きとして表されている。荷重に対する剛性は、バラストの支持力を判定するための重要な特性値であり、バラスト締固め中に上昇し、締固めの証明として利用される。
荷重軽減に対する剛性は、荷重軽減段階における仕事量線30の傾きとして表されている。図4において、接触力21は、変形速度の低下により、変形がなお増大しているにもかかわらず、反転ポイント34の手前で既に減少している。この非弾性的な特性に基づき、古いバラスト17は小さな、それどころか負の、荷重軽減に対する剛性を有している。これにより、荷重軽減に対する剛性は、バラスト状態に関する指標として適している。
仕事量線30により取り囲まれた面積は、成し遂げられた変形仕事量40に相当する。相対的な振動距離xrel、接触力Fおよび振動サイクル継続時間Tでもって、変形仕事量Wが次の公式、すなわち:
Figure 0007146818000001
に基づき算出される。突固めユニット7を、変形仕事量40に関して最大値が生じるように操作することにより、軌道突固めの効果を、前記特性値を用いて最適化することができる。
図5に示す突入段階における仕事量線図では、突固めツール8は双方向においてほぼ対称に作用する。この場合、仕事量線30は楕円形に等しい。バラスト17の抵抗は、この楕円形の傾きとして表される剛性に基づき説明することができる。具体的には、全体傾き39は、最小二乗法に基づき線形回帰によって求められる線42の傾きとして表されている。
本発明の有利な構成では、各振動サイクル29につき全ての特性値31~40が算出され、特性線が締込み過程全体にわたり評価される。図6および図7には、このような特性線が3D線図で示されている。x軸線およびy軸線は、図3~図5に示した横座標および縦座標に相当する。締込み時間43(一連の振動サイクル29)が第3の軸線で表されている。図6では例えば、新しいバラスト17の場合には、締込み時間43が増大するにつれ、最大力31が大幅に増大することが明確に認められる。
図8には図6と同様の測定結果が示されており、図9には図7と同様の測定結果が示されている。ただし、ここでは、力特性線は等しい力21の等高線45(等値線)として表されている。これらの線の間隔は、仕事量線図における傾き37,38(例えば荷重に対する剛性)を表している。特性線および値は、新しいバラスト17(図8)および古いバラスト17(図9)における締固め過程を特徴付ける。ここでは、接触突入点35の位置46の線および接触損失点36の位置47の線も書き込まれている。その時々の一定の接触力21に関しては、値の増大につれて異なる平行線で表されている。対応する凡例が、図8に添付されている。
図10~図14には、軌道1の所定の箇所6での2回の締込み過程を伴う一連の複数の振動サイクル29に関する特性値特性線が示されている。この場合は、各振動サイクル29において検出される各特性値(各特性値31~40の値)の不連続的な特性線である。第1の締込み過程48および第2の締込み過程49に関する特性値特性線は、各線図に一緒に示されており、それぞれ各締込み過程48,49の最初の振動サイクル29で始まる。特性線の比較は、バラスト17の締固めに対する推量を可能にすると共に、軌道箇所6毎に何回の突固め過程9が必要とされるかという決定基準としても用いられる。第1の締込み過程48と第2の締込み過程49との間の差が明確に認識可能であり、ひいては第2の過程49が正当化される。
図15~図20には、軌道1に沿って連続する複数の箇所6における一連の複数の突固め過程9またはまくらぎ位置に関する特性値特性線が示されている(三次元展開)。各線図は、各突固め過程9に関してやはり、2回の締込み過程47,48の特性値を示している。これらの三次元特性線は、軌道1の均一性、バラスト状態および締固め結果に関する情報を与えるものである。
とりわけ、古いバラスト(図18~図20)と、パッドが設置されていないまくらぎとを有する軌道1の場合には、個々のまくらぎ2の支持条件の間に大小の差があることが多い。これらの条件は、バラスト17の状態にも影響を及ぼし、全体的に異質な状態を生じさせる。これに対しては、突固め過程9の実施中に変更されるパラメータ設定値によって対応可能である。しかしながら、古い軌道1の異質性は存在したままである。したがって、図示の特性値特性線に基づき評価された異質性は、突固め間隔の設定基準として用いられる。
つまり、所定の軌道区分に関する特性値31~40の評価により、満足のいく軌道位置を維持するためにはこの軌道区分の次回の保守(突固め)がいつ必要とされているのかを見積もることができる。これにより、軌道1の寿命サイクルにおける目下の分類に関する指標が与えられていることになる。突固め間隔が徐々に短くなるにつれ、軌道1はその設置期間の終了に近づいており、復旧対策を講じる必要がある。よって、本方法は、軌道保守の包括的な計画にも適した特性値31~40を供給する。

Claims (15)

  1. 対向して位置しており、突固め過程(9)に際して振動(13)を加えられて軌道道床(5)中に降下されると共に締込み運動(18)でもって互いに接近する2つの突固めツール(8)を有する突固めユニット(7)を用いて軌道道床(5)を締め固めるための方法において、
    前記突固めユニット(7)に配置されたセンサ(20,22,24)を用いて、少なくとも1つの突固めツール(8)に関して1回の振動サイクル(29)中に前記突固めツール(8)に作用する力(21)の特性線(28)を、前記突固めツール(8)が進んだ距離(23,27)にわたって検出し、前記特性線から得られた仕事量線図の形状に基づき導出される特性値(31~40)を用いて、前記突固め過程(9)および/または前記軌道道床(5)の状態の評価を行うことを特徴とする、軌道道床(5)を締め固めるための方法。
  2. 前記特性値(31~40)を、前記突固めユニット(7)の制御用パラメータとして設定する、請求項1記載の方法。
  3. バラスト状態または前記道床(5)の締固め状態を評価するために、第1の特性値として、前記振動サイクル(29)中に前記突固めツール(8)に作用する最大力(31)を導出する、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記道床(5)の締固め状態を評価するために、第2の特性値として、前記振動サイクル(29)中に生じる振動振幅(32)を導出する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 前記道床(5)のバラスト状態を評価するために、前記振動サイクル(29)中に突固めツール(8)とバラスト(17)との間の接触突入ならびに突固めツール(8)とバラスト(17)との間の接触損失を求め、そこから第3の特性値を導出する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 前記道床(5)の支持力を評価するために、第4の特性値として、前記突固めツール(8)の負荷段階中の前記特性線(28)の傾き(37)を導出する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 前記道床(5)のバラスト状態を評価するために、第5の特性値として、前記突固めツール(8)の荷重軽減段階中の前記特性線(28)の傾き(38)を導出する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 利用率を求めるために、検出した前記特性線(28)から第6の特性値として、前記突固めツール(8)により成し遂げられた変形仕事量(40)を導出する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 前記道床(5)の全体剛性を求めるために、第7の特性値として、前記特性線(28)の全体傾き(39)を導出する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 前記全体傾き(39)を、検出された前記特性線(28)の線形回帰により求める、請求項9記載の方法。
  11. 前記突固めツール(8)に作用する前記力(21)の前記特性線(28)を、突固め過程(9)の複数回の振動サイクル(29)中に前記突固めツールが進んだ距離(23,27)にわたって検出し、前記振動サイクル(29)のそれぞれについて特性値を求め、特性値特性線を用いて評価過程を行う、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 1つの軌道箇所(6)において複数回の締込み過程(48,49)を実施し、前記道床(5)の締固め状態を評価するために、各締込み過程(48,49)について1回の振動サイクル(29)中の特性値を求めるか、または複数回の振動サイクル(29)中の特性値特性線を求め、設定した締固め状態が達成されない場合には、引き続き締込み過程を実施する、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. 軌道(1)に沿った複数の異なる箇所(6)における複数回の突固め過程(9)について、1回の振動サイクル(29)中の各1つの特性値を求めるか、または複数回の振動サイクル(29)中の特性値特性線を求め、これに基づき締固め結果および/または前記道床(5)の状態の三次元的な進展の評価を行う、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 請求項1から13までのいずれか1項記載の方法を実施するための装置であって、突固めユニット(7)を備えており、該突固めユニット(7)は、対向して位置する2つの突固めツール(8)を有しており、これらの突固めツール(8)は、それぞれ旋回アーム(10)を介して締込み駆動装置(11)と旋回駆動装置(12)とに連結されている、装置において、
    少なくとも1つの旋回アーム(10)および/または対応配置された前記突固めツール(8)に、該突固めツールが進んだ距離(23,27)にわたり前記突固めツール(8)に作用する力(21)の特性線(28)を検出するための複数のセンサ(20,22,24)が配置されており、これらのセンサ(20,22,24)の測定信号(25)が、評価装置(26)に供給され、該評価装置(26)は、前記特性線(28)から導出される特性値(31~40)を求めるように構成されていることを特徴とする、装置。
  15. 突固めツールホルダ(15)内に少なくとも1つの力測定センサ(20)が配置されている、請求項14記載の装置。
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